JP4075440B2 - 内燃機関のNOx浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガス中のNOxを浄化するNOx浄化装置、特に、排気系に設けた還元触媒の上流側に排気ガス還元剤の噴霧装置を配した内燃機関のNOx浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関が排出する排気ガス中のNOxはNOx浄化装置により浄化されている。例えば、ディーゼルエンジンで用いられるNOx浄化装置は排気系に選択還元するSCR触媒(NOx触媒)を有した触媒コンバータと、その上流側の尿素水供給装置とを順次配備して形成される。
このSCR触媒(NOx触媒)はその触媒担体に触媒金属、例えば酸化バナジウム(V)を担持させ、それに尿素水を還元剤として供給し、酸素過剰雰囲気下においてNOxを浄化できるようにしている。
【0003】
ここで、ユリア水は式(1)のように加水分解及び熱分解して、NH3を放出する。
(NH)2CO+HO→2NH+CO・・・・(1)
また、SCR触媒上でのNH3と窒素酸化物との間の脱硝反応は次の(2)、(3)式の反応がそれぞれ行われることが知られている。
4NH+4NO+O→4N+6HO・・・・(2)
2NH+NO+NO→2N+3HO・・・・・(3)
このようなアンモニア(又は尿素水)添加式のNOx浄化装置におけるNOx浄化率ηは、例えば、SCR触媒の温度が約350℃を上回る領域で高効率でNOxを還元処理して無害化できることが知られている。
更に、SCR触媒に吸着できるアンモニア吸着量には限界(上限値)があり、例えば、図12に示すように、限界値(実線n)は触媒温度に依存する。ここで、NOx還元剤であるアンモニアが過剰に投入(実線nの上側)されるとアンモニアスリップが生じ、環境を配慮する上で、アンモニア吸着量を限界内(実線nの下側近傍の破線との間の領域)に保持するように制御する必要があり、特に、触媒温度が急激に変化する運転域が多い車両用触媒においてはその必要性が高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなSCR触媒は暖機運転により活性化された後、各運転域に応じて式(1)〜(3)の各反応を実行し排気ガス中のNOxを浄化できる。ところが、アンモニア(又は尿素水)添加式のNOx浄化装置は、触媒温度によりNOx浄化率ηが大きく異なり、即ち、SCR触媒の温度が約350℃を上回るとほぼ高効率を保持できるが、触媒温度が所定温度(例えば、350℃)以下では大きく低下する(後述する図3参照)。このため、例えば、排気温度が200℃以下となるような低温運転域の比率が総走行距離当たりで多くなるような場合、車両のトータルのNOx排出量が大きくなることとなる。
【0005】
現在のNOx浄化装置においては、触媒温度が所定温度(例えば、350℃)以下の触媒の浄化率が低くなる低温域においての制御では、NOxの還元に寄与するアンモニア(NH)の消費量が少なくなることより、アンモニアを少なめに添加し、触媒浄化率が高くなる高温域では排出NOx量に応じた量だけの添加を行うようにして、SCR触媒からのアンモニア(NH)スリップを抑えるようなアンモニアスリップ制御をするに留まっている。このため、NOx浄化装置を備えた車両において、依然として、排気温度が200℃以下となるような低温状態での運転域が多くなるような走行を継続した場合、車両の全走行距離当たりでのNOx排出量が大きくなり、これを防止することが望まれている。
本発明は、以上のような課題に基づき、車両の全走行距離当たりでのNOx排出量を低減することができる内燃機関のNOx浄化装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明は、内燃機関の排気系に設けられアンモニアを還元剤として排気ガス中のNOxを選択還元するNOx触媒、前記NOx触媒上流の前記排気系に還元剤を供給する還元剤供給手段、前記NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータを検出又は推定する触媒温度検出手段、前記内燃機関の運転状態に応じて前記内燃機関から排出されるNOx排出量を検出又は推定するNOx排出量検出手段、前記触媒温度検出手段により検出又は推定された情報に基づいて前記NOx触媒の基準浄化率を設定する浄化率設定手段、前記NOx排出量検出手段により検出又は推定されたNOx排出量及び前記浄化率設定手段により設定された基準浄化率に基づき前記NOx触媒の下流における推定NOx放出量を演算するNOx放出量推定手段、前記内燃機関の運転状態に応じて前記NOx触媒の下流から大気に放出される目標NOx放出量を設定するNOx放出量設定手段、前記触媒温度検出手段により検出又は推定された情報に基づいて還元剤の添加量を設定する還元剤供給量設定手段、前記還元剤供給量設定手段により設定された添加量となるように前記還元剤供給手段を制御する制御手段、前記内燃機関の運転状態に応じて前記内燃機関に対する制御パラメータの基本制御値を設定するパラメータ設定手段、前記NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及び前記NOx放出量推定手段により演算された推定NOx放出量との比較結果に応じて、前記パラメータ設定手段により設定された基本制御値、及び前記還元剤供給量設定手段により設定された還元剤の添加量を補正する補正手段、を備えたことを特徴とする。
【0011】
このように、NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量(エンドガス)及びNOx放出量推定手段により演算された推定NOx放出量(エンドガス)の比較結果に応じて、パラメータ設定手段により設定された基本制御値、及び還元剤供給量設定手段により設定された還元剤の添加量を補正することにより、エンジンの全運転域において目標NOx放出量(大気へ放出されるエンドガス)となるようNOx放出量の低減が図れる。
