JP2020147906A - 路盤改良工法及び改良路盤 - Google Patents

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Yoshitsugu Momotani
尚嗣 桃谷
翔太 渕上
Shota Fuchigami
翔太 渕上
貴蔵 高橋
Takakura Takahashi
貴蔵 高橋
貴久 中村
Takahisa Nakamura
貴久 中村
由起雄 青
Yukio Ao
由起雄 青
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Abstract

【課題】軌道や路盤の撤去を伴わずに路盤を簡単に改良することができる路盤改良工法及び改良路盤を提供する。
【解決手段】路盤改良工法は、道床5を支持する路盤6をてん充材F1によって改良する工法である。路盤改良工法は、てん充材F1を注入する注入孔5bを道床5に形成する注入孔形成工程と、注入孔5bからてん充材F1を自然流下させるてん充材流下工程と、てん充材F1を路盤6に浸透させるてん充材浸透工程とを含む。てん充材浸透工程は、硬化材を含有する超微粒子セメントミルクのてん充材F1を路盤6に浸透させる工程を含む。改良路盤7は、道床5を支持する路盤6がてん充材F1によって改良された部分である。てん充路盤層7aは、てん充材F1の注入後に埋め戻される注入孔5bから、このてん充材F1を自然流下によって路盤6に浸透させて形成される。
【選択図】図7

Description

この発明は、道床を支持する路盤をてん充材によって改良する路盤改良工法、及び道床を支持する路盤がてん充材によって改良された改良路盤に関する。
鉄道では、路盤変状の発生を防止し、安定した軌道状態を確保するために路盤を強化している。例えば、列車荷重に対して強度が不足し圧縮沈下や道床バラストのめり込み沈下が生じる路盤、剛性不足により列車走行時の弾性変形が大きい路盤、道床バラストの表面に泥土が噴出する噴泥が発生する路盤、土が徐々に冷やされ凍結し地盤面が隆起する凍上が発生する路盤などを改良している。従来の地盤改良工法は、水セメント比200〜1500%の超微粒子セメントに分散剤を添加した注入材を地盤内に高圧で噴射している(例えば、特許文献1参照)。この従来の地盤改良工法では、注入材を砂質土に圧力100〜600kgf/cm2の高圧で噴射することによって、高圧噴射改良領域と浸透改良領域とからなる連続した大口径の改良体を地盤内に造成している。
従来の軌道路盤の改良工法は、軌道のバラスト層の下方の路盤層内に水平に設置された自転回転型アームカッターを水平移動させながら、この自転回転型アームカッターによって路盤を攪乱し、この自転回転型アームカッターから液剤を噴射し路盤層に充填している(例えば、特許文献2参照)。この従来の軌道路盤の改良工法では、自転回転型アームカッターを水平移動させながら路盤層内を改良するため、道床やバラストを撤去する必要がない。
従来の鉄道地盤改良工法は、穿孔機構によって穿孔した路盤の側部の孔に固化剤を注入して列柱状の固化部分を作り、この固化部分の内側にケーシングを差し込み、地盤部分を撹拌して土壌固化剤を噴出してバラスト層の下に地盤固化部分を作っている(例えば、特許文献3参照)。この従来の鉄道地盤改良工法では、列柱状の固化部分によって安定化させ、バラスト層の下を地盤固化部分によって安定化させている。
特開平11-061131号公報
特開昭62-244901号公報
特開昭60-152719号公報
従来の地盤改良工法は、液状化対策として超微粒子セメントを用いた工法であり既に適用されているが、改良体の長期的な強度発現を前提としており、軌道構造物のように施工後間もなく列車荷重の作用を受ける箇所への適用が困難であった。また、従来の軌道路盤の改良工法は、軌道を撤去した後に路盤土を掘削して砕石を投入し、セメント安定処理など行うものであり、大型重機を使用する大掛かりな工事となる。さらに、従来の鉄道地盤改良工法は、回転ロッドを地盤に挿入し撹拌部材を回転させこの撹拌部材から土壌固化剤を噴出させており、大型の装置を使用するため大掛かりな工事になってしまう。
