JP4074450B2 - フィルム状印刷体の一貫印刷実装装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルム状印刷体への印刷と部品の実装を一貫工程にて行うフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来におけるフィルム状印刷体への印刷と部品の実装を一貫工程にて行うフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置においては、各処理工程においてフィルム状印刷体に対して張りをもたせるための手段が講じられていなかった。
【０００３】
このため、例えば印刷工程にあっては印刷剤の塗布が不充分になったり、塗布された印刷剤の輪郭がぼけたりすることがあり、また部品の実装工程にあっては部品の接続が不完全になったり、正規の位置からずれたりする等の事態が起こり易かった。
【０００４】
また、各工程において処理を終えた後一ピッチ宛フィルム状印刷体を送るが、これは従来は各処理ユニットの最後に位置する巻取ユニットによる巻き取りのみによって行っていた。そしてこの場合には一度に相当の長さのフィルム状印刷体を引っ張らなければならず、相当な抵抗がかかることになる。
【０００５】
このため巻取ユニットにおける巻取りリールによってフィルム状印刷体を巻き取るときにおいて強く引っ張り乍ら巻き締めることとなり、巻回したフィルム状印刷体は相当に強く巻き締められることになる。
【０００６】
そしてフィルム状印刷体を巻き取るときにおいてはこれに実装した部品が押し潰されることがないようにするために、巻回したフィルム状印刷体の各層間にその長さ方向に沿って適宜の厚味のダミーテープを介在させるが、上記の如く相当に強く巻き締められるために、時によっては巻回したフィルム状印刷体の各層間の間隔が狭まり、実装した部品が変形したり、接続部分が外れたりすることもあった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、印刷や部品の実装等の各工程において処理すべきフィルム状印刷体に適度の張りをもたせ、また各工程において処理を終えた後フィルム状印刷体を一ピッチ宛送るとき、巻取ユニットによる巻き取りに合わせて各工程の処理ユニット間に夫々配設した複数のテンション装置によって一斉に同じストロークで送るようになし、もって従来の問題点を悉く解消することができるようになしたフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置を提供せんとするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
而して本発明の要旨は、フィルム状印刷体の供給ユニットと、フィルム状印刷体に印刷を施す印刷ユニットと、印刷済のフィルム状印刷体に部品を実装する部品実装ユニットと、部品実装済のフィルム状印刷体を加熱する加熱ユニットと、部品を実装した加熱済のフィルム状印刷体の巻取ユニットとからなり、これらをフィルム状印刷体の移動方向に沿って順次配設すると共に、供給ユニット、印刷ユニット、部品実装ユニット、加熱ユニットとの各ユニットの間には、基台の上部に適宜のタイミングで昇降するように取り付けられた、カバーを有する枠形の支持台と、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の前端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられた、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するテンションクランプと、前記テンションクランプをフィルム状印刷体の移動方向の前方側に所定のストローク押し出す適宜の押し出し手段と、前記押し出し手段によって押し出されたテンションクランプを引き戻す方向に附勢する、適度の弾性を有するテンションコイルスプリングと、前記枠形の支持台の上面における前記テンションクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該テンションクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプと、前記枠形 の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の後端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられ、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着し、処理を終えたフィルム状印刷体を所定のストローク宛送り出す送りクランプと、前記送りクランプをフィルム状印刷体の移動方向に沿って所定のタイミングで且つ所定の方向に所定のストローク移動させる適宜の移動手段と、前記枠形の支持台の上面における前記送りクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該送りクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプとからなるテンション装置を配設し、また、加熱ユニットと巻取ユニットとの間には、基台の上部に適宜のタイミングで昇降するように取り付けられた、カバーを有する枠形の支持台と、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の前端側に配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプと、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の後端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられ、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着し、処理を終えたフィルム状印刷体を所定のストローク宛送り出す送りクランプと、前記送りクランプをフィルム状印刷体の移動方向に沿って所定のタイミングで且つ所定の方向に所定のストローク移動させる適宜の移動手段と、前記枠形の支持台の上面における前記送りクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該送りクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプとからなるテンション装置を配設してなることを特徴とするフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置にある。
【０００９】
また、上記構成において、テンションクランプの押し出し手段としては、枠形の支持台にフィルム状印刷体の移動方向に沿って固定したシリンダを用いることが望ましい。
【００１０】
また、上記構成において、送りクランプの移動手段としては、フィルム状印刷体の移動方向に沿って配設された螺軸と、該螺軸を螺合する螺子孔を設けた送りクランプの支持体に接続した連結板と、枠形の支持台に固定し、該螺軸を接続した駆動モータとでもって構成された移動手段を用いることが望ましい。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図１は一貫印刷実装装置全体の斜視図、図２はテンション装置のカバーを外した状態の正面図、図３は一部省略して示したテンション装置の要部の正面図、図４は一部省略して示したテンション装置の要部の平面図、図５は図３中Ａ−Ａ線拡大断面図、図６は図３中Ｂ−Ｂ線拡大断面図、図７は図５中Ｃ部分の拡大図、図８はテンション装置の配置及び作用の説明図である。
【００１２】
図中、１はフィルム状印刷体の供給ユニットであり、供給リール（図示せず。）に巻いたフィルム状印刷体を繰り出すものである。
【００１３】
２はフィルム状印刷体に印刷を施す印刷ユニットである。また、該印刷ユニット２は、スキージをもってクリーム半田等の印刷剤を塗布することによって印刷を行うスクリーン印刷装置である。
【００１４】
３、４は印刷済のフィルム状印刷体に部品を実装する部品実装ユニットである。５は部品を実装した加熱済のフィルム状印刷体を適宜の温度にて加熱する加熱ユニットである。６は巻取リール（図示せず。）により部品を実装した加熱済のフィルム状印刷体を巻き取る巻取ユニットである。
【００１５】
そして、以上の各ユニットはフィルム状印刷体の移動方向に沿って順次配設されている。
【００１６】
そしてまた、上記供給ユニット１、印刷ユニット２、部品実装ユニット３、４、加熱ユニット５との各ユニットの間には、以下の構成要素からなるテンション装置７、７を配設している。尚、該テンション装置７、７は、フィルム状印刷体に対して処理する間該フィルム状印刷体に張りをもたせると共に、処理を終えたフィルム状印刷体を自動的に所定のストローク宛送り出すものである。
【００１７】
８は枠形の支持台であり、基台９の上部に適宜のタイミングで昇降するように取り付けられている。また、１０、１０は枠形の支持台８の下部に垂設したガイド杆、１１、１１は該ガイド杆１０、１０を摺動自在に嵌合した、基台９に設けたガイドスリーブ、１２は枠形の支持台８の下部に垂設した昇降作動杆、１３は該昇降作動杆１２を摺動自在に嵌合した、基台９に設けたガイドスリーブである。また、１４は基台９に設けた、垂直方向に回転するカム、１４Ａは前記昇降作動杆１２の下端部に連結し、カム１４の回転によって垂直方向に揺動する作動杆である。
【００１８】
１５はフィルム状印刷体であり、本実施形態ではフィルム状プリント基板を示している。１６、１６は前記フィルム状印刷体１５の移動方向に沿って配設し、該フィルム状印刷体を受ける回転ロールであり、前記枠形の支持台８の上面に支持杆１７、１７をもって回転自在に軸支されている。
【００１９】
１８、１８は前記フィルム状印刷体１５の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するテンションクランプであり、上下一対の挟着体１８ａ、１８ｂとからなるものである。また、該テンションクランプ１８、１８は前記枠形の支持台８の上面におけるフィルム状印刷体１５の移動方向の前端側に配設され、且つまたフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って移動するよう取り付けられている
