JP4077044B2 - 缶体製造装置 - Google Patents
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Description
従来の缶体製造装置では、離間して配置された複数組の可撓性フィンガを持つ継ぎ目無し鎖コンベヤー上に、パンチから取り外された缶体が拾い上げられる。コンベヤーはパンチとタイミングを取って一定速度で駆動され、缶体は重力コンベヤーに引き渡され、次いで缶体の上縁をトリムするトリマーに引き渡される。
本発明はかかる装置の改良であって、パンチから取り外された缶体が、パンチが型を貫通し、次いで缶体の底部壁にドームを形成する工具に係合した後、周期的に変化する角速度で回転駆動される回転タレット上に拾い上げられ、支持され且つパンチから離れて移送されるようにしたものを提供するものである。
本発明によれば、装置に往復動自在に取り付けられるパンチと、装置に取り付けられ、パンチの軸に平行な水平軸を回転軸とする回転タレットと、タレットの周囲を取り囲むように離間して配置され、且つタレットから概して半径方向に延び、タレットの回転に伴って、パンチから取り外された缶体を拾い上げ、支持及び移送できる複数の移送機素と、装置に取り付けられ、タレットを周期的に変化する角速度で回転駆動し、一つの可撓性機素がパンチから取り外された一つの缶体に係合するとき、その角速度は他のときより小さくなるようにする駆動手段とを具備する缶体製造装置が提供される。
回転タレットを設けることにより、従来の鎖コンベヤーでは得られないいくつかの利点が得られる。先ず、回転タレットは、より小型で、より単純で、且つ部品が少なくて済む。また、駆動部の制御に当てられる精度が高まる。コンベヤーは冷却及び潤滑液の有る装置湿潤部で動作されなければならず、かかる環境内でのコンベヤーの保守は明らかに不利である。タレットコンベヤーの場合には、駆動チェーンは装置の乾燥部に設けることができる。
周期的に変化する伝動装置をタレットに設けることにより、タレット上の移送機素の速度を、機素が先ず缶体に係合するときには他のときより機素がゆっくりと移動するように制御することができる。機素の速度を変化させると、隣接する機素間の空間をパンチが出入りする必要の有る時間の「窓」を増大することもできる。缶体と衝突するとき、移送機素の移動を遅くすることにより、装置の全速度を増大することができる。本発明による装置では、移送機素の速度に±25%の変化を達成した。これにより、移送機素との衝突で缶体への損傷を生ずることなく、全装置速度を毎分缶体400個から毎分缶体500個に増大することができた。
以下、添付する図面を参照して、本発明の一実施例を説明する。図面において、
図1は装置の斜視図である。
図2は減圧コンベヤーが枢軸旋回して不作動位置を取る、図1に類似の図である。
図3はタレットの図である。
図4はタレットの駆動手段の部分の水平断面図である。
図5はタレットの駆動手段の部分の端部図である。
図6はパンチの軸に付いて取った、装置の鉛直断面図である。
図7はパンチ位置に対するタレットの角速度を示すプロットである。
図1、図2及び図6を参照すると、装置の主構成部分が分かる。装置はフレームを有し、その構成部分2、3及び4が図示され、2は吐き出し支持ブラッケットである。
図6に見るパンチ1はフレームに水平に取り付けられ、その軸上で往復動する。上記パンチは通常にように型を貫通する。型を貫通した後、そのストロークの終端で上記パンチは工具5に係合してドームを缶体の底部壁に、従来の様式で成形する。ドーム成形工具5は支持ドア6に取り付けられ、支持ドア6はフレーム構成部分4に取付点7にて枢軸旋回自在に取り付けられる。ドア6は保守のために上記取付点の周りを不作動位置まで枢軸旋回が可能であるが、図示の作動位置では、取付点7とは反対側のその端部が一対の部分円筒状ドアロケーターブロック8間にあって、ボルト9により固定されている。この構成も従来のものである。
