JP4073638B2 - ピストン連結機構及びそれを用いた流体式トルク伝達装置のロックアップ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストン連結機構、特に、ピストンによりクラッチ機構の摩擦連結部をフロントカバーに押圧して流体式トルク伝達装置のロックアップを行うロックアップ装置に設けられ、前記ピストンと前記フロントカバーとを相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に連結するためのピストン連結機構に関する。
【0002】
また、本発明は、流体式トルク伝達装置のロックアップ装置、特に、摩擦面を有するフロントカバーと、フロントカバーに固定され流体室を形成するインペラーと、流体室内でインペラーに対向して配置されたタービンとを備えた流体式トルク伝達装置に設けられたロックアップ装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
トルクコンバータは、3種の羽根車(インペラー,タービン,ステータ)を内部に有し、内部の作動油を介してトルクを伝達する流体式トルク伝達装置の一種である。このトルクコンバータには、ロックアップ装置が設けられていることが多い。
【0004】
ロックアップ装置は、タービンとフロントカバーとの間の空間に配置されており、フロントカバーとタービンを機械的に連結することでフロントカバーからタービンにトルクを直接伝達するための機構である。
【0005】
通常、このロックアップ装置は、フロントカバーに押しつけられることが可能な円板状のピストンと、ピストンの外周部に固定されるリティーニングプレートと、リティーニングプレートにより回転方向及び外周側を支持されるトーションスプリングと、トーションスプリングの両端を回転方向に支持するドリブンプレートとを有している。ドリブンプレートはタービンのタービンシェル等に固定されている。
【0006】
このようなロックアップ装置において、摩擦面を2面にしてトルク伝達容量を増大させたロックアップ装置も既に提供されている。この種の装置の一つとして、タービンに結合されたダンパー機構と、ダンパー機構の入力部に相対回転不能かつ軸方向に移動自在に係止されたドライブプレートと、ドライブプレートの摩擦連結部をフロントカバーに押圧するためのピストンとを有しているものがある。
【0007】
この種の装置では、ロックアップ時にフロントカバーからピストンにトルクを直接伝達する必要があり、そのための機構がいくつか提案されている。
【0008】
例えば、特表平11−509611号に開示されたロックアップ装置では、ピストンは、複数の弾性タングによって、フロントカバーに取り付けられている。具体的には、弾性タングの一端は駆動部材にリベットを介してフロントカバーに固定されている。弾性タングの他端はリベットを介してピストンに固定されている。
【0009】
また、特開平10−47453号に開示されたロックアップ装置では、ピストンは、複数の板ばねによって、フロントカバーに取り付けられている。具体的には、板ばねの一端は連結円板にリベットを介してフロントカバーに固定されている。また、板ばねの他端はボルト及びナットを介してピストンに固定されている。このようにして、ピストンはフロントカバーに対して軸方向に移動自在な状態で一体回転するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術においては、ピストンをフロントカバーに連結するために複数の板ばねを用いており、板ばねの両端を固定するためにリベットやボルト等の部材が必要になる。そのため、部品数が増えて構造が複雑になり、重量が増えるという問題が生じ、さらに組立工程数が多くなる。
【0011】
本発明の課題は、ドライブプレートの摩擦連結部をフロントカバーに押し付けるピストンを有するロックアップ装置において、ピストンをフロントカバーに連結するピストン連結機構を簡単にすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のピストン連結機構は、ピストンによりクラッチ機構の摩擦連結部をフロントカバーに押圧して流体式トルク伝達装置のロックアップを行うロックアップ装置に設けられ、ピストンとフロントカバーとを相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に連結するためのピストン連結機構であって、ピストンとフロントカバーの間に配置され、円周方向に所定の間隔で複数の弾性部が形成された軸方向に所定の範囲で移動可能な環状の連結部材と、連結部材をフロントカバー及びピストンの一方に装着するための第1装着部材と、連結部材をフロントカバー及びピストンの他方に装着するための第2装着部材とを備えている。第1装着部材は連結部材の第1部分に装着されるとともに、第2装着部材は連結部材の第1部分と円周方向に交互に設けられた第2部分に装着されており、連結部材の弾性部は第1部分と第2部分との間に設けられている。また、連結部材は、第1装着部材を介してフロントカバー及びピストンの一方に相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に固定され、第2装着部材を介してフロントカバー及びピストンの他方に取り外し可能な状態で軸方向に装着されている。そして、連結部材の第2部分には、第1孔と第1孔より小径の第2孔とが回転方向に連続して形成され、第2装着部材は、第1孔及び第2孔に挿通可能であるとともに両孔の間で移動自在であり、第1孔に挿通した状態では軸方向に移動可能で、かつ、第2孔に係合した状態では軸方向に移動不能に係止する係合部を有している。