例えば、NOx放出量推定手段によりNOx排出量及び基準浄化率に応じて演算された推定NOx放出量がエンジン運転状態に応じて設定された目標NOx放出量よりも高いレベルにあるときには、エンジンからのNOx排出量(エンジンアウト)を低減するように基本制御値を補正すると共に補正に応じて還元剤添加量を補正する。一方、NOx放出量推定手段によりNOx排出量及び基準浄化率に応じて演算された推定NOx放出量がエンジン運転状態に応じて設定された目標NOx放出量より低いレベルにあるときには、エンジンの燃費が向上するように基本制御値を補正すると共に補正(基本制御値の補正によってエンジンからのNOx排出量が増大)に応じて還元剤添加量を補正により増大したNOxをNOx触媒で効果的に浄化してNOx触媒下流へのNOx放出量(エンドガス)を低減することができる。
【0012】
請求項の発明は、内燃機関の排気系に設けられアンモニアを還元剤として排気ガス中のNOxを選択還元するNOx触媒、前記NOx触媒上流の前記排気系に還元剤を供給する還元剤供給手段、前記NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータを検出又は推定する触媒温度検出手段、前記内燃機関から排出される排気ガス流量を検出又は推定する排気ガス流量検出手段、前記内燃機関から排出される前記NOx触媒上流のNOx濃度を検出又は推定する上流NOx濃度検出手段、前記排気ガス流量検出手段及び前記上流NOx濃度検出手段により検出又は推定された各情報に基づき前記内燃機関から排出される実NOx排出量を演算する実NOx排出量演算手段、前記触媒温度検出手段により検出又は推定された情報に基づいて前記NOx触媒の基準浄化率を設定する浄化率設定手段、前記NOx排出量演算手段により演算された実NOx排出量及び前記浄化率設定手段により設定された基準浄化率に基づき前記NOx触媒の下流における推定NOx放出量を演算するNOx放出量推定手段、前記内燃機関の運転状態に応じて前記NOx触媒の下流から大気に放出される目標NOx放出量を設定するNOx放出量設定手段、前記触媒温度検出手段により検出又は推定された情報に基づいて還元剤の添加量を設定する還元剤供給量設定手段、前記還元剤供給量設定手段により設定された添加量となるように前記還元剤供給手段を制御する制御手段、前記内燃機関の運転状態に応じて前記内燃機関に対する制御パラメータの基本制御値を設定するパラメータ設定手段、前記NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及び前記NOx放出量推定手段により演算された推定NOx放出量との比較結果に応じて、前記パラメータ設定手段により設定された基本制御値、及び前記還元剤供給量設定手段により設定された還元剤の添加量を補正する第1補正手段、前記内燃機関から排出される前記NOx触媒下流のNOx濃度を検出又は推定する下流NOx濃度検出手段、前記排気ガス流量検出手段及び前記下流NOx濃度検出手段により検出又は推定された各情報に基づき前記NOx触媒の下流から大気に放出される実NOx放出量を演算する実NOx放出量演算手段、前記NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及び前記実NOx放出量演算手段により演算された実NOx放出量との比較結果に基づき前記第1補正手段により補正された補正基本制御値及び補正添加量を補正する第2補正手段、を備えたことを特徴とする。
【0013】
このように、NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及びNOx放出量推定手段により演算された推定NOx放出量の比較結果に応じて、パラメータ設定手段により設定された基本制御値、及び還元剤供給量設定手段により設定された還元剤の添加量を補正すると共に、実NOx放出量演算手段により演算された実NOx放出量及びNOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量の比較結果に応じて、補正基本制御値及び補正添加量を補正して、エンジンの全運転域においてNOx排出量(大気へ放出されるエンドガス)の低減と、燃費向上が図れる。
【0014】
例えば、NOx放出量推定手段によりNOx排出量及び基準浄化率に応じて演算された推定NOx放出量がエンジン運転状態に応じて設定された目標NOx放出量よりも高いレベルにあるときには、エンジンからのNOx排出量(エンジンアウト)を低減するように基本制御値を補正すると共に補正に応じて還元剤添加量を補正する。一方、NOx放出量推定手段によりNOx排出量及び基準浄化率に応じて演算された推定NOx放出量がエンジン運転状態に応じて設定された目標NOx放出量より低いレベルにあるときには、エンジンの燃費が向上するように基本制御値を補正すると共に補正(基本制御値の補正によってエンジンからのNOx排出量が増大)に応じて還元剤添加量を補正により増大したNOxをNOx触媒で効果的に浄化してNOx触媒下流へのNOx放出量(エンドガス)を低減することができる。
【0015】
更に、NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及び実NOx放出量演算手段により演算された実NOx放出量との比較結果に基づき、第1補正手段により補正された補正基本制御値及び補正添加量を補正することによって、エンジン制御精度及び制御応答性を向上して実NOx放出量を目標NOx放出量となるように制御してNOx放出量の低減が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態としての内燃機関のNOx浄化装置(以後単にNOx浄化装置)を図1、図2を参照して説明する。ここでのNOx浄化装置M1は、図示しない車両に搭載された多気筒ディーゼルエンジン(以後単にエンジンと記す)1の排気系2に装着される。
