JP4078129B2 - 流量計測装置および流量計測装置動作状態判定装置ならびに流量計測装置の動作状態判定方法 - Google Patents

流量計測装置および流量計測装置動作状態判定装置ならびに流量計測装置の動作状態判定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は流量計測装置および流量計測装置動作状態判定装置ならびに流量計測装置の動作状態判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から広く一般に用いられているガスメータとして、いわゆる膜式ガスメータがある。この膜式ガスメータは、筐体内部にガス流の圧力によって振動を繰り返す膜を有しており、この膜の振動(換言すれば膜の吹子のような動作)による容積変化に対応してガスの流量を計測するという、いわば機械的な動作を用いてガス流量を体積量として直接計測する方式のメータである。その簡易で実用的な構造と高い耐久性を備えているという特質から、膜式ガスメータは広く一般に利用されて来た。
【0003】
このような膜式ガスメータでは、膜の振動を機械的な回転軸の回転に一旦変換し、その回転軸の回転に連動して、機械的なカウンタ装置によって回転式カウンタの数値を機械的にカウントアップしていくことにより、ガス流量の積算値をそのガスの使用量に対応して計数し、またそれを前述の回転式カウンタで表示する。
【0004】
ところで、近年、ガスメータにおいては、ガス流量値の計測やその積算値の演算を、電子回路を用いて演算処理し、表示するという機能や、さらにはそのデータをガスメータ外部の情報管理システム等に伝送する機能、あるいはガスメータやその配管等に異常が発生したことを電子回路とセンサとを用いた自動検知装置で検知する機能など、種々の機能をマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する)およびそれを中心とする周辺機器を用いて構築する方式の、いわゆるマイコンメータと呼ばれる電子回路内蔵型のガスメータが盛んに開発され、また実用に供されるようになっている。
【0005】
そのようなマイコンメータ化に対して、膜式ガスメータが対応するためには、前述のような機械的なカウンタ装置を用いて機械的にガス流量値をカウントアップしていくのではなく、回転軸上に付設された磁性体と、その磁性体の回転軌道の周囲の1か所に設けられたリードスイッチとを用いて、そのリードスイッチの電気的な開閉動作の回数を電気的に計数することによって、ガス流量値をカウントアップしていくという技術が開発され、また実用に供されている。
【0006】
すなわち、このようなマイコンメータ化された膜式ガスメータにおいては、図5(A)にその一例を模式的に示したように、膜(図示省略)の振動は一旦、機械的な回転軸1203の回転に変換されて、その回転軸1203上に付設されたアーム1204先端に支持されているフェライト永久磁石のような磁性体1201を回転させる。すると、この磁性体1201の回転運動に伴って、その回転軌道1204の周囲に磁界変化(図示省略)が生じ、この磁界変化によってリードスイッチ1202a,1202bの開閉動作が繰り返される。そのリードスイッチ1202a,1202bの開閉動作を信号(パルス波形)として電気的に検出し、その信号の出力回数(あるいは周波数)を電気的に計数し、そのカウント数に対応してガス流量値を算出することができる。
【0007】
このようにして、従来の膜式ガスメータにおいては、マイコンメータ化に対応していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、例えば道路や地盤に対する振動源となる大型車両などの交通量の多い場所や、住人の出入りに伴う振動や衝撃などが多い場合など、ガスメータの設置されている場所によっては、その周囲環境から振動や衝撃がガスメータに加わる事が多く、それに起因してガスを使用していないにも関わらず、リードスイッチ1202a,1202bがガスの使用時と同様に開閉動作(オン・オフ)を繰り返すといった誤動作を生じる可能性がある。これが外乱あるいは測定誤差としてガス流量の計測値に混入することに起因して、正確なガス流量の測定が妨げられるという不都合が生じる虞があった。
【0009】
すなわち、図5(B)に示したように、アーム1204の先端に支持されている磁性体1201が、外部からの衝撃や振動等に起因して、リードスイッチ1202a,1202bの付近でそれを中心として往復運動(振動)する場合がある。その結果、磁性体1201の往復運動によってリードスイッチ1202a,1202bが開閉動作を繰り返すことになり、ガス流によって回転軸1203が回転しているわけではないにも関わらず、あたかもガス流が流れたかのように、そのガス流量値がカウントアップされてしまい、正確なガス流量の測定ができなくなる虞があった。
【0010】
また、ガスメータは一般に、10年あるいはさらに長期間に亙って継続使用可能であることが要請されるようになって来ているが、そのような長期に亙る使用期間中に、リードスイッチ1202a,1202bは極めて多数の開閉動作を行うことになる。このため、リードスイッチ1202a,1202bに摩耗や金属疲労等の劣化や材質自体の経年変化が生じるなどして、そのリードスイッチ1202a,1202bが動作不良等の故障を引き起こし、その結果、正確なガス流量の測定ができなくなるという虞があった。
【0011】
すなわち、例えばリードスイッチ1202a,1202bが摩耗するなどして接触不良を引き起こしている場合などには、ガスが流れて磁性体1201が正確に回転しているにも関わらず、それに対してリードスイッチ1202a,1202bは正確な開閉動作を行うことなく開状態(オフ状態)のままとなるので、ガス流量を計測することができなくなる。
【0012】
しかも、上記のようにリードスイッチ1202a,1202bが故障していても、その故障が生じているか否かをガスメータの外部から判別することはできない。それ故、ガスメータの1か月ごとなどの定期的検針の際に、それまでの1か月中のガス流量(つまりガス使用量)が他の月の使用量と比較して異常に少ないなどの兆候を考慮することなどによってしか、そのガスメータの故障つまりリードスイッチ1202a,1202bの故障を判別することができない。このため、リードスイッチ1202a,1202bに故障が生じて正確なガス流量の計測ができない状態となっていても、それを見逃してしまい、次の検針までその計測不能な状態のままでいる確率が高いという不都合があった。
【0013】
またさらには、リードスイッチ1202a,1202bに故障や誤動作が生じた場合以外に、例えば計測対象の流体に脈動が生じた場合などでも、上記のようなリードスイッチ1202a,1202bの誤動作と同様にリードスイッチ1202a,1202bが開閉動作を繰り返す場合があり、それ故、リードスイッチ1202a,1202bの故障や誤動作発生を正確かつ確実に検知するためには、リードスイッチ1202a,1202bや回路系などに本当に故障が生じたのか、それとも計測対象のガスの流れに脈動が生じたのかを正確に峻別(判定)することが必要であることを、本発明者らはガスメータの長期間に亘る稼働状況の解析や種々の耐久実験等によって確認した。しかし、そのような判定を行う技術は、従来、提案も実用化も成されていなかった。また、そのような動作状態を判定するという技術は、ガスメータにおいてのみならず、一般に都市ガスやプロパンガス以外の流体を計測対象とする種々の流量計測装置や流速計測装置でも同様に、提案も実用化も成されていなかった。
【0014】