この発明の課題は、軌道や路盤の撤去を伴わずに路盤を簡単に改良することができる路盤改良工法及び改良路盤を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図6、図7、図12及び図13に示すように、道床(5)を支持する路盤(6)をてん充材(F1)によって改良する路盤改良工法であって、前記てん充材を注入する注入孔(5b)を前記道床に形成する注入孔形成工程(#110)と、前記注入孔から前記てん充材を自然流下させるてん充材流下工程(#120)と、前記てん充材を前記路盤に浸透させるてん充材浸透工程(#130)とを含む路盤改良工法(#100)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の路盤改良工法において、前記てん充材浸透工程は、硬化材を含有する超微粒子セメントミルクのてん充材(F1)を前記路盤に浸透させる工程を含むことを特徴とする路盤改良工法である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の路盤改良工法において、図12及び図13に示すように、前記道床に注入するてん充材(F2)の流出を防止する遮水材(8)をこの道床の左右に設置する遮水材設置工程(#160)と、前記遮水材間の道床に前記てん充材を注入する注入孔(5d)を形成する注入孔形成工程(#180)と、前記注入孔から前記てん充材を自然流下させるてん充材流下工程(#190)と、前記遮水材間の道床に前記てん充材を浸透させるてん充材浸透工程(#200)とを含むことを特徴とする路盤改良工法である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の路盤改良工法において、前記てん充材浸透工程は、超微粒子セメントミルクのてん充材(F2)を前記道床に浸透させる工程を含むことを特徴とする路盤改良工法である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の路盤改良工法において、図6、図7、図12及び図13に示すように、前記注入孔を埋め戻す埋め戻し工程(#140;#210)を含むことを特徴とする路盤改良工法である。
請求項6の発明は、道床(5)を支持する路盤(6)がてん充材(F1)によって改良された改良路盤であって、図1、図3、図4、図7、図8、図10、図11及び図13に示すように、前記てん充材の注入後に埋め戻される注入孔(5b)から、このてん充材を自然流下によって前記路盤に浸透させて形成されたてん充路盤層(7a)を備えることを特徴とする改良路盤(7)である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の改良路盤において、前記てん充路盤層は、硬化材を含有する超微粒子セメントミルクのてん充材(F1)によって改良されていることを特徴とする改良路盤である。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の改良路盤において、図8、図10、図11及び図13に示すように、前記道床に注入されるてん充材(F2)の流出をこの道床の左右で防止する遮水材(8)と、前記てん充材の注入後に埋め戻される注入孔(5d)から、このてん充材を自然流下によって前記遮水材間の道床に浸透させて形成されたてん充道床層(7a)とを備えることを特徴とする改良路盤である。
請求項9の発明は、請求項8に記載の改良路盤において、前記てん充道床層は、超微粒子セメントミルクのてん充材(F2)によって改良されていることを特徴とする改良路盤である。
この発明によると、軌道や路盤の撤去を伴わずに路盤を簡単に改良することができる。
この発明の第1実施形態に係る改良路盤を模式的に示す斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る改良路盤を模式的に示す平面図である。 図2のIII-III線で切断した状態を示す断面図である。 図2のIV-IV線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第1実施形態に係る改良路盤の改良前の砂質系路盤の粒度分布を一例として示すグラフである。 この発明の第1実施形態に係る路盤改良工法の工程図である。 この発明の第1実施形態に係る路盤改良工法の各工程の模式図であり、(A)は施工前の状態を示す断面図であり、(B)は注入孔形成工程を示す断面図であり、(C)はてん充材流下工程を示す断面図であり、(D)はてん充材浸透工程を示す断面図であり、(E)は注入孔埋め戻し工程を示す断面図である。 この発明の第2実施形態に係る改良路盤を模式的に示す斜視図である。 この発明の第2実施形態に係る改良路盤を模式的に示す平面図である。 図9のX-X線で切断した状態を示す断面図である。 図9のXI-XI線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第2実施形態に係る路盤改良工法の工程図である。 