JP2003114183A - 近視野光発生素子の作製方法 - Google Patents
近視野光発生素子の作製方法Info
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Abstract
子では、分解能の向上や検出器で得られる光強度の増大
をはかることはできるが、近視野光発生素子の作製に高
価な製造装置が必要であり、大量生産できず、SNOM
装置や光メモリ装置の低コスト化が困難であるという課
題があった。 【解決手段】 光を照射することによりプラズモンを生
成する微小散乱体を開口の内部にもつ近視野光発生素子
の作製方法において、光伝搬体の表面に前記微小散乱体
を形成する微小散乱体形成工程101と、前記光伝搬体
の屈折率より低い低屈折率材を前記光伝搬体に接触さ
せ、前記光伝搬体と低屈折率材との界面で全反射条件を
満たす露光光束により微小散乱体マスク部を形成する微
小散乱体マスク部形成工程102と、前記微小散乱体マ
スク部を用いて前記微小散乱体が前記開口の内部に配置
されるように前記開口を形成する開口形成工程103と
を含む方法とした。
Description
近視野光メモリ装置に用いられる近視野光を照射あるい
は検出する近視野光発生素子の作製方法、さらに詳細に
は、開口内部に微小散乱体を有する近視野光発生素子の
作製方法に関する。
ダの微小な領域を観察するために走査型トンネル顕微鏡
(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)に代表される走
査型プローブ顕微鏡(SPM)が用いられている。SP
Mは、先端が先鋭化されたプローブをサンプル表面に走
査させ、プローブとサンプル表面との間に生じるトンネ
ル電流や原子間力などの相互作用を観察対象として、プ
ローブ先端形状に依存した分解能の像を得ることができ
る。しかし、このような装置は、比較的、観察する試料
に対する制約が厳しい。
視野光とサンプル表面との間に生じる相互作用を観察対
象とすることで、サンプル表面の微小な領域の観察を可
能にした近視野光学顕微鏡(SNOM)が注目されてい
る。
イバーの先端に設けられた開口から近視野光をサンプル
の表面に照射する。開口は、光ファイバーに導入される
光の波長の回折限界以下の大きさを有しており、たとえ
ば、100nm程度の直径である。プローブ先端に形成
された開口とサンプル間の距離は、SPMの技術によっ
て制御される。その値は開口の大きさ以下である。この
とき、サンプル上での近視野光のスポット径は、開口の
大きさとほぼ同じである。したがって、サンプル表面に
照射する近視野光を走査することで、微小領域における
サンプルの光学物性の観測を可能としている。
を通してサンプルに向けて比較的強度の大きな光を導入
させることにより、プローブの開口部にエネルギー密度
の高い近視野光を生成することができる。よって、近視
野光発生素子は、顕微鏡としての利用だけでなく、記録
メディア表面の構造または物性を局所的に変更させる高
密度な光メモリ装置としての応用も可能である。強度の
大きな近視野光を得るために、プローブ先端の先端角を
大きくすることが試みられている。また、このような光
メモリ装置としての応用には、先鋭化されたプローブで
はなく、平坦な基板に開口を形成したプローブを記録再
生ヘッドとして用いる装置がいくつか考案されている。
は、開口の形成が重要である。開口の作製方法の一つと
して、特許公報平5−21201に開示されている方法
が知られている。特許公報平5−21201の開口作製
方法は、開口を形成するための試料として、先鋭化した
光波ガイドに遮光膜を堆積したものを用いている。開口
の作製方法は、遮光膜付きの先鋭化した光波ガイドを圧
電アクチュエータによって良好に制御された非常に小さ
な押しつけ量で硬い平板に押しつけることによって、先
端の遮光膜を塑性変形させている。
11−265520に開示されている方法がある。特開
平11−265520の開口の作製方法において、開口
を形成する対象は、平板上に集束イオンビーム(FI
B)によって形成された突起先端である。開口の形成方
法は、突起先端の遮光膜に、側面からFIBを照射し、
突起先端の遮光膜を除除去することによって行ってい
る。
ルの間に生じる相互作用の結果生じる散乱光の強度を強
くするために、金属微粒子が入射光によりプラズモンを
発生する現象を利用した方法が提案されている。
透明材料により形成された先鋭な先細の部材たるプロー
ブ本体の先端に、Au(金)やPt(白金)などの金属
の微粒子を固定させたプローブを考案している(Tak
ayuki Okamotoand Ichirou Y
amaguchi ,”Near−field scan
ning opticalmicroscope usi
ng a gold particle”,Jpn.J.
Appl.Phys.36,L166(1997)。
なプローブ本体の先端に金属微粒子を固定させたプロー
ブは、入射光によって金属微粒子によりプラズモンが生
成される。よって、このようなプローブは、従来の金属
微粒子がないプローブに比べて散乱効率が高く、高い検
出光量を得ることができる。さらに、その分解能は、先
端に固定された金属微粒子の固定位置や曲率半径、金属
微粒子の種類などにより決定される。よって、適切な金
属微粒子をプローブ先端に固定することにより、より高
い分解能を得ることができる。
ている光ファイバープローブおよびその製造方法によれ
ば、光ファイバの一端に、コアがクラッドから突出した
突出部を形成し、この突出部表面に先端部を除いて金属
膜を形成し、さらに上記突出部の外周部を先端面より後
退させ、内周部の先端に金属球を形成する。よって、プ
ローブの根本部分で散乱された散乱光や試料の表面粗さ
による散乱光の影響を受けず、近視野光を高感度、高分
解能をもって検出することが可能な光ファイバプローブ
が得られる。
示されている部材の先端部に金属微粒子を生成して固定
する方法およびその装置ならびにプローブによれば、先
鋭な部材を金属溶液に漬けて、近視野光によってイオン
を還元してプローブ先端部に金属球を形成する方法やプ
ローブ、装置を提供している。
は、この開口近傍に生成される近視野光の強度を低下さ
せる。これがサンプル(あるいは、記録メディア)によ
って散乱・変調される場合においても検出器に届く変調
・伝播光の強度低下を招く。これを補償するために、仮
に検出系のゲインを上げたとしても、一般的には信号対
雑音比(S/N比)はむしろかなり劣化する。なぜなら
ば、検出器本来の暗電流や増幅回路における熱雑音等が
あるためである。
ーの増大や、開口部におけるレーザー集光スポットの微
小化ももちろん効果がある。しかしながら開口の微小化
に伴って、FIB等による微細加工上の制約や、開口の
面内寸法と厚みの比率に強く依存する投入光の減衰の影
響により、遮光膜はその厚みをむしろ薄くせざるを得な
い。このため、遮光膜の薄層化は光の遮断性を低下さ
せ、光検出器に届く直流光成分を増加させる。よって、
仮にサンプル(あるいは、記録メディア)による同程度
の光強度変調が得られたとしても、これは等価的な信号
品質の劣化となる。また開口部周辺にレンズを用いて光
を集光させる場合にも基本的には従来の幾何光学系に基
づくため、回折限界により開口部近傍に十分高いエネル
ギ密度で光を照射できない。
上と光検出器から得られる信号の高S/N比化を同時に
満足する事が極めて難しく、高記録(再生)密度化が困
難であるという課題があった。
667号や特開2001−83069号で開示されてい
る発明においては、プラズモンを発生する金属微粒子を
先鋭化されたプローブの先端に形成している。
解能の向上や検出器で得られる光強度の増大・高S/N
比化をはかることはできるが、これらのプローブ形状は
大量生産には適しておらず、近視野光発生素子の作製に
高価な製造装置が必要であり、SNOM装置や光メモリ
装置の低コスト化が困難であるという課題があった。
みてなされたもので、再生信号強度およびS/N比が十
分大きくかつ超高密度、超高分解能でありながら、低コ
