JP4075630B2 - 内燃機関の排気浄化装置及び制御装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置及び制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気中に含まれる排気物質を浄化する、内燃機関の排気浄化装置及び制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ディーゼルエンジンのように、広い運転領域において高い空燃比(リーン雰囲気)の混合気を燃焼して機関運転を行う内燃機関では、一般に、排気中に多くの窒素酸化物(以下、NOxと称する)が含まれる。このNOxを効果的に浄化するものとして、吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒と称する)が知られている。
【0003】
NOx触媒は、排気の酸素濃度が高いときには排気中に含まれるNOxを吸収し、排気の酸素濃度が低くかつ還元雰囲気のときには吸収していたNOxを放出しつつ窒素(N2)に還元する機能を有する。このNOx触媒は、排気の酸素濃度が高いときには、排気中のNOxだけではなく、排気中の硫黄酸化物(以下、SOxと称する)も、NOxと同様のメカニズムによって吸収する特性を有する。このようにSOxがNOx触媒に吸収されると、その吸収量が増加するにつれてNOx触媒のNOx吸収能力が低下する、いわゆるSOx被毒が発生する。
【0004】
そこで、SOx被毒を解消するために、NOx触媒に吸収されたSOxを除去して、NOx触媒のNOx吸収能力を回復させる必要がある。SOxを除去する好適な方法としては、排気空燃比を間欠的にリッチとする方法が知られている。この場合、排気空燃比を検出するセンサを設けて、センサによって検出された値に基づいて、排気空燃比を制御するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ここで、排気空燃比を検出するのに用いられる一般的な空燃比センサは、ストイキ近傍では検出精度が高く、ストイキから離れるにつれて検出精度が低くなっている。この点について図12を参照して簡単に説明する。図12は実際の排気空燃比に対して、空燃比センサによって検出される空燃比の様子を示したものである。図に示すように、空燃比センサによって検出される値の中央値は、ほぼ実際の排気空燃比に等しい。しかし、空燃比センサの製品ばらつき等によって、空燃比センサによって検出される空燃比は実際の排気空燃比に対して誤差が生ずる。この誤差は、一般的な空燃比センサでは、図示のようにストイキから離れるにつれて大きくなってしまう。
【0006】
そのため、上述したSOx被毒解消を行うために、排気空燃比を間欠的にリッチとする制御を行う場合において、このような空燃比センサを用いて、精度良く所望のリッチ雰囲気にするのは困難である。従って、空燃比センサの検出精度のばらつきによって、目標とするリッチ雰囲気よりも排気空燃比が低くなる(言い換えれば、還元性成分濃度が高くなる)ことがあった。これにより、未燃燃料成分の排出量が過剰に多くなってしまうため、白煙が発生してしまうことがあった。なお、関連する技術として他に特許文献2がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−82137号公報
【特許文献2】
特開平11−107827号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、白煙が発生すると内燃機関あるいは内燃機関を搭載した車両の商品性が低下してしまう。そして、白煙の発生原因は、過剰に未燃燃料成分が排出されることにある。
【0009】
従って、本発明は、その目的の一つとして、未燃燃料成分の排出量を抑制することが挙げられる。
【0010】
ここで、未燃燃料成分が過剰に排出される原因の一つとしては、排気空燃比を検出するために用いる一般的な検出手段(センサ)の特性により、所望の排気空燃比における検出精度が低く、所望の排気空燃比よりも排気空燃比が過剰に低くなる場合があることが挙げられる。しかし、このようなセンサを用いた場合であっても、制御の仕方を工夫することで、未燃燃料成分の排出量を抑制することが考えられ得る。
【0011】
従って、本発明は、その目的の一つとして、所望の排気空燃比における検出精度が低い特性を有するセンサを用いた場合でも、未燃燃料成分の排出量を抑制することが挙げられる。
【0012】
また、未燃燃料成分が過剰に排出される原因の一つとしては、上記の通り、排気空燃比を検出するために用いる一般的な検出手段(センサ)の特性により、所望の排気空燃比における検出精度が低く、所望の排気空燃比に精度良く制御することが困難であることが挙げられる。しかし、このようなセンサを用いた場合であっても、センサの特性を利用することによって、所望の排気空燃比に精度良く制御することが考えられ得る。そして、これにより未燃燃料成分の排出量を抑制することが考えられる。
【0013】
従って、本発明は、その目的の一つとして、所望の排気空燃比における検出精度が低い特性を有するセンサを用いた場合でも、所望の排気空燃比に精度良く制御することが挙げられる。
【0014】
また、本発明は、その目的の一つとして、未燃燃料成分の排出量を抑制することにより、白煙の発生を抑制することが挙げられる。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0016】
本発明は、検出された排気空燃比が目標の排気空燃比よりも低い場合には、高い場合に比べて、供給する還元剤の補正量(フィードバック量)を大きくするようにした。これにより、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも低くなってしまうことを抑制できる。従って、過剰の還元剤(一般的には燃料)が放出されることを抑制できる。
【0017】
ここで、本願明細書における排気空燃比とは、排気ガスの空燃比を意味するものである。そして、排気ガスの空燃比とは、燃焼室に供給された燃料の質量に、排気通路に還元剤が供給される場合には当該還元剤の質量(ただし、還元剤が燃料以外の場合には燃料に換算した質量)を加えた質量に対する燃焼室に吸入された空気の質量(ただし、排気通路に空気が供給される場合には、当該空気の質量を加算した質量)の比を意味するものである。
【0018】
そして、具体的な本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、
排気通路内にある排気浄化部の酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質を吸収し、前記排気浄化部の酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元することで、酸化性の排気物質の浄化を行う浄化手段と、
前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段と、
前記排気浄化部よりも下流側で排気空燃比を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差から、供給する還元剤の補正量を導出し、該補正量に基づいて供給される還元剤の供給量を制御するフィードバック制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
前記浄化手段から排気物質を放出還元する際に、前記差がXの場合に、前記検出手段による検出結果が目標とする排気空燃比よりも高い場合の前記補正量をY1とし、該排気空燃比よりも低い場合の前記補正量をY2とすると、前記Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たしていることを特徴とする。
【0019】
本発明の構成によれば、排気空燃比の検出結果が目標とする排気空燃比よりも低い場合の方が、高い場合に比べて、供給する還元剤の補正量(フィードバック量)が大きくなる。これにより、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも低くなってしまうことを抑制できる。従って、過剰の還元剤(一般的には燃料)が放出されることを抑制できる。
【0020】
また、他の発明は、センサの検出精度が高い排気空燃比(一般的にはストイキ領域)となる制御を行った後に、目標の排気空燃比となるように制御するようにした。これにより、センサによって検出される検出誤差が少ない状態から目標の排気空燃比となる制御が行われるため、目標の排気空燃比に精度良く制御することができる。従って、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも過剰に低くなってしまうことを抑制でき、過剰の還元剤(一般的には燃料)が放出されることを抑制できる。
【0021】
また、具体的な他の発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、
排気通路内にある排気浄化部の酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質を吸収し、前記排気浄化部の酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元することで、酸化性の排気物質の浄化を行う浄化手段と、
前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段と、
前記排気浄化部よりも下流側で排気空燃比を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差から、供給する還元剤の補正量を導出し、該補正量に基づいて供給される還元剤の供給量を制御するフィードバック制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
前記浄化手段から排気物質を放出還元する場合には、
前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行うことを特徴とする。
【0022】
