JP4075551B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、方位を測定可能な電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、方位を求める方法として、例えば、磁気方位センサを用いて求める方法が周知技術として知られている。
また、最近では、GPS(Global Positioning System)によって、利用者が移動した二地点間の位置の差及び時間の差から方位を求める技術も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−356161号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、磁気方位センサは、磁気を発生することから、周囲に他の部品を配置しづらく、小型の電子機器に設けることは不向きであった。さらに、磁気方位センサはノイズを発生するため、ノイズ対策が必要であった。
一方、GPSを用いて方位を求める場合は、上記磁気方位センサのような問題はない。しかし、GPSを用いて方位を求める場合は、利用者が移動しなければならず、さらに、利用者の移動が直線運動で、移動速度が速くなければ、測定精度が向上しないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、GPSを用い、利用者が移動しなくても方位を求めることができる電子機器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、GPS衛星からの電波を受信する受信アンテナ(例えば、図1、図2のパッチアンテナ31)と、前記受信アンテナの上部を覆って、前記受信アンテナへの電波の到達を遮蔽するとともに、一部に非遮蔽部(例えば、図1の非遮蔽部18d)が形成され、前記受信アンテナに対して回転自在に設けられた遮蔽部材(例えば、図1、図2の秒針兼遮蔽板18c)と、
複数のGPS衛星の天空上における位置を表す軌道情報を各GPS衛星毎に記憶している軌道情報記憶手段(例えば、図4、図5のRAM52)と、
前記遮蔽部材を回転させた場合に、前記受信アンテナによる電波の受信感度が良好なGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における前記非遮蔽部の位置を記憶する特定記憶手段(例えば、図4、図5のCPU51、RAM52、図8のステップS11〜S13)と、
前記特定記憶手段によって特定されたGPS衛星の軌道情報を前記軌道情報記憶手段から読み出す読出手段(例えば、図4のCPU51、図8のステップS14)と、
前記特定記憶手段により記憶されている前記非遮蔽部の位置と、前記読出手段によって読出されたGPS衛星の軌道情報とに基づいて現在位置における方位を算出する方位算出手段(例えば、図4のCPU51、図8のステップS17〜S18)と、
前記方位算出手段によって算出された方位を出力する方位出力手段(例えば、図1、図2、図4のCPU51、発光素子40、図8のステップS19)とを備えており、
前記遮蔽部材は、60秒で一回転するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、遮蔽部材を回転させた場合に、方位算出手段により、特定記憶手段により記憶されている非遮蔽部の位置と、読出手段によって読出されたGPS衛星の軌道情報とに基づいて現在位置における方位が算出され、方位出力手段により出力されるので、ユーザは遮蔽部材を回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計等のような小型の電子機器にも搭載することができる。そればかりでなく、遮蔽部材は、60秒で一回転するように構成されているので、時計の秒針として利用することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
GPS衛星からの電波を受信する受信アンテナ(例えば、図9、図10のパッチアンテナ31)と、
前記受信アンテナの上面の一部を覆い、前記受信アンテナへの電波の到達を遮蔽するとともに、前記受信アンテナに対して回転自在に設けられた遮蔽部材(例えば、図9、図10の秒針兼遮蔽板28c)と、
複数のGPS衛星の天空上における位置を表す軌道情報を各GPS衛星毎に記憶している軌道情報記憶手段(例えば、図12のRAM67)と、
前記遮蔽部材を回転させた場合に、前記受信アンテナによる電波の受信感度が悪いGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における前記遮蔽部材の位置を記憶する特定記憶手段(例えば、図12のCPU66、RAM67、図14のステップS21〜S23)と、
前記特定記憶手段によって特定されたGPS衛星の軌道情報を前記軌道情報記憶手段から読み出す読出手段(例えば、図12のCPU66、図14のステップS24)と、
前記特定記憶手段により記憶されている前記遮蔽部材の位置と、前記読出手段によって読出されたGPS衛星の軌道情報とに基づいて現在位置における方位を算出する方位算出手段(例えば、図12のCPU66、図14のステップS27〜S28)と、
前記方位算出手段によって算出された方位を出力する方位出力手段(例えば、図9、図10、図12のCPU66、発光素子41、図14のステップS29)とを備えており、
前記遮蔽部材は、60秒で一回転するように構成されていることを特徴とする
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、遮蔽部材を回転させた場合に、方位算出手段により、特定記憶手段により記憶されている遮蔽部材の位置と、読出手段によって読出されたGPS衛星の軌道情報とに基づいて現在位置における方位が算出され、方位出力手段により出力されるので、ユーザは遮蔽部材を回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計等のような小型の電子機器にも搭載することができる。そればかりでなく、遮蔽部材は、60秒で一回転するように構成されているので、時計の秒針として利用することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、
