JP2017032473A - 携帯型電子時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】スポーツウォッチの少なくとも一部の機能と装飾性とを両立させ、より多くのシーンで利用することのできる携帯型電子時計を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る携帯型電子時計は、時刻又は時間を表示する少なくとも1つの指針を用いて、ユーザーの位置から目標地点までの距離を表示する処理部を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、携帯型電子時計に関する。
スポーツ活動の際に使用される携帯型電子機器の中に、ゴルフコースのグリーンエッジまでの距離等をリアルタイムで表示するナビゲーション機器がある(特許文献1を参照)。この携帯型電子機器を腕時計型に構成したもの(以下、「スポーツウォッチ」という。)も既に普及しつつある。
特開2009−183556号公報
通常、スポーツウォッチは、数値をデジタル表示するものであるので、デジタル腕時計と同様の外観をしている。このため、アナログ腕時計を愛用しているユーザーや伝統ファッションを好むユーザーは、スポーツウォッチを使うとしても、これを装着するのはスポーツ中のみであって、装飾品として普段使いすることは稀である。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様は、スポーツウォッチの少なくとも一部の機能と装飾性とを両立させ、より多くのシーンで利用することのできる携帯型電子時計を提供することを目的とする。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る携帯型電子時計は、時刻又は時間を表示する少なくとも1つの指針と、ユーザーの位置から目標地点までの距離を表示するように、前記指針を制御する処理部と、を含む。
処理部は、時刻又は時間を表示する指針を、距離の表示に兼用する。従って、携帯型電子時計は、アナログ時計の雰囲気(つまり装飾性の高さ)を壊さずに、例えばスポーツなどにおける目的地点までの距離の表示を行うことができる。
[適用例2]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記処理部は、前記携帯型電子時計に対して所定方向に存在する1又は複数の前記目標地点までの距離を表示してもよい。
携帯型電子時計に対して所定方向に存在する1又は複数の地点までの距離を、指針を用いて表示させることができる。
[適用例3]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記所定方向は、前記電子時計のベゼルの回転位置によって特定される。
本適用例によれば、ユーザーがベゼルを回転させることによって、所定方向を特定できるので、ユーザーは簡単な操作によって希望する方向における目的地点までの距離を知ることができる。
[適用例4]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記目標地点には、ゴルフコースにおけるグリーンの位置、グリーンのエッジ、フェアウェイのエッジ、障害物(ハザード)の位置、障害物のエッジ、OBのエッジ、カップの位置、のうち少なくとも1つが含まれてもよい。
携帯型電子時計は、ゴルフコースにおけるグリーンの位置、グリーンのエッジ、フェアウェイのエッジ、障害物の位置、障害物のエッジ、OBのエッジ、カップの位置、のうち少なくとも1つまでの距離を、当該指針により表示することができる。従って、本適用例の携帯型電子時計は、ゴルフコースでの利用に好適である。
[適用例5]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記処理部は、前記目標地点の種類を設定することが可能であってもよい。
携帯型電子時計は、処理部によって設定された目標地点までの距離を、指針によって表示することができる。
[適用例6]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記処理部は、前記距離の表示に用いられる前記指針とは異なる指針又はカレンダー窓を用いて、前記目標地点の種類を表示してもよい。
携帯型電子時計は、目標地点の種類の表示に、アナログ時計としての部品を兼用することができる。従って、例えば、目的地点の種類を表示するための部品等を追加しなくても表示ができるので、よりアナログ時計の外観に近い携帯型電子時計を提供できる。
[適用例7]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記距離の表示に用いられる前記指針のうち少なくとも1つは、現在時刻の表示に用いられる指針であってもよい。
一般に、現在時刻の表示に用いられる指針は視認性が良い。従って、時刻表示用の指針(例えば、時針、分針など)を距離の表示に兼用することで、距離の表示の視認性を良好にすることができる。
[適用例8]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記距離の表示に用いられる前記指針のうち少なくとも1つは、所定時刻からの経過時間の表示に用いられる指針であってもよい。
経過時間表示用の指針(例えば、クロノグラフ指針など)を距離の表示に兼用することができる。
[適用例9]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記指針は、第1の指針と第2の指針とを含み、前記処理部は、前記第1の指針を用いて前記目標地点までの距離を表示し、かつ、前記第2の指針を用いて、前記目標地点の方向を表示してもよい。
ユーザーは、2つの指針によって、距離に加えて方向を確認することができる。
[適用例10]
本適用例に係る携帯型電子時計において、前記指針は、第1の指針と第2の指針とを含み、前記処理部は、前記第1の指針及び前記第2の指針を用いて、ゴルフコースにおけるフェアウェイの形状を表示してもよい。
ユーザーは、2つの指針の関係からフェアウェイのおおよその形状(例えば、ドッグレッグのおおよその形状)を視覚的に確認することができる。
第1実施形態における携帯型電子時計の概要を説明するための概略外観図である。 第1実施形態における携帯型電子時計の機械的構成を説明するための概略断面図である。 第1実施形態における携帯型電子時計の電気的構成を説明するための機能ブロック図である。 コースレイアウトデータ151を説明するための図である。 ゴルフナビモードにおける処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 カップ表示処理を説明するためのフローチャート及び説明図である。 フェアウェイエッジ表示処理(FWエッジ表示処理)を説明するためのフローチャート及び説明図である。 グリーンエッジ表示処理(Gエッジ表示処理)を説明するためのフローチャート及び説明図である。 ハザードエッジ表示処理(Hエッジ表示処理)を説明するためのフローチャート及び説明図である。 OBエッジ表示処理を説明するためのフローチャート及び説明図である。 ドッグレッグ表示処理(DL表示処理)を説明するためのフローチャート及び説明図である。 第2実施形態の概要を説明するための図である。 第2実施形態のゴルフナビモードにおける処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 変形例における携帯型電子時計の概略外観図である(ゴルフナビモードに小窓を利用する例)。 別の変形例におけるベゼルを説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.携帯型電子時計の第1実施形態
1−1.携帯型電子時計の概要
図1は、第1実施形態における携帯型電子時計の概要を説明するための図である。
図1に示すとおり、携帯型電子時計10は、指針を備えたいわゆるアナログ時計であり、スポーツのシーン又は普段使いのシーンでユーザーの身体の一部へ装着される。携帯型電子時計10の装着先は、例えば、肘から手に至る部位(前腕)であって、図1に示す例では手首を想定している。手首に装着された携帯型電子時計10は、手首に接触する面(以下、「裏面」という。)とは反対側の面(以下、「表面」という。)に時刻等を表示する。
携帯型電子時計10は、計時機能の他、GPS機能(GPS:Global Positioning System)が搭載された、いわゆるGPSウォッチであり、GPS衛星からの電波(衛星信号)を受信して内部時刻を修正する。
GPS衛星は、地球の上空において、所定の軌道上を周回する航法衛星であり、1.57542GHzの電波(L1波)に航法メッセージを重畳させて地上に送信している。以降の説明では、航法メッセージが重畳された1.57542GHzの電波を「衛星信号」という。衛星信号は、右旋偏波の円偏波である。現在、約31個のGPS衛星が存在しており、衛星信号がどのGPS衛星から送信されたかを識別するために、各GPS衛星はC/Aコード(Coarse/Acquisition Code)と呼ばれる1023chip(1ms周期)の固有のパターンを衛星信号に重畳する。C/Aコードは、各chipが+1、または−1のいずれかであり、ランダムパターンのように見える。したがって、衛星信号と各C/Aコードのパターンの相関をとることにより、衛星信号に重畳されているC/Aコードを検出することができる。
GPS衛星は、原子時計を搭載しており、衛星信号には原子時計で計時された極めて正確なGPS時刻情報が含まれている。また、地上のコントロールセグメントにより各GPS衛星に搭載されている原子時計のわずかな時刻誤差が測定されており、衛星信号にはその時刻誤差を補正するための時刻補正パラメーターも含まれている。
そこで、携帯型電子時計10は、少なくとも1つのGPS衛星から送信された衛星信号を受信し、航法メッセージに含まれるGPS時刻情報と時刻補正パラメーターとを使用して得られた正確な時刻(時刻情報)を、内部時刻として保持する。
航法メッセージには、GPS衛星の軌道上の位置を示す軌道情報も含まれている。このため、携帯型電子時計10は、GPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算を行うことができる。この測位計算は、携帯型電子時計10の内部時刻にある程度の誤差が含まれていることを前提として行われる。すなわち、測位計算では、携帯型電子時計10の三次元の位置を特定するためのx,y,zパラメーターに加えて、時刻誤差も未知数とする。よって、携帯型電子時計10は、一般的には4つ以上のGPS衛星から送信された衛星信号を受信し、それらの信号に含まれるGPS時刻情報と軌道情報とを使用して測位計算を行い、現在地の位置情報を取得する。
本実施形態の携帯型電子時計10には、上記の位置情報を利用したナビゲーションモードが搭載されている。ナビゲーションモードは、基本的に、目標地点までの距離等を表示するモードである。以下、本実施形態の携帯型電子時計10には、ナビゲーションモードの一例として、ゴルフナビモードが搭載されていると仮定する。ゴルフナビモードは、ゴルフコースにおける各種のコース要素(カップ、フェアウェイエッジ、グリーンエッジ、ハザードエッジなど)を目標地点として、その目標地点までの距離等を表示するモードである。
1−2.携帯型電子時計の機械的構成
図1は、携帯型電子時計10を表面側から見た平面図であり、図2は、携帯型電子時計の概略を示す部分断面図である。図1、図2において、同一の要素には同一の符号を付した。また、図1においては、可動の部品を見易くするために、非可動の部品又は要素の一部、例えば、時計の文字板等に印刷された(又は刻印された)数字やアルファベットなどの図示を省略した。