本発明の構成によれば、一般的に検出手段の検出精度の高いストイキとなった後に、目標空燃比となる制御が行われるため、目標の排気空燃比に精度良く制御することができる。従って、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも過剰に低くなってしまうことを抑制でき、過剰の還元剤(一般的には燃料)が放出されることを抑制できる。
【0023】
また、具体的な他の発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、
排気通路内にある排気浄化部の酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質を吸収し、前記排気浄化部の酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元することで、酸化性の排気物質の浄化を行う浄化手段と、
前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段と、
前記排気浄化部よりも下流側で排気空燃比を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差から、供給する還元剤の補正量を導出し、該補正量に基づいて供給される還元剤の供給量を制御するフィードバック制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
前記浄化手段から排気物質を放出還元する場合には、
前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行うと共に、
該目標空燃比となる制御を行う場合には、前記差がXの場合に、前記検出手段による検出結果が目標とする排気空燃比よりも高い場合の前記補正量をY1とし、該排気空燃比よりも低い場合の前記補正量をY2とすると、前記Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たしていることを特徴とする。
【0024】
本発明の構成によれば、一般的に検出手段の検出精度の高いストイキとなった後に、目標空燃比となる制御が行われるため、目標の排気空燃比に精度良く制御することができる。従って、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも過剰に低くなってしまうことを抑制できる。しかも、排気空燃比の検出結果が目標とする排気空燃比よりも低い場合の方が、高い場合に比べて、供給する還元剤の補正量(フィードバック量)が大きくなる。これにより、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも低くなってしまうことを、一層抑制できる。従って、過剰の還元剤(一般的には燃料)が放出されることを抑制できる。
【0025】
また、前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後、ストイキ安定判定期間経過後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行うと好適である。
【0026】
また、前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行う際に、ストイキ制御を行った際の補正量を、目標空燃比となる制御を行う場合における補正量の導出の際に反映させると好適である。
【0027】
このようにすれば、より一層目標の排気空燃比の精度が高くなる。
【0028】
また、本発明の制御装置は、
周囲の雰囲気に応じて酸化性の排気物質を吸収あるいは放出還元する浄化手段によって排気が浄化される排気浄化部よりも下流側で、検出手段により検出された排気空燃比データの信号を受信する受信手段と、
該受信手段によって受信した排気空燃比データと目標とする排気空燃比との差から、前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段により供給される還元剤の供給量の補正量を導出する導出手段と、
該導出手段によって導出された補正量によって補正された供給量で供給するように、前記供給手段に対して指示する信号を発信する発信手段と、を備え、
前記供給手段による還元剤の供給量のフィードバック制御を行う制御装置であって、
前記浄化手段から排気物質を放出還元する際に、前記差がXの場合に、前記検出手段による検出結果が目標とする排気空燃比よりも高い場合の前記補正量をY1とし、該排気空燃比よりも低い場合の前記補正量をY2とすると、前記Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たしていることを特徴とする。
【0029】
また、他の発明の制御装置は、
周囲の雰囲気に応じて酸化性の排気物質を吸収あるいは放出還元する浄化手段によって排気が浄化される排気浄化部よりも下流側で、検出手段により検出された排気空燃比データの信号を受信する受信手段と、
該受信手段によって受信した排気空燃比データと目標とする排気空燃比との差から、前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段により供給される還元剤の供給量の補正量を導出する導出手段と、
該導出手段によって導出された補正量によって補正された供給量で供給するように、前記供給手段に対して指示する信号を発信する発信手段と、を備え、
前記供給手段による還元剤の供給量のフィードバック制御を行う制御装置であって、
前記浄化手段から排気物質を放出還元する場合には、
排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行うことを特徴とする。
【0030】
ここで、上記「浄化手段」の好適な例としては、酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質(特にNOx)を吸収し、酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元する触媒(以下、吸蔵還元型NOx触媒、略してNOx触媒と称する)が挙げられる。NOx触媒の場合、排気通路の一部に当該触媒を配設することで、排気が当該触媒中を通る過程で排気が浄化されることになる。従って、触媒の配設部及びその近傍が排気浄化部となる。
【0031】
また、上記「供給手段」としては、内燃機関の排気通路に還元剤を供給する手段,内燃機関から排気通路の排出される排気中の未燃燃料(還元剤として機能する)を増加させる手段、及びこれらの組み合わせが挙げられる。後者については、例えば、いわゆるポスト噴射を行うことで好適に実現可能である。また、還元剤としては、燃料を好適に利用できる。
【0032】
また、上記「検出手段」は、排気空燃比そのものを検出できない場合であっても、排気空燃比に換算あるいは排気空燃比を推定可能なものを検出できるものも含むものとする。例えば、検出手段の一例として排気中の酸素濃度を検知するO2センサーが挙げられる。
【0033】
また、上記「目標とする排気空燃比」あるいは「目標空燃比」は、幅のない値(例えば、14.2)であっても良いし、下限と上限を持つ幅のある値(例えば、14.1〜14.3)であっても良い。また、この目標とする排気空燃比は常に固定されたものであっても良いし、環境変化等に応じて適宜変化するものであっても良い。ここで、この目標とする排気空燃比は、例えば、SOx被毒を解消させるために必要な排気空燃比であって、未燃燃料が過剰に排出されない排気空燃比が挙げられる。
【0034】
そして、上記「検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差」に関して、後者の空燃比が幅のある値の場合には、その上限値または下限値、あるいは、その中央値の中から適宜選択すれば良い。
【0035】
また、上記「フィードバック制御手段」が補正量を導出する方式としては、マップから補正量を求める方式や、演算式によって補正量を求める方式を採用できる。例えば、後者の場合には、検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差を入力データXとして、導出された補正量である出力データをYとした場合に、Y=aX、Y=bX2などの演算式を適用できる。そして、上記「前記差がXの場合に、前記検出手段による検出結果が目標とする排気空燃比よりも高い場合の前記補正量をY1とし、該排気空燃比よりも低い場合の前記補正量をY2とすると、前記Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たしている」場合の具体例としては次のものが挙げられる。すなわち、上記演算式からY1=a1X,Y2=a2Xを採用した場合には、a2>a1であれば、Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たすことになる。同様に、Y=b1X2,Y=b2X2を採用した場合には、b2>b1であれば、Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たすことになる。
【0036】
また、上記「排気空燃比がストイキとなる制御」は、排気空燃比を積極的にストイキにする制御を意味するものであり、いわゆるO2ストレージ効果は含まないものとする。例えば、排気空燃比を積極的に14.6〜14.8の範囲で安定させる制御をいう。
【0037】
また、上記「ストイキ安定判定期間」は、ストイキの状態が安定したと判定されるまでの期間を意味するものである。この期間は、各種構成や環境等に応じて、適宜異なるものであり、各種構成に応じた値を定めればよい。なお、この期間は、予め固定された値を用いても良いし、環境や経時劣化等に応じて変動する値を用いても良いし、排気空燃比の検出結果から推定するようにしても良い。
【0038】
なお、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明では、内燃機関の排気浄化装置をディーゼルエンジンシステムに適用した形態を説明する。
【0040】
(第1の実施の形態)
図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置について説明する。
【0041】
〔エンジンシステムの構造及び機能〕
