JP4151206B2 - ソリッドイマージョンミラーおよび再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を用いて試料の観察を行う顕微鏡や光を用いて情報の記録、再生または消去を行う記録再生装置等に利用されるソリッドイマージョンミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ソリッドイマージョンレンズ(solid immersion lens)(以下、「SIL」と略す。)を用いた光学顕微鏡が知られている。SILは高屈折媒質により形成され、SILに光を入射させるとSIL表面の所定の集光点へと光が集光する。また、SILを用いることによりその媒質の屈折率分だけ開口数を大きくすることができる。したがって、SILの集光点の近接場領域にまで観察対象を近接させることにより、集光したスポット径をより小さくすることが可能となる。
【0003】
SILのこのような特性を利用して光の微小スポットを形成し、光を用いた記録再生を実現することも提案されている。すなわち、SILの集光点と記録媒体とを非常に近接させることにより、集光点近傍の近接場光(エバネッセント光のみならず、集光点の近接場領域に存在する光を含む。)を利用して、記録媒体の微小領域に対する記録や再生を行う技術が提案されている。
【0004】
一方、高屈折媒質内にて光を反射させることにより、SILと同様の機能を実現させるソリッドイマージョンミラー(solid immersion mirror)(以下、「SIM」と略す。)も提案されている。SIMは光の反射を利用するため、光を集光させる際に波長による集光状態のずれ(すなわち、色収差)が発生しないという長所を有する。
【0005】
SIMの従来例としては、例えば、特開平11−305132号公報や特開平11−238238号公報に記載されたものがある。特開平11−305132号公報に記載されたSIMでは、光源をSIMに直接取り付け、光源からの発散光を集光させる。また、特開平11−238238号公報に記載されたSIMでは、コリメート光を側方からSIMに入射させて集光させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光源をSIMに直接取り付ける場合、SIMと光源との位置関係を調整することが困難となり、高い取り付け精度が要求される。また、いわゆるハードディスクと同様の浮上スライダにSIMを取り付けて記録再生を行う場合、浮上スライダが重くなってしまうという問題も生じる。
【0007】
一方、コリメート光を側方からSIMに入射させる場合、集光点に対して光を均一に(すなわち、様々な方向から均一の強度で)入射させることができず、集光点に形成されるスポットが広がったり、楕円状になってしまう。集光点に対して光を均一に入射させるためには、入射させるコリメート光の強度分布を予め調整すること等が必要となるが、そのような光学的手段を設けることは実際には困難である。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、光源からの光を入射させた際に適切な集光スポットを形成することができるソリッドイマージョンミラーを提供することを主たる目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、透光性を有する高屈折率の媒質により主として形成されるソリッドイマージョンミラーであって、放物線の対称軸に平行であって前記放物線の頂点から離れた位置にて前記放物線と交わる回転軸を中心に、前記放物線のうち前記回転軸に対して前記頂点とは反対側の部分を回転させて得られる曲面の一部である第1反射面と、前記放物線を含む平面内において前記放物線と前記回転軸との交点と、前記放物線の焦点とを結ぶ線分に垂直な直線のうち前記回転軸に対して前記頂点とは反対側の部分を回転させて得られる円錐面の一部である第2反射面とを備え、前記回転軸に沿って前記第2反射面側からコリメートされた光を前記媒質に入射させた際に、前記光が前記媒質内を伝播しつつ前記第1反射面および前記第2反射面により順次反射され、前記媒質の境界上の集光点に集光する。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載のソリッドイマージョンミラーであって、前記光が入射する前記媒質上の面が前記光の入射方向に垂直な平面である。
【0021】
請求項3の発明は、透光性を有する高屈折率の媒質により主として形成されるソリッドイマージョンミラーであって、前記媒質の下部に設けられた第1反射面と、前記媒質の上部に設けられた第2反射面と、を備え、前記上部から前記下部に向かう所定の方向に沿って光を前記媒質に入射させた際に、前記光の少なくとも一部が、前記第2反射面を透過した後、前記媒質内を伝播しつつ前記第1反射面および前記第2反射面により順次反射され、前記媒質の境界上の集光点に集光し、前記第2反射面が前記媒質内に位置する。
【0022】
請求項4の発明は、透光性を有する高屈折率の媒質により主として形成されるソリッドイマージョンミラーであって、前記媒質の下部に設けられた第1反射面と、前記媒質の上部に設けられた第2反射面と、を備え、前記上部から前記下部に向かう所定の方向に沿って光を前記媒質に入射させた際に、前記光の少なくとも一部が、前記第2反射面を透過した後、前記媒質内を伝播しつつ前記第1反射面および前記第2反射面により順次反射され、前記媒質の境界上の集光点に集光し、前記第1反射面と前記第2反射面との間に透過する光の偏光状態を変更する部材をさらに備え、前記第2反射面が、所定の偏光方向に偏光された光を透過するとともに、前記所定の偏光方向に垂直な方向に偏光された光を反射する面であり、前記偏光状態を変更する部材により、前記第1反射面から前記第2反射面に入射する光が前記所定の偏光方向に垂直な方向に偏光された光とされる。