携帯型電子時計10は、金属製の外装ケース30と、光透過性のカバーガラス33と、金属製の裏蓋34とを備える。外装ケース30は、例えば、金属製の円筒状のケース31に、セラミック製の円筒状のベゼル32を嵌合したものである。外装ケース30の表面側の開口は、カバーガラス33で塞がれており、裏面側の開口は、裏蓋34で塞がれている。外装ケース30の内側には、カバーガラス33及び裏蓋34と平行なプラスチック製の円盤状の文字板11が固定されている。この文字板11及びカバーガラス33は、光透過性を有している。
以下、携帯型電子時計10を12時制の時計と仮定し、文字板11の中央から見た各方向を時数で説明する。
文字板11の中央には、文字板11を貫通する指針軸25と、指針軸25の周りを回転する指針21、22、23とが設けられている。指針21、22、23は、例えば金属又はプラスチック製である。
文字板11において、中央から2時の方向にずれた位置には、円形の第1小窓70が設けられている。第1小窓70の中央には、第1小窓70を貫通する指針軸と、指針軸の周りに回転する指針71とが設けられている。指針71は、例えば金属又はプラスチック製である。
文字板11において、中央から10時の方向にずれた位置には、円形の第2小窓80が設けられている。第2小窓80の中央には、第2小窓80を貫通する指針軸と、指針軸の周りに回転する指針81とが設けられている。指針81は、例えば金属又はプラスチック製である。
文字板11において、中央から6時の方向にずれた位置には、円形の第3小窓90が設けられている。第3小窓90の中央には、第3小窓90を貫通する指針軸と、指針軸の周りに回転する指針91とが設けられている。指針91は、例えば金属又はプラスチック製である。
文字板11において、中央から4時の方向にずれた位置には、矩形のカレンダー小窓15(カレンダー窓の一例)が設けられている。カレンダー小窓15は、文字板11に設けられた矩形状の開口部である。カレンダー小窓15からは、文字板11の背後(裏面側)に設けられた日車の一部の文字(図1では「6」という日付け)が露出している。日車が回転すると、カレンダー小窓15から露出する文字が切り替わる。
以上の文字板11、指針21、22、23、71、81、91、第1小窓70、第2小窓80、第3小窓90、カレンダー小窓15などは、カバーガラス33を透してユーザーから視認可能である。
ここで、基本的に、指針22は、内部時刻の「分」を示す分針(現在時刻を表示する指針の一例)として用いられ、指針23は、内部時刻の「時」を示す時針(現在時刻を表示する指針の一例)として用いられ、指針21は、クロノグラフ機能の「秒」を示すクロノグラフ秒針(経過時間を表示する指針の一例)として用いられる。
また、基本的に、指針71は、クロノグラフ機能の「分」を示すクロノグラフ分針(経過時間を表示する指針の一例)として用いられ、指針81は、内部時刻の「秒」を示す小秒針(現在時刻を表示する指針の一例)として用いられ、指針91は、クロノグラフ機能の「時」を示すクロノグラフ時針(経過時間を表示する指針の一例)として用いられる。
また、基本的に、カレンダー小窓15の日車は、内部時刻の「年」、「月」、「日」のうち少なくとも1つを表すための部材(例えば円盤状の部材)である。
但し、本実施形態では、携帯型電子時計10がゴルフナビモードに設定されているとき、分針22及び時針23は、目標地点までの距離、方向、その他のデータの表示に用いられ、クロノグラフ秒針21は、ゴルフナビモードにおける表示モードの種類をユーザーへ通知するために用いられる。
また、本実施形態では、文字板11の外縁側の各部には、ゴルフナビモードにおける各種の表示モードを表す文字「CUP」、「FWE」、「GE」、「HE」、「OBE」、「DL」が予め付与されている。これらの文字は、例えば文字板11の表面に対して刻印又は印刷されている。クロノグラフ秒針21が1回転すると、クロノグラフ秒針21の先端は、これらの文字(「CUP」、「FWE」、「GE」、「HE」、「OBE」、「DL」)を順次に指し示す。
また、図1に示すように、外装ケース30の外側面の各位置には、携帯型電子時計10の操作部として、Aボタン61、Bボタン62、Cボタン63、Dボタン64、リューズ50が設けられている。
このうち、Aボタン61の設け先は、文字板11の中央から見て8時の方向であり、Bボタン62の設け先は、文字板11の中央から見て10時の方向であり、Cボタン63の設け先は、文字板11の中央から見て2時の方向であり、Dボタン64の設け先は、文字板11の中央から見て4時の方向であり、リューズ50の設け先は、文字板11の中央から見て3時の方向である。
ユーザーがAボタン61、Bボタン62、Cボタン63、Dボタン64、リューズ50のうち少なくとも1つを操作すると、その操作の内容に応じた操作信号が携帯型電子時計10の処理部300(後述)へ伝達される。よって、ユーザーは、これらのボタンの操作内容(プッシュ、長押し、操作回数など)とリューズの操作内容(回転、引き出し、押し込み、操作回数など)との組み合わせにより、他種の指示を携帯型電子時計10へ入力することができる。
なお、外装ケース30の内側において、文字板11の中央には、クロノグラフ秒針21、分針22、時針23の回転軸である指針軸25が設けられ、第1小窓70の中央には、クロノグラフ分針71の回転軸である指針軸(不図示)が設けられ、第2小窓80の中央には、小秒針81の回転軸である指針軸(不図示)が設けられ、第3小窓90の中央には、クロノグラフ時針91の回転軸である指針軸(不図示)が設けられる。これらの指針軸の方向は、何れも文字板11に垂直な方向である。また、外装ケース30の内側には、これらの指針軸の周りにクロノグラフ秒針21、分針22、時針23、クロノグラフ分針71、小秒針81、クロノグラフ時針91を回転させる(運針する)駆動機構140が備えられる。駆動機構140は、地板125を介して外装ケース30へ固定されている。
また、図1では図示省略したが、外装ケース30の内側において、文字板11の外縁とベゼル32との間には、プラスチック製のすり鉢状のダイヤルリング40が配置されており、外装ケース30の内側においてダイヤルリング40の傾斜部分とベゼル32の内周面との間には、ドーナツ形状の収納空間が形成されている。この収納空間内に、リング状のアンテナ体110が収納されている。
アンテナ体110は、リング形状の誘電体を基材として、これに金属のアンテナパターンをメッキや銀ペースト印刷などにより形成したものである。誘電体としては、酸化チタンなどの高周波で使える誘電材料を樹脂に混ぜて成形することができ、この誘電体により、受信波長の短縮、すなわちアンテナ体110の小型化が可能となっている。因みに、アンテナ体110の配置先であるドーナツ型の空間は、ベゼル32、ダイヤルリング40、カバーガラス33などで覆われているため、アンテナ体110の受信環境は良好に保たれる。
また、文字板11と地板125との間には、光発電を行うソーラーパネル135が設けられている。ソーラーパネル135は、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する複数のソーラーセル(光発電素子)を直列接続した円形の平板である。また、ソーラーパネル135は、太陽光の検出機能も有している。文字板11、ソーラーパネル135、地板125の各々には、前述した指針軸(符号25を付した指針軸25及び不図示の指針軸)が貫通する開口部と、カレンダー小窓15としての開口部とが形成されている。
駆動機構140は、回路基板120によって裏面側から覆われている。駆動機構140は、ステップモーターと歯車などの輪列とを有し、当該ステップモーターが当該輪列を介して前述した指針軸を回転させることにより、クロノグラフ秒針21、分針22、時針23、クロノグラフ分針71、小秒針81、クロノグラフ時針91を駆動する。
回路基板120には、GPSセンサー(GPS受信機)121、処理部300、記憶部150、リチウムイオン電池などの二次電池130、電子コンパスの一種である地磁気センサー(図2では不図示)、充電回路(図2では不図示)、通信部(図2では不図示)などの各要素が設けられる。なお、二次電池130はソーラーパネル135に対して電気的に接続されており、ソーラーパネル135が発電した電力により二次電池130が充電される。また、回路基板120とアンテナ体110とは、アンテナ接続ピン115を介して電気的に接続されている。
アンテナ体110は、給電点を通じて給電され、この給電点には、アンテナ体110の裏面側に配置されたアンテナ接続ピン115が接続されている。アンテナ接続ピン115は金属で形成されたピン状のコネクターであり、回路基板120に突設されて、地板125に開口された挿通孔を貫通されて収納空間内へ挿通されている。これにより、回路基板120と、収納空間内部のアンテナ体110とが、アンテナ接続ピン115で接続されている。
1−3.携帯型電子時計の電気的構成
図3は、携帯型電子時計10の電気的構成を説明するための機能ブロック図である。
図3に示すように、携帯型電子時計10は、GPSセンサー121、地磁気センサー111、計時部155、操作部157、駆動機構140、二次電池130、処理部300、記憶部150、表示部141、充電回路136、ソーラーパネル135、通信部190などを備える。
GPSセンサー121は、アンテナ体110に接続され、アンテナ体110を介して受信した衛星信号を処理してGPS時刻情報や位置情報を取得する。アンテナ体110は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星から送信された衛星信号の電波を受信する。GPSセンサー121は、通常のGPS装置と同様に、GPS衛星から送信される衛星信号を受信して適当な周波数のデジタル信号に変換するRF(Radio Frequency)部と、受信信号の相関判定を実行して航法メッセージを復調するBB部(ベースバンド部)と、BB部で復調された航法メッセージ(衛星信号)からGPS時刻情報や位置情報(測位情報)を取得して出力する情報取得部と、を備えている。
RF部は、バンドパスフィルター、PLL回路、IFフィルター、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、ADC(A/D変換器)、ミキサー、LNA(Low Noise Amplifier)、IFアンプ等を備えている。バンドパスフィルターで抜き出された衛星信号は、LNAで増幅された後、ミキサーでVCOの信号とミキシングされ、IF(Intermediate Frequency:中間周波数)にダウンコンバートされる。ミキサーでミキシングされたIFは、IFアンプ、IFフィルターを通り、ADCでデジタル信号に変換される。
BB部は、GPS衛星で送信時に使用されたものと同一のC/Aコードであるレプリカコードを生成するローカルコード生成部と、ローカルコードとRF部から出力される受信信号との相関値を算出する相関部とを備える。そして、相関部で算出された相関値が所定の閾値以上であれば、受信した衛星信号に用いられたC/Aコードと、生成したローカルコードとが一致していることになり、衛星信号を捕捉(同期)することができる。このため、受信した衛星信号を、ローカルコードを用いて相関処理することで、航法メッセージを復調することができる。
情報取得部は、BB部で復調した航法メッセージからGPS時刻情報や位置情報を取得する。航法メッセージには、プリアンブルデータおよびHOWワードのTOW(Time of Week、「Zカウント」ともいう)、各サブフレームデータが含まれている。サブフレームデータは、サブフレーム1からサブフレーム5まであり、各サブフレームには、例えば、週番号データや衛星健康状態データを含む衛星補正データ等や、エフェメリス(GPS衛星毎の詳細な軌道情報)や、アルマナック(全GPS衛星の概略軌道情報)などのデータが含まれている。したがって、情報取得部は、受信した航法メッセージから所定のデータ部分を抽出することにより、GPS時刻情報や航法情報を取得することができる。