【0013】
このピストン連結機構では、環状の連結部材が第1装着部材によってフロントカバーに連結されるとともに、第2装着部材によってピストンが連結されている。しかも、連結部材には円周方向に所定の間隔で複数の弾性部が形成されており、この連結部材は軸方向に所定の範囲で移動可能である。したがって、ピストン及びフロントカバーは、連結部材を介して、相対回転不能かつ軸方向に移動自在に連結される。
【0014】
このピストン連結機構では、従来に比べて少ない部品数でピストンとフロントカバーとを連結できる。
【0015】
また、このピストン連結機構では、連結部材は、複数の弾性部が第1部分と第2部分との間に形成されているため、ピストンが軸方向に移動する際に連結部材が円周の各部で均等に撓むことが可能である。
【0016】
また、このピストン連結機構では、第1部分はフロントカバー及びピストンの一方に固定され、第2部分はフロントカバー及びピストンの他方に取り外し可能で軸方向に装着されている。これにより、第2部分はピストンの組み付け作業が容易になる。
【0017】
さらに、このピストン連結機構では、第2装着部材が第1孔を挿通している場合には軸方向に移動可能であり、また、第2装着部材が第2孔を挿通するように回転方向に移動すると、第2装着部材の係合部が第2孔に係合して軸方向の移動が禁止される。
【0018】
したがって、組立時において、まず第2装着部材を第1孔に挿通してピストンをフロントカバーに組み付け、その後、ピストンを回転させて第2装着部材を第2孔側に移動させれば、ピストンをフロントカバーとの軸方向の相対移動が禁止される。
【0019】
これにより、組立が容易になる。
【0020】
請求項2に記載のピストン連結機構は、請求項1において、組立時に第2装着部材の係合部が第1孔から第2孔に移動することは許容するが、組立状態において連結部材が第1装着部材を介してフロントカバー及びピストンの一方に相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に固定された状態では、係合部が第2孔に係合した状態から第1孔に移動することが禁止される。
【0021】
このピストン連結機構では、第2装着部材が第2孔に係止されると、第2装着部材が第1孔側へ移動するのが禁止される。これにより、第2装着部材の第2孔への係合と、その回り止めとが同時に行われるため、組立工程が少なくできる。
【0022】
請求項3に記載のピストン連結機構は、請求項1又は2において、連結部材は互いに軸方向に並べて配置された第1プレート部材及び第2プレート部材を有している。そして、第1装着部材は第2プレート部材に対して相対回転不能及び軸方向に移動不能に固定されるとともに第1プレート部材に対して相対回転不能及び軸方向に移動自在に係合し、第2装着部材は、第1プレート部材に対して相対回転不能及び軸方向に移動不能に固定されるとともに、第2プレート部材に対して第1孔及び第2孔に挿通可能であるとともに両孔の間で移動自在であり、第1孔に挿通した状態では軸方向に移動可能で、かつ、第2孔に挿通した状態では軸方向に移動不能に係止し、第2プレート部材は弾性部を有している。
【0023】
請求項4に記載の流体式トルク伝達装置のロックアップ装置は、摩擦面を有するフロントカバーと、フロントカバーに固定され流体室を形成するインペラーと、流体室内でインペラーに対向して配置されたタービンとを備えた流体式トルク伝達装置に設けられたロックアップ装置であって、フロントカバーの摩擦面に圧接可能な摩擦連結部を有するドライブプレートと、タービンに固定されたドリブンプレートと、ドライブプレートとドリブンプレートとを弾性的に連結する弾性部材と、フロントカバーとタービンの間に配置され、摩擦連結部を摩擦面に押し付けるためのピストンと、請求項1〜3のいずれかに記載のピストン連結機構とを備えている。
【0024】
このロックアップ装置では、フロントカバーの回転はピストン連結機構によってピストンに伝達される。ここで、ピストン連結機構を構成する環状の連結部材は、ロックアップ装置のフロントカバーとピストンとの間に配置されている。
【0025】
そして、ピストンが軸方向に移動すると、ドライブプレートの摩擦連結部がフロントカバーの摩擦面に圧接される。すると、フロントカバーに入力されたトルクは、摩擦面及び摩擦連結部を介してドライブプレートに伝達され、さらに弾性部材及びドリブンプレートを介してタービンに伝達される。したがって、フロントカバーに入力されたトルクはタービンに直接伝達される。
【0026】
このクラッチ連結時には、連結部材は円周方向の複数箇所で撓んでピストンに対してフロントカバーから離れる方向に付勢力を与えている。
【0027】
また、クラッチ解除時には、ピストンは、油圧によって、フロントカバーから離れる方向に移動している。このとき、連結部材はピストンがフロントカバーから離れる動きを制限するとともに、ピストンのフロントカバー側への動きに対しては付勢力を与えて制限している。