。
【００２０】
１９、１９は前記枠形の支持台８の上面にフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って設けたガイドレール、２０、２０は前記テンションクランプ１８、１８の支持体であり、夫々前記ガイドレール１９、１９に沿って摺動自在に取り付けられている。また、これらのテンションクランプの支持体２０、２０は、夫々垂設した連結板２１、２１と、これら連結板２１、２１を接続する連結杆２２とをもって同時に移動するようになされている。
【００２１】
２３は前記テンションクランプ１８、１８をフィルム状印刷体１５の移動方向の前方側に所定のストローク押し出すシリンダであり、前記枠形の支持台８にフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って固定されている。尚、本実施形態では該シリンダ２３のピストンロッド２３ａは前記連結杆２２に当接させ、前記テンションクランプ１８、１８を押し出した後は退入して該連結杆２２から離れるようになされている。
【００２２】
２４は適度の弾性を有するテンションコイルスプリングであり、前記シリンダ２３によって押し出されたテンションクランプ１８、１８を引き戻す方向に附勢するものである。尚、該テンションコイルスプリング２４は、本実施形態では前記連結杆２２と枠形の支持台８との間に設けている。
【００２３】
２５、２５は前記枠形の支持台８の上面における前記テンションクランプ１８、１８のフィルム状印刷体１５の移動方向の後方側に、該テンションクランプ１８、１８に近接して配設された固定クランプである。また、該固定クランプ２５、２５は夫々上下一対の挟着体２５ａ、２５ｂとからなり、前記フィルム状印刷体１５の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するものである。
【００２４】
２６、２６は夫々上下一対の挟着体２６ａ、２６ｂとからなる送りクランプであり、前記フィルム状印刷体１５の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着し、処理を終えたフィルム状印刷体を所定のストローク宛送り出すためのものである。また、該送りクランプ２６、２６は前記枠形の支持台８の上面におけるフィルム状印刷体１５の移動方向の後端側に配設され、且つまたフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って移動するよう取り付けられている。
【００２５】
２７、２７は前記枠形の支持台８の上面にフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って設けたガイドレール、２８、２８は前記送りクランプ２６、２６の支持体であり、夫々ガイドレール２７、２７に沿って摺動自在に取り付けられている。また、これらの送りクランプの支持体２８、２８は、夫々に垂設した連結板２９、２９と、これら連結板２９、２９を接続する連結杆３０及び連結板３１とをもって同時に移動するようになされている。
【００２６】
３２は前記送りクランプ２６、２６をフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って所定のタイミングで且つ所定の方向に所定のストローク移動させる螺軸である。また、該螺軸３２は、前記フィルム状印刷体１５の移動方向に沿って配設され、前記連結板３１に設けた螺子孔３３に螺合すると共に前記枠形の支持台８に固定した駆動モータ３４の回転軸に接続している。
【００２７】
３５、３５は前記枠形の支持台８の上面における前記送りクランプ２６、２６のフィルム状印刷体１５の移動方向の後方側に、該送りクランプ２６、２６に近接して配設された固定クランプである。また、該固定クランプ３５、３５は夫々上下一対の挟着体３５ａ、３５ｂとからなり、前記フィルム状印刷体１５の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するものである。また、その他３６、３６、３７、３７は夫々ストロークを規制するストッパー、３８、３８はフィルム状印刷体の浮き上がり規制杆である。
【００２８】
次に、上記テンション装置の作用について説明する。
先ず、フィルム状印刷体１５に張りをもたせる場合について説明する。図８に示す如く、先ず部品実装ユニット３を挟んだ図上右側の固定クランプ２５、３５と図上左側の固定クランプ２５、３５とがフィルム状印刷体１５を挟着する。次にこの状態において部品実装ユニット３の図上左側のテンションクランプ１８、１８をシリンダ２３によってフィルム状印刷体１５の移動方向に所定のストローク押し出す。尚、これが終わるとシリンダ２３のピストンロッドは退入する。そして押し出されたテンションクランプ１８、１８はフィルム状印刷体１５を挟着し、テンションコイルスプリング２４によって引き戻される。これによりフィルム状印刷体１５の部品実装ユニット３内における部分は長さ方向に引っ張られ、テンションコイルスプリング２４の弾性作用によって適度の張りをもたせられるものである。
