JP4076192B2 - 走行装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員が乗る走行板を4輪で支持し、乗員の体重移動により操舵できる走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ローラーに支持されたボード上に乗員が乗り、バランスを取りながら適当な方向に移動できるスケートボードに対し、径の大きな車輪を用いてボードを支持し、凹凸のある荒れ地などを安定して走行できるようになったマウンテンボードなどと称される走行板が開発され、レジャーあるいはスポーツに用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような走行板は、前後に配置された径の大きな4つの車輪を前後のシャフトで接続し、それらのシャフトをボードが搭載されたフレームあるいはスペーサと称される部材で接続した構成となっている。このような走行板(以降においては4輪ボードと呼ぶことにする)に乗った乗員(ユーザ)が自分の体重を移動して左右に加重することによって乗員の意図する方向に操舵できる。さらに、4輪ボードは、走行用の車輪の径がスケートボードに用いられているローラよりも大きいので、舗装道路に限らず多少の凹凸があってもスムーズに走行できる。また、4輪ボードはフレームの前後のシャフトと接続する部分が上方に屈曲しているので、フレームの一方に体重をかけると車輪がその方向に向き、スケートボードよりも旋回が容易である。このため、山の斜面に位置するゲレンデを夏期に走行して冬期のスノーボードのような感覚を楽しんだり、マウンテンサイクルのように凹凸の多い斜面を滑り下る感覚を楽しむなどの目的で用いられている。
【0004】
近年、エンジンあるいはモータを搭載し車輪を駆動することにより、斜面に加えて水平な場所でも走行感覚を楽しむことができる4輪ボードが考えられている。そして、多少の凹凸のある荒れ地でも、十分なパワーで自走できるようにして、いろいろな走行条件のもとで様々な走行が楽しめるようになっている。例えば、スラロームのように、体重移動を頻繁に繰り返して所定のコースにしたがって走行し、そのときの時間を競ったり、あるいは、多少の凹凸のあるところを直線的に走行してスピードを競うことなどが考えられている。
【0005】
しかしながら、4輪ボードはフレームにかける加重を調整することによって走行方向を制御できるようにしているので、凹凸に車輪が取られてシャフトがフレームに対して旋回すると、フレームに加重を急激に加えたのと同じ状態となって急激に走行方向が変わってしまう可能性がある。また、それほど大きくない凹凸が続くような路面では、それぞれの凹凸を通過するたびに車輪がばたつき、上記のような現象によって走行方向が不安定になりやすい。このため、直進する場合であっても、路面によっては4輪ボードを所定の方向に安定して走行させるためには十分な熟練が必要となる。また、スラローム走行では、常に体重をある方向に移動した状態で4輪ボードに乗っているので、バランスが取り易く、ばたつきを抑えやすいのに対し、直進する場合には、4輪ボードの左右に加重を分散しておく必要があるので、小さな凹凸によるばたつきでも、走行方向が不安定になりやすいという問題もある。
【0006】
そこで、本発明においては、多少の凹凸があっても安定して走行方向を維持することができる、直進安定性の良い4輪ボードを提供することを目的としている。また、直進安定性をよくすると、逆にスラロームを行うときの操舵性能が犠牲になることが多いが、直進安定性と共に操舵性能も良い4輪ボードを提供することも本発明の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、前後に配置された2組の車輪と、これらの車輪が回転可能に取り付けられた2本のシャフトと、これらのシャフトのほぼ中央に、シャフトに対し弾性的に動く接合部を介して接続され、少なくとも1人の乗員を搭載可能なフレームとを有し、乗員の加重により操舵可能な上述した4輪ボードのような走行装置において、前方の車輪を接続するシャフトに沿うようにフレームの左右に1対のダンパー(ショックアブソーバ)を設け、これらのダンパーをシャフトがほぼ水平な状態から上方に旋回するときは抵抗となり、水平に戻るときは抵抗とならないようにセットするようにしている。
【0008】
