JP4073763B2 - 既設の鉄道軌道の改修工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、締め固め作業を施した鉄道を建設する路盤に、バラストを所定の高さに路盤の延長方向に敷設し、その上に枕木を所定の間隔をおいて配列し、その枕木の両側上にレールを平行に敷設固定した既設の鉄道軌道の改修工法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
前記した鉄道軌道は、レール上を走行する列車の荷重により、路盤上に敷設されたバラストを砕いたり、或はバラストをずらしたり、更には、バラストと共に鉄道軌道を建設した路盤を沈下させたりして枕木やレールのバランスを狂わせる。この枕木やレールのバランスを復元するために、これまでバラストを補充する手段を講じて枕木やレールのバランスを復元する鉄道軌道の保線作業がなされていた。
【0003】
これに対し、最近では、締め固め作業を施した路盤上に敷設された軌道をバラストと共に取り除き、図3に示すように前記した路盤11の上にコンクリート、アスファルト、その他の材料を以て基礎床12を敷設する工事を施し、その基礎床12上にコンクリート枠13を構築して、コンクリート枠13内に緩衝材14を敷設し、緩衝材14を介在させて、直結軌道方式のブロック15を配列し、その上にレール16を敷設する工法が採用されるようになった。
また、上記した手段とは別の強化手段として、図示しないが、前記したバラストの強化手段として、枕木とともに、これに固定されたレールを撤去し、軌道巾に見合うバラストを軌道敷設方向に掘り起こし、その掘り起こした個所にグラスマット、シート等を枕木を配列する方向に沿って敷設し、その内側にバラストを敷設した後、枕木を配列し、枕木をバラストと共に前記グラスマット、シート等で囲んだ後、その囲みの内側にセメントミルクを流し込んで、枕木をバラストと共に固めたコンクリート盤とし、枕木にレールを敷設固定し、これによってバラストの破砕を防止し、バラストのずれを防止し、枕木やレールのバランスの狂いの生じるのを阻止しようとする工法が開発され、実際に実施されている。
これらの工法は、いずれも枕木、レールのバランスの狂いを阻止するためには、まず路盤の基礎地盤を強化しなければならないことを無視して、鉄道軌道を強化しようとする考え方である。
【0004】
ところで、鉄道軌道にかかる走行列車の荷重は、鉄道軌道を構成する枕木に平均してかかるのではなく、レールを固定した枕木の両側の上にかかるのである。換言すれば、枕木の中央部よりは、レールを固定する両側により大きな荷重がかかるのである。即ち、枕木の中央部より、枕木の両側に地盤沈下現象を来すことになる。
従って、枕木の中央部よりは、両側により大きな荷重がかかり、枕木の中央より枕木の両側に極端なバラストの破砕や、バラストのずれが生じ、ひいては、コンクリート盤、基礎床の亀裂を生じることになる。
【0005】
それだけでなく、鉄道を建設した路盤は、全長にわたり、同一の性質をもった地盤の上に建設されているものではなく、場所によっては軟弱地盤上に建設されているところもあり、また、締め固め作業を行った路盤も建設個所によって、経時的に変化し、地盤沈下現象が生じやすくなっている個所が出来る。
【0006】
これらのことを考慮に入れないままで前記補修施行を施した鉄道軌道は、現実には、路盤上に敷設した基礎床に亀裂が生じ、セメントミルクをバラスト中に流し込んで枕木とバラストを固めた工事を施したコンクリート盤に亀裂を生じ、その復元は不可能となると言う不都合を生じ、その対策に苦慮していると言うのが実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術の項に説明したように、現在行われている鉄道軌道の改修工法は、いずれも、改修工事を施工するに当り、まず、路盤に敷設された軌道を取り除く作業を行った後、それぞれの工法に従った作業を行わなければならない。
従って、前記工法に従った工事は大掛かりな工事となってしまう。