【００２９】
次に、フィルム状印刷体の送りについて説明する。
前記の如くして適度の張りを持たせた状態において部品の実装が終了すると、前記張りを持たせていたテンションクランプ１８、１８が挟着を解いて元の位置に戻る。次に部品実装ユニット３の図上右側と左側の送りクランプ２６、２６が同時にフィルム状印刷体１５を挟着する。またこれと同時に部品実装ユニット３の図上右側の固定クランプ２５、３５と左側の固定クランプ２５、３５とがフィルム状印刷体１５の挟着を解く。そしてその後前記送りクランプ２６、２６が螺軸３２の作用によって移動し、フィルム状印刷体１５をそれの移動方向に所定のストローク送り出す。そしてその後前記固定クランプ２５、２５、３５、３５がフィルム状印刷体１５を再び挟着し、またこれと同時に前記送りクランプ２６、２６が挟着を解いて元の位置に戻るものである。以上によって全工程は完了するものである。
【００３０】
また、加熱ユニット５と巻取ユニット６との間には、上記テンション装置７、７とは異なるテンション装置７′が配設されている。そして、該テンション装置７′については、前記テンション装置７におけるテンションクランプ１８、１８とシリンダ２３並びにテンションコイルスプリング２４を除いた構成のものとされている。尚、その他の構成については同一であるから、詳細な説明は省略する。
【００３１】
【発明の効果】
本発明は上記の如き構成、作用であるから、印刷や部品の実装等の各工程において処理すべきフィルム状印刷体に適度の張りをもたせることができるものである。また、各工程において処理を終えた後フィルム状印刷体を一ピッチ宛送るとき、巻取ユニットによる巻き取りに合わせて各工程の処理ユニット間に夫々配設した複数のテンション装置によって一斉に同じストロークで送るようになしたものである。もって従来における問題点を悉く解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る一貫印刷実装装置の全体の斜視図である。
【図２】 テンション装置のカバーを外した状態の正面図である。
【図３】 一部省略して示したテンション装置の要部の正面図である。
【図４】 一部省略して示したテンション装置の要部の平面図である。
【図５】 図３中Ａ−Ａ線拡大断面図である。
【図６】 図３中Ｂ−Ｂ線拡大断面図である。
【図７】 図５中Ｃ部分の拡大図である。
【図８】 テンション装置の配置及び作用の説明図である。
【符号の説明】
１ 供給ユニット
２ 印刷ユニット
３、４ 部品実装ユニット
５ 加熱ユニット
６ 巻取ユニット
７、７´ テンション装置
８ 枠形の支持台
９ 基台
１５ フィルム状印刷体
１８、１８ テンションクランプ
１９、１９ ガイドレール
２０、２０ テンションクランプの支持体
２３ シリンダ
２４ テンションコイルスプリング
２５、２５ 固定クランプ
２６、２６ 送りクランプ
２７、２７ ガイドレール
２８、２８ 送りクランプの支持体
３２ 螺軸
３４ 駆動モータ
３５、３５ 固定クランプ
【発明の属する技術分野】
本発明はフィルム状印刷体への印刷と部品の実装を一貫工程にて行うフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来におけるフィルム状印刷体への印刷と部品の実装を一貫工程にて行うフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置においては、各処理工程においてフィルム状印刷体に対して張りをもたせるための手段が講じられていなかった。
【０００３】
このため、例えば印刷工程にあっては印刷剤の塗布が不充分になったり、塗布された印刷剤の輪郭がぼけたりすることがあり、また部品の実装工程にあっては部品の接続が不完全になったり、正規の位置からずれたりする等の事態が起こり易かった。
【０００４】
また、各工程において処理を終えた後一ピッチ宛フィルム状印刷体を送るが、これは従来は各処理ユニットの最後に位置する巻取ユニットによる巻き取りのみによって行っていた。そしてこの場合には一度に相当の長さのフィルム状印刷体を引っ張らなければならず、相当な抵抗がかかることになる。
【０００５】
このため巻取ユニットにおける巻取りリールによってフィルム状印刷体を巻き取るときにおいて強く引っ張り乍ら巻き締めることとなり、巻回したフィルム状印刷体は相当に強く巻き締められることになる。
【０００６】
そしてフィルム状印刷体を巻き取るときにおいてはこれに実装した部品が押し潰されることがないようにするために、巻回したフィルム状印刷体の各層間にその長さ方向に沿って適宜の厚味のダミーテープを介在させるが、上記の如く相当に強く巻き締められるために、時によっては巻回したフィルム状印刷体の各層間の間隔が狭まり、実装した部品が変形したり、接続部分が外れたりすることもあった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、印刷や部品の実装等の各工程において処理すべきフィルム状印刷体に適度の張りをもたせ、また各工程において処理を終えた後フィルム状印刷体を一ピッチ宛送るとき、巻取ユニットによる巻き取りに合わせて各工程の処理ユニット間に夫々配設した複数のテンション装置によって一斉に同じストロークで送るようになし、もって従来の問題点を悉く解消することができるようになしたフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置を提供せんとするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