請求項5の発明は、請求項3または4に記載のソリッドイマージョンミラーであって、前記第1反射面が、前記所定の方向に垂直な平面であり、前記第2反射面が、前記所定の方向を向く対称軸を有する放物線を前記対称軸を中心に回転させて得られる曲面の一部である。
【0024】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のソリッドイマージョンミラーであって、前記集光点近傍において前記媒質の表面にマスクが施されており、前記集光点において前記マスクに微小開口が形成されている。
【0025】
請求項7の発明は、請求項6に記載のソリッドイマージョンミラーであって、前記微小開口の直径が、前記光の波長以下である。
【0026】
請求項8の発明は、記録媒体の記録内容を読み取る再生装置であって、光源と、請求項1ないし7のいずれかに記載のソリッドイマージョンミラーと、前記光源からの光を前記ソリッドイマージョンミラーへと導く光学系と、前記ソリッドイマージョンミラーの前記集光点を前記記録媒体の記録面に対向させつつ前記ソリッドイマージョンミラーを前記記録面に沿って走査させる走査機構と、前記記録面からの光を検出する検出器とを備える。
【0027】
【発明の実施の形態】
<1. 第1の実施の形態>
<1.1 記録再生装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る記録再生装置1の構成の概略を示す斜視図である。記録再生装置1は、光ディスク等の記録媒体9を保持した状態で記録媒体9を矢印91にて示すように所定方向に回転させる回転機構5、記録媒体9の記録面に対する信号の記録、読み取り(再生)、および消去を行う光ヘッド2、光ヘッド2および回転機構5に対して駆動制御信号を与えるコントローラ3、並びに、記録媒体9に対する記録信号(消去信号を含む)および記録媒体9からの再生信号を処理する信号処理部4を備える。
【0028】
回転機構5はモータを含む回転駆動部51と回転軸52とを備えており、コントローラ3から与えられる駆動制御信号に基づいて回転駆動部51が回転軸52を所定方向に回転させる。回転軸52に対して記録媒体9は着脱自在とされ、回転軸52に装着された記録媒体9は回転軸52と一体となって回転する。
【0029】
光ヘッド2は、記録媒体9の記録面に近接して信号の記録、再生および消去を行う光学ユニット20を有し、光学ユニット20に光を導入するとともに光学ユニット20からの光を検出するための構成として、光源11、コリメータレンズ12、ビームスプリッタ13および光検出器14を有する。また、光学ユニット20はアーム18に保持され、アーム18は矢印181にて示すようにアーム駆動部19により記録媒体9の半径方向に対して進退可能とされる。
【0030】
光源11は、好ましくは半導体レーザ等の小型の光源であり、コントローラ3内に設けられた駆動回路によって発光制御される。光源11から出射される光は、コリメータレンズ12によりコリメートされ(すなわち、ほぼ平行光とされ)、ビームスプリッタ13および光学ユニット20を介して記録媒体9の記録面近傍に集光されて微小スポットを形成する。
【0031】
図2は、光学ユニット20の構成および光学ユニット20に対する光の導出入を行う構成を示す図である。光学ユニット20内にはミラー21およびソリッドイマージョンミラー(SIM)201が上下に配置されており、光源11からの光はコリメータレンズ12およびミラー21により構成される光学系によりSIM201へと導かれる。SIM201へと導入された光は、SIM201内部(あるいは、境界)にて反射され、SIM201の下面の所定の集光点に集光される。
【0032】
SIM201の下面と記録媒体9の記録面とは非常に近接するように位置決めされ、SIM201の下面に形成される微小スポットの近接場領域に存在する光を利用して情報の記録、再生、消去が行われる。SIM201は後述するように主として高屈折率の媒質により形成されることから、SIM201を記録面に近接させることにより光学ユニット20の開口数が増大し、下面に形成されるスポットは非常に微小なものとなる。これにより、高密度の記録が実現される。
【0033】
一方、記録媒体9からの反射光(微小スポットの近接場領域にて拡散された光を含む)はSIM201からミラー21へと導出されてビームスプリッタ13へと入射し、ビームスプリッタ13にて反射されて光検出器14に入射する。これにより、記録媒体9に記録された情報が光検出器14によって読み取られる。
【0034】
光源11、コリメータレンズ12、ビームスプリッタ13および光検出器14はそれぞれ所定位置に固定され、アーム18はコリメータレンズ12によりコリメートされた光の光軸に沿って進退する。したがって、光学ユニット20の移動に関わらず光学ユニット20の所定位置に光源11からの光が導入され、SIM201へと導かれる。
【0035】
また、図1に示すように、アーム18の進退方向は円盤状の記録媒体9のおよそ半径方向とされ、コントローラ3の制御の下、記録媒体9を回転させながらアーム18をアーム駆動部19により移動させることにより、SIM201の集光点を記録面に対向させつつSIM201が記録面の任意の領域にアクセス可能とされる。すなわち、アーム18、アーム駆動部19、回転駆動部51により、SIM201を記録面に沿って走査させる走査機構が構成される。なお、アーム18は記録媒体9の回転中心に対して直進的に進退させるのではなく、所定長さのアームを記録媒体9の略半径方向に揺動動作させてもよいし、他の走査機構が利用されてもよい。
【0036】
そして、記録媒体9の回転および光学ユニット20の進退移動に合わせながら信号処理部4が記録媒体9に記録するための情報をコントローラ3を介してレーザ駆動回路に与えることにより、記録媒体9への情報の記録(または、消去)が行われる。また、光検出器14で検出される信号をコントローラ3を介して信号処理部4が処理することにより、記録媒体9に記録された情報の読み取りが行われる。読み取られた情報は、適宜、他の情報処理機器に向けて出力される。
