JP4073569B2 - 近視野光を利用して再生可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、近視野光を利用して再生可能な記録媒体およびその記録媒体に記録された情報を再生する近視野光プローブに関し、特に、高密度に記録された情報の再生解像度を高める記録媒体および近視野光プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザ光の照射によって記録媒体の情報の再生をおこなう光再生装置(DVDプレーヤ等)の発展が目覚ましい。しかし、レーザ光の回折限界の存在により、その情報記録密度は限界に達している。そこで、回折限界の制限を打破するために、再生に利用するレーザ光の波長以下の径を有する微小開口を設けた光ヘッドを用い、その微小開口部または記録媒体表面において生成される近視野光(ニアフィールド及びファーフィールドを共に含む)を利用することによって、再生可能な情報記録密度を増大させる近視野光再生装置が提案されている。
【0003】
元来、近視野光を利用した装置として上記した微小開口を有するプローブ(以下、近視野光プローブと称する)を用いた近視野顕微鏡があり、試料の微小な表面構造の観察に利用されている。近視野顕微鏡における近視野光の利用方式の一つとして、近視野光プローブの微小開口と試料表面との距離を近視野光プローブの微小開口の径程度まで近接させ、近視野光プローブを介してかつその近視野光プローブの微小開口に向けて伝搬光を導入することにより、その微小開口に近視野光を生成させる方式(イルミネーションモード)がある。この場合、生成された近視野光と試料表面との相互作用により生じた散乱光が、試料表面の微細構造を反映した強度や位相を伴って散乱光検出系により検出され、従来の光学顕微鏡において実現し得なかった高い分解能を有した観察を可能にしている。
【0004】
また、近視野光を利用した近視野顕微鏡の他の方式として、試料に向けて伝搬光を照射して試料表面に近視野光を局在させ、その試料表面に近視野光プローブの微小開口を近視野光プローブの微小開口の径程度まで近接させる方式がある(コレクションモード)。この場合、局在した近視野光と近視野光プローブの微小開口との相互作用により生じた散乱光が、試料表面の微細構造を反映した強度や位相を伴って、近視野光プローブの微小開口を介して散乱光検出系に導かれ、高分解能な観察を達成する。
【0005】
近視野顕微鏡として、例えば、特開平第7−174542号公報に開示された走査型近視野原子間力顕微鏡が提案されている。この走査型近視野原子間力顕微鏡は、近視野光プローブとして先端を先鋭化した光導波路を採用し、原子間力顕微鏡(AFM)におけるプローブ近接制御および走査制御をおこなうことで、試料表面の形状および光学的特性の観察を可能としている。図11は、この走査型近視野原子間力顕微鏡の概略構成を示すブロック図である。
【0006】
図11において、走査型近視野原子間力顕微鏡80には、プローブ89の上方にレーザ光源83、集光レンズ84、ミラー85および上下2分割された光電変換素子86が設置されており、レーザ光源83から放出された光は、集光レンズ84によってプローブ上面82に集光され、そこで反射した光は、ミラー85を介して、光電変換素子86に導入される。また、光情報測定用の光源94から放出された光は、コリメートレンズ95を介して斜面に全反射処理を施されたプリズム92上の記録媒体81に裏面から照射され、記録媒体81に近接したプローブ89の他方の末端(先鋭化されていない根元部)に導かれ、光電変換素子87に導入される。
【0007】
プリズム92および記録媒体81は、xyz方向の移動が可能な粗動機構97および微動機構96の上に設置されている。そして、光電変換素子86で検出された信号は、サーボ機構93に送られる。この信号をもとにサーボ機構93は、記録媒体81へのプローブ89のアプローチやデータ読み取りの際に、プローブ89のたわみが規定値を超えないように粗動機構97および微動機構96を制御するようになっている。サーボ機構93にはコンピュータ99が接続されており、平面方向の微動機構96の動作を制御するとともに、サーボ機構93の制御信号から、記録媒体の情報を受け取っている。また、光電変換素子87において得られた信号は、光源94の光に変調をかけているか、あるいは、プローブ89と記録媒体81の間に振動機構88により振動を与えている場合は、ロックインアンプ98を介してコンピュータ99のアナログ入力インターフェースに接続されており、微動機構96の平面動作に同期した、光情報の検出を行なう。光源94に変調等をかけていない場合は、光電変換素子87において得られた信号は、ロックインアンプ98を介さずに直接、コンピュータ99のアナログ入力インターフェースに接続される。
【0008】
上述した近視野光情報再生装置は、このような近視野顕微鏡における技術および観察方式を利用したものであり、近視野光を利用することによって、より高密度で記録された記録媒体の情報再生を可能とした装置である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、記録媒体において情報単位であるデータマークを近接させて配置することによりその記録密度を向上させようとするとき、従来の近視野光情報再生装置において用いられる近視野光プローブは、そのような記録媒体を再生する際、隣り合ったデータマークを個別に認識して検出することが困難であった。以下に、上述したコレクションモードによる情報の再生をおこなう近視野光情報再生装置の近視野光プローブを例に挙げて、この問題について説明する。図12は、近視野光が生成されるデータマーク101が配列された記録媒体100を示す図である。なお、図12は、記録媒体100の一部分を示しており、図中点線で示した丸102は、データマークを配置することが可能な位置を示している。