回転タレットコンベヤー10は装置上で、上記パンチの軸と平行な水平軸の周りに、且つ上記パンチの軸と同じ鉛直高さに設けられる。上記タレットは円筒状タレットベアリングアーム80に取り付けられ、後者は吐き出し支持ブラッケット2上のドアロケータブロックと一緒に形成されている。斯くして、タレットは事実上、ドア6の支持体の周りに取り付けられている。上記タレットの軸11と上記パンチの軸12は図3に示されている。上記タレットはその周囲を取り巻く外周に、複数(この実施例の場合12個)の、概略半径方向に延びるフィンガセット13の形式の移送機素が形成されている。上記フィンガセットの各々は、円周タレットの周りを取り巻くように並び、且つ軸方向に離間する3個の可撓性フィンガ14から成る。これ等のフィンガはゴムから形成され、図2及び図3に見るように、ブロック15上に対で形成され、各フィンガは隣接するフィンガセットのフィンガと一体に形成されている。
上記タレットは、3時位置の各フィンガが上記型とドーム形成工具間の空間内に延びるように位置付けられる。上記パンチは、それがドーム形成工具と係合するとき、上記タレット上の二つの隣接フィンガセット間の空間内に位置付けられる。パンチがドーム形成工具から後退するに従い、いま形成された缶体は通常のようにパンチから取り外され、そして上記タレットの一つのフィンガセット13により拾い上げられ、支持され、且つパンチから離れて移送される。弓状のブラッシ17がタレットに3時位置と12時位置の間で取り付けられ、缶体を、それ等がパンチから運び去られるとき、タレットの上記フィンガセットに対して、回転するタレット上の定位置に保持する。
二部材減圧コンベヤー18、19が上記タレットに隣接して装置に取り付けられ、タレットにて運ばれてきた缶体を受容する。この減圧コンベヤーは周知の型のもので、減圧源に接続される穴が通ったプラスチック張りベルトから成る。上記減圧コンベヤーの第一部分18は装置に枢軸旋回自在に取り付けられ、枢軸旋回されて、図2に図示のように、保守のためタレットにアクセスできるようにする不作動位置を取ることができる。上記減圧コンベヤー部分18は缶体を上記タレットから拾い上げ、それ等を第二部分19に引き渡し、後者が引き渡された缶体をトリマー(図示せず)に運ぶ。誤形成された底部壁をもつどんな缶体も減圧
コンベヤー18、19によっては上手く拾い上げられず、タレットからタレットに近接して設けられた受け器20に落下することになる。上記減圧コンベヤーの代わりに磁気コンベヤーを用いることもできる。
さて、図4及び図5を特に参照してタレットの駆動手段を説明する。上記タレットを周期的に変化する角速度で回転駆動する機械的システムが設けられ、これは入力シャフト25と出力シャフト26を備える。シャフト25と26は、フレーム構成部分2及び3に取り付けられたハウジング27及び28内に支持され、水平軸線31及び32の周りを軸受け30内で回転する。ハウジング28のエンドキャップ33は図1及び図2にも見られる。
入力シャフト25はチェーン36により主機械駆動部よりスプロケット35を介して駆動される。このシャフト25は前記パンチとタイミングを取って一定の角速度で駆動され、パンチの各サイクル中に一度回転する。シャフト25と26の軸31と32は互いに平行し、且つ距離dで離間する。シャフト25と26は、その端面37と38が互いに対向するように取り付けられる。出力シャフト26の端面38にはピン40が取り付けられ、これは軸方向に延びてブッシング41内で回転自在に受容される。上記ブッシングは、入力シャフト25の端面に形成された直径方向のスロット42に摺動自在に取り付けられている。斯くして、回転駆動はピン40により入力シャフト25より出力シャフトに伝達される。ブッシング41内の上記ピンの回転とスロット42内のこのブッシングの摺動により軸31と軸32の間に心違い(オフセット)が生ずるので、上記出力シャフトは各周期が出力シャフトの一回転に対応する周期で変化する角速度で駆動される。変化はハーモニックで、概略正弦波である。タレット10に対する駆動は、スプロケット43より更なるチェーン(図示せず)を介して上記出力シャフトから発生され、12:1の減速比で伝達され、出力シャフト25の12回転毎にタレットが1回転するようにする。こうして、変化する角速度の周期は上記タレットの各回転中に12回繰り返され、特にタレット上の各フィンガセットが前記パンチから取り外された缶体を拾い上げるとき、このフィンガセットに対して繰り返される。