【0037】
記録再生装置1における記録媒体9に対する情報の記録、再生および消去の手法としては光を利用する様々な手法が利用可能である。好ましい1つの手法としては、異なった波長の光によりフォトクロミック材料の光学特性を変化させるという手法が利用可能である。この手法では、記録媒体9の記録面にフォトクロミック材料で形成される記録層が設けられ、光源11には、例えば、記録用、再生用、消去用の波長の光を発生する複数のレーザー発光素子が設けられる。記録用および消去用の波長の光としてはフォトクロミック材料の光学特性を変化させる波長の光が用いられ、再生用の光としてはフォトクロミック材料の光学特性に変化を与えない波長の光が利用される。
【0038】
なお、記録再生装置1は、2種類の波長の光のみにより記録、消去および再生が行われるようになっていてもよく、光を用いて記録、消去および再生を行う他の原理が利用されてもよい。さらに、記録を別の装置により行い、図1に示す装置が再生専用の装置として利用されてもよい。
【0039】
また、記録再生装置1では光の反射を利用するSIM201を用いることから、光の波長の相違による集光の度合いの相違、すなわち、色収差が生じず、様々な波長の光を適切に集光させることができる。したがって、記録再生装置1を他の記録媒体(例えば、CD、DVD等)も利用できる装置とすることも可能である。
【0040】
<1.2 ソリッドイマージョンミラーの構造>
図3は、光学ユニット20に設けられるSIM201の構造を示す縦断面図である。
【0041】
SIM201は、透光性を有する高屈折率の媒質210により主として形成され、媒質210の上面220から下面230に向かう方向に沿ってコリメートされた光7が入射する。SIM201の形状は軸211を中心とする回転体形状となっている。下面230の外周部には略環状の第1反射面231が形成されており、上面220の中央部には円状の第2反射面221が形成される。
【0042】
これらの反射面は、下面230および上面220の一部に反射用のコーティングを施すことにより形成され、上面220の全体に照射される光7は中央部分の第2反射面221により遮光される。
【0043】
光7は軸211と平行に媒質210に入射し、第1反射面231にて反射されて集束しつつ第2反射面221に入射し、下面230上の(すなわち、媒質210の境界上の)所定の集光点232に集光される。
【0044】
図4は、第1反射面231および第2反射面221の形状および位置を設計上決定する際に利用された原理を説明するための図である。
【0045】
放物線830の対称軸811と平行にコリメート光7を入射させ、光7が放物線830にて反射されるものと仮定した場合、反射された光は放物線830の焦点833に集光する。ここで、放物線830の焦点833と頂点832とを結ぶ線分を垂直2等分する直線821を設けると、焦点833と頂点832とは共役となる。したがって、直線821の下側にて光が反射されると仮定すると、反射された光は頂点832に集光する。
【0046】
図3において、図4に示す放物線830を対称軸811を中心に回転させて得られる曲面を反射面としたものが第1反射面231に相当し、直線821を対称軸811を中心に回転させて得られる平面が第2反射面221に相当する。すなわち、第1反射面231は放物線830を対称軸811を中心に回転させて得られる曲面(凹面側が反射面として利用される。)の一部であり、第2反射面221は焦点833と頂点832とを垂直2等分する平面の一部となっている。
【0047】
第1反射面231および第2反射面221の形状および配置を以上のように決定することにより、コリメート光7を軸211に沿って第2反射面221側から媒質210に入射させると、光が媒質210内を伝播しつつ第1反射面231および第2反射面221により順次反射され、頂点832に相当する集光点232に集光される。
【0048】
なお、下面230は集光点232付近まで放物線を回転させて得られる形状とする必要はないため、集光点232近傍を平面等の形状にしてもよい。さらに、図4において、直線821の位置を上下方向に変更することにより、集光する点の位置を上下方向に移動させることもできる。すなわち、図5に示すように、第1反射面231と第2反射面221との距離を変えることにより、集光点232の位置を軸211に沿って変更したSIM201aやSIM201bを設計することも可能である。
【0049】
集光点232に集光された光は微小スポットを形成し、集光点232に記録媒体9の記録面を近接させることにより、近接場光を利用した情報の記録、再生および消去が可能となる。
【0050】
また、SIM201は軸211を回転の中心とする回転対称となっていることから、集光点232には周囲から均等に光が入射し、適切な円形のスポットが形成される。その結果、記録再生装置1における記録、再生および消去の動作も適切に行うことが実現される。
【0051】
<2. 第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態としてSIMの他の形態について説明する。図6は第2の実施の形態に係るSIM202を示す縦断面図である。
【0052】
SIM202の形状は、第1の実施の形態に係るSIM201と同様に、軸211を中心とする回転体形状となっており、第1反射面231も略環状である。ただし、第2反射面221は頂点を下面230側に向ける円錐面となっている。
【0053】
図7は、第1反射面231および第2反射面221の形状および位置を設計上決定する際に利用された原理を説明するための図である。
【0054】