この発明の第2実施形態に係る路盤改良工法の各工程を示す模式図であり、(A)は設置孔形成工程を示す断面図であり、(B)は遮水材設置工程を示す断面図であり、(C)は設置孔埋め戻し工程及び注入孔形成工程を示す断面図であり、(D)はてん充材流下工程を示す断面図であり、(E)はてん充材浸透工程及び注入孔埋め戻し工程を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1〜図4に示す軌道1は、列車が走行する通路(線路)である。軌道1は、図1〜図4に示すレール2と、まくらぎ3と、図1に示すレール締結装置4と、図1〜図4に示す道床5などを備えている。図1〜図4に示す軌道1は、鉄道線路に敷設される一般的な軌道構造であり、主としてレール2、まくらぎ3、道床バラスト5aによって構成されているバラスト軌道である。
レール2は、列車の車輪を支持し案内して、この列車を走行させる部材である。レール2は、列車の車輪と接触するレール頭部と、まくらぎ3に取り付けられるレール底部(フランジ部)と、レール頭部とレール底部とを繋ぐレール腹部(ウェブ部)などを備えている。
まくらぎ3は、レール2を支持する支持体(支承体)である。まくらぎ3は、左右のレール2の間隔(軌間)を正確に保持するとともに、レール2から伝達される列車荷重を道床5に分散させるために、レール2と道床5との間に設置されている。まくらぎ3は、軌道1の一部を構成する軌道構成部材である。図1〜図4に示すまくらぎ3は、レール2に対して直角に並べて敷設される横まくらぎ(一般区間で使用される並まくらぎ)である。まくらぎ2は、例えば、緊張材として使用される鋼材によってプレストレスが与えられたコンクリート製のPC(prestressed concrete)まくらぎ、木材を所定の寸法に加工して製作された木まくらぎ、合成樹脂によって製作された合成まくらぎ、又は、鋼製若しくは鋳鉄製の鉄まくらぎなどである。まくらぎ3は、図1、図2及び図4に示すように、レール2の長さ方向に所定の間隔をあけて配置されており、レール2を離散的に支持している。
図1に示すレール締結装置4は、レール2をまくらぎ3に締結する装置である。レール締結装置4は、レール2とまくらぎ3との間に挿入されて車両走行時に発生する衝撃を緩和する軌道パッドと、レール2の底部上面を弾性力によって押さえ付けてまくらぎ3に締結する締結ばねなどを備えている。
図1〜図4に示す道床5は、バラスト層によってまくらぎ3を支持する構造体である。道床5は、図1に示すように、道床バラスト5aを積層したバラスト層によって構成されたバラスト道床であり、路盤6に荷重を分散し伝達する。図1に示す道床バラスト5aは、まくらぎ3と路盤6との間に敷き詰められる砕石などの粒状体である。道床バラスト5aは、例えば、花こう岩、けい岩、玄武岩又は安山岩などの硬い岩石を砕石機によって15〜70mm程度の大きさに破砕した石である。
注入孔5bは、てん充材F1を注入するための孔である。注入孔5bは、てん充材F1の注入前に道床5に形成され、てん充材F1の注入後に埋め戻される。注入孔5bは、図1〜図3に示すように、まくらぎ3の両端部から所定距離だけ離れた位置に形成されており、図3及び図4に示すように道床5の上面から路盤6の上面が露出するまで道床5を掘削して形成される。注入孔5bは、例えば、この注入孔5bを形成するときに除去された道床バラスト5aを使用して、てん充材F1の注入後に埋め戻される。
図7(C)に示すてん充材F1は、路盤6に注入される注入材である。てん充材F1は、路盤6に浸透して路盤6を硬化させる材料であり、流動性及び浸透性に優れ砂質系路盤に充填可能なグラウト材である。てん充材F1は、例えば、早期強度発現性を有する配合であり、硬化剤を含有する超微粒子セメントミルクである。てん充材F1は、例えば、水セメント比W/Cが100%以上である。てん充材F1は、例えば、以下の表1に示す配合の路盤注入用超微粒子セメントミルクである。
Figure 2020147906
図1〜図4に示す路盤6は、道床5を支持する基盤である。路盤6は、軌道1上を列車が通過するときの荷重を支持する構造物である。路盤6は、図5に示すように、土の工学的分類において細粒分(粒径75μm未満の土粒子)含有率が30%未満の砂質土から構成される砂質系路盤である。ここで、図5は、砂質系路盤の粒度分布を一例として示すグラフである。図5に示す縦軸は、通過質量百分率(%)であり、横軸は粒径(mm)である。図5に示す粒度分布は、砂質系路盤を構成する土粒子の大きさの分布状態を質量百分率で表している。
