JP4076909B2 - 金属ブラシ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークの表面や内径等の研磨や研削に使用する金属ブラシに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
金属ブラシは、ワークの表面や内径等の研磨や研削に使用される。ワークの研磨や研削では、ワークの表面に多くの傷をつけても差し支えない場合もあるが、例えば、仕上げ研磨のようにワークの表面や内径等に傷をつけたくない場合があり、このような場合には、仕上げ研磨用の金属ブラシが使用されている。（例えば特許文献１参照）
【０００３】
【特許文献１】
特開２０００−２１０７４５号公報
【０００４】
上記特許文献１（特開２０００−２１０７４５号公報）に記載された金属ブラシは、支持体に多数の金属線を植えつけた金属ブラシであって、 複数の金属ブラシ毛線を束ねて各金属ブラシ毛線の根元を基盤中に固定し、該基盤を支持体に埋設して成り、金属ブラシ毛線の束は径が５０・ｍ以下の金属細線を含む構成である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献１に記載された金属ブラシは、細径の金属ブラシ毛線で金属ブラシ毛線の束を構成したものであるが、ワークの研磨の際に脱落した細径の金属ブラシ毛線がワーク内に異物として残ってしまうため改善が望まれていた。
【０００６】
本発明は、上記課題を解決するもので、ワークに殆ど傷をつけずに研磨でき、ワークの研磨の際に金属ブラシ毛線が脱落して残ってしまうことのないような金属ブラシを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項１記載の発明は、球形、半球形に形成されるとともにマイナス形溝、プラス形溝、複数の平行線形溝のいずれかの先割れ形に形成された金属の先割れ部材が、真直ぐな棒状の金属ブラシ毛線の先端に形成されていることを特徴とする金属ブラシである。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図１（ａ）〜（ｄ）は参考例としての金属ブラシを構成する金属ブラシ毛線の例を示す概略図、図２（ａ）〜（ｄ）は本発明の金属ブラシを構成する先端が先割れ形の金属ブラシ毛線の参考例を示す概略図、図３は図２（ａ）〜（ｄ）に示す各種金属ブラシ毛線の先割れ形の形状例を示す概略図、図４（ａ）（ｂ）は金属ブラシ毛線の先割れ形の例を示す概略図、図５（ａ）は上記の金属ブラシ毛線の先端が樹脂によりコーティングされた状態を説明するための概略図、図５（ｂ）〜（ｅ）はダイヤ砥粒や研磨砥粒やその他の金属砥粒が混入、コーティング、電着、メッキ処理、熱処理などで施された状態を説明するための概略図、図６（ａ）〜（ｆ）は図１（ａ）の金属ブラシ毛線にて形成した各種金属ブラシの斜視図である。
【０００９】
以下に、図１（ａ）〜（ｄ）に示す参考例としての金属ブラシ毛線１１ａ〜１１ｄについて説明する。金属ブラシ毛線１１ａは、真直ぐな棒状の金属ブラシ毛単線１１の片方先端を球形１２に形成したものである。また、金属ブラシ毛線１１ｂは、金属ブラシ毛単線１１の両先端を球形１２，１２に形成したものである。また、金属ブラシ毛線１１ｃは、金属ブラシ毛単線１１の片方先端を半球形１３に形成したものである。また、金属ブラシ毛線１１ｄは、金属ブラシ毛単線１１の両先端を半球形１３，１３に形成したものである。
【００１０】
図２（ａ）に示すように本発明の金属ブラシを構成する金属ブラシ毛線３１ａは、金属ブラシ毛単線１１の片方先端を先割れ形の球形３２に形成したものである。また、図２（ｂ）に示す金属ブラシ毛線３１ｂは、金属ブラシ毛単線１１の両先端を先割れ形の球形３２，３２に形成したものである。また、図２（ｃ）に示す金属ブラシ毛線３１ｃは、金属ブラシ毛単線１１の片方先端を先割れ形の半球形３３に形成したものである。また、図２（ｄ）に示す金属ブラシ毛線１１ｄは、金属ブラシ毛単線１１の両先端を先割れ形の半球形３３，３３に形成したものである。
【００１１】
金属ブラシ毛線３１ａ〜３１ｄのような先端が球形、半球形の金属ブラシ毛線に適用できる先割れ形としては、図３のマイナス形溝４１、プラス形溝４２、複数の平行線形溝４３が適用できる。
【００１２】
図４（ａ）の参考例に示すように、例えば、金属ブラシ毛単線１１の先端を刃物やレーザで先割れ部６２を形成して金属ブラシ毛線６１ａを形成することができる。また、図４（ｂ）の参考例に示すように、金属ブラシ毛単線１１の先端に先割れ部材６３を溶接して金属ブラシ毛線６１ｂを形成することができる。なお、先割れ部材６３は型で形成するが、金属ブラシ毛線１１と先割れ部材６３を型で一体に形成して金属ブラシ毛線６１ｂを形成してもよい。
【００１３】