GPS衛星からの電波を回転しながら受信する受信アンテナ(例えば、図15、図16の秒針兼アンテナ38c)と、
複数のGPS衛星の天空上における位置を表す軌道情報を各GPS衛星毎に記憶している軌道情報記憶手段(例えば、図18のRAM82)と、
前記受信アンテナを回転させた場合に、前記受信アンテナによる電波の受信感度が良好なGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における前記受信アンテナの位置を記憶する特定記憶手段(例えば、図18のCPU81、RAM82、図20のステップS31〜S33)と、
前記特定記憶手段によって特定されたGPS衛星の軌道情報を前記軌道情報記憶手段(例えば、RAM82)から読み出す読出手段(例えば、図18のCPU81、図20のステップS34)と、
前記特定記憶手段により記憶されている前記受信アンテナの位置と、前記読出手段によって読出されたGPS衛星の軌道情報とに基づいて現在位置における方位を算出する方位算出手段(例えば、図18のCPU81、図20のステップS37〜S38)と、
前記方位算出手段によって算出された方位を出力する方位出力手段(例えば、図15、図16、図18のCPU81、発光素子42、図20のステップS39)とを備えており、
前記受信アンテナは、60秒で一回転するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザは受信アンテナを回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計等のような小型の電子機器にも搭載することができる。そればかりでなく、受信アンテナが、60秒で一回転するように構成されているので、時計の秒針として利用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
〔第一の実施の形態〕
以下、本発明に係る電子機器及びプログラムについて詳細に説明する。本実施の形態においては、電子機器の一例として腕時計を挙げて説明する。
図1、図2に示すように、腕時計100は、時計モジュール1を内部に収納する機器ケースとしての時計ケース2が備えられ、時計ケース2の上部中央には、時計ガラス3がパッキン4を介して装着されている。時計モジュール1に備えられている枠状部材5は、その上部が時計ガラス3と少しの隙間をあけて配置されている。この時計ケース2の下面には、裏蓋6が防水リング7を介して取り付けられており、時計モジュール1と裏蓋6との間には、緩衝部材8が設けられている。時計ケース2の上部外周には、ベゼル9が設けられている。
【0029】
時計モジュール1は、アナログ機能を備えたものであり、図2に示すように、時計モジュール1は、文字板12、受信アンテナとしてのパッチアンテナ31、上部ハウジング10、回路基板13、下部ハウジング11が時計ケース2の中枠14に取り付けられて構成されている。上部ハウジング10の上面に文字板12が配置され、文字板12の上面に枠状部材5、時文字30、パッチアンテナ31が配置されている。また、枠状部材5の下方であって、上部ハウジング10と下部ハウジング11との間に回路基板13が配置されている。また、枠状部材5と中枠14との間には方位出力手段の発光部としての発光素子40が時文字30の外側に時文字30に対応して周方向に沿って配置されている。
【0030】
パッチアンテナ31は、GPS衛星から発信されるアルマナックデータ及びエフェメリスデータを受信する公知のものである。パッチアンテナ31は円板状に形成され、その受信面を上方に向けた状態で文字板12上に設けられている。ここで、GPS衛星から発信されるアルマナックデータとは、GPS衛星の軌道上に存在する全てのGPS衛星に関する軌道情報のことであり、エフェメリスデータとは、各GPS衛星の正確な位置情報及び信号を発信した時刻情報のことである。
【0031】
上部ハウジング10には、アナログ指針機構15が備えられており、下部ハウジング11には、例えば、アナログ指針機構15等を動作させるための電池(図示しない)が組み込まれている。
【0032】
アナログ指針機構15は、文字板12に設けられた軸孔12aからその上方に延びる指針軸17と、この指針軸17に取り付けられた時針18a、分針18b、遮蔽部材としての秒針兼遮蔽板18c等の指針18と、を備え、この指針18が文字板12及びパッチアンテナ31の上方を運針するように構成されている。ここで、文字板12の上面には時文字30が所定の場所に設けられている。
【0033】
秒針兼遮蔽板18cは、例えば、GPS衛星からの電波を遮蔽する材料により円板状に形成され、図3(a)に示すように、その一部が扇形状に切り欠かれることで非遮蔽部18dが形成されている。また、秒針兼遮蔽板18cの外径は、パッチアンテナ31の外径よりも大きくなるように形成されている。また、秒針兼遮蔽板18cは、60秒で一回転するように指針軸17に取り付けられており、秒針の機能を兼ねている。
この秒針兼遮蔽板18cは、図3(b)に示すように、非遮蔽部18dの周囲だけがGPS衛星からの電波を受信できるような指向特性を有する。
【0034】
枠状部材5は、例えば、光透過性を有する合成樹脂、特に透明な合成樹脂で形成されている。この枠状部材5は、図2に示すように、文字板12の周縁部の上面とに当接した状態で、時計ケース2の内周面に装着されている。枠状部材5は、保護部材又は緩衝部材としての機能も備えた部材である。
【0035】
発光素子40は、算出された方位をユーザに知らせるために発光するものであり、例えば、二色発光のLED素子等から構成されている。発光素子40は、例えば、基準となる一つの方位を示すのに第1の色が用いられ、ユーザが進むべき目的地の方位を示すのに別の第2の色が用いられるように発光制御がなされる。
【0036】
次に、腕時計100が有するナビゲーションプログラムの機能を具現化させる構造について説明する。
ナビゲーション機能は、ユーザが目的地を腕時計100に入力すると、ユーザが進むべき移動方向を腕時計100が音声や発光素子40によって知らせるものである。ナビゲーション機能は、腕時計100の内部に備えられたコンピュータによって機能するようになっている。