しかも、前記した工法は、鉄道を建設した路盤の基礎地盤は、路盤建設の条件を満たしたと言う前提で、地盤について配慮されないまま工事が施工されるところから、改修工事を施工した後に、従来技術の項で説明したような不都合を生じる。
【0008】
本発明は、現在行われている鉄道軌道の改修工法の前記した不都合を解消するため、本発明者が開発したノズルビットを備えた小規模な装置を以て、鉄道を建設した路盤、バラスト、枕木に固定されたレールから成る軌道をそのままの状態で、路盤を建設した地盤の強化とともに、軌道の重圧を受けた状態で路盤に敷設されていて、そのままの状態ではセメントミルクの注入が難しいとされているバラストにセメントミルクを注入し、バラストと軌道を固定した枕木を一体化して鉄道軌道の強化をはかり、バラスト軌道整備の省力化の改修工法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
掘削装置のロッドに取り付けるノズルビットの噴射孔の開口を、地中に差し込む方向に対して斜め下向き角θ1とし、且つ、回転方向に対して進み角方向に進み角θ2として所望の数を穿設して成るノズルビットを用いて、締め固め作業を施した鉄道を建設する路盤の延長方向に、バラストを所定の高さにに敷設するとともに、その延長上に枕木を所定の間隔をおいて配列し、その枕木の両側上にレールを平行に敷設固定した既設の鉄道軌道の、前記枕木の両側に沿って、路盤下の地中の所定の深さまで差し込んで高速回転させながら透水性セメントミルクを前記したノズルビットの噴射孔から噴射させて最初の透水性傘型円盤状構造物を造形した後、前記ノズルビットを所定の深さまで引き抜きながら前記透水性傘型円盤状構造物を造形する時とでは回転速度とセメントミルク供給量を加減した操作を行ってセメントミルクを噴射して、最初に造形した透水性傘型円盤状構造物と次に造形する透水性傘型円盤状構造物を造形する個所である所定の深さまで引き抜いた位置に達するまでの引き抜き穴に柱を造形し、該柱を造形した後、前記した最初の透水性傘型円盤状構造物を造形するのと同じ操作を行って二段目の透水性傘型円盤状構造物を造形し、これを造形した後、前記操作を所望の回数だけ繰り返して前記透水性傘型円盤状構造物を多段状に貫通して杭を構築した後、前記路盤に敷設したバラスト中で透水性傘型円盤状構造物を造形すると同様の操作を行って、バラストの隙間の中に透水性セメントミルクを圧入し、バラストに圧入したセメントミルクによってバラストとレールを敷設固定した枕木を一体に固めた基礎床を順次鉄道軌道方向に構築する既設の鉄道軌道の改修工法。
【0010】
【実施例】
本発明は、基本的には、先に地盤の安定化を実現するための工法として本発明者が先に開発した特公平4−72925号公報に記載された特許第1784926号の発明(以下特許発明と言う)を実施するために開発したノズルビットを活用する発明である。
【0011】
本発明を実施するために活用する前記した特許発明の概要を説明する。
前記した特許発明を実施するために用いるノズルビット1の構成は、図1(a)、(b)に示す特殊構造から成っている。
そのノズルビット1の具体的構造は、前記した特許発明の公報にセメントミルクの噴射力を強力なものとするため「本発明の構造物を形成するためのノズルビット1は、セメントミルクの噴出力を十分に発揮し、セメントミルクの地中での噴出時に、土砂の切り裂き機能と同時に切り裂き個所に十分なセメントミルクを強制圧入して傘型円盤状構造物を形成し、そのときのセメントミルク圧入力を十分活用して、傘型円盤状構造物の面側に割裂脈現象を呈するに十分な圧力供給ができるようにしたもので、その構造は、第1図に示すように、噴出孔10を有するものであって、この噴出孔10は垂直方向に対して下向きに角θ1に、かつ回転方向に対して進み角θ2をもつものである。」と言う構成から成っていると記載されている。
【0012】
前記構成のノズルビット1を用いて前記特許発明による地盤の安定化をはかる工法は次のようにして行う。