本発明はかかる問題に鑑みて成されたもので、その目的は、ガスメータのような流量計測装置においてリードスイッチなどに故障が発生した場合には、それを計測対象の流体中に脈動が発生した場合とは峻別して正確に検知することができ、あるいは計測対象の流体中に脈動が発生した場合には、それをリードスイッチなどに故障が発生した場合とは峻別して正確に検知することができる、流量計測装置および流量計測装置動作状態判定装置ならびに流量計測装置の動作状態判定方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による流量計測装置は、計測対象の流体の流れに対応して磁性体を所定の軌道上で移動させ、その磁性体の移動による磁界変化に対応してリードスイッチまたは磁気センサから信号を出力し、その信号の周波数または周期に基づいて前記流体の流量の計測値を演算する流量計測装置であって、前記リードスイッチまたは前記磁気センサが複数個、軌道上に配置されており、前記複数のリードスイッチまたは前記複数の磁気センサから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数または周期とに基づいて、当該流量計測装置の動作に故障が発生しているか否かを判定する故障判定手段、および当該流量計測装置の計測対象の流体に脈動が発生しているか否かを判定する脈動発生判定手段を含む判定手段を備えたものである。
【0016】
また、本発明による流量計測装置動作状態判定装置は、計測対象の流体の流れに対応して磁性体を所定の軌道上で移動させ、その磁性体の移動による磁界変化に対応してリードスイッチまたは磁気センサから信号を出力し、その信号の周波数または周期に基づいて前記流体の流量の計測値を演算する流量計測装置における動作状態を判定するための、流量計測装置動作状態判定装置であって、前記流量計測装置には、前記リードスイッチまたは前記磁気センサが複数個、前記軌道上に配置されており、前記複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数または周期とに基づいて、当該流量計測装置の動作に故障が発生しているか否かを判定する故障判定手段、および当該流量計測装置の計測対象の流体に脈動が発生しているか否かを判定する脈動発生判定手段を含む判定手段を備えたものである。
【0017】
また、本発明による流量計測装置の動作状態判定方法は、計測対象の流体の流れに対応して磁性体を所定の軌道上で移動させ、その磁性体の移動による磁界変化に対応してリードスイッチまたは磁気センサから信号を出力し、その信号の周波数または周期に基づいて前記流体の流量の計測値を演算する流量計測装置における動作状態を判定する、流量計測装置の動作状態判定方法であって、前記リードスイッチまたは前記磁気センサを複数個、前記軌道上に配置しておき、前記複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数または周期とに基づいて、前記流量計測装置の動作に故障が発生しているか否かの判定、および前記流量計測装置の計測対象の流体に脈動が発生しているか否かの判定を行う、というものである。
【0018】
本発明による流量計測装置または流量計測装置動作状態判定装置または流量計測装置の動作状態判定方法では、リードスイッチまたは磁気センサを複数個、所定の軌道上に配置しておき、それら複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数または周期との、両方の組み合わせに基づいて動作判定を行うことで、当該流量計測装置自体における流量計測の動作に故障が発生しているか否か、および当該流量計測装置の計測対象である流体に脈動が発生しているか否か、のうち、いずれか一方または両方の判定を、その両者を互いに峻別しながら行うことが可能となっている。
【0019】
本発明による流量計測装置または流量計測装置動作状態判定装置または流量計測装置の動作状態判定方法における、さらに具体的な態様としては、前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合であって、かつ所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続している場合には、当該流量計測装置に故障が生じており、かつ前記流体には脈動が発生していないものと判定する。
【0020】
すなわち、複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから出力される信号の周波数が計測対象の流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または信号の周期が流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合には、計測対象の流体に脈動が発生しているという確率は極めて低い。かつこのとき、例えば脈動の最長継続時間として想定された所定の信号数を超える長期間に亘って連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続しているということは、このときの一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力され続けているという現象は、脈動に起因したものではなく、例えばリードスイッチまたは磁気センサに故障が生じているなどのように、当該流量計測装置に何らかの故障が生じていることに起因して生じたものと判定することができる。
【0021】
あるいは、前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合であって、かつ一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合または前記リードスイッチまたは前記磁気センサが所定の順番で前記信号を出力している状態を継続している場合には、当該流量計測装置には故障が生じておらず、かつ前記流体には脈動が発生していないものと判定する。
【0022】
すなわち、複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから出力される信号の周波数が流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または信号の周期が流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合には、計測対象の流体に脈動が発生しているという確率は低い。かつこのとき、例えば脈動の最長継続時間として想定された所定の信号数以下に亘って一つのリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続した後に所定の順番で信号を出力する状態になった(戻った)場合、またはリードスイッチまたは磁気センサが所定の順番で信号を出力している状態をずっと継続している場合には、リードスイッチまたは磁気センサは正常に機能しているものと判定することができる。
【0023】
ここで、脈動の最長継続時間として想定された所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で信号を出力する状態に戻った、という現象は、脈動未満の緩慢な周波数または周期の流体振動、すなわち、いわゆる流れのうねりまたは揺らぎに起因して生じるものと推定される。あるいは、何らかの外部要因等による機械的振動が外乱として作用して磁性体が低周波の振動を引き起こしたものと推定される。従って、いずれにせよ、緩慢な周波数または周期で一つのリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が暫時継続した後に所定の順番で信号を出力する状態に戻ったということは、うねりや揺らぎが生じていることに起因してそのような状態が発生したものと、高い妥当性を以って判定することができるということである。
【0024】
あるいは、前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にある場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際の周期として想定される周期の範囲内にある場合であって、かつ所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続している場合には、当該計測装置に故障が生じているものと判定する。
【0025】