而して本発明の要旨は、フィルム状印刷体の供給ユニットと、フィルム状印刷体に印刷を施す印刷ユニットと、印刷済のフィルム状印刷体に部品を実装する部品実装ユニットと、部品実装済のフィルム状印刷体を加熱する加熱ユニットと、部品を実装した加熱済のフィルム状印刷体の巻取ユニットとからなり、これらをフィルム状印刷体の移動方向に沿って順次配設すると共に、供給ユニット、印刷ユニット、部品実装ユニット、加熱ユニットとの各ユニットの間には、基台の上部に適宜のタイミングで昇降するように取り付けられた、カバーを有する枠形の支持台と、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の前端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられた、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するテンションクランプと、前記テンションクランプをフィルム状印刷体の移動方向の前方側に所定のストローク押し出す適宜の押し出し手段と、前記押し出し手段によって押し出されたテンションクランプを引き戻す方向に附勢する、適度の弾性を有するテンションコイルスプリングと、前記枠形の支持台の上面における前記テンションクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該テンションクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプと、前記枠形 の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の後端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられ、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着し、処理を終えたフィルム状印刷体を所定のストローク宛送り出す送りクランプと、前記送りクランプをフィルム状印刷体の移動方向に沿って所定のタイミングで且つ所定の方向に所定のストローク移動させる適宜の移動手段と、前記枠形の支持台の上面における前記送りクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該送りクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプとからなるテンション装置を配設し、また、加熱ユニットと巻取ユニットとの間には、基台の上部に適宜のタイミングで昇降するように取り付けられた、カバーを有する枠形の支持台と、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の前端側に配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプと、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の後端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられ、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着し、処理を終えたフィルム状印刷体を所定のストローク宛送り出す送りクランプと、前記送りクランプをフィルム状印刷体の移動方向に沿って所定のタイミングで且つ所定の方向に所定のストローク移動させる適宜の移動手段と、前記枠形の支持台の上面における前記送りクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該送りクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプとからなるテンション装置を配設してなることを特徴とするフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置にある。
【０００９】
また、上記構成において、テンションクランプの押し出し手段としては、枠形の支持台にフィルム状印刷体の移動方向に沿って固定したシリンダを用いることが望ましい。
【００１０】
また、上記構成において、送りクランプの移動手段としては、フィルム状印刷体の移動方向に沿って配設された螺軸と、該螺軸を螺合する螺子孔を設けた送りクランプの支持体に接続した連結板と、枠形の支持台に固定し、該螺軸を接続した駆動モータとでもって構成された移動手段を用いることが望ましい。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図１は一貫印刷実装装置全体の斜視図、図２はテンション装置のカバーを外した状態の正面図、図３は一部省略して示したテンション装置の要部の正面図、図４は一部省略して示したテンション装置の要部の平面図、図５は図３中Ａ−Ａ線拡大断面図、図６は図３中Ｂ−Ｂ線拡大断面図、図７は図５中Ｃ部分の拡大図、図８はテンション装置の配置及び作用の説明図である。