図1は本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成図である。図1に示すように、本実施の形態に係る内燃機関としてのディーゼルエンジンシステム(以下、エンジンと称する)1は、燃料供給系10,燃焼室20,吸気系30及び排気系40を主要部として構成される直列4気筒のディーゼルエンジンシステムである。
【0042】
先ず、燃料供給系10は、サプライポンプ11,コモンレール12,燃料噴射弁13,遮断弁14,調量弁16,還元剤添加弁17,機関燃料通路P1及び添加燃料通路P2等を備えている。
【0043】
サプライポンプ11は、不図示の燃料タンクから汲み上げた燃料を高圧にし、機関燃料通路P1を介してコモンレール12に供給する。コモンレール12は、サプライポンプ11から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各燃料噴射弁13に分配する。燃料噴射弁13は、その内部に不図示の電磁ソレノイドを備えた電磁弁であり、適宜開弁して燃焼室20内に燃料を噴射供給する。
【0044】
また、サプライポンプ11は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路P2を介して還元剤添加弁17に供給する。添加燃料通路P2には、サプライポンプ11から還元剤添加弁17に向かって遮断弁14及び調量弁16が順次配設されている。遮断弁14は、緊急時において添加燃料通路P2を遮断して、燃料供給を停止する機能を有する。調量弁16は、還元剤添加弁17に供給する燃料の圧力(燃圧)PGを制御する機能を有する。還元剤添加弁17は、燃料噴射弁13と同じくその内部に不図示の電磁ソレノイドを備えた電磁弁である。本実施の形態における還元剤添加弁17は、還元剤として機能する燃料を、適宜の量、かつ適宜のタイミングで排気系40の触媒ケーシング42よりも上流側に添加供給する。
【0045】
吸気系30は、各燃焼室20内に供給される吸入空気の通路(吸気通路)を備える。一方、排気系40は、各燃焼室20から排出される排気ガスの通路(排気通路)を備える。
【0046】
また、このエンジン1には、過給機(以下、ターボチャージャと称する)50が設けられている。ターボチャージャ50は、シャフト51を介して連結された一対の回転体、すなわちタービンホイール52及びコンプレッサホイール53を備える。タービンホイール52は排気系40内の排気に晒され、コンプレッサホイール53は、吸気系30内の吸気に晒される。このような構成を有するターボチャージャ50は、タービンホイール52が受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール53を回転させ、吸気圧を高めるといったいわゆる過給を行う。
【0047】
吸気系30において、ターボチャージャ50に設けられたインタークーラ31は、過給によって昇温した吸入空気を強制冷却する。インタークーラ31よりもさらに下流に設けられたスロットル弁32は、その開度を無段階に調節することのできる電子制御式の開閉弁である。このスロットル弁32は、所定の条件下において吸入空気の流路面積を変更し、同吸入空気の供給量(流量)を調整する機能を有する。
【0048】
また、エンジン1には、燃焼室20よりも上流側の吸気系30と下流側の排気系40をバイパスする排気還流通路(以下、EGR通路と称する)60が備えられている。このEGR通路60は、排気の一部を適宜吸気系30に戻す機能を有する。EGR通路60には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気(EGRガス)の流量を自在に調整することができるEGR弁61と、EGR通路60を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ62が設けられている。
【0049】
また、排気系40において、同排気系40及びEGR通路60の連絡部位の下流には、吸蔵還元型NOx触媒(以下、単にNOx触媒という)を収容した触媒ケーシング42が設けられている。
【0050】
また、エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、当該部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
【0051】
すなわち、レール圧センサ70は、コモンレール12内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。燃圧センサ71は、添加燃料通路P2内を流通する燃料のうち、調量弁16を介して還元剤添加弁17に導入される燃料の圧力(燃圧)PGに応じた検出信号を出力する。エアフロメータ72は、吸気系30内に導入される空気(吸入空気)の流量(吸気量)GNに応じた検出信号を出力する。排気温センサ73は、排気系40において触媒ケーシング42の排気流入部位に取り付けられ、当該部位における排気の温度(排気温度)TEXに応じた検出信号を出力する。
【0052】
検出手段としての空燃比(A/F)センサ(O2センサ)74は、排気系40の触媒ケーシング42の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。ここで、本実施の形態における空燃比センサ74は、一般的なセンサを採用しており、既に図12を参照して説明したように、ストイキ付近では検出精度が高くなっているが、ストイキから離れるにしたがって、検出精度が低くなっているものを用いている。
【0053】
NOxセンサ75は、同じく排気系40の触媒ケーシング42の下流において排気中のNOx濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。
【0054】
また、アクセルポジションセンサ76はエンジン1の不図示のアクセルペダルに取り付けられ、同ペダルの踏み込み量ACCに応じた検出信号を出力する。クランク角センサ77は、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力する。これら各センサ70〜77は、電子制御装置(以下、ECUと称する)90と電気的に接続されている。
【0055】
制御装置あるいは制御手段としてのECU90は、中央処理装置(以下、CPUと称する)91,読み出し専用メモリ(以下、ROMと称する)92,ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)93,バックアップRAM94、及びタイマーカウンタ95等を備えている。
【0056】
また、ECU90は、これらCPU91,ROM92,RAM93,バックアップRAM94及びタイマーカウンタ95等と、A/D変換器を含む外部入力回路96と、外部出力回路97とが双方向性バス98により接続されて構成される論理演算回路を備える。
【0057】
このように構成されたECU90は、上記各種センサの検出信号を、外部入力回路を介して入力し、これら信号に基づき燃料噴射弁13の開閉弁動作に関する制御や、EGR弁61の開度調整、或いはスロットル弁32の開度調整等、エンジン1の運転状態に関する各種制御を実施する。
【0058】
〔触媒ケーシングの構造及び機能〕
次に、以上説明したエンジン1の構成要素のうち、排気系40に設けられた触媒ケーシング42について、その構造及び機能を詳しく説明する。
【0059】
触媒ケーシング42は、その内部に吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒と称する)を収容する。
【0060】
NOx触媒は、担体の表面に、NOx吸収剤として機能する材料と、酸化触媒として機能する材料が担持されることによって構成される。ここで、担体としては、例えばアルミナ(Al23)を主材料とするハニカム形状の構造体(パティキュレートフィルタ)が挙げられる。また、NOx吸収剤として機能する材料としては、例えばカリウム(K),ナトリウム(Na),リチウム(Li),セシウムCs等のアルカリ金属、バリウムBa,カルシウムCa等のアルカリ土類金属、ランタン(La),イットリウム(Y)等の希土類金属が挙げられる。また、酸化触媒(貴金属触媒)として機能する材料としては、例えば白金Pt等の貴金属が挙げられる。
【0061】
NOx触媒は、排気中に酸化性成分の多い条件下(酸化雰囲気)では、NOxを吸収し、排気中に酸化性成分の低い条件下では、NOxを放出する特性を有する。また、排気中にNOxが放出されたとき、排気中にHCやCO等が存在する条件下(還元雰囲気)では、貴金属触媒がこれらHCやCOの酸化反応を促すことで、NOxを酸化性成分、HCやCOを還元性成分とする酸化還元反応が両者間で起こる。すなわち、HCやCOはCO2やH2Oに酸化され、NOxはN2に還元される。
【0062】
一方、NOx触媒は所定の限界量のNOxを吸収すると、それ以上NOxを吸収しなくなる。
【0063】
そのため、エンジン1では、触媒ケーシング42内に収容されたNOx触媒によるNOx吸収量が限界量に達する前に、還元剤添加弁17によって排気通路の触媒ケーシング42上流に還元剤(本実施の形態では燃料)を添加供給する。これにより、NOx触媒に吸収されたNOxを放出および還元浄化し、NOx触媒のNOx吸蔵能力を回復させるといった制御を所定のインターバルで繰り返す。
【0064】
さらに、NOx吸収剤や貴金属触媒の担体をなすパティキュレートフィルタは、排気中に含まれる煤等の微粒子やNOx等の有害成分を、以下のメカニズムに基づいて浄化する。
【0065】
NOx触媒が、その構成要素であるNOx吸収剤及び貴金属触媒の協働により、排気中の酸化性成分の濃度や還元性成分量に応じてNOxの吸収、放出及び浄化を繰り返し行うことは上述した通りである。その一方、NOx触媒は、このようなNOxの浄化を行う過程で副次的に活性酸素を生成する特性を有する。パティキュレートフィルタを排気が通過する際、その排気中に含まれる煤等の微粒子は構造体(多孔質材料)に捕捉される。ここで、NOx触媒の生成する活性酸素は、酸化剤として極めて高い反応性(活性)を有しているため、捕捉された微粒子のうちNOx触媒の表面や近傍に堆積した微粒子は、この活性酸素と(輝炎を発することなく)速やかに反応し、浄化されることになる。
【0066】
〔燃料噴射制御の概要〕