【0010】
図12において、データマーク101は、例えば記録媒体100の基材103とは光透過率や屈折率が異なり、この光物性の違いによってデータマーク101の有無が認識されるものである。すなわち、データマーク101においては記録媒体100の表面に生成される近視野光の強度等が基材103とは異なり、これによりデータマーク101によって構成される情報の再生が実現される。ここで、記録媒体100の表面における近視野光の生成は、記録媒体100の裏面(データマークが配置されていない面)に全反射条件によるレーザ光等の入射光の照射によりおこなわれる。なお、データマーク101の記録は、現在流通している書き換え可能型の記録媒体において採用されている相変化記録方式等により実現される。
【0011】
図13は、図12におけるD−D’断面線における記録媒体100の断面図とデータマーク101において生成される近視野光との関係を示す図である。また、図13においては、記録媒体100の上方に近視野光プローブ110が配置されており、この近視野光プローブ110は、図中右方向を走査方向として移動することにより、記録媒体100上に配置されたデータマーク101に生成される近視野光を逐次的に検出する。例えば、図13に示す部分において、データマーク101が記録されている部分(101a、101b、101c)を「1」とし、データマーク101が記録されていない部分を「0」すると、図中左から「01101」の信号として再生される。
【0012】
よって、上記「1」に対応するデータマーク101a、101b、101cに十分に近接した位置における近視野光の振幅は、理想的には図13の近視野光振幅分布(媒体表面)に示すように、矩形状として表すことができる。これに対して、図13の近視野光振幅分布(微小開口部)は、近視野光プローブ110の微小開口111に達した近視野光、すなわちデータマーク101から近視野光プローブ110までのある一定の距離を隔てた位置における近視野光の振幅分布を示しており、各データマーク101毎に、各データマークの中心軸上を最大として左右滑らかに減衰した広がりを有することが示されている。
【0013】
また、図13の近視野光強度分布(微小開口部)は、上述した近視野光振幅分布(微小開口部)によってもたらされる近視野光の強度分布を示している。図示されているように、隣接したデータマーク101aおよび101bにおいてそれぞれ生成された近視野光は、近視野光プローブ110の微小開口111に達した位置においては、互いの近視野光振幅の裾部分が重なり、データマーク101aに生成された近視野光とデータマーク101bに生成された近視野光の境界が不明瞭となり再生解像度が低下してしまう。これにより、近視野光プローブ110の微小開口111の位置においては、これらデータマークを分離して認識することが困難になる。
【0014】
近視野光情報再生装置は、最終的には近視野光プローブ110の微小開口111に達した位置の近視野光を散乱させて得られる散乱光(伝播光)を近視野光プローブ内に導くことにより、データマーク101の検出、すなわち情報の再生を行うため、上記したデータマークの分離の問題は無視できなかった。データマーク101間の距離を十分離すことにより、この問題を回避することができるが、これは記録媒体上の記録密度を低下させることになり、高密度記録媒体の再生という近視野光情報再生装置の利点を損ねてしまう。
【0015】
また、イルミネーションモードによる情報再生においては、記録媒体に高密度に配置されたデータマークを個別に分離して認識するためには、近視野光プローブの微小開口を小さくして、その微小開口に生成される近視野光の局在範囲を小さくすることができるが、微小開口をより小さく形成するには高度な技術を要し、小さな局在範囲の近視野光は、強度もまた小さくなってしまい、その検出が困難になるという問題があった。
【0016】
本発明は上記問題を鑑みて、情報の高密度記録を達成するとともに再生解像度を高める記録媒体および近視野光プローブを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る記録媒体は、近視野光を利用して再生される情報を媒体表面に形成した記録媒体において、前記近視野光を生成するために照射される照射光(入射光)の波長に対して透明な媒体基材と、前記照射光の波長に対して透明である透過部と前記照射光の波長に対して透明でありかつ該照射光の位相を180度シフトさせる位相シフタ部とが前記媒体基材の表面に平行な方向にかつ情報の再生方向に交互に配置されて構成される位相シフタ配置層と、前記位相シフタ配置層上に形成され、前記透過部および前記位相シフタ部の各々に前記再生方向に対して一つずつ対応させて前記情報の単位となるデータマークが配置されるデータマーク配置層と、から構成されている。
【0018】
この発明によれば、近視野光情報再生装置において採用される再生方式をコレクションモードとした場合に、記録媒体の裏面から照射される照射光の波長に対して十分な透過率を有する基材(媒体基材)上に、記録媒体の裏面から全反射条件で照射される入射光の波長に対して透明でありかつその照射光の位相を180度シフトさせる位相シフタ部とその照射光の波長に対して透明である透過部とが交互に配置された位相シフト配置層を形成し、さらにそれら位相シフタ部の上部と透過部の上部にそれぞれ位置する部分に一列にデータマークを配置することが可能なデータマーク配置層を形成しているので、位相シフタ部を透過した照射光により記録媒体上に生成された近視野光の広がりと、透過部を透過した照射光により記録媒体上に生成された近視野光の広がりとが打ち消し合うことができる。