出力シャフトの速度の変化は、上記出力シャフトをその取付物上で側方に移動して軸31と軸32の間のオフセットdを増減することにより、その程度を調整することができる。このオフセットdは、最適設定が見いだされた後には、通常一定のままとなろう。
図7は、優先される例におけるタレットの角速度とパンチの位置との間の関係を示す。図示のように、タレットの角速度は、パンチが完全に後退したBDC位置に有るとき最大であり、パンチがドーム形成工具に係合する、完全に前進したFDC位置で最小となる。フィンガ14が缶体に係合する点は、図7に点線で示されており、FDC位置後約60°で生じる。この点では、タレットは速度を増すが、その角速度は他のときより小さい。パンチはこの領域から離れて、即ちフィンガ14が缶に当たるまでにストリッパー板を通って戻って居なければならない。パンチがこの領域に有る期間は、FDC位置の何れの側でも60°である。タレットは周期のこの部分では比較的ゆっくりと移動するから、パンチの時間窓は増大される。他の構成では、フィンガが缶体に係合する点でタレットの角速度が最小になるようにしても良い。
Claims (12)
- 装置に往復動自在に取り付けられるパンチと、装置に取り付けられてパンチの軸に平行な水平軸を回転軸とする回転タレットと、タレットの周囲を取り囲むように離間して配置され、タレットから概略半径方向に延び、タレットが回転するにつれ、パンチから取り外された缶体を拾い上げ、支持且つ移送できる複数の移送機素と、装置に取り付けられ、一つの移送機素がパンチから取り外された一つの缶体に係合するとき、その角速度は他のときより小さくなるようにするような周期的に変化する角速度でタレットを回転駆動するための駆動手段であって、軸回転自在に取り付けられ、端面が互いに対向し、且つ軸が平行で僅かに離間する入力シャフトと出力シャフトとを備え、ピンが一方のシャフトの端面から軸方向に延び、他方のシャフトの端面に有る直径方向のスロット内に回転自在、且つ摺動自在に受容された構造の駆動手段とを備えて成る缶体製造装置。
- パンチから取り外された缶体をタレット上の各移送機素が拾い上げるとき、この移送機素に対してタレットへの回転駆動の周期が繰り返される請求項1に記載の装置。
- 移送機素がフィンガセットを備えて成り、各フィンガセットがタレット上でその周囲を取り囲むように並び、その軸方向に離間して配置される複数のフィンガを備えて成る請求項1又は請求項2に記載の装置。
- 各フィンガがゴムから形成され、隣接するフィンガセットと一体に形成される請求項3に記載の装置。
- スロット内に摺動自在に受容されるブッシング内にピンが回転自在に受容される請求項1に記載の装置。
- 入力シャフトがパンチとタイミングを取って一定の角速度で駆動され、タレットが出力シャフトより、タレット上の移送機素の数をnとして、n:1の減速比で駆動される請求項1又は請求項5に記載の装置。
- 缶体の底部壁にドームを形成するドーム形成工具が、パンチにそのストローク終端で係合されるように装置に取り付けられ、パンチがドーム形成工具に係合するとき、それがタレット上の二つの隣接する移送機素の間の空間内に位置するようにタレットが装置に位置付けられる請求項1〜6の何れかに記載の装置。
- ドーム形成工具の支持体の周りを回転自在にタレットが配置される請求項7に記載の装置。
- 減圧コンベヤーがタレットに近接して装置に取り付けられ、タレットに運ばれて来た缶体を受容するように構成される請求項1〜8の何れかに記載の装置。
- 弓形ブラッシがタレットに取り付けられ、タレットが回転するとき缶体をタレット上の定位置に保持するように構成される前記請求項1〜9の何れかに記載の装置。
- 減圧コンベヤーの少なくとも一部が装置に枢軸旋回自在に取り付けられ、不作動位置に旋回できるように構成される請求項9又は請求項10に記載の装置。
- タレットに近接して受け器が設けられて、減圧コンベヤーに上手く伝達されない缶体を受容する請求項9〜11の何れか一つに記載の装置。
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