【００１２】
図中、１はフィルム状印刷体の供給ユニットであり、供給リール（図示せず。）に巻いたフィルム状印刷体を繰り出すものである。
【００１３】
２はフィルム状印刷体に印刷を施す印刷ユニットである。また、該印刷ユニット２は、スキージをもってクリーム半田等の印刷剤を塗布することによって印刷を行うスクリーン印刷装置である。
【００１４】
３、４は印刷済のフィルム状印刷体に部品を実装する部品実装ユニットである。５は部品を実装した加熱済のフィルム状印刷体を適宜の温度にて加熱する加熱ユニットである。６は巻取リール（図示せず。）により部品を実装した加熱済のフィルム状印刷体を巻き取る巻取ユニットである。
【００１５】
そして、以上の各ユニットはフィルム状印刷体の移動方向に沿って順次配設されている。
【００１６】
そしてまた、上記供給ユニット１、印刷ユニット２、部品実装ユニット３、４、加熱ユニット５との各ユニットの間には、以下の構成要素からなるテンション装置７、７を配設している。尚、該テンション装置７、７は、フィルム状印刷体に対して処理する間該フィルム状印刷体に張りをもたせると共に、処理を終えたフィルム状印刷体を自動的に所定のストローク宛送り出すものである。
【００１７】
８は枠形の支持台であり、基台９の上部に適宜のタイミングで昇降するように取り付けられている。また、１０、１０は枠形の支持台８の下部に垂設したガイド杆、１１、１１は該ガイド杆１０、１０を摺動自在に嵌合した、基台９に設けたガイドスリーブ、１２は枠形の支持台８の下部に垂設した昇降作動杆、１３は該昇降作動杆１２を摺動自在に嵌合した、基台９に設けたガイドスリーブである。また、１４は基台９に設けた、垂直方向に回転するカム、１４Ａは前記昇降作動杆１２の下端部に連結し、カム１４の回転によって垂直方向に揺動する作動杆である。
【００１８】
１５はフィルム状印刷体であり、本実施形態ではフィルム状プリント基板を示している。１６、１６は前記フィルム状印刷体１５の移動方向に沿って配設し、該フィルム状印刷体を受ける回転ロールであり、前記枠形の支持台８の上面に支持杆１７、１７をもって回転自在に軸支されている。
【００１９】
１８、１８は前記フィルム状印刷体１５の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するテンションクランプであり、上下一対の挟着体１８ａ、１８ｂとからなるものである。また、該テンションクランプ１８、１８は前記枠形の支持台８の上面におけるフィルム状印刷体１５の移動方向の前端側に配設され、且つまたフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って移動するよう取り付けられている
。
【００２０】
１９、１９は前記枠形の支持台８の上面にフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って設けたガイドレール、２０、２０は前記テンションクランプ１８、１８の支持体であり、夫々前記ガイドレール１９、１９に沿って摺動自在に取り付けられている。また、これらのテンションクランプの支持体２０、２０は、夫々垂設した連結板２１、２１と、これら連結板２１、２１を接続する連結杆２２とをもって同時に移動するようになされている。
【００２１】
２３は前記テンションクランプ１８、１８をフィルム状印刷体１５の移動方向の前方側に所定のストローク押し出すシリンダであり、前記枠形の支持台８にフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って固定されている。尚、本実施形態では該シリンダ２３のピストンロッド２３ａは前記連結杆２２に当接させ、前記テンションクランプ１８、１８を押し出した後は退入して該連結杆２２から離れるようになされている。
【００２２】
２４は適度の弾性を有するテンションコイルスプリングであり、前記シリンダ２３によって押し出されたテンションクランプ１８、１８を引き戻す方向に附勢するものである。尚、該テンションコイルスプリング２４は、本実施形態では前記連結杆２２と枠形の支持台８との間に設けている。
【００２３】
２５、２５は前記枠形の支持台８の上面における前記テンションクランプ１８、１８のフィルム状印刷体１５の移動方向の後方側に、該テンションクランプ１８、１８に近接して配設された固定クランプである。また、該固定クランプ２５、２５は夫々上下一対の挟着体２５ａ、２５ｂとからなり、前記フィルム状印刷体１５の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するものである。
【００２４】