【0019】
また、請求項2に係る記録媒体は、請求項1の発明において、前記データマーク配置層は、その表面において、前記データマークが配置される部分を除く領域に照射光を遮光する遮光膜が形成されている。
【0020】
この発明によれば、データマーク配置層の表面において、データマークおよびデータマークを配置することが可能な部分以外に遮光膜を被覆しているので、全反射条件以外の照射光の入射に対しても、記録媒体の表面において近視野光のみが得られる。
【0021】
また、請求項3に係る記録媒体は、近視野光を利用して再生される情報を媒体表面に形成した記録媒体において、前記近視野光を生成するために照射される照射光の波長に対して透明な媒体基材と、前記照射光の波長に対して半透明でありかつ当該照射光の位相を180度シフトさせる位相シフタと、から構成され、前記媒体基材の表面において、前記近視野光が生成されかつ前記情報の単位となる部分を除く領域に、前記位相シフタを設けている。
【0022】
この発明によれば、近視野光情報再生装置において採用される再生方式をコレクションモードとした場合に、記録媒体の裏面から照射される照射光(レーザ光等)の波長に対して十分な透過率を有する基材(媒体基材)の表面に、記録媒体の裏面から照射される照射光の波長に対して半透明でありかつそのレーザ光の位相を180度シフトさせる位相シフタを被覆し、この位相シフタが被覆されない開口部を、情報の単位となるデータマークとして配列しているので、データマークに生成された近視野光のデータマークのエッジ部分における近視野光の広がりと、位相シフタのエッジ部分における近視野光の広がりとが打ち消し合うことできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る近視野光を利用して再生可能な記録媒体および情報再生装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る記録媒体の一部分を示す図である。図1に示す記録媒体10は、近視野光を生成するのに十分な光透過率を有する基材上に、後述する位相シフタ配置層を形成し、さらにその位相シフタ配置層上にデータマーク配置層が配置されて構成されている。ここで、データマーク配置層は、データマークが形成される領域である。
【0029】
図1において、記録媒体10は、データマーク配置層に、例えば比較的強度の大きな近視野光が生成されるような光透過率の部分としてデータマーク11が形成され、このデータマーク11が適当に配列されることにより情報の記録が達成されている。なお、図中点線で示した丸12は、データマークを配置することが可能な位置を示している。ここでは、データマーク11が情報の論理値「1」に相当し、点線で示した丸12、すなわちデータマーク11が配置されていない部分が論理値「0」に相当するものとする。
【0030】
なお、この実施の形態の説明において、データマーク11は、データマーク11が配置されていない部分(点線で示した丸12)に比較して、屈折率や吸光度の違いから、生成される近視野光の強度が大きくなるような材料または物理構造であるものとするが、他にも偏光方向や吸収係数等の光物性の違いにより区別できる材料または物理構造であってよい。
【0031】
また、図1において、データマーク11の配置を可能とする部分以外の表面には、遮光膜13が被覆されており、記録媒体10の裏面から照射される入射光が表面に現れるのを防いでいる。この遮光膜13によって、記録媒体10の裏面から照射される入射光を特に全反射条件とせずに、記録媒体10に照射する方向の精密な調整を不要としている。
【0032】
さらに、データマーク配置層の下層に配置されている位相シフタ配置層は、図示しているように、位相シフタ部14と、位相シフタの配置されていない透過部15とが交互に配置されて構成されている。なお、透過部15は、記録媒体10の基材と同一の材料で形成されることが好ましく、入射光を透過させる透明な材料である。そして、位相シフタ部14および透過部15の長手方向に各々一列に、記録される情報に応じてデータマーク11が配列される。ただし、位相シフタ部14および透過部15の長手方向に垂直な方向に沿ってデータマーク11の有無を検出するものとする。
【0033】
ここで、位相シフタとは、記録媒体10の裏面に照射される入射光の波長に対して十分に大きな透過率を有し、かつ記録媒体10の基材に対して180度の位相差を有する透明の材料からなり、例えば、塗布によるガラス膜やスパッタによるSiO2膜である。
【0034】
図2は、図1におけるA−A’断面線における記録媒体10の断面図とデータマーク11において生成される近視野光との関係を示す図である。図2において、記録媒体10は、全反射条件以外において入射光を十分透過する材料からなる基材16上に、上記した位相シフタ配置層と、さらにその上にデータマーク配置層とが積層されて構成されている。
【0035】
また、図2においては、記録媒体10の上方に近視野光プローブ8が配置されており、この近視野光プローブ8は、図中右方向を走査方向として移動することにより、記録媒体10上に配置されたデータマーク11に生成される近視野光を逐次的に検出する。例えば、図2に示す部分において、データマーク11が記録されている部分(11a、11b、11c)を「1」とし、データマーク11が記録されていない部分を「0」すると、図中左から「01101」の信号として再生される。
【0036】