また、サブフレーム4および5は、全衛星の軌道情報(アルマナック)や電離層補正情報が含まれ、これらはデータ数が多いためにページ単位に分割されてサブフレームに収容される。すなわち、サブフレーム4および5により送信されるデータは、それぞれページ1〜25に分割されており、フレームごとに異なるページの内容が順番に送られている。
すべてのページの内容を送信するには25フレームを必要とするため、航法メッセージの全情報を受信するには12分30秒の時間を要する。なお、閏秒情報(閏秒更新情報)は、サブフレーム4のページ18に格納されており、当該サブフレーム4のページ18を受信すれば、閏秒情報を取得できる。
地磁気センサー111は、地球の磁場の方向を示す地磁気ベクトルを検出するセンサーであって、例えば、互いに直交する3つの軸方向の磁束密度を示す地磁気データを生成する。地磁気センサー111には、例えば、MR(Magnet resistive)素子、MI(Magnet impedance)素子、ホール素子などが用いられる。
計時部155は、二次電池130に蓄積された電力で駆動される水晶振動子等を備え、水晶振動子の発振信号に基づく基準信号を用いて時刻データを生成し、処理部300へ送る。
操作部157は、前述したリューズ50、Aボタン61、Bボタン62、Cボタン63、Dボタン64を含む。ユーザーによる操作部157の操作内容は、処理部300を介して(場合によっては処理部300を介さずに)駆動機構140へと伝達される。
駆動機構140は、前述したとおりステップモーターと歯車などの輪列とを有し、当該ステップモーターが当該輪列を介して指針軸25を回転させると、表示部141を構成する部材(クロノグラフ秒針21、分針22、時針23、クロノグラフ分針71、小秒針81、クロノグラフ時針91、カレンダー小窓15の日車など)のうち少なくとも1つが駆動される。
二次電池130は、充電可能な電池である。二次電池130には、充電回路136を介してソーラーパネル135から電力が供給される。
記憶部150は、例えば1又は複数のICメモリーなどにより構成され、処理部300の作業領域となるRAM(Random Access Memory)と、コースレイアウトデータ151、内部時刻データ152、タイムゾーン情報153、プログラムデータ154などを格納したROM(Read Only Memory)とを構える。タイムゾーン情報とは、共通の標準時を使用する地域(タイムゾーン)の位置情報(緯度・経度)と、UTCに対する時差と、を管理するデータである。
処理部300は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等により構成される。処理部300は、RAMを作業領域として使用し、プログラムデータ154を読み出して実行することにより、各種の処理を行う。この処理は、操作部157を介してユーザーが入力した各種のコマンドに従って行われる。また、この処理には、GPSセンサー121、地磁気センサー111、計時部155などが生成するデータへのデータ処理も含まれる。また、この処理には、駆動機構140を介して表示部141の指針を制御する表示処理なども含まれる。なお、処理部300と接続された各機能部は、処理部300からの制御信号に従って動作する。
例えば、処理部300は、計時部155が生成した時刻データと、GPS時刻情報及び時刻補正パラメーターから算出した時刻情報と、GPS時刻情報及び軌道情報から算出した現在地の位置情報(緯度、経度)と、ROMに記憶されたタイムゾーン情報153とに基づき、内部時刻データ152を修正する。そして、処理部300は、修正後の内部時刻データ152に基づき駆動機構140を駆動することにより、表示部141に表示される内部時刻(小秒針81、分針22、時針23の各々の回転位置)を更新する。
表示部141は、ユーザーへ情報を表示するための可動部材、すなわち、クロノグラフ秒針21、分針22、時針23、クロノグラフ分針71、小秒針81、クロノグラフ時針91、カレンダー小窓15の日車などで構成される。表示部141における表示内容(小秒針81、分針22、時針23、クロノグラフ秒針21、クロノグラフ分針71、クロノグラフ時針91、日車の各々の回転位置)は、処理部300によって駆動機構140を介して制御される。
充電回路136は、ソーラーパネル135と二次電池130の間に介設され、二次電池130を安全に充電するための制御を行う。
ソーラーパネル135は、前述したとおり、太陽から受光した光のエネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する複数のソーラーセル(光発電素子)を直列接続した円形の平板である。また、ソーラーパネル135は、太陽光の検出機能も有している。
通信部190は、スマートフォンなどの外部装置との間でデータ通信を成立させるための各種制御を行う。通信部190は、例えば、Bluetooth(登録商標)(BTLE:Bluetooth Low Energyを含む)、Wi−Fi(登録商標)(Wi-Fi:Wireless Fidelity)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near field communication)、Ant+等の近距離無線通信規格に対応した送受信機を含んで構成される。
1−4−1.処理部の基本動作(時刻表示機能)
処理部300は、内部時刻の「分」に対応する位置へ分針22の回転位置をセットし、内部時刻の「時」に対応する位置へ時針23の回転位置をセットし、内部時刻の「秒」に対応する位置へ小秒針81の回転位置をセットし、内部時刻の日付に対応する位置へカレンダー小窓15の日車の回転位置をセットする。処理部300は、セットした各指針の回転位置を制御信号として駆動機構140へ入力し、駆動機構を制御することにより、内部時刻を表示部141へ表示する。
以下、携帯型電子時計10が表示部141の時針23、分針22、小秒針81、カレンダー小窓15により内部時刻を表示し、適時に測位(以下、GPSセンサー121による測位及び測時をまとめて「測位」という。)の結果に応じて内部時刻を更新し、更新後の内部時刻を表示部141へ反映させるモードを、「時刻表示モード」と称す。
1−4−2.処理部の基本動作(測時機能)
測時機能には、例えば、手動受信による測時機能と自動受信による測時機能とがあり、自動受信による測時機能には、定時自動受信による測時機能と、光自動受信による測時機能とがある。
手動受信による測時は、携帯型電子時計10が時刻表示モードにあるときに、ユーザーが操作部157における所定のボタンを操作した場合に、処理部300がGPSセンサー121を作動して行う測時である。
測時に当たり、処理部300は、GPSセンサー121で少なくとも1つのGPS衛星を捕捉し、そのGPS衛星から送信される衛星信号を受信して時刻情報を取得する。そして、処理部300は、時刻情報の取得に成功した場合、当該時刻情報により内部時刻を修正すると共に、修正後の内部時刻を表示部141の表示内容(小秒針81、分針22、時針23の回点位置)へ反映させる。
定時自動受信による測時は、内部時刻が予め決められた定時受信時刻に一致した場合に、処理部300がGPSセンサー121を作動して行う測時である。測時の内容は、手動受信による測時のそれと同じである。なお、ソーラーパネル135の発電状態が悪い場合は、処理部300がGPSセンサー121の作動頻度を低く設定してもよい。
光自動受信による測時は、ソーラーパネル135の発電電圧または発電電流が設定値以上となり、屋外においてソーラーパネル135に日光が照射していると判断できる場合に、処理部300がGPSセンサー121を作動して行う測時である。測時の内容は、手動受信による測時のそれと同じである。
1−4−3.処理部の基本動作(測位機能)
携帯型電子時計10が時刻表示モードにあるときに、ユーザーが操作部157における所定のボタンを操作すると、処理部300は、GPSセンサー121を作動して測位を行う。
測位に当たり、処理部300は、GPSセンサー121で少なくとも3個、好ましくは4個以上のGPS衛星を捕捉し、捕捉したGPS衛星から送信される衛星信号に基づき時刻情報を取得すると共に、携帯型電子時計10の位置情報(少なくとも緯度及び経度)を算出する。
位置情報の取得に成功した場合、処理部300は、取得した位置情報に基づいてタイムゾーン情報153を参照することにより、携帯型電子時計10の位置するエリアのタイムゾーンデータ(時差情報)を認識し、タイムゾーンデータを表示部141の表示内容(小秒針81、分針22、時針23、日車の回転位置)へ反映させる。
例えば、日本標準時(JST)は、UTC(Coordinated Universal Time)に対して9時間進めた時刻(UTC+9)であるため、携帯型電子時計10が日本に位置している場合には、処理部300は、日本標準時の時差情報(+9時間)を設定する。このため、小秒針81、分針22、時針23、日車で表示される時刻は、UTCにタイムゾーンデータを加算した時刻となる。
1−4−4.処理部の基本動作(クロノグラフ機能)
携帯型電子時計10が時刻表示モードにあるときに、ユーザーが操作部157における所定のボタンを操作すると、処理部300は、クロノグラフ秒針21、クロノグラフ分針71、クロノグラフ時針91の回転(運針)を開始し、操作タイミングからの経過時間(所定時刻からの経過時間の一例)を表示する。また、ユーザーが同じボタンを再度操作すると、処理部300は、クロノグラフ秒針21、クロノグラフ分針71、クロノグラフ時針91の回転(運針)を停止する。さらに、ユーザーが操作部157における所定のボタンを操作すると、処理部300は、クロノグラフ秒針21、クロノグラフ分針71、クロノグラフ時針91の回転位置を元の位置(基準位置。ここでは12時の位置とする。)へ戻すことにより、表示中の経過時間をゼロにリセットする。
1−5.コースレイアウトデータ
コースレイアウトデータ151は、携帯型電子時計10のゴルフナビモードにおいて利用される。
コースレイアウトデータ151には、例えば、各地のゴルフコースのコースレイアウトデータが含まれる。或るゴルフコースのコースレイアウトデータには、当該ゴルフコースに属する各ホールにおける各コース要素(目標地点の一例)のデータが含まれる。或る1つのホールを構成する各コース要素を可視化すると、例えば図4に示すとおりである。図4において、符号107で示すのがOBエッジであり、このOBエッジ107がホールの外縁に相当する。或るホールについてのコースレイアウトデータの構成は、例えば以下のとおりである。
(1)グリーンエッジ103の中央の位置座標(緯度、経度、高度)、グリーンエッジ103の形状、サイズ、方位
(2)プレー当日におけるカップ104の位置座標
(4)フェアウェイエッジ102の中央の位置座標、フェアウェイエッジ102の形状、サイズ、方位
(5)1又は複数のハザードエッジ105の各々の中央の位置座標、ハザードエッジ105の各々の形状、サイズ、方位
(6)OBエッジ107の中央の位置座標、OBエッジ107の形状、サイズ、方位
(7)ドッグレッグDLの曲り角(ドッグレッグポイント)207の位置座標、ドッグレッグポイント207を基準とした短い方のレッグの長さ及び方位、ドッグレッグポイント207を基準とした長い方のレッグの長さ及び方位(なお、ドッグレッグとは、フェアウェイの形状を概略的に表した折れ線のことである。ここでは、簡単のため、ドッグレッグの曲がり角の個数を「1」とした。)