【0037】
具体的には、腕時計100は、図4に示すように、CPU51、RAM52、ROM53、目的地の緯度及び経度を音声によって入力する入力部54、時刻を表示する表示部55、クロック信号を発信する発振回路部56、クロック信号を受信して時刻を計測管理する計時回路部57、パッチアンテナ31で受信したGPS衛星からの位置情報を受信する受信部58、受信部58で受信した位置情報を変換処理する信号処理部59、ユーザに目標方位を知らせるスピーカ62を介してユーザに進むべき目的地の方位を音声で知らせる音声制御部61等を備えており、発振回路部56、受信部58、パッチアンテナ31を除く各部はバス64によって接続されている。
【0038】
CPU51は、所定のタイミング或いは入力部54から入力された音声に応じて、ROM53内に格納された各種プログラムを読み出してRAM52内に展開し、当該プログラムに基づいて各機能部への指示やデータの転送等を行う。特に、CPU51は、例えば所定時間毎に受信部58を制御して標準電波の受信処理を実行し、受信部58から入力された標準タイムコードに基づいて計時回路部57で計数される現在時刻データを修正するとともに、当該修正した現在時刻データに基づく信号をアナログ指針機構15に出力して表示時刻を校正させる。
【0039】
また、CPU51は、秒針兼遮蔽板18cを回転させた場合に、パッチアンテナ31による電波の受信感度の良好なGPS衛星(例えば、受信感度が最も高いGPS衛星)を複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における非遮蔽部18dの位置(例えば、12時の位置から非遮蔽部18dまでの時計回りになす角度)をRAM52内の位置特定情報エリア52bに記憶する特定記憶手段として機能する。
また、CPU51は、特定したGPS衛星のアルマナックデータをRAM52の軌道情報エリア52cから読み出す読出手段として機能する。
また、CPU51は、読み出したアルマナックデータと、特定したGPS衛星からの電波の受信感度が最も良好なときの非遮蔽部18dの位置と、に基づいて現在地位置における方位を算出し、算出した方位をRAM52の現在地方位情報エリア52dに記憶する方位算出手段として機能する。
また、CPU51は、算出した方位を、発光素子40に出力する方位出力手段として機能する。
【0040】
また、CPU51は、パッチアンテナ31により受信したGPS衛星からの電波に基づいて、現在地の緯度及び経度を算出し、この算出した緯度及び経度をRAM52の現在地特定情報エリア52eに記憶する緯度経度算出手段として機能する。また、CPU51は、RAM52の目的地特定情報エリア52fに記憶された目的地の緯度及び経度と、現在地の緯度及び経度と、に基づいて目的地の方位を算出し、算出した方位を目的地方位情報エリア52gに記憶する目的地方位算出手段として機能するほか、算出された目的地の方位を出力する目的地方位出力手段として機能する。
また、CPU51は、算出した現在地の方位に該当する位置の発光素子40を発光させる発光制御手段として機能する。
【0041】
RAM52には、図5(a)に示すように、複数のメモリエリアが設けられ ている。
即ち、CPU51のワーク用である腕時計100のRAMエリア52a、秒針兼遮蔽板18cを回転させた場合に、秒針兼遮蔽板18cによる電波の受信感度が良好な時の非遮蔽部18dの位置(例えば、12時の位置から非遮蔽部18dまでの時計回りになす角度)を記憶する特定記憶手段としての位置特定情報エリア52b、複数のGPS衛星の天空上における位置を表すアルマナックデータを各GPS毎に記憶している軌道情報記憶手段としての軌道情報エリア52c、現在地における方位(東西南北)を算出し、算出した方位を記憶する方位算出手段としての現在地方位情報エリア52d、パッチアンテナ31により受信したGPS衛星からの電波に基づいて、現在地の緯度及び経度を算出し、算出した方位を記憶する緯度経度算出手段としての現在地特定情報エリア52e、目的地の緯度及び経度が記憶される目的地位置記憶手段としての目的地特定情報エリア52f、目的地特定情報エリア52fに記憶された目的地の緯度及び経度と、現在地の緯度及び経度と、に基づいて目的地の方位を算出し、算出した方位を記憶する目的地方位算出手段としての目的地方位情報エリア52g等が設けられている。
なお、アルマナックデータは、GPS衛星から受信して記憶させてもよいし、予め、出荷時に、このRAM52に記憶されていてもよい。図5(b)に、RAM52に記憶されたアルマナックデータを示す。
【0042】
入力部54は、ユーザの音声を集音するマイク等で構成される。そして、音声が入力された時には、その音声が電気信号に変換され、その電気信号がCPU51に出力される。また、入力部54から入力された音声は、後述する音声制御部61によって音声認識等が行われる。
【0043】
表示部55は、上述した文字板12や指針18等により構成され、CPU51からのデータ、例えば、計時回路部57による現在時刻データ等をアナログ指針機構15を介して文字板12上で表示する。
【0044】
ROM53は、CPU51の制御の下、CPU51で処理されたデータを記憶するとともに、記憶しているデータをCPU51に出力するために用いられる。ROM53は、主に、腕時計100に係るナビゲーションプログラムやシステムプログラム、アプリケーションプログラム等を格納している。特に、本発明に係る現在地の方位算出を算出する方位算出プログラム53aや、目的地の方位を算出する目的地方位算出プログラム53b等を格納している。
【0045】
計時回路部57は、発振回路部56から入力されるクロック信号を計数して、現在時刻データ等を得る。そして当該現在時刻データをCPU51に出力する。発振回路部56は、常時一定周波数のクロック信号を出力するようになっている。
【0046】
受信部58は、パッチアンテナ31で受信した標準電波の不要な周波数成分をカットして該当する周波数信号を取り出して信号処理部59へ出力し、信号処理部59は、入力された周波数信号を対応する電気信号に変換する。