【0028】
このロックアップ装置では、ピストン連結機構は、主に、フロントカバーとピストンとの間に配置された環状の連結部材によって構成されているので、ロックアップ装置の軸方向の寸法を増加させることがなく、占有スペースが小さくできる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
(1)トルクコンバータの基本構造
図1は本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバータ1の縦断面概略図である。トルクコンバータ1は、エンジンのクランクシャフト2からトランスミッションの入力シャフト3にトルクを伝達するための装置である。図1の左側に図示しないエンジンが配置され、図1の右側に図示しないトランスミッションが配置されている。図1に示すO−Oがトルクコンバータ1の回転軸である。
【0031】
トルクコンバータ1は、主に、フレキシブルプレート4とトルクコンバータ本体5とから構成されている。フレキシブルプレート4は、円板状の薄い部材からなり、トルクを伝達するとともにクランクシャフト2からトルクコンバータ本体5に伝達される曲げ振動を吸収するための部材である。したがって、フレキシブルプレート4は、回転方向にはトルク伝達に十分な剛性を有しているが、曲げ方向には剛性が低くなっている。
【0032】
トルクコンバータ本体5は、フレキシブルプレート4の外周側が固定されたフロントカバー11と、3種の羽根車(インペラー21、タービン22、ステータ23)からなるトーラス形状の流体作動室6と、ロックアップ装置7とから構成されている。
【0033】
フロントカバー11は、円板状の部材であり、内周端に軸方向に延びる円筒形状の部材であるセンターボス部16を有している。センターボス部16は、クランクシャフト2の中心孔内に挿入されている。
【0034】
フロントカバー11の外周部には、トランスミッション側に延びる外周側筒状部11aが形成されている。この外周部筒状部11aの先端にインペラー21のインペラーシェル26の外周縁が溶接によって固定されている。この結果、フロントカバー11とインペラー21とによって、内部に作動油が充填された流体作動室6が形成されている。インペラー21は、主に、インペラーシェル26と、その内側に固定された複数のインペラーブレード27と、インペラーシェル26の内周部に固定されたインペラーハブ28とから構成されている。
【0035】
タービン22は流体作動室6内でインペラー21に軸方向に対向して配置されている。タービン22は、主に、タービンシェル30と、そのインペラー側の面に固定された複数のタービンブレード31と、タービンシェル30の内周縁に固定されたタービンハブ32とから構成されている。タービンハブ32はフランジ部32aとボス部32bとから構成されており、タービンシェル30とタービンハブ32は、タービンハブ32のフランジ部32aにおいて、複数のリベット33によって固定されている。
【0036】
また、タービンハブ32のボス部32bの内周面には、入力シャフト3に係合するスプラインが形成されている。これにより、タービンハブ32は入力シャフト3と一体回転するようになっている。
【0037】
ステータ23は、インペラー21の内周部とタービン22の内周部との間に設置されており、タービン22からインペラー21に戻る作動油の流れを整流するための機構である。ステータ23は、樹脂やアルミ合金等で鋳造により一体に製作された部材であり、主に、環状のステータキャリア35と、ステータキャリア35の外周面に設けられた複数のステータブレード36とから構成されている。ステータキャリア35はワンウェイクラッチ37を介して筒状の固定シャフト39に支持されている。固定シャフト39は入力シャフト3の外周面とインペラーハブ28の内周面との間を延びている。
【0038】
なお、フロントカバー11と流体作動室6の間には環状の空間9が確保されている。
【0039】
フロントカバー11のセンターボス部16とタービンハブ32との軸方向間には第1スラストベアリング41が配置されている。この第1スラストベアリング41が配置された部分において、作動油が連通可能な第1ポート17が形成されている。すなわち、第1ポート17は、入力シャフト3の中心孔3aとセンターボス部16との間の油路と、タービンハブ32のボス部32bの外周側すなわち空間9とを連通させている。また、タービンハブ32とステータ23の内周部(具体的にはワンウェイクラッチ37)との間には第2スラストベアリング42が配置されている。この第2スラストベアリング42が配置された部分において、作動油が連通可能な第2ポート18が形成されている。すなわち、第2ポート18は、入力シャフト3と固定シャフト39との間の油路と流体作動室6とを連通させている。さらに、ステータ23(具体的にはステータキャリア35)とインペラー21(具体的にはインペラーハブ28)との軸方向間には第3スラストベアリング43が配置されている。この第3スラストベアリング43が配置された部分において、作動油が連通可能な第3ポート19が形成されている。すなわち、第3ポート19は、固定シャフト39とインペラーハブ28との間の油路と、流体作動室6とを連通させている。なお、各油路は、図示しない油圧回路に接続されており、独立して第1〜第3ポート17〜19に作動油の供給・排出が可能となっている。