エンジン1はエンジン制御装置(以後、単にエンジンECUと記す)3により制御され、NOx浄化装置M1は排気ガス制御装置(以後単に排気系ECUと記す)4に制御され、エンジンECU3と排気系ECU4は制御系通信回線5によって相互通信可能に連結される。
【0017】
図1において,エンジンECU3はエンジン1のアクセルペダル踏込量θaを検出するアクセルペダル開度センサ6と、クランク角情報Δθを検出するクランク角センサ7が接続される。ここでクランク角情報ΔθはエンジンECU3においてエンジン回転数Neの導出に用いられる。更に、エンジンECU3は図示しない燃焼室に供給される吸入空気量Gaを吸気路Iのエアフローセンサ8で検出する。なお、エアフローセンサ8の吸入空気量検出に代えてエンジンECU3が、エンジン回転数Neとアクセルペダル開度θaに応じた吸気量Gaを導出しても良い。
【0018】
吸気路Iにはターボチャージャー9のコンプレッサ901が介装され、その回転軸902は後述の排気路Eに介装されるターボチャージャー9のタービン903に連結され、これにより排気過給を可能としている。吸気路Iのターボチャージャー9の下流にはインタクーラ20が設けられ、吸気冷却を行うことで、エンジンの吸気の体積効率を向上させ、出力アップを図っている。
吸気多岐管101と排気多岐管102との間にはEGR装置31が配備される。EGR装置31はEGR弁311を備えたEGR通路312で吸気多岐管101と排気多岐管102を開閉可能に連結する。エンジンECU3はEGR制御部n3として機能し、EGR信号Eheで駆動するEGR弁311の弁開度heに応じた排気ガス還流量であるEGR量の排気を排気路Eより吸気路Iに還流して、燃焼室温度を抑え、NOx排出量を低減させることができる。
【0019】
エンジンECU3はその入出力回路に多数のポートを有し、エアフローセンサ8、アクセルペダル開度センサ6、クランク角センサ7等よりの検出信号を取込み、燃料噴射系に制御信号を送出するよう機能する。
燃料噴射系は燃料圧力調整部12と、図示しない燃焼室にインジェクタVpにより燃料噴射を行う燃料調整部11とを備える。両部は燃料圧力制御部n1及び燃料制御部n2としてそれぞれ機能するエンジンECU3により制御される。
【0020】
燃料圧力調整部12は燃料噴射量調整部121を備え、これはエンジン駆動の高圧燃料ポンプ123の高圧燃料を定圧化した上でコモンレール122に供給する。燃料噴射量調整部121はエンジンECU3に接続され、その燃料圧力制御部n1の出力Dpに応じてコモンレール122内の圧力が所定圧力となるよう燃圧調整可能である。
【0021】
燃料調整部11はコモンレール122に電磁バルブVpを介して連結されたインジェクタ10により高圧燃料噴射を行うコモンレール方式を採る。電磁バルブVpはエンジンECU3に接続され、燃料制御部n2の出力D(Gf)信号に応じた燃料噴射量Gf、噴射時期θnを調整可能である。なお、電磁バルブVpとエンジンECU3の接続回線は1つのみ図示した。
【0022】
ここで燃料制御部n2はエンジン回転数Neとアクセルペダル開度θaに応じた基本燃料噴射量INJbを求め、これに水温dtや大気圧dpの各補正値を加えて燃料噴射量Gf(=INJb+dt+dp)を導出する。更に噴射時期θn(=θb+Δθ)は周知の基本噴射時期θbに運転条件に応じた補正値Δθを加えて導出される。その上で、演算された噴射時期θn及び燃料噴射量Gf相当の出力D(Gf)信号を図示しない燃料噴射用ドライバにセットし、燃料調整部11の電磁バルブVpに出力し、インジェクタ10の燃料噴射を制御している。
【0023】
上述のようにエンジンECU3は燃料圧力制御部n1、燃料制御部n2、EGR制御部n3からなるエンジン制御手段E2としての機能に加え、後述のパラメータ設定手段E1としても機能する。ここで、パラメータ設定手段E1はエンジン1の運転状態、例えば、エンジン回転数Ne、吸入空気量Ga、アクセルペダル開度θaに応じてエンジンに対する制御パラメータの基本制御値、例えば、基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、基本EGR率heを設定する。
【0024】
図1のNOx浄化装置M1は排気管21の途中に装着されたNOx触媒であるSCR触媒13とその上流の供給位置fより排気路Eにエアアシストで尿素水を供給fする還元剤供給手段である尿素水供給装置14と、尿素水供給装置14の上流側のNOx濃度Snoxfを出力する前NOxセンサ15と、SCR触媒13の温度Texを出力する触媒温度検出手段としての温度センサ16と、SCR触媒13の下流のNOx濃度Snoxrを出力する後NOxセンサ29と、制御部を成す排気系ECU4とを備える。
【0025】
SCR触媒13は排気路Eを成す排気管21の途中のNOx触媒コンバータ18に収容される。NOx触媒コンバータ18はケーシング181を備え、ケーシング181内にハニカム構造のセラミック製の触媒担体SCR触媒13のブロック表示と重なる)を備え、同触媒担体を金属網を束ねたシール材182を介してずれなく支持しており、同担体にSCR触媒13として機能するための触媒金属(例えば酸化バナジウムV等)が担持される。
SCR触媒13はアンモニア(NH3)を還元剤として排気ガス中のNOxを選択還元可能である。即ち、上述の式(1)のように尿素水は加水分解してアンモニアを生成し、これがSCR触媒13に供給される。SCR触媒13はアンモニアを還元剤として上述の(2)、(3)式の反応を主に行い、NH3と窒素酸化物との間の脱硝反応を促進することができる。
【0026】
排気管21の供給位置fの尿素水供給装置14はNOx触媒コンバータ18の上流開口側に向けて尿素水を噴霧する添加ノズル19と、添加ノズル19に接続された噴射管26と、噴射管26の上流端の高圧エアタンク22と、同タンク近傍に設けた高圧エア制御バルブ23と、高圧エア制御バルブ23より下流位置で開口する尿素水パイプ24と、尿素水パイプ24に尿素水を供給する尿素水タンク28と、尿素水パイプ24に尿素水を供給する尿素水供給部27と、これらの制御手段を成す排気系ECU4とを備える。