本発明の走行装置においては、フレームに対しシャフトが上方に回転するときはダンパーが抵抗として働くようになっているので、走行中に凹凸に車輪が取られてシャフトがフレームに対し旋回する状態になっても、ダンパーの抵抗によってシャフトとフレームの角度は急激には変化しない。したがって、凹凸があっても走行方向が大きく変化するような事態を防止することができる。さらに、シャフトが水平に戻るときはダンパーが抵抗にならないようにしているので、凹凸を過ぎるとすぐにシャフトとフレームの位置は元の状態に戻る。このため、さらに走行方向は安定しやすく、直進安定性が高くなる。特に、凹凸が小さい場合は、シャフトとフレームの角度がほとんど変化しないのでば凹凸によるばたつきを抑えることができ、安定して走行できる。
【0009】
一方、乗員が左右の方向に加重したときは、大きな力が比較的ゆっくりと働くので、ダンパーの減衰力は高くならずダンパーによって旋回性能を悪化することはない。また、旋回方向を変えるために加重を抜くときは、シャフトが水平に戻るときなのでダンパーは抵抗とならない。したがって、加重の移動に遅れることなくシャフトは動く。このため、ダンパーを設けても操舵感覚が鈍くなることはなく、高い操舵性能を維持でき、乗員の意図どおりに操舵することができる。
【0010】
このようにシャフトが水平な状態から上方に旋回するときには抵抗となり、シャフトが水平に戻るときは抵抗にならないようにダンパーをセットする方法は幾つかある。例えば、左右のダンパーをフレームに連動して動くように取付け、ダンパーが平衡状態のときに、その下端が水平な状態のシャフトに接触するようにしておくことができる。このようにダンパーをセットすると、例えばシャフトが左上に旋回するときは左側のダンパーが抵抗となり、右側のダンパーの下端はシャフトから離れるので抵抗にならない。そして、シャフトが水平に戻るときは左側のダンパーの下端はシャフトから離れるので抵抗にならない。そして、シャフトが水平に戻ると右側のダンパーの下端に当たるので、揺れ戻しも防ぐことができる。このようにダンパーをセットするときは、ダンパーの下端とシャフトが当たるので、その部分を焼き入れしたり、補強板を貼るなどの方法によって補強しておくことが望ましい。
【0011】
上記とは逆に、シャフトにダンパーを取付け、その上端がフレームから左右に延びた補助板に水平状態で当たるようにしておいても良い。このようなセットでも上記と同様の効果が得られる。さらに、シャフトから垂直方向の補助板を設けて、フレームから左右の方向に水平にダンパーを取付け、それぞれの左右の先端が補助板に当たるようにしておいても上記と同じ効果が得られる。このように、ダンパーの配置は、走行装置の状況に応じて様々に選択できる。また、ダンパーを前方のシャフトのみならず、後方のシャフトにも設けてももちろん良いが、走行の安定を図る点では前方のシャフトに設けた方が高い効果が得られる。
【0012】
このように、ダンパーを設けることによって走行中の凹凸によるばたつきを抑え、走行安定性を向上することが可能となるが、スラロームを楽しむために急角度で旋回するときなどはダンパーの抵抗によって操舵感覚の鋭敏度が低下する可能性がある。したがって、ダンパーは着脱可能にしておくことが望ましく、着脱できれば、スラロームなど直線的な走行安定性をそれほど要求されない場面ではダンパーを外して走行を楽しむことができる。上述した、左右のダンパーをフレームに連動して動くように取付け、ダンパーの下端がシャフトに接触する取付け方法であれば、ダンパーの下端をシャフトで受けることができるので、左右のダンパーをフレームに着脱する補助プレートなどの取付用具を用意することにより簡単に着脱可能にすることができる。
【0013】
あるいは、ダンパーの減衰力を調整可能にしておいても良く、直線的な走行安定性よりも操舵感覚を優先するときはダンパーの減衰力を低くしてスラロームを楽しめるようにすることができる。また、ダンパーの減衰力が調整できれば、乗員の体重や脚力などに応じて、ダンパーの抵抗を調整することが可能となる。したがって、ばたつきを防止できると共に適当に個々の乗員の条件に適した減衰力にセットすることができる。
【0014】