まず、前記した構成のノズルビット1をノズルビットを地中に差し込む機能を備え、且つ、該ノズルビットを地中で高速回転する機能を備えて成る制御機構と、セメントミルクをノズルビット1に圧送供給する制御機構を配した従来型の装置(図示しない)のロッドに従来どうりに装着する。該装置を稼働して地中に前記構成のノズルビット1を従来どうり所定の深さまで差し込む。
その差し込み位置で従来どうりにノズルビット1を高速回転させながらノズルビット1に透水性剤を混入したセメントミルク(以下単に透水性セメントミルクと略称する)を継続して圧送する。圧送された透水性セメントミルクを前記ノズルビット1の前記噴射孔10から継続噴射させる。
この透水性セメントミルクは、前記ノズルビット1によって地中に造形する透水性の傘型円盤状構造物を造るセメントミルクである。
そのノズルビットを以て行なうセメントミルクの注入量については、建築基礎を構築する個所の地層構造によって異なるが、土の含水比、地中に形成する傘型円盤状構造物の形成間隙率等が注入量を決める目安となる。
【0013】
このノズルビット1を以て、地中に傘型構造物を構築する手順を説明する。このノズルビット1の噴射孔10は上記した構造となっているから、地中で高速回転させながら継続して圧送される透水性剤を混入したセメントミルクは、斜め下向きの傾斜角θ1をもち、且つ、回転方向に対して進み角θ2を以て形成された噴射孔10から強力に噴射される。このノズルビット1は前記の構造となってるからその噴射力を強力な噴射力を発揮して透水性セメントミルクを円錐形状に噴射することになる。この強力な噴射力によって地中の地盤を円錐形状に切り裂きながらその切り裂き個所に透水性セメントミルクを圧入する。円錐形状に切り裂かれた個所に圧入した透水性セメントミルクは、透水性セメントミルクの圧入個所の土を圧密し、且つ、地中の土を混練した透水性の傘型円盤状構造物を地中に造形することになる。
【0014】
前記した操作によって造形される透水性の傘型円盤状構造物は、次のような構造物として造形される。即ち、前記したノズルビット1から噴射される透水性セメントミルクは、透水性の傘型円盤状構造物に造形される過程で、切り裂いた地中の土を透水性の傘型円盤状構造物の内側に抱え込むと言う機能を発揮する。
上記操作によって、地中に造形された透水性の傘型円盤状構造物の内側に抱え込まれる土は、その透水性の傘型円盤状構造物を構築する周囲の地質をみださず、そのままの地質状態を維持して必然的に圧縮されて透水性を保持した状態で前記した透水性の傘型円盤状構造物の内側に抱え込まれることとなる。
【0015】
前記した透水性の傘型円盤状構造物を地中の所定の深さ位置に造形した後、ノズルビット1に圧送する透水性セメントミルクの供給量、ノズルビット1の回転速度を加減した状態で、或いはノズルビット1の回転を止めた状態で透水性セメントミルクを噴射し、前記透水性セメントミルクをノズルビット1の差し込み穴に充填しながら前記ノズルビット1を地中の所定の位置まで引き上げる。
【0016】
ノズルビット1を地中の所定の位置まで引上げた後、その引上げ操作を停止して、その停止位置で更に前記した透水性の傘型円盤状構造物を造形する操作を再開する。
【0017】
前記した作業を複数回繰り返すことによって、地中に透水性の傘型円盤状構造物を多段状に配し、且つ、これらを透水性構造の柱で貫通し、多段状に配した傘型円盤状構造物と傘型円盤状構造物との間の土も圧密した状態の透水性構造の杭(以下前記した構造体を単に杭と言う)が構築される。
【0018】
前記した杭は、前記した構造として構築されたものであるから、これまで、軟弱地盤を改良するため、地中に打ち込んだコンクリート杭、地中に形成されるコンクリート柱、砂柱の耐荷重機能の比ではない。また、これまでの軟弱地盤に改良に採用されていたコンクリート杭、コンクリート柱、砂柱を作る工法では達成できなかった鉄道を建設するときの耐走行荷重対策についても、前記特許発明を実施して構築した杭は抜群の走行耐荷重機能を発揮することがわかった。
【0019】