２６、２６は夫々上下一対の挟着体２６ａ、２６ｂとからなる送りクランプであり、前記フィルム状印刷体１５の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着し、処理を終えたフィルム状印刷体を所定のストローク宛送り出すためのものである。また、該送りクランプ２６、２６は前記枠形の支持台８の上面におけるフィルム状印刷体１５の移動方向の後端側に配設され、且つまたフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って移動するよう取り付けられている。
【００２５】
２７、２７は前記枠形の支持台８の上面にフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って設けたガイドレール、２８、２８は前記送りクランプ２６、２６の支持体であり、夫々ガイドレール２７、２７に沿って摺動自在に取り付けられている。また、これらの送りクランプの支持体２８、２８は、夫々に垂設した連結板２９、２９と、これら連結板２９、２９を接続する連結杆３０及び連結板３１とをもって同時に移動するようになされている。
【００２６】
３２は前記送りクランプ２６、２６をフィルム状印刷体１５の移動方向に沿って所定のタイミングで且つ所定の方向に所定のストローク移動させる螺軸である。また、該螺軸３２は、前記フィルム状印刷体１５の移動方向に沿って配設され、前記連結板３１に設けた螺子孔３３に螺合すると共に前記枠形の支持台８に固定した駆動モータ３４の回転軸に接続している。
【００２７】
３５、３５は前記枠形の支持台８の上面における前記送りクランプ２６、２６のフィルム状印刷体１５の移動方向の後方側に、該送りクランプ２６、２６に近接して配設された固定クランプである。また、該固定クランプ３５、３５は夫々上下一対の挟着体３５ａ、３５ｂとからなり、前記フィルム状印刷体１５の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するものである。また、その他３６、３６、３７、３７は夫々ストロークを規制するストッパー、３８、３８はフィルム状印刷体の浮き上がり規制杆である。
【００２８】
次に、上記テンション装置の作用について説明する。
先ず、フィルム状印刷体１５に張りをもたせる場合について説明する。図８に示す如く、先ず部品実装ユニット３を挟んだ図上右側の固定クランプ２５、３５と図上左側の固定クランプ２５、３５とがフィルム状印刷体１５を挟着する。次にこの状態において部品実装ユニット３の図上左側のテンションクランプ１８、１８をシリンダ２３によってフィルム状印刷体１５の移動方向に所定のストローク押し出す。尚、これが終わるとシリンダ２３のピストンロッドは退入する。そして押し出されたテンションクランプ１８、１８はフィルム状印刷体１５を挟着し、テンションコイルスプリング２４によって引き戻される。これによりフィルム状印刷体１５の部品実装ユニット３内における部分は長さ方向に引っ張られ、テンションコイルスプリング２４の弾性作用によって適度の張りをもたせられるものである。
【００２９】
次に、フィルム状印刷体の送りについて説明する。
前記の如くして適度の張りを持たせた状態において部品の実装が終了すると、前記張りを持たせていたテンションクランプ１８、１８が挟着を解いて元の位置に戻る。次に部品実装ユニット３の図上右側と左側の送りクランプ２６、２６が同時にフィルム状印刷体１５を挟着する。またこれと同時に部品実装ユニット３の図上右側の固定クランプ２５、３５と左側の固定クランプ２５、３５とがフィルム状印刷体１５の挟着を解く。そしてその後前記送りクランプ２６、２６が螺軸３２の作用によって移動し、フィルム状印刷体１５をそれの移動方向に所定のストローク送り出す。そしてその後前記固定クランプ２５、２５、３５、３５がフィルム状印刷体１５を再び挟着し、またこれと同時に前記送りクランプ２６、２６が挟着を解いて元の位置に戻るものである。以上によって全工程は完了するものである。
【００３０】
また、加熱ユニット５と巻取ユニット６との間には、上記テンション装置７、７とは異なるテンション装置７′が配設されている。そして、該テンション装置７′については、前記テンション装置７におけるテンションクランプ１８、１８とシリンダ２３並びにテンションコイルスプリング２４を除いた構成のものとされている。尚、その他の構成については同一であるから、詳細な説明は省略する。
【００３１】
【発明の効果】
本発明は上記の如き構成、作用であるから、印刷や部品の実装等の各工程において処理すべきフィルム状印刷体に適度の張りをもたせることができるものである。また、各工程において処理を終えた後フィルム状印刷体を一ピッチ宛送るとき、巻取ユニットによる巻き取りに合わせて各工程の処理ユニット間に夫々配設した複数のテンション装置によって一斉に同じストロークで送るようになしたものである。もって従来における問題点を悉く解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る一貫印刷実装装置の全体の斜視図である。
【図２】 テンション装置のカバーを外した状態の正面図である。
【図３】 一部省略して示したテンション装置の要部の正面図である。
【図４】 一部省略して示したテンション装置の要部の平面図である。
【図５】 図３中Ａ−Ａ線拡大断面図である。
【図６】 図３中Ｂ−Ｂ線拡大断面図である。
【図７】 図５中Ｃ部分の拡大図である。
【図８】 テンション装置の配置及び作用の説明図である。