本発明のダンパーを設けた走行装置は、斜面を直線的に滑走するような場合にも適しており、自走する能力のない走行装置においても有用である。しかしながら、車輪のうち、少なくとも1つの車輪を駆動する駆動装置を備えた自走可能な走行装置は直線的に走行することが多いので、駆動装置を備えた走行装置に対し本発明が特に有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1に、本発明に係る走行装置の概要を示し、図2に本例の走行装置1にユーザーが乗って走行する様子を示してある。さらに、図3に、本例の走行装置1の概略構成を展開して示してある。本例の走行装置1は、前後に配置された2組の車輪2aおよび2b、3aおよび3bと、これらの車輪をそれぞれ接続するパイプ状のシャフト4および5と、これらのシャフト4および5を接続するパイプ状のフレーム6とを備えており、これら2本のシャフト4および5とフレーム6とがほぼH字型に組み合わされている。前輪2aおよび2bは、前方のシャフト4に対しベアリング8によって回転自在に取り付けられており、後輪3aおよび3bも後方のシャフト5に対し同様に取り付けられている。さらに、それぞれのシャフト4および5には、それらの長手方向に沿って強度アップのための補強プレート9が取り付けられており、フレーム6にユーザーが乗って凹凸のある路面を走行するのに十分な強度が確保されている。
【0016】
後方のシャフト5には、30〜50cc程度の小型のガソリンエンジン30が搭載されており、このエンジン30の回転力が駆動ベルト40を介して後方の車輪3bに伝達され、エンジン30の駆動力によって走行装置1が自走できるようになっている。また、エンジン30の上方には、フレキシブルチューブや他のコイル状に巻かれた金属製の部材などによってフレキシブルに可動する支持部材50が延びており、その先端に制御用のレバー51が取り付けられ、ユーザーがフレーム6に立ち乗った状態でエンジン30の操作ができるようになっている。さらに、エンジン30の側方にはディスクブレーキ35も設けられており、制御レバー51によってエンジン30と連動して制御できるようになっている。
【0017】
本例の走行装置1のシャフト4および5のほぼ中央を接続するように前後に延びたフレーム6は、中央部6aが水平に延びたパイプ状の部材で形成され、その前方の端6bおよび後方の端6cが水平な中央部6aからほぼ45度の角度で鉛直上方に向かって傾き、シャフト4および5に繋がる接続部分となっている。このフレーム6の中央部6aにはユーザ(乗員)を搭載するための足載板10aおよび10bが取り付けられており、さらに、足載板10aおよび10bにはユーザー70の脚部71をホールドできるホルダー12を取付けるための取付孔11が用意されている。従って、図4に本例の走行装置1を側方断面で示してあるように、フレーム6はシャフト4および5に対し下方に位置して重心が低く安定した状態でユーザを載せることができる。さらに、フレーム6の前後6bおよび6cが傾斜しているので、フレーム6の左右に乗員が加重するとフレーム6とシャフト4および5の角度が変わり、加重された方向に旋回することができる。また、フレーム6に対しシャフト4および5を上方にセットできるので、重心を高くせずに径の大きな車輪を装着することが可能であり、凹凸の乗り越え性が良く、細かな凹凸にそれほど左右されずに悪路でも走行できる。
【0018】
本例の走行装置1は、各ユーザーが、自己の操作に適した角度および位置でホルダー12を足載板10aおよび10bに取り付け、そのホルダー12の内部に脚部71をセットするように搭乗する。そして、立ち乗った状態で、左右あるいはその他の適当な方向に自己の体重を移動(シフト)して、フレーム6およびシャフト4および5に印加される荷重バランスを調整することにより、適当な方向に走行装置1の進行方向を向けることができる。さらに、エンジン30とブレーキ35を搭載しており、制御レバー51でそれらを制御できるので、斜面を下るだけでなく、平地を走行したり、斜面を登ることも可能となっている。
【0019】
本例の走行装置1は、ユーザが加重した際のフレーム6の動きによってシャフト4および5の向きが変えられるように、フレーム6に対しシャフト4および5は弾性的な動きを行う接合部20aおよび20bを介して接続されている。このため、上述したようにシャフト4および5が、加重されたフレーム6に対し適度に旋回する。図5に前方の接合部20aを拡大して示してある。接合部20aは、フレーム6の接続部分6bを挿入可能な支持パイプ23と、この支持パイプ23に固定されたL字型の断面の支持金具24を備えている。そして、フレーム6の左右にはバネ、あるいはバネとダンパーとの組み合わせからなるサスペンション21が配置されており、このサスペンション21によってフレーム6とシャフト4とが弾性的に組み合わされている。サスペンション21を構成するバネとダンパーは、一方の端が支持金具24に調整用のボルト25を介して接続され、他方の端がシャフト4の中央部分に取り付けられた受け金具29に接続されている。さらに、受け金具29からは、接合部20aの支持パイプ23に両側から当たるように受け板28aおよび28bが延びており支持パイプ23の横方向の動きを規制できるようになっている。従って、本例の接合部20aの支持パイプ23にフレームの接続部分6bを挿入して固定すると、シャフト4に対するフレーム6の相対的な左右の動きは受け板28aおよび28bによって伝達され、一方、シャフト4に対する相対的なフレーム6の上下運動および旋回動作(捩じれ動作)はサスペンション21を介して伝達される。
