JP4075556B2 - エンジンのシリンダヘッド部構造 - Google Patents

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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/02Valve drive
    • F01L1/024Belt drive

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのシリダヘッド部構造に関し、特に、タペットを介して弁を駆動するカムシャフトを軸方向前端側に配設した伝動装置の無端可撓部材を介しクランクシャフトにより駆動する多気筒エンジンのシリンダヘッド部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用等のエンジンにおいて、吸気弁及び排気弁をタペットを介して直接カムで駆動するダイレクトタイプの動弁装置を設け、カムシャフトの軸方向前端側にクランクシャフトにより駆動されるタイミングベルトやチェーン等を使用した伝動装置を配置したものが従来から知られている(例えば、特許文献1、2参照)。そうしたエンジンの動弁装置として、油圧作動式の弁特性変更機構を備えた動弁装置、例えば、タペットをセンタタペットとカム軸方向両側のサイドタペットとで構成し、両側のサイドタペットを、弁側の端部近傍において両サイドタペットに対し略垂直に延びる連結部によって結合し、その連結部の反カム側の面に弁ステムとの当結部を設け、両側のサイドタペットの間に相対移動可能にセンタタペットを組み込んで、外周面が略円柱状となるよう構成し、ロック機構により結合及び離脱可能とするとともに、カムプロフィールの異なるセンタカムとサイドカムを設けて、ロック機構の結合もしくは離脱作動により弁特性を変更可能とし、カムキャリアに気筒列方向に延びる弁特性変更機構用のオイルギャラリーを配設したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−329907号公報
【特許文献2】
特開2002−54413号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、カムにより弁を駆動するエンジンの動弁装置において、カムシャフトを支承するカムジャーナル部は、加工後の変形による摺動抵抗の増大を防止できるよう所定のジャーナルクリアランスが設定されるが、このジャーナルクリアランスは本来できるだけ小さいことが望まれる。また、特に、多気筒エンジンで、カムシャフトが軸方向一端側においてタイミングベルトやチェーンで駆動されるものでは、タイミングベルトやチェーンの張力によってカムシャフトが変形し、振れが発生して信頼性が悪化する。
【0005】
本発明はこうした問題点に鑑みてなされたものであって、カムシャフトの軸方向一端側にタイミングベルトやチェーン等の無端可撓部材を介して駆動する伝動装置を配設した多気筒エンジンにおいて、タイミングベルトやチェーンの張力によるカムシャフトの振れを防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンジンのシリンダヘッド部構造は、シリンダヘッドが多気筒列型エンジンの各気筒の燃焼室頂部を一体に形成したシリンダヘッド本体とカムシャフトを支承する各カムジャーナル部とタペットガイドホールを備えた各タペットガイド部とを一体に形成したカムキャリアとからなり、カムキャリアが少なくとも気筒列方向の前端部および後端部に形成されたボルトボス部においてシリンダヘッド本体にボルト締結され、カムに当接しタペットガイドホール内を摺動するタペットを介して弁を駆動する動弁装置を備え、カムシャフトの軸方向端側にクランクシャフトにより駆動される伝動装置の無端可撓部材が配設され、カムシャフト内に軸方向の油路が形成され、該油路から分岐して各カムジャーナル部に開口する分岐油路が形成されて、各分岐油路を介し各カムジャーナル部に潤滑油が供給されるとともに各カムジャーナル部側端から漏出した潤滑油が各タペットガイドホールに導かれタペット摺動面を潤滑するよう構成され、各カムジャーナル部のうちの前端から1番目と2番目のカムジャーナル部は、1番目のカムジャーナル部がカムキャリアの前端部に形成されたボルトボス部よりも前方で、2番目のカムジャーナル部がカムキャリアの前端部に形成されたボルトボス部よりも後方に位置する多気筒列型エンジンのシリンダヘッド部構造であって、各カムジャーナル部のうちの前端から1番目と2番目のカムジャーナル部のジャーナルクリアランスを、他のカムジャーナル部のジャーナルクリアランスよりも小さく設定するとともに、前端から2番目のカムジャーナル部の内面下部にカム軸方向に延びカムジャーナル部側面に開放された溝を設けたことを特徴とする。