ストで大量生産可能な近視野光発生素子を提供すること
を目的とする。
するために本発明に係る第1の近視野光発生素子の作製
方法は、光を照射することによりプラズモンを生成する
微小散乱体を開口の内部にもつ近視野光発生素子の作製
方法において、光伝搬体の表面に前記微小散乱体を形成
する微小散乱体形成工程と、前記光伝搬体の屈折率より
低い低屈折率材を前記光伝搬体に接触させ、前記光伝搬
体と前記低屈折率材との界面での全反射条件を満たす露
光光束をもちいて前記微小散乱体を覆うように前記光伝
搬体の表面に微小散乱体マスク部を形成する微小散乱体
マスク部形成工程と、前記微小散乱体マスク部を用いて
前記微小散乱体が前記開口の内部に配置されるように前
記開口を形成する開口形成工程とを含むことを特徴とす
る。
微小散乱体を開口内部にもつ近視野光発生素子を作製す
ることが容易に可能となる。そして、本発明の近視野光
発生素子の作製プロセスそのものは、通常の半導体製造
工程で用いられるフォトリソグラフィ技術を利用するこ
とで可能である。よって、本発明は、プラズモン効果を
利用した高性能な近視野光発生素子の大量生産を可能に
し、しかも低コスト化を容易にはかる事ができる。
る微小散乱体マスク部は、基板上に形成された微小散乱
体をもちいて形成する為に、微小散乱体と開口形成用の
マスクのアライメントをまったく必要としない。これに
より、厳密な位置合わせや複雑な作製プロセスを踏まな
くとも、必ず、開口内部に微小散乱体が形成された近視
野光発生素子を作成できる。よって、プラズモンを利用
した高性能な近視野光発生素子の大量生産を可能にし、
しかも低コスト化を容易にはかる事ができる。
部を形成し、その後低屈折率保護部形成するので、露光
光束の強度を制御することで、微小散乱体マスク部の大
きさを制御することが容易となる。よって、この露光光
束の光強度を制御する事で、微小散乱体マスク部を用い
て形成する開口の大きさを容易に制御可能である。
た近視野光発生素子を用いた装置においても装置全体と
して低コスト化でき、本発明により作製される近視野光
発生素子がプラズモン効果を利用しているため光の利用
効率を飛躍的に向上する事ができ、低消費電力化、装置
の小型化が可能となる。
視野光発生素子を近視野光顕微鏡や光メモリ装置に応用
する場合には、微小開口以外の必要な形状を作製するた
めのプロセスも同じ半導体製造工程で用いられるフォト
リソグラフィ技術を利用できるのでプロセスの親和性も
非常に高い。
係る第2の近視野光発生素子の作製方法は、前記微小散
乱体マスク部形成工程が、前記低屈折率材を低屈折率層
として前記光伝搬体の上部に形成する低屈折率層形成工
程と、前記低屈折率層の上部にレジスト膜を形成するレ
ジスト膜形成工程と、前記露光光束をもちいて前記レジ
スト膜を露光・現像しレジスト保護部を形成するレジス
ト露光現像工程と、前記レジスト保護部を用いて前記低
屈折率層から低屈折率保護部を形成する低屈折率保護部
形成工程とからなることを特徴とする。
視野光発生素子の作製方法の効果に加え、低屈折率層の
上にレジスト膜を形成しているので、レジスト保護部を
形成するための露光光束を照射する以外に、さらに通常
の半導体製造工程で用いられるフォトリソグラフィ技術
で用いて、開口以外の構造を基板上に形成することが容
易に実現可能である。よって、開口以外の構造を容易に
基板上に形成することが開口形成と同時に可能となり、
工程数の低減と近視野光発生素子の製造コストを低く抑
えることができる。
係る第3の近視野光発生素子の作製方法は、前記微小散
乱体マスク部形成工程が、前記低屈折率材として光硬化
材料を前記光伝搬体に接触させ、前記露光光束をもちい
て前記光硬化材料を露光することにより前記微小散乱体
マスク部を形成する工程からことを特徴とする。
視野光発生素子の作製方法の効果に加え、近視野光発生
素子としての性能を低下させること無く、作製工程を簡
略化することができる。そのため、必要な製造装置を減
らす事ができ、製造コストのさらなる低下を容易にはか
ることができる。さらに、低屈折率保護部のみを露光光
束で硬化させるので、低屈折率保護部を形成するのに必
要な材料の使用量を大幅に減らすことができ、材料費の
低減が可能となる。
係る第4の近視野光発生素子の作製方法は、 前記微小
散乱体マスク部形成工程において、さらに、前記露光光
束により露光する際に、前記光伝搬体を回転させながら
露光する工程を含むことを特徴とする。
第3の近視野光発生素子の作製方法の効果に加え、ほぼ
円形の開口を形成でき、しかもその中心に微小散乱体を
形成することができるので、開口中心に微小散乱体が形
成された近視野光発生素子を容易に作製できる。
係る第5の近視野光発生素子の作製方法は、前記開口形
成工程が、前記光伝搬体の前記微小散乱体マスク部が形
成された側に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、前記
微小散乱体マスク部を除去することで開口を形成する微
小散乱体マスク部除去工程とからなることを特徴とす
る。
第4の近視野光発生素子の作製方法の効果に加え、基板
全域に遮光膜形成し、微小散乱体マスク部を除去するこ
とで開口を形成することが容易にできるので、非常に簡
単であり低コストである。よって、近視野光発生素子を
大量生産・低コスト化をさらにはかることができる。
係る第6の近視野光発生素子の作製方法は、前記開口形
成工程が、前記微小散乱体マスク部を用い前記光伝搬体
の一部をエッチングすることで薄くする光伝搬体加工工
程と、前記光伝搬体の前記微小散乱体マスク部が形成さ
れた側に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、前記微小
散乱体マスク部を除除去することで開口を形成する微小
散乱体マスク部工程とからなることを特徴とする。
第4の近視野光発生素子の作製方法の効果に加え、基板
をエッチング加工するためのマスクを特別に形成せずと
も、基板をエッチング加工することができ、コストアッ
プの要因を最大限に取り除くことができ、低コストで近
視野光発生素子を作製することができる。また、遮光膜
と微小散乱体との高さが同じ近視野光発生素子を作製す
ることが容易にできる。その為、サンプル表面と、プラ
ズモンが発生している微小散乱体の距離を短くできる。
よって、サンプル表面と微小散乱体との相互作用の結果
生じる散乱光の強度を大幅に強くでき、光の利用効率が
さらの向上する。さらに、サンプルと微小散乱体の距離
が非常に近接していることで、分解能も向上する。
係る第7の近視野光発生素子の作製方法は、前記光伝搬
体が、コアとクラッドからなる導光構造をもつことを特
徴とする。
第6の近視野光発生素子の作製方法の効果に加え、近視
野光発生素子の厚さを薄くできるので、薄型の近視野顕
微鏡や光メモリ装置を実現できる。さらに、レンズ等の
構成部品を減らす事ができるので、調整や組立て時間の
短縮や、装置としてのさらなる低コスト化をはかること
ができる。さらに、導波路形成の材質として、可とう性
を有する材料を用いた場合には、開口形成後に基板を取
り除くことで、可とう性を有する近視野光発生素子を作
製できる。
係る第8の近視野光発生素子の作製方法は、前記露光光
束が、前記光伝搬体を透過する波長成分を含んでいるこ
とを特徴とする。
第7の近視野光発生素子の作製方法の効果に加え、露光
する際に、非常に光放射強度の強い光源を用いる必要が
無くなり、露光装置の低コスト化、小型化が可能とな
る。
係る第9の近視野光発生素子の作製方法は、前記露光光
束が、前記微小散乱体において、プラズモンを発生する
波長を含んでいることを特徴とする。
第8の近視野光発生素子の作製方法の効果に加え、露光
光束に非常に光放射強度の大きい高価な光源を用いなく
ともよく、露光装置も安価となる。よって、近視野光発
生素子の作製コストをさらに下げる事ができる。また、
光照射強度の大きな光源は、消費電力や発熱量も大き
く、この点も本発明の方法を用いる事で、低下させるこ
とができる。