【0047】
音声制御部61は、ユーザが音声によって入力した目的地の位置情報を認識したり、ユーザに音声によって位置情報等を知らせたりするものであり、上述の入力部54で音声を集音し、スピーカ62を通して、「目的地に到着しました」「目的地はここから南の方向です」等のアナウンスを制御する。
【0048】
ここで、方位算出プログラムによる現在地方位の算出方法について、図6を用いて説明する。
例えば、秒針兼遮蔽板18cを中心角が扇形形状分だけ切り取られた円板に形成する。そして、現在地において天空に対し、北を0°、東を90°、南を180°、西を270°とした場合に、各GPS衛星の軌道は、図5(b)に示すアルマナックデータにより、「衛星1:22.5°、衛星2:45°、衛星3:67.5°、衛星4:112.5°、・・・」なっている。例えば、衛星1は天空上の北から22.5°東に位置することがわかる。つまり、天空上における衛星1から22.5°西の位置が北となる。
そして、例えば、非遮蔽部18dが文字板12の12時の位置から時計回りに292.5°のときに最も衛星1の感度が高くなったとすると、衛星1は、北から22.5°東の位置にあることがわかっているので、図6における北の方位は、292.5°−22.5°=270°の位置、すなわち、文字板12における9時の方向であることがわかる。北が決まれば、残りの方位も簡単に求めることができる。東は文字板12における12時の方向、南は文字板12における3時の方向、西は文字板12における6時の方向である。
【0049】
次に、上記のような構造を有する腕時計100による目的地までのナビゲーション処理について、図7、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
図7に示すように、まず、腕時計100を着用しているユーザが入力部54から音声によって目的地の緯度及び経度を入力する(ステップS1)。次いで、受信部58がパッチアンテナ31を介してGPS衛星からエフェメリスデータを受信し、CPU51は、このエフェメリスデータに基づいて現在地の緯度及び経度を算出し、RAM52に記憶する(ステップS2)。
【0050】
次いで、CPU51は、現在地の緯度及び経度が目的地の緯度及び経度と一致しているかを判断する(ステップS3)。そして、CPU51は、両者の緯度及び経度が一致していると判断すれば(ステップS3;Yes)、現在地が目的地であるため、CPU51は、音声制御部61に指示信号を送り、スピーカ62から「目的地に到着しました」等の音声を発生させる。一方、CPU51は、両者の緯度及び経度が一致していないと判断すれば(ステップS3;No)、ユーザは目的地に着いていないことになるため、CPU51は、現在地の方位を算出する(ステップS4)。
【0051】
次いで、CPU51は、入力した目的地の緯度及び経度と、算出した現在地の緯度及び経度との差からユーザが進むべき目的地の方位を算出する(ステップS5)。
次いで、CPU51は、ステップS5で算出した目的地の方位に位置する発光素子40を第2の色で発光させる(ステップS6)。
次いで、CPU51は、本処理を終了する終了信号が入力されたか否かを判断し(ステップS7)、終了信号が入力されていないと判断した場合(ステップS7;No)には、再び、ステップS2に戻るが、終了信号が入力されたと判断した場合(ステップS7;Yes)には、本処理を終了する。
【0052】
次に、ステップS4における現在地方位を算出する処理について、図8を用いて説明する。
図8に示す処理が開始されると、まず、CPU51は、特定するGPS衛星の数を設定するための初期設定(n=1)を行う(ステップS10)。
次いで、CPU51は、腕時計100の秒針兼遮蔽板18cを回転させながら、GPS衛星から発信されたエフェメリスデータを、パッチアンテナ31を介して受信部58で受信し、RAM52の位置特定情報エリア52bに記憶させる(ステップS11)。そして、CPU51は、秒針兼遮蔽板18cを一回転させたときに、エフェメリスデータの受信感度がn番目(例えば、1番目)に高いGPS衛星を特定する(ステップS12)。
次いで、CPU51は、特定したGPS衛星の受信感度が最も高いときの秒針兼遮蔽板18cの位置、すなわち、12時の位置から非遮蔽部18dまでの時計回りになす角度をRAM52に記憶する(ステップS13)。
【0053】
次いで、CPU51は、受信感度が1番目に高いGPS衛星のアルマナックデータを探索して読み込む(ステップS14)。次いで、CPU51は、nに1を加算する(ステップS15)。次いで、CPU51は、「n=4」であるか判断するが(ステップS16)、この時点では、n=2となるので、CPU51は、再びステップS11に戻ってステップS11〜ステップS15を繰り返し行う。なお、2周目のステップS12においては、受信感度が2番目に高いGPS衛星が特定される。
【0054】
CPU51は、一連の作業を上述の手順に沿って3回繰り返す。そして、CPU51が、n=4と判断すれば(ステップS16;Yes)、三つのGPS衛星が特定された時のそれぞれの非遮蔽部18dの位置と、特定した三つのGPS衛星のアルマナックデータとから現在地における北の方位を算出し、算出されたそれぞれの北の方位を例えば、平均することにより決定し、RAM52の現在地方位情報エリア52dに記憶する(ステップS17)。
CPU51は、北の方位を求めた後に、他の方位(例えば、東、西、南の各方位)を算出し、RAM52の現在地方位情報エリア52dに記憶する(ステップS18)。次いで、CPU51は、北の方位に位置する発光素子40を第1の色で点灯させる(ステップS19)。
【0055】
本第一の実施の形態の腕時計100によれば、秒針兼遮蔽板18cを回転させた場合に、非遮蔽部18dの位置と、GPS衛星のアルマナックデータとに基づいて現在地の方位を算出し、発光素子40の点灯によりユーザに知らせることができるので、ユーザは秒針兼遮蔽板18cを回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計100のように小型の電子機器にも搭載することができる。
【0056】