【0040】
(2)ロックアップ装置の構造
ロックアップ装置7は、タービン22とフロントカバー11との間の空間9に配置されており、必要に応じて両者を機械的に連結するための機構である。
【0041】
ロックアップ装置7は、クラッチ及び弾性連結機構の機能を有し、主に、ドリブンプレート71と、ドライブプレート72と、複数のトーションスプリング73と、ピストン74と、ピストン連結機構75とから構成されている。
【0042】
ドリブンプレート71は、図2及び図3に示すように、環状のプレート部材であり、タービンシェル30の外周側に固定されており、主に、円板状部71aと、その外周縁からエンジン側に延びる筒状部71bとから構成されている。円板状部71aは溶接によってタービンシェル30に固定されている。筒状部71bは概ね軸方向にまっすぐに延びているが、先端が内周側に折り曲げられた形状になっている。
【0043】
円板状部71aには、軸方向に切り起こされたそれぞれ複数の第1切り起こし部71cと第2切り起こし部71dとが形成されている。第1切り起こし部71cは、回転方向に並んで形成され、筒状部71bの内周側に隙間を空けて配置されている。第2切り起こし部71dは各第1切り起こし部71cの回転方向間に配置され、第1切り起こし部71cの半径方向位置より外周側に位置している。さらに、筒状部71bにおいて第2切り起こし部71dに対応する部分には、内周部に向かうように、絞り加工された突出部71eが形成されている。
【0044】
トーションスプリング73は、この実施形態においては、円周方向に延びる複数(6個)のコイルスプリングであり、半径方向両側が筒状部71bと第1切り起こし部71cとによって支持され、また、回転方向端は、直接またはスプリングシートを介して、トルク伝達部としての第2切り起こし部71dと突出部71eとに当接又は近接して支持されている。さらに、各トーションスプリング73がドリブンプレート71から脱落しないように、トランスミッション側面が円板状部71aに、また、エンジン側面が筒状部71b先端の折り曲げ部分に支持されている。したがって、部品数が減って装置全体の構造が簡単になり、全体の重量も低減する。
【0045】
ドライブプレート72は、トーションスプリング73にトルクを伝達することが可能な部材であり、また、フロントカバー11に対して連結・離反する摩擦連結部材でもある。ドライブプレート72は、環状かつ円板状のプレート部材であり、ドリブンプレート71とフロントカバー11との間に設置されている。ドライブプレート72は、主に、環状の円板状本体72aと、その外周縁からトランスミッション側に延びる筒状部72bとから構成されている。円板状本体72aの内周部は摩擦連結部72cであり、外周部は受圧部72dとなっている。摩擦連結部72cは、環状かつ平坦な円板形状であり、フロントカバー11の摩擦面11bに近接している。また、摩擦連結部72cの両面には摩擦フェーシング72eが貼られている。そして、筒状部72bはドリブンプレート71の筒状部71bの外周面に当接されているため、ドライブプレート72は、ドリブンプレート71に対して、半径方向の位置決めがなされた状態で、軸方向や回転方向の移動が可能になっている。その結果、ドライブプレート72の摩擦連結部72cは、フロントカバー11の摩擦面11b及びピストン74の押圧部74aに対して平行度を高く維持できる。つまり、クラッチ連結時には摩擦フェーシング72e全体に均等に押圧力が作用し、また、クラッチ解除時にドラグトルクが生じにくい。
【0046】
さらに、ドライブプレート72には複数の爪部72fが形成されている。爪部72fは、受圧部72dをトランスミッション側に切り起こして形成されており、回転方向に等間隔で形成されている。爪部72fは、第2切り起こし部71dと突出部71eの半径方向間にエンジン側から挿入され、回転方向両端が各トーションスプリング73の回転方向両端に直接又はスプリングシートを介して当接又は近接している。爪部72fは、ドリブンプレートに相対回転して、第2切り起こし部71d及び突出部71eとの間でトーションスプリングを圧縮可能である。このロックアップ装置7では、ドライブプレート72は他の部材(プレート類)を介さず直接トーションスプリング73に係合しているため、全体の部品数が少なくなる。
【0047】
また、以上に述べたドライブプレート72の構造では、受圧部72dがドリブンプレート71よりもさらに外周側まで延びているため、ドライブプレート72の受圧面積を増加させ、ピストン的機能を向上させることにつながっている。その結果、ロックアップ装置7の応答性が向上する。
【0048】
ピストン74は、中心孔が形成された円板形状の部材であり、クラッチ連結・解除を行うものである。ピストン74の外周部はトーションスプリング73の内周側に位置し、ピストン74の内周部はタービンハブ32のボス部32bの外周側に位置している。ピストン74の外周部は押圧部74aとなっている。押圧部74aは平坦な環状部分であり、ドライブプレート72の摩擦連結部72cのトランスミッション側に配置されている。このため、ピストン74が軸方向エンジン側に移動すると、押圧部74aが摩擦連結部72cをフロントカバー11の摩擦面11bに押し付けることになる。
【0049】