高圧エアタンク22は図示しないエア供給手段に接続され、これが適時に駆動することでタンク内を常時一定高圧エアに保持している。尿素水タンク28は尿素を水に溶解した一定濃度の水溶液を貯蔵しており、適時に補給されるようになっている。
【0027】
排気系ECU4はその入出力回路に多数のポートを有し、前後NOxセンサ15、29と温度センサ16等よりの検出信号を入力でき、高圧エア制御バルブ23、尿素水供給部27に制御信号を出力する。しかも、制御系通信回線5を介しエンジンECU3とデータ(後述のCTu,CTd等)の送受を可能としている。
排気系ECU4は入出力インターフェース401、記憶部402、バッテリバックアップ用の不揮発性メモリ403および中央処理部404を備え、特に、還元剤供給量設定手段A1、制御手段A2、補正手段A3として機能する。
【0028】
排気系ECU4の還元剤供給量設定手段A1は触媒温度検出手段s11(温度センサ16)により検出又は推定された情報に基づいて還元剤の添加量DNH3を設定するもので、図2に示すような演算処理を行う。
まず、図4の目標吸着量−触媒温度マップm2を用い、触媒温度Texに応じてアンモニアスリップしない範囲(実線L1以下で例えば破線L2近傍の値)のアンモニアの目標吸着量SNH3(n)を吸着量演算手段B10で求める。次いで、触媒温度Texに応じた基本NOx浄化率ηbを図3の触媒温度−浄化率マップm1を用い、浄化率設定手段B12で演算する。
【0029】
更に、NOx排出量検出手段B11で、図5のNOx排出量マップm3を用いて、エンジンから排出されるNOx排出量Unoxを演算する。ここでのエンジンNOx排出量マップm3は、等NOx排出量Unox線(右上側が排出量大、左下が小)が設定され、エンジン1の運転状態であるエンジン回転数Neとアクセルペダル開度θa(負荷)に応じたマップ値Unoxを導出する。
次いで、還元剤供給量設定手段B15(図4の目標吸着量−触媒温度マップm2を参照)において、まず、エンジンNOx排出量Unoxと基本NOx浄化率ηbから今回の消費量f(ηb×Unox)を求める。
【0030】
次いで、前回の目標吸着量SNH3(n−1)から消費量f(ηb×Unox)を減算した値β(=SNH3(n−1)−f(ηb×Unox))に今回の添加量DNH3を加算した値が、今回の目標吸着量SNH3(n)と一致するように、添加量DNH3を求める(式(4)を参照)。
NH3(n)=SNH3(n−1)+DNH3−f(ηb×Unox)・・(4)
このように還元剤供給量設定手段A1は今回のアンモニアの添加量DNH3を導出する。
制御手段A2は還元剤供給量設定手段A1により設定された添加量DNH3となるように還元剤供給手段である尿素水供給装置14を制御する。
【0031】
補正手段A3は触媒温度検出手段(温度センサ16)により検出又は推定された情報(推定及び目標NOx放出量の比較による判定値であるNOx排出量増減指令信号CTu,CTd)に基づいて、パラメータ設定手段E1により設定された基本制御値(基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、基本EGR率he)、及び還元剤供給量設定手段A1により設定された還元剤の添加量DNH3をそれぞれ補正する。ここで補正手段A3は、図2に示すような演算処理を行う。
まず、NOx排出量検出手段B11からのエンジンNOx排出量、浄化率設定手段B12からの基本NOx浄化率ηbを演算部B13(NOx放出量推定手段)で取込む。その上で、両値に基づきNOx触媒の下流における推定NOx放出量Z1nox(=Unox×(1−ηb))を演算する。
【0032】
更に、NOx放出量設定手段B14では、エンジン1の運転状態に応じてNOx触媒の下流から大気に放出される目標NOx放出量ZOnoxを設定する。ここでは目標NOx放出量ZOnoxはNOx放出量マップm4(図6参照)を予め作成し、使用することとなる。
次いで、比較判定手段B17では、NOx放出量設定手段B14により設定された目標NOx放出量ZOnox及び演算部B13(NOx放出量推定手段)により演算された推定NOx放出量Z1noxを比較する。
【0033】
ここでは、目標NOx放出量ZOnoxに対して、推定NOx放出量Z1noxが小さい場合、エンジンNOx排出量Unoxの増加が可能であることより、NOx増量指示信号CTuを出力し、推定NOx放出量Z1noxが大きい場合、エンジンNOx排出量Unoxを低減する必要があることより、NOx減量指示信号CTdを出力する。
その上で補正演算手段B18はパラメータ設定手段E1により設定された基本制御値、例えば、基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、基本EGR率he、及び、還元剤供給量設定手段A1により設定された還元剤の添加量DNH3を補正する。
【0034】
ここでNOx排出量増指令信号CTuの入力時には、基本燃料噴射量Gfを−Δgfで減量補正し、基本噴射開始時期θnを−Δθで進角補正し、EGR率heを−Δhで閉弁側に補正する。これら各補正により、NOx増を図る。同時に、添加量DNH3を+γで増量補正してNOx増加に対処することができる。
逆に、NOx排出量減指令信号CTdの入力時には、基本燃料噴射量Gfを+Δgfで増量補正し、基本噴射開始時期θnを+Δθで遅角補正し、EGR率heを+Δhで開弁側に補正する。これら各補正により、NOx減少を図る。更に、添加量DNH3を−γで減量補正し、尿素水の無駄な添加を防止する。
【0035】
次に、図1のエンジンECU3及び排気系ECU4の各制御処理を、図7乃至図9の各制御ルーチンに沿って説明する。
エンジン1の駆動時において、排気系ECU4は、エンジンキーのオンと同時に図7のメインルーチンを所定制御サイクル毎に繰り返す。ここではステップsaでキーオンを確認し、ステップsbでは、排気ガス温度Tex、エンジンECU3からの吸入空気量Ga、燃料噴射量Gf,排気量Uex、前回吸着量SNH3(n−1)、その他のデータを取込み、これら各値が適正値か否かの判断をし、正常でないと図示しない故障表示灯を駆動する。