よって、上記「1」に対応するデータマーク11a、11b、11cに十分に近接した位置における近視野光の振幅は、理想的には図2の近視野光振幅分布(媒体表面)に示すように、矩形波として表すことができる。ここで、近視野光振幅分布(媒体表面)においてマイナスの領域は、位相シフタ部14を透過して生成された近視野光を示している。すなわち、位相シフタ部14上に生成される近視野光は、透過部15を透過して生成された近視野光に対して180度反転した位相を有する。
【0037】
これに対して、図2の近視野光振幅分布(微小開口部)は、近視野光プローブ8の微小開口9に達した近視野光、すなわちデータマーク11から近視野光プローブ8までのある一定の距離を隔てた位置における近視野光の振幅分布を示している。この近視野光振幅分布(微小開口部)において、データマーク11aについてはプラスの領域に、データマーク11bおよび11cについてはマイナスの領域に、各データマークの中心軸上を最大として左右滑らかに減衰した広がりを有することが示されている。
【0038】
そして、図2の近視野光強度分布(微小開口部)は、上記した近視野光振幅分布(微小開口部)によってもたらされる近視野光の強度分布を示している。すなわち、透過部15を透過した入射光により記録媒体10の表面に生成された近視野光振幅と、位相シフタ部14を透過した入射光により記録媒体10の表面に生成された近視野光振幅との和の絶対値が示されている。図示されているように、隣接したデータマーク11aおよび11bにおいてそれぞれ生成された近視野光は、従来において、隣接したデータマークの近視野光振幅の裾部分が重なることにより近視野光の境界が不明瞭となっていたのに対して、位相シフタ部14によるマイナス領域の近視野光の存在により、その境界が明瞭となっている。すなわち、これら隣接したデータマークを分離して認識することが可能になる。
【0039】
以上に説明したように、実施の形態1に係る記録媒体10によれば、近視野光情報再生装置において採用される再生方式をコレクションモードとした場合に、記録媒体10の裏面から照射される入射光の波長に対して十分な透過率を有する基材16上に、記録媒体10の裏面から照射される入射光の波長に対して透明でありかつその入射光の位相を180度シフトさせる位相シフタ部14とその入射光の波長に対して透明である透過部15とが交互に配置された位相シフト配置層を形成し、さらにそれら位相シフタ部14の上部と透過部15の上部にそれぞれ位置する部分に一列にデータマーク11を配置することが可能なデータマーク配置層を形成し、データマーク11およびデータマーク11を配置することが可能な部分以外に遮光膜13を被覆しているので、位相シフタ部14を透過した入射光により記録媒体10上に生成された近視野光の広がりと、透過部14を透過した入射光により記録媒体10上に生成された近視野光の広がりとが打ち消し合うことで、隣り合ったデータマーク11またはデータマーク11を配置可能な部分において生成された近視野光のコントラストを向上させることができ、これにより、データマーク11の隣接距離を小さくして、記録密度を向上させることが可能になる。
【0040】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2に係る記録媒体について説明する。図3は、実施の形態2に係る記録媒体の一部分を示す図である。図3に示す記録媒体20は、記録媒体の表面に遮光膜を被覆しないことのみが実施の形態1に係る記録媒体10と異なる。よって、図3において、記録媒体20は、近視野光を生成するのに十分な光透過率を有する基材上に形成された位相シフタ配置層とさらにその位相シフタ配置層上に形成されたデータマーク配置層とから構成される。
【0041】
ここで、位相シフタ配置層は、実施の形態1と同様に、位相シフタ部24と透過部25とが交互に配置されて形成されたものであり、データマーク配置層は、データマーク21が形成される領域である。なお、図中点線で示した丸22は、データマークを配置することが可能な位置を示している。
【0042】
また、図1において、データマーク21の配置を可能とする部分以外の表面に、遮光膜が被覆されていないため、実施の形態1のように記録媒体20の裏面に対して任意な角度(垂直な方向を含む)によって入射光を照射した場合には、その入射光が表面に現れてしまうために都合が悪い。よって、この入射光を全反射となる角度によって記録媒体20の裏面に照射して、記録媒体20の表面において滲み出しによる近視野光のみを生成する必要がある。
【0043】
図4は、図3におけるB−B’断面線における記録媒体20の断面図とデータマーク21において生成される近視野光との関係を示す図である。図4において、記録媒体20は、全反射条件において照射される滲み出しによる入射光を十分透過する材料からなる基材26上に、上記した位相シフタ配置層と、さらにその上にデータマーク配置層とが積層されて構成されている。
【0044】
また、図4においても、図2と同様に、記録媒体20の上方に近視野光プローブ8が配置されており、この近視野光プローブ8は、図中右方向を走査方向として移動することにより、記録媒体20上に配置されたデータマーク21に生成される近視野光を逐次的に検出する。
【0045】
よって、図2と同様に、データマーク21a、21bおよび21cに十分に近接した位置における近視野光の振幅は、理想的には図4の近視野光振幅分布(媒体表面)に示すように、矩形波として表すことができる。ただし、各データマーク間において遮光膜が存在しないため、近視野光の振幅が0となる領域が存在しないことが、図2と異なる。
【0046】