【0007】
シリンダヘッド部の気筒列方向端部は、シリンダヘッドへのボルト締結部が設けれ、ヘッドボルトの締め付けに対応するために剛性が高い構造とされ、カムジャーナル部加工後の変形が少なく真円が保たれるため、ジャーナルクリアランスの縮小が可能である。したがって、無端可撓部材の張力による振れが問題となる一端側のカムジャーナル部については他端側のカムジャーナル部のジャーナルクリアランスよりも小さく設定することができ、そうすることでカムシャフトの振れを防止することができる。そして、カムシャフト内に形成された油路から分岐した各分岐油路を介して各カムジャーナル部に潤滑油を供給するとともに各カムジャーナル部側端から漏出した潤滑油によりを各タペットガイドホールのタペット摺動面を潤滑するよう構成されたシリンダヘッド部の場合、一端側のカムジャーナル部のジャーナルクリアランスを小さくすると、ジャーナルクリアランスを小さくしたカムジャーナル部には潤滑油が流れにくくなるが、そのジャーナルクリアランスを小さくしたカムジャーナル部の内面下部にカム軸方向に延びる溝を形成することにより、そのジャーナル内面に溝に溜まった潤滑油を間欠給油でき、トータルで所要潤滑油量を確保できる。また、その溝をカムジャーナル部側面に開放された溝とすることで、ジャーナルクリアランスを小さくしたカムジャーナル部に隣接するタペットガイドホールへの潤滑油量も確保できる。そして、この溝は、カム軸方向に延びる溝であって、カムシャフト側の分岐油路との連通は間欠的であるため、適度の大きさの溝とすることで、カムシャフト内の油路の油圧低下を抑制して、他端側のカムジャーナル部及びタペットガイドホールまで潤滑油を行き渡らせることができる。
【0008】
また、カムキャリアを有するシリンダヘッド部の場合、各カムジャーナル部側端から漏出した潤滑油を各カムジャーナル部間に位置するタペットガイドホールに向け導く方向へ傾斜した油受け壁部をカムキャリアに一体形成するのがよく、そうすることで、タペットガイドホールへの潤滑油の供給が確実なものとなる。
【0009】
このシリンダヘッド部構造は、動弁装置が油圧作動式の弁特性変更機構を備え、カムキャリアに気筒列方向に延びる弁特性変更機構用のオイルギャラリーが配設されたものに適用することができ、その場合、弁特性変更機構用の油路を配設することによりスペース的にカムキャリアにタペット潤滑用の油路が形成できない場合でも、カムジャーナル潤滑用の油路の油圧低下を抑制しつつ、タペット潤滑のための潤滑油量を確保するようにできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1〜9は本発明の実施の形態のエンジンのシリンダヘッド部構造を示している。図1はエンジン上部の気筒列方向に直交する断面にて示す縦断面図、図2はシリンダヘッド部の前端部平面図、図3はムキャリアの平面図、図4はカムキャリアの前端面図、図5はカムキャリアの一部を排気側のタペットガイド部においてカム軸方向に直交を断面で示す縦断面図、図6は動弁装置のタペットの平面図、図7は動弁装置のタペットのカム軸に直交する中心断面で示す正面視縦断面図、図8はタペットのカム軸に平行な中心断面で示す側面視縦断面図、図9は動弁装置のタペットのロック機構の中心を通る平面視横断面図である。
【0012】
この実施の形態に係るエンジンは、直列4気筒のDOHC(ダブルオーバヘッドカム)エンジンであって、図1に示すように、シリンダブロック(図示せず)の上部にボルト締結され各気筒の燃焼室頂部を構成するとともにヘッド上部の動弁室の外郭を構成するシリンダヘッド本体1の上部に、シリンダヘッドカバー2が取り付けられ、動弁室が画成される。そして、そのシリンダヘッド本体1の上部に画成された動弁室内に、カムキャップ3と協働して吸気カムシャフト4及び排気カムシャフト5を支持する各カムジャーナル部6を形成するとともにタペットガイドホール8を有するタペットガイド部9を形成する一体構造のカムキャリア10が配置され、該カムキャリア10がシリンダヘッド本体1にボルト締結されている。
【0013】