本発明者が、従来の杭打ち工法に代えて地盤沈下を防止する作業を前記特許発明を実施して行なった実績を示す。その作業は、1日平均約5分間隔で、平均約8輌近くの車輌を連結して、時速約80〜100Kmの速度で運行する鉄道の船橋〜千葉間で、透水性の壁を一体形成した透水性の傘型円盤状構造物を4段重ねのものとした杭の造形作業を深夜の列車運休時間帯の1〜3時間の間に行なった。その際使用した透水性剤を混入した、速硬性セメントミルクは約8400リットルである。透水性壁を一体形成した傘型円盤状構造物の一つを造るのに70リットル使用した。前記した杭は、鉄道線路のレールに沿って平列に1メートル間隔で15メートルの距離間で造形する作業を行なった。
【0020】
従来工法によって地中に打ち込んだコンクリート杭は、打ち込んだコンクリート杭の周囲の土は地質をみださずに、その土を抱え込んで圧縮して強化した地盤とすることはできないのは当然である。これに対して上記特許発明を実施した工法を施工して地中に多段構造の傘型円盤状構造物をもつ杭は、その杭に造形した多段構造のそれぞれの壁を一体にした傘型円盤状構造物が、壁を一体にした傘型円盤状構造物の内側、外側並に柱を貫通させた壁を一体にした傘型円盤状構造物と壁を一体にした傘型円盤状構造物の間の土が締め付けられる。その結果、該杭によって杭の周囲の地盤が強化されることになり、該杭によって強化された地盤が所定の間隔で配列されることで、従来工法により打ち込まれるコンクリート杭よりは前記特許発明を実施した杭が短くても耐地盤沈下対策として十分の機能を発揮すると言う実績を示した。
【0021】
尚、上記した特許発明の工法の注目すべき点は、本来は前記した条件下で列車を運行する鉄道線路の耐地盤沈下対策として従来の杭を打ち込む工法に代えて実行されたものである。しかし、列車の走行による上下並びに横揺れによる方向性を伴う震動が発生する鉄道路盤の地盤沈下に耐えた機能を発揮したと言う実績を示したことは、該杭によって強化された杭の周囲に形成された地盤が列車の運行による上下震動ばかりでなく横揺れによる方向性を伴う震動にも破壊されることのない建築基礎としての機能を発揮したことになる。これは、従来の杭打ち工法では予想もしていなかった機能も発揮したということである。従って、地盤震動による波動の発生も阻止することになるということである。
【0022】
本発明の特徴は、既存の鉄道軌道の改修工事を行なうに当り、まず、鉄道軌道を敷設する路盤の基礎地盤を強化するため、基礎地盤の地中に前記特許発明を実施して前記した多段状の傘型円盤状構造物から成る杭を構築する作業を行なった後、前記特許発明を実施するノズルビット1を以て枕木を配列するバラストの中に透水性セメントミルクを円錐形状に噴射して枕木と共にバラストの締付固定を行なうことである。
【0023】
即ち、本発明は、前記図1に示すノズルビット1及び後に説明する図2に示す新規開発のノズルビット1Aからの透水性セメントミルクの噴射は、路盤を建設した地盤の地中における噴射に止まらず、路盤状に敷設されたバラストを含めて行うことに特徴がある。
これを図4に示す。
【0024】
締め固め作業を施した鉄道を建設する路盤21の基礎地盤22の地中に、前記した特許発明を実施して傘型円盤状構造物23を多段状に配した杭24を構築する。
バラスト25は、路盤21上に所定の高さを維持して敷設されている。そのバラスト25上には両側にレール26を固定した枕木27が所定の間隔を以てバラスト25に喰い込んで敷設されている。従って、バラスト25は本来、レール26を固定した枕木27のずれを阻止する役目を果すものとして、また、鉄道軌道上を走行する列車の走行重圧に対する緩衝機能を発揮するものであるが、そのバラスト25は、また、前記したレール26を固定した枕木27による鉄道軌道によってずれを阻止される状態で路盤21に対して押さえつけられた状態で敷設されていることになる。
従って、バラスト25の間に透水性セメントミルクを注入しようとしても、普通の手段ではバラスト25の隙間に透水性セメントミルクを注入することはできない。
【0025】
