JP4073149B2 - 電子線装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子線装置に係り、特に、多様な試料信号を選択的に検出して、低加速電圧から高加速電圧に至るまで高コントラストな試料像を得るのに好適な電子線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一次電子線を試料上で走査して、試料の走査像を得る走査電子顕微鏡などの電子線装置は、半導体デバイスの微細なパターンの検査や計測など、パターン評価の目的に用いられる他、材料の評価から細胞の形態観察に至るまで、さまざまな用途に用いられている。このような目的の装置においては、試料や観察目的が多用であり、注目したいコントラストも目的により異なっている。
【0003】
一般に、試料像のコントラストは、試料から発生する二次電子と反射電子で形成されるが、これらの試料信号を、そのエネルギーや、試料からの放出角度の違いに応じて選択的に検出することで像信号のコントラストを改善できることが知られている。例えば、米国特許第5,493,116号では、異なるコーンアングルに含まれる反射電子をMCP(