このエンジンは、1気筒当たり吸気ポート11が2個、排気ポート12が2個で、吸気弁13を2個、排気弁14を2個備え、それら各吸気弁13及び排気弁14をそれぞれタペット30を介して直接カムで駆動するダイレクトタイプの動弁装置を備えている。タペット30は高速用のセンタタペットと低速用のサイドタペットとの分割構成で、センタタペットとサイドタペットとを結合及び離脱するロック機構を備え、吸気カムシャフト4および排気カムシャフト5が、各気筒毎の2個の吸気弁13および2個の排気弁に対応する各タペット30に対し、それぞれ1枚の高速用カム15a、15bを中央にしてそのカム軸方向両側に2枚の低速用カム16a、16bを備えている。ロック機構を内蔵する分割構成のタペット30と、高速用カム15a、15bを中央にして両側に低速用カム16a、16bを配置したカム構成とで弁特性変更機構が構成される。
【0014】
図2に示すように、気筒列方向に配設された吸気カムシャフト4及び排気カムシャフト5は、カムキャリ10の前端から突出し、その突出した軸方向前端部にそれぞれカムスプロケット17a、17bが設けられ、それらカムスプロケット17a、17bと図示しないクランクシャフト前端のクランクスプロケットとの間にタイミングチェーン18が掛け渡されている。そして、これらカムスプロケット17a、17bおよびタイミングチェーン18とクランクスプロケットとからなる伝動装置を覆うよう、チェーンカバー19が取り付けられている。なお、伝動装置は、タイミングベルト等他の無端可撓部材を用いたものであってもよい。
【0015】
カムキャリア10は、図1〜3に示すように、気筒毎の点火プラグ取付ホール部21と、気筒列幅方向中央に位置し各気筒の点火プラグ取付ホール部21を連結して気筒列方向に延びる中央ウェブ22と、中央ウェブ22の幅方向両側に間隔をおいて配置され気筒列方向に延びる側壁部23、24を備え、中央ウェブ22と両側壁部23、24の間には、吸気側及び排気側の各カムジャーナル部6と、、吸気側及び排気側の各タペットガイドホール8を構成するタペットガイド部9が配置され、それらカムジャーナル部6及びタペットガイド部9が中央ウェブ22と側壁部23、24に一体連結されたフレーム構造の部材である。
【0016】
そして、カムキャリア10の中央ウェブ22には、点火プラグ取付ホール部21を挟む吸気側及び排気側の両側に、各気筒のタペットガイドホー9に近接してシリンダヘッド長手方向(カム軸方向)に延びるオイルギャラリ91、92が設けられ、また、これらオイルギャラリ91、92からの油圧を各タペット30のロック機構へ供給するよう、オイルギャラリ91、92から分岐してタペットガイドホール8の内周面に開口する作動油供給通路93、94が設けられている。また、カムキャリア10の中央ウェブ22の前端部には、タペット30に内蔵されたロック機構の作動油圧を制御するための油圧制御弁を取り付ける油圧制御弁取付ホール部95が設けられ、その前方に油圧制御プラグ取付ホール部96が設けられている。そして、カムキャリア10の最前部には、油圧源であるオイルポンプからの油圧を油圧制御弁へ導入する作動油流入油路97と、油圧制御弁からの油圧をオイルギャラリ91、92へ導出する作動油流出油路98が形成されている。
【0017】
また、図1に示すように、吸気カムシャフト4及び排気カムシャフト5には、それぞれ中心部に軸方向の油路を構成するオイルギャラリー99a、99bが形成され、それら油路99a、99bから分岐して、カムキャリア10の各カムジャーナル部6に開口する分岐油路100a、100bが形成されている。オイルギャラリー99a、99bにはオイルポンプからの潤滑油が供給され、その潤滑油がオイルギャラリー99a、99bから各分岐油路100a、100bを介してカムキャップ10の各カムジャーナル部6に導かれ、それにより各カムジャーナル部6が潤滑される。また、各カムジャーナル部6の側端から漏出した潤滑油は各カムジャーナル部6間に位置する各タペットガイドホール8に導かれ、それにより各タペットガイドホール8のタペット摺動面が潤滑される。カムキャリア10には、図1及び図5に示すように、側壁部23、24の内側に、各カムジャーナル部6から漏出した潤滑油を各カムジャーナル部6間に位置するタペットガイドホール8に向け導く方向へ傾斜した油受け壁部102、103が一体形成されている。
【0018】