また、図4に示すように、ピストン74の内周部には、軸方向に延びる筒状部74bが形成されている。筒状部74bの内周面は、ブッシュ81を介して、タービンハブ32のボス部32bの外周面に回転自在に嵌合されている。また、ボス部32bの外周面には、ブッシュ81の内周部に当接するシールリング82が設けられている。これにより、ピストン74の内周部とタービンハブ32のボス部32bの外周部との間で軸方向両側がシールされている。
【0050】
次に、図4,図5及び図6を用いて、ピストン連結機構75について説明する。なお、図5及び図6中の矢印R1及び矢印R2は、それぞれ、フロントカバー11の回転方向正側及び回転方向負側を示している。
【0051】
ピストン連結機構75は、ピストン74をフロントカバー11に対して軸方向に移動自在な状態で一体回転するように連結する機能を有している。そして、ピストン連結機構75は、ピストン74の押圧部74aと筒状部74bとの半径方向中間領域にあって、ピストン74とフロントカバー11との軸方向間に配置されたリターンプレート(第2プレート部材)76と駆動プレート(第1プレート部材)77とから、主に、構成されている。ここで、リターンプレート76は、駆動プレート77に比べて、板厚が小さく、剛性が低くなっている。
【0052】
リターンプレート76は、ピストン74とフロントカバー11との軸方向間に配置された環状のプレートであり、ピストン74をフロントカバー11に対して軸方向に移動自在に連結する機能を有している。リターンプレート76には、このリターンプレート76をフロントカバー11に固定するための第1固定孔76aと、ピストン74との係合に用いられる第2固定孔76bとが円周上に交互に形成され、第1固定孔76aと第2固定孔76bとの円周方向間には撓み部(弾性部)76cがさらに形成されている。
【0053】
リターンプレート76は、第1固定孔76aを挿通するドリブンピン78によって、フロントカバー11のトランスミッション側面に相対回転及び軸方向に移動不能に固定されている。ドリブンピン78は、胴部78aと、胴部78aのトランスミッション側先端に形成された胴部78aよりも大径の頭部78bとから構成され、リターンプレート76の第1固定孔76aに挿通された後、フロントカバー11に溶接によって固定されている。具体的には、ドリブンピン78は、フロントカバー11に形成された窪み11cに挿入された後、フロントカバー11の軸方向エンジン側面の溶接窓11dにて溶接されている。
【0054】
また、リターンプレート76の第2固定孔76bは、挿入孔76dと、挿入孔76dの回転方向(R1側)に連続して形成された挿入孔76dよりも小径の係合孔76eとから構成されており、係合孔76eと同径の部材が、挿入孔76dと係合孔76eとの間で移動自在である。
【0055】
また、リターンプレート76の撓み部76cは、ピストン74がフロントカバー11に接近・離反するために設置されている。詳細は後述する。
【0056】
次に、駆動プレート77について説明する。
【0057】
駆動プレート77は、ピストン74とリターンプレート76との軸方向間に設置された環状のプレートであり、トルク伝達機能と、後述するリターンプレート76の回り止め機能とを有している。駆動プレート77には、この駆動プレート77をピストン74に固定するための第1固定孔77aと、フロントカバー11に軸方向に移動自在に固定するための第2固定孔77bとが円周上に交互に形成され、第1固定孔77aと、第2固定孔77bとの円周方向間には撓み部77cがさらに形成されている。
【0058】
駆動プレート77の第1固定孔77aは、リターンプレート76の第2固定孔76bに対応する位置に形成されており、リベット79によってピストン74に相対回転及び軸方向に移動不能に固定されている。
【0059】
このリベット79は、ピストン74の円周面に形成された固定孔74cと、固定孔74cに対応する第1固定孔77aとを挿通してエンジン側へ延びる部材である。
【0060】
リベット79は、トランスミッション側から順に、ピストン74の固定孔74cの径よりも大径の第1頭部79aと、ピストン74の固定孔74c及び駆動プレート77の第1固定孔77aを挿通する第1胴部79bとを有している。この先端に、駆動プレート77の第1固定孔77a及びリターンプレート76の係合孔76eよりも大径の第2胴部79cを有している。さらに先端に、リターンプレート76を係止するために必要な部分が形成されている。具体的には、第2胴部79cの先端に、係合孔76eに係合可能な径と、リターンプレート76の板厚とほぼ同じ長さとを有する第3胴部79dが形成され、その先端には、リターンプレート76の係合孔76eよりも大径でかつ挿入孔76dよりも小径の第2頭部79eが形成されている。このような形状を有するリベット79によって、駆動プレート77はピストン74に相対回転及び軸方向に移動不能に固定されている。
【0061】
また、駆動プレート77の第2固定孔77bは、リターンプレート76の第1固定孔76aに対応する位置に配置されており、前述のドリブンピン78の頭部78bが挿通可能な径を有している。これにより、ピストン連結機構75の組立後は、駆動プレート77の第2固定孔77bは、ドリブンピン78の頭部78bに係合され、フロントカバー11に対して回転方向には移動不能であるが軸方向には移動自在となるように係合される。