ECU90は、各種センサの検出信号から把握されるエンジン1の運転状態に基づき燃料噴射制御を実施する。本実施の形態において燃料噴射制御とは、各燃料噴射弁13を通じた各燃焼室20内への燃料噴射の実施に関し、燃料の噴射量Q、噴射タイミング、噴射パターンといったパラメータを設定し、これら設定されたパラメータに基づいて個々の燃料噴射弁13の開閉弁操作を実行する一連の処理をいう。
【0067】
ECU90は、このような一連の処理を、エンジン1の運転中所定時間毎に繰り返し行う。燃料の噴射量Q及び噴射タイミングは、基本的にはアクセルペダルへの踏み込み量ACCおよびエンジン回転数NE(クランク角センサのパルス信号に基づいて演算することができるパラメータ)に基づき、予め設定された不図示のマップを参照して決定する。
【0068】
また、燃料の噴射パターンの設定に関し、ECU90は、圧縮上死点近傍での燃料噴射を主噴射として各気筒について行うことにより機関出力を得る他、主噴射に先立つ燃料噴射(以下、パイロット噴射という)や、主噴射に後続する燃料噴射(以下、ポスト噴射という)を、副噴射として適宜選択された時期、選択された気筒について行う。
【0069】
〔パイロット噴射〕
ディーゼルエンジンでは一般に、圧縮行程終期において、燃焼室内が燃料の自己着火を誘発する温度に達する。とくにエンジンの運転状態が中高負荷領域にある場合、燃焼に供される燃料が燃焼室内に一括して噴射供給されると、この燃料は騒音を伴い爆発的に燃焼する。そこで、パイロット噴射を実行することにより、主噴射に先立って供給された燃料が熱源(或いは種火)となり、その熱源が燃焼室内で徐々に拡大して燃焼に至るようになるため、燃焼室内における燃料の燃焼状態が比較的緩慢となり、しかも着火遅れ時間が短縮されるようになる。このため、機関運転に伴う騒音が軽減され、さらには排気中のNOx量も低減される。
【0070】
〔ポスト噴射〕
ポスト噴射によって燃焼室20内に供給される燃料は、燃焼ガス中で軽質なHCに改質され、排気系40に排出される。すなわち、還元剤として機能する軽質なHCが、ポスト噴射を通じて排気系40に添加され、排気中の還元性成分濃度を高めることとなる。排気系40に添加された還元性成分は、触媒ケーシング42内のNOx触媒を介し、同NOx触媒から放出されるNOxや、排気中に含まれるその他の酸化性成分と反応する。このとき発生する反応熱は、NOx触媒の床温を上昇させる。
【0071】
〔EGR制御の概要〕
ECU90は、各種センサの検出信号から把握されるエンジン1の運転状態に基づきEGR制御を実施する。本実施の形態においてEGR制御とは、EGR通路に設けられた電子制御式のEGR弁61を操作して、EGR通路を通過するガスの流量、言い換えれば排気系40から吸気系30に還流される排気の流量調整を行う処理をいう。
【0072】
目標となるEGR弁61の開弁量(以下、目標開弁量と称する)は、基本的にはエンジン1の負荷や回転数等の運転状態に基づき、予め設定された不図示のマップを参照して決定される。ECU90は、この目標開弁量をエンジン1の運転中所定時間毎に更新し、逐次、EGR弁61の実際の開弁量が更新された目標開弁量に合致するよう同EGR弁61の駆動回路に指令信号を出力する。
【0073】
〔EGR制御に基づく低温燃焼〕
こうした一連の処理により排気の一部が吸気系30に還流されると、その還流量に応じ機関燃焼に供される混合気中の不活性ガス成分が増量することになる。この結果、所定条件下において、排気中のNOx量が低減される他、スモークがほとんど発生しなくなる。
【0074】
低温燃焼の実施に伴い排気中の未燃HC(還元性成分)が増量することになるため、結果として、還元剤として機能する軽質なHCが排気系40に添加され排気中の還元性成分濃度を高めることとなる。
【0075】
〔燃料添加制御〕
還元剤添加弁17を通じ、燃料(還元剤)を排気系40に直接添加することによっても、ポスト噴射と同様、排気中の還元性成分の濃度を高め、また、結果としてNOx触媒の床温を上昇させることができる。還元剤添加弁17によって添加された燃料は、ポスト噴射によるものに比べ、排気中においてより高分子の状態を保持しつつ不均一に分布する傾向がある。また、還元剤添加弁17による燃料添加では、一度に添加することのできる燃料量や添加タイミングの自由度が、ポスト噴射による場合よりも大きい。
【0076】
〔SOx被毒回復制御の概要〕
上記パイロット噴射、ポスト噴射、低温燃焼および燃料添加制御は、共通して排気中の還元性成分を増量するように作用するため、何れかの制御を所定のインターバルで繰り返し実施することにより、NOx触媒に吸収されたNOxを放出および還元浄化し、NOx触媒のNOx吸収能力を回復させることができる。
【0077】
また、ECU90は、エンジン1の機関運転の継続に伴いNOx触媒に徐々に堆積するSOx等を除去するために、NOx触媒を所定温度領域(例えば600〜700℃程度)にまで昇温させた上で当該触媒に多量の還元性成分を供給する制御(以下、SOx被毒回復制御と称する)を実施する。SOx被毒回復制御を実施することにより、NOx触媒に供給された多量の還元性成分が、当該触媒に堆積したSOxを高温条件下で分解・除去するようになる。ここでECU90は、SOx被毒回復制御の一環として、NOx触媒を所定温度にまで昇温するために上記パイロット噴射、ポスト噴射、低温燃焼および燃料添加制御、あるいはこれらのうち2以上の組み合わせの何れかを実施する。その上で、本実施の形態では、NOx触媒に吸収されたNOxの放出および還元浄化に要する量よりも多量の還元性成分である燃料を、還元剤添加弁17を通じて排気系(排気通路)のNOx触媒上流に供給する制御を実施する。これにより、SOx被毒が解消される。
【0078】
〔SOx被毒回復制御の具体的な実行手順〕
特に、図2〜図5を参照して、SOx被毒回復制御の具体的な実行手順を説明する。図2はSOx被毒回復制御を行う際の経過時間に対する排気空燃比の変動の様子を示す図である。図3は図2における一部拡大図(図2の丸で示す部分の拡大図)であり、排気空燃比の変動の一例を示している。図4はSOx被毒回復制御の概略手順を示すフローチャートである。図5は図4において添加制御の概略手順を示すフローチャートである。
【0079】
SOx被毒を解消するためには、上述のように、所定の温度領域で、排気空燃比をリッチ空燃比(還元性成分濃度がストイキよりも高い空燃比)とする必要がある。この場合、排気空燃比を間欠的にリッチ空燃比とする制御(リッチスパイク制御)を行うと好適であり、本実施の形態でも、この制御を採用している。排気空燃比を間欠的にリッチ空燃比とする理由は、排気空燃比を連続的に空燃比としてもSOxの浄化はできるものの、SOxが浄化される際の反応熱によって触媒床温が過剰に上昇して熱劣化を誘発するおそれがあるからである。
【0080】
図2において、上部には経過時間に対する燃料添加命令信号のON・OFFタイミングが示されており、図中A0,A1は還元剤である燃料の添加を行う期間(添加期間)を示し、図中B1は燃料の添加を休止する期間(休止期間)を示している。そして、図2の下部に示すように、添加期間はリッチ雰囲気となる期間(還元雰囲気)にほぼ相当し、休止期間はリーン雰囲気となる期間(酸化雰囲気)にほぼ相当する。また、本実施の形態では、添加期間における燃料添加命令信号をパルス信号で送信している。これにより、パルス幅を適宜調整することで、燃料の供給量の微調整を容易に行うことができ、細やかなフィードバック制御が可能となる。
【0081】
次に、図4のフローチャートに沿ってSOx被毒回復制御の手順を説明する。SOx被毒回復制御を行う条件が成立すると、図4に示すフローチャートにしたがってSOx被毒回復制御が行われる。なお、SOx被毒回復制御を行う条件が成立するか否かの判定は、別のフローチャート(ルーチン)により行われ、条件が成立した場合に図4に示すフローチャートに示す動作が実行される。また、SOx被毒回復制御を行う条件が成立するか否かの判定は、燃料中のSOx成分濃度が一定と仮定した上で燃料消費量からNOx触媒に堆積したSOx量を推定したり、NOxセンサによる検出結果からNOx触媒の浄化率を検出したりすることにより行うことができる。
【0082】
SOx被毒回復制御が開始されると、まず、還元剤である燃料の添加条件が導出される(S100)。具体的には、現在の機関の運転状態から、SOx被毒回復を好適に行うために必要な間欠リッチ条件が導出される。間欠リッチ条件には、主として、燃料添加量,添加期間,休止期間があり、更に、具体的には、添加期間及びその期間中のパルス幅,ON/OFF周期,ON/OFF回数と、休止期間と、添加期間と休止期間の繰り返し回数(SOx被毒回復制御を行う全体の期間(SOx被毒回復制御期間)に相当する)などが挙げられる。なお、休止期間は、前回の添加量に対して触媒床温を目標温度にするために何秒間添加を休止するかを推定して決める。
【0083】
次に、導出された条件にしたがって、現在添加期間であるか否かを判定する(S200)。添加期間中であれば、添加制御を行う(S300)。そして、添加期間である限り、添加制御動作を繰り返し行う(S200,S300)。S200で添加期間中ではないと判定されれば、燃料の添加を停止する(S400)。そして、導出された条件にしたがって、現在休止期間であるか否かを判定する(S500)。休止期間であれば、休止期間が終了するまで、現在休止期間であるか否かを監視する(S500)。
【0084】
S500で休止期間ではないと判定されれば、導出された条件にしたがって、現在SOx被毒回復制御期間であるか否かを判定する(S600)。SOx被毒回復制御期間ではないと判定されれば、SOx被毒回復制御を終了する。一方、S600でSOx被毒回復制御期間であると判定されれば、再びS200に戻って同一の手順を繰り返す。ただし、S600でSOx被毒回復制御期間であると判定された場合に、S100に戻って、新たに添加条件の導出をし直すことを繰り返すこともできる。
【0085】
以上のように、導出された添加条件に基づいて、添加制御が逐次行われる添加期間と添加が停止される休止期間が、SOx被毒回復制御期間が終了するまで繰り返される。このように、導出された添加条件に基づいた間欠リッチ制御が行われる。
【0086】
次に、添加制御(S300)の手順について、図5に示すフローチャートに沿って説明する。
【0087】