そして、この実施の形態では、カムキャリア10の各カムジャーナル部6のうち、吸気側及び排気側の前端から1番目と2番目のカムジャーナル部6のジャーナルクリアランスが、他のカムジャーナル部6のジャーナルクリアランスよりも小さく設定され、図3に示すように、前端から2番目のカムジャーナル部6にはその内面下部にカム軸方向に延び両端がカムジャーナル部6側面に開放されたオイル溝104、105が設けられている。この実施の形態で、最前端のカムジャーナル部6にオイル溝を設けていないのは、もともと最前端のカムジャーナル部6と最前端気筒のタペットガイドホール8は離れており、最前端気筒のタペットガイドホールへのオイルの供給は2番目のカムジャーナル部6から供給することを意図した設計にしていること、および最前端のカムジャーナル部6はタイミングチェーンにより下方に引っ張られるためカムジャーナル部6にオイル溝を形成するとジャーナル面の油膜切れを起こし潤滑性が悪化するためである。また、2番目のカムジャーナル部6のオイル溝104、105を下部に形成したのは、2番目のカムジャーナル部6ではカムによりタペットを押し下げる場合、その反力によりカムシャフトは上方へ押されるため、カムジャーナル部面の上部にオイル溝を形成したのでは、前記と同様に油膜切れを生じる懸念があり、その点下方にオイル溝を形成すればその懸念がなく、かつタペットガイドホールへのオイルの供給が確実に行われるためである。
【0019】
カムキャップ3はカムキャリヤ10の各カムジャーナル部6にボルト締結される。但し、吸気側の気筒列方向最前端のカムキャップ3は、カムキャップ3をカムキャリヤ10のカムジャーナル部6に固定する一対のボルト111、112のうち、側壁部23側のボルト111がカムキャリヤ10を貫通してシリンダヘッド本体1にねじ込まれ、カムキャップ3とカムキャリア10とをシリンダヘッド本体1に共締めする。また、排気側の気筒列方向最前端のカムキャップ3は、カムキャップ3をカムキャリヤ10のカムジャーナル部6に固定する一対のボルト113、114のうち、側壁部24側のボルト114がカムキャリヤ10を貫通してシリンダヘッド本体1にねじ込まれ、カムキャップ3とカムキャリア10とをシリンダヘッド本体1に共締めする。
【0020】
カムキャリヤ10は、カムキャップ3とカムキャリヤ10を共締めする上記ボルト111、114の他、図3に示すカムキャリア10前端部のカムジャーナル部6の後方に隣接する左右2箇所のボルトボス部115、116と、後端部片側1箇所のボルトボス部117においてシリンダヘッド本体1にボルト締結される。図2において118及び119はカムキャリア10前端部のボルトボス部115、116に取り付けられたボルトである。
【0021】
シリンダヘッド本体1は、カムキャリア10の下方でヘッドボルト(図示せず)によってシリンダブロックに固定される。
【0022】
タペット30は、図6〜9に示すように、全体として略円筒状で、センタタペット31によりカム軸(カムシャフト2の中心軸)方向の中央部分が構成され、サイドタペット32の両サイドタペット体32a、32bにより側方部分が構成される。そして、センタタペット31の上面が、カム摺接方向(平面視にてカムシャフトの軸線に直交する方向)に長い略矩形平面状のセンタカム当接面を構成し、サイドタペット32の両サイドタペット体32a、32bの上面が、センタカム当接面の両側を埋めて全体として円形のカム当接面を構成する略三日月形平面状のサイドカム当接面を構成する。
【0023】
サイドタペット32は、サイドカム当接面を構成する一対のサイドタペット体32a、32bがカム当接面とは反対側(以下、「反カム側」という)の端部近傍で、下面に弁ステムエンドとの当接部33を有する連結部分32cにより一体に連結され、側面視略U字状に形成されたもので、その連結部分32cのカム軸に直交する方向の両端部にロストモーションスプリングシート部34a、34bが設けられ、各ロストモーションスプリングシート部34a、34bにロストモーションスプリング35a、35bが設置されて、その上から両サイドタペット体32a、32bの間にセンタタペット31が組み込まれる。タペット30は、サイドタペット32の連結部32c下面の当接部33がシム6を介して弁ステムエンドと当接する。
【0024】
センタタペット31は、上記略矩形平面状のセンタカム当接面のカム摺接方向に沿う側(両長辺側)の端縁から垂直下方に前後対称に延びる一対の端面36a、36bを有し、また、カム軸に直交する方向の両端となる側(両短辺側)の端縁から垂直下方に左右対称に延びる一対の断面円弧状の外方周面37a、37bを有し、カム軸に直交する方向の両端には、外側が外方周面から連続して円弧状にサイドタペット32(サイドタペット体32a、32b)側へ張り出し、内側が、カム軸に直交する方向に対向してカム軸方向に平行でタペット軸方向に延びる摺接面を構成するよう、前後の端面36a、36bから略直角にカム軸方向に張り出した突起部38a、38b、38c、38dが、タペット軸方向の略全長に亘って突出形成され、全体として平面視略I字状に構成されている。そして、センタタペット31の上部中央には、カム軸方向に平行に前後の端面36a、36b間を貫通する貫通孔39が形成されている。