本発明を実施するために用いるノズルビット1は、前記した構成から成るものであり、それが前記した特許発明を実施したときのように、地中で噴射する透水性セメントミルクが地層を切り裂いて傘型円盤状構築物を造形するような機能を発揮するものであるから、このノズルビット1をバラスト25の中に押し込んで高速回転して、セメントミルクを噴射させることによってその噴射力でバラスト25の隙間にセメントミルクを圧入することができることになる。本発明は、前記した構成のノズルビット1を用いることによってレール26を固定した枕木27の両側にバラスト25を締め付けて枕木27を固定するセメントによる基礎路床28を作ることができる。
【0026】
即ち、本発明は、鉄道軌道を構成する枕木27の両端側の下に、所定の間隔を以て、バラスト25を取り込んで締め付けて枕木27を固定したセメントによる基礎路床28から成る傘型円盤状構造物と、路盤21を建設した下の地盤22の地中に造形した地中の土を取り込んで締め付けた多段構造の傘型円盤状構造物24を一体として造形すると言う発明である。
【0027】
ところで、前記特許発明を実施するのに用いるノズルビット1を活用して既設の鉄道軌道の改修を行うには次の欠点を生じることがある。
即ち、前記特許発明を実施するために用いるノズルビット1は、噴射孔が一個しか穿設されていない。従って、そのノズルビット1の噴射孔から噴射される透水性セメントミルクは、噴射されている最中、常にその噴射力は、切り裂こうとする地層の反対側に向かった反力を受けることになる。
その地層から強靱な粘土層であり、土塊を含む地層であったときは、その反力が大となる。
この現象を生じる下での透水性セメントミルクの噴射は、ノズルビット1が定位置で透水性セメントミルクを噴射することにはならず、始終噴射位置を変えて透水性セメントミルクを噴射することになる。
このことは、地中に理想どうりの形の傘型円盤状構造物、並に、その多重構造物を構築することはできないと言うことになる。
【0028】
また、そのノズルビット1を装着したロッドも、ノズルビット1が前記した変動をしながら透水性セメントミルクを噴射することによって、そのノズルビット1を、先端に取り付けたロッドも、ノズルビット1の変動に応じた動きをしながら高速回転することによってロッド差込み穴を拡大する動きをしながら高速回転することになる。即ち、ロッド差し込み穴を大口経穴としてしまう。
この現象が生じると、地中でノズルビット1から噴射した透水性セメントミルクが前記した大口経穴となったロッド差し込み穴から逆噴してしまう現象を生じることになる。
この現象が生じると、鉄道軌道に沿って、前記した多重構造の円錐形状構造物を構築する作業を行うとき、噴射した透水性セメントミルクが逆噴して鉄道軌道を構成するレールを汚してしまうと言うことになる。
【0029】
路盤21下の基礎地盤22が、強靱な粘土質から出来ている地層であるとか土塊を含む地層であるときは、前記特許発明を実施するときに用いる前記したノズルビット1を使用せず、本発明者が先に特願2002−325275号として出願した発明にかかる新たに開発したノズルビット1Aを用いる。
新たに開発したノズルビットの構成は、図2に示すように噴射孔の開口10Aをノズルビットの垂直方向に対して下向きに角θ1を以て、且つ、ノズルビットの回転方向に対して進み角θ2をもつものとして複数個A’、B’を対象方向に、或は、図示しないが三方方向、又は十字方向に向けて穿設すると言う構成から成るものである。
【0030】
新たに開発したノズルビット1Aは前記した構成から成るものであり、従って、該ノズルビット2からの透水性セメントミルクの噴射は、各噴射孔の開口10Aから常時同じ噴射力によって噴射されることになる。即ち、図2に示す新たに開発したノズルビット1Aは前記特許発明を実施するときに用いるノズルビット1とは異なり、各噴射孔A’、B’から噴射される透水性セメントミルクは、常に1ツの噴射孔から噴射される透水性セメントミルクの噴射力に対する反力を抑止する働きをしながら噴射されることになる。
【0031】
従って、図2に示す新たに開発したノズルビット1Aは噴射位置を変動することなく、透水性セメントミルクの噴射方向を安定した状態で噴射し、その結果、強靱な粘土質の地層の切り裂き個所に対して間断なく透水性セメントミルクを噴射することになり、その噴射力によって切り裂き機能を発揮し、強靱な粘土質から成る地層中でも理想的な傘型円盤状構造物を構成することになる。