(8)ティーインググラウンド106の中央の位置座標、ティーインググラウンド106の形状、サイズ、方位
なお、以上のデータは、地球上に固定されたグローバル座標系で表現されているものとする。この場合、ユーザーの存在する地点(つまり携帯型電子時計10の存在する地点)が地球上の何れの地点であったとしても、コースレイアウトデータ151を利用することが可能である。
また、以上のコースレイアウトデータ151は、携帯型電子時計10の出荷前に記憶部150へ書き込まれたもの、或いは、携帯型電子時計10のメンテナンス時に記憶部150へ書き込まれたものである。但し、カップ位置の変更や、ゴルフコースの新規建設などに対処するため、スマートフォンやタブレットPCなどの外部装置を介してコースレイアウトデータ151は適時に更新されてもよい。更新時における外部装置から携帯型電子時計10へのデータの送信は、通信部190を介して行われる。以下、コースレイアウトデータ151には、ゴルフプレー当日におけるカップの位置座標(最新の位置座標)が反映されているものと仮定する。
1−6.ゴルフナビモードに関するユーザーの動作
本実施形態のゴルフナビモードに関するユーザーの動作は、基本的に以下のとおりである。
(1)ユーザーは、例えば、或るゴルフコースの或るホール内の任意の地点において、操作部157における所定のボタンを操作することにより、携帯型電子時計10をゴルフナビモードに設定することができる。
(2)ユーザーは、携帯型電子時計10がゴルフナビモードに設定されているときに、操作部157における所定のボタンを操作し、携帯型電子時計10をカップ表示モードに設定すれば、自分の位置するホールのカップまでの距離(残距離)及び方向を携帯型電子時計10に表示させることができる。
(3)ユーザーは、携帯型電子時計10がゴルフナビモードに設定されているときに、ベゼル32の所定部位(以下、図1においてマーク200が描かれた部位、すなわち12時の方向の部位とする。)を所望の方向に向け、操作部157における所定のボタンを操作して携帯型電子時計10の表示モードをフェアウェイエッジ表示モードに設定することにより、当該方向に位置するフェアウェイの手前側のエッジ及び奥側のエッジまでの距離を携帯型電子時計10に表示させることができる。
(3)ユーザーは、携帯型電子時計10がゴルフナビモードに設定されているときに、ベゼル32の所定部位を所望の方向に向け、操作部157における所定のボタンを操作して携帯型電子時計10の表示モードをグリーンエッジ表示モードに設定することにより、当該方向に位置するグリーンの手前側のエッジ及び奥側のエッジまでの距離を携帯型電子時計10に表示させることができる。
(4)ユーザーは、携帯型電子時計10がゴルフナビモードに設定されているときに、ベゼル32の所定部位を所望の方向に向け、操作部157における所定のボタンを操作して携帯型電子時計10の表示モードをハザードエッジ表示モードに設定することにより、当該方向に位置するハザードの手前側のエッジ及び奥側のエッジまでの距離を携帯型電子時計10に表示させることができる。
(5)ユーザーは、携帯型電子時計10がゴルフナビモードに設定されているときに、ベゼル32の所定部位を所望の方向に向け、操作部157における所定のボタンを操作して携帯型電子時計10の表示モードをOBエッジ表示モードに設定することにより、当該方向に位置するOBエッジまでの距離を携帯型電子時計10に表示させることができる。
(6)ユーザーは、携帯型電子時計10がゴルフナビモードに設定されているときに、操作部157における所定のボタンを操作し、携帯型電子時計10をドッグレッグ表示モードに設定すれば、自分の位置するホールのドッグレッグの形状及び方向を携帯型電子時計10に表示させることができる。
1−7.ゴルフナビモードにおける処理部の動作
図5は、ゴルフナビモードにおける処理部の動作を説明するためのフローチャートである。以下、各ステップを順に説明する。
ステップS11:処理部300は、充電回路136を介して二次電池130の電圧が所定の閾値より低いか否かを判定し、低いと判定した場合(S11のY)は、省電力のためフローを終了し、そうでない場合(S11のN)はステップS12へ移行する。
ステップS12:処理部300は、GPSセンサー121を作動して測位を開始する。処理部300は、例えば、4以上のGPS衛星を捕捉して位置情報を算出する処理を1秒の時間間隔で繰り返す。なお、本ステップの開始時に測位が既に開始されていた場合は、処理部300は、測位を継続する。
ステップS15:処理部300は、操作部157に対するユーザーの操作内容に基づき、携帯型電子時計10がカップ表示モードに設定されたか否かを判定し、設定されたと判定した場合(S15のY)は、ステップS16へ移行し、そうでない場合(S15のN)はステップS17へ移行する。
ステップS16:処理部300は、カップ表示処理を実行し、ステップS17へ移行する。カップ表示処理の詳細は後述する。
ステップS17:処理部300は、操作部157に対するユーザーの操作内容に基づき、携帯型電子時計10がフェアウェイエッジ表示モードに設定されたか否かを判定し、設定されたと判定した場合(S17のY)は、ステップS18へ移行し、そうでない場合(S17のN)はステップS19へ移行する。
ステップS18:処理部300は、フェアウェイエッジ表示処理を実行し、ステップS19へ移行する。フェアウェイエッジ表示処理の詳細は後述する。
ステップS19:処理部300は、操作部157に対するユーザーの操作内容に基づき、携帯型電子時計10がグリーンエッジ表示モードに設定されたか否かを判定し、設定されたと判定した場合(S19のY)は、ステップS20へ移行し、そうでない場合(S19のN)はステップS21へ移行する。
ステップS20:処理部300は、グリーンエッジ表示処理を実行し、ステップS21へ移行する。グリーンエッジ表示処理の詳細は後述する。
ステップS21:処理部300は、操作部157に対するユーザーの操作内容に基づき、携帯型電子時計10がハザードエッジ表示モードに設定されたか否かを判定し、設定されたと判定した場合(S21のY)は、ステップS22へ移行し、そうでない場合(S21のN)はステップS23へ移行する。
ステップS22:処理部300は、ハザードエッジ表示処理を実行し、ステップS23へ移行する。ハザードエッジ表示処理の詳細は後述する。
ステップS23:処理部300は、操作部157に対するユーザーの操作内容に基づき、携帯型電子時計10がOBエッジ表示モードに設定されたか否かを判定し、設定されたと判定した場合(S23のY)は、ステップS24へ移行し、そうでない場合(S23のN)はステップS25へ移行する。
ステップS24:処理部300は、OBエッジ表示処理を実行し、ステップS25へ移行する。OBエッジ表示処理の詳細は後述する。
ステップS25:処理部300は、操作部157に対するユーザーの操作内容に基づき、携帯型電子時計10がドッグレッグ表示モードに設定されたか否かを判定し、設定されたと判定した場合(S25のY)は、ステップS26へ移行し、そうでない場合(S25のN)はステップS11へ移行する。
ステップS26:処理部300は、ドッグレッグ表示処理を実行し、ステップS11へ移行する。ドッグレッグエッジ表示処理の詳細は後述する。
なお、以上のフローにおいて、ステップの実行順序は可能な範囲で入れ替えることが可能である。例えば、各モードの判定及び実行(例えば、ステップS15とS16)を組として、各組の順序を入れ替えても良いし、S12の次に、いずれのモードであるかを判定して、設定されているモードの処理を実行してもよい。
1−7−1.カップ表示処理
図6(A)は、カップ表示処理に関する処理部の動作を説明するためのフローチャートであり、図6(B)は、カップ表示処理における計測対象を説明する図であり、図6(C)は、カップ表示処理における表示部の表示例である。なお、図6(B)では、ユーザーがティーインググラウンドに位置している場合を想定した。
ステップS161:処理部300は、図6(C)に示すとおりクロノグラフ秒針21の先端を「CUP」という文字に向けてモード表示(すなわち、携帯型電子時計10がカップ表示モードに設定中である旨の表示)を行う。
ステップS162:処理部300は、最新の測位計算の結果(測位データ)に基づき、グローバル座標系におけるユーザーの位置座標(ユーザー位置)を計算する。
ステップS163:処理部300は、地磁気センサー111の出力する地磁気データに基づき、グローバル座標系における携帯型電子時計10の姿勢を計算する。
ステップS164:処理部300は、コースレイアウトデータ151に含まれる複数のコースの複数のホールの中から、ユーザーの位置座標の属するホールを1つ見出し、当該ホールに属するカップの位置座標を参照する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標と、カップの位置座標とに基づき、ユーザーの位置からカップの位置までの距離Lを計算する(図6(B)を参照。)。
ステップS165:処理部300は、ユーザーの位置座標と、カップの位置座標と、携帯型電子時計10の姿勢とに基づき、ローカル座標におけるカップの方向Vを計算する(図6(B)を参照。)。なお、「ローカル座標」とは、携帯型電子時計10に固定された座標のことである。
ステップS166:処理部300は、図6(C)に示すとおり、カップの位置までの距離Lに対応する回転位置に分針22(第1の指針の一例)の回転位置(12時の位置を基準とした右回りの回転位置)をセットする。なお、距離と回転位置との関係は、例えば、360[yd]が360[°](すなわち60分)で表されるような関係に設定される。
ステップS167:処理部300は、図6(C)に示すとおり、携帯型電子時計10から見たカップの方向Vへ時針23(第2の指針の一例)の先端を向け、フローを終了する。
従って、携帯型電子時計10がカップ表示モードに設定されると、時針23はカップまでの方向を表示し、分針22はカップまでの距離を表示し、クロノグラフ秒針21は携帯型電子時計10がカップ表示モードに設定中である旨を表示する。
なお、以上のフローにおいて、ステップの実行順序は可能な範囲で入れ替えることが可能である。
また、ここでは、カップまでの距離を表示するカップ表示モードを説明したが、カップまでの距離を表示するカップ表示モードの代わりに、グリーン中央までの距離を表示するグリーンセンター表示モードを携帯型電子時計10へ搭載してもよいし、カップ表示モードの他にグリーンセンター表示モードを携帯型電子時計10へ搭載してもよい。
1−7−2.フェアウェイエッジ表示処理(FWエッジ表示処理)
図7(A)は、フェアウェイエッジ表示処理(FWエッジ表示処理)を説明するためのフローチャートであり、図7(B)は、フェアウェイエッジ表示処理における計測対象を説明する図であり、図7(C)は、フェアウェイエッジ表示処理における表示部の表示例である。なお、図7(B)では、ユーザーがティーインググラウンドに位置している場合を想定した。
ステップS181:処理部300は、図7(C)に示すとおりクロノグラフ秒針21の先端を「FWE」という文字に向けてモード表示(すなわち、携帯型電子時計10がフェアウェイ表示モードに設定中である旨の表示)を行う。
ステップS182:処理部300は、最新の測位計算の結果(測位データ)に基づき、グローバル座標系におけるユーザーの位置座標(ユーザー位置)を計算する。
ステップS183:処理部300は、地磁気センサー111の出力する地磁気データに基づき、グローバル座標系における携帯型電子時計10の姿勢を計算し、当該姿勢に基づき、グローバル座標におけるユーザー指定方向を計算する。ユーザー指定方向は、文字板の中央からベゼル32の所定部位(マーク200)に向かう方向(携帯型電子時計から見て所定方向の一例)のことである。