図4と同様に、放物線830の対称軸811と平行にコリメート光7を入射させ、光7が放物線830にて反射されるものと仮定した場合、反射された光は放物線830の焦点833に集光する。ここで、放物線830上の頂点832から離れた点834を設定し、さらに、焦点833と点834とを結ぶ線分を垂直2等分する直線821を設けて直線821の下側にて光が反射されると仮定すると、反射された光は点834に集光する。
【0055】
図6に示すSIM202は、点834を通り対称軸811に平行な軸811aに関して頂点832とは反対側の(すなわち、図7において軸811aよりも右側の)部分を軸811aを中心に回転させて得られる形状となっている。すなわち、下面230は放物線830の軸811aよりも右側の部分を回転させて得られる曲面(凹面側が反射面として利用される。)の一部であり、上面220に形成される第2反射面221は直線821の軸811aよりも右側の線分821aを回転させて得られる円錐面の一部である。そして、媒質210の境界上の集光点232として点834に対応する点が設定される。
【0056】
これにより、軸211に沿って第2反射面231側からコリメート光7を媒質210に入射させると、光が媒質210内を伝播しつつ第1反射面231および第2反射面221により順次反射され、集光点232に集光する。SIM202においても集光点232には周囲から均等に光が入射することから、適切な円形のスポットが形成される。
【0057】
なお、第2反射面221の外側の光7が入射する面(上面220のうち、第2反射面221以外の部分)は、色収差の発生を防止するために光7の入射方向に対して垂直な平面とされる。
【0058】
ところで、SIM202では、第2反射面221の外周近傍から入射する光が第1反射面231にて反射された後、図6に示すように、第2反射面221のほぼ中央にて反射されるようにすることも可能となる。すなわち、図7において、線分821aの右端近傍を通過する光が放物線830にて反射された後、線分821aの左端近傍(直線821と軸811aとの交点近傍)にて反射され、軸811aに沿って光を点834に入射させることも可能である。
【0059】
第1反射面231と第2反射面221とをこのような形状および配置とすることにより、第1反射面231にて反射された光の一部が軸211と第2反射面221との交点近傍にて反射して集光点232へと向かい、入射角(軸211となす角)がほぼ0となる成分の光を集光点232に入射させることが可能となる。
【0060】
一般に、入射角の大きい光を集光点232に入射させると光学系の開口数が大きくなることから、形成されるスポットの強度分布を中央の微小領域で強くすることができる。しかしながら、入射角の大きい光のみが集光点232に入射し、入射角の小さい光が集光点232に入射しない場合には、スポットの周辺部においてもリング状に明るい領域(いわゆる、サイドローブ)が形成されてしまう。以下の説明において、このような光の入射状態を「中抜け」と呼ぶ。
【0061】
中抜けが生じる場合、中央において最も強度が高く、周辺部に向かって強度が漸次減少するという理想的なスポットが形成されず、光の利用効率も低下する。
【0062】
SIM202では、集光点232の直上から、すなわち、第2反射面221の中央近傍から集光点232へと光を導くことができるため、中抜けを防止することができ、適切なスポットを形成することが実現される。
【0063】
なお、入射角の小さい光(すなわち、開口数が小さい成分の光)は、集光点232において大きなスポットを形成することから、中抜けの程度を調節したい場合も考えられる。図7において、線分821aの右端を延長するほど中抜けが生じることから、線分821aの右端の位置を調節することにより、すなわち、図6における第2反射面221の大きさを調節することにより、中抜けの程度を制御することが可能となる。これにより、理想的なスポットを適宜形成することが実現される。
【0064】
また、下面230は集光点232付近まで放物線を回転させて得られる形状とする必要はないため、集光点232近傍を平面等の形状にしてもよい。さらに、図7において、直線821の位置を上下方向に変更することにより、集光する点の位置を上下方向に移動させることもできる。すなわち、図8に示すように、第1反射面231と第2反射面221との距離を変えることにより、集光点232の位置を軸211に沿って変更したSIM202aやSIM202bを設計することも可能である。
【0065】
<3. 第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態としてSIMのさらに他の形態について説明する。図9は第3の実施の形態に係るSIM203の構造を示す縦断面図である。
【0066】
SIM203は、軸211を回転中心とする回転体形状となっている。SIM203では、下面230は頂点を下方に向ける円錐面の一部となっており、第1反射面231は略環状である。第2反射面221は媒質210内部へと向かって突出する局面となっており、SIM203では断面において第2反射面221が集光に寄与する。
【0067】
図10は、第1反射面231および第2反射面221の形状および位置を設計上決定する際に利用された原理を説明するための図である。
【0068】
図10では、放物線821bの焦点833を通る直線830aによりコリメート光7が反射されるものと仮定した場合、直線830aからの反射光が放物線821bの対称軸811と平行とされる。これにより、直線830aおよび放物線821bにより反射されるものと仮定した光は焦点833に集光する。
【0069】
図9に示すSIM203は、放物線821bと直線830aとのうち、焦点833を通り光7の進行方向に平行な軸811bに関して頂点832とは反対側の部分を軸811b周りに回転させて得られるものである。すなわち、下面230および第1反射面231は直線830aを軸811bを中心に回転させて得られる円錐面(回転軸が光7の入射方向に平行であり、頂点が下方を向く円錐の側面)の一部であり、第2反射面221は放物線821bを軸811bを中心に回転させて得られる曲面(焦点833側が反射面として利用される。)の一部である。