これに対して、図4の近視野光振幅分布(微小開口部)は、近視野光プローブ8の微小開口9に達した近視野光の振幅分布を示している。この近視野光振幅分布(微小開口部)において、データマーク21aについてはプラスの領域に、データマーク11bおよび11cについてはマイナスの領域に、各データマークの中心軸上を最大として左右滑らかに減衰した広がりを有することが示されている。特に、データマークが配置されていない部分の近視野光は、ブロードして連なった広がりを有している。
【0047】
そして、図4の近視野光強度分布(微小開口部)は、上記した近視野光振幅分布(微小開口部)によってもたらされる近視野光の強度分布を示している。すなわち、透過部25を透過した入射光により記録媒体20の表面に生成された近視野光振幅と、位相シフタ部24を透過した入射光により記録媒体20の表面に生成された近視野光振幅との和の絶対値が示されている。図示されているように、隣接したデータマーク21aおよび21bにおいてそれぞれ生成された近視野光は、近視野光の境界が明瞭となっている。すなわち、これら隣接したデータマークを分離して認識することが可能になる。
【0048】
以上に説明したように、実施の形態2に係る記録媒体20によれば、近視野光情報再生装置において採用される再生方式をコレクションモードとした場合に、記録媒体20の裏面から照射される入射光の波長に対して十分な透過率を有する基材26上に、記録媒体20の裏面から全反射条件で照射される入射光の波長に対して透明でありかつその入射光の位相を180度シフトさせる位相シフタ部24とその入射光の波長に対して透明である透過部25とが交互に配置された位相シフト配置層を形成し、さらにそれら位相シフタ部24の上部と透過部25の上部にそれぞれ位置する部分に一列にデータマーク21を配置することが可能なデータマーク配置層を形成しているので、位相シフタ部24を透過した入射光により記録媒体20上に生成された近視野光の広がりと、透過部24を透過した入射光により記録媒体20上に生成された近視野光の広がりとが打ち消し合うことで、隣り合ったデータマーク21またはデータマーク21を配置可能な部分において生成された近視野光のコントラストを向上させることができ、これにより、データマーク21の隣接距離を小さくして、記録密度を向上させることが可能になる。
【0049】
さらに、データマーク21間において遮光膜の形成を必要としないため、実施の形態1に係る記録媒体と比較して、記録媒体の作製工程を減らすことができるとともに、データマーク21間をより近接させて形成することができる。
【0050】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態2に係る記録媒体について説明する。図5は、実施の形態3に係る記録媒体の一部分を示す図である。図5において、記録媒体30は、近視野光を生成するのに十分な光透過率を有する基材上に、位相シフタ33を被覆し、この位相シフタ33を被覆しない部分をデータマーク31として配列することで情報を記録している。なお、図中点線で示した丸32は、データマークを配置することが可能な位置を示している。ここで、位相シフタ33は、記録媒体30の裏面から全反射条件において照射される滲み出しによる入射光の波長に対して2〜20%程度の透過率を有し、かつ記録媒体30の基材36に対して180度の位相差を有する半透明の材料(特に、この半透明の位相シフタをハーフトーン型位相シフタと称する)からなり、例えば、塗布によるガラス膜やスパッタによるSiO2膜である。
【0051】
図6は、図5におけるC−C’断面線における記録媒体30の断面図とデータマーク31において生成される近視野光との関係を示す図である。また、図6においても、図2と同様に、記録媒体30の上方に近視野光プローブ8が配置されており、この近視野光プローブ8は、図中右方向を走査方向として移動することにより、記録媒体30上に配置されたデータマーク31に生成される近視野光を逐次的に検出する。
【0052】
よって、図2と同様に、データマーク31a、31bおよび31cに十分に近接した位置における近視野光の振幅は、理想的には図6の近視野光振幅分布(媒体表面)に示すように、矩形波として表すことができる。この近視野光振幅分布(媒体表面)においてマイナスの領域は、位相シフタ33上に生成された近視野光を示している。すなわち、位相シフタ33上に生成される近視野光は、各データマークに生成された近視野光に対して180度反転した位相を有し、かつ各データマークに生成された近視野光の強度に比較して透過率の違いによる十分に小さな強度を有する。
【0053】
これに対して、図6の近視野光振幅分布(微小開口部)は、近視野光プローブ8の微小開口9に達した近視野光、すなわちデータマーク31から近視野光プローブ8までのある一定の距離を隔てた位置における近視野光の振幅分布を示しており、各データマークについては、プラスの領域に各データマークの中心軸上を最大として左右滑らかに減衰した広がりを有することを示し、その他の位相シフタ7が被覆された部分については、マイナスの領域に各データマークまたは位相シフタ33のエッジにおいて滑らかに0に近づく広がりを有することを示している。
【0054】
また、図6の近視野光強度分布(微小開口部)は、上記した近視野光振幅分布(微小開口部)によってもたらされる近視野光の強度分布を示している。すなわち、データマーク31において生成される近視野光振幅と、位相シフタ33において生成された近視野光との和の絶対値が示されている。図示されているように、隣接したデータマーク31aおよび31bにおいてそれぞれ生成された近視野光は、従来において、隣接したデータマークの近視野光振幅の裾部分が重なり、近視野光の境界が不明瞭となっていたのに対して、位相シフタ33によるマイナス領域の近視野光の存在により、その境界が十分に明瞭となり、これらデータマークを分離して認識することが可能になる。