ステップS184:処理部300は、コースレイアウトデータ151に含まれる複数のコースの複数のホールの中から、ユーザーの位置座標の属するホールを1つ見出し、当該ホールに属するフェアウェイエッジのデータを参照する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標からユーザー指定方向に向けて延ばした線分がフェアウェイエッジと最初に交わる地点(以下、「手前側のエッジ」という。)を計算する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標から手前側のエッジまでの距離L1を計算する(図7(B)を参照。)。
ステップS185:処理部300は、ユーザーの位置座標からユーザー指定方向に向けて延ばした線分がフェアウェイエッジと次に交わる地点(以下、「奥側のエッジ」という。)を計算する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標から奥側のエッジまでの距離L2を計算する(図7(B)を参照。)。
ステップS186:処理部300は、図7(C)に示すとおり、手前側のエッジまでの距離L1に対応する回転位置に時針23の回転位置(12時の位置を基準とした右回りの回転位置)をセットする。なお、距離と回転位置との関係は、例えば、360[yd]が360[°](すなわち12時間)で表されるような関係に設定される。
ステップS187:処理部300は、図7(C)に示すとおり、奥側のエッジまでの距離L2に対応する回転位置に分針22の回転位置(12時の位置を基準とした右回りの回転位置)をセットし、フローを終了する。なお、距離と回転位置との関係は、例えば、360[yd]が360[°](すなわち60分)で表されるような関係に設定される。
従って、携帯型電子時計10がフェアウェイエッジ表示モードに設定されると、時針23はユーザー指定方向におけるフェアウェイの手前側のエッジまでの距離L1を表し、分針22はユーザー指定方向におけるフェアウェイの奥側のエッジまでの距離L2を表し、クロノグラフ秒針21は携帯型電子時計10がフェアウェイエッジ表示モードに設定中である旨を表示する。
従って、ユーザーは、時針23の回転位置から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるフェアウェイの手前側のエッジまでの距離を知ることができ、分針22の回転位置から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるフェアウェイの奥側のエッジまでの距離を知ることができる。
また、ユーザーは、時針23と分針22との角度関係から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるフェアウェイの幅を知ることもできる。
なお、フェアウェイエッジ表示モードでは、ユーザーの位置座標からエッジまでの距離を、時針23及び分針22を用いて表示したが、更に、ユーザーの位置座標からエッジまでの高低差(高度差)を、他の指針を用いて表示してもよい(エッジまでの距離を表示する他のモードにおいても同様)。
また、以上のフローにおいて、ステップの実行順序は可能な範囲で入れ替えることが可能である。
1−7−3.グリーンエッジ表示処理(Gエッジ表示処理)
図8(A)は、グリーンエッジ表示処理(Gエッジ表示処理)を説明するためのフローチャートであり、図8(B)は、グリーンエッジ表示処理における計測対象を説明する図であり、図8(C)は、グリーンエッジ表示処理における表示部の表示例である。なお、図8(B)では、ユーザーがティーインググラウンドに位置している場合を想定した。
以下、各ステップを順に説明する。
ステップS201:処理部300は、図8(C)に示すとおりクロノグラフ秒針21の先端を「GE」という文字に向けてモード表示(すなわち、携帯型電子時計10がグリーンエッジ表示モードに設定中である旨の表示)を行う。
ステップS202:処理部300は、最新の測位計算の結果(測位データ)に基づき、グローバル座標系におけるユーザーの位置座標(ユーザー位置)を計算する。
ステップS203:処理部300は、地磁気センサー111の出力する地磁気データに基づき、グローバル座標系における携帯型電子時計10の姿勢を計算し、当該姿勢に基づき、グローバル座標におけるユーザー指定方向を計算する。ユーザー指定方向は、文字板の中央からベゼル32の所定部位(マーク200)に向かう方向のことである。
ステップS204:処理部300は、コースレイアウトデータ151に含まれる複数のコースの複数のホールの中から、ユーザーの位置座標の属するホールを1つ見出し、当該ホールに属するグリーンエッジのデータを参照する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標からユーザー指定方向に向けて延ばした線分がグリーンエッジと最初に交わる地点(以下、「手前側のエッジ」という。)を計算する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標から手前側のエッジまでの距離L1を計算する(図8(B)を参照。)。
ステップS205:処理部300は、ユーザーの位置座標からユーザー指定方向に向けて延ばした線分がグリーンエッジと次に交わる地点(以下、「奥側のエッジ」という。)を計算する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標から奥側のエッジまでの距離L2を計算する(図8(B)を参照。)。
ステップS206:処理部300は、図8(C)に示すとおり、手前側のエッジまでの距離L1に対応する回転位置に時針23の回転位置(12時の位置を基準とした右回りの回転位置)をセットする。なお、距離と回転位置との関係は、例えば、360[yd]が360[°](すなわち12時間)で表されるような関係に設定される。
ステップS207:処理部300は、図8(C)に示すとおり、奥側のエッジまでの距離L2に対応する回転位置に分針22の回転位置(12時の位置を基準とした右回りの回転位置)をセットし、フローを終了する。なお、距離と回転位置との関係は、例えば、360[yd]が360[°](すなわち60分)で表されるような関係に設定される。
従って、携帯型電子時計10がグリーンエッジ表示モードに設定されると、時針23はユーザー指定方向におけるグリーンの手前側のエッジまでの距離L1を表し、分針22はユーザー指定方向におけるグリーンの奥側のエッジまでの距離L2を表し、クロノグラフ秒針21は携帯型電子時計10がグリーンエッジ表示モードに設定中である旨を表示する。
従って、ユーザーは、時針23の回転位置から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるグリーンの手前側のエッジまでの距離を知ることができ、分針22の回転位置から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるグリーンの奥側のエッジまでの距離を知ることができる。
また、ユーザーは、時針23と分針22との角度関係から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるグリーンの幅を知ることもできる。
なお、以上のフローにおいて、ステップの実行順序は可能な範囲で入れ替えることが可能である。
1−7−4.ハザードエッジ表示処理(Hエッジ表示処理)
図9(A)は、ハザードエッジ表示処理(Hエッジ表示処理)を説明するためのフローチャートであり、図9(B)は、ハザードエッジ表示処理における計測対象を説明する図であり、図9(C)は、ハザードエッジ表示処理における表示部の表示例である。なお、図9(B)では、ユーザーがフェアウェイに位置している場合を想定した。
以下、各ステップを順に説明する。
ステップS221:処理部300は、図9(C)に示すとおりクロノグラフ秒針21の先端を「HE」という文字に向けてモード表示(すなわち、携帯型電子時計10がハザードエッジ表示モードに設定中である旨の表示)を行う。
ステップS222:処理部300は、最新の測位計算の結果(測位データ)に基づき、グローバル座標系におけるユーザーの位置座標(ユーザー位置)を計算する。
ステップS223:処理部300は、地磁気センサー111の出力する地磁気データに基づき、グローバル座標系における携帯型電子時計10の姿勢を計算し、当該姿勢に基づき、グローバル座標におけるユーザー指定方向を計算する。ユーザー指定方向は、文字板の中央からベゼル32の所定部位(マーク200)に向かう方向のことである。
ステップS224:処理部300は、コースレイアウトデータ151に含まれる複数のコースの複数のホールの中から、ユーザーの位置座標の属するホールを1つ見出し、当該ホールに属するハザードエッジのデータを参照する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標からユーザー指定方向に向けて延ばした線分がハザードエッジと最初に交わる地点(以下、「手前側のエッジ」という。)を計算する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標から手前側のエッジまでの距離L1を計算する(図9(B)を参照。)。
ステップS225:処理部300は、ユーザーの位置座標からユーザー指定方向に向けて延ばした線分がハザードエッジと次に交わる地点(以下、「奥側のエッジ」という。)を計算する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標から奥側のエッジまでの距離L2を計算する(図9(B)を参照。)。
ステップS226:処理部300は、図9(C)に示すとおり、手前側のエッジまでの距離L1に対応する回転位置に時針23の回転位置(12時の位置を基準とした右回りの回転位置)をセットする。なお、距離と回転位置との関係は、例えば、360[yd]が360[°](すなわち12時間)で表されるような関係に設定される。
ステップS227:処理部300は、図9(C)に示すとおり、奥側のエッジまでの距離L2に対応する回転位置に分針22の回転位置(12時の位置を基準とした右回りの回転位置)をセットし、フローを終了する。なお、距離と回転位置との関係は、例えば、360[yd]が360[°](すなわち60分)で表されるような関係に設定される。
従って、携帯型電子時計10がハザードエッジ表示モードに設定されると、時針23はユーザー指定方向におけるハザードの手前側のエッジまでの距離L1を表し、分針22はユーザー指定方向におけるハザードの奥側のエッジまでの距離L2を表し、クロノグラフ秒針21は携帯型電子時計10がハザードエッジ表示モードに設定中である旨を表示する。
従って、ユーザーは、時針23の回転位置から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるハザードの手前側のエッジまでの距離を知ることができ、分針22の回転位置から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるハザードの奥側のエッジまでの距離を知ることができる。
また、ユーザーは、時針23と分針22との角度関係から、自己の指定した方向(マーク200を向けた方向)におけるハザードの幅を知ることもできる。
なお、以上のフローにおいて、ステップの実行順序は可能な範囲で入れ替えることが可能である。