また、現在地方位の北の方位に該当する位置の発光素子40を第1の色で表示し、算出された移動方位に該当する位置の発光素子40を北の方位を示す発光素子と異なる第2の色で点灯させるので、ユーザは目視で容易に確認することができ、ナビゲーション操作を容易にすることができる。
また、腕時計100の秒針と遮蔽板とが共用されているため、部品点数を減らし、生産コストの低減化を図ることができる。
【0057】
〔第二の実施の形態〕
本発明の第二の実施の形態の腕時計200について説明する。
なお、第二の実施の形態の腕時計200を説明するに当たり、上述の腕時計100と同様の構成についての説明は省略する。
図9、図10に示すように、第二の実施の形態の腕時計200は、受信アンテナであるパッチアンテナ31の上面の一部を覆い、パッチアンテナ31への電波の到達を遮蔽するとともに、パッチアンテナ31に対して回転自在に設けられた遮蔽部材としての秒針兼遮蔽板28cを備えたものである。
【0058】
秒針兼遮蔽板28cは、例えば図11(a)に示すように、第一の実施の形態における秒針兼遮蔽板18cの非遮蔽部18dとほぼ同じ大きさの扇形状に形成され、その外径がパッチアンテナ31の外径よりも大きくなるように形成されている。また、秒針を兼ねていることから、60秒で一回転するように指針軸17に取り付けられている。この秒針兼遮蔽板28cは、図11(b)に示すように、秒針兼遮蔽板28cの先端部付近以外の場所では、GPS衛星からの電波を強く受信できるような指向特性を有する。
【0059】
次に、腕時計200が有するナビゲーションプログラムの機能を具現化させる構造について図12を用いて説明する。
具体的には、腕時計200は、図12に示すように、CPU66、RAM67、ROM68、目的地の緯度及び経度を音声によって入力する入力部69、時刻や他の情報を表示する表示部70、クロック信号を発信する発振回路部71、クロック信号を受信して時刻を計測管理する計時回路部72、パッチアンテナ31で受信したGPS衛星からの位置情報を受信する受信部73、受信部73で受信した位置情報を変換処理する信号処理部74、ユーザに目的地の方位を知らせるスピーカ77を介してユーザに進むべき目的地の方位を音声で知らせる音声制御部76等を備えており、発振回路部71、受信部73、パッチアンテナ31を除く各部はバス79によって接続されている。
【0060】
CPU66は、所定のタイミング或いは入力部69から入力された音声に応じて、ROM68内に格納された各種プログラムを読み出してRAM67内のRAMエリア67aに展開し、当該プログラムに基づいて各機能部への指示やデータの転送等を行う。特に、CPU66は、例えば所定時間毎に受信部73を制御して標準電波の受信処理を実行し、受信部73から入力された標準タイムコードに基づいて計時回路部72で計数される現在時刻データを修正するとともに、当該修正した現在時刻データに基づく信号をアナログ指針機構15に出力して表示時刻を校正させる。
【0061】
また、CPU66は、秒針兼遮蔽板28cを回転させた場合に、パッチアンテナ31による電波の受信感度の悪いGPS衛星(例えば、受信感度が最も悪いGPS衛生)を複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における秒針兼遮蔽板28cの位置(例えば、12時の位置から秒針兼遮蔽板28cまでの時計回りになす角度)をRAM67内の位置特定情報エリア67bに記憶する特定記憶手段として機能する。
また、CPU66は、特定したGPS衛星のアルマナックデータをRAM67内の軌道情報エリア67cから読み出す読出手段として機能する。また、CPU66は、読み出したアルマナックデータと、特定したGPS衛星からの電波の受信感度が最も悪いときの秒針兼遮蔽板28cの位置と、に基づいて現在地における方位を算出し、算出した方位をRAM67の現在地方位情報エリア67dに記憶する方位算出手段として機能する。また、CPU66は、算出した方位を、発光素子40に出力する方位出力手段として機能する。
【0062】
また、CPU66は、パッチアンテナ31により受信したGPS衛星からの電波に基づいて、現在地の緯度及び経度を算出し、この算出した緯度及び経度をRAM67の現在地特定情報エリア67eに記憶する緯度経度算出手段として機能する。また、CPU66は、RAM67の目的地特定情報エリア67fに記憶された目的地の緯度及び経度と、現在地の緯度及び経度と、に基づいて目的地の方位を算出し、算出した方位をRAM67の目的地方位情報エリア67gに記憶する目的地方位算出手段として機能するほか、算出された目的地の方位を出力する目的地方位出力手段として機能する。
このようにRAM67には、図13に示すように、複数のメモリエリアが設けられている。
なお、その他の構成要素については、上述の腕時計100と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0063】
次に、腕時計200による目的地までのナビゲーション処理について説明する。なお、第一の実施の形態と異なる点は図7における(ステップS4)、すなわち、現在地位置を算出する処理のみであるため、かかる部分について図14を用いて説明し、他の説明は省略する。
【0064】
図14に示す処理が開始されると、まず、CPU66は、特定するGPS衛星の数を設定するための初期設定(n=1)を行う(ステップS20)。
次いで、CPU66は、腕時計200の秒針兼遮蔽板28cを回転させながら、GPS衛星から発信されたエフェメリスデータを、パッチアンテナ31を介して受信部73で受信させ、RAM67に記憶させる(ステップS21)。
そして、秒針兼遮蔽板28cを一回転させたときに、エフェメリスデータの受信感度がn番目(例えば、1番目)に低いGPS衛星を特定する(ステップS22)。次いで、CPU66は、特定したGPS衛星の受信感度が最も悪いときの秒針兼遮蔽板28cの位置、すなわち、12時の位置から秒針兼遮蔽板28cが指す位置までの時計回りになす角度をRAM67に記憶する(ステップS23)。
【0065】