【0062】
この状態において、駆動プレート77は、フロントカバー11からピストン74へトルク伝達を行うことが可能である。
【0063】
また、駆動プレート77の撓み部77cは、ピストン連結機構75の組立時の駆動プレート77の第2固定孔77bをドリブンピン78の頭部78bに係合する際に必要な部分である。詳細は、後述する。
【0064】
次に、リターンプレート76のリベット79への係止について説明する。
【0065】
リベット79は、前述のように駆動プレート77をピストン74に固定しており、さらに、リターンプレート76をピストン74に固定している。
【0066】
リベット79は、リターンプレート76の第2固定孔76bに対して、軸方向に移動不能に固定されている。具体的には、リベット79の第3胴部79dがリターンプレート76の係合孔76eに係合して、係合孔76eの周囲がリベット79の第2胴部79cと、第2頭部79eとよって挟まれている。
【0067】
この係合部分だけに着目すると、リベット79が係合孔76eから挿入孔76dに移動することが可能なため、リターンプレート76は軸方向には移動不能で回転方向(R2側)への移動が可能となっている。しかし、ピストン連結機構75の組立状態においては、前述の駆動プレート77と、ドリブンピン78とが互いに係合されているため、リターンプレート76がR2側に回転して、リベット79が係合孔76eから挿入孔76dに移動することができない。これにより、リベット79は、リターンプレート76に対して、軸方向のみならず回転方向にも移動不能に係合されている。つまり、駆動プレート77とドリブンピン78との係合が、リベット79(すなわち、駆動プレート77及びピストン74)のリターンプレート76に対する回り止めを実現していることになる。
【0068】
この状態において、リターンプレート76の第1固定孔76aと第2固定孔76bとの円周方向間に形成された撓み部76cが弾性変形可能であるため、ピストン74はフロントカバー11に接近・離反することが可能である。
【0069】
(3)トルクコンバータの動作
以下、図1,図6及び図7を用いて、トルクコンバータ1の動作を説明する。なお、図6はロックアップ解除時のピストン連結機構75の連結部断面図、図7はロックアップ時のピストン連結機構75の連結部断面図であり、これらの図中の矢印Aは、ピストン74の動作方向を示している。
【0070】
エンジン始動直後には、第1ポート17及び第3ポート19からトルクコンバータ本体5内に作動油が供給され、第2ポート18から作動油が排出される。第1ポート17から供給された作動油はフロントカバー11とピストン74との外周側に流れる。作動油は、ドライブプレート72の軸方向両側を通ってさらに流れ、最後に流体作動室6内に流れ込む。このとき、フロントカバー11側の油圧がピストン74のタービン22側の油圧より高くなり、図6に示すように、リターンプレート76の撓み部76cの付勢力によって、ピストン74はトランスミッション側に向かって移動している。したがって、ピストン74の押圧部74aはドライブプレート72の摩擦連結部72cから離れ、摩擦連結部72cはフロントカバー11の摩擦面11bから離れている。すなわち、ロックアップ装置7は連結解除されており、トルクを伝達していない。
【0071】
このようにロックアップ解除されているときには、フロントカバー11とタービン22との間のトルク伝達はインペラー21とタービン22との間の流体駆動によって行われている。
【0072】
トルクコンバータ1の速度比が上がり、入力シャフト3が一定の回転数に達すると、第1ポート17から空間9内の作動油が排出される。この結果、ピストン74のタービン22側の油圧がフロントカバー11側の油圧より高くなり、ピストン74がフロントカバー11側に移動させられ、押圧部74aがドライブプレート72の摩擦連結部72cをフロントカバー11の摩擦面11bに押し付ける。また、ドライブプレート72は受圧部72dに作用する油圧によって自らも摩擦面11b側に移動している。この結果、フロントカバー11のトルクは、ドライブプレート72から、トーションスプリング73を介してドリブンプレート71に伝達される。すなわち、フロントカバー11が機械的にタービン22に連結され、フロントカバー11のトルクがタービン22を介して直接入力シャフト3に出力される。なお、ドライブプレート72の摩擦連結部72cの両面が摩擦面になっているため、単一の摩擦面を有するロックアップ装置に比べてトルク伝達容量が大きくなっている。
【0073】
(4)ピストン連結機構の動作
以下、図1,図2,図6及び図7を用いて、ロックアップ装置7、特にピストン連結機構75の動作を詳細に説明する。
【0074】
図6はピストン74及び駆動プレート77が最もフロントカバー11から離れたクラッチ解除状態を示し、図7はピストン74及び駆動プレート77が最もフロントカバー11に近接したクラッチ連結状態を示している。
【0075】
リターンプレート76は、図7の状態では、その弾性力により、ピストン74に対してフロントカバー11から離れる方向に付勢力を与え、逆に、図6の状態では、ピストン74がそれ以上フロントカバー11から離れるのを防止している。
【0076】