図1、図3及び図4に示す改良路盤7は、路盤6がてん充材F1によって改良された部分である。改良路盤7は、てん充材F1を路盤6に浸透させて構築されており、路盤改良工事に必要な費用の低減を図るとともに、改良路盤7上に敷設されたバラスト軌道の沈下抑制効果を図ることを目的として構築される。改良路盤7は、てん充路盤層7aなどを備えている。
てん充路盤層7aは、注入孔5bからてん充材F1を自然流下によって路盤6に浸透させて形成された部分である。てん充路盤層7aは、路盤6の上層に形成されている。てん充路盤層7aは、硬化剤を含有する超微粒子セメントミルクによって路盤6が改良されている。てん充路盤層7aは、例えば、厚さが100〜200mmの範囲内に形成されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る路盤改良工法について説明する。
図6に示す路盤改良工法#100は、路盤6をてん充材F1によって改良する工法である。路盤改良工法#100では、図7に示すように、道床5に注入孔5bを形成して、注入孔5bから路盤6にてん充材F1を自然流下させて、てん充材F1を路盤6に浸透させてん充路盤層7aを形成する。路盤改良工法#100は、注入孔形成工程#110と、てん充材流下工程#120と、てん充材浸透工程#130と、注入孔埋戻し工程#140などを含む。
図6に示す注入孔形成工程#110は、注入孔5bを道床5に形成する工程である。注入孔形成工程#110では、図7(A)に示す道床5の表面から図7(B)に示す路盤6の上面まで道床5を掘削して道床バラスト5aが除去され、図1及び図2に示すようにレール2の長さ方向に間隔をあけて注入孔5bが形成される。
図6に示すてん充材流下工程#120は、注入孔5bからてん充材F1を自然流下させる工程である。てん充材流下工程#120では、図7(C)に示すように、てん充材F1を収容する容器C1から注入孔5bにてん充材F1が自然流下される。
図6に示すてん充材浸透工程#130は、てん充材F1を路盤6に浸透させる工程である。てん充浸透工程#130では、図7(D)に示すように、注入孔5bにてん充材F1が流下すると、路盤6の表面からてん充材F1が浸透して、路盤6の表層にてん充路盤層7aが形成される。
図6に示す注入孔埋め戻し工程#140は、注入孔5bを埋め戻す工程である。注入孔埋め戻し工程#140では、図7(D)に示すように、てん充材F1を路盤6に浸透させた後に、図1に示す道床バラスト5aを注入孔5bに投入し、注入孔5bが道床バラスト5aによって埋め戻されて、図7(E)に示すように路盤6がてん充路盤層7aによって強化されて改良路盤7が構築される。
この発明の第1実施形態に係る路盤改良工法には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、てん充材F1を注入する注入孔5bを道床5に形成する注入孔形成工程#110と、注入孔5bからてん充材F1を自然流下させるてん充材流下工程#120と、てん充材F1を路盤6に浸透させるてん充材浸透工程#130とを含む。このため、軌道1や路盤6の撤去を伴わずに路盤6を簡易に改良することができる。特に、砂質系路盤を簡易に改良することができ、軌道1の沈下を抑制することができる。また、大型重機を使用せずに道床5の一部を掘削し自然流下でてん充材F1を路盤6に簡単に浸透させることができるとともに、作業時間を大幅に短縮することができる。その結果、路盤改良工事にかかる費用を低減することができるとともに、路盤改良層の上部に敷設される軌道1の沈下抑制効果を高めることができる。
(2) この第1実施形態では、てん充材浸透工程#130において、硬化材を含有する超微粒子セメントミルクのてん充材F1を路盤6に浸透させる。このため、路盤6を短時間に強度発現させることができ、短時間で路盤6を強化することができる。
(3) この第1実施形態では、注入孔5bを埋め戻す埋め戻し工程#140を含む。このため、てん充材F1を路盤6に浸透させた後に、道床5を短時間で簡単に元の状態に復帰させることができる。
この発明の第1実施形態に係る改良路盤には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、てん充材F1の注入後に埋め戻される注入孔5bから、てん充材F1を自然流下によって路盤6に浸透させててん充路盤層7aが形成される。このため、軌道1や路盤6の撤去を伴わずに路盤6を簡易に改良することができる。特に、砂質系路盤を簡易に改良することができ、軌道1の沈下を抑制することができる。また、大型重機を使用せずに道床5の一部を掘削し自然流下でてん充材F1を路盤6に簡単に浸透させることができるとともに、作業時間を大幅に短縮することができる。