【符号の説明】
１ 供給ユニット
２ 印刷ユニット
３、４ 部品実装ユニット
５ 加熱ユニット
６ 巻取ユニット
７、７´ テンション装置
８ 枠形の支持台
９ 基台
１５ フィルム状印刷体
１８、１８ テンションクランプ
１９、１９ ガイドレール
２０、２０ テンションクランプの支持体
２３ シリンダ
２４ テンションコイルスプリング
２５、２５ 固定クランプ
２６、２６ 送りクランプ
２７、２７ ガイドレール
２８、２８ 送りクランプの支持体
３２ 螺軸
３４ 駆動モータ
３５、３５ 固定クランプ
Claims (3)
- フィルム状印刷体の供給ユニットと、フィルム状印刷体に印刷を施す印刷ユニットと、印刷済のフィルム状印刷体に部品を実装する部品実装ユニットと、部品実装済のフィルム状印刷体を加熱する加熱ユニットと、部品を実装した加熱済のフィルム状印刷体の巻取ユニットとからなり、これらをフィルム状印刷体の移動方向に沿って順次配設すると共に、供給ユニット、印刷ユニット、部品実装ユニット、加熱ユニットとの各ユニットの間には、基台の上部に適宜のタイミングで昇降するように取り付けられた、カバーを有する枠形の支持台と、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の前端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられた、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着するテンションクランプと、前記テンションクランプをフィルム状印刷体の移動方向の前方側に所定のストローク押し出す適宜の押し出し手段と、前記押し出し手段によって押し出されたテンションクランプを引き戻す方向に附勢する、適度の弾性を有するテンションコイルスプリングと、前記枠形の支持台の上面における前記テンションクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該テンションクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプと、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の後端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられ、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着し、処理を終えたフィルム状印刷体を所定のストローク宛送り出す送りクランプと、前記送りクランプをフィルム状印刷体の移動方向に沿って所定のタイミングで且つ所定の方向に所定のストローク移動させる適宜の移動手段と、前記枠形の支持台の上面における前記送りクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該送りクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプとからなるテンション装置を配設し、また、加熱ユニットと巻取ユニットとの間には、基台の上部に適宜のタイミングで昇降するように取り付けられた、カバーを有する枠形の支持台と、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の前端側に配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプと、前記枠形の支持台の上面におけるフィルム状印刷体の移動方向の後端側に配設されると共にフィルム状印刷体の移動方向に沿って移動するよう取り付けられ、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着し、処理を終えたフィルム状印刷体を所定のストローク宛送り出す送りクランプと、前記送りクランプをフィルム状印刷体の移動方向に沿って所定のタイミングで且つ所定の方向に所定のストローク移動させる適宜の移動手段と、前記枠形の支持台の上面における前記送りクランプのフィルム状印刷体の移動方向の後方側に、該送りクランプに近接して配設された、フィルム状印刷体の幅方向の両端部を夫々適宜のタイミングで挟着する固定クランプとからなるテンション装置を配設してなることを特徴とするフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置。
- テンションクランプの押し出し手段が枠形の支持台にフィルム状印刷体の移動方向に沿って固定したシリンダである請求項１記載のフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置。
- 送りクランプの移動手段が、フィルム状印刷体の移動方向に沿って配設された螺軸と、該螺軸を螺合する螺子孔を設けた送りクランプの支持体に接続した連結板と、枠形の支持台に固定し、該螺軸を接続した駆動モータとでもって構成された移動手段である請求項１又は２記載のフィルム状印刷体の一貫印刷実装装置。
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