【0036】
センサ等が正常でステップscに進むと、触媒温度Texが設定温度Th(例えば150℃)以上か否か判断し、以上(Yes)ではステップseに進み、設定温度Texが暖機温度Th未満ではステップsdに進む。触媒温度Texが低くステップsdに達すると、NOx処理能力が低いのでNOxの排出量減少を図るべく、NOx排出量減指令信号CTdをエンジンECU3に出力する。
触媒温度Texが高く、ステップseに達すると、ここでは、NOx浄化処理を行い、ステップsbにリターンする。
【0037】
NOx浄化処理では、図8のNOx浄化ルーチンを実行する。
ステップs1では排気ガス温度Texに応じた基本NOx浄化率ηbを図3のNOx浄化率演算マップm1に基づき導出し、ステップs3に達する。
ステップs2では、触媒温度Tex相当の今回の目標吸着量SNH3(n)を図4の目標吸着量演算マップm2より導出し、ステップs3に達する。
ステップs3では、図5のエンジンNOx排出量マップm3を用いエンジン回転数Neとアクセルペダル開度θa(負荷)に応じたエンジン1から排出されるマップ値Unoxを導出する。
ステップs4では、推定されたエンジンNOx排出量Unox及び基本NOx浄化率ηbに基づきアンモニアの消費量f(ηb×Unox)を導出する。
【0038】
ステップs5に達すると、前回の目標吸着量SNH3(n−1)から消費量f(ηb×Unox)を減算した値β(=SNH3(n−1)−f(ηb×Unox))に今回の添加量DNH3を加算した値が、今回の目標吸着量SNH3(n)と一致するように、添加量DNH3を求める(式(4)を参照)。
ステップs6では、推定されたエンジンNOx排出量Unox及び基本NOx浄化率ηbに基づきNOx触媒の下流における推定NOx放出量Z1nox(=Unox×(1−ηb))を演算する。更に、ステップs7では目標NOx放出量ZOnoxを図6のNOx放出量マップm4より導出する。
【0039】
次いでステップs8では導出された目標NOx放出量ZOnoxと推定NOx放出量Z1noxとを比較し、目標NOx放出量ZOnoxより推定NOx放出量Z1noxが小さい場合はステップs10に、目標NOx放出量ZOnoxより推定NOx放出量Z1noxが大きい場合はステップs9に進む。
ステップs10ではZOnox>Z1noxであることより、NOx排出量増指令信号CTu及び添加量増量補正値+γを設定し、NOx放出量を増加修正する。ここで、γ=f(ηb×CTu)である。
【0040】
逆に、ステップs9ではZOnox≦Z1noxであることより、NOx放出量を減少修正する必要があり、NOx排出量増指令信号CTu及びNOx減量補正のため添加量減量補正値−γを設定する。ここで、γ=f(ηb×CTu)である。
次いでステップs11、s12に達すると、演算された今回のアンモニアの添加量DNH3を得るに相当する尿素水の基本添加量f(DNH3)及びこれに最新の添加量増減量補正値±γを加減算し、尿素水の総添加量(f(DNH3)±γ)相当の出力DUを導出し、同出力DUで尿素水供給部27を駆動し、メインルーチンに戻る。
【0041】
一方、エンジンECU3では、図9のエンジンNOx排出量補正ルーチンを実行する。そのステップc1に達すると、エンジン回転数Ne,アクセルペダル開度θa,単位クランク角Δθ、等のエンジン運転情報を取込み、更に、排気系ECU4より、NOx排出量減指令信号CTd、あるいはNOx排出量増指令信号CTuを取込み、ステップc2に進む。ステップc2では、NOx排出量減指令信号CTdに応じて、基本燃料噴射量Gfの増量補正値+Δgf、基本噴射開始時期θnの遅角補正値+Δθ、EGR率heの開弁補正値+Δhを設定し、あるいはNOx排出量増指令信号CTuに応じて、基本燃料噴射量Gfの減量補正値−Δgf、基本噴射開始時期θnの進角補正値−Δθ、EGR率heの閉弁補正値−Δhを設定する。
【0042】
ステップc3では、基準噴射量INJbに水温や大気圧の各補正値dt,dpを加えた値を今回の増減量補正値±Δgfで補正し、今回の噴射量Gfを導出する。ステップc4では導出した噴射量Gf相当出力を燃料調整部11の図示しない噴射量ドライバーにセットして適時に噴射作動させ、ステップc5に達する。ここで、燃料噴射量を増量処理することでNOx排出量の増量処理によるエンジン出力低下防止を図り、減量することでNOx排出量の減量処理によるエンジン出力増大防止を図ることができる。
【0043】
ステップc5では基本噴射開始時期θnの今回の進角あるいは遅角補正値±Δθを取込み、ステップc6では基準進角値θbを補正値±Δθで補正し、今回の噴射時期θn(=θb+Δθ)を導出する。次いで、ステップc7では今回の噴射時期θnを図示しない噴射時期ドライバーにセットし、これに応じて燃料調整部11がインジェクタ10を噴射時期θnに駆動する。このように燃料噴射タイミングを進角処理することでNOx排出量の増量を図り、遅角することでNOx排出量の減量を図ることができる。
【0044】
ステップc8ではEGR率heの開弁、あるいは閉弁補正値±Δhを取込む。その上で、EGR率heを今回の補正値±Δhで修正し、同修正された今回のEGR率(he±Δh)相当の出力でEGR弁311を駆動する。これにより、弁開度he±Δhに応じたEGR量の排気を還流して、NOx排出量を増減させることができる。この後、ステップc9ではその他のエンジン制御処理を行い、ステップc1に戻る。
このように、排気系ECU4は触媒温度Texを設定温度Th(所定温度)と比較し、触媒温度Texが設定温度Th未満のときに、エンジンアウトでのNOx排出量減指令信号CTdをエンジンECU3に送信し、触媒温度Texが設定温度Th(所定温度)以上のときに、尿素水添加量を目標NOx放出量ZOnoxと推定NOx放出量Z1noxとの比較により増減修正する。
【0045】