(2) この第1実施形態には、硬化材を含有する超微粒子セメントミルクのてん充材F1によっててん充路盤層7aが改良されている。このため、路盤6を短時間に強度発現させることができ、短時間で路盤6を強化することができる。
(第2実施形態)
以下では、図1〜図4及び図7に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図8、図10及び図11に示す道床5は、てん充道床層5eなどを備えている。図8〜図10に示す設置孔5cは、道床5に遮水材8を設置するための孔である。設置孔5cは、軌道1の長さ方向に沿って連続して形成されており、まくらぎ3の両端部の外側の道床5に形成されている。設置孔5cは、遮水材8の設置前に道床5に形成され、遮水材8の設置後に埋め戻される。設置孔5cは、図8及び図10に示すように、まくらぎ3の両端部から所定距離だけ離れた位置に、遮水材8の厚さよりも幅が広くなるように形成されており、道床5の上面からてん充路盤層7aの上層まで道床5を掘削して形成される。設置孔5cは、例えば、この設置孔5cを形成するときに除去された道床バラスト5aを使用して、遮水材8の設置後に埋め戻される。
図8〜図10に示す注入孔5dは、遮水材8間の道床5にてん充材F2を注入するための孔である。注入孔5dは、図8及び図9に示すように、まくらぎ3間の道床5に形成されており、図8に示すようにまくらぎ3の両端部寄りのレール2の下方に形成されている。注入孔5dは、てん充材F2の注入前に道床5に形成され、てん充材F2の注入後に埋め戻される。注入孔5dは、図8及び図9に示すように、前後のまくらぎ3の縁部から所定距離だけ離れた位置に形成されており、図10に示すように遮水材8の上縁部よりも深く、路盤6の上面よりも浅くなるように道床5を掘削し形成される。注入孔5dは、例えば、この注入孔5dを形成するときに除去された道床バラスト5aを使用して、てん充材F2の注入後に埋め戻される。
図13(D)に示すてん充材F2は、道床5に注入される注入材である。てん充材F2は、道床5に浸透して道床5を硬化させる材料であり、流動性及び浸透性に優れ道床5に充填可能なグラウト材である。てん充材F2は、例えば、早期強度発現性を有する配合であり、硬化剤を含有する超微粒子セメントミルクである。てん充材F2は、水セメント比W/Cが80%程度である。てん充材F2は、例えば、以下の表2に示す配合の道床注入用超微粒子セメントミルクである。
Figure 2020147906
図8及び図10に示す遮水材8は、てん充材F2の流出を防止する部材である。遮水材8は、まくらぎ3の外側の道床5の左右に設置されており、道床5の左右でてん充材F2が道床5から流出するのを防止する。遮水材8は、ゴム又は合成樹脂などからなる遮水シート又は止水シートである。遮水材8は、例えば、不透水性の高密度ポリエステル製シートと、この高密度ポリエステル製シートの破損を防止する不織布などの緩衝材などを備える遮水シートである。遮水材8は、図8に示すように、軌道1の長さ方向に沿って連続して埋設されており、まくらぎ3の両端部の外側の道床5内に埋設されている。遮水材8は、この遮水材8の下縁部がレール2側(軌間内側)に折り曲げられており、この遮水材8の下縁部がてん充路盤層7aの上層に埋め込まれている。
図8〜図11に示すてん充道床層5eは、注入孔5dからてん充材F2を自然流下によって遮水材8間の道床5に浸透させて形成された部分である。てん充道床層5eは、道床5の上層に形成されている。てん充道床層5eは、バラスト軌道の保守の低減を目的として構築された省力化軌道の一種である。てん充道床層5eは、硬化剤を含有する超微粒子セメントミルクによって改良されている。てん充道床層5eは、例えば、厚さが200mm程度に形成されている。
次に、この発明の第2実施形態に係る路盤改良工法について説明する。
以下では、図6に示す工程と同一の工程については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図12に示す路盤改良工法#100は、図13に示すように、道床5に設置孔5cを形成して、設置孔5cに遮水材8を設置するとともに、注入孔5dから路盤6にてん充材F2を自然流下させて、てん充材F2を道床5に浸透させてん充道床層5eを形成する。路盤改良工法#100は、図6及び図7に示す注入孔形成工程#110と、てん充材流下工程#120と、てん充材浸透工程#130と、注入孔埋戻し工程#140と、図12及び図13に示す設置孔形成工程#150と、遮水材設置工程#160と、設置孔埋め戻し工程#170と、注入孔形成工程#180と、てん充材流下工程#190と、てん充材浸透工程#200と、注入孔埋め戻し工程#210などを含む。