【0025】
また、サイドタペット32は、上述のように側面視略U字状で、左右一対のサイドタペット体32a、32bの内側に垂直下方に対向して延びる一対の内方端面40a、40bを有し、また、サイドカム当接面のカム軸方向外端側の縁部から垂直下方に前後対称に延びる断面円弧状の外側周面41a、41bを有し、各サイドタペット体32a、32bのカム摺接方向(カム軸に直交する方向)の両端には、上記センタタペット31の突起部38a、38b、38c、38dの摺接面と摺接するよう、カム軸方向に平行でタペット軸方向に延びる摺接面を備えた摺接部42a、42b、42c、42dが形成されている。そして、サイドタペット32には、サイドタペット体32a、32bの上部中央に、センタタペット31のセンタカム当接面とサイドタペット32のサイドカム当接面が面一となる時にセンタタペット31の貫通孔39と一直線に段差なく連通するよう、カム軸方向に平行に各内方端面40a、40bから外側周面41a、41bに貫通する貫通孔43a、43bが設けられている。
【0026】
センタタペット31とサイドタペット32は、センタタペット31のセンタカム摺接面がセンタカム15a,15bのベースサークル部に当接し、サイドタペット32のサイドカム摺接面がサイドカム16a、16bのベースサークル部に当接している状態で、センタタペット31のセンタカム摺接面とサイドタペット32のサイドカム摺接面とが略面一となり、その状態で、センタタペット31の貫通孔39とサイドタペット32の貫通孔43a、43bが一直線に連通する。
【0027】
また、サイドタペット32の一方のサイドタペット体32bの貫通孔43bには、油圧によりセンタタペット31の貫通孔56内に突出可能なよう油圧プランジャ71が内蔵され、センタタペット31を貫通する貫通孔39には、上記油圧プランジャ71に押されてサイドタペット32の他方のサイドタペット体32aの貫通孔43a内に突出可能なようロックピン72が内蔵され、また、ロックピン72を、センタタペット31とサイドタペット32とが相互に離脱しタペット摺動方向に相対移動可能となる位置へ付勢するリターンスプリング73が内蔵されている。
【0028】
そして、センタタペット31の貫通孔39には、サイドタペット32の両サイドタペット体32a、32bの内方端面40a、40bに対向する前後の端面36a、36bに開口する部分に、センタタペット31の端面36a、36bと面一となるようブッシュ74、75がそれぞれ挿入固定される。そのうち、油圧プランジャ71側の端部に固定されるブッシュ75は、ロックピン72外周の鍔部76に当接して、ロックピン72の油圧プランジャ71側への移動を規制する。また、もう一方の端部に固定されるブッシュ74は、ロックピン72外周の上記鍔部76との間にリターンスプリング73を圧縮状態で保持する。
【0029】
さらに、サイドタペット32側の両貫通孔43a、43bには、ブッシュ77、78が各々挿入固定される。そのうち、油圧プランジャ71を内蔵する方のサイドタペット体32bの貫通孔43bに挿入固定されたブッシュ78は、タペット外周側が端壁78aで塞がれ、内側が油圧プランジャ71を摺動嵌合させる嵌合孔78bを構成する。また、他方のサイドタペット体32aの貫通孔43aに挿入固定されるブッシュ77は、その軸方向内側に、ロックピン72の端部を嵌合させる嵌合孔77bを有し、ロックピン72の移動を規制するストッパとして機能する。これらサイドタペット32側のブッシュ77、78は、センタタペット31側の端部を貫通孔61a、61bよりそれぞれ所定寸法突出させ、センタタペット31の貫通孔56に挿入固定したブッシュ74、75の端面にそれぞれ所定間隔をおいて対峙させる。
【0030】
また、ブッシュ77が挿入固定される方(後側)のサイドタペット体32aの外側周面41aは、貫通孔43aが開口する部分が垂直に切り欠かれ、この切り欠かれた部分に、上記ブッシュ77に支持されたピン86により揺動自在に支承された回止部材87が装着され、タペット3の周方向の回動を防止している。
【0031】