それだけでなく、ノズルビット1Aが噴射位置を変動することなく高速回転するのでノズルビットを装着したロッドも差し込み穴を拡大するような動きをせずにノズルビットを高速回転させることになる。その結果、ノズルビット1Aを装着したロッドの差し込み穴を拡大経とすることはない。従って、地中でノズルビットから噴射された透水性セメントミルクを前記拡大したロッドの差し込み穴からの逆噴現象を阻止することができ、ロッド差し込み穴の周辺を汚すことはない。
上記した通り、先に出願した発明にかかるノズルビットは、特許発明を実施するときに用いるノズルビットの不都合を完全に解消した機能を発揮できるものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、バラスト、枕木、レールを撤去するなどして大掛かりな工事を施すことなく、小規模の掘削装置によって鉄道軌道を構成する枕木の両端側の下のバラスト25を枕木27とともに取り込んで締め付ける傘型円盤状構造物から成る基礎路床28と、路盤の下の地盤中の土を取り込んで締め付ける傘型円盤状構造物を複数段構造に造形することにより、鉄道軌道を走行する列車の荷重によるバラストのズレ、破砕を阻止することができると同時に、傘型円盤状に造形されたバラストの下の路盤の基礎を強化することで強化路盤上に建設した鉄道軌道と同じ機能を発揮する鉄道軌道とすることができる。
更に、本発明は、鉄道軌道を敷設するバラストを撤去するのでなく、バラストを敷設した鉄道軌道の長所を生かし、バラストによるソフトな乗心地と、コンクリート等の強化路盤省力化軌道と違って振動騒音を低下させた環境対策に対応した省力化軌道とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、軟弱地盤の改良に用いられる従来のノズル。
【図2】(a)、(b)は、軟弱地盤の改良に用いられる新規に開発されたノズル。
【図3】現に採用されている鉄道軌道の改修工法を実施したときの断面図。
【図4】本発明を実施した鉄道軌道の断面図。
【符号の説明】
21. 路盤
22. 基礎地盤
23. 傘型円盤状構造物
24. 杭
25. バラスト
26. レール
27. 枕木
28. 基礎路床
Claims (1)
- 掘削装置のロッドに取り付けるノズルビットの噴射孔の開口を、地中に差し込む方向に対して斜め下向き角θ1とし、且つ、回転方向に対して進み角方向に進み角θ2として所望の数を穿設して成るノズルビットを用いて、締め固め作業を施した鉄道を建設する路盤の延長方向に、バラストを所定の高さに敷設するとともに、その延長上に枕木を所定の間隔をおいて配列し、その枕木の両側上にレールを平行に敷設固定した既設の鉄道軌道の、前記枕木の両側に沿って、路盤下の地中の所定の深さまで差し込んで高速回転させながら透水性セメントミルクを前記したノズルビットの噴射孔から噴射させて最初の透水性傘型円盤状構造物を造形した後、前記ノズルビットを所定の深さまで引き抜きながら前記透水性傘型円盤状構造物を造形する時と比べて回転速度とセメントミルク供給量を加減した操作を行ってセメントミルクを噴射して、最初に造形した透水性傘型円盤状構造物と次に造形する透水性傘型円盤状構造物を造形する個所である所定の深さまで引き抜いた位置に達するまでの引き抜き穴に柱を造形し、該柱を造形した後、前記した最初の透水性傘型円盤状構造物を造形するのと同じ操作を行って二段目の透水性傘型円盤状構造物を造形し、これを造形した後、前記操作を所望の回数だけ繰り返して前記透水性傘型円盤状構造物を多段状に貫通して杭を構築した後、前記路盤に敷設したバラスト中で透水性傘型円盤状構造物を造形すると同様の操作を行って、バラストの隙間の中に透水性セメントミルクを圧入し、バラストに圧入したセメントミルクによってバラストとレールを敷設固定した枕木を一体に固めた基礎床を順次鉄道軌道方向に構築することを特徴とする既設の鉄道軌道の改修工法。
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