【0020】
さらに、本例の走行装置1では、接合部20aの外側に1組のダンパー(ショックアブソーバ)61aおよび61bが設置されている。これらのダンパー61aおよび61bは補助プレート68の両側に取付けられており、この補助プレート68は、フレーム6に固定された支持金具24にボルト・ナット69によって取付けられている。したがって、ダンパー61aおよび61bはフレーム6に対し連動するように取付けられている。さらに、ダンパー61aおよび61bは、フレーム68の左右のシャフト4に沿った位置となるように補助プレート68によって支持されている。そして、それぞれのダンパー61aおよび61bの取付位置は、シャフト4がほぼ水平な状態であり、さらに、フレーム6に加重されていない、または左右均等に加重されている状態で、ダンパーの下端62aおよび62bがシャフト4の上面4aに接触するように調整されている。このように、ダンパーの下端62aおよび62bがシャフト4と接続されていないので、これらのダンパー61aおよび61bは、図3または図4に示すように補助プレート68と共にをフレーム6から簡単に取り外しできる。また、補助プレート68をフレーム6に取付けることによってダンパー61aおよび61bを所定の位置に簡単にセットできる。また、本例の補助プレート68には、接合部20aの調整ボルト25が突き出る個所に開口67が設けられており、これらの調整ボルト25と干渉しないでフレーム6に取付けできるようになっている。
【0021】
これらのダンパー61aおよび61bは、補助プレート68に固定されたボディー64と、そのボディー64から下側に突き出たロッド65を備えており、ロッド65がボディー64に対し適当な抵抗力(減衰力)を伴って出入りするようになっている。さらに、ボディー64の上方に設けられた調節ネジ66を回転することにより減衰力を調整できるようになっている。本例の走行装置1では、ダンパー61aおよび61bの下端、すなわち、ロッド65の先端62aおよび62bが、ダンパー61aおよび61bに力が加えられていない平衡状態で、シャフト4の上面に当たっている。したがって、シャフト4がフレーム6に対し上方に旋回するといずれか一方のダンパー61aあるいは61bの減衰力が抵抗となって働く。一方、その状態からシャフト4が水平に戻るときは、ダンパーの下端62aおよび62bはシャフト4には接続されていないので、シャフト4はダンパー61aあるいは61bの減衰力が抵抗とならずに動く。ダンパーの下端62aおよび62bがシャフト4に接続されていないので、シャフト4が旋回するたびに下端62aあるいは62bとシャフト4の上面とが衝突を繰り返す。したがって、この面の強度を保持するために、本例の走行装置1においては、シャフト4のダンパーの下端62aおよび62bに当たる領域4aを焼き入れし、強度を高くしている。
【0022】
図6に、本例の走行装置1におけるダンパー61aおよび61bの動きを模式的に示してある。まず、図6(a)に示すように、シャフト4が水平になっているときはフレーム6の左右に位置するダンパーの先端62aおよび62bがシャフト4に接触した状態となっている。この状態で、例えば、図6(b)に示すように、向かって右側の前輪2bが凸部にとられると、シャフト4はフレーム6に対し反時計方向に旋回しようとする。シャフト4のこのような動きにより、右側のダンパー61bの下端62bは上方に押し上げられるが、ダンパー61bにはこの動きを阻害する方向に減衰力が作用する。したがって、シャフト4の反時計回りの上方への動きに対してはダンパー61bが抵抗となり、車輪2bが凸部に乗ってもシャフト4はフレーム6に対し急激には回転しない。このため、走行装置1の進行方向も急激には変化せず、車輪2bが凸部に取られながらも、移動している方向を安定して保持できる。
【0023】