すなわち、複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから出力される信号の周波数が計測対象の流体に脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にある場合または信号の周期が計測対象の流体に脈動が発生している際の周期として想定される周期の範囲内にある場合には、計測対象の流体に脈動が発生している可能性がある。しかし、このとき例えば脈動の継続時間として想定される最長継続時間に対応した所定の信号数を超えて、連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続しているということは、その一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサ以外のリードスイッチまたは磁気センサが故障していると判定することの方が、より妥当性が高い(判定が正しい確率が高い)。従って、この場合には、当該計測装置に故障が生じているものと判定する。
【0026】
あるいは、前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際の周波数の範囲内にある場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際の周期の範囲内にある場合であって、かつ一つのリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合には、当該流量計測装置には故障が生じておらず、かつ前記流体に脈動が発生しているものと判定する。
【0027】
すなわち、複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから出力される信号の周波数が計測対象の流体に脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にある場合または信号の周期が計測対象の流体に脈動が発生している際の周期として想定される周期の範囲内にある場合には、計測対象の流体に脈動が発生している可能性が高い。しかも、一つのリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合には、当該流量計測装置には故障が生じていない可能性が高い。従って、これらを考え併せると、この場合には、当該流量計測装置には故障が生じておらず、かつ計測対象の流体に脈動が発生しているものと、高い妥当性を以って判定することができる。
【0028】
あるいは、前記信号の出力の順番如何に関わらず、前記信号の周波数が前記流体に発生し得ると想定される脈動の最高周波数を超えた周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に発生し得ると想定される脈動の最短周期未満の周期である場合には、当該流量計測装置に故障が生じているものと判定する。
【0029】
すなわち、リードスイッチまたは磁気センサから出力される信号の周波数が、流体に発生し得ると想定される脈動の最高周波数を超えたような非現実的な周波数である場合または信号の周期が非現実的な周期である場合には、検出された信号が通常存在し得る流量値に対応した周波数や周期から逸脱した非現実的な周波数または周期のものであることは言うまでもないから、そのときの信号が複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから出力される順番の如何に関わらず、当該流量計測装置に故障が生じているものと判定することの可能性が極めて高い。従って、この場合には、当該流量計測装置に故障が生じているものと、高い妥当性を以って判定することができる。
【0030】
なお、前記流量計測装置に故障が生じているものと判定された場合、または前記流体に脈動が発生しているものと判定された場合には、その旨の警報を発する警報発生手段を備えるようにしてもよい。
【0031】
このようにすることにより、流量計測装置に故障が生じているものと判定された場合にはその旨の警報を発して、故障が発生したことをユーザに確実に報知することが可能となる。または、流体に脈動が発生しているものと判定された場合にはその旨の警報を発して、流体に脈動が発生していることをユーザに確実に報知することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施の形態に係る流量計測装置としてのガスメータの概要構成を表したブロック図、図2(A)(B)は特にその磁性体およびリードスイッチを備えたパルス発生部の構造の概要を表した模式図である。なお、本発明の実施の形態に係る流量計測装置動作状態判定装置は、このガスメータに組み込まれ、あるいはこのガスメータの外部に付設されて用いられるものであり、また本発明の実施の形態に係る流量計測装置の動作状態判定方法は、このガスメータの動作状態判定の機能あるいは作用によって具現化されるものであるから、以下、それらを併せて説明する。
【0034】
このガスメータは、ガス流量を容積計量する機構を備えた機構部100と、その機構部100によって回転される磁性体201およびその磁性体201の回転によって電気的な開閉動作を行う複数のリードスイッチ202a,202b,202cとを有するパルス発生部200と、このパルス発生部200で発生したパルス(信号)を検出しその回数および周波数をカウントする信号計数部300と、この信号計数部300においてカウントされた回数に対応してガス流量を算出するガス流量算出部400と、このガスメータの動作状態の判定を行う判定部500と、この判定部500による判定結果に対応した警報を発する警報部600と、この警報部600で警報を発すると共にそのときの判定結果の情報をデータとして記録する記録部700とを、その主要部として備えている。
【0035】
なお、この他にも、例えば図示しない遮断弁装置やガス漏洩検知装置なども、一般的なガスメータ同様に備えていても構わないことは言うまでもない。そしてその場合には、遮断弁装置やガス漏洩検知装置の制御用にいわゆるマイコンメータ用として一般に用いられているマイクロコンピュータ等の電子回路系を、本実施の形態に係る動作状態判定装置の主要部の構成要素である信号計数部300や判定部500などの電子回路系としても兼用できるので、むしろ望ましいといえる。
【0036】
機構部100は、膜式と呼ばれる、ガス流量を容積計量する吹子のような機構(図示省略)を備えている。機構部100の吹子にガスが流れ込むと、吹子は容積変化を繰り返して反復運動する。吹子の容積変化の反復運動は回転軸203の回転に機械的に変換され、その回転軸203の回転に連動して、パルス発生部200に設けられているフェライトのような磁性体201が回転する。
【0037】
パルス発生部200は、前述のようにガス流に対応して回転する磁性体201と、その磁性体201が回転するとそれに伴う磁界変化によって電気的な開閉動作を繰り返してパルス状の信号を出力する複数のリードスイッチ202a,202b,202cとを備えている。複数のリードスイッチ202a,202b,202cは、本実施の形態では磁性体201の回転軌道の周囲に弧度法で120度ずつ隔たった3か所にそれぞれ一個ずつ設けられている。リードスイッチ202a,202b,202cの個々の構造については、一般的なものを用いて構わない。あるいは、これらのリードスイッチ202a,202b,202cの代りに、これらと同様に磁性体201の回転に伴う磁界変化によってパルス状の信号を出力する例えばホールセンサのような磁気センサ等を用いることも可能であることは言うまでもない。
【0038】
なお、計測対象のガスに脈動が発生すると、それに起因して磁性体201が回転軌道上で正逆方向に振動を繰り返すことになるが、このときの振動の振れ角をθとすると、リードスイッチ202a,202b,202cの配置角度はθよりも大きな角度に設定することが望ましい。本実施の形態では、機構部100の容量や機構上の設定から、想定される最大の脈動に対応した振れ角θは120度未満であるため(θ<120度)、リードスイッチ202a,202b,202cは、磁性体201の回転軌道上(より詳しくは回転軌道から磁性体201の通過による磁界変化の影響を受けてパルスを出力することが可能な距離を隔てた位置)で、互いに120度ずつ離れた位置に配置されている。従って、本実施の形態では、計測対象のガスに脈動が発生して磁性体201が振動した場合には、リードスイッチ202a,202b,202cのうち、そのとき磁性体201の直近に位置しているもののみから繰り返しパルスが出力〜検出されることとなる。
【0039】