【0070】
なお、第2反射面221の外側の光7が入射する面(上面220のうち第2反射面221以外の部分)は、色収差の発生を防止するために光7の入射方向に対して垂直な平面とされる。
【0071】
SIM203においても、第2の実施の形態と同様に、第2反射面221の外周近傍から入射する光7が、第1反射面231にて反射された後、第2反射面221のほぼ中央、すなわち、集光点232の真上から集光点232に入射するようにすることが可能であり、中抜けの防止(あるいは、中抜けの程度の調節)を行うことができる。これにより、中抜けを防止しつつ集光点232の周囲から均等に光を入射させることができ、適切なスポットを形成することができる。
【0072】
<4. 第4の実施の形態>
第1および第2の実施の形態では、軸211を含む平面による第1反射面231の断面形状を放物線とし、第3の実施の形態では、第2反射面221の断面形状を放物線としている。すなわち、断面において第1反射面231または第2反射面221のいずれかが光を集光させる役割を果たしている。これらの実施の形態では断面を放物線とすることにより、集光点232と反射面との関係を容易に設計することができる。
【0073】
これらの実施の形態と異なり、断面における集光を第1反射面231および第2反射面221の双方が行うように設計が行われてもよい。図11は、軸211を含む平面による断面内において、第1反射面231および第2反射面221の双方がコリメート光7を集光点232に集光させる役割を果たす例を示す図である。図11に示すSIM204において、第1反射面231および第2反射面221は断面形状が曲線となる曲面、すなわち、軸211を中心として曲線を回転させて得られる曲面の一部とされ、媒質210の上面220のうち、第2反射面221以外の部分は光7が垂直に入射する平面とされる。これにより、設計の自由度が向上する。
【0074】
図11に示すSIM204においても、第2および第3の実施の形態と同様に、中抜けを防止しつつ集光点232の周囲から均等に光を入射させることが可能であり、適切なスポットを形成することができる。
【0075】
なお、第1ないし第4の実施の形態における第1反射面231および第2反射面221は、媒質210の表面に反射コーティングを施すことにより形成されたものとして図示しているが、媒質210の屈折率が十分に高いのであるならば、反射コートを不要とすることもできる。また、第1反射面231と下面230とは滑らかに連続的する面である必要はなく、不連続であってもよい。
【0076】
<5. 第5の実施の形態>
次に、第5の実施の形態に係るSIM205として、媒質210の上面220全体を光7の入射領域として利用するものについて説明する。
【0077】
図12に示すSIM205は、軸211を中心とする回転体形状であり、媒質210の上面220が平面となっており、下面230が対称軸を中心に放物線を回転させて得られる曲面の一部となっている。上面220と下面230との関係は第1の実施の形態に係るSIM201と同様である。
【0078】
上面220は、上方から軸211に平行に入射するコリメート光7を透過し、下面230は光7を反射する第1反射面となっている。一方、上面220全体は、下面230にて反射された光を反射する第2反射面としての役割も有する。したがって、上面220を透過した光7は、下面230および上面220にて順次反射され、集光点232に集光される。
【0079】
SIM205では図3に示すSIM201と異なり、上面220全体が光7を入射させる面となっていることから、入射光を効率よく利用して集光点232にスポットを形成することができる。また、集光点232には様々な方向から様々な入射角にて光が入射するため、中抜けのない適切なスポットが形成される。
【0080】
上面220としては、外部からの光7を入射し、下面230にて反射された光を反射する特性を有する面が利用される。外部から入射する光7は上面220に対して垂直に入射し、内部からの光はある程度大きさの入射角にて上面220に入射することから、図13に示すように、入射角が0°に近い場合にのみ透過率が100%に近づく特性を有する面が利用可能である。このような入射角の小さい光を選択的に透過する特性を有する面としては、誘電体の多層膜のコーティングを施すことにより容易に得ることができる。
【0081】
また、外部からの入射光を透過し、内部からの光を反射するという選択的反射(透過)特性を有する面は、光の偏光を利用しても実現することができる。
【0082】
図14は、偏光方向の相違を利用する場合の上面220近傍の構造を示す図である。図14において偏光分離反射面222が実質的に上面220となっており、上面220と下面230との間には波長板223が設けられる。偏光分離反射面222は、所定の偏光方向に偏光された光を透過し、透過する偏光光の偏光方向に垂直な偏光方向を有する偏光光を反射する特性を有する。波長板223は、互いに垂直な振動方向を有する偏光成分の位相に1/4の波長だけ光路差を与えることにより、透過する光の偏光状態を変更する。なお、偏光分離反射面222と波長板223とは直接貼り合わされてもよく、間に媒質が介在してもよい。
【0083】
偏光分離反射面222としては、例えば、特開平5−19208号公報に記載された偏光ビームスプリッタアレイ、特開平5−215919号公報に記載された平板偏光分離装置、特表平9−506985号公報に記載された反射偏光子等が利用可能である。具体的製品としては、例えば、商品名「DBEF」(住友スリーエム株式会社)の薄膜反射型偏光フィルムを用いることができる。
【0084】