また、センタタペット31には、サイドタペット32の両サイドタペット体32a、32bと対峙する両端面54a、54bの、貫通孔39の下部に沿う部分に、カム軸方向にサイドタペット32の両サイドタペット体32a、32bの内方端面40a、40bへ向けて突出することにより、両サイドタペット体32a、32bの貫通孔43a、43bに装着された内方へ突出するブッシュ77、78の端部に係止される係止部89a、89bが設けられている。これら係止部89a、89bが両側でサイドタペット32側のブッシュ77、78に係止されることにより、センタタペット31はタペット摺動方向上方への移動が規制される。
【0032】
このようにして、貫通孔39、43a、43b、油圧プランジャ71、ロックピン72及びリターンスプリング73等により、センタタペット31とサイドタペット32とを相互に結合及び離脱可能とするロック機構が構成されている。
【0033】
このロック機構において、油圧プランジャ71は、油圧が作用すると、ロックピン72側に移動して端部がセンタタペット31側の貫通孔39内に入り込むとともに、ロックピン72をリターンスプリング73に抗して移動させ、ロックピン72の端部をサイドタペット32の上記他方(後方側)のサイドタペット体32aの貫通孔43a内に入り込ませる。この時、油圧プランジャ71がセンタタペット31とサイドタペット32の上記一方(前方側)のサイドタペット体32bとの分割部分に跨がるとともに、ロックピン72がセンタタペット31とサイドタペット32の他方のサイドタペット体32aとの分割部分に跨がり、それらが協動してセンタタペット31とサイドタペット32とを結合し、ロック状態となる。また、油圧が解放されると、リターンスプリング73がロックピン72を油圧プランジャ71側に押し返し、油圧プランジャ71が元の位置に復帰して、ロックピン72の両端面がセンタタペット31の貫通孔39内でセンタタペット31とサイドタペット32との分割部分と略面一になって、センタタペット31がサイドタペット32から離脱し、アンロック状態(ロック解除)となる。
【0034】
このように、ロック機構は油圧によりロック状態とアンロック状態とに切り換え可能で、ロック状態においては、サイドタペット32とセンタタペット31とが結合し、サイドタペット32と、センタカム15a、15bにより駆動されるセンタタペット31とが協働して、弁を高速態様でリフトさせる。また、アンロック状態においては、センタタペット31がサイドタペット32から離脱して、ロストモーションスプリング35a、35bによりセンタカム15a、15bに押圧された状態で自由移動し、サイドカム16a、16bがサイドタペット32を駆動して、弁を低速態様でリフトさせ、あるいは実質作動停止とする。
【0035】
この実施の形態は、上述のようにカムキャリア10の各カムジャーナル部6のうち、吸気側及び排気側の前端から1番目と2番目のカムジャーナル部6のジャーナルクリアランスを、他のカムジャーナル部6のジャーナルクリアランスよりも小さく設定するとともに、前端から2番目のカムジャーナル部6の内面下部にカム軸方向に延び両端がカムジャーナル部6側面に開放されたオイル溝104、105を設けたもので、タイミングチェーン18の張力がかかる前端側のカムジャーナル部6のジャーナルクリアランスを他端側のカムジャーナル部のジャーナルクリアランスよりも小さく設定したことにより、カムシャフトの振れを防止することができ、オイル溝104、105によって2番目のカムジャーナル部6に対する潤滑油量を確保でき、そのカムジャーナル部6に隣接するタペットガイドホール8への潤滑油量も確保できる。そして、オイル溝104、105を適度な大きさとすることで、油圧低下を抑制して後端側のカムジャーナル部6及びタペットガイドホール8まで潤滑油を行き渡らせることができる。
【0036】
なお、上記実施の形態では前端から2番目のカムジャーナル部6の内面下部にオイル溝104、105を設け、3番目以降のカムジャーナル部6についてはジャーナルクリアランスを相対的に大きくし、溝は設けていないが、3番目以降のカムジャーナル部6についても必要に応じての小さい溝を形成するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のシリンダヘッド部構造は、カムシャフトの軸方向一端側にタイミングベルトやチェーン等の無端可撓部材を介して駆動する伝動装置を配設した多気筒エンジンにおいて、無端可撓部材の張力による振れが問題となる一端側のカムジャーナル部のジャーナルクリアランスを小さくすることにより、タイミングベルトやチェーンの張力によるカムシャフトの振れを防止することができ、そのジャーナルクリアランスを小さくしたカムジャーナル部の内面下部にカム軸方向に延びる溝を形成することにより、ジャーナル部内面に溝から潤滑油を間欠給油して所要潤滑油量を確保するようにでき、また、タペットガイドホールへの潤滑油量も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のエンジン上部の気筒列方向に直交する断面にて示す縦断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態におけるシリンダヘッド部の前端部平面図である。