これに対し、ダンパー61bが設けられていなければ、サスペンション21だけの抵抗力となるので、シャフト4はフレーム6に対し容易に回転する。後述するようにサスペンション21の抵抗力はシャープな操舵感を得るためにはそれほど強くすることができない。したがって、車輪2bが凸部に乗るとシャフト4の向きが変わって、走行装置の進行方向は凸部の方向に急激にずれてしまう。車輪2bが凹みに取られたときも同様であり、走行装置の進行方向は急激に不安定になる。しかしながら、本例の走行装置1では、上述したように、車輪が凹凸に取られてもシャフト4とフレーム6の角度が急激に変わることがないので、凹凸があっても走行方向を安定して保持できる。
【0024】
また、図6(c)に示すように、車輪2bが凸部を過ぎてシャフト4が水平に戻るときは、ダンパーの先端62bはシャフト4から離れているので、ダンパー61bはシャフト4と連動して動かない。このため、ダンパー61bの減衰力はシャフト4の動きの抵抗にならない。したがって、シャフト4はサスペンション21の抵抗力だけで極めて速やかに水平状態に戻る。さらに、水平状態に戻って逆方向に揺れようとすると、左側のダンパーの下端62aにシャフト4が当たって抵抗となる。このため、シャフト4あるいはフレーム6の揺れを抑えることができる。車輪が凹みに取られ、また元に戻る場合も同様である。このように、本例の走行装置1は、凹凸によってシャフト4がフレーム6に対し水平方向から旋回するときはダンパーによる抵抗があり、水平に戻るときはダンパーによる抵抗がない。したがって、凹凸があってもシャフト4の向きは常に水平に維持されるようになるので、走行方向を極めて安定して維持できる。特に、ダンパーの減衰力は急激な動きに対して大きくなるので、走行装置1が乗り上げるような大きな凹凸に対してはそれほど作用せず、路面の細かな凹凸に対しては強く作用し車輪のばたつき、およびこれによって走行方向が不安定になるのを防止できる。したがって、本例のダンパー61aおよび61bは、道路などのそれほど大きな凹凸のない場所を直進走行する際に極めて有効である。
【0025】
さらに、本例の走行装置1においてユーザが体重を移動して操舵する場合を考える。体重を移動する速度はそれほど速くなく、また、体重移動に伴って大きな力がシャフト4とフレーム6との間に作用する。このため、ダンパー61aおよび61bの減衰力は体重を移動してフレームに加重する際にはほとんど影響を及ぼさない。一方、進行方向を変えるために体重をフレーム6の中央位置に戻す際は、シャフト4が水平に戻るときなのでダンパー61aおよび61bの減衰力は作用しない。したがって、進行方向を変えるために加重を抜くときはサスペンション21の抵抗だけとなり、極めて鋭敏にシャフト4は反応する。このため、本例の走行装置1はダンパーを設けているが、鋭い操舵感覚を得ることができ、高い操舵性能を得ることができる。
【0026】
しかしながら、方向転換を頻繁に繰り返す必要があるスラロームなどの走行を行うとき、あるいは凹凸の大きな斜面を滑走するときなど、直進安定性は要求されない。したがって、このような走行を行うときは、ダンパー61aおよび61bによる抵抗力は必要なく、抵抗力はできるだけ小さい方が良いことがある。このような走行を行うときは、本例の走行装置1においては、補助プレート68をフレーム6から取り外すだけでダンパー61aおよび61bを取り除くことが可能であり、ダンパーによる減衰力の影響をまったく受けずにスラロームなどの走行を楽しむことができる。あるいは、ダンパー61aおよび61bの調節ネジ66を調節して減衰力を低下させることによってもダンパー61aおよび61bの影響を弱めたり、除くことができる。また、この調節ネジ66は、ユーザの体重、脚力さらには技量などに応じてダンパーの減衰力をセットするためにも用いることができる。例えば、ユーザが初心者であればダンパーの減衰力を強めに設定して、簡単に安定した走行が楽しめるようにすることができる。また、女性や子供などの体重が少ないユーザの場合は、減衰力を弱めて操舵しやすいようにすることもできる。
【0027】
なお、本例の走行装置1においては、前方のシャフト4とフレーム6の接続部分にのみダンパー61aおよび61bをセットしているが、同様に後方のシャフト5とフレーム6の接続部分にダンパーを設定しても良いことはもちろんである。しかしながら、前方のシャフト4の動きを安定させた方が直進安定性を得られ易いので、前方または後方のいずれかにダンパーを設置するのであれば、前方のシャフト4にダンパーを設置することが望ましい。
【0028】
また、本例では、フレーム6と連動するようにダンパー61aおよび61bを取りつけているが、シャフト4の側にダンパーを取付けたり、ダンパーの取付方向を変えても良いことは先に説明した通りであり、ダンパーの配置は本例に限定されないことはもちろんである。