図14において、媒質210に入射する光7が例えば、紙面に平行な偏光方向(振動方向)を有する直線偏光の光であり、偏光分離反射面222がこのような偏光光を透過するものとした場合、光7が波長板223を透過することにより円偏光となる。下面230にて光7が反射されると再び波長板223を透過し、紙面に垂直な偏光方向を有する偏光光となる。これにより、下面230からの光は偏光分離反射面222にて反射され、その後、集光点232へと向かう。その結果、上面220から入射した光は、下面230および上面220により順次反射され、効率よく集光点232に集光される。
【0085】
以上のように、SIM205では、上面220に誘電体多層コーティングを施すことにより、あるいは、偏光分離反射面222および波長板223を設けることにより、上面220全体に入射する光7を集光点232に効率よく集光することができる。また、SIM205においても、入射角の小さい光がスポット形成に利用されることから、中抜けを防止することができ、適切なスポットを形成することができる。
【0086】
図15は、図12に示すSIM205の下面230に反射コーティングを施して第1反射面231を形成したSIM205aを示す図である。SIM205aでは、下面のほぼ全体にコーティングを施すことにより、第1反射面231が形成されるが、集光点232では光を導出するための微小開口231aが形成される。
【0087】
集光点232近傍において微小開口231a以外の領域のコーティングは、集光点232以外の位置から光が放出されないようにするためのマスクとしての役割も果たす。この場合、微小開口231aの直径としては約1μm以下とすることが好ましい。さらに、微小開口231aから集光点232の近接場領域の光のみを導出して記録および再生に利用する場合には、微小開口231aの直径は光の波長以下とすることが好ましい。
【0088】
なお、集光点232近傍のマスクは第1反射面231と兼用されなくてもよく、専用のマスクが集光点232近傍の媒質210の表面に別途形成されてもよい。また、他のいずれの実施の形態においても集光点232近傍にマスクが形成されてよい。
【0089】
<6. 第6の実施の形態>
図14では、上面220が所定の偏光方向を有する偏光光を透過し、透過光の偏光方向に垂直な偏光方向を有する偏光光を反射する選択的反射面となっているが、図16に示すように第2反射面221である選択的反射面は媒質210内に存在してもよい。これにより、第2反射面221の形状を上面220の形状に依存しないようにすることができる。
【0090】
図16に示すSIM206では上面220および下面230はコリメート光7の進行方向に垂直な平面である。上面220を平面とするのは色収差の発生を防止するためである。そして、第2反射面221は光7の進行方向に平行な対称軸(軸211に相当)を有する放物線を軸211を中心に回転させて得られる曲面の一部であり、下面230上の集光点232は放物線の焦点に相当する。
【0091】
図17は第2反射面221近傍の構造を説明するための図である。図17に示すように、偏光分離反射面222が実質的に第2反射面221となっており、第2反射面221と下面230との間には1/4波長板223(図14に示したものと同様の波長板)が設けられる。偏光分離反射面222は、所定の偏光方向に偏光された光を透過し、この偏光方向に垂直な偏光方向を有する偏光光を反射する。図17では、紙面に平行な偏光方向(振動方向)を有する偏光光が偏光分離反射面222を透過し、紙面に垂直な偏光方向を有する偏光光が偏光分離反射面222にて反射されるものとして図示している。
【0092】
第2反射面221を媒質210の内部に設ける場合であっても、図17において紙面に平行な偏光方向を有する光7が上面220、偏光分離反射面222および波長板223を透過して円偏光とされ、下面230に反射される。その後、さらに、波長板223を透過して紙面に垂直な偏光方向を有する偏光光となり、偏光分離反射面222により反射される。その結果、SIM206の上面全体から入射する光7は集光点232に集光され、入射光を効率よく利用してスポットを形成することができる。
【0093】
また、SIM206においても、入射角の小さい光もスポット形成に利用されることから、中抜けを防止することができ、適切なスポットを形成することができる。
【0094】
さらに、SIM206では、SIM205よりも入射角の大きい光、すなわち、開口数の大きくする成分の光を集光点232に入射させることができ、集光点232に形成されるスポットをさらに微小なものとすることができる。
【0095】
なお、図16に示すSIM206は、媒質210が第2反射面221の上下に存在するため、例えば、上下2つの媒質210の形状をガラスモールド等で作成し、一方に波長板223および偏光分離反射面222を設けた後、光学的マッチングが図られた接着剤等により接着して作成される。もちろん、第2反射面221において偏光分離反射面222と波長板223とが接している必要はなく、これらの間に他の媒質が存在してもよい。波長板223の形状も偏光分離反射面222に沿う形状に限定されない。
【0096】
<7. 変形例>
以上、本発明に係る実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0097】
例えば、第1ないし第3、並びに、第5および第6の実施の形態に係るSIMでは、反射面の断面として放物線を利用することにより、コリメート光を容易かつ適切に集光させるようにしているが、入射光を漸次集束する光、あるいは、漸次発散する光とするとともに反射面の断面曲線を適宜変更してもよい。このような変更を図6または図9に示すSIMに行っても、いわゆる中抜けの防止あるいは調節が可能なSIMを得ることができ、図12または図16に示すSIMに同様の変更を行っても入射光を効率よく集光させることが実現される。
【0098】