添加制御がスタートすると、現在添加フラグがONであるか否かの判定を行う(S301)。つまり、現在添加を行っている最中であるか否かの判定を行う。添加フラグがONでない場合には添加フラグをONにする(S302)。つまり、燃料添加命令信号をONにして(発信して)、燃料の添加を開始する。燃料の添加を開始した後に、O2ストレージが終了するまで監視を行う(S303)。ここで、O2ストレージが終了したか否かの判定は、例えば、空燃比センサ74によって検出される検出値の変動(傾き)をモニタすることにより行うことができる。すなわち、ストイキ近傍で空燃比が変動しない状態が現れたらO2ストレージと判定し、その後、変動した際に、O2ストレージが終了したものと判定できる。また、積算吸入空気量から推定することもできる。あるいは、O2ストレージが終了するまでの時間がある程度一定であるならば、添加開始後の一定時間によってO2ストレージが終了したものと判定することも可能である。
【0088】
2ストレージが終了したら、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標の範囲内(例えば、空燃比14.1〜14.3)にあるか否かの判定を行う(S304)。ここで、上記S301において、添加フラグがONであると判定された場合には、S304にジャンプする。何故ならば、S301で添加フラグがONであると判定された場合には、既に図5に示すフローが1回以上繰り返されているので、既に、O2ストレージが終了しているからである。ここで、本実施の形態における排気空燃比の目標範囲は、効果的にSOx被毒を解消でき、かつ、過剰の未燃燃料が排出されず、白煙が発生しない空燃比により決定される。
【0089】
そして、S304で空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標の範囲内であると判定されれば、燃料の添加量の補正は行わずに(S305)、添加制御を終了する。
【0090】
これに対して、S304で空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標の範囲内ではないと判定された場合には、その検出された値が、目標の範囲に対して、酸素濃度の高い側であるか否かの判定を行う(S306)。そして、酸素濃度が高い側(リーン側)であると判定された場合には補正Aの処理を行って(S307)、添加制御を終了する。一方、酸素濃度が低い側(リッチ側)であると判定された場合には補正Bの処理を行って(S308)、添加制御を終了する。
【0091】
ここで、補正Aの処理と補正Bの処理について詳しく説明する。本実施の形態では、排気空燃比を目標の範囲内にするために、排気空燃比を検出して、検出されたデータを基に、燃料の添加量を逐次補正する、いわゆるフィードバック制御を行っている。つまり、上記の補正処理は、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標の範囲内ではなかったために、燃料の供給量を補正することで、排気空燃比を目標の範囲内とするものである。
【0092】
補正処理は、検出された排気空燃比と目標の排気空燃比(例えば、目標範囲の中間値、上記の具体例では14.2)との差を求め、この差から供給する燃料の補正量を導くようにしている。従って、本実施の形態における補正処理は、空燃比センサ74によって検出された値(入力データ)を入力することで、補正量を導出(出力)するプロセスを用いている。このプロセスの具体例としては、マップを用いたものや、演算式を用いたものが挙げられる。前者の場合には、例えばECU90に備えられた記憶装置(例えばROM92)に予め所定のマップを記憶させておき、入力データから出力データとなる補正量を選択することができる。また、後者の場合には、例えばECU90に備えられた記憶装置(例えばROM92)に予め所定の演算式を記憶させておき、入力データを演算式に代入して出力データとなる補正量を算出することができる。
【0093】
そして、補正Aの場合には、導出された補正量をそれまでの供給量に加算して目標の排気空燃比に近づける処理を行う。つまり、補正量を加算した供給量で燃料の添加を行わせるべく命令信号を発信する。一方、補正Bを行う場合には、導出された補正量をそれまでの供給量から減算して目標の排気空燃比に近づける処理を行う。つまり、補正量を減算した供給量で燃料の添加を行わせるべく命令信号を発信する。
【0094】
ここで、本実施の形態では、補正Aと補正Bの場合では、それぞれ導出プロセスを異なるようにしている。つまり、上記の具体例でいえば、補正Aと補正Bとでは、マップあるいは演算式がそれぞれ異なるものを用いるようにしている。従って、ECU90に備えられた記憶装置には、補正Aで用いるマップあるいは演算式と、補正Bで用いるマップあるいは演算式のいずれをも記憶させておき、いずれの補正を行うかによって、用いるマップあるいは演算式を適宜選択する必要がある。
【0095】
そして、本実施の形態では、排気空燃比が目標とする排気空燃比よりも小さくなってしまうことを抑制するために、補正Bでは補正Aに比べて補正量が大きくなるようにしている。具体的には、例えば、検出された排気空燃比と目標の排気空燃比との差をXとする。このXを入力データとした場合に、補正Aのプロセスで導出される補正量(出力データ)Y1と、補正Bのプロセスで導出される補正量Y2は、Xがどのような値であっても常にY2>Y1の関係を満たすように設定されている。
【0096】
このように、本実施の形態では、排気空燃比は目標とする排気空燃比よりも低い場合と高い場合とでは、前者の方が、補正量が大きくなるフィードバック制御を行うようにした。これにより、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも低い状況から早急に抜け出ることが可能となる。また、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも高い状況からフィードバック制御によって燃料添加量の補正が行われた場合であっても、目標の排気空燃比よりも低い側へ大きくずれてしまうことはない。これらのことから、本実施の形態では、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも過剰に低くなってしまうことを抑制できる。従って、過剰の未燃燃料成分が排出されることを抑制でき、白煙の発生や臭気の発生を抑制することが可能となる。
【0097】
以上のフィードバック制御を行う場合の排気空燃比の変動の一例について、フィードバック制御の手順に沿って、図2〜図5を参照して説明する。
【0098】
SOx被毒回復制御が開始されると、上述した図4に示すように、還元剤の添加条件が導出される(S100)。具体的には、図2の上部に示すように、燃料添加命令信号のON/OFFタイミングが導出される。現実の製品では、添加期間と休止期間が交互に多数回現れる制御が行われるが、ここでは、説明を簡単にするために、添加期間が2回と、その間に休止期間が1回現れる場合を例にして説明する。また、現実の製品では、1回の添加期間中におけるフィードバック制御(補正)は多数回行われるが、ここでは、説明を簡単にするために、3回のみ行われる場合を例にして説明する。なお、図3においてCに示す期間はO2ストレージの期間であり、Dに示す期間はフィードバック制御が行われる期間を示している。ここで、フィードバック制御が行われる期間は、具体的には、添加期間中であって、かつO2ストレージ期間終了後の期間に相当する。
【0099】
添加条件が導出されると、添加期間であるか否かの判定が行われ(S200)、ここでは添加期間(図2中A0)であるので、添加制御動作が行われる(S300)。添加制御では、まず、添加フラグがONであるか否かの判定が行われる(S301)が、ここでは、まだ燃料添加は行われておらず、添加フラグはOFFとなっている。従って、添加フラグがONにされて燃料の添加が開始される(S302)。その後、NOx触媒のO2ストレージ効果によって、排気空燃比はO2ストレージの状態となる(図3中、Cに示す期間)。
【0100】
2ストレージが終了すると(S303)、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標空燃比の範囲内であるか否かの判定が行われる(S304)。ここでは、図3に示すD1のタイミングで判定が行われ、検出された排気空燃比は、目標の空燃比の領域よりも低い(酸素濃度が低い)ため、補正Bによる処理が行われて(S306,S308)、添加制御が終了する。補正Bによる処理の場合には、上記の通り補正量が大きいため、図3に示すように、比較的急激に排気空燃比が高くなる制御が行われる。
【0101】
その後、再び、添加期間であるか否かの判定が行われる(S200)。この場合、未だ添加期間中であるので、再度、添加制御が行われる(S300)。添加制御が開始されると添加フラグがONであるか否かの判定が行われるが(S301)、今回は既に添加フラグはONであるので、S304にジャンプして、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標空燃比の範囲内であるか否かの判定が行われる。ここでは、図3に示すD2のタイミングで判定が行われ、検出された排気空燃比は、目標の空燃比の領域よりも高い(酸素濃度が高い)ため、補正Aによる処理が行われて(S306,S307)、添加制御が終了する。補正Aによる処理の場合には、上記の通り補正量が小さいため、図3に示すように、比較的緩やかに排気空燃比が低くなる制御が行われる。
【0102】
その後、再び、添加期間であるか否かの判定が行われる(S200)。この場合も、未だ添加期間中であるので、再度、添加制御が行われる(S300)。添加制御が開始されると添加フラグがONであるか否かの判定が行われるが(S301)、今回も既に添加フラグはONであるので、S304にジャンプして、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標空燃比の範囲内であるか否かの判定が行われる。ここでは、図3に示すD3のタイミングで判定が行われ、検出された排気空燃比は、目標の空燃比の領域にあるため、補正処理は行われずに(S305)、添加制御が終了する。従って、図3に示すように、その後、排気空燃比はあまり変化しない。