係る第10の近視野光発生素子の作製方法は、前記微小
散乱体が、金、銀、銅、白金のいずれかを含むことを特
徴とする。
第9の近視野光発生素子の作製方法の効果に加え、その
入手の容易性が容易なことから、安価であり、さらなる
低コスト化をはかることができる。
装置と、本発明の近視野光発生素子の作製方法につい
て、添付の図面を参照して詳細に説明する。 (実施の形態1)まず、微小散乱体が開口内部にある近
視野光発生素子を用いた装置の一例を説明する。
例を説明した図である。また、図6は、図5の装置で用
いた近視野光発生素子を説明する図である。この装置
は、近視野光顕微鏡であり、平面型のプローブを用い
て、サンプル上の微小な領域の光学特性を透過で測定す
るための装置である。
は、基板601の上部に形成された厚さ100nmの遮
光膜602に直径200nmの開口502が設けられて
いる。そして、この開口502の内部に銀の微小散乱体
603が形成されている。この微小散乱体603の大き
さは、50nm程度である。ここで、光源としては波長
488nmの可視光を用い、基板601としては石英基
板を用いた。
た近視野光顕微鏡の動作について以下に説明する。
開口502が形成された側をサンプル509にピエゾス
テージなどを用いることにより、開口502とサンプル
509の表面が数十nm程度になるまで近接させる。レ
ーザー503を出射した光束は、レンズ505、ミラー
508、レンズ506をもちいて、近視野光発生素子5
01の開口502近傍に集光される。すると、近視野光
発生素子501に形成された光の波長以下サイズの微小
構造である微小散乱体603を有する開口502の近傍
に近視野光が発生する。その際、金属の微小散乱体60
3近傍には、プラズモンが生成されるので非常に強い近
視野光が得られる。この近視野光をサンプル509に照
射すると、サンプル509表面の微小な凹凸や屈折率等
の光学定数の変化との相互作用により近視野光が散乱光
に変換される。その後、受光素子504でこの散乱光を
検出する。このような方法はイルミネーションモードと
呼ばれている。このような方法により、従来の光学系に
おいて限界とされていた光の波長以下となる領域におけ
る光学情報を観察することが可能となる。
ラズモンを生成する微小散乱体603がある近視野光発
生素子501では、その分解能は、開口502の大きさ
ではなく、微小散乱体603の大きさでほぼ決まる。つ
まり、このような近視野光発生素子501を用いると、
分解能の大幅な向上と検出器で得られる光強度の増大を
同時に実現し、レーザーの低出力化や装置の低消費電力
化をかはることができる。さらに、このような近視野光
発生素子501は、非常に微小な領域の光学的な特性を
観察することが可能である。
に光を照射することによりサンプル表面上に近視野光を
発生させ、この近視野光を近視野光発生素子の微小散乱
体との相互作用により散乱光に変換する(コレクション
モード)方法でも観察可能である。
として近視野光顕微鏡を用いた。しかし、サンプルを記
録メディアとすることで、記録メディアに記録された情
報の再生や、記録メディアへの情報の記録を行う光メモ
リ装置に本発明の近視野光発生素子を用いても良い事は
言うまでもない。記録メディアに情報を記録するには、
微小散乱体を有する開口より生成される近視野光を記録
メディア表面に照射させ、記録メディア上の微小な領域
の形状を変化させたり(ヒートモード記録)、微小な領
域の屈折率あるいは透過率を変化させる(フォトンモー
ド記録)ことにより行う。
メモリなどの装置に用いる近視野光発生素子の作製方法
について説明する。
方法を説明した図である。この図は、微小散乱体を開口
内部に作製する方法に関する部分のみを示してある。も
ちろん近視野顕微鏡や光メモリ装置の近視野光発生素子
として用いるには、この他に必要に応じ近視野光発生素
子の形状や構造を作製する工程が必要であるが、ここで
はその説明を省略する。
視野光発生素子の作製工程は、光伝搬体上に微小散乱体
を形成する微小散乱体形成工程101と、この光伝搬体
の屈折率より低い低屈折率材を光伝搬体に接触させ、光
伝搬体と低屈折率材との界面での全反射条件を満たす露
光光束をもちいて微小散乱体を覆うように光伝搬体の表
面に微小散乱体マスク部を形成する微小散乱体マスク部
形成工程102と、この微小散乱体マスク部を用いて微
小散乱体が開口の内部に配置されるように開口を形成す
る開口形成工程103とからなる。以下、それぞれの工
程について詳細に説明する。
する図である。この工程は、光伝搬体である基板601
上に微小散乱体を形成する工程である。
等の基板601上部に、レジスト膜701をスピンコー
ト等の方法により成膜する。
造工程で用いられるフォトリソグラフィ技術を使用し
て、レジスト膜701を露光・現像し、レジスト膜が残
っているレジスト部702とレジスト膜が除去されたレ
ジスト除去部703を形成する。
の上部に形成されたレジスト膜除去部703に対して、
基板601の斜め方向より銀を蒸着にする。この時、蒸
着する銀の厚さは数十nm以下である。すると、レジス
ト部702の上部にレジスト上部金属膜704と、レジ
スト膜除去部703の1つの角の部分のみに銀が蒸着さ
れる。レジスト膜除去部703の1つの角にしか銀が蒸
着されない理由は、斜方蒸着で銀を成膜しようとしてい
るので、レジスト部702の厚さのために、レジスト膜
除去部703の一部が影になり銀が蒸着されず、レジス
ト膜除去部703の1つの角にのみに銀が形成されるか
らである。この蒸着された銀が微小散乱体603とな
る。
スト部702を除去する事で、レジスト部702とレジ
スト上部金属膜704を除去する。このような方法によ
り微小散乱体603を形成すると、微小散乱体の大きさ
は、直径50nm程度以下のものを基板601上に作製
可能である。
乱体603として基板601に形成される。
光などを用いるとレジスト除去部703の寸法が数十n
m以下の大きさのものが作製可能である。その場合には
このような斜方蒸着をせずともよい。しかし、大量生産
可能なステッパーなどを用いた通常の半導体技術では、
数十nmのパターンを形成することは困難である。よっ
て、本実施の形態では、このような方法で作製した。
原子を用いたが、微小散乱体の材質としては銀以外に
も、金や銅、白金などの金属や、非金属など、サンプル
の表面を観察するときに使用する光源の波長に対してプ
ラズモンを発生させる物質であれば良い事は言うまでも
ない。特に銀、金、銅、白金などの金属の微小散乱体
は、可視光に対して容易にプラズモンが発生し、しかも
入手が容易で、安価である。
くつかの方法が提案されており、本方法以外の方法をも
ちいて微小散乱体を基板上に形成してもよい。
て説明する。
野光発生素子の作製方法の微小散乱体マスク部形成工程
について説明した図である。
の屈折率より低い低屈折率材を光伝搬体上に形成し、光
伝搬体と低屈折率材との界面での全反射条件を満たす露
光光束をもちいて微小散乱体を覆うように微小散乱体マ
スク部を形成する工程である。
スク部形成工程は、微小散乱体形成工程で作製された光
伝搬体に対して、微小散乱体を覆うように光伝搬体の屈
折率よりも低い低屈折率材として低屈折率層を光伝搬体
の上部に形成する低屈折率層形成工程201と、低屈折
率層の上部にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程
202と、光伝搬体と低屈折率層との界面での全反射条
件を満たす露光光束をもちいてレジスト膜を露光・現像
しレジスト保護部を形成するレジスト露光現像工程20
3と、このレジスト保護部を用いて低屈折率層より低屈
折率保護部を形成する低屈折率保護部形成工程204と
からなる。
野光発生素子の作製方法の微小散乱体マスク部形成工程
について詳細に説明する図である。以下、図8を用いて
微小散乱体マスク部形成工程について説明する。
プS802で、基板601の屈折率よりも低い屈折率を
有する低屈折率材として低屈折率層801を成膜する。
この低屈折率層801は、酸化シリコンや窒化シリコン