また、第6の実施の形態を除く実施の形態では、第1反射面231および第2反射面221が媒質210の表面に形成されるが(あるいは、表面自体が反射面とされるが)、第1反射面231および第2反射面221は媒質210内部に位置してもよい。すなわち、光7の入射側を媒質210の上面と捉えると、第1反射面231および第2反射面221はそれぞれ相対的に媒質210の下部および上部内に位置させてもよい。
【0099】
また、第5および第6の実施の形態では、断面において第1反射面231または第2反射面221が集光に寄与する面となっているが、断面において集光に寄与する面は第1反射面231および第2反射面221の双方であってもよい。
【0100】
また、既述のように、第1反射面231および第2反射面221(選択的反射面である場合を除く。)は、媒質210の表面の一部であってもよいが、この場合、媒質210の屈折率を十分に高くすることが好ましい。例えば、反射面に入射する光の大部分について入射角が45°以上である場合には、屈折率を1.5以上とすることが好ましい。
【0101】
また、上記第1ないし第4の実施の形態では、第2反射面221の外周部から光7を入射させるようになっているが、この場合、図18や図19に示すように、コリメート光7をリング状にする構成を追加して光の有効利用が図られてもよい。図18では、略環状の反射面261aを有するリング状の部材261、および、反射面262aを有する円錐状の部材262により、光7がリング状の光へと変換されてSIM201に入射する。図19では、図18における反射面261aを媒質210の表面に形成し、反射面262aを媒質210内に設けることにより、光7をリング状にする構成と集光を行う構成とが一体となったSIM201aとなっている。このように、光7をリング状にする構成はSIMの外部に存在しても実質的に内部に存在してもよい。さらに他の手法により光7がリング状にされてもよい。
【0102】
また、偏光分離反射面222を利用するSIMでは、入射する光7は偏光光に限定されない。すなわち、入射光の少なくとも一部が第2反射面221を透過すればよい。波長板も1/4波長だけ偏光状態を変更するものに限定されるものではなく、偏光分離反射面222を透過する光と反射後に入射する光との偏光方向を90°変化させることができる手段であればどのようなものが利用されてもよい。
【0103】
また、第1の実施の形態における記録再生装置1では、SIM201はアーム18に固定されていてもよく、いわゆるハードディスクの磁気ヘッドと同様に浮上スライダ式としてアーム18に取り付けられてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態では、記録再生装置1において記録媒体9の記録面からの光がSIMを介して光検出器14に入射すると説明したが、集光点232近傍の近接場光が記録面にて散乱されて放出される光を検出する光検出器を光ヘッド2の外部に設けて情報の読み取りが行われてもよい。
【0105】
また、以上に説明したSIMは、記録媒体9に対する情報の記録、再生または消去を行う装置以外にも利用可能であり、例えば、光ディスクの原盤作成を行う原盤露光装置や試料の観察を行う顕微鏡に利用することも可能である。
【0106】
なお、上記説明ではSIMの上面220から光7が導入された際の媒質210内の光の伝播の様子を用いてSIMの形態を説明したが、SIMが利用される際には必ずしも光が第2反射面221側から導入される必要はない。例えば、透光性を有する試料を透過モードにて観察する近接場光学顕微鏡にSIMを利用する際には、観察側とは反対側から照明を行って試料表面近傍の近接場光をSIMにより取得し、上面220から取り出される。
【0107】
【発明の効果】
請求項1または2の発明では、第1反射面が放物線を回転させて得られる曲面の一部とすることにより、第1反射面および第2反射面の形状を容易に設計することができるとともに集光点に適切な光のスポットを形成することができる。
【0109】
また、請求項2の発明では、色収差の発生を防止することができる。
【0113】
請求項3ないし5の発明では、第2反射面を透過して光を入射させることができ、光を効率よく利用することができる。
【0116】
また、請求項3の発明では、第2反射面の形状を媒質の上面の形状に依存しないようにすることができ、請求項5の発明では、放物線を回転させて得られる曲面の一部を第2反射面とすることにより、第2反射面の形状を容易に設計できるとともに集光点に適切な光のスポットを形成することができる。
【0117】
また、請求項4の発明では、偏光方向の相違を利用して第2反射面を選択的に光を透過する面とすることができる。
【0118】
また、請求項6の発明では、集光点近傍において集光点以外の位置から光が放出されないようにすることができ、請求項7の発明では、集光点の近接場領域の光を適切に利用することができる。
【0119】
また、請求項8の発明では、請求項1ないし7のいずれかに記載のソリッドイマージョンミラーを用いることにより、適切な光のスポットを用いて、あるいは、光を有効に利用しつつ記録媒体の記録内容を読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録再生装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】光学ユニットの構成および光学ユニットに対する光の導出入を行う構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係るSIM(ソリッドイマージョンミラー)の構造を示す縦断面図である。
【図4】図3に示すSIMにおいて、第1反射面および第2反射面の形状および位置を設計上決定する際に利用された原理を説明するための図である。
【図5】図3に示すSIMの集光点の位置を変更したものを例示する図である。
【図6】第2の実施の形態に係るSIMの構造を示す縦断面図である。
【図7】図6に示すSIMにおいて、第1反射面および第2反射面の形状および位置を設計上決定する際に利用された原理を説明するための図である。