信号計数部300、ガス流量算出部400、判定部500、警報部600、記録部700の、それぞれ電気的な動作を行う主要部は、その動作を実行するためのソフトウェアによって構築されるシステムを含めて、マイコン1100を用いた電子回路系によって構築されている。
【0040】
信号計数部300は、複数のリードスイッチ202a,202b,202cのそれぞれの開閉動作を検出して、その開閉動作の回数および周波数をカウントすると共に、それらリードスイッチ202a,202b,202cから信号が出力される順番を検出する。この信号計数部300でのパルスのカウントおよび出力の順番の検出は、例えばリードスイッチ202a,202b,202cからそれぞれ検出されるパルスの立ち上がりまたは立ち下がりを検出することによって行うことができる。
【0041】
より具体的には、例えば全てのリードスイッチ202a,202b,202cが故障しておらず正常に機能しており、かつ脈動も発生していない場合には、ガスの流量がある(流量>0)ときには、そのガスの流れに対応した磁性体201の回転に伴って、環状に並んだリードスイッチ202a,202b,202cから、磁性体201の回転方向に、例えばリードスイッチ202a→リードスイッチ202b→リードスイッチ202c→リードスイッチ202a…のような正規の順番で繰り返しパルスが検出される。
【0042】
あるいは、例えばリードスイッチ202aに故障が生じており他のリードスイッチ202b,202cが正常に機能している状態にある場合には、磁性体201が回転を繰り返しているにも関わらず、リードスイッチ202b→リードスイッチ202c→リードスイッチ202b→リードスイッチ202c→リードスイッチ202b…というように、飛び飛びに特定のリードスイッチだけからパルスが検出される。
【0043】
あるいは、例えばリードスイッチ202b,202cに故障が生じておりリードスイッチ202aのみが正常に機能している状態にある場合には、磁性体201が回転を繰り返しているにも関わらず、リードスイッチ202aのみから繰り返しパルスが出力され、検出される。
【0044】
あるいは、例えば磁性体201がリードスイッチ202aに対してその±120度の範囲内の直近に位置していたときに、計測対象のガスに脈動が発生した場合には、その脈動に起因して磁性体201が振動してリードスイッチ202aを中心として回転軌道上を往復する運動を繰り返す。このため、実際には流量が0であるにも関わらず、リードスイッチ202aのみから繰り返しパルスが出力され、検出される。
【0045】
ガス流量算出部400は、信号計数部300でカウントされた開閉動作の回数(パルス数)に対応して、ガスの流量を算出するものである。つまりこのガス流量算出部400は、リードスイッチ202a,202b,202cから検出される3系統のパルス数に基づいて、そのときのガス流量を算出する。さらに具体的には、3つのリードスイッチ202a,202b,202cそれぞれから検出されるパルス数を合算してカウントし、そのカウント値をガス流量値に換算する。このようなパルス数のカウント値をガス流量に換算する数値処理は、マイコン1100の一般的な計数機能を用いればよい。但し、このとき同一のガス流量に対応するパルス数は、従来のような1個のリードスイッチから検出されたパルス列に基づいてガス流量を算出する場合の3倍のパルス数となる。よって、この場合のパルス数からガス流量への換算率は、従来の場合の1/3となることは言うまでもない。
【0046】
なお、この換算率は、さらに多数個のリードスイッチを用いる場合には、その個数nに対応して1/nとなる。ここで、リードスイッチの個数は、多ければ多いほど、単位流量の分解能が向上し、そのような高い分解能で検出されるパルスに基づいてガス流量算出部400がガス流量を算出するので、従来よりもさらに細かいスケールでさらに詳細なガス流量の計測が可能となるというメリットがある。しかしその一方、余りにも多いと、それらの一つにでも故障が生じると正確な計測が妨げられることになるので、故障発生の蓋然性が高くなってしまうというデメリットもある。従って、それら両者を考慮した上で適宜にリードスイッチの個数を設定することが望ましい。
【0047】
ガス流量算出部400は、その算出(換算)したガス流量値を積算し、これを積算値記録用の記録媒体800に書き込む。
【0048】
判定部500は、複数のリードスイッチ202a,202b,202cから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数とに基づいて、ガスメータに故障(または誤動作)が発生しているか否か、および計測対象であるガスに脈動が発生しているか否か、の判定を行うものである。
【0049】
さらに詳細には、この判定部500では、図3に一覧表として纏めて示したような判定ロジックに基づいて、ガスメータの故障の有無の判定および脈動の発生の有無の判定を行う。ここで、図3に基づいて、その主要な判定ロジックの一つ一つを説明する。
【0050】
第1に、信号の周波数が、ガスに脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合であって、かつ、例えばリードスイッチ202a→リードスイッチ202a→リードスイッチ202a…のように所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチのみから信号が出力される状態が継続している場合には、当該ガスメータにおける例えばリードスイッチ202a,202b,202cのいずれかに故障が生じており(上記の一例ではリードスイッチ202b,202cに故障が生じていて、それらからは信号が出力されない)、かつ計測対象のガスには脈動が発生していないものと判定する。
【0051】
すなわち、リードスイッチ202a,202b,202cからそれぞれ出力される信号の周波数(これをPとする)が、計測対象の流体に脈動が発生している際に想定され得る最低周波数(これをfbeat-Lとする)よりも低周波数である場合(P<fbeat-L)には、計測対象の流体に脈動が発生しているという可能性(確率)は極めて低い。よって、このとき脈動は発生していないものと判定することができる。かつこのとき、例えば脈動の最長継続時間として想定された所定の信号数(これをNとする)を超える長期間に亘って連続的に、リードスイッチ202a,202b,202cのうちのいずれか一つまたは特定のリードスイッチのみから信号数nに亘って信号が出力される状態が継続している(n>N)ということは、それが脈動に起因したものではないという判定と併せて考えれば、例えば特定のリードスイッチに故障が生じているというように、当該ガスメータに何らかの故障が生じているものと判定することができる。
【0052】
第2に、信号の周波数が、ガスに脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合であって、かつ、一つのリードスイッチのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に、所定の順番で信号を出力する状態になった場合(例えばリードスイッチ202a→リードスイッチ202a→リードスイッチ202a→リードスイッチ202b→リードスイッチ202c…のように)またはリードスイッチが所定の正規の順番で信号を出力している状態を継続している場合(リードスイッチ202a→リードスイッチ202b→リードスイッチ202c…のように)には、当該ガスメータには故障が生じておらず、かつ流体には脈動が発生していないものと判定する。
【0053】