触媒温度Texが高温の場合、排出されるエンドガスのNOx浄化率が高いため、この運転域のエンジンECU3はNOx排出量増指令信号CTuを入力され、基本燃料噴射量Gfを−Δgfで減量補正し、基本噴射開始時期θnを−Δθで進角補正し、EGR率heを−Δhで閉弁側に補正する。これら各補正により、燃費率が良くなるように、NOx排出量増方向の補正、即ち、燃焼室の温度上昇を図ることとなり、燃焼効率を高めて燃費率を向上することができる。
【0046】
逆に、触媒温度Texが低いときには排出されるNOxの還元処理が進まないことより、エンジンNOx排出量自体を抑える。この運転域のエンジンECU3は、NOx排出量減指令信号CTdを入力され、基本燃料噴射量Gfを+Δgfで増量補正し、基本噴射開始時期θnを+Δθで遅角補正し、EGR率heを+Δhで開弁側に補正する。これら各補正により、燃焼室の温度降下によるエンジンのNOx排出量Unoxを抑え、低温運転域であっても目標NOx放出量ZOnoxを維持することとなる。
【0047】
このように、触媒温度に応じてエンジンECU3のパラメータ設定手段E1により設定された内燃機関に対する基本制御値(基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、EGR率he)を補正(+Δgf、−Δθ、−Δh)し、還元剤供給量設定手段A1により設定された還元剤の添加量DNH3を補正(添加量増減量補正値±γ)することにより、全運転域でのエンジンの目標NOx放出量ZOnox(大気へ放出されるエンドガス)の低減が図れる。
特に、ここでは基本EGR率he(又は基本EGRバルブ開度)を低減補正値−Δhで補正することにより、燃焼速度及び燃焼温度を向上させて燃焼効率を高めて燃費率を向上することができる。なお、低減補正値−Δhは排気ガス環流を停止する全閉用の値とし、制御応答性を向上させても良い。
【0048】
図1のNOx浄化装置M1の補正演算手段B18はパラメータ設定手段E0により設定された基本制御値、例えば、基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、基本EGR率he、及び、還元剤供給量設定手段A1により設定された還元剤の添加量DNH3をNOx排出量増減指令信号CTu、CTdに応じてのみ、補正していたが、図10に示すようなノクス浄化装置M2を採用しても良い。
ここで、図10のNOx浄化装置M2は図1のNOx浄化装置M1と比較して、制御機能部の一部が相違する以外は同様の構成を多く含むことより、重複説明を簡略化あるいは略して説明する。
【0049】
図10のNOx浄化装置M2は図1のNOx浄化装置M1と同様に、エンジンECU3aと排気系ECU4aとを制御部として備え、両者は相互に信号授受を行える。
エンジンECU3aは図1の場合と同様に、燃料圧力制御部n1、燃料制御部n2、EGR制御部n3からなるエンジン制御手段Ea2としての機能に加え、後述のパラメータ設定手段Ea1として機能する。
排気系ECU4aは触媒温度検出手段s21(温度センサ16)により検出又は推定された情報に基づいて還元剤の添加量DNH3を設定する。
【0050】
上流NOx濃度検出手段s23で、上流NOx濃度Snoxfを、下流NOx濃度検出手段s29で、下流NOx濃度Snoxrをそれぞれ求める。
実NOx排出量演算手段B21は、上流NOx濃度Snoxfと、排ガス流量Uex相当の実NOx排出量Z1nox(=Snoxf×Uex)を演算する。
次いで、浄化率設定手段B22は、上流NOx濃度Snoxfと下流NOx濃度SnoxrとからNOx浄化率ηbを求める。
【0051】
NOx浄化量演算手段B23は、上流NOx濃度Snoxfと下流NOx濃度Snoxr及び排ガス流量UexからNOx触媒前後のNOx変化量、即ち、実NOx浄化量Ucnoxを演算する。
NOx放出量設定手段B24は,図11の目標NOx放出量マップm5を用い、エンジン1の運転状態である、エンジン回転数Ne、アクセルペダル開度θa(負荷)に応じてNOx触媒の下流から大気に放出される目標NOx放出量ZOnoxをマップ値として演算する。
目標NOx排出量演算手段B26は目標NOx放出量ZOnox及びNOx浄化率ηbから触媒入口、即ち、エンジンからの目標NOx排出量Z2noxを演算する。
【0052】
吸着量演算手段B20は図2の吸着量演算手段B10と同様に、図4の目標吸着量−触媒温度マップm2を用い、触媒温度Texに応じてアンモニアの目標吸着量SNH3(n)を求める。
次いで、還元剤供給量設定手段B25はNOx浄化量演算手段B23から今回のアンモニア消費量f(Ucnox)を求める。更に、前回の目標吸着量SNH3(n−1)から消費量f(Ucnox)を減算した値βに今回の添加量DNH3を加算した値が、今回の目標吸着量SNH3(n)と一致するように、添加量DNH3を求める(式(4)を参照)。
【0053】
次に、制御手段B32は図1の制御手段A2と同様に設定された添加量DNH3となるように還元剤供給手段である尿素水供給装置14を制御する。
パラメータ設定手段Ea1はエンジン1の運転状態である、エンジン回転数Ne、アクセルペダル開度θa(負荷)に応じて制御パラメータの基本制御値、例えば、基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、基本EGR率heを設定する。
比較判定手段B27は目標NOx排出量設定手段B26により設定された目標NOx排出量Z2nox及び実NOx排出量推定手段B21により演算された実NOx排出量Z1noxとの比較結果を得る。
【0054】
その上で第1補正手段B28、B28’はパラメータ設定手段Ea1により設定された基本制御値、例えば、基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、基本EGR率heを補正し、還元剤供給量設定手段B25により設定された還元剤の添加量DNH3を補正する。
ここで、NOx排出量増指令信号CTuの入力時には、基本燃料噴射量Gfを−Δgfで減量補正し、基本噴射開始時期θnを−Δθで進角補正し、EGR率heを−Δhで閉弁側に補正する。これら各補正により、排気ガス温度上昇、NOx増を図る。同時に、添加量DNH3を+γで増量補正してNOx増加に対処することができる。