等にフッ素をドープした石英系材料、ポリイミドやポリ
メタクリル酸といった高分子等の誘電体材料を堆積させ
る。誘電体材料である酸化シリコンに屈折率を下げる為
にフッ素をドープする場合には、スパッタリング法、CV
D(Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法によって
容易に形成できる。また、ポリイミドやポリメタクリル
酸等のプラスティック材料は、液状プラスティックを塗
布して硬化積層させればよい。
率層801の上部に、レジスト膜802をスピンコート
等の方法により成膜する。
ップS803で、露光光束803を基板601のレジス
ト膜802が形成された面とは異なる面から入射させ
る。この露光光束803は基板601と低屈折率層80
1との界面での全反射条件を満足するように基板601
に入射させる。すると、微小散乱体603が形成されて
いる場所以外では、基板601と低屈折率層801との
界面で露光光束803が全反射し、その上部のレジスト
膜802は露光されない。しかし、微小散乱体603が
形成されている場所では、全反射条件が崩れ、基板60
1と低屈折率層801との界面で露光光束803が全反
射せず微小散乱体603で散乱される。よって、この散
乱光は低屈折率層801を透過し、レジスト膜802の
微小散乱体603の上部近傍部分のみ露光される。この
露光光束803は、1つの波長成分からなる光束である
必要なく、複数の波長あるいは、ある波長帯域をもつ光
束でもよい。
分なため、この微小散乱体603で散乱された露光光束
803では十分露光できない場合には、微小散乱体60
3でプラズモンを生成するような波長を含む露光光束を
用いることで解決可能である。なぜなら、そのような波
長を含む露光光束により微小散乱体でプラズモンが生成
され、微小散乱体603と露光光束803との相互作用
の結果生じる散乱光の強度が非常に強くなるためであ
る。そのような微小散乱体の材質としては、入手の容易
性などから金、銀、銅、白金などが特に適している。
S803で露光されたレジスト膜802を現像すること
で、レジスト保護部804を形成する。ここで、形成さ
れたレジスト保護部804は、後ほど開口形成工程で説
明する開口の大きさに大きく影響する。レジスト保護部
804の大きさは、露光光束803の強度を制御するこ
とで容易にコントロールすることができる。よって、開
口の大きさは、露光光束803の光強度で容易に制御可
能である。
804を形成するための露光光束803を照射する以外
に、さらに、通常の半導体製造工程で用いられるフォト
リソグラフィ技術を用いて、開口以外の構造を基板上に
形成することも容易に実現可能である。
膜802を露光・現像しレジスト保護部804を形成す
ると、露光光束803を一方向より照射している為に、
微小散乱体603で散乱する散乱光がある方向性を有し
てしまう。その為に、レジスト保護部804の形状が非
対称となる。これを回避するには、露光する際に、基板
601を回転させながら露光させたり、全反射条件を満
たす範囲で露光光束を一方向からだけでなくあらゆる方
向から露光光束を照射することで、そのような非対称性
を無くすこともできる。
804で形成したレジスト保護部805を用いて、低屈
折率層801をエッチングし、低屈折率保護部805を
形成する。このレジスト保護部と低屈折率保護部が微小
散乱体マスク部となる。
で、この微小散乱体マスク部の大きさは、直径が200
nmの円形とすることができた。
野光発生素子の作製方法の開口形成工程について説明し
た図である。
スク部が形成された側に遮光膜を形成する遮光膜形成工
程301と、微小散乱体マスク部を除去することで開口
を形成する微小散乱体マスク部除去工程302とからな
る。
野光発生素子の作製方法の開口形成工程について詳細に
説明する図である。以下、図9を用いて開口形成工程に
ついて説明する。
902で、微小散乱マスク部形成工程で作製された基板
の上部に、スパッタや真空蒸着等の方法により遮光膜9
01としてAlを100nm成膜する。すると、レジス
ト保護部804の上部と基板601の上部の遮光膜90
1が形成される。本実施の形態では、Alを用いたが、
この遮光膜901の材質は、AlやCuなどの金属に限
らず、用いる光源に対して十分な遮光率を有する材質で
あれば良いことは言うまでもない。
て、ステップS903で、レジスト保護部804と低屈
折率保護部805を取り除く。すると遮光膜901のう
ち、レジスト保護部805の上部に形成されている遮光
膜がレジスト保護部804と一緒に除去される。よっ
て、基板601の上部に形成されたAlの遮光膜602
に、レジスト保護部804とほぼ同じ大きさの直径が2
00nmの円形な開口502が形成される。よって、開
口502の内部に直径50nmの銀の微小散乱体603
が形成された近視野光発生素子を作製することができ
る。必要に応じて、最後に、開口502内部の微小散乱
体603や遮光膜602の上部に透明な保護膜を形成す
る。
いて、微小散乱体マスク部の大きさを露光光束の光強度
で制御することで、開口の大きさを制御することが可能
である。
(例えば可視光に対するSi基板など)を用いる場合に
は、微小散乱体近傍のみに露光光束が照射するように基
板の一部に空間を形成したり、透過率の高い材質を埋め
込むことで同様な方法で近視野光発生素子を作製するこ
とができる。
光発生素子を用いた装置の光源の波長とが同じ波長であ
る必要ははい。
に、内部に微小散乱体が存在する開口を1つ作製する工
程について説明したが、同様な方法により、1枚の基板
上に微小散乱体を内部にもつ複数の開口を同時に作製す
ることも可能である。もちろん、1枚の基板上に複数個
の近視野光発生素子を同時に作製することができる。1
枚の基板上に複数個の近視野光発生素子を作製した場合
には、必要に応じてダイシング等の方法により、1つ1
つの近視野光発生素子に分割する工程が必要である。
に係る近視野光発生素子の作製方法において、微小散乱
体形成工程により、光伝搬体である基板上に微小散乱体
を形成し、その後、微小散乱体マスク部形成工程により
微小散乱体を覆うようにレジスト保護部と低屈折率保護
部とからなる微小散乱体マスク部を形成し、最後に微小
散乱体を内部に有するような開口を形成することで、微
小散乱体を内部に持つ開口を有する近視野光発生素子を
作製することが可能となる。
を開口内部にもつ近視野光発生素子を作製することが容
易に可能となる。そして、本発明の近視野光発生素子の
作製プロセスそのものは、通常の半導体製造工程で用い
られるフォトリソグラフィ技術で可能であり、プラズモ
ン効果を利用した高性能な近視野光発生素子の大量生産
を可能にし、しかも低コスト化を容易にはかる事ができ
る。
る微小散乱体マスク部は、基板上に形成された微小散乱
体をもちいて形成する為に、微小散乱体と開口形成用の
マスクのアライメントをまったく必要としない。通常の
半導体製造工程で用いられるフォトリソグラフィ技術で
は、微小散乱体マスク部であるレジスト保護部と低屈折
率保護部の形状を高精度に作製することは容易である
が、その位置を数十nmという精度で制御することは非
常に困難であり、開口内部に微小散乱体を形成すること
は今までの方法では不可能であった。しかし、本実施の
形態に係る近視野光発生素子の作製方法によれば、開口
を形成するためのマスクを形成したり、FIB加工によ
る開口形成をする必要が無く、厳密な位置合わせや複雑
な作製プロセスを踏まなくとも、必ず、開口内部に微小
散乱体が形成される。よって、プラズモンを利用した高
性能な近視野光発生素子の大量生産を可能にし、しかも
低コスト化を容易にはかる事ができる。
部を形成し、その後低屈折率保護部形成するので、露光
光束の強度を制御することで、微小散乱体マスク部であ
るレジスト保護部や低屈折率保護部の大きさを制御する
ことが容易となる。よって、この露光光束の光強度を制
御する事で、微小散乱体マスク部を用いて形成する開口
の大きさを容易に制御可能である。
成しているので、レジスト保護部を形成するための露光