【0103】
その後、再び、添加期間であるか否かの判定が行われる(S200)。今度は、既に、図3に示すEのタイミングであり、添加期間を過ぎているため、燃料の添加を停止して(S400)、休止期間(図2中B1に示す期間)に移る。そして、休止期間であるか否かの監視を行い(S500)、休止期間を過ぎたら、SOx被毒回復制御期間であるか否かの判定を行う(S600)。この場合、図2に示すA1に示す期間であり、未だ、当該制御期間内であるので、再び、添加期間であるか否かの判定を行う(S200)。ここでは、添加期間(A1)であるので、添加制御(S300)を開始する。
【0104】
そして、上記A0に示す添加期間の場合と同様にフィードバック制御が行われ、A1期間を終了した後に、燃料の添加が停止され(S400)、休止期間が終了した後に、SOx被毒回復制御期間であるか否かの判定が行われる(S600)。ここでは、SOx被毒回復制御期間を過ぎているため、SOx被毒回復制御を終了する。
【0105】
以上のようにして、本実施の形態では、排気空燃比が目標とする排気空燃比よりも過剰に低くなってしまうことを抑制でき、過剰の未燃燃料成分が排出されることを抑制でき、白煙の発生や臭気の発生を抑制することが可能となる。
【0106】
(第2の実施の形態)
図6〜図9には、第2の実施の形態が示されている。本実施の形態では、上記第1の実施の形態と、SOx被毒回復制御の具体的な実行手順が異なる形態を示す。内燃機関の構成やSOx被毒回復制御の概要など、他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、その説明は省略する。
【0107】
〔SOx被毒回復制御の具体的な実行手順〕
図6はSOx被毒回復制御の概略手順を示すフローチャートである。図7は図6において添加制御の概略手順を示すフローチャートである。図8は図7においてストイキ制御の概略手順を示すフローチャートである。図9は図7において目標制御の概略手順を示すフローチャートである。
【0108】
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態の場合と同様に、排気空燃比を間欠的にリッチ空燃比とする制御(リッチスパイク制御)を行っている。また、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態の場合と同様に、添加期間における燃料添加命令信号をパルス信号で送信している。これらの詳細については既に説明した通りであるので、その説明は省略する。
【0109】
図6のフローチャートに沿ってSOx被毒回復制御の手順を説明する。SOx被毒回復制御を行う条件が成立すると、図6に示すフローチャートにしたがってSOx被毒回復制御が行われる。なお、SOx被毒回復制御を行う条件に関しては、既に説明した通りであるので、その説明は省略する。SOx被毒回復制御が開始されると、まず、還元剤である燃料の添加条件が導出される(S150)。添加条件についても上記第1の実施の形態で説明した通りであるのでその説明は省略する。
【0110】
次に、導出された条件にしたがって、現在添加期間であるか否かを判定する(S250)。添加期間中であれば、添加制御を行う(S350)。そして、添加期間でなければ、あるいは、添加制御が終了後、燃料の添加を停止する(S450)。そして、導出された条件にしたがって、現在休止期間であるか否かを判定する(S550)。休止期間であれば、休止期間が終了するまで、現在休止期間であるか否かを監視する(S550)。
【0111】
S550で休止期間ではないと判定されれば、導出された条件にしたがって、現在SOx被毒回復制御期間であるか否かを判定する(S650)。SOx被毒回復制御期間ではないと判定されれば、SOx被毒回復制御を終了する。一方、S650でSOx被毒回復制御期間であると判定されれば、再びS250に戻って同一の手順を繰り返す。ただし、S650でSOx被毒回復制御期間であると判定された場合に、S150に戻って、新たに添加条件の導出をし直すことを繰り返すこともできる。
【0112】
以上のように、導出された添加条件に基づいて、添加制御が逐次行われる添加期間と添加が停止される休止期間が、SOx被毒回復制御期間が終了するまで繰り返される。このように、導出された添加条件に基づいた間欠リッチ制御が行われる。
【0113】
次に、添加制御(S350)の手順について、図7に示すフローチャートに沿って説明する。
【0114】
添加制御がスタートすると、添加フラグをONにする(S360)。つまり、燃料添加命令信号をONにして(発信して)、燃料の添加を開始する。燃料の添加を開始した後に、O2ストレージが終了するまで監視を行う(S370)。ここで、O2ストレージが終了したか否かの判定に関しては、既に、上記第1の実施でも説明したが、本実施の形態では、O2ストレージ終了後にストイキ制御を行う(S380)ため、空燃比センサ74を用いた判定を行うと、O2ストレージであるのかストイキ制御によるものなのかの判断が困難である。そこで、本実施の形態におけるO2ストレージが終了したか否かの判定は、添加開始後の一定時間によってO2ストレージが終了したものと判定するのが好適である。この一定時間は、NOx触媒の特性等、各種構成によって適宜設定される。
【0115】
2ストレージが終了したら、既に説明したように、ストイキ制御を行う(S380)。このストイキ制御は、O2ストレージとは異なり、積極的にストイキを狙った制御を行うものである。ここでは、ストイキ状態が安定になるまでストイキ狙いのフィードバック制御を行う。その後、排気空燃比がストイキよりも低い(還元性成分濃度の高い)目標空燃比となる制御を行い(S390)、添加制御を終了する。
【0116】
次に、ストイキ制御(S380)の手順について、図8に示すフローチャートに沿って説明する。なお、ここでは、O2ストレージの終了後に、排気空燃比がストイキ状態で安定すればよく、図8に示したフローチャートは、ストイキ状態に安定させる制御の一例に過ぎない。
【0117】
ストイキ制御がスタートすると、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標のストイキ範囲内(例えば、14.6〜14.8)であるか否かの判定を行う(S381)。目標のストイキ範囲内でない場合には、目標のストイキ範囲にするべく、添加量の補正、すなわち、フィードバック制御を行う(S382)。S381で検出された排気空燃比が目標のストイキ範囲内であった場合には、不図示のカウンタ(ECU90に備えられる)のカウンタ値を1つ加算する(S383)。そして、カウンタ値の総計が閾値よりも大きいか否かを判定する(S384)。閾値よりも大きくない場合には、S381に戻り、再度同じ手順を繰り返す。S384で閾値よりも大きいと判定された場合には、ストイキ制御を終了する。
【0118】
このストイキ制御では、上述の通り、O2ストレージ終了後に、積極的にストイキを狙った制御を行い、ストイキ状態で安定させる制御である。従って、O2ストレージ終了後に、ストイキの状態が安定したと判定されるまでは、ストイキを目標とするフィードバック制御を行う必要がある。つまり、ストイキの状態が安定したと判定されるまでの期間(ストイキ安定判別期間)は、ストイキを目標とするフィードバック制御を行う必要がある。本実施の形態では、ストイキ状態が安定したか否かの判定を、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比の値を利用したものである。つまり、検出された空燃比が目標のストイキ範囲内である状態が一定期間以上続けばストイキ状態で安定していると考えられる。
【0119】
そこで、本実施の形態では、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標のストイキ範囲内であればカウンタを加算していき、加算値が閾値を越えればストイキ範囲内である状態が一定期間以上続いていると考えられ、このような判定手法を用いた。ただし、閾値に関しては、フィードバックタイミングやその他の構成の特性等によって、適正値が異なるため個々に設定すれば良い。また、閾値は、固定値であっても良いし、環境等に応じて変動する変動値を用いても良い。
【0120】
ここで、上記の通り、空燃比センサ74はストイキ付近では検出精度が高いため、ストイキ状態が安定している間は、精度良く排気空燃比が検出されている。
【0121】
次に、ストイキ制御(S380)の終了後に行われる目標制御(S390)の手順について、図9に示すフローチャートに沿って説明する。目標制御がスタートすると、現在のストイキ(14.7)から目標排気空燃比(例えば、14.2あるいは14.1〜14.3)とするまでに必要な、燃料供給量の増量補正分Qαの導出が行われる(S391)。ここで、本実施の形態における目標空燃比は、効果的にSOx被毒を解消でき、かつ、過剰の未燃燃料が排出されず、白煙が発生しない空燃比により決定される。また、増量補正分Qαは、吸入空気量等を基に導出することができる。また、導出プロセスとしては、マップや演算式を用いて行うことができる。そして、増量補正分Qαが導出されれば、現在の添加量Qadに増量補正分Qαを加算して目標排気空燃比に近づける処理を行う。つまり、補正量を加算した供給量で燃料の添加を行わせるべく命令信号を発信する。その後、添加期間中であるか否かを監視し(S393)、添加期間が終了したら目標制御を終了する。添加期間中は、補正量を加算した供給量で燃料の添加を続ける。ただし、この場合にも、更に補正を繰り返すフィードバック制御を行うと、より効果的である。
【0122】
以上のように、本実施の形態では、ストイキで安定した状態から目標の排気空燃比となる制御を行っている。従って、空燃比センサ74によって排気空燃比の検出が精度良く行われている状態から、目標の排気空燃比となるように燃料の供給量が制御されるため、精度良く目標の排気空燃比が達成される。つまり、上述の通り、空燃比センサ74はストイキ付近では検出精度が高いものの、ストイキから離れると検出精度が低下する特性を有する。従って、従来一般に行われていたように、空燃比がストイキよりも高い状態から目標の排気空燃比を狙った制御を行うと、検出精度の低い状態から目標の排気空燃比を狙う制御を行うことになるため、目標の排気空燃比の精度が悪くなってしまう。