次いで、CPU66は、受信感度が1番目に悪いGPS衛星のアルマナックデータを探索し、読み込む(ステップS24)。次いで、CPU66は、nに1を加算する(S25)。次いで、CPU66は、「n=4」であるか判断するが(ステップS26)、この時点では、n=2となるので、CPU66は、再びステップS21に戻ってステップS21〜ステップS25の処理を繰り返し行う。なお、2周目のステップS22においては、受信感度が2番目に悪いGPS衛星が特定される。
【0066】
CPU66は、一連の作業を上述の手順に沿って3回繰り返す。そして、CPU66が、n=4と判断すれば(ステップS26;Yes)、三つのGPS衛星が特定された時のそれぞれの秒針兼遮蔽板28cの位置と、特定した三つのGPS衛星のアルマナックデータとから現在地における北の方位を算出し、算出されたそれぞれの北の方位を例えば、平均することにより決定し、RAM67の現在地方位情報エリア67dに記憶する(ステップS27)。
CPU66は、北の方位を求めた後に、他の方位(例えば、東、西、南の各方位)を算出し、RAM67の現在地方位情報エリア67dに記憶する(ステップS28)。CPU66は、全ての方位を算出後、北の方位に位置する発光素子41を第1の色で点灯させる(ステップS29)。
【0067】
本第二の実施の形態の腕時計200によれば、秒針兼遮蔽板28cを回転させた場合に、秒針兼遮蔽板28cの位置と、GPS衛星のアルマナックデータとに基づいて現在地の方位を算出し、発光素子41の点灯によりユーザに知らせることができるので、ユーザは秒針兼遮蔽板28cを回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計200のように小型の電子機器にも搭載することができる。
【0068】
また、現在地方位の北方位に該当する位置の発光素子41を第1の色で表示し、算出された移動方位に該当する位置の発光素子41を、北方位を示す発光素子と異なる第2の色で発光させるので、ユーザは目視で容易に確認することができ、ナビゲーション操作を容易にすることができる。
また、腕時計200の秒針と遮蔽板とが共用されているため、部品点数を減らし、生産コストの低減化を図ることができる。
【0069】
〔第三の実施の形態〕
本発明の第三の実施の形態の腕時計300について説明する。
なお、第三の実施の形態の腕時計200を説明するに当たり、上述の腕時計100と同様の構成についての説明は省略する。
図15、図16に示すように、第三の実施の形態の腕時計300は、秒針をアンテナで形成したものである。
【0070】
図17(a)に示すように、秒針兼アンテナ38cは、ごく一般的な棒状のものであり、アンテナから形成されている。したがって、秒針兼アンテナ38cを回転させることで、秒針とアンテナの機能を同時に発揮させることとなるので、この腕時計300においては、秒針の下に上述のパッチアンテナは設けられていない。この秒針兼アンテナ38cは、図17(b)に示すように、秒針兼アンテナ38cの付近の場所だけが、GPS衛星からの電波を強く受信できるような指向特性を有する。
【0071】
次に、腕時計300が有するナビゲーションプログラムの機能を具現化させる構造について図18を用いて説明する。
具体的には、腕時計300は、図18に示すように、CPU81、RAM82、ROM83、目的地の緯度及び経度を音声によって入力する入力部84、時刻や他の情報を表示する表示部85、クロック信号を発信する発振回路部86、クロック信号を受信して時刻を計測管理する計時回路部87、秒針兼アンテナ38cで受信したGPS衛星からの位置情報を受信する受信部88、受信部88で受信した位置情報を変換処理する信号処理部89、ユーザに目的地の方位を知らせるスピーカ92を介してユーザに進むべき目的地の方位を音声で知らせる音声制御部91等を備えており、発振回路部86、受信部88、秒針兼アンテナ38cを除く各部はバス94によって接続されている。
【0072】
CPU81は、所定のタイミング或いは入力部84から入力された音声に応じて、ROM83内に格納された各種プログラムを読み出してRAM82内に展開し、当該プログラムに基づいて各機能部への指示やデータの転送等を行う。特に、CPU81は、例えば所定時間毎に受信部88を制御して標準電波の受信処理を実行し、受信部88から入力された標準タイムコードに基づいて計時回路部87で計数される現在時刻データを修正するとともに、当該修正した現在時刻データに基づく信号をアナログ指針機構15に出力して表示時刻を校正させる。
【0073】
また、CPU81は、秒針兼アンテナ38cを回転させた場合に、秒針兼アンテナ38cによる電波の受信感度の良好なGPS衛星(例えば、受信感度が最も高いGPS衛星)を複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における秒針兼アンテナ38cの位置(例えば、12時の位置から秒針兼アンテナ38cまでの時計回りになす角度)をRAM82内の位置特定情報エリア82bに記憶する特定記憶手段として機能する。
また、CPU81は、特定したGPS衛星のアルマナックデータをRAM82内の軌道情報エリア82cから読み出す読出手段として機能する。また、CPU81は、読み出したアルマナックデータと、特定したGPS衛星からの電波の受信感度が最も良好なときの秒針兼アンテナ38cの位置と、に基づいて現在地における方位を算出し、算出した方位をRAM82の現在地方位情報エリア82dに記憶する方位算出手段として機能する。また、CPU81は、算出した方位を、発光素子40に出力する方位出力手段として機能する。
【0074】
また、CPU81は、秒針兼アンテナ38cにより受信したGPS衛星からの電波に基づいて、現在地の緯度及び経度を算出し、この算出した緯度及び経度をRAM82の現在地特定情報エリア82eに記憶する緯度経度算出手段として機能する。また、CPU81は、RAM82の目的地特定情報エリア82fに記憶された目的地の緯度及び経度と、現在地の緯度及び経度と、に基づいて目的地の方位を算出し、算出した方位をRAM82の目的地方位情報エリア82gに記憶する目的地方位算出手段として機能するほか、算出された目的地の方位を出力する目的地方位出力手段として機能する。
このようにRAM82には、図19に示すように、複数のメモリエリアが設けられている。