光束を照射する以外に、さらに通常の半導体製造工程で
用いられるフォトリソグラフィ技術をもちいて、開口以
外の構造を基板上に形成することが容易に実現可能であ
る。よって、開口以外の構造を容易に基板上に形成する
ことが同時に可能となり、工程数の低減と近視野光発生
素子の製造コストを低く抑えることができる。
製された近視野光発生素子を用いた装置においても低コ
スト化でき、本発明により作製される近視野光発生素子
がプラズモン効果を利用しているため光の利用効率を飛
躍的に向上する事ができ、低消費電力化、装置の小型が
可能となる。
視野光発生素子を近視野光顕微鏡や光メモリ装置に応用
する場合には、微小開口以外の必要な形状を作製するた
めのプロセスも同じ通常の半導体製造工程で用いられる
フォトリソグラフィ技術を利用できるのでプロセスの親
和性も非常に高い。
微小散乱体マスク部形成工程において、微小散乱体マス
ク部を形成する露光をする際に、基板を回転させながら
露光することで、ほぼ円形の開口を形成でき、しかもそ
の中心に微小散乱体を形成することができる。よって、
開口中心に微小散乱体が形成された近視野光発生素子を
容易に作製できる。
て露光するので、露光光束が光伝搬体である基板601
を透過する波長成分を含んでいることが必要である。露
光光束がそのような波長を含んでいれば、露光する際
に、非常に光放射強度の強い光源を用いる必要が無くな
り、露光装置の低コスト化、小型化が可能となる。
ば、露光光束には、微小散乱体において少なくともプラ
ズモンを発生する波長成分を含む光束を用いる事によ
り、レジスト膜の光感度が不十分で、微小散乱体で散乱
された露光光束では十分露光できない場合にも、微小散
乱体でプラズモンが生成され、微小散乱体と露光光束と
の相互作用の結果生じる散乱光の強度が非常に強くな
る。よって、露光光束に非常に光放射強度の大きい高価
な光源を用いなくともよく、露光装置も安価となる。よ
って、近視野光発生素子の作製コストをさらに下げる事
ができる。また、光放射強度の大きな光源は、消費電力
や発熱量も大きく、この点も本発明の方法を用いる事
で、消費電力や発熱量の低下を実現できる。
銀、銅、白金などを用いた場合には、その入手の容易性
が容易なことから、安価であり、さらなる低コスト化を
はかれる。 (実施の形態2)次に、本発明の実施の形態2にかかる
近視野光発生素子の作製方法を説明する。
程の他の作製方法であり、その他の工程は実施の形態1
と同じであるので、微小散乱体形成工程と微小散乱体マ
スク部形成工程については説明を省略する。またその他
の工程についても説明を一部省略或いは簡単にする。
生素子の作製方法の開口形成工程は、微小散乱体マスク
部を用い基板の一部をエッチングにより薄くする光伝搬
体加工工程401と、基板の微小散乱体マスク部が形成
された側に遮光膜を形成する遮光膜形成工程301と、
微小散乱体マスク部を除去することで開口を形成する微
小散乱体マスク部除去工程302とからなる。
口形成工程を詳細に説明する図である。
微小散乱体形成工程と微小散乱体マスク部形成工程によ
り作製された基板601の上部に形成された微小散乱体
603と、この微小散乱体603を覆うように形成され
た微小散乱体マスク部であるレジスト保護部804と低
屈折率保護部805を示してある。
S1002で、レジスト保護部804をマスクとして、
基板601の一部をエッチングすることにより薄くし、
エッチング部1001を形成をする。
S1003で、実施の形態1で説明した方法と同様な方
法により、エッチング部1001を形成した基板601
の上部にAlの遮光膜1002を形成する。
プS1004で、実施の形態1での説明した方法と同様
にしてレジスト保護部804と低屈折率保護部805を
除去することで、それらの上部に形成されている遮光膜
を除去する。よって、遮光膜1003に微小散乱体60
3を内部にもつ開口502が形成された近視野光発生素
子を作製することができる。
をエッチングする量は、その後形成する遮光膜1003
の厚さから微小散乱体603の大きさを引いた程度の量
とする。例えば、微小散乱体603の大きさが50n
m、遮光膜1003の厚さが100nmとすると、基板
601をエッチングする量は50nm程度である。つま
り、作製した近視野光発生素子の遮光膜1003と微小
散乱体603がほぼ同じ高さになるようにする。
lの遮光膜1003に、微小散乱体マスク部であるレジ
スト保護部の形状とほぼ同じ直径200nm程度の円形
の開口502が形成される。そして、その開口502の
内部に50nmの銀の微小散乱体603が形成されてい
る。しかも、遮光膜1003と微小散乱体603の高さ
が同じ近視野光発生素子を作製することができる。
に係る近視野光発生素子の作製方法の開口形成工程にお
いて、光伝搬体加工工程によりレジスト保護部をマスク
として用い基板の一部を薄くし、その後、遮光膜形成工
程で基板の微小散乱体が形成された側に遮光膜を形成
し、最後にレジスト除去工程により、レジスト保護部を
除去して開口を形成することで、微小散乱体を内部に持
つ開口を有する近視野光発生素子を作製した。
え、基板をエッチング加工するためのマスクを特別に形
成せずとも、基板をエッチング加工することができ、コ
ストアップの要因を最大限に取り除くことができ、低コ
ストで近視野光発生素子を作製することができる。ま
た、遮光膜1003と微小散乱体603の高さが同じ近
視野光発生素子を作製することが容易にできる。このよ
うな近視野光発生素子を用いると、サンプル表面と、プ
ラズモンが発生している微小散乱体の距離を短くでき
る。よって、サンプル表面と微小散乱体との相互作用の
結果生じる散乱光の強度を大幅に強くでき、光の利用効
率がさらに向上する。さらに、サンプルと微小散乱体の
距離が非常に近接していることで、分解能も向上する。
(実施の形態3)つぎ、実施の形態3に係る近視野光発
生素子を用いた装置について説明する。
素子を用いた装置の一例を説明した図である。また、図
12は、図11の装置で用いた近視野光発生素子を説明
する図である。この装置は、実施の形態1と同じく近視
野光顕微鏡であり、コアとクラッドからなる導波路の端
面に45度の反射面を有したプローブを用いている以外
は実施の形態1と同じである。よって、実施の形態1を
同じ部分については、説明を一部省略あるいは簡単にす
る。
1には、基板1201に下部クラッド1207、コア1
205、上部クラッド1206が形成されている。上部
クラッド1206の上部には厚さ100nmの遮光膜1
202に直径200nmの開口1204が設けられてい
る。そして、この開口1204の内部には銀の微小散乱
体1203が形成されている。この微小散乱体1203
の大きさは、50nm程度である。近視野光発生素子1
101の端面には45度の反射面1208が形成されて
おり、コア1205を導波してきた光束1209は、反
射面1208により上部クラッド1206側に曲げら
れ、開口1204に照射される。ここで、光源としては
波長488nmの可視光を用い、基板1201としては
石英基板を用いた。
いた近視野光顕微鏡の動作について図11をもちいて説
明する。
生素子1101の開口1204が形成された側をサンプ
ル509にピエゾステージなどを用いることにより、開
口1204とサンプル509の表面が数十nm程度にな
るまで近接させる。レーザー503を出射した光束は、
レンズ1102をもちいて近視野光発生素子1101の
コア1205に入射される。コア1205に入射された
光束は、反射面1208までコア1205を導波する。
コア1205を導波し反射面1208で反射された光束
1209は、上部クラッド1206方向に曲げられ、開
口1204近傍に照射される。すると、近視野光発生素
子1101に形成された光の波長以下サイズの微小構造
である微小散乱体1203を有する開口1204の近傍
に近視野光が発生する。その際、金属の微小散乱体12
03近傍には、プラズモンが生成されるので非常に強い
近視野光が得られる。この近視野光をサンプル509に
照射すると、サンプル509表面の微小な凹凸や屈折率