また、このときに、トルクコンバータ1内での油圧変化によって、ピストン74に対してフロントカバー11側に移動させようとする力が作用する場合がある。この場合も、リターンプレート76の撓み部76cによって、フロントカバー11から離れる方向に付勢されるため、ピストン74がエンジン側に移動しにくくなっている。すなわち、リターンプレート76の撓み部76cによって、ドラグトルクが生じにくくなっている。
【0077】
以上のように、ピストン74は、リターンプレート76の撓み部76cの弾性変形により移動可能な範囲内に、軸方向の移動が制限されているため、ピストン74の位置決めのための他の部材が不要となり、ピストン連結機構75の構造を簡単にできる。
【0078】
一方、駆動プレート77は、図6及び図7双方の状態でドリブンピン78に係合しており、これにより、フロントカバー11の回転をピストン74に伝達する。
【0079】
また、駆動プレート77の第2固定孔77bがドリブンピン78の頭部78bに対して軸方向に移動可能であるため、駆動プレート77は軸方向に並行移動し、フロントカバー11やドリブンピン78に力を作用させることがない。したがって、ピストン74に対して駆動プレート77から軸方向への荷重が作用することはないため、ピストン74は、軸方向にスムーズに移動することができる。
【0080】
(5)ピストン連結機構の組立
以下、図4,図8〜図10を用いて、ピストン連結機構75の組立について説明する。なお、図8はリターンプレート76の挿入孔76dにリベット79を挿通する際のピストン連結機構75の連結部断面図、図9はリターンプレート76の挿入孔76dにリベット79を挿通した後のピストン連結機構75の連結部断面図、図10はリターンプレート76の係合孔76eにリベット79を係止する際のピストン連結機構75の連結部断面図であり、これらの図中の矢印R1及びR2は、それぞれ、フロントカバー11の回転方向正側及び回転方向負側を示し、矢印Bはピストン74の動作方向を示している。
【0081】
予め、リターンプレート76はフロントカバー11に固定し、駆動プレート77はピストン74に固定しておく。具体的には、リターンプレート76の固定については、第1固定孔76aをフロントカバー11の窪み11cに合わせてドリブンピン78を第1固定孔76aに挿通し、窪み11cに嵌め込んだ後、ドリブンピン78をフロントカバー11の外側から溶接窓11dにおいて溶接してリターンプレート76をフロントカバー11に固定する。駆動プレート77の固定については、第1固定孔77aをピストン74円周面の固定孔74cの位置に合わせた後、リベット79を固定孔74c及び第1固定孔77aに挿通し固定する。
【0082】
そして、駆動プレート77が固定されたピストン74をフロントカバー11に連結する。このピストン74とフロントカバー11の連結の手順について、以下に詳述する。
【0083】
図8に示すように、ピストン74のエンジン側面に突出したリベット79をフロントカバー11に固定されたリターンプレート76の第2固定孔76bの挿入孔76dに対応する位置に合わせた後、ピストン74をフロントカバー11へ押し付けることによって、図9に示すように、第3胴部79dが挿入孔76dの位置にくるまでリベット79を挿入する。このとき、駆動プレート77の第2固定孔77bはドリブンピン78の頭部78bの位置に合っておらず、ドリブンピン78の頭部78bの先端は駆動プレート77のプレート面に接して押圧している。このため、駆動プレート77の第1固定孔77aと第2固定孔77bとの円周方向中間部分が撓んだ状態になっている。このように、駆動プレート77が撓むことができるのは、駆動プレート77に撓み部77cが形成されているからである。次に、図9の状態からピストン74をR1側に回転させると、図10に示すように第2固定孔77bがドリブンプレート78の頭部78bに接近する。やがて、リベット79の第3胴部79dがリターンプレート76の係合孔76eに係止され、このとき同時に、ドリブンピン78の頭部78bの位置と駆動プレート77の第2固定孔77bの位置とが一致するため、第2固定孔77bが頭部78bに係合される。
【0084】
上記工程により、リターンプレート76は、リベット79を介してピストン74に係合されると同時に、駆動プレート77とドリブンピン78との係合によって回り止めされる。このような組立工程によって、ピストン連結機構75が組立されるため、組立が簡単で組立工程を少なくできる。
【0085】
以上に述べたように、主に、環状のリターンプレート76と、環状の駆動プレート77とからピストン連結機構75が構成されているため、従来に比べて構造は非常に簡単になっている。例えば、従来のストラッププレートを用いたピストン連結機構では、組立工程が複雑であり、工程数も多い。また、従来の構造では、重量が大きいという問題がある。それに対して本発明に係るピストン連結機構では、組立が簡単で大幅に工程数を減らすことができ、さらに重量を低減できる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、この実施形態に限られるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0087】
例えば、この実施形態では、駆動プレートがピストン側に配置されリターンプレートがフロントカバー側にされているが、逆に、リターンプレートがフロントカバー側に配置され駆動プレートがピストンに配置された構成であってもよい。