すなわち、リードスイッチ202a,202b,202cからそれぞれ出力される信号の周波数Pが、計測対象の流体に脈動が発生している際に想定され得る最低周波数fbeat-Lよりも低周波数である場合(P<fbeat-L)には、計測対象の流体に脈動が発生しているという可能性は低い。よって、このとき脈動は発生していないものと判定することができる。かつこのとき、一つのリードスイッチのみから信号が出力される状態が所定の信号数N以下に亘って継続(n≦N)した後に、所定の順番で信号を出力する状態になったということは、そのときの暫時的な飛び飛びのような順番での信号の出力は、例えば流体としてのガス中に生じる脈動よりも低周波数のうねりや機械的振動のような外乱等に起因して生じたものであって、リードスイッチ202a,202b,202cの故障に起因したものではないと判定することができる。ここで、脈動の最長継続時間として想定された所定の信号数N以下に亘って継続した後に所定の順番で信号を出力する状態に戻った、という現象は、脈動未満の緩慢な周波数または周期の流体振動、すなわち、いわゆる流れのうねりまたは揺らぎに起因して生じたもの、あるいは低周波の機械的振動のような外乱に起因して生じたものと推定される。従って、その場合には、うねりや揺らぎまたは機械的振動のような外乱が発生していると判定するようにしてもよい。なお、ガスに脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数の信号が検出された場合であって、その信号が正規の順番で出力〜検出された場合には、脈動も故障も発生していないものと判定すればよいことは言うまでもない。
【0054】
第3に、信号の周波数Pが、ガスに脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内(これをfbeat-L≦P≦fbeat-Hとする)にある場合であって、かつ所定の信号数Nを超えて連続的に信号数n(n>N)に亘って一つまたは特定のリードスイッチのみから信号が出力される状態が継続している場合には、当該ガスメータに故障が生じているものと判定する。
【0055】
すなわち、リードスイッチ202a,202b,202cからそれぞれ出力される信号の周波数Pが、計測対象のガスに脈動が発生した際の周波数として想定される周波数の範囲内にある場合(fbeat-L≦P≦fbeat-H)には、計測対象の流体に脈動が発生している可能性が高い。しかし、このとき例えば脈動の継続時間として想定される最長継続時間に対応した所定の信号数Nを超えて(n>N)、連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続しているということは、通常の脈動の発生時には有り得ないことであるから、前述の信号を出力している一つまたは特定のリードスイッチ以外のリードスイッチが故障しているか、あるいは前述の信号を出力している一つまたは特定のリードスイッチにチャタリングのような誤動作が発生していると判定することの方が、より妥当性が高い。従って、この場合には、当該ガスメータに何らかの故障が生じているものと判定する。あるいは、可能性は低いが、通常では想定されないような長時間に亘って継続する脈動が発生していると判定するようにしてもよい。但し、そのような事象が発生する可能性は低いので、そのような判定ロジックは採用しないようにしてもよい。
【0056】
ここで、脈動は、間欠運転されるガスヒートポンプのようなガス消費機器の運転に伴って発生する場合が多いが、そのようなガス消費機器は一般に、比較的短時間の運転デューティと休止時間との繰り返しで間欠運転されるので、脈動の最長継続時間はそのようなガス消費機器の運転パターンによって定まる場合が多い。従って、そのようなガス消費機器の運転パターンによって定まる最長継続時間に基づいて、上記の脈動の最長継続時間に対応した所定の信号数Nを設定することができる。
【0057】
第4に、信号の周波数が、ガスに脈動が発生している際の周波数の範囲内にある場合であって、かつ一つのリードスイッチのみから信号が出力される状態が所定の信号数N以下に亘って継続した後に所定の順番で信号を出力する状態になった場合には、当該ガスメータには故障が生じておらず、かつガスに脈動が発生しているものと判定する。
【0058】
すなわち、リードスイッチ202a,202b,202cから出力される信号の周波数Pが、計測対象のガスに脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にある場合(fbeat-L≦P≦fbeat-H)には、計測対象のガスに脈動が発生している可能性が高い。しかも、一つのリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数N以下の信号数n(n≦N)に亘って継続した後に所定の順番で信号を出力する状態に戻った場合には、リードスイッチ等に故障が生じていたとするとそのように出力が正規の順に戻ることの蓋然性は極めて低いのであるから、当該ガスメータには故障が生じていないものと判定することの妥当性の方が、計測対象の流体に脈動が発生しているとする妥当性よりも高い。従って、それらを考え併せると、この場合には、当該ガスメータには故障が生じておらず、かつ計測対象のガスに脈動が発生しているものと判定することができる。
【0059】
第5に、信号の出力の順番如何に関わらず、信号の周波数Pがガスに発生し得ると想定される脈動の最高周波数(fbeat-H)を超えた周波数である場合(P>ffbeat-H)には、当該ガスメータに例えばマイコンの暴走のような故障あるいはリードスイッチに高周波数のチャタリングのような誤動作が生じているものと判定する。
【0060】
すなわち、リードスイッチ202a,202b,202cからから出力される信号の周波数が、ガスに発生し得ると想定される脈動の最高周波数(fbeat-H)を超えたような非現実的な周波数である場合(P>fbeat-H)には、これは存在し得る流量値に対応した周波数や周期から逸脱した非現実的な周波数であることは言うまでもないから、そのときの信号がリードスイッチ202a,202b,202cから出力される順番の如何に関わらず、当該ガスメータに故障または誤動作が生じているものと判定することの妥当性が極めて高い。従って、この場合には、当該ガスメータに何らかの故障が生じているものと判定する。
【0061】
なお、上記以外にも、第6に、信号の周波数が、ガスに脈動が発生している際の周波数の範囲内にある場合であって、かつ正規の順番で信号の出力が継続する場合なども、事象の組み合わせのうちの一種類として想定される。
【0062】
この場合には、リードスイッチ202a,202b,202cから出力される信号の周波数Pが、計測対象のガスに脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にある(fbeat-L≦P≦fbeat-H)ことからすれば、計測対象のガスに脈動が発生している可能性が高い。しかし、正規の順番で信号の出力が継続していることからすると、このとき検出された信号が脈動に起因して発生した繰り返しの信号であるのか否かを確証することは困難あるいは不可能となる。また、正規の順番で信号が出力されていることからすると、0ではない何らかの流量が流れていることになるが、しかしこのとき検出された信号の周波数は計測対象のガスに脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にあることからすると、通常の流量が流れている場合には考えられないような非現実的な高い周波数で信号が出力されているのであるから、何らかの故障が生じている可能性が高いことになる。これらを考え併せると、この場合には、脈動またはそれと同程度の高周波数の振動等が磁性体201に生じながら通常の流量のガスが流れているか、または当該ガスメータに何らかの故障が生じているかのうち、いずれかであるものと判定することが可能である。但し、そのいずれか一つに特定することは困難あるいは不可能である。
【0063】
なお、この第6のような事象が実際に発生する蓋然性は、他の場合よりも極めて低いものと考えられる。従って、このような場合については、判定ロジックから除外(無視)するようにしても実質的には構わない。
【0064】
この判定部500では、上記のような判定ロジックに基づいて当該ガスメータにおける動作状態(故障発生の有無および脈動発生の有無)の判定を行う。
【0065】
なお、この判定部500で当該ガスメータに誤動作が発生していると判定されると、これに基づいて、信号計数部300のカウントを停止させるようにしてもよい。あるいは、この判定部500での判定とは別に、前述の信号計数部300が独自にパルス数をカウントするか否かを判別してその切り換えを行うようにしても良い。ただしその場合には、判定部500とは別に信号計数部300で独自の判別手段を用いることが必要となるので、判定部500の判定結果に基づいて信号計数部300のカウント停止の制御を行うようにすることが望ましい。