【図8】図6に示すSIMの集光点の位置を変更したものを例示する図である。
【図9】第3の実施の形態に係るSIMの構造を示す縦断面図である。
【図10】図9に示すSIMにおいて、第1反射面および第2反射面の形状および位置を設計上決定する際に利用された原理を説明するための図である。
【図11】第4の実施の形態に係るSIMの構造を示す縦断面図である。
【図12】第5の実施の形態に係るSIMの構造を示す縦断面図である。
【図13】図12に示すSIMにおいて、上面が入射角の相違を利用した選択的反射面である場合の上面の透過率特性を示すグラフである。
【図14】図12に示すSIMにおいて、上面が偏光方向の相違を利用した選択的反射面である場合の上面近傍の構造を示す図である。
【図15】図12に示すSIMの下面に反射コーティングを施して第1反射面を形成したものを示す図である。
【図16】第6の実施の形態に係るSIMの構造を示す縦断面図である。
【図17】図16に示すSIMの第2反射面近傍の構造を説明するための図である。
【図18】光をリング状の光へと変換する構成とSIMとを示す図である。
【図19】光をリング状の光へと変換する構成とSIMとが一体となった構造を示す図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置
7 光
9 記録媒体
11 光源
12 コリメータレンズ
14 光検出器
18 アーム
19 アーム駆動部
21 ミラー
51 回転駆動部
201〜206,205a SIM
210 媒質
211 軸
220 上面
221 第2反射面
222 偏光分離反射面
223 波長板
230 下面
231 第1反射面
231a 微小開口
232 集光点
811 対称軸
811a,811b 軸
821 直線
821b,830 放物線
832 頂点
833 焦点
834 点
Claims (8)
- 透光性を有する高屈折率の媒質により主として形成されるソリッドイマージョンミラーであって、
放物線の対称軸に平行であって前記放物線の頂点から離れた位置にて前記放物線と交わる回転軸を中心に、前記放物線のうち前記回転軸に対して前記頂点とは反対側の部分を回転させて得られる曲面の一部である第1反射面と、
前記放物線を含む平面内において前記放物線と前記回転軸との交点と、前記放物線の焦点とを結ぶ線分に垂直な直線のうち前記回転軸に対して前記頂点とは反対側の部分を回転させて得られる円錐面の一部である第2反射面と、
を備え、
前記回転軸に沿って前記第2反射面側からコリメートされた光を前記媒質に入射させた際に、前記光が前記媒質内を伝播しつつ前記第1反射面および前記第2反射面により順次反射され、前記媒質の境界上の集光点に集光することを特徴とするソリッドイマージョンミラー。 - 請求項1に記載のソリッドイマージョンミラーであって、
前記光が入射する前記媒質上の面が前記光の入射方向に垂直な平面であることを特徴とするソリッドイマージョンミラー。 - 透光性を有する高屈折率の媒質により主として形成されるソリッドイマージョンミラーであって、
前記媒質の下部に設けられた第1反射面と、
前記媒質の上部に設けられた第2反射面と、
を備え、
前記上部から前記下部に向かう所定の方向に沿って光を前記媒質に入射させた際に、前記光の少なくとも一部が、前記第2反射面を透過した後、前記媒質内を伝播しつつ前記第1反射面および前記第2反射面により順次反射され、前記媒質の境界上の集光点に集光し、
前記第2反射面が前記媒質内に位置することを特徴とするソリッドイマージョンミラー。 - 透光性を有する高屈折率の媒質により主として形成されるソリッドイマージョンミラーであって、
前記媒質の下部に設けられた第1反射面と、
前記媒質の上部に設けられた第2反射面と、
を備え、
前記上部から前記下部に向かう所定の方向に沿って光を前記媒質に入射させた際に、前記光の少なくとも一部が、前記第2反射面を透過した後、前記媒質内を伝播しつつ前記第1反射面および前記第2反射面により順次反射され、前記媒質の境界上の集光点に集光し、
前記第1反射面と前記第2反射面との間に透過する光の偏光状態を変更する部材をさらに備え、
前記第2反射面が、所定の偏光方向に偏光された光を透過するとともに、前記所定の偏光方向に垂直な方向に偏光された光を反射する面であり、
前記偏光状態を変更する部材により、前記第1反射面から前記第2反射面に入射する光が前記所定の偏光方向に垂直な方向に偏光された光とされることを特徴とするソリッドイマージョンミラー。 - 請求項3または4に記載のソリッドイマージョンミラーであって、
前記第1反射面が、前記所定の方向に垂直な平面であり、
前記第2反射面が、前記所定の方向を向く対称軸を有する放物線を前記対称軸を中心に回転させて得られる曲面の一部であることを特徴とするソリッドイマージョンミラー。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のソリッドイマージョンミラーであって、
前記集光点近傍において前記媒質の表面にマスクが施されており、前記集光点において前記マスクに微小開口が形成されていることを特徴とするソリッドイマージョンミラー。 - 請求項6に記載のソリッドイマージョンミラーであって、
前記微小開口の直径が、前記光の波長以下であることを特徴とするソリッドイマージョンミラー。 - 記録媒体の記録内容を読み取る再生装置であって、
光源と、
請求項1ないし7のいずれかに記載のソリッドイマージョンミラーと、
前記光源からの光を前記ソリッドイマージョンミラーへと導く光学系と、
前記ソリッドイマージョンミラーの前記集光点を前記記録媒体の記録面に対向させつつ前記ソリッドイマージョンミラーを前記記録面に沿って走査させる走査機構と、
前記記録面からの光を検出する検出器と、
を備えることを特徴とする再生装置。
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