図12に示す設置孔形成工程#150は、設置孔5cを道床5に形成する工程である。設置孔形成工程#150では、図13(A)に示す道床5の表面からてん充路盤層7aの上面まで道床5を掘削して、道床バラスト5aが除去され、図8に示すようにレール2の長さ方向に連続して設置孔5cが形成される。
図12に示す遮水材設置工程#160は、遮水材8を道床5の左右に設置する工程である。遮水材設置工程#160では、図13(B)に示すように、遮水材8を設置孔5cに挿入し、遮水材8の下縁部を軌道1の中心側に向けて折り曲げて、てん充路盤層7aの上部に遮水材8の下縁部を埋設し、遮水材8が立てた状態で設置孔5cに設置される。
図12に示す設置孔埋め戻し工程#170は、設置孔5cを埋め戻す工程である。設置孔埋め戻し工程#170では、図13(B)に示すように、遮水材8を道床5に設置した後に、図8に示す道床バラスト5aを設置孔5cに投入し、設置孔5cが道床バラスト5aによって埋め戻されて、図13(C)に示すように道床5の左右に遮水材8が埋設される。
図12に示す注入孔形成工程#180は、遮水材8間の道床5に注入孔5dを形成する工程である。注入孔形成工程#180では、図13(C)に示すように、てん充路盤層7aの上面よりも浅く、遮水材8の上縁部よりも深くなるように、道床5の表面から道床5を掘削して道床バラスト5aが除去され、図8及び図9に示すようにレール2の長さ方向に間隔をあけて注入孔5dが形成される。
図12に示すてん充材流下工程#190は、注入孔5dからてん充材F2を自然流下させる工程である。てん充材流下工程#190では、図13(D)に示すように、てん充材F2を収容する容器C2から注入孔5dにてん充材F2が自然流下される。
図12に示すてん充材浸透工程#200は、遮水材8間の道床5にてん充材F2を浸透させる工程である。てん充浸透工程#200では、図13(E)に示すように、注入孔5dにてん充材F2が流下すると、道床5の表面からてん充材F2が浸透して、左右の遮水材8間の道床5にてん充道床層5eが形成される。
図12に示す注入孔埋め戻し工程#210は、注入孔5dを埋め戻す工程である。注入孔埋め戻し工程#210では、図13(E)に示すように、てん充材F2を道床5に浸透させた後に、図8に示す道床バラスト5aを注入孔5dに投入し、注入孔5dが道床バラスト5aによって埋め戻されて、図13(E)に示すようにてん充道床層5e及びてん充路盤層7aによって強化されて改良路盤7が構築される。
この発明の第2実施形態に係る路盤改良工法には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、てん充材F2の流出を防止する遮水材8を道床5の左右に設置する遮水材設置工程#160と、遮水材8間の道床5にてん充材F2を注入する注入孔5dを形成する注入孔形成工程#180と、注入孔5dからてん充材F2を自然流下させるてん充材流下工程#190と、遮水材8間の道床5にてん充材F2を浸透させるてん充材浸透工程#200とを含む。このため、てん充路盤層7aによる路盤改良に加えて、てん充道床層5eによって路盤6をより一層強化することができる。例えば、強度や剛性が不足する砂質系路盤であってもてん充道床軌道を支持することができる。
(2) この第2実施形態では、てん充材浸透工程#200において、超微粒子セメントミルクのてん充材F2を道床5に浸透させる。このため、道床5を短時間に強度発現させることができ、短時間で道床5を強化することができる。
(3) この第2実施形態では、注入孔5dを埋め戻す埋め戻し工程#210を含む。このため、てん充材F2を道床5に浸透させた後に、道床5を短時間で簡単に元の状態に復帰させることができる。
この発明の第2実施形態に係る改良路盤には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、道床5の左右でてん充材F2の流出を遮水材8が防止し、てん充材F2の注入後に埋め戻される注入孔5dから、このてん充材F2を自然流下によって遮水材8間の道床5に浸透させててん充道床層5eが形成される。このため、てん充路盤層7aによる路盤改良に加えて、てん充道床層5eによって路盤6をより一層強化することができる。例えば、強度や剛性が不足する砂質系路盤であってもてん充道床軌道を支持することができる。
(2) この第2実施形態では、超微粒子セメントミルクのてん充材F2によっててん充道床層5eが改良されている。このため、道床5を短時間に強度発現させることができ、短時間で道床5を強化することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