【0123】
これに対して、本実施の形態では、検出精度の高い状態から目標の排気空燃比を狙う制御を行うことになるため、目標の排気空燃比の精度が高くなる。従って、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも過剰に低くなってしまうことを抑制でき、過剰の燃料が放出されることを抑制できる。
【0124】
(第3の実施の形態)
図10には、第3の実施の形態が示されている。本実施の形態では、上記第2の実施の形態において、ストイキ制御を行った際の補正量を学習値として保管しておき、これを目標制御の際に反映する点のみが異なる。その他については上記第2の実施の形態と同一であるので、その説明は省略する。
【0125】
〔SOx被毒回復制御の具体的な実行手順〕
図10は本発明の第3の実施の形態に係る添加制御(図6中添加制御S350に相当)の概略手順を示すフローチャートである。上記第2の実施の形態で説明した図6及び図8のフローチャートに示した手順については、本実施の形態でも同一であるので、ここでは、その説明は省略する。また、図9のフローチャートに示した手順に関しても、あまり相違する点はないので、図示は省略する。
【0126】
本実施の形態では、図6に示すフローチャートの中で、添加制御S350が、第2の実施の形態と相違する。従って、本実施の形態では添加制御S350Aとして、図10を参照して添加制御について説明する。添加制御がスタートすると、添加フラグをONにして(S360)、O2ストレージ終了後(S370)、ストイキ制御を行う(S380)までの一連の動作に関しては、上記第2の実施の形態と同様である(図7参照)。
【0127】
そして、本実施の形態では、ストイキ制御(S380)において、排気空燃比がストイキとなるようにフィードバック制御を行った際の添加量の補正値(図8中、S381,S382参照)を学習値として保管する(S700)。その後、目標制御を行って(S390A)、添加制御を終了する。ここで、本実施の形態では、目標制御を行う際に(S390A)、保管した学習値を、増量補正分を導出する際に反映させている。
【0128】
つまり、ストイキ制御を行う際にフィードバック制御(補正)が必要となるのは、ストイキとするために必要と考えられる供給量で燃料を添加したとしても、現実には、各種構成の寸法誤差や環境及び経時劣化等に基づいて誤差が生じるため、この誤差を補正する必要があるからである。このような誤差は、その後、目標空燃比となる制御を行う場合でも、同様の現象に基づいて誤差が生じると考えられるため、ストイキ制御を行うためのフィードバック制御に用いた補正値を反映させることで、そのような誤差を予め少なくすることが可能である。そこで、本実施の形態では、そのような手法を採用することとした。
【0129】
具体的な例の一つを簡単に説明する。ストイキ狙いの供給量をQとした場合に、実際にストイキにするには供給量をQ+qにする必要があったとすると、補正量はqである。この場合、目標排気空燃比狙いの供給量がQαと導出された場合には(図9S391参照)、増量補正分は、Qα×((Q+q)/Q)として、これを現在の添加量Qadに増量補正するようにすれば良い。また、ストイキ狙いのフィードバック制御が行われる場合には、通常、多数回の補正がなされると考えられる。この場合に、学習値として保管する補正量に関しては、補正されるごとに補正量を更新するようにすることもできるし、複数の補正量(例えば、最新10回分の補正量)の平均値を補正量として保管するようにすることもできる。
【0130】
以上のように、本実施の形態では、目標排気空燃比を狙った制御を行う際に、その直前に行われた、ストイキ狙いのフィードバック制御の際に用いた補正値を学習値として反映させるため、上記第2の実施の形態に比べて、より一層目標の排気空燃比の精度が高くなる。従って、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも過剰に低くなってしまうことを抑制でき、過剰の燃料が放出されることを抑制できる。
【0131】
(第4の実施の形態)
図11には、第4の実施の形態が示されている。本実施の形態では、上記第2の実施の形態において、目標制御を行う際に、上記第1の実施の形態で示したフィードバック制御の考え方を採用したものである。その他については上記第2の実施の形態と同一であるので、その説明は省略する。
【0132】
図11は本発明の第4の実施の形態における目標制御の概略手順を示すフローチャートである。上記第2の実施の形態で説明した図6〜図8のフローチャートに示した手順については、本実施の形態でも同一であるので、ここでは、その説明は省略する。本実施の形態では、図7に示すフローチャートの中で、目標制御S390が、第2の実施の形態と相違する。従って、本実施の形態では添加制御S390Aとして、図11を参照して目標制御について説明する。
【0133】
目標制御がスタートすると、目標排気空燃比までの増量補正分Qαを導出して(S391)、現在の添加量QadにQαを増量補正する(S392)までの一連の動作に関しては、上記第2の実施の形態と同様である(図9参照)。ただし、増量補正分の導出にあたっては、上記第3の実施の形態で説明したように、ストイキ制御の際に用いた補正値を学習値として反映させると、より効果的である。
【0134】
そして、本実施の形態では、目標排気空燃比までの増量補正分Qαが増量補正された後に、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標の範囲内(例えば、空燃比14.1〜14.3)にあるか否かの判定を行う(S393A)。そして、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標の範囲内であると判定されれば、燃料の添加量の補正は行わない(S395A)。一方、S393Aで、空燃比センサ74によって検出された排気空燃比が目標の範囲内ではないと判定された場合には、その検出された値が、目標の範囲に対して、酸素濃度の高い側であるか否かの判定を行う(S394A)。そして、酸素濃度が高い側(リーン側)であると判定された場合には補正Aの処理を行い(S396A)、酸素濃度が低い側(リッチ側)であると判定された場合には補正Bの処理を行う(S397A)。
【0135】
その後、現在添加期間であるか否かの判定が行われ(S398A)、添加期間であると判定されれば、S393Aに戻って同様の処理が繰り返され、S398Aで添加期間ではないと判定されれば、目標制御を終了する。S393A〜S398Aまでの、排気空燃比を目標の空燃比とするための補正処理(フィードバック制御)に関しては、上記第1の実施の形態で説明したものと同様であるので、ここではその説明は省略する。
【0136】
以上のように、本実施の形態では、上記第2の実施の形態と同様に、ストイキ制御後に、目標排気空燃比を狙った制御がなされるので、検出精度の高い状態から目標の排気空燃比を狙う制御を行うことになるため、目標の排気空燃比の精度が高くなる。更に、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、排気空燃比は目標とする排気空燃比よりも低い場合と高い場合とでは、前者の方が、補正量が大きくなるフィードバック制御を行うようにした。これにより、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも低い状況から早急に抜け出ることが可能となる。従って、本実施の形態では、相乗効果的に、排気空燃比が目標の排気空燃比よりも過剰に低くなってしまうことを抑制できる。従って、過剰の未燃燃料成分が排出されることをより一層抑制でき、白煙の発生や臭気の発生を抑制することが可能となる。
【0137】
(その他)
これまでの実施の形態では、SOx被毒回復制御を行う際に、間欠リッチ方式を採用した場合のみについて説明したが、連続でリッチとする方式にも、各実施の形態における制御の考え方を適用することも可能である。つまり、連続でリッチとする方式において、第1の実施の形態で説明したように、目標の排気空燃比となるべくフィードバック制御を行う際に、補正Aと補正Bを用いることができる。また、第2の実施の形態で説明したように、連続でリッチとする方式において、目標のリッチ排気空燃比とする前に、ストイキを狙った制御を行うこともできる。また、第3の実施の形態で説明した学習値を利用することもできるし、第4の実施の形態で説明したように、第1,2の実施の形態の制御の考え方を組み合わせることもできる。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、未燃燃料成分の排出量を抑制することができる。また、これにより、白煙の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるSOx被毒回復制御を行う際の経過時間に対する排気空燃比の変動の様子を示す図である。
【図3】図2における一部拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるSOx被毒回復制御の概略手順を示すフローチャートである。
【図5】図4において添加制御の概略手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるSOx被毒回復制御の概略手順を示すフローチャートである。
【図7】図6において添加制御の概略手順を示すフローチャートである。
【図8】図7においてストイキ制御の概略手順を示すフローチャートである。
【図9】図7において目標制御の概略手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施の形態における添加制御の概略手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4の実施の形態における目標制御の概略手順を示すフローチャートである。
【図12】実際の排気空燃比に対して、空燃比センサによって検出される空燃比の様子を示したものである。
【符号の説明】
1 エンジン
10 燃料供給系
11 サプライポンプ
12 コモンレール
13 燃料噴射弁
14 遮断弁
16 調量弁
17 還元剤添加弁
20 燃焼室
30 吸気系
31 インタークーラ
32 スロットル弁