なお、その他の構成要素については、上述の腕時計100、腕時計200と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0075】
次に、腕時計300による目的地までのナビゲーション処理について説明する。なお、第一の実施の形態と異なる点は図7における(ステップS4)、すなわち、現在地方位を算出する処理のみであるため、かかる部分について図20を用いて説明し、他の説明は省略する。
【0076】
最初に、CPU81は、特定するGPS衛星の数を設定するための初期設定(n=1)を行う(ステップS30)。
次いで、CPU81は、腕時計300の秒針兼アンテナ38cを回転させながら、GPS衛星から発信されたエフェメリスデータを、秒針兼アンテナ38cを介して受信部88で受信し、RAM82に記憶させる(ステップS31)。そして、CPU81は、秒針兼アンテナ38cを一回転させたときに、エフェメリスデータの受信感度がn番目(例えば、1番目)に良好なGPS衛星を特定する(ステップS32)。
次いで、CPU81は、特定したGPS衛星の受信感度が最も良好なときの秒針兼アンテナ38cの位置、すなわち、12時の位置から秒針兼アンテナ38cが指す位置までの時計回りになす角度をRAM82の位置特定情報エリア82bに記憶する(ステップS33)。
【0077】
次いで、CPU81は、受信感度が1番目に良好なGPS衛星のアルマナックデータを探索し、読み込む(ステップS34)。次いで、CPU81は、nに1を加算する(S35)。次いで、CPU81は、「n=4」であるかを判断するが(ステップS36)、この時点では、n=2となるので、CPU81は、再びステップS31に戻ってステップS31〜ステップS35を繰り返し行う。なお、2周目のステップS32においては、受信感度が2番目に良好なGPS衛星が特定される。
【0078】
CPU81は、一連の作業を上述の手順に沿って4回繰り返す。そして、CPU81が、n=4と判断すれば(ステップS36;YES)、三つのGPS衛星が特定された時のそれぞれの秒針兼アンテナ38cの位置と、特定した三つのGPS衛星のアルマナックデータとから現在地における北の方位を算出し、算出されたそれぞれの北の方位を例えば平均することにより決定したうえで、RAM82の現在地方位情報エリア82dに記憶する(ステップS37)。CPU81は、北の方位を求めた後に、他の方位(例えば、東、西、南の各方位)を算出し、RAM82の現在地方位情報エリア82dに記憶する(ステップS38)。次いで、CPU81は、北の方位に位置する発光素子42を第1の色で点灯させる(ステップS39)。
【0079】
本第三の実施の形態の腕時計300によれば、秒針兼アンテナ38cを回転させた場合に、秒針兼アンテナの位置と、GPS衛星の軌道情報とに基づいて現在地の方位を算出し、出力するので、ユーザは秒針兼アンテナ38cを回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計等のような小型の電子機器にも搭載することができる。
【0080】
また、現在地方位の北の方位に該当する位置の発光素子42を第1の色で表示し、算出された移動方位に該当する位置の発光素子42を北の方位を示す発光素子42と異なる第2の色で発光させるので、ユーザは目視で容易に確認することができ、ナビゲーション操作を容易にすることができる。
また、腕時計300の秒針と遮蔽板とが共用されているため、部品点数を減らし、生産コストの低減化を図ることができる。
【0081】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、目的地方位の表示方法は、上記発光素子の発光による表示に限らず、例えば、液晶を用いたものでもよい。また、腕時計の文字板の目盛りを発光させるようにしてもよい。また、時針、分針、秒針とは別個に棒状のアンテナを設け、文字板上で回転させるようにしてもよい。また、エフェメリスデータは3回取得しなくてもよく、例えば、最も受信感度の良好なGPS衛星或いは最も悪いGPS衛星についてのみ、1回行ってもよい。また、現在地の方位を求める場合に用いるGPS衛星を予め決めておいてもよい。また、現在地の方位を測定する場合は、60秒でなく、もっと短い時間で回転させてもよい。その他、発明の要旨を逸脱しない範囲内で変更が可能である。
【0082】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザは遮蔽部材を回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計等のような小型の電子機器にも搭載することができる。そればかりでなく、遮蔽部材は、60秒で一回転するように構成されているので、時計の秒針として利用することができる。
【0083】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザは遮蔽部材を回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計等のような小型の電子機器にも搭載することができる。そればかりでなく、遮蔽部材は、60秒で一回転するように構成されているので、時計の秒針として利用することができる。
【0084】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザは受信アンテナを回転させるだけで方位を求めることができる。よって、ユーザは移動しなくても方位を算出することができる。また、磁気方位センサを用いる必要がないので、ノイズ対策を施す必要がなくなり、腕時計等のような小型の電子機器にも搭載することができる。そればかりでなく、受信アンテナが、60秒で一回転するように構成されているので、時計の秒針として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における腕時計を示した一部省略正面図である。