また、ここでは、表示対象となるエッジを、指定方向に存在する2つのハザードエッジとしたが、指定方向に存在する3以上のハザードエッジとしてもよい。その場合、例えば、操作部157における所定のボタンのプッシュ操作に応じて、3以上のハザードエッジの間で表示対象となるエッジをサイクリックに切り替えてもよい(複数のエッジの間で表示対象をサイクリックに切り替える方法の詳細については、第2実施形態を参照。)。
また、ここでは、ハザードエッジまでの距離を表示したが、ユーザー指定方向におけるハザードの幅(手前側のエッジと奥側のエッジとの間隔)が所定の閾値未満である場合や、ユーザーから予め指示があった場合などには、ハザードエッジまでの距離の代わりに、ハザードまでの距離(ハザード中央までの距離)を表示してもよい。なぜなら、例えば、池やバンカーなどの大きいハザードとは異なり、立木などの小さいハザードについては、ハザードの中央までの距離がわかれば十分なことが多いからである。同様に、ハザード以外のコース要素についても、コース要素のエッジまでの距離の代わりに、コース要素までの距離(コース要素の中央までの距離)を表示してもよい。
1−7−5.OBエッジ表示処理
図10(A)は、OBエッジ表示処理を説明するためのフローチャートであり、図10(B)は、OBエッジ表示処理における計測対象を説明する図であり、図10(C)は、OBエッジ表示処理における表示部の表示例である。なお、図10(B)では、ユーザーがティーインググラウンドに位置している場合を想定した。
以下、各ステップを順に説明する。
ステップS241:処理部300は、図10(C)に示すとおりクロノグラフ秒針21の先端を「OBE」という文字に向けてモード表示(すなわち、携帯型電子時計10がOBエッジ表示モードに設定中である旨の表示)を行う。
ステップS242:処理部300は、最新の測位計算の結果(測位データ)に基づき、グローバル座標系におけるユーザーの位置座標(ユーザー位置)を計算する。
ステップS243:処理部300は、地磁気センサー111の出力する地磁気データに基づき、グローバル座標系における携帯型電子時計10の姿勢を計算し、当該姿勢に基づき、グローバル座標におけるユーザー指定方向を計算する。ユーザー指定方向は、文字板の中央からベゼル32の所定部位(マーク200)に向かう方向のことである。
ステップS244:処理部300は、コースレイアウトデータ151に含まれる複数のコースの複数のホールの中から、ユーザーの位置座標の属するホールを1つ見出し、当該ホールに係るOBエッジのデータを参照する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標からユーザー指定方向に向けて延ばした線分がOBエッジと交わる地点(以下、単に「OBエッジ」という。)を計算する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標からOBエッジまでの距離L1を計算する(図10(B)を参照。)。
ステップS246:処理部300は、図10(C)に示すとおり、OBエッジまでの距離L1に対応する回転位置に時針23の回転位置(12時の位置を基準とした右回りの回転位置)をセットすると共に、分針22の回転位置を基準位置(12時の位置)へセットして、フローを終了する。なお、距離と回転位置との関係は、例えば、360[yd]が360[°](すなわち時針の12時間又は分針の60分)で表されるような関係に設定される。
従って、携帯型電子時計10がOBエッジ表示モードに設定されると、時針23はユーザー指定方向におけるOBエッジまでの距離L1を表示し、クロノグラフ秒針21は携帯型電子時計10がOBエッジ表示モードに設定中である旨を表示する。
なお、以上のフローにおいて、ステップの実行順序は可能な範囲で入れ替えることが可能である。
1−7−6.ドッグレッグ表示処理(DL表示処理)
図11(A)は、ドッグレッグ表示処理(DL表示処理)を説明するためのフローチャートであり、図11(B)は、ドッグレッグ表示処理における計測対象を説明する図であり、図11(C)は、ドッグレッグ表示処理における表示部の表示例である。
以下、各ステップを順に説明する。
ステップS261:処理部300は、図11(C)に示すとおりクロノグラフ秒針21の先端を「DL」という文字に向けてモード表示(すなわち、携帯型電子時計10がドッグレッグ表示モードに設定中である旨の表示)を行う。
ステップS262:処理部300は、最新の測位計算の結果(測位データ)に基づき、グローバル座標系におけるユーザーの位置座標(ユーザー位置)を計算する。
ステップS263:処理部300は、地磁気センサー111の出力する地磁気データに基づき、グローバル座標系における携帯型電子時計10の姿勢を計算する。
ステップS264:処理部300は、コースレイアウトデータ151に含まれる複数のコースの複数のホールの中から、ユーザーの位置座標の属するホールを1つ見出し、当該ホールに属するドッグレッグの短い方のレッグの方位Va、長い方のレッグの方位Vbを参照する(図11(B)を参照。)。そして、処理部300は、短い方のレッグの方位Vaと、長い方のレッグの方位Vbと、携帯型電子時計10の姿勢とに基づき、ローカル座標における短い方のレッグの方向と、ローカル座標における長い方のレッグの方向とを計算する。なお、「ローカル座標」とは、携帯型電子時計10に固定された座標のことである。
ステップS266:処理部300は、短い方のレッグの方向に時針23(すなわち短針)の向きをセットする。
ステップS267:処理部300は、長い方のレッグの方向に分針22(すなわち長針)の向きをセットし、フローを終了する。
従って、携帯型電子時計10がドッグレッグ表示モードに設定されると、時針23は短い方のレッグと同じ方向を向き、分針22は長い方のレッグと同じ方向を向き、クロノグラフ秒針21は携帯型電子時計10がドッグレッグ表示モードに設定中である旨を表示する。
従って、ユーザーは、時針23と分針22と(第1の指針又は第2の指針の一例)の間の角度関係及び長さ関係から、自己の位置するホールのおおよそのドッグレッグ形状を知ることができる。
ドッグレッグのコースでは、立木などの障害物により奥のレッグをユーザーが直接視認することができないことが多いため、ドッグレッグ表示モードが有効と考えられる。
なお、ドッグレッグ表示モードでは、ドッグレッグの形状及び向きを時針23及び分針22によって表示したが、その他に、ユーザーの位置座標からドッグレッグポイントまでの距離、奥のレッグの長さ、ユーザーの位置座標からグリーンセンターまでの距離の少なくとも1つを、他の指針を用いて表示してもよい。
なお、以上のフローにおいて、ステップの実行順序は可能な範囲で入れ替えることが可能である。
2.携帯型電子時計の第2実施形態
ここでは、第1実施形態と異なる点を主として説明し、第1実施形態と同様の点については、基本的に説明を省略し、第1実施形態における要素又はステップと同じものには同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態では、距離の表示をコース要素ごとに行うのではなく指定方向ごとに行う点において第1実施形態と異なる。
2−1.ゴルフナビモードに関するユーザーの動作
本実施形態におけるゴルフナビモードに関するユーザーの動作は、基本的に以下のとおりである。
(1)ユーザーは、図12に示すとおり、或るゴルフコースの或るホール内の任意の地点500において、ベゼル32の所定部位(以下、図1においてマーク200が描かれた部位、すなわち12時の方向の部位とする。)を所望の方向Vに向け、操作部157における所定のボタンを操作して携帯型電子時計10をゴルフナビモードに設定することにより、方向Vに位置するホール要素のエッジのうち最も手前に位置する1番目のエッジまでの距離を、携帯型電子時計10に表示させることができる。
(2)ユーザーは、方向Vにおけるn番目のエッジまでの距離が携帯型電子時計10に表示されているときに、操作部157における所定のボタンを1回プッシュすることにより、方向Vにおける(n+1)番目のエッジまでの距離を携帯型電子時計10に表示させることができる
(3)ユーザーは、方向Vにおけるnmax番目のエッジまでの距離が携帯型電子時計10に表示されているときに、同じボタンを1回プッシュすることにより、方向Vにおける1番目のエッジまでの距離を携帯型電子時計10に表示させることができる。
つまり、本実施形態のユーザーは、同じボタンを繰り返しプッシュするだけで、方向Vにかけて並んだ複数のエッジ(エッジ番号n=1,2,…,nmax)の間で表示対象となるエッジをサイクリックに切り替えることができる。
なお、ここでは、表示される順序を「手前側から奥側への順序」としたが、反対の順序「奥側から手前側への順序」としてもよいし、ユーザーが所望の順序を予め設定できるように携帯型電子時計10を構成してもよい。
また、ここでは、表示対象となるエッジをサイクリックに切り替えるための操作として、操作部を構成する何れかのボタンのプッシュを例に挙げるが、操作部を構成するリューズの回転などであってもよい。
2−2.ゴルフナビモードにおける処理部の動作
図13は、本実施形態(サイクリック表示)のゴルフナビモードにおける処理部の動作を説明するためのフローチャートである。以下、各ステップを順に説明する。
ステップS11:処理部300は、充電回路136を介して二次電池130の電圧が所定の閾値より低いか否かを判定し、低いと判定した場合は、省電力のためフローを終了し、そうでない場合はステップS12へ移行する。
ステップS12:処理部300は、GPSセンサー121を作動して測位を開始する。処理部300は、例えば、4以上のGPS衛星を捕捉して位置情報を算出する処理を1秒の時間間隔で繰り返す。なお、本ステップの開始時に測位が既に開始されていた場合は、処理部300は、測位を継続する。
ステップS42:処理部300は、最新の測位計算の結果(測位データ)に基づき、グローバル座標系におけるユーザーの位置座標(ユーザー位置)を計算する。
ステップS43:処理部300は、地磁気センサー111の出力する地磁気データに基づき、グローバル座標系における携帯型電子時計10の姿勢を計算し、当該姿勢に基づき、グローバル座標におけるユーザー指定方向を計算する。ユーザー指定方向は、文字板の中央からベゼル32の所定部位(マーク200)に向かう方向のことである。
ステップS44:処理部300は、コースレイアウトデータ151に含まれる複数のコースの複数のホールの中から、ユーザーの位置座標の属するホールを1つ見出し、当該ホールに係るデータを参照する。そして、処理部300は、ユーザーの位置座標からユーザー指定方向に向けて延ばした線分がコース要素のエッジと交わる各地点(以下、単に「エッジ」という。)を計算する。また、処理部300は、計算した各エッジに対して、ユーザーの位置座標に近い側から順番に、エッジ番号n=1,2,…,nmaxを付与する。エッジ番号nの最大値nmaxは、コース内において指定方向に存在するエッジの総数を表す。また、処理部300は、n番目のエッジの属するコース要素の種類(グリーン、フェアウェイ、ハザード、OBの種別)を、全てのエッジ番号(n=1,2,…,nmax)について認識する。また、処理部300は、ユーザーの位置座標からn番目のエッジまでの距離Lnを、全てのエッジ番号(n=1,2,…,nmax)について計算する。
ステップS45:処理部300は、n番目のエッジまでの距離Lnに対応する回転位置へ時針の回転位置をセットすると共に、分針22の回転位置を基準位置(12時の位置)へセットする。なお、初回のステップS45では、エッジ番号nは、初期値「1」に設定される。
ステップS46:処理部300は、クロノグラフ秒針21の先端を、n番目のエッジの属するコース要素の種類(グリーン、フェアウェイ、ハザード、OBの種別)を表す文字に向ける。これによって、コース要素の種類が携帯型電子時計10に表示される。