【図3】 本発明の実施の形態におけるカムキャリアの平面図である。
【図4】 本発明の実施の形態におけるカムキャリアの前端面図である。
【図5】 本発明の実施の形態におけるカムキャリアの一部を排気側のタペットガイド部においてカム軸方向に直交を断面で示す縦断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態における動弁装置のタペットの平面図である。
【図7】 本発明の実施の形態における動弁装置のタペットのカム軸に直交する中心断面で示す正面視縦断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態における動弁装置のタペットのカム軸に平行な中心断面で示す側面視縦断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態における動弁装置のタペットのロック機構の中心を通る平面視横断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド本体
3 カムキャップ
4 吸気カムシャフト
5 排気カムシャフト
6 カムジャーナル部
8 タペットガイドホール
9 タペットガイド部
10 カムキャリア
30 タペット
17a、17b カムスプロケット
18 タイミングチェーン
91、92 オイルギャラリ(油圧用)
99a、99b オイルギャラリー(潤滑用)
100a、100b 分岐油路
102、103 油受け壁部
104、105 オイル溝(溝)

Claims (3)

  1. シリンダヘッドが多気筒列型エンジンの各気筒の燃焼室頂部を一体に形成したシリンダヘッド本体と前記カムシャフトを支承する各カムジャーナル部と前記タペットガイドホールを備えた各タペットガイド部とを一体に形成したカムキャリアとからなり、該カムキャリアが少なくとも気筒列方向の前端部および後端部に形成されたボルトボス部において前記シリンダヘッド本体にボルト締結され、カムに当接しタペットガイドホール内を摺動するタペットを介して弁を駆動する動弁装置を備え、カムシャフトの軸方向端側にクランクシャフトにより駆動される伝動装置の無端可撓部材が配設され、前記カムシャフト内に軸方向の油路が形成され、該油路から分岐して各カムジャーナル部に開口する分岐油路が形成されて、各分岐油路を介し前記各カムジャーナル部に潤滑油が供給されるとともに各カムジャーナル部側端から漏出した潤滑油が各タペットガイドホールに導かれタペット摺動面を潤滑するよう構成され、前記各カムジャーナル部のうちの前端から1番目と2番目のカムジャーナル部は、前記1番目のカムジャーナル部が前記カムキャリアの前端部に形成されたボルトボス部よりも前方で、前記2番目のカムジャーナル部が前記カムキャリアの前端部に形成されたボルトボス部よりも後方に位置する多気筒列型エンジンのシリンダヘッド部構造であって、
    前記各カムジャーナル部のうちの前端から1番目と2番目のカムジャーナル部のジャーナルクリアランスを、他のカムジャーナル部のジャーナルクリアランスよりも小さく設定するとともに、前記2番目のカムジャーナル部の内面下部にカム軸方向に延びカムジャーナル部側面に開放された溝を設けたことを特徴とするエンジンのシリンダヘッド部構造。
  2. 各カムジャーナル部側端から漏出した潤滑油を各カムジャーナル部間に位置するタペットガイドホールに向け導く方向へ傾斜した油受け壁部を前記カムキャリアに一体形成したことを特徴とする請求項1記載のエンジンのシリンダヘッド部構造。
  3. 前記動弁装置が油圧作動式の弁特性変更機構を備え、前記カムキャリアに気筒列方向に延びる弁特性変更機構用のオイルギャラリーが配設された請求項1又は2記載のエンジンのシリンダヘッド部構造。
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