【0066】
警報部600は、故障あるいは脈動が発生していることが判定部500によって判定されると、それを発光ダイオード素子の光の点滅などによって視覚的に、あるいは音声発生装置の発する警報音などによって聴覚的に、報知する警報装置601と、それを駆動する駆動回路602とから、その主要部が構成されている。この警報部600は、当該ガスメータに故障が生じていること、または脈動が発生していることが、判定部500によって判定されると、そのような事象が生じていることを、前述のような視覚的な情報あるいは聴覚的な情報等によって報知する。
【0067】
記録部700は、故障や脈動が発生したことをデータとして記録する判定結果記録用の記録媒体701と、その記録媒体701にデータの書き込み/読み出しを行う記録制御部702とを備えている。記録媒体701としては、例えば半導体記録素子であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)などを用いることができる。またそのバックアップ用電源(図示省略)としては、一般的なマイコン1100等の電子回路系を駆動するために用いられる長期使用型リチウム電池を用いることが可能である。
【0068】
記録制御部702は、ガスメータの検針時や動作チェック時などに、通信装置900を介してこのガスメータ外部のいわゆるハンディターミナルと呼ばれるような記録読出装置1000に接続されて、この記録読出装置1000から入力される読み出し命令に従って、記録媒体701に記録されているデータを読み出して、そのデータを記録読出装置1000へと送出する。この記録部700では、当該ガスメータに故障や脈動が生じたことが判定部500によって判定されると、その判定結果をデータとして記録する。その故障や脈動に関する判定結果のデータは、その事象が検出された日時および時刻のデータと共に、記録媒体701に記録され、検針の際などに読み出されて、それまでの使用期間中に故障や脈動が発生していたかどうか、また発生していた場合にはそれがいつ発生したかについてをチェックするためなどに用いられる。
【0069】
次に、このガスメータの動作について、特にその状態判定の流れを中心として説明する。図4は、このガスメータにおける状態判定動作の主要な流れを循環フローチャートで表したものである。なお、その他の例えば流量の測定〜流量積算値の算出や、微少漏洩検知などのような動作についての詳細な説明および図示は省略するが、そのようなガスメータとしての一般的な動作については、このガスメータでも実行可能であることは言うまでもない。
【0070】
ユーザがガスメータの下流側でガスを使用すると、それに伴ってガスが流れて、そのガス流によって磁性体201が回転する。すると、その磁性体201の回転軌道の周囲に設けられた3個のリードスイッチ202a,202b,202cは、それが故障あるいは誤動作しておらず正常な状態であれば、磁性体201の回転に伴う磁界変化によって例えばリードスイッチ202a→リードスイッチ202b→リードスイッチ202cのように正規の円順列的な順番で、それぞれ開閉動作を行って、その順番で信号が出力される。あるいは、例えばリードスイッチ202aが故障している場合にはリードスイッチ202b→リードスイッチ202c→リードスイッチ202b→リードスイッチ202c…のように正規の順番と比較していわゆる飛び飛びの順番で信号が出力される。いずれにしても、パルス発生部200から信号(パルス)が出力される。その信号を、まず判定部500が検出する(Step1;以下、S1のように略称する)。
【0071】
判定部500では、検出された信号について、まず、それらが3個のリードスイッチ202a,202b,202cのうちのどれから出力されたものであるのかを区別し、その出力された順番をチェックする(S2)。
【0072】
そして正規の順番であり(S2のY)、かつそのときの信号の周波数Pがfbeat-Hを超えた(P>fbeat-H)高周波数である場合には(S3のY)、故障が生じているものと判定する(S4)。あるいはそのときの信号の周波数Pがfbeat-H以下(P≦fbeat-H)の周波数である場合には(S3のN)、故障は生じておらず正常な流量計測が可能な状態であるものと判定する(S5)。
【0073】
信号の出力が正規の順番ではない状態が継続しており(S2のN)、かつそのときの信号の周波数Pがfbeat-L未満(P<fbeat-L)の低周波数である場合には(S6のY)、故障が生じているものと判定する(S7)。あるいはそのときの信号の周波数Pが、fbeat-L以上(P≧fbeat-L)の周波数でありかつfbeat-H以下(P≦fbeat-H)の周波数の範囲内である場合(fbeat-L≦P≦fbeat-H,すなわちS6のN〜S8のY)であって、さらにその正規の順番ではない信号の出力が正規の順番に戻った場合には(S9のY)、脈動は発生しているが故障は生じていないものと判定する(S10)。あるいは正規の順番ではない信号の出力が所定の信号数Nを超えて継続している場合には(S9のN)、故障が生じているものと判定する(S11)。
【0074】
あるいは、信号の出力が正規の順番ではない状態が継続しており(S2のN)、かつそのときの信号の周波数Pが、脈動として想定される最高周波数fbeat-Hよりも高い周波数である場合には(S6のN〜S8のN)、例えばマイコンの暴走のような故障が生じているものと判定する(S12)。
【0075】
このようにして、本実施の形態に係るガスメータでは、リードスイッチ202a,202b,202cなどに故障(または誤動作)が発生した場合には、それを計測対象の流体であるガス中に脈動が発生した場合とは峻別して正確に検知することができ、あるいは計測対象のガス中に脈動が発生した場合には、それをリードスイッチ202a,202b,202cなどに故障が発生した場合とは峻別して正確に検知することができる。
【0076】
また、信号計数部300、ガス流量算出部400、判定部500、警報部600、記録部700の、それぞれ電気的な動作を行う主要部は、その動作を実行するためのソフトウェアによって構築されるシステムを含めて、マイコン1100を用いた電子回路系によって構築できるので、特に近年のいわゆるマイコンメータ化に馴染みやすく、従来のマイコン内蔵型のガスメータに対してハードウェアとしてさらに追加すべき部位は、マイコン1100を用いた電子回路系の中に主にソフトウェア的に新たに追加して構築される判定部500と、複数のリードスイッチ202a,202b,202cと、警報装置601として用いられる発光ダイオード素子と、判定結果記録用の記録媒体701程度のもので済む。
【0077】
あるいは、警報装置601用の発光ダイオード素子として、例えば従来からガス漏洩警報用などに用いられている発光ダイオード素子を流用して、その発光ダイオード素子を異常発生警報用の形式で点滅させるようにすれば、この発光ダイオード素子についても従来のものを用いれば良いことになる。また、判定結果記録用の記録媒体701として、従来から積算値記録用などに用いられている記録媒体800の記録領域の一部を流用すれば、この記録媒体701についても従来のものを用いればよいことになる。このように、本実施の形態によれば、簡易な構成で上記のような種々の特長を備えたガスメータを実現することができる。その結果、このガスメータ全体としてのコストの低廉化を達成することなども可能である。
【0078】
なお、上記の実施の形態では、磁性体の回転運動による磁界変化に対応して信号を出力するデバイス(素子)としてリードスイッチを用いたが、この他にも、例えばホール素子のような磁気センサを用いることなども可能である。
【0079】