ステップS47:処理部300は、操作部157に対するユーザーの操作内容に基づき、所定のボタン(切り替え用のボタン)がプッシュされたか否かを判定し、プッシュされたと判定した場合は、ステップS48へ移行し、そうでない場合はステップS11へ移行する。
ステップS48:操作部157は、エッジ番号nを1だけインクリメントしてからステップS45へ移行する。但し、エッジ番号nが最大値nmaxに達していた場合には、エッジ番号nを初期値「1」にリセットしてから、ステップS45へ移行する。
従って、本実施形態のユーザーは、所定のボタンを繰り返しプッシュするだけで、所望の方向Vかけて並んだ複数のエッジ(エッジ番号n=1,2,…,nmax)までの距離を、順次に確認することができる。
なお、以上のフローにおいて、ステップの実行順序は可能な範囲で入れ替えることが可能である。
3.小窓を利用した変形例
上述した実施形態においては、指針付きの小窓(第1小窓70、第2小窓80、第3小窓90)をゴルフナビモードにおいて用いてもよい。この場合、時刻表示モードの機能のうち少なくとも主要部(時分表示機能)と、ゴルフナビモードの機能のうち少なくとも一部とを、携帯型電子時計へ同時に発現させることができる。以下、第1実施形態における要素又はステップと同じものには同一の符号を付し、説明を省略する。
例えば、フェアウェイエッジ表示モードにおける表示機能を第1小窓70へ割り当て、グリーンエッジ表示モードにおける表示機能を第2小窓80へ割り当て、ハザードエッジ表示モードにおける表示機能を第3小窓90へ割り当ててもよい。
その場合、例えば、図14に示すとおり、第1小窓70には、フェアウェイエッジ表示モードの機能が割り当てられる旨の文字「FWE」が付与され、第2小窓80には、グリーンエッジ表示モードの機能が割り当てられる旨の文字「GE」が付与され、第3小窓90には、ハザードエッジ表示モードの機能が割り当てられる旨の文字「HE」が付与されてもよい。
また、フェアウェイの手前側のエッジと奥側のエッジとを同時に表示できるよう、図14に示すとおり、第1小窓70においてはクロノグラフ分針71に加えてサブの指針72が設けられてもよい。また、グリーンの手前側のエッジと奥側のエッジとを同時に表示できるよう、第2小窓80においては小秒針81に加えてサブの指針82が設けられてもよい。また、ハザードの手前側のエッジと奥側のエッジとを同時に表示できるよう、第3小窓90においてはクロノグラフ時針91に加えてサブの指針92が設けられてもよい。
サブの指針72の回転中心は、クロノグラフ分針71の回転中心と同じであり、サブの指針72の回転位置もクロノグラフ分針71の回転位置と同様、駆動機構140を介して処理部300によって制御される。なお、携帯型電子時計10’が時刻表示モードにあるときは、サブの指針72は基本的には不要であるため、サブの指針72の回転位置は、基準位置(12時の位置)へセットされることが望ましい。
サブの指針82の回転中心は、小秒針81の回転中心と同じであり、サブの指針82の回転位置も小秒針81の回転位置と同様、駆動機構140を介して処理部300によって制御される。なお、携帯型電子時計10’が時刻表示モードにあるときは、サブの指針82は基本的には不要であるため、サブの指針82の回転位置は、基準位置(12時の位置)へセットされることが望ましい。
サブの指針92の回転中心は、クロノグラフ時針91の回転中心と同じであり、サブの指針92の回転位置もクロノグラフ時針91の回転位置と同様、駆動機構140を介して処理部300によって制御される。なお、携帯型電子時計10’が時刻表示モードにあるときは、サブの指針92は基本的には不要であるため、サブの指針92の回転位置は、基準位置(12時の位置)へセットされることが望ましい。
4.方向指定についての変形例
上述した実施形態においては、携帯型電子時計がユーザー指定方向Vとみなすべき方向を、携帯型電子時計の「12時の方向」としたが(具体的にはベゼル32のマーク200の方向としたが)、携帯型電子時計の他の方向、例えば「10時の方向」、或いは「2時の方向」などとしてもよい。
また、上述した実施形態においては、携帯型電子時計がユーザー指定方向Vとみなすべき方向を、可変にしてもよい。その場合、例えば、図15(A)に示すとおりベゼル32を回転可能に構成し、マーク200の方向を、ユーザーが自由に変更できるようにすればよい。
因みに、左手首に携帯型電子時計を装着した右打ちのユーザーがアドレス姿勢をとったときには、ターゲットの方向は12時の方向よりも10時の方向に近くなるため、携帯型電子時計がユーザー指定方向とみなすべき方向(具体的にはベゼル32のマーク200の方向)を、例えば「10時の方向」としておけば、「12時の方向」とした場合よりも、ユーザーが距離の確認動作をする際の無駄を省けると考えられる。
反対に、右手首に携帯型電子時計を装着した左打ちのユーザーがアドレス姿勢をとったときには、ターゲット方向は12時の方向よりも2時の方向に近くなるため、携帯型電子時計がユーザー指定方向とみなすべき方向(具体的にはベゼル32のマーク200の方向)を、例えば「2時の方向」としておけば、「12時の方向」とした場合よりも、ユーザーが距離の確認動作をする際の無駄を省けると考えられる。
なお、携帯型電子時計がユーザー指定方向Vとみなすべき方向を、可変にする場合は、ベゼル32を回転可能に構成すると共に、ベゼル32の回転位置を検出する機能を携帯型電子時計に搭載すればよい。その場合、例えば、図15(B)に示すとおり、反射率の異なる高反射率領域Bと低反射率領域Aとを周方向にかけて繰り返し配列した光学パターンがベゼル32の裏面側に設けられる。また、その場合、例えば、図15(C)に示すとおり、ベゼル32の裏面の一部に向けて検出光を照射するLEDなどの照射部32Cと、ベゼル32の裏面側で反射した当該検出光の強度に応じた信号を出力するフォトディテクターなどの検出部32Dとが、ケースの表面側に設けられる。検出部32Dの出力は、携帯型電子時計の処理部300に与えられる。
この場合、ベゼル32が回転すると、検出部32Dから出力される信号が変化し、当該信号の時間変化パターン(波形)には、ベゼル32の回転量とベゼル32の回転方向とが反映される。従って、処理部300は、検出部32Dから出力される信号に基づき、基準位置からのベゼル32の相対的な回転量を検知することができる。
なお、ベゼル32の絶対的な回転位置を検知できるよう、当該光学パターンの代わりに、反射率の異なる複数の反射領域を周方向にかけて配列した光学パターンなどを使用してもよい。また、ベゼル32の回転位置を検知するための構成には、例えば、物体の回転位置を読み取るロータリーエンコーダーなどの技術を適用することができる。
5.その他の変形例
なお、上述した幾つかの表示モードでは、手前側のエッジまでの距離表示に時針を用いて奥側のエッジまでの距離表示に分針を用いたが、手前側のエッジまでの距離表示に分針を用いて奥側のエッジまでの距離表示に時針を用いてもよい。
また、上述した実施形態では、携帯型電子時計に搭載される表示モードの数を複数としたが単一であってもよい。上述した実施形態で説明した複数の表示モードのうち任意の1又は複数の表示モードが携帯型電子時計に搭載されればよい。
また、上述した幾つかの表示モードでは、クロノグラフ秒針にモード表示機能を付与したが、他の可動部品、例えば、第1小窓70の指針、第2小窓80の指針、第3小窓90の指針、カレンダー小窓15の日車のうち少なくとも1つにモード表示機能を付与してもよい。例えば、カレンダー小窓15の日車にモード表示機能を付与する場合は、日車の文字(数字)の中に、ゴルフナビモードにおける各種の表示モードを表す文字(「CUP」、「FWE」、「GE」、「HE」、「OBE」、「DL」)を加えておけばよい。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、操作部の少なくとも1部としてベゼル(図15を参照。)を用いてもよい。例えば、ベゼルの回転によりモードの切り替えなどが可能なように携帯型電子時計を構成してもよい。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、クロノグラフ機能付きの携帯型電子時計にゴルフナビ機能を搭載した例を説明したが、クロノグラフ機能無しの携帯型電子時計(例えば、通常の秒針と時針と分針とを同軸で設けたもの)に同様のゴルフナビ機能を搭載してもよい。その場合は、クロノグラフ秒針の代わりに通常の秒針に対してモード表示機能を付与するとよい。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、携帯型電子時計の指針を用いて目標地点までの距離を主に表示したが、ユーザーの位置座標から目標地点までの距離に加えて、又はユーザーの位置座標から目標地点までの距離と共に、ユーザーの位置座標から目標地点までの高低差を表示してもよい。
また、上記の何れかの実施形態では、携帯型電子時計に、ゴルフのスコア管理機能を搭載してもよい。スコア管理機能とは、ホールごとの打数をカウントする機能のことである。例えば、ショットをするごとに例えばユーザーが操作部の所定のボタンをプッシュすることで、打数がカウントされるように携帯型電子時計を構成してもよい。また、例えば、慣性センサー(例えば加速度センサー)を携帯型電子時計に搭載することで、打数が自動カウントされるように携帯型電子時計を構成してもよい。
また、上述した何れかの実施形態では、ゴルフナビモードにおいて或る目標地点(例えばグリーンエッジ)までの距離を表示している期間中に、ユーザーが操作部における所定のボタンをプッシュするなど所定のアクションをした場合に、当該目標地点に関する通常のナビゲーションモードに携帯型電子時計のモードを移行させてもよい。通常のナビゲーションモードは、当該目標地点までの距離及び方向の少なくとも一方を継続して表示するモードである。なお、その場合においても、距離及び方向の少なくとも一方は、携帯型電子時計における時刻又は時間を表示する何れかの指針を用いて表示されることが望ましい。
また、上記の何れかの実施形態では、ゴルフのプレー時間など、ゴルフに関する他のデータの表示機能を携帯型電子時計へ更に搭載してもよい。
また、第1実施形態又は第2実施形態では、指針の1回転により360[yd]の距離を表示したが、指針の回転角度と距離との関係は、この関係に限定されることはない。
また、第1実施形態で説明した機能の少なくとも一部と、第2実施形態で説明した機能の少なくとも一部とを搭載した1つの携帯型電子時計を構成してもよい。
また、第1実施形態又は第2実施形態において、携帯型電子時計に備えられた複数の指針(距離の表示、モードの表示、コース要素の表示に用いられるものを含む)のうち少なくとも1つは、携帯型電子時計において時刻、時間、その他の情報を表示する指針であってもよい。その他の情報とは、例えば、以下の情報である。
(1)衛星信号の受信の有無
(2)補足できた衛星の個数
(2)時刻情報の取得の有無
(3)位置情報の取得の有無
(4)ソーラーパネルの発電状態
(5)サマータイム設定の有無
(6)うるう秒情報の受信の有無
(7)携帯型電子時計に設定中のモードの種類
6.実施形態及び変形例のまとめ
(1)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計(10,10’)は、時刻又は時間を表示する少なくとも1つの指針(指針21、22、23、71、72、81、82、91、92のうち少なくとも1つ)と、ユーザーの位置(位置座標)から目標地点(グリーンの位置、グリーンの手前側のエッジ、グリーンの奥側のエッジ、フェアウェイの位置、フェアウェイの手前側のエッジ、フェアウェイの奥側のエッジ、ハザードの位置、ハザードの手前側のエッジ、ハザードの奥側のエッジ、OBのエッジ、カップの位置など)までの距離を表示するように、前記指針を制御する処理部300と、を含む。