等の光学定数の変化との相互作用により近視野光が散乱
光に変換され、受光素子504でこの散乱光を検出す
る。このような方法はイルミネーションモードと呼ばれ
ている。これにより、実施の形態1で説明した近視野光
発生素子を用いた装置と同様に、従来の光学系において
限界とされていた光の波長以下となる領域における光学
情報を観察することが可能となる。
な近視野光発生素子1101を用いると、分解能の大幅
な向上と検出器で得られる光強度の増大を同時に実現
し、レーザーの低出力化や装置の低消費電力化をかはる
ことができ、さらに、非常に微小な領域の光学的な特性
を観察することが可能である。
発生素子を用いた装置として記録メディアに記録された
情報の再生や、記録メディアへの情報の記録を行う光メ
モリ装置に本発明の近視野光発生素子を用いても良い事
は言うまでもない。
法について説明する。
製方法は、コアとクラッドを有している以外は、実施の
形態1で説明した方法とほぼ同じ作製方法である。よっ
て、実施の形態1と同じ部分については、説明を一部省
略あるいは、簡単にする。
製方法は、実施の形態1の図1と同じく、微小散乱体形
成工程、微小散乱体マスク部形成工程、開口形成工程と
からなる。以下、それぞれの工程について詳細に説明す
る。
視野光発生素子として用いるには、この他に必要に応じ
近視野光発生素子の形状を作製する工程が必要である
が、ここではその説明を省略する。
図である。この工程では、基板1201上に光伝搬体と
して下部クラッド1207、コア1205、上部クラッ
ド1206を形成し、その後微小散乱体を形成する。
膜1301を形成する。まず、石英やガラス等の基板1
201上部に、下部クラッド1207を成膜する。次
に、下部クラッドよりも屈折率の高いコア1205を形
成する。その後、コア1205より屈折率の低い上部ク
ラッド1206を成膜する。最後に、この上部クラッド
1206の上に、レジスト膜1301をスピンコート等
の方法により成膜する。ここで、導波路の材質しては、
酸化シリコンや窒化シリコン等にフッ素をドープした石
英系材料、ポリイミドやポリメタクリル酸といった高分
子等をもちいることができる。誘電体材料である酸化シ
リコンには、ゲルマニウムやフッ素等をドープすること
で、屈折率を調整でき、スパッタリング法、CVD(Chemic
al Vapor Deposition)法、真空蒸着法によって容易に形
成できる。
製造工程で用いられるフォトリソグラフィ技術を使用し
て、レジスト膜1301を露光・現像し、レジスト膜が
残っているレジスト部1302とレジスト膜が除去され
たレジスト除去部1303を形成する。
膜除去部1303に対して、基板1201の斜め方向よ
り銀を蒸着にする。この時、蒸着する銀の厚さは数十n
m以下である。すると、レジスト部1302の上部にレ
ジスト上部金属膜1304と、レジスト膜除去部130
3の1つの角の部分に銀が蒸着される。この蒸着された
銀が微小散乱体1203となる。
ジスト部1302を除去する事で、レジスト部1302
とレジスト上部金属膜1304を除去する。このような
方法により微小散乱体1203を形成すると、微小散乱
体の大きさは、直径50nm程度以下のものを作製可能
である。
膜の露光に電子ビーム露光などを用いることもできるこ
とはいうまでもない。
いたが、微小散乱体の材質としては銀以外にも、金や
銅、白金などの金属や、非金属など、使用する光源の波
長に対してプラズモンを発生させる物質であれば良い事
は言うまでもない。特に銀、金、銅、白金などの金属の
微小散乱体は、可視光に対して容易にプラズモンが発生
し、しかも入手が容易で、安価である。
くつかの方法が提案されており、本方法以外の方法をも
ちいて微小散乱体を基板上に形成してもよい。
て説明する。
部形成工程は、低屈折率層形成工程と、レジスト膜形成
工程と、レジスト露光現像工程と、低屈折率保護部形成
工程とからなる。
視野光発生素子の作製方法の微小散乱体マスク部形成工
程について詳細に説明する図である。以下、図14を用
いて微小散乱体マスク部形成工程について説明する。
プS1402で、上部クラッド1206よりも屈折率の
低い屈折率を有する低屈折率層1401を成膜する。
率層1401の上部に、レジスト膜1402をスピンコ
ート等の方法により成膜する。
ップS1403で、上部クラッド1206と低屈折率層
1401との界面での全反射条件を満足するような露光
光束1403を基板1201の裏面側から入射させる。
すると、実施の形態1と同様に、露光光束1403は微
小散乱体1203で散乱され、低屈折率層1201を透
過し、レジスト膜1402の微小散乱体1203の上部
近傍部分のみ露光される。
プS1403で露光されたレジスト膜1402を現像す
ることで、レジスト保護部1404を形成する。
際に、基板1201を回転させながら露光させたり、全
反射条件を満たす範囲で露光光束を一方向からだけでな
くあらゆる方向から照射することで、微小散乱体120
3の真上にレジスト保護部1404を形成することがで
きる。また、ここで、実施の形態1と同様に、レジスト
膜1402に、通常の半導体製造工程で用いられるフォ
トリソグラフィ技術を用いて、開口以外の必要な形状や
構造を形成することができる。
S1404で形成したレジスト保護部1404を用い
て、低屈折率層1401をエッチングし、低屈折率保護
部1405を形成する。このレジスト保護部と低屈折率
保護部が微小散乱体マスク部となる。
で、この微小散乱体マスク部の大きさは、直径が200
nmの円形とすることができた。
遮光膜形成工程と、微小散乱体マスク部除去工程とから
なる。
視野光発生素子の作製方法の開口形成工程について詳細
に説明する図である。
1502で、微小散乱体マスク部形成工程で作製された
基板の上部に、スパッタや真空蒸着等の方法により遮光
膜としてAlを厚さ100nm程度成膜する。すると、
レジスト保護部1404の上部と上部クラッド1206
の上部に遮光膜1501が形成される。本実施の形態で
は、Alを用いたが、この遮光膜1501の材質は、A
lやCuなどの金属に限らず、用いる光源に対して十分
な遮光率を有する材質であれば良いことは言うまでもな
い。
て、ステップS1503で、レジスト保護部1404と
低屈折率保護部1405を取り除く。すると遮光膜15
01のうち、レジスト保護部1404の上部に形成され
ている遮光膜がレジスト保護部1404と一緒に除去さ
れる。よって、上部クラッド1206の上部に形成され
たAlの遮光膜1202に、レジスト保護部1204と
ほぼ同じ大きさの直径200nmの円形な開口1204
が形成れる。よって、開口1204の内部に直径50n
mの銀の微小散乱体1203が形成された近視野光発生
素子を作製することができる。
2で説明した方法により開口を形成しても良いことは言
うまでもない。
ラッド1206、1207からなる導波路が形成された
基板1201をダイシング等の方法により、45度の反
射面1208を形成する。反射面1208には必要に応
じて金属等の反射膜を形成する。
4内部の微小散乱体1203や遮光膜1202の上部に
透明な保護膜を形成する。
形成された後に、必要に応じて取り除くことも可能であ
る。
十分な透過率を有していない場合には、露光光束は基板
1201を透過することができない。その場合には、図
13のステップS1302において、基板1201と下
部クラッド1207の間に、下部クラッド1207より
も屈折率の低い第2の低屈折率層をさらに形成してお
く。そして、この第2の低屈折率層と低屈折率層120
6をクラッドとし、下部クラッド1207とコア120
5と上部クラッド1206を1つのコアとする導波路と
考える。そして、この導波路に露光光束を導波させるこ
とにより、上部クラッド1206と低屈折率層1401
との界面では、全反射条件が満足される。そして、本実
施の形態3で説明したように、微小散乱体1203でそ
の全反射条件が崩れ、微小散乱体で散乱光となり、レジ
スト層1402を露光する。よって、基板1201が露