また、本実施の形態に係る流量計測装置または流量計測装置動作状態判定装置または流量計測装置の動作状態判定方法は、上記のようなガスメータに適用することのみには限定されないことは言うまでもない。この他にも、例えば液体燃料の流量を計測するための流量計測装置や、断面積が固定的に定まっている管路中の流れ以外にも、例えば自然風のような流管の断面が変化し得るような流れの流速を計測するための流速計測装置などにも適用可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし7のいずれかに記載の流量計測装置、または請求項8ないし14のいずれかに記載の流量計測装置動作状態判定装置、または請求項15ないし21のいずれかに記載の流量計測装置の動作状態判定方法によれば、リードスイッチまたは磁気センサを複数個、所定の軌道上に配置しておき、それら複数のリードスイッチまたは複数の磁気センサから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数または周期との、両方の組み合わせに基づいて動作判定を行うようにしたので、当該流量計測装置自体における流量計測の動作に故障が発生しているか否か、および当該流量計測装置の計測対象である流体に脈動が発生しているか否か、のうち、いずれか一方または両方の判定を、その両者を互いに確実に(高い妥当性で)峻別しながら行うことが可能となり、その結果、ガスメータのような流量計測装置においてリードスイッチなどに故障(または誤動作)が発生した場合には、それを計測対象の流体中に脈動が発生した場合とは峻別して正確に検知することができ、あるいは計測対象の流体中に脈動が発生した場合には、それをリードスイッチなどに故障が発生した場合とは峻別して正確に検知することができる。
【0081】
また、請求項7記載の流量計測装置または請求項14記載の流量計測装置動作状態判定装置または請求項21記載の流量計測装置の動作状態判定方法によれば、前記流量計測装置に故障が生じているものと判定された場合、または前記流体に脈動が発生しているものと判定された場合には、その旨の警報を発する警報発生手段を備えるようにしたので、流量計測装置に故障が生じているものと判定された場合にはその旨の警報を発して、故障が発生したことをユーザに確実に報知することが可能となるという効果を奏する。または、流体に脈動が発生しているものと判定された場合にはその旨の警報を発して、流体に脈動が発生していることをユーザに確実に報知することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る流量計測装置としてのガスメータの概要構成を表したブロック図である。
【図2】図1に示したガスメータにおける磁性体およびリードスイッチを備えたパルス発生部の構造の概要を特に抽出して模式的に表した図である。
【図3】判定部で行われる判定に用いられる判定ロジックを一覧表として纏めて示した図である。
【図4】本実施の形態に係るガスメータにおける状態判定動作の主要な流れを簡易な循環フローチャートとして表した図である。
【図5】従来のガスメータにおいて流量に対応した信号を出力するための磁性体およびリードスイッチの部分の構造の概要を模式的に表した図である。
【符号の説明】
100…機構部、200…パルス発生部、300…信号計数部、400…ガス流量算出部、500…判定部、600…警報部、700…記録部、800…積算値記録用の記録媒体、900…通信装置、1000…記録読出装置、1100…マイコン

Claims (21)

  1. 計測対象の流体の流れに対応して磁性体を所定の軌道上で移動させ、その磁性体の移動による磁界変化に対応してリードスイッチまたは磁気センサから信号を出力し、その信号の周波数または周期に基づいて前記流体の流量の計測値を演算する流量計測装置であって、
    前記リードスイッチまたは前記磁気センサが複数個、前記軌道上に配置されており、
    前記複数のリードスイッチまたは前記複数の磁気センサから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数または周期とに基づいて、当該流量計測装置の動作に故障が発生しているか否かを判定する故障判定手段、および当該流量計測装置の計測対象の流体に脈動が発生しているか否かを判定する脈動発生判定手段を含む判定手段を備えた
    ことを特徴とする流量計測装置。
  2. 前記判定手段は、前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合であって、かつ所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続している場合には、当該流量計測装置に故障が生じており、かつ前記流体には脈動が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の流量計測装置。
  3. 前記判定手段は、前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合であって、かつ一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合または前記リードスイッチまたは前記磁気センサが所定の順番で前記信号を出力している状態を継続している場合には、当該流量計測装置には故障が生じておらず、かつ前記流体には脈動が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の流量計測装置。
  4. 前記判定手段は、前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にある場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際の周期として想定される周期の範囲内にある場合であって、かつ所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続している場合には、当該計測装置に故障が生じているものと判定する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置。
  5. 前記判定手段は、前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際の周波数の範囲内にある場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際の周期の範囲内にある場合であって、かつ一つのリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合には、当該流量計測装置には故障が生じておらず、かつ前記流体に脈動が発生しているものと判定する
    ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置。
  6. 前記判定手段は、前記信号の出力の順番如何に関わらず、前記信号の周波数が前記流体に発生し得ると想定される脈動の最高周波数を超えた周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に発生し得ると想定される脈動の最短周期未満の周期である場合には、当該流量計測装置に故障が生じているものと判定する
    ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置。
  7. 前記流量計測装置に故障が生じているものと判定された場合、または前記流体に脈動が発生しているものと判定された場合には、その旨の警報を発する警報発生手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置。
  8. 計測対象の流体の流れに対応して磁性体を所定の軌道上で移動させ、その磁性体の移動による磁界変化に対応してリードスイッチまたは磁気センサから信号を出力し、その信号の周波数または周期に基づいて前記流体の流量の計測値を演算する流量計測装置における動作状態を判定するための、流量計測装置動作状態判定装置であって、
    前記流量計測装置には、前記リードスイッチまたは前記磁気センサが複数個、前記軌道上に配置されており、
    前記複数のリードスイッチまたは前記複数の磁気センサから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数または周期とに基づいて、当該流量計測装置の動作に故障が発生しているか否かを判定する故障判定手段、および当該流量計測装置の計測対象の流体に脈動が発生しているか否かを判定する脈動発生判定手段を含む判定手段を備えた
    ことを特徴とする流量計測装置動作状態判定装置。