すなわち、処理部は、時刻又は時間を表示する指針を、距離の表示に兼用する。従って、携帯型電子時計は、アナログ時計の雰囲気(つまり装飾性の高さ)を壊さずに、スポーツなどにおける目的地点までの距離の表示を行うことができる(図6(C)〜図11(C)などを参照)。しかも、距離をアナログ表示できるので、距離の程度をユーザーが直感的に把握するのにも適している。
(2)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、処理部は、前記携帯型電子時計に対して所定方向(文字板の中央からベゼル32の所定部位(マーク200)へ向かう方向。)に存在する1又は複数の前記目標地点(エッジ番号n=1,2,…,nmax)までの距離を表示する。
従って、携帯型電子時計に対して所定方向に存在する1又は複数の地点までの距離を、指針を用いて表示させることができる(図12を参照)。
(3)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、所定方向は、電子時計のベゼル32の回転位置によって特定される(図15を参照)。
従って、ユーザーは、携帯型電子時計に対する方向の通知を、ベゼルの回転操作によって行うことができる。例えば、左手首に携帯型電子時計を装着した右打ちのユーザーがスイングの構え姿勢(例えばゴルフのアドレス姿勢)をしたときには、ターゲットの方向は12時の方向よりも10時の方向に近くなるため、所定方向を「10時側」としておけば、「12時の方向」とした場合よりも、距離の確認動作をする際の無駄を省けると考えられる。反対に、右手首に携帯型電子時計を装着した左打ちのユーザーがスイングの構え姿勢(例えばゴルフのアドレス姿勢)をとったときには、ターゲット方向は12時の方向よりも2時の方向に近くなるため、所定方向を「2時側」としておけば、「12時の方向」とした場合よりも、距離の確認動作をする際の無駄を省けると考えられる。
(4)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、目標地点には、ゴルフコースにおけるグリーンの位置、グリーンのエッジ、フェアウェイのエッジ、障害物(ハザード)の位置、障害物のエッジ、OBのエッジ、カップの位置、のうち少なくとも1つが含まれる。
従って、携帯型電子時計は、ゴルフコースにおけるグリーンの位置、グリーンのエッジ、フェアウェイのエッジ、障害物の位置、障害物のエッジ、OBのエッジ、カップの位置、のうち少なくとも1つまでの距離を、当該指針により表示することができる。従って、本適用例の携帯型電子時計は、ゴルフコースでの利用に好適である。
(5)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、処理部は、目標地点の種類を切り替えること、選択すること、又は設定すること(第1実施形態においてはカップ表示モード、フェアウェイエッジ表示モード、グリーンエッジ表示モード、ハザードエッジ表示モード、OBエッジ表示モード、ドッグレッグ表示モードの間で表示モードを切り替えること、第2実施形態においては複数のエッジの間で距離の表示対象となるエッジを切り替えること、選択すること、又は設定すること)が可能である。
従って、携帯型電子時計は、処理部によって設定された目標地点までの距離を、指針によって表示することができる。目的地点の種類を切り替えれば、指針の数より多い数の目標地点までの距離を、当該指針により表示することもできる。
(6)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、処理部は、距離の表示に用いられる指針(時針23、分針22)とは異なる指針(クロノグラフ秒針21など)又はカレンダー窓(カレンダー小窓15)を用いて、目標地点の種類を表示する。
従って、携帯型電子時計は、目標地点の種類の表示に、アナログ時計としての部品を兼用することができる。従って、例えば、目的地点の種類を表示するための部品等を追加しなくても表示ができるので、よりアナログ時計の外観に近い携帯型電子時計を提供できる。
(7)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、距離の表示に用いられる指針のうち少なくとも1つ(時針23、分針22)は、現在時刻の表示に用いられる指針である。
一般に、現在時刻の表示に用いられる指針は視認性が良い。従って、時刻表示用の指針(例えば、時針23、分針22)を距離の表示に兼用することで、距離の表示の視認性を良好にすることができる。
(8)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、距離の表示に用いられる指針のうち少なくとも1つ(クロノグラフ秒針21、クロノグラフ分針71、クロノグラフ時針91)は、所定時刻からの経過時間の表示に用いられる指針である。
従って、経過時間表示用の指針(クロノグラフ秒針21、クロノグラフ分針71、クロノグラフ時針91など)を距離の表示に兼用することができる。
(9)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、前記指針は、第1の指針と第2の指針と(時針23、分針22)を含み、前記処理部は、前記第1の指針を用いて前記目標地点までの距離を表示し、かつ、前記第2の指針を用いて、前記目標地点(カップ)の方向を表示する。
従って、ユーザーは、2つの指針により距離と方向との双方を確認することができる(図6を参照)。
(10)上述した実施形態又は変形例の何れかに係る携帯型電子時計において、前記指針は、第1の指針と第2の指針と(時針23、分針22)を含み、前記処理部は、前記第1の指針及び前記第2の指針を用いて、ゴルフコースにおけるフェアウェイの形状(ドッグレッグの形状)を表示する。
従って、ユーザーは、2つの指針の関係からフェアウェイのおおよその形状(ドッグレッグのおおよその形状)を視覚的に確認することができる(図11を参照)。
7.応用例など
本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した携帯型電子時計の少なくとも1部の機能は、携帯型電子時計に搭載されたコンピューター(処理部300)によるプログラムの実行(ソフトウエア)により実現されてもよいし、携帯型電子時計に搭載された回路の動作(ハードウエア)により実現されてもよい。
また、携帯型電子時計による距離表示の用途としては、ゴルフの他に、登山、スキー(クロスカントリーなど)、ランニング、自転車、ウォーキング、スイミング、ヨット、トレイルランニング、パラグライダー、犬ぞり、などが挙げられる。
例えば、用途が登山である場合は、山頂、山小屋、登山道の分岐地点など、登山における各種の目標地点までの距離を携帯型電子時計へ表示させてもよい。その場合は、コースレイアウトデータの代わりに(又はコースレイアウトデータに加えて)、山頂、山小屋など、登山における各種の目標地点のデータが記憶部に格納される。
また、携帯型電子時計は、リスト型の他、懐中時計型などの携帯型電子時計として構成することもできる。
また、携帯型電子時計は、ユーザーに対する情報の通知に指針を用いたが、指針に加えて、又は指針の代わりに、アナログ指針のイメージを表示する表示部を文字板へ設けてもよいし、文字板や日窓を液晶ディスプレイ等で構成し、各モードや時刻等を表す文字等を表示させても良い。また、ユーザーに対する情報の通知に画像、音、振動のうち少なくとも1つを併用してもよい。
また、上記の実施形態では、全地球衛星測位システムとしてGPS(Global Positioning System)を利用したが、他の全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用してもよい。例えば、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO、BeiDou(BeiDou Navigation Satellite System)、等の衛星測位システムのうち1又は2以上を利用してもよい。また、衛星測位システムの少なくとも1つにWAAS(Wide Area Augmentation System)、EGNOS(European Geostationary-Satellite Navigation Overlay Service)等の静止衛星型衛星航法補強システム(SBAS:Satellite-based Augmentation System)を利用してもよい。
また、上述した各実施形態及び各変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
また、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10、10’ 携帯型電子時計、23 時針、22 分針、21 クロノグラフ秒針、15 カレンダー小窓、32 ベゼル、200 マーク、50 リューズ、61〜24 ボタン

Claims (10)

  1. 時刻又は時間を表示する少なくとも1つの指針と、
    ユーザーの位置から目標地点までの距離を表示するように、前記指針を制御する処理部と、を含む、
    携帯型電子時計。
  2. 前記処理部は、
    前記携帯型電子時計に対して所定方向に存在する1又は複数の前記目標地点までの距離を表示する、
    請求項1に記載の携帯型電子時計。
  3. 前記所定方向は、
    前記電子時計のベゼルの回転位置によって特定される、
    請求項2に記載の携帯型電子時計。
  4. 前記目標地点には、
    ゴルフコースにおけるグリーンの位置、グリーンのエッジ、フェアウェイのエッジ、障害物の位置、障害物のエッジ、OBのエッジ、カップの位置、のうち少なくとも1つが含まれる、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の携帯型電子時計。
  5. 前記処理部は、
    前記目標地点の種類を設定することが可能である、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の携帯型電子時計。
  6. 前記処理部は、
    前記距離の表示に用いられる前記指針とは異なる指針又はカレンダー窓を用いて、前記目標地点の種類を表示する、
    請求項5に記載の携帯型電子時計。
  7. 前記距離の表示に用いられる前記指針のうち少なくとも1つは、現在時刻の表示に用いられる指針である、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の携帯型電子時計。
  8. 前記距離の表示に用いられる前記指針のうち少なくとも1つは、所定時刻からの経過時間の表示に用いられる指針である、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の携帯型電子時計。
  9. 前記指針は、第1の指針と第2の指針とを含み、
    前記処理部は、
    前記第1の指針を用いて前記目標地点までの距離を表示し、かつ、前記第2の指針を用いて、前記目標地点の方向を表示する、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の携帯型電子時計。
  10. 前記指針は、第1の指針と第2の指針とを含み、
    前記処理部は、
    前記第1の指針及び前記第2の指針を用いて、ゴルフコースにおけるフェアウェイの形状を表示する、
    請求項1〜8の何れか一項に記載の携帯型電子時計。
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