【0029】
さらに、本例ではエンジン付きの走行装置を例に説明しているが、電気モータなどの他の駆動装置であっても良い。さらに、自走用の駆動装置が設置されていない走行装置においても本発明は有効であり、傾斜した砂利路などを滑走する際に走行方向をきわめて安定して維持できる。しかしながら、自走用の走行装置の方が道路などを直線的に走行する機会が多いので、自走用の走行装置において本発明はさらに有効である。
【0030】
また、本例ではパイプ状のフレームおよびシャフトを採用した走行装置を例に説明しているが、これらの部材はパイプに限定されることはなく、他の構造部材であっても良いことはもちろんである。さらに、フレームに取付けられる足載板は2枚にかぎらず、両足が乗る1枚のものであっても良く、あるいは、複数の人数が乗れるように3枚以上のボードを装着することももちろん可能である。また、足載板に脚部をセットするホルダーのタイプは本例に限定されず、さらに、ホルダーを省いたり、ユーザが座って乗れる走行装置においても本発明を適用できることはもちろんである。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の走行装置は、前輪および後輪がそれぞれ接続されたシャフトと、これらを接続するフレームを備えた4輪ボードであって、前輪を接続するシャフトとフレームの接続部分の左右にダンパーを設置してシャフトが上方に旋回するときにだけダンパーが抵抗になるようにしている。したがって、これらのダンパーにより、路面の凹凸によるばたつきを抑えることができ、それに伴って直進安定性の良い走行装置を提供することができる。特に、エンジンなどの駆動装置が搭載された自走式の走行装置においては、路上を直線的に走行する機会が多くなるので、本発明のダンパーを設置することにより乗り心地が良く、操作しやすい走行装置を実現することができる。
【0032】
また、これらのダンパーを着脱可能にしたり、あるいは、減衰力を調整できるようにすることにより、直進以外のスラロームなどの走行も楽しむことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る走行装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す走行装置に乗員(ユーザー)が乗った状態を示す図である。
【図3】図1に示す走行装置の主な部材を展開して示す展開斜視図である。
【図4】図1に示す走行装置を側方から見た断面図である。
【図5】図1に示す走行装置の接合部を拡大して正面から示す図である。
【図6】図5に示すダンパーの作用を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 走行装置
2、3 車輪
4、5 シャフト
6 フレーム
8 ベアリング
10 足載台(ボード)
20 接合部
21 サスペンション
25 サスペンションの取り付けボルト
26 止めボルト
30 エンジン
35 ブレーキ
40 駆動ベルト
50 制御レバーを支持するフレキシブル部材
51 制御レバー
61a、61b ダンパー
62a、62b ダンパーの下端
64 ダンパーのボディー
65 ダンパーのロッド
66 減衰力調整用のネジ
68 ダンパー取付用の補助プレート

Claims (4)

  1. 前後に配置された2組の車輪と、
    これらの車輪が回転可能に取り付けられた2本のシャフトと、
    これらのシャフトの中央に、前記シャフトに対し弾性的に動く接合部を介して接続され、少なくとも1人の乗員を搭載可能なフレームとを有し、前記乗員の加重により操舵可能な走行装置であって、
    前方の前記車輪を接続するシャフトに沿うように前記フレームの左右に位置する1対のダンパーを有し、これらのダンパーは前記シャフトが水平な状態から上方に旋回するときは抵抗となり、水平状態に戻るときは抵抗とならないようにセットされていることを特徴とする走行装置。
  2. 請求項1において、前記ダンパーは着脱可能であることを特徴とする走行装置。
  3. 請求項1において、前記ダンパーの減衰力は調整可能であることを特徴とする走行装置。
  4. 請求項1において、前記車輪のうち、少なくとも1つの車輪を駆動する駆動装置を有することを特徴とする走行装置。
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