  9. 前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合であって、かつ所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続している場合には、前記流量計測装置に故障が生じており、かつ前記流体には脈動が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項8記載の流量計測装置動作状態判定装置。
  10. 前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合であって、かつ一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合または前記リードスイッチまたは前記磁気センサが所定の順番で前記信号を出力している状態を継続している場合には、前記流量計測装置には故障が生じておらず、かつ前記流体には脈動が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項8または9記載の流量計測装置動作状態判定装置。
  11. 前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にある場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際の周期として想定される周期の範囲内にある場合であって、かつ所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続している場合には、前記計測装置に故障が生じているものと判定する
    ことを特徴とする請求項8ないし10のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置動作状態判定装置。
  12. 前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際の周波数の範囲内にある場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際の周期の範囲内にある場合であって、かつ一つのリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続された後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合には、前記流量計測装置には故障が生じておらず、かつ前記流体に脈動が発生しているものと判定する
    ことを特徴とする請求項8ないし11のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置動作状態判定装置。
  13. 前記信号の出力の順番如何に関わらず、前記信号の周波数が前記流体に発生し得ると想定される脈動の最高周波数を超えた周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に発生し得ると想定される脈動の最短周期未満の周期である場合には、前記流量計測装置に何らかの故障が生じているものと判定する
    ことを特徴とする請求項8ないし12のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置動作状態判定装置。
  14. 前記流量計測装置に故障が生じているものと判定された場合、または前記流体に脈動が発生しているものと判定された場合には、その旨の警報を発する警報発生手段を備えた
    ことを特徴とする請求項8ないし13のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置動作状態判定装置。
  15. 計測対象の流体の流れに対応して磁性体を所定の軌道上で移動させ、その磁性体の移動による磁界変化に対応してリードスイッチまたは磁気センサから信号を出力し、その信号の周波数または周期に基づいて前記流体の流量の計測値を演算する流量計測装置における動作状態を判定する、流量計測装置の動作状態判定方法であって、
    前記リードスイッチまたは前記磁気センサを複数個、前記軌道上に配置しておき、
    前記複数のリードスイッチまたは前記複数の磁気センサから信号が出力される順番と、その出力される信号の周波数または周期とに基づいて、前記流量計測装置の動作に故障が発生しているか否かの判定、および前記流量計測装置の計測対象の流体に脈動が発生しているか否かの判定を行う
    ことを特徴とする流量計測装置の動作状態判定方法。
  16. 前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合であって、かつ所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続している場合には、前記流量計測装置に故障が生じており、かつ前記流体には脈動が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項15記載の流量計測装置の動作状態判定方法。
  17. 前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される低周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際には存在し得ないと想定される長周期である場合であって、かつ一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合または前記リードスイッチまたは前記磁気センサが所定の順番で前記信号を出力している状態を継続している場合には、前記流量計測装置には故障が生じておらず、かつ前記流体には脈動が発生していないものと判定する
    ことを特徴とする請求項15または16記載の流量計測装置の動作状態判定方法。
  18. 前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際の周波数として想定される周波数の範囲内にある場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際の周期として想定される周期の範囲内にある場合であって、かつ所定の信号数を超えて連続的に一つまたは特定のリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が継続している場合には、前記計測装置に故障が生じているものと判定する
    ことを特徴とする請求項15ないし17のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置の動作状態判定方法。
  19. 前記信号の周波数が前記流体に脈動が発生している際の周波数の範囲内にある場合または前記信号の周期が前記流体に脈動が発生している際の周期の範囲内にある場合であって、かつ一つのリードスイッチまたは磁気センサのみから信号が出力される状態が所定の信号数以下に亘って継続した後に所定の順番で前記信号を出力する状態になった場合には、前記流量計測装置には故障が生じておらず、かつ前記流体に脈動が発生しているものと判定する
    ことを特徴とする請求項15ないし18のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置の動作状態判定方法。
  20. 前記信号の出力の順番如何に関わらず、前記信号の周波数が前記流体に発生し得ると想定される脈動の最高周波数を超えた周波数である場合または前記信号の周期が前記流体に発生し得ると想定される脈動の最短周期未満の周期である場合には、前記流量計測装置に故障が生じているものと判定することを特徴とする請求項15ないし19のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置の動作状態判定方法。
  21. 前記流量計測装置に故障が生じているものと判定された場合、または前記流体に脈動が発生しているものと判定された場合には、その旨の警報を発する
    ことを特徴とする請求項15ないし20のうちいずれか1つの項に記載の流量計測装置の動作状態判定方法。
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