光光束に対して十分な透過率を有していない場合でも、
本実施の形態3と同様に、開口内部に微小散乱体を有す
る近視野光発生素子を作成できる。
に係る近視野光発生素子の作製方法において、微小散乱
体形成工程により、光伝搬体であるコアとクラッドから
なる導波路上に微小散乱体を形成し、その後、微小散乱
体マスク部形成工程により微小散乱体を覆うようにレジ
スト保護部と低屈折率保護部とからなる微小散乱体マス
ク部を形成し、最後に微小散乱体を内部に有するような
開口を形成することで、微小散乱体を内部に持つ開口を
有する近視野光発生素子を作製することが可能となる。
形態1の効果に加え、近視野光発生素子の厚さを薄くで
きるので、薄型の近視野顕微鏡や光メモリ装置を実現で
きる。さらに、実施の形態1に比べ、レンズ等の構成部
品を減らすことができ、調整や組立て時間の短縮や、装
置としてのさらなる低コスト化をはかることができる。
また、導波路形成の材質として、可とう性を有する材料
を用いた場合には、開口形成後に基板を取り除くこと
で、可とう性を有する近視野光発生素子を作製できる。 (実施の形態4)図16に本発明の実施の形態4にかか
る近視野光発生素子の作製方法、とくに微小散乱体マス
ク部形成工程を説明する図を示す。図16は、実施の形
態1における微小散乱体マスク部形成工程の他の作製方
法であり、微小散乱体形成工程は実施の形態1と全く同
じであるので、微小散乱体形成工程については説明を省
略にする。また開口形成工程については、実施の形態1
とほぼ同じであるので説明を一部省略或いは簡単にす
る。
生素子の作製方法の微小散乱体マスク部形成工程は、微
小散乱体を覆うように光伝搬体の屈折率よりも低い屈折
率を有する低屈折率材として光硬化材料を光伝搬体に接
触させ、露光光束をもちいて光硬化材料を露光すること
により低屈折率保護部を形成する工程からなる。
は、実施の形態1の微小散乱体形成工程により微小散乱
体603が形成された基板601を上下反転させて配置
してある。
乱体603が形成された基板601を、光硬化材料16
01を入れたケース1602に挿入する。その際、微小
散乱体603が光硬化材料1601に十分接触し、基板
601の微小散乱体603が形成されていない側は、光
硬化材料1601に触れないようする。
の屈折率が基板601の屈折率よりも低い材質を用いる
必要がある。光硬化材料1601としては、ポリイミド
やポリメタクリル酸等のプラスティック材料などを用い
ればよい。
1と光硬化材料1601との界面での全反射条件を満足
するような露光光束1603を基板601の微小散乱体
603が形成された側とは異なる面からから入射させ
る。すると、微小散乱体603が形成されている場所以
外では、基板601と光硬化材料1601との界面で露
光光束1603が全反射し、その部分の光硬化材料16
01は露光・硬化されない。しかし、微小散乱体603
が形成されている場所では、全反射条件が崩れ、基板6
01と光硬化材料1601との界面で露光光束1603
が全反射せず微小散乱体603で散乱され、光硬化材料
1601を透過し、光硬化材料1601の微小散乱体6
03の近傍のみが露光・硬化される。
十分なため、この微小散乱体603で散乱された露光光
束1603では十分露光・硬化できない場合には、微小
散乱体603でプラズモンを生成するような波長を含む
露光光束を用いることで解決可能である。なぜなら、そ
のような波長を含む露光光束により微小散乱体でプラズ
モンが生成され、微小散乱体603と露光光束1603
との相互作用の結果生じる散乱光の強度が非常に強くな
るためである。そのような微小散乱体の材質としては、
入手の容易性などから金、銀、銅、白金などが特に適し
ている。
S1603の基板603を取り出し、不必要な光硬化材
料を洗浄し取り除く。すると、微小散乱体603を覆う
ように形成された硬化した光硬化材料から、微小散乱体
マスク部として低屈折率保護部1604が形成される。
にも、少しだけ光硬化材料1601が露光・硬化される
場合がある。その場合には、硬化した光硬化材料をエッ
チングなどの方法により少しだけ取り除くことで、微小
散乱体603近傍にのみ低屈折率保護部1604を形成
することができる。
に基板を入れたが、光硬化材料が十分な粘度を持ってい
る場合には、基板上601に光硬化材料をスピンコート
等の方法により塗布し、基板601の微小散乱体603
が形成された側とは異なる面から入射された露光光束に
より露光し硬化させてもい。
ク部形成工程で作製された低屈折率保護部が微小散乱体
を覆うように形成された基板に対して、開口形成工程で
は、実施の形態1と同じ方法により開口を形成する。
部は、レジスト保護部と低屈折率保護部から構成されて
いる。それに対し、本実施の形態では、微小散乱体マス
ク部は、硬化された光硬化材料からなる低屈折率保護部
1604のみから形成されている。本実施の形態ではレ
ジスト保護部が無いが、低屈折率保護部1604のみを
微小散乱体マスク部とし、実施の形態1と同様な方法に
より開口を形成可能である。よって、ここでは、その開
口形成工程について、その説明を省略する。勿論、実施
の形態2で説明した開口形成工程を用いて、開口を形成
しても良い事は言うまでもない。さらに、実施の形態3
で説明した近視野光発生素子の作製において、本実施の
形態で説明した微小散乱体マスク部形成工程を用いるこ
ともできる。
体マスク部形成工程において、微小散乱体マスク部を形
成する露光の際に、基板を回転させながら露光すること
で、ほぼ円形の開口を形成でき、しかもその中心に微小
散乱体を形成することができることは言うまでもない。
に係る近視野光発生素子の作製方法の微小散乱体マスク
部形成工程において、微小散乱体を覆うように光伝搬体
の屈折率よりも低い屈折率を有する光硬化材料を光伝搬
体に接触させ、露光光束をもちいて光硬化材料を露光す
ることにより低屈折率保護部を形成することにより微小
散乱体マスク部を形成することで、微小散乱体を内部に
持つ開口を有する近視野光発生素子を作製した。本実施
の形態の微小散乱体マスク部作製工程は、実施の形態1
から実施の形態3で説明した近視野光発生素子の作製方
法における微小散乱体マスク部形成工程の代わりに用い
ることが可能である。
説明した効果に加え、近視野光発生素子としての性能を
低下させること無く、低屈折率層とレジスト膜の2層を
形成せずに、光硬化材料により低屈折率保護部を形成す
る事ができるので、作製工程を簡略することができる。
そのため、必要な製造装置を減らす事ができ、製造コス
トの低下を容易にはかることができる。さらに、低屈折
率保護部のみを露光光束で硬化させるので、低屈折率保
護部を形成するのに必要な材料の使用量を大幅にはらす
事ができ、材料費の低減が可能となる。
発生素子の作製方法によれば、プラズモンを生成する微
小散乱体を開口内部にもつ近視野光発生素子を作製する
ことが容易に可能となる。そして、本発明の近視野光発
生素子の作製プロセスそのものは、通常の半導体製造工
程で用いられるフォトリソグラフィ技術で可能であり、
プラズモン効果を利用した高性能な近視野光発生素子の
大量生産を可能にし、しかも低コスト化を容易にはかる
事ができる。その上、本近視野光発生素子を近視野光顕
微鏡や光メモリ装置に応用する場合に必要な近視野光発
生素子の開口部分以外の形状を作製するためのプロセス
も同じフォトリソグラフィ技術を用いることができるの
で、開口部分形成工程と他の部分の形状作製工程とのプ
ロセスの親和性も非常に高い。
部を形成し、その後低屈折率保護部形成するので、露光
光束の強度を制御することで、微小散乱体マスク部であ
るレジスト保護部や低屈折率保護部の大きさを制御する
ことが容易となる。よって、この露光光束の光強度を制
御する事で、微小散乱体マスク部を用いて形成する開口
の大きさを容易に制御可能である。
しているので、レジスト保護部を形成するための露光光
束を照射する以外に、通常の半導体製造工程で用いられ
るフォトリソグラフィ技術で用いて、開口以外の構造を
基板上に形成することが容易に実現可能である。よっ