【0055】
以上に説明したように、実施の形態3に係る記録媒体30によれば、近視野光情報再生装置において採用される再生方式をコレクションモードとした場合に、記録媒体30の裏面から照射されるレーザ光の波長に対して十分な透過率を有する基材36の表面に、記録媒体30の裏面から全反射条件で照射される入射光の波長に対して半透明でありかつその入射光の位相を180度シフトさせる位相シフタ33を被覆し、この位相シフタ33が被覆されない開口部をデータマーク31として配列しているので、データマーク31に生成された近視野光のデータマーク31のエッジ部分における近視野光の広がりと、位相シフタ33のエッジ部分における近視野光の広がりとが打ち消し合うことで、データマーク31による近視野光のコントラストを向上させることができ、これにより、データマーク31の隣接距離を小さくして、記録密度を向上させることが可能になる。
【0056】
(実施の形態4)
つぎに、実施の形態4に係る近視野光プローブについて説明する。図7は、本発明の実施の形態4に係る近視野光プローブの概略構成図であり、特にこの近視野光プローブは上述したイルミネーションモードの場合に有効となる。図7において、近視野光プローブ50は、半導体製造プロセスを用いて、例えばシリコン基板からなる平面基板51に、これを貫通するように貫通穴52が形成されている。また、貫通穴32の一方の開口には、それを塞ぐように位相シフタ53が形成され、さらに、その位相シフタ53には微小開口54が貫通して形成されている。この微小開口54は、近視野光を生成するのに適した大きさであり、例えば数十ナノメートルの径を有している。
【0057】
ここで、位相シフタ53は、実施の形態3において説明した位相シフタ33と同様なハーフトーン型位相シフタであり、貫通孔52の他方の開口から導入されるレーザ光等の入射光の位相を反転(180度シフト)させるとともに、光強度を十分に減衰して透過させる。特に、位相シフタ53は、微小開口54において生成される近視野光の強度の5分の1以下程度の透過率を有する必要があり、半透明というよりもむしろほとんど不透明に近い。この透過光(滲み出し効果による近視野光を含む)は、微小開口54において生成される近視野光とともに記録媒体40の表面に照射される。
【0058】
微小開口54において生成された近視野光55が記録媒体40上のデータマーク41上に配置されると、データマーク41による強い散乱を受け、散乱光(伝播光)が生じる。この散乱光が図示しない光検出器において検出されて再生信号に変換されることにより、データマーク41の認識が達成される。
【0059】
図8は、近視野光プローブ50の位相シフタ53の部分と、微小開口54の近傍において透過される伝播光および微小開口54において生成される近視野光との関係を示す図である。微小開口54に十分に近接した位置における近視野光の振幅は、理想的には図8の近視野光振幅分布(微小開口部)に示すように、矩形状として表すことができる。近視野光振幅分布(微小開口部)においてマイナスの領域は、位相シフタ53を透過した伝播光を示している。すなわち、位相シフタ53を透過した伝播光は、微小開口54において生成された近視野光に対して180度反転した位相を有し、かつ微小開口54に生成された近視野光の強度に比較して十分に小さな強度を有する。
【0060】
これに対して、図8の近視野光振幅分布(媒体表面)は、記録媒体40に達した近視野光、すなわち近視野光プローブ50から記録媒体40の表面までのある一定の距離を隔てた位置における近視野光および伝播光の振幅分布を示しており、近視野光55については、プラスの領域に微小開口54の中心軸上を最大として左右滑らかに減衰した広がりを有することを示し、伝播光については、マイナスの領域に微小開口54または位相シフタ53のエッジにおいて滑らかに0に近づく広がりを有することを示している。
【0061】
また、図8の近視野光強度分布(媒体表面)は、上記した近視野光振幅分布(媒体表面)によってもたらされる近視野光および伝播光の強度分布を示している。すなわち、微小開口54において生成される近視野光振幅と、位相シフタ53において生成される伝播光との和の絶対値が示されている。図示されているように、微小開口54において生成された近視野光は、位相シフタ53によるマイナス領域の伝播光の存在により、その微小開口54のエッジ部における近視野光の広がりがカットされ、よりシャープな分布の近視野光を得ることができる。
【0062】
以上に説明したように、実施の形態4に係る近視野光プローブ50によれば、近視野光プローブ50の貫通穴52の開口に、貫通穴52に導入される入射光の波長に対して半透明でありかつそのレーザ光の位相を180度シフトさせる位相シフタ53が形成され、さらに位相シフタ53に近視野光を生成するのに適した径の微小開口54形成されているので、近視野光情報再生装置において採用される再生方式をイルミネーションモードとした場合に、微小開口54に生成される近視野光の広がりと位相シフタ53を透過した伝播光の広がりとが双方のエッジ部分において打ち消し合うことでシャープな近視野光を得ることができ、これにより記録媒体40に配置されたデータマーク21に対して、より局所的に相互作用を施すことができ、データマーク41を高密度に記録した記録媒体40に対しての情報の再生を可能とする。
【0063】
(実施の形態5)