【0055】
逆に、NOx排出量減指令信号CTdの入力時には、基本燃料噴射量Gfを+Δgfで増量補正し、基本噴射開始時期θnを+Δθで遅角補正し、EGR率heを+Δhで開弁側に補正する。これら各補正により、燃焼室の温度降下、NOx減少を図る。更に、添加量DNH3を−γで減量補正し、尿素水の無駄な添加を防止する。
更に、実NOx放出量演算手段B29は排気ガス流量検出手段s22及び下流NOx濃度検出手段s29により検出又は推定された下流NOx濃度Snoxrと、排ガス流量Uexを取込み、NOx触媒の下流から大気に放出される実NOx放出量Z3nox(=Snoxr×Uex)を演算する。
【0056】
比較判定手段B31は目標NOx放出量演算手段B24により設定された目標NOx放出量ZOnox及び実NOx放出量演算手段B29により演算された実NOx放出量Z3noxとの比較結果を得る。
その上で第2補正手段B30、B30’は第1補正手段B28、B28’により補正された補正基本制御値である基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、基本EGR率he及び還元剤の添加量DNH3を補正する。
ここでも第1補正手段の時と同様に、NOx排出量増指令信号CTuの入力時には、基本燃料噴射量Gfを−Δgf’で減量補正し、基本噴射開始時期θnを−Δθ’で進角補正し、EGR率heを−Δh’で閉弁側に補正する。これら各補正により、排気ガス温度上昇、NOx増を図る。同時に、添加量DNH3を+γ’で増量補正してNOx増加により的確に対処することができる。
【0057】
逆に、NOx排出量減指令信号CTdの入力時には、基本燃料噴射量Gfを−Δgf’で増量補正し、基本噴射開始時期θnを+Δθ’で遅角補正し、EGR率heを+Δh’で開弁側に補正する。これら各補正により、燃焼室の温度降下、NOx減少をより的確に図る。更に、添加量DNH3を−γ’で減量補正し、尿素水の無駄な添加を防止することができる。
なお、±Δgf’、±Δθ’、±Δh’、±γ’は第1補正手段で用いた±Δgf、±Δθ、±Δh,±γと同一値でも、異なる値としても良い。
【0058】
このように、目標NOx排出量設定手段B26により設定された目標NOx排出量Z2nox及び実NOx排出量推定手段B21により演算された実NOx排出量Z1noxの比較結果に応じて、即ち、実NOx排出量Z1noxがエンジン運転状態に応じて設定された目標NOx排出量Z2noxよりも低いレベルにあるときには、パラメータ設定手段Ea1により設定された基本制御値(基本燃料噴射量Gf、基本噴射開始時期θn、EGR率he)、及び還元剤供給量設定手段B15により設定された還元剤の添加量DNH3を補正(添加量増減量補正値±γ)して補正基本制御値及び補正添加量とすると共に、実NOx放出量演算手段B29により演算された実NOx放出量Z3nox及び目標NOx放出量設定手段B24により設定された目標NOx放出量ZOnoxの比較結果に応じて、補正基本制御値及び補正添加量を更に補正して、エンジンの全運転域においてNOx排出量(大気へ放出されるエンドガス)の低減と、燃費向上を図ることができる。
【0062】
【発明の効果】
請求項の発明は、NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及びNOx放出量推定手段により演算された推定NOx放出量の比較結果に応じて、パラメータ設定手段により設定された基本制御値、及び還元剤供給量設定手段により設定された還元剤の添加量を補正することにより、エンジンの全運転域において目標NOx放出量となるようNOx放出量の低減が図れる。
【0063】
請求項の発明は、NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及びNOx放出量推定手段により演算された推定NOx放出量の比較結果に応じて、パラメータ設定手段により設定された基本制御値、及び還元剤供給量設定手段により設定された還元剤の添加量を補正すると共に、実NOx放出量演算手段により演算された実NOx放出量及びNOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量の比較結果に応じて、補正基本制御値及び補正添加量を補正して、エンジンの全運転域においてNOx排出量の低減と、燃費向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのNOx浄化装置とこれを装着するエンジンの概略構成図である。
【図2】図1のNOx浄化装置の制御系の機能ブロック図である。
【図3】SCR触媒における触媒温度−目標浄化率マップの特性線図である。
【図4】SCR触媒における触媒温度−アンモニア吸着量マップの特性線図である。
【図5】エンジン回転数,アクセルペダル開度θa相当のNOx排出量マップの特性線図である。
【図6】排気ガス流量−NOx放出量マップの特性線図である。
【図7】図1の排気系ECUが用いるメインルーチンのフローチャートである。
【図8】図1の排気系ECUが用いるNOx浄化処理ルーチンのフローチャートである。
【図9】図1のエンジンECUが用いるエンジン制御ルーチンのフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施形態としてのNOx浄化装置の制御系の機能ブロック図である。
【図11】図10の排気系ECUが用いるエンジン回転数,アクセルペダル開度θa相当のNOx放出量マップの特性線図である。
【図12】SCR触媒における触媒温度−アンモニア吸着量の特性線図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 排気系
4 排気系ECU
13 SCR触媒(NOx触媒)
14 尿素水供給装置
16 温度センサ(触媒温度検出手段)
27 流量調整弁
Tex 触媒温度(排気ガス温度)
Th 機温度(所定温度)
A1 尿素水供給量設定手段
A2 制御手段