【図2】図1のII−II線における腕時計の要部の拡大断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態におけるパッチアンテナの構造及び指向特性を示す説明図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態における腕時計要部のブロック図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態におけるRAM内の構成を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態における方位を算出するための説明図である。
【図7】本発明の第一の実施の形態乃至第三の実施形態におけるナビゲーション処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第一の実施の形態における現在地方位の算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第二の実施の形態における腕時計を示した一部省略正面図である。
【図10】図1のX−X線における腕時計の要部の拡大断面図である。
【図11】本発明の第二の実施の形態におけるパッチアンテナの構造及び指向特性を示す説明図である。
【図12】本発明の第二の実施の形態における腕時計要部のブロック図である。
【図13】本発明の第二の実施の形態におけるRAM内の構成を説明するための説明図である。
【図14】本発明の第二の実施の形態における現在地方位の算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の第三の実施の形態における腕時計を示した一部省略正面図である。
【図16】図1のXV−XV線における腕時計の要部の拡大断面図である。
【図17】本発明の第三の実施の形態におけるパッチアンテナの構造及び指向特性を示す説明図である。
【図18】本発明の第三の実施の形態における腕時計要部のブロック図である。
【図19】本発明の第三の実施の形態におけるRAM内の構成を説明するための説明図である。
【図20】本発明の第三の実施の形態における現在地方位の算出処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
18d 非遮蔽部
18c 秒針兼遮蔽板(遮蔽部材)
28c 秒針兼遮蔽板(遮蔽部材)
38c 秒針兼アンテナ(受信アンテナ)
31 パッチアンテナ(受信アンテナ)
40,41,42 発光素子(発光部)
51 CPU(読出手段、方位算出手段、方位出力手段、緯度経度算出手 段、目的地方位算出手段、目的地方位出力手段、発光制御 手段)
52 RAM(軌道情報記憶手段、特定記憶手段、目的地位置記憶手段)
53 ROM

Claims (3)

  1. GPS衛星からの電波を受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナの上部を覆って、前記受信アンテナへの電波の到達を遮蔽するとともに、一部に非遮蔽部が形成され、前記受信アンテナに対して回転自在に設けられた遮蔽部材と、
    複数のGPS衛星の天空上における位置を表す軌道情報を各GPS衛星毎に記憶している軌道情報記憶手段と、
    前記遮蔽部材を回転させた場合に、前記受信アンテナによる電波の受信感度が良好なGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における前記非遮蔽部の位置を記憶する特定記憶手段と、
    前記特定記憶手段によって特定されたGPS衛星の軌道情報を前記軌道情報記憶手段から読み出す読出手段と、
    前記特定記憶手段により記憶されている前記非遮蔽部の位置と、前記読出手段によって読出されたGPS衛星の軌道情報とに基づいて現在位置における方位を算出する方位算出手段と、
    前記方位算出手段によって算出された方位を出力する方位出力手段とを備えており、
    前記遮蔽部材は、60秒で一回転するように構成されていることを特徴とする電子機器。
  2. GPS衛星からの電波を受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナの上面の一部を覆い、前記受信アンテナへの電波の到達を遮蔽するとともに、前記受信アンテナに対して回転自在に設けられた遮蔽部材と、
    複数のGPS衛星の天空上における位置を表す軌道情報を各GPS衛星毎に記憶している軌道情報記憶手段と、
    前記遮蔽部材を回転させた場合に、前記受信アンテナによる電波の受信感度が悪いGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における前記遮蔽部材の位置を記憶する特定記憶手段と、
    前記特定記憶手段によって特定されたGPS衛星の軌道情報を前記軌道情報記憶手段から読み出す読出手段と、
    前記特定記憶手段により記憶されている前記遮蔽部材の位置と、前記読出手段によって読出されたGPS衛星の軌道情報とに基づいて現在位置における方位を算出する方位算出手段と、
    前記方位算出手段によって算出された方位を出力する方位出力手段とを備えており、
    前記遮蔽部材は、60秒で一回転するように構成されていることを特徴とする電子機器。
  3. GPS衛星からの電波を回転しながら受信する受信アンテナと、
    複数のGPS衛星の天空上における位置を表す軌道情報を各GPS衛星毎に記憶している軌道情報記憶手段と、
    前記受信アンテナを回転させた場合に、前記受信アンテナによる電波の受信感度が良好なGPS衛星を前記複数のGPS衛星の中から特定するとともに、その時における前記受信アンテナの位置を記憶する特定記憶手段と、
    前記特定記憶手段によって特定されたGPS衛星の軌道情報を前記軌道情報記憶手段から読み出す読出手段と、
    前記特定記憶手段により記憶されている前記受信アンテナの位置と、前記読出手段によって読出されたGPS衛星の軌道情報とに基づいて現在位置における方位を算出する方位算出手段と、
    前記方位算出手段によって算出された方位を出力する方位出力手段とを備えており、
    前記受信アンテナは、60秒で一回転するように構成されていることを特徴とする電子機器。
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