この実施形態では、鉄道構造物の軌道構造である道床5及び路盤6に適用する場合を例に挙げて説明したが、道路又は歩道などの道路構造についても、この発明を適用することができる。この場合には、道路の道床(表層及び基層)に注入孔を形成し、てん充材のような注入材をこの注入孔から道路の路盤(上層路盤又は下層路盤)に自然流下させて路盤を強化することができる。また、この実施形態では、道床5を掘削して注入孔5b,5dを形成する場合を例に挙げて説明したが、断面形状が円形、楕円形又は四角形の筒状の注入管を道床5に刺し込み、この注入管からてん充材F1,F2を注入することもできる。さらに、この第2実施形態では、遮水材8の下縁部を内側に折り曲げて、てん充路盤層7aに埋設する場合を例に挙げて説明したが、遮水材8の下縁部を内側に折り曲げて、てん充路盤層7aの上面に密着させる場合についても、この発明を適用することができる。
1 軌道
2 レール
3 まくらぎ
4 レール締結装置
5 道床
5a 道床バラスト
5b 注入孔
5c 設置孔
5d 注入孔
5e てん充道床層
6 路盤
7 改良路盤
7a てん充路盤層
1 てん充材(路盤注入用超微粒子セメントミルク)
2 てん充材(道床注入用超微粒子セメントミルク)
1,C2 容器

Claims (9)

  1. 道床を支持する路盤をてん充材によって改良する路盤改良工法であって、
    前記てん充材を注入する注入孔を前記道床に形成する注入孔形成工程と、
    前記注入孔から前記てん充材を自然流下させるてん充材流下工程と、
    前記てん充材を前記路盤に浸透させるてん充材浸透工程と、
    を含む路盤改良工法。
  2. 請求項1に記載の路盤改良工法において、
    前記てん充材浸透工程は、硬化材を含有する超微粒子セメントミルクのてん充材を前記路盤に浸透させる工程を含むこと、
    を特徴とする路盤改良工法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の路盤改良工法において、
    前記道床に注入するてん充材の流出を防止する遮水材をこの道床の左右に設置する遮水材設置工程と、
    前記遮水材間の道床に前記てん充材を注入する注入孔を形成する注入孔形成工程と、
    前記注入孔から前記てん充材を自然流下させるてん充材流下工程と、
    前記遮水材間の道床に前記てん充材を浸透させるてん充材浸透工程とを含むこと、
    を特徴とする路盤改良工法。
  4. 請求項3に記載の路盤改良工法において、
    前記てん充材浸透工程は、超微粒子セメントミルクのてん充材を前記道床に浸透させる工程を含むこと、
    を特徴とする路盤改良工法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の路盤改良工法において、
    前記注入孔を埋め戻す埋め戻し工程を含むこと、
    を特徴とする路盤改良工法。
  6. 道床を支持する路盤がてん充材によって改良された改良路盤であって、
    前記てん充材の注入後に埋め戻される注入孔から、このてん充材を自然流下によって前記路盤に浸透させて形成されたてん充路盤層を備えること、
    を特徴とする改良路盤。
  7. 請求項6に記載の改良路盤において、
    前記てん充路盤層は、硬化材を含有する超微粒子セメントミルクのてん充材によって改良されていること、
    を特徴とする改良路盤。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の改良路盤において、
    前記道床に注入するてん充材の流出をこの道床の左右で防止する遮水材と、
    前記てん充材の注入後に埋め戻される注入孔から、このてん充材を自然流下によって前記遮水材間の道床に浸透させて形成されたてん充道床層とを備えること、
    を特徴とする改良路盤。
  9. 請求項8に記載の改良路盤において、
    前記てん充道床層は、超微粒子セメントミルクのてん充材によって改良されていること、
    を特徴とする改良路盤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7497323B2 (ja) 2021-04-28 2024-06-10 公益財団法人鉄道総合技術研究所 てん充道床軌道の施工方法及びてん充道床軌道

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