A3 補正手段
E1,Ea1 パラメータ設定手段
E2 エンジン制御手段
Gf 基本燃料噴射量
θn 基本噴射開始時期
he 基本EGR率
NH3 添加量
S22 排気ガス流量検出手段
S23 上流NOx濃度検出手段
S24 下流NOx濃度検出手段
B11 NOx排出量検出手段
B12 浄化率設定手段
B13 NOx放出量推定手段
B14 NOx放出量設定手段
B15 還元剤供給量設定手段
B17,B27 比較判定手段
B18 補正手段
B21 実NOx排出量演算手段
B22 浄化率演算手段
B23 NOx浄化量演算手段
B24 NOx放出量設定手段
B25 還元剤供給量設定手段
B28 第1補正手段
B29 実NOx放出量演算手段
B30 第2補正手段

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気系に設けられアンモニアを還元剤として排気ガス中のNOxを選択還元するNOx触媒、
    前記NOx触媒上流の前記排気系に還元剤を供給する還元剤供給手段、
    前記NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータを検出又は推定する触媒温度検出手段、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記内燃機関から排出されるNOx排出量を検出又は推定するNOx排出量検出手段、
    前記触媒温度検出手段により検出又は推定された情報に基づいて前記NOx触媒の基準浄化率を設定する浄化率設定手段、
    前記NOx排出量検出手段により検出又は推定されたNOx排出量及び前記浄化率設定手段により設定された基準浄化率に基づき前記NOx触媒の下流における推定NOx放出量を演算するNOx放出量推定手段、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記NOx触媒の下流から大気に放出される目標NOx放出量を設定するNOx放出量設定手段、
    前記触媒温度検出手段により検出又は推定された情報に基づいて還元剤の添加量を設定する還元剤供給量設定手段、
    前記還元剤供給量設定手段により設定された添加量となるように前記還元剤供給手段を制御する制御手段、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記内燃機関に対する制御パラメータの基本制御値を設定するパラメータ設定手段、
    前記NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及び前記NOx放出量推定手段により演算された推定NOx放出量との比較結果に応じて、前記パラメータ設定手段により設定された基本制御値、及び前記還元剤供給量設定手段により設定された還元剤の添加量を補正する補正手段、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のNOx浄化装置。
  2. 内燃機関の排気系に設けられアンモニアを還元剤として排気ガス中のNOxを選択還元するNOx触媒、
    前記NOx触媒上流の前記排気系に還元剤を供給する還元剤供給手段、
    前記NOx触媒の触媒温度又は触媒温度に相関するパラメータを検出又は推定する触媒温度検出手段、
    前記内燃機関から排出される排気ガス流量を検出又は推定する排気ガス流量検出手段、
    前記内燃機関から排出される前記NOx触媒上流のNOx濃度を検出又は推定する上流NOx濃度検出手段、
    前記排気ガス流量検出手段及び前記上流NOx濃度検出手段により検出又は推定された各情報に基づき前記内燃機関から排出される実NOx排出量を演算する実NOx排出量演算手段、
    前記触媒温度検出手段により検出又は推定された情報に基づいて前記NOx触媒の基準浄化率を設定する浄化率設定手段、
    前記NOx排出量演算手段により演算された実NOx排出量及び前記浄化率設定手段により設定された基準浄化率に基づき前記NOx触媒の下流における推定NOx放出量を演算するNOx放出量推定手段、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記NOx触媒の下流から大気に放出される目標NOx放出量を設定するNOx放出量設定手段、
    前記触媒温度検出手段により検出又は推定された情報に基づいて還元剤の添加量を設定する還元剤供給量設定手段、
    前記還元剤供給量設定手段により設定された添加量となるように前記還元剤供給手段を制御する制御手段、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記内燃機関に対する制御パラメータの基本制御値を設定するパラメータ設定手段、
    前記NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及び前記NOx放出量推定手段により演算された推定NOx放出量との比較結果に応じて、前記パラメータ設定手段により設定された基本制御値、及び前記還元剤供給量設定手段により設定された還元剤の添加量を補正する第1補正手段、
    前記内燃機関から排出される前記NOx触媒下流のNOx濃度を検出又は推定する下流NOx濃度検出手段、
    前記排気ガス流量検出手段及び前記下流NOx濃度検出手段により検出又は推定された各情報に基づき前記NOx触媒の下流から大気に放出される実NOx放出量を演算する実NOx放出量演算手段、
    前記NOx放出量設定手段により設定された目標NOx放出量及び前記実NOx放出量演算手段により演算された実NOx放出量との比較結果に基づき前記第1補正手段により補正された補正基本制御値及び補正添加量を補正する第2補正手段、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のNOx浄化装置。
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