て、開口以外の構造を容易に基板上に形成することが同
時に可能となり、工程数の低減と近視野光発生素子の製
造コストを低く抑えることができる。
プラズモンを生成する近視野光発生素子を顕微鏡や光情
報記録再生装置に用いることで、光の利用効率を飛躍的
に向上する事ができ、装置の低消費電力化、装置の小型
が可能となる。
いて、微小散乱体マスク部を形成する露光の際に、基板
を回転させながら露光することで、ほぼ円形の開口を形
成でき、しかもその中心に微小散乱体を形成することが
できる。よって、開口中心に微小散乱体が形成された近
視野光発生素子を容易に作製できる。
するので、露光光束は、光伝搬体である基板透過する波
長を含んでいれば、露光する際に、非常に光放射強度の
強い光源を用いる必要が無くなり、露光装置の低コスト
化、小型化が可能となる。
て少なくともプラズモンを発生する波長を含でいる光束
を用いる事により、レジスト膜の光感度が不十分なた
め、微小散乱体で散乱された露光光束では十分露光でき
ない場合にも、微小散乱体でプラズモンが生成され、微
小散乱体と露光光束との相互作用の結果生じる散乱光の
強度が非常に強くなる。よって、露光光束に非常に光照
射強度の大きい高価な光源を用いなくともよく、露光装
置も安価となる。よって、近視野光発生素子の作製コス
トをさらに下げる事ができる。また、光照射強度の大き
な光源は、消費電力や発熱量も大きく、この点も本発明
の方法を用いる事で、消費電力や発熱量を低下せること
ができる。
銀、銅、白金などを用いた場合には、その入手が容易な
ことから、安価であり、さらなる低コスト化を計れる。
チングする場合には、基板をエッチング加工するための
マスクを特別に形成せずとも、基板をエッチング加工す
ることができ、コストアップの要因を最大限に取り除く
ことができ、低コストで近視野光発生素子を作製するこ
とができる。また、遮光膜と微小散乱体の高さが同じ近
視野光発生素子を用いると、サンプル表面と、プラズモ
ンが発生している微小散乱体の距離を短くできる。よっ
て、サンプル表面と微小散乱体との相互作用の結果生じ
る散乱光の強度を大幅に強くでき、光の利用効率がさら
に向上する。さらに、サンプルと微小散乱体の距離が非
常に近接していることで、分解能も向上する。
て、コアとクラッドからなる光導波路を用いる場合に
は、近視野光発生素子の厚さを薄くできるので、薄型の
近視野顕微鏡や光メモリ装置を実現できる。さらに、レ
ンズ等の構成部品を減らすことができ、調整や組立て時
間の短縮や、装置としてのさらなる低コスト化をはかる
ことができる。また、導波路形成の材質として、可とう
性を有する材料を用いた場合には、開口形成後に基板を
取り除くことで、可とう性を有する近視野光発生素子を
作製できる。
成する場には、近視野光発生素子としての性能を低下さ
せること無く、作製工程を簡略化することができる。そ
のため、必要な製造装置を減らす事ができ、製造コスト
の低下を容易にはかることができる。さらに、低屈折率
保護部のみを露光光束で硬化させるので、低屈折率保護
部を形成するのに必要な材料の使用量を大幅にへらす事
ができ、材料費の低減が可能となる。
作製方法について説明した図である。
の作製方法の微小散乱マスク部形成工程について説明し
た図である。
の作製方法の開口形成工程について説明した図である。
の作製方法の他の開口形成工程について説明した図であ
る。
を用いた装置について説明した図である。
について説明した図である。
の作製方法の微小散乱体形成工程について詳細に説明し
た図である。
の作製方法の微小散乱体マスク部形成工程について詳細
に説明した図である。
の作製方法の開口形成工程について詳細に説明した図で
ある。
子の作製方法の他の開口形成工程について詳細に説明し
た図である。
子を用いた装置について説明した図である。
子について説明した図である。
子の作製方法の微小散乱体形成工程について詳細に説明
した図である。
子の作製方法の微小散乱体マスク部形成工程について詳
細に説明した図である。
子の作製方法の開口形成工程について詳細に説明した図
である。
子の作製方法の微小散乱体マスク部形成工程について詳
細に説明した図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 光を照射することによりプラズモンを生
成する微小散乱体を開口の内部にもつ近視野光発生素子
の作製方法において、 光伝搬体の表面に前記微小散乱体を形成する微小散乱体
形成工程と、 前記光伝搬体の屈折率より低い低屈折率材を前記光伝搬
体に接触させ、前記光伝搬体と前記低屈折率材との界面
での全反射条件を満たす露光光束をもちいて前記微小散
乱体を覆うように前記光伝搬体の表面に微小散乱体マス
ク部を形成する微小散乱体マスク部形成工程と、 前記微小散乱体マスク部を用いて前記微小散乱体が前記
開口の内部に配置されるように前記開口を形成する開口
形成工程と、を含むことを特徴とする近視野光発生素子
の作製方法。 - 【請求項2】 前記微小散乱体マスク部形成工程が、 前記低屈折率材を低屈折率層として前記光伝搬体の上部
に形成する低屈折率層形成工程と、 前記低屈折率層の上部にレジスト膜を形成するレジスト
膜形成工程と、 前記露光光束をもちいて前記レジスト膜を露光・現像し
レジスト保護部を形成するレジスト露光現像工程と、 前記レジスト保護部を用いて前記低屈折率層から低屈折
率保護部を形成する低屈折率保護部形成工程と、からな
ることを特徴とする請求項1に記載の近視野光発生素子
の作製方法。 - 【請求項3】 前記微小散乱体マスク部形成工程が、 前記低屈折率材として光硬化材料を前記光伝搬体に接触
させ、前記露光光束をもちいて前記光硬化材料を露光す
ることにより前記微小散乱体マスク部を形成する工程か
らなることを特徴とする請求項1に記載の近視野光発生
素子の作製方法。 - 【請求項4】 前記微小散乱体マスク部形成工程におい
て、さらに、前記露光光束により露光する際に、前記光
伝搬体を回転させながら露光する工程を含むことを特徴
とする請求項1から請求項3の少なくともいずれか一項
に記載の近視野光発生素子の作製方法。 - 【請求項5】 前記開口形成工程が、 前記光伝搬体の前記微小散乱体マスク部が形成された側
に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、 前記微小散乱体マスク部を除去することで開口を形成す
る微小散乱体マスク部除去工程と、からなることを特徴
とする請求項1から請求項4の少なくともいずれか一項
に記載に近視野光発生素子の作製方法。 - 【請求項6】 前記開口形成工程が、 前記微小散乱体マスク部を用い前記光伝搬体の一部をエ
ッチングすることで薄くする光伝搬体加工工程と、 前記光伝搬体の前記微小散乱体マスク部が形成された側
に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、 前記微小散乱体マスク部を除除去することで開口を形成
する微小散乱体マスク部工程と、からなることを特徴と
する請求項1から請求項4の少なくともいずれか一項に
記載の近視野光発生素子の作製方法。 - 【請求項7】 前記光伝搬体が、コアとクラッドからな
る導光構造をもつことを特徴とする請求項1から請求項
6の少なくともいずれか一項に記載の近視野光発生素子
の作製方法。 - 【請求項8】 前記露光光束が、前記光伝搬体を透過す
る波長成分を含んでいることを特徴とする請求項1から
請求項7の少なくともいずれか一項に記載の近視野光発
生素子の作製方法。 - 【請求項9】 前記露光光束が、前記微小散乱体におい
てプラズモンを発生する波長を含んでいることを特徴と
する請求項1から請求項8の少なくともいずれか一項に
記載の近視野光発生素子の作製方法。 - 【請求項10】 前記微小散乱体が、金、銀、銅、白金
のいずれかを含むことを特徴とする請求項1から請求項
9の少なくともいずれか一項に記載の近視野光発生素子
の作製方法。
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