また、図１、図２で説明したような各種金属ブラシ毛線１１ａ〜１１ｄ、３１ａ〜３１ｄ等をさらに加工して、図５（ａ）に示す金属ブラシ毛線７１ａのように、樹脂が金属ブラシ毛線の回りや球の部分、半球の部分、先割れの部分や線全体をコーティングしてもよい。（図の金属ブラシ毛線７１ａでは球形１２の表面の部分に樹脂コーティング層７１が形成されている。）
【００１４】
また、図５（ｂ）（ｃ）に示す金属ブラシ毛線７１ｂ、７１ｃのように、ダイヤ砥粒や研磨砥粒やその他の金属砥粒が球の部分７２に混入されていたり、コーティング、電着、メッキ処理、熱処理などで施されていてもよい。或いは、図５（ｄ）（ｅ）に示す金属ブラシ毛線７１ｄ、７１ｅのように、ダイヤ砥粒、研磨砥粒やその他の金属砥粒が半球の部分７３に混入されていたり、コーティング、電着、メッキ処理、熱処理などで施されて形成されてもよい。さらには、図示しないが同様に、ダイヤ砥粒や研磨砥粒やその他の金属砥粒が先割れの部分や線全体に混入されていたり、コーティング、電着、メッキ処理、熱処理などで施されて金属ブラシ毛線が形成されてもよい。
【００１５】
図１、図２、図５で説明した各種の金属ブラシ毛線は、鉄、ステンレス、銅、燐青銅、チタン、ニッケル、真鍮などで球の部分、先割れの部分や線全体が形成されている。
【００１６】
以下に、各種金属ブラシ毛線１１ａ〜１１ｄにて形成した各種金属ブラシについて説明する。
【００１７】
図６（ａ）は金属ブラシ毛線１１ａ、１１ｂの１種類、又は２種類を組み合せた金属ブラシ毛線にて形成したチャンネルブラシ９２である。
【００１８】
図６（ｂ）は金属ブラシ毛線１１ａ（１１ｂ）で形成した捻りブラシ９３である。
【００１９】
図６（ｃ）はシャフト９４ａが同軸に固定された筒９４ｂに、金属ブラシ毛線１１ａ（１１ｂ）が埋設された筒型ブラシ９４である。
【００２０】
図６（ｄ）は（ａ）のチャンネルブラシ９２をコイル状に形成したコイルブラシ９５である。
【００２１】
図６（ｅ）はシャフト９６ａが同軸に固定された円盤９６ｂに、（ａ）のチャンネルブラシ９２を環状に形成して取付けたカップブラシ９６である。
【００２２】
図６（ｆ）はシャフト９７ａに（ａ）のチャンネルブラシ９２を巻付けて形成したロールブラシ９７である。
【００２３】
【発明の効果】
このように本発明の金属ブラシは、真直ぐな棒状の金属ブラシ毛線の先端を球形、半球形に形成し、これら球形、半球形の部分の先端表面にマイナス形溝、プラス形溝、複数の平行線形溝のいずれかの溝を設けて先割れ形としたので、ワークに殆ど傷をつけずに研磨でき、しかも、真直ぐな棒状の金属ブラシ毛線は、強度があり、ワークの研磨の際に金属ブラシ毛線が脱落しないため、この金属ブラシ毛線を使用して製作した各種の金属ブラシは、電子部品や精密部品等の各種小型ワークの表面や内径等を研磨処理したり、バリ取りをするための研磨や研削に使用できる等実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （ａ）〜（ｄ）は本発明の参考例としての金属ブラシを構成する金属ブラシ毛線の例を示す概略図である。
【図２】 （ａ）〜（ｄ）は本発明の金属ブラシを構成する先端が先割れ形の金属ブラシ毛線の例を示す概略図である。
【図３】 図２（ａ）〜（ｄ）に示す各種金属ブラシ毛線の先割れ形の例を示す概略図である。
【図４】 金属ブラシ毛線の先割れ形の製造例を示す概略図である。
【図５】 （ａ）は上記の参考例としての金属ブラシ毛線の先端が樹脂によりコーティングされた状態を説明するための概略図である。
（ｂ）〜（ｅ）は上記の参考例としての金属ブラシ毛線の先端がダイヤ砥粒や研磨砥粒やその他の金属砥粒が混入、コーティング、電着、メッキ処理、熱処理などで施された状態を説明するための概略図である。
【図６】 （ａ）〜（ｆ）は図１（ａ）の金属ブラシ毛線にて形成した各種金属ブラシの斜視図である。
【符号の説明】
１１ 金属ブラシ毛単線
１１ａ〜１１ｅ，３１ａ〜３１ｅ，６１ａ，６１ｂ，７１ａ〜７１ｅ 金属ブラシ毛線
１２ 球形
１３ 半球形
３２ 先割れ状の球形
３３ 先割れ状の半球形
４１ マイナス形溝
４２ プラス形溝
４３ 複数の平行線形溝
６３ 先割れ部材
７１ 樹脂コーティング層
７２ 球の部分
７３ 半球の部分
９２ チャンネルブラシ
９３ 捻りブラシ
９４ 筒型ブラシ
９４ｂ 筒
９５ コイルブラシ
９６ カップブラシ
９６ｂ 円盤
９７ ロールブラシ

Claims (1)

1. 球形、半球形に形成されるとともにマイナス形溝、プラス形溝、複数の平行線形溝のいずれかの先割れ形に形成された金属の先割れ部材が、真直ぐな棒状の金属ブラシ毛線の先端に形成されていることを特徴とする金属ブラシ。

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