40 排気系
42 触媒ケーシング
50 ターボチャージャ
51 シャフト
52 タービンホイール
53 コンプレッサホイール
60 EGR通路
61 EGR弁
62 クーラ
70 レール圧センサ
71 燃圧センサ
72 エアフロメータ
73 排気温センサ
74 空燃比センサ
75 NOxセンサ
76 アクセルポジションセンサ
77 クランク角センサ
90 ECU
91 CPU
92 ROM
93 RAM
94 バックアップRAM
95 タイマーカウンタ
96 外部入力回路
97 外部出力回路
98 双方向性バス

Claims (7)

  1. 排気通路内にある排気浄化部の酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質を吸収し、前記排気浄化部の酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元することで、酸化性の排気物質の浄化を行う浄化手段と、
    前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段と、
    前記排気浄化部よりも下流側で排気空燃比を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差から、供給する還元剤の補正量を導出し、該補正量に基づいて供給される還元剤の供給量を制御するフィードバック制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記浄化手段から排気物質を放出還元する際に、前記差がXの場合に、前記検出手段による検出結果が目標とする排気空燃比よりも高い場合の前記補正量をY1とし、該排気空燃比よりも低い場合の前記補正量をY2とすると、前記Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たしていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 排気通路内にある排気浄化部の酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質を吸収し、前記排気浄化部の酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元することで、酸化性の排気物質の浄化を行う浄化手段と、
    前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段と、
    前記排気浄化部よりも下流側で排気空燃比を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差から、供給する還元剤の補正量を導出し、該補正量に基づいて供給される還元剤の供給量を制御するフィードバック制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記浄化手段から排気物質を放出還元する場合には、
    前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行うと共に、
    該目標空燃比となる制御を行う場合には、前記差がXの場合に、前記検出手段による検出結果が目標とする排気空燃比よりも高い場合の前記補正量をY1とし、該排気空燃比よりも低い場合の前記補正量をY2とすると、前記Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たしていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 排気通路内にある排気浄化部の酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質を吸収し、前記排気浄化部の酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元することで、酸化性の排気物質の浄化を行う浄化手段と、
    前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段と、
    前記排気浄化部よりも下流側で排気空燃比を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差から、供給する還元剤の補正量を導出し、該補正量に基づいて供給される還元剤の供給量を制御するフィードバック制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記浄化手段から排気物質を放出還元する場合には、
    前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行うと共に、
    該目標空燃比となる制御を行う場合には、前記差がXの場合に、前記検出手段による検出結果が目標とする排気空燃比よりも高い場合の前記補正量をY1とし、該排気空燃比よりも低い場合の前記補正量をY2とすると、前記Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たしており、
    前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後、ストイキ 安定判定期間経過後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行うことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  4. 排気通路内にある排気浄化部の酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質を吸収し、前記排気浄化部の酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元することで、酸化性の排気物質の浄化を行う浄化手段と、
    前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段と、
    前記排気浄化部よりも下流側で排気空燃比を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差から、供給する還元剤の補正量を導出し、該補正量に基づいて供給される還元剤の供給量を制御するフィードバック制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記浄化手段から排気物質を放出還元する場合には、
    前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行い、
    前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行う際に、ストイキ制御を行った際の補正量を、目標空燃比となる制御を行う場合における補正量の導出の際に反映させることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行う際に、ストイキ制御を行った際の補正量を、目標空燃比となる制御を行う場合における補正量の導出の際に反映させることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 排気通路内にある排気浄化部の酸化性成分濃度が高い場合には排気中に含まれる酸化性の排気物質を吸収し、前記排気浄化部の酸化性成分濃度が低くかつ還元雰囲気の場合には吸収していた酸化性の排気物質を放出しつつ還元することで、酸化性の排気物質の浄化を行う浄化手段と、
    前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段と、
    前記排気浄化部よりも下流側で排気空燃比を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された値と目標とする排気空燃比との差から、供給する還元剤の補正量を導出し、該補正量に基づいて供給される還元剤の供給量を制御するフィードバック制御手段と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記浄化手段から排気物質を放出還元する場合には、
    前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行い、
    前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後、ストイキ安定判定期間経過後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行い、
    前記フィードバック制御手段は、排気空燃比がストイキとなる制御を行った後に、排気空燃比がストイキよりも還元性成分濃度の高い目標空燃比となる制御を行う際に、ストイキ制御を行った際の補正量を、目標空燃比となる制御を行う場合における補正量の導出の際に反映させることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  7. 周囲の雰囲気に応じて酸化性の排気物質を吸収あるいは放出還元する浄化手段によって排気が浄化される排気浄化部よりも下流側で、検出手段により検出された排気空燃比データの信号を受信する受信手段と、
    該受信手段によって受信した排気空燃比データと目標とする排気空燃比との差から、前記排気浄化部に還元剤を供給する供給手段により供給される還元剤の供給量の補正量を導出する導出手段と、
    該導出手段によって導出された補正量によって補正された供給量で供給するように、前記供給手段に対して指示する信号を発信する発信手段と、を備え、
    前記供給手段による還元剤の供給量のフィードバック制御を行う制御装置であって、
    前記浄化手段から排気物質を放出還元する際に、前記差がXの場合に、前記検出手段による検出結果が目標とする排気空燃比よりも高い場合の前記補正量をY1とし、該排気空燃比よりも低い場合の前記補正量をY2とすると、前記Xの値にかかわらずY2>Y1の関係を満たしていることを特徴とする制御装置。
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