つぎに、実施の形態5に係る近視野光プローブについて説明する。図9は、実施の形態5に係る近視野光プローブの概略構成図であり、特にこの近視野光プローブは、実施の形態4と同様に、イルミネーションモードの場合に有効となる。図9において、近視野光プローブ60は、半導体製造プロセスを用いて、例えばシリコン基板からなる平面基板61に、これを貫通するように貫通穴62が形成されている。また、貫通穴62の一方の開口には、遮光膜65の形成により開口部が形成され、さらに、その開口部を塞ぐようにかつ遮光膜65を覆って位相シフタ63が形成される。つづいて、位相シフタ63において下層に遮光膜65が配置されていない部分に、例えばFIB(フォーカスト・イオン・ビーム)により微小開口64が貫通して形成されている。なお、微小開口64は、上記した遮光膜65の開口部よりも小さくする必要がある。遮光膜65の開口部および微小開口64はともに、近視野光を生成するのに適した大きさであり、例えば数十ナノメートルの径を有している。
【0064】
ここで、位相シフタ63は、貫通孔62の他方の開口から導入される入射光の位相を反転(180度シフト)させ、入射光を十分に透過させる透明型の位相シフタである。したがって、入射光の導入により、遮光膜65の開口部によって生成されかつ位相シフタ63を透過して位相が反転された近視野光(第1の近視野光と称する)と、微小開口64によって生成された近視野光との2種類の近視野光(第2の近視野光と称する)が生じる。
【0065】
特にこの場合、微小開口64において生成された近視野光66を記録媒体40上のデータマーク41上に配置することにより、散乱光(伝播光)を生じさせ、この散乱光を図示しない光検出器により検出することでデータマーク41の認識を達成する。
【0066】
図10は、上記した第1の近視野光と、第2の近視野光との関係を示す図である。微小開口64に十分に近接した位置における近視野光(第1の近視野光および第2の近視野光)の振幅は、理想的には図10の近視野光振幅分布(微小開口部)に示すように、矩形状として表すことができる。なお、近視野光振幅分布(微小開口部)において、プラスの領域は、第2の近視野光を示しており、マイナスの領域は、第1の近視野光を示している。すなわち、位相シフタ63を透過した第1の近視野光は、微小開口64において生成された第2の近視野光に対して180度反転した位相を有する。
【0067】
これに対して、図10の近視野光振幅分布(媒体表面)は、記録媒体40に達した近視野光、すなわち近視野光プローブ40から記録媒体40の表面までのある一定の距離を隔てた位置における第1の近視野光および第2の近視野光の振幅分布を示しており、第2の近視野光については、プラスの領域に微小開口64の中心軸上を最大として左右滑らかに減衰した広がりを有することを示し、第1の近視野光については、マイナスの領域に位相シフタ63および遮光膜65のエッジ部において滑らかに0に近づく広がりを有することを示している。
【0068】
また、図10の近視野光強度分布(媒体表面)は、上記した近視野光振幅分布(媒体表面)によってもたらされる第1の近視野光および第2の近視野光の強度分布を示している。すなわち、位相シフタ63を透過する近視野光振幅と、微小開口64において生成される近視野光振幅との和が示されている。図示されているように、第2の近視野光は、位相シフタ63によるマイナス領域の第1の近視野光の存在により、その微小開口64のエッジ部における近視野光の広がりがカットされ、よりシャープな分布の近視野光を得ることができる。
【0069】
以上に説明したように、実施の形態5に係る近視野光プローブ60によれば、近視野光を生成するための開口部を、遮光膜63の部分的な被覆により形成し、この開口部を塞ぐように、貫通穴62に導入される入射光の波長に対して透明でありかつそのレーザ光の位相を180度シフトさせる位相シフタ63を形成して、この位相シフタ63に貫通した微小開口64を設けているので、近視野光情報再生装置において採用される再生方式をイルミネーションモードとした場合に、微小開口64に生成される近視野光の広がりと位相シフタ63を透過した近視野光の広がりとが双方のエッジ部分において打ち消し合うことでシャープな近視野光を得ることができ、これにより記録媒体40に配置されたデータマーク41に対して、より局所的に相互作用を施すことができ、データマーク41を高密度に記録した記録媒体40に対する情報の再生を可能とする。
【0070】
以上の説明において実施の形態4および5にかかる近視野光プローブは、局所的なシャープな近視野光の生成を可能とすることから、記録媒体上の情報の再生だけでなく、例えば、比較的強度の大きな光照射によりデータマークの生成が可能な相変化膜を被覆した記録媒体に対して、情報の高密度な記録をおこなうこともできる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に係る発明によれば、位相シフタ部を透過した入射光により記録媒体上に生成された近視野光の広がりと、透過部を透過した入射光により記録媒体上に生成された近視野光の広がりとが打ち消し合うことで、隣り合ったデータマークまたはデータマーク21を配置可能な部分において生成された近視野光のコントラストを向上させることができ、これにより、データマークの隣接距離を小さくして、記録密度を向上させることが可能な記録媒体を提供することができるという効果を奏する。
【0072】
また、請求項2に係る発明によれば、データマーク配置層の表面において、データマークおよびデータマークを配置することが可能な部分以外に遮光膜を被覆しているので、全反射条件以外の照射光の入射に対しても、記録媒体の表面において近視野光のみが得られる記録媒体を提供することができるという効果を奏する。
【0073】