【0088】
【発明の効果】
本発明に係るロックアップ装置では、ピストン連結機構が、主に、環状の連結部材と、第1装着部材と、第2装着部材とから構成されており、しかも、連結部材には円周方向に所定の間隔で複数の弾性部が形成されているため、従来に比べて少ない部品数でピストンとフロントカバーとを相対回転不能かつ軸方向に移動自在に連結できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態が採用されたトルクコンバータの縦断面概略図。
【図2】 図1の部分拡大図であり、ロックアップ装置のダンパー機構を示す図。
【図3】 ドライブプレートとドリブンプレートの分解斜視図。
【図4】 図1の部分拡大図であり、ピストン連結機構を示す図。
【図5】 ピストン連結機構の一部を破断した斜視図。
【図6】 ロックアップ解除時のピストン連結機構の連結部断面図。
【図7】 ロックアップ時のピストン連結機構の連結部断面図。
【図8】 ピストン連結機構組立時の連結部断面図(リベット挿通時)。
【図9】 ピストン連結機構組立時の連結部断面図(リベット挿通後)。
【図10】 ピストン連結機構組立時の連結部断面図(リベット係止時)。
【符号の説明】
7 ロックアップ装置
11 フロントカバー
71 ドリブンプレート
72 ドライブプレート
73 トーションスプリング
74 ピストン
75 ピストン連結機構
76 リターンプレート
77 駆動プレート
78 ドリブンピン
79 リベット
Claims (4)
- ピストンによりクラッチ機構の摩擦連結部をフロントカバーに押圧して流体式トルク伝達装置のロックアップを行うロックアップ装置に設けられ、前記ピストンと前記フロントカバーとを相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に連結するためのピストン連結機構であって、
前記ピストンと前記フロントカバーの間に配置され、円周方向に所定の間隔で複数の弾性部が形成されて軸方向に所定の範囲で移動可能な環状の連結部材と、
前記連結部材を前記フロントカバー及び前記ピストンの一方に装着するための第1装着部材と、
前記連結部材を前記フロントカバー及び前記ピストンの他方に装着するための第2装着部材と、
を備え、
前記第1装着部材は前記連結部材の第1部分に装着されるとともに、前記第2装着部材は前記連結部材の前記第1部分と円周方向に交互に設けられた第2部分に装着されており、
前記連結部材の弾性部は前記第1部分と前記第2部分との間に設けられており、
前記連結部材は、前記第1装着部材を介して前記フロントカバー及び前記ピストンの一方に相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に固定され、前記連結部材は、前記第2装着部材を介して前記フロントカバー及び前記ピストンの他方に取り外し可能な状態で装着されており、
前記連結部材の第2部分には、第1孔と前記第1孔より小径の第2孔とが回転方向に連続して形成され、
前記第2装着部材は、前記第1孔及び前記第2孔に挿通可能であるとともに両孔の間で移動自在であり、前記第1孔に挿通した状態では軸方向に移動可能で、かつ、前記第2孔に挿通した状態では軸方向に移動不能に係止する係合部を有している、
ピストン連結機構。 - 組立時に前記第2装着部材の係合部が前記第1孔から前記第2孔に移動することは許容するが、組立状態において前記連結部材が前記第1装着部材を介して前記フロントカバー及び前記ピストンの一方に相対回転不能にかつ軸方向に移動自在に固定された状態では、前記係合部が第2孔に係合した状態から前記第1孔に移動することが禁止される、請求項1に記載のピストン連結機構。
- 前記連結部材は互いに軸方向に並べて配置された第1プレート部材及び第2プレート部材を有し、
前記第1装着部材は前記第2プレート部材に対して相対回転不能及び軸方向に移動不能に固定されるとともに前記第1プレート部材に対して相対回転不能及び軸方向に移動自在に係合し、
前記第2装着部材は、前記第1プレート部材に対して相対回転不能及び軸方向に移動不能に固定されるとともに、前記第2プレート部材に対して前記第1孔及び前記第2孔に挿通可能であるとともに両孔の間で移動自在であり、前記第1孔に挿通した状態では軸方向に移動可能で、かつ、前記第2孔に挿通した状態では軸方向に移動不能に係止し、
前記第2プレート部材は前記弾性部を有している、
請求項1又は2に記載のピストン連結機構。 - 摩擦面を有するフロントカバーと、前記フロントカバーに固定され流体室を形成するインペラーと、前記流体室内で前記インペラーに対向して配置されたタービンとを備えた流体式トルク伝達装置に設けられたロックアップ装置であって、
前記フロントカバーの前記摩擦面に圧接可能な摩擦連結部を有するドライブプレートと、
前記タービンに固定されたドリブンプレートと、
前記ドライブプレートと前記ドリブンプレートとを弾性的に連結する弾性部材と、
前記フロントカバーと前記タービンの間に配置され、前記摩擦連結部を前記摩擦面に押し付けるためのピストンと、
請求項1〜3のいずれかに記載のピストン連結機構と、
を備えた流体式トルク伝達装置のロックアップ装置。
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