また、請求項3に係る発明によれば、記録される情報の単位となるデータマークに生成された近視野光のデータマークのエッジ部分における近視野光の広がりと、位相シフタのエッジ部分における近視野光の広がりとが打ち消し合うことで、データマークに生成される近視野光のコントラストを向上させることができ、これにより、データマーク間の隣接距離を小さくして、記録密度を向上させることが可能な記録媒体を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る記録媒体の一部分を示す図である。
【図2】 図1のA−A’断面線における記録媒体の断面図とデータマークにおいて生成される近視野光との関係を示す図である。
【図3】実施の形態2に係る記録媒体の一部分を示す図である。
【図4】 図3のB−B’断面線における記録媒体の断面図とデータマークにおいて生成される近視野光との関係を示す図である。
【図5】実施の形態3に係る記録媒体の一部分を示す図である。
【図6】 図5のC−C’断面線における記録媒体の断面図とデータマークにおいて生成される近視野光との関係を示す図である。
【図7】実施の形態4に係る近視野光プローブの概略構成図である。
【図8】実施の形態4に係る近視野光プローブにおいて、位相シフタの部分と、微小開口の近傍において透過される伝播光および微小開口において生成される近視野光との関係を示す図である。
【図9】実施の形態5に係る近視野光プローブの概略構成図である。
【図10】実施の形態5に係る近視野光プローブにおいて、第1の近視野光と第2の近視野光との関係を示す図である。
【図11】従来の走査型近視野原子間力顕微鏡の概略構成を示すブロック図である。
【図12】近視野光を利用した従来の記録媒体を示す図である。
【図13】図12のD−D’断面線における記録媒体の断面図とデータマークにおいて生成される近視野光との関係を示す図である。
【符号の説明】
11,21,31 データマーク
14,24 位相シフタ部
15,25 透過部
12,22,32 データマーク配置可能部分
10,20,30 記録媒体
33,53 ハーフトーン型の位相シフタ
50,60 近視野光プローブ
51,61 平面基板
52,62 貫通穴
54,64 微小開口
63 透過型の位相シフタ
65 遮光膜
Claims (3)
- 近視野光を利用して再生される情報を媒体表面に形成した記録媒体において、
前記近視野光を該記録媒体の表面に生成するために該記録媒体の裏面から全反射条件で照射される照射光の波長に対して透過性を有する媒体基材と、
前記媒体基材上に形成され、前記照射光の波長に対して透過性を有する透過部と前記照射光の波長に対して透過性を有しかつ該照射光の位相を180度シフトさせる位相シフタ部とが前記媒体基材の表面に平行な方向にかつ情報の再生方向に交互に配置されて構成される位相シフタ配置層と、
前記位相シフタ配置層上に形成され、前記透過部および前記位相シフタ部の各々に前記再生方向に対して一つずつ対応させて前記情報の単位となるデータマークが選択的に配置されるデータマークを配置可能な部分を有するデータマーク配置層と、
を備え、
前記データマークは、該記録媒体の表面に生成される近視野光の強度あるいは物性を前記データマークを配置可能な部分における前記データマークが配置されていない部分とは異ならせるものであり、この近視野光を前記再生方向に検出して前記データマークの有無を検出することにより、前記媒体表面に形成された情報を再生することを特徴とする記録媒体。 - 近視野光を利用して再生される情報を媒体表面に形成した記録媒体において、
前記近視野光を該記録媒体の表面に生成するために該記録媒体の裏面から照射される照射光の波長に対して透過性を有する媒体基材と、
前記媒体基材上に形成され、前記照射光の波長に対して透過性を有する透過部と前記照射光の波長に対して透過性を有しかつ該照射光の位相を180度シフトさせる位相シフタ部とが前記媒体基材の表面に平行な方向にかつ情報の再生方向に交互に配置されて構成される位相シフタ配置層と、
前記位相シフタ配置層上に形成され、前記透過部および前記位相シフタ部の各々に前記再生方向に対して一つずつ対応させて前記情報の単位となるデータマークが選択的に配置されるデータマークを配置可能な部分を有し、かつ前記データマークを配置可能な部分を除く領域に前記照射光を遮光する遮光膜が形成されたデータマーク配置層と、
を備え、
前記データマークは、該記録媒体の表面に生成される近視野光の強度あるいは物性を前記データマークを配置可能な部分における前記データマークが配置されていない部分とは異ならせるものであり、この近視野光を前記再生方向に検出して前記データマークの有無を検出することにより、前記媒体表面に形成された情報を再生することを特徴とする記録媒体。 - 近視野光を利用して再生される情報を媒体表面に形成した記録媒体において、
前記近視野光を該記録媒体の表面に生成するために該記録媒体の裏面から全反射条件で照射される照射光の波長に対して透過性を有する媒体基材と、
前記媒体基材上に形成され、前記情報の単位となるデータマークと、
前記媒体基材上において前記データマークを除く領域に形成され、前記照射光の波長に対して半透明でありかつ該照射光の位相を180度シフトさせる位相シフタと、
を備え、
前記データマークは、該記録媒体の表面に生成される近視野光の強度あるいは物性を前記位相シフタとは異ならせるものであり、この近視野光を検出して前記データマークの有無を検出することにより、前記媒体表面に形成された情報を再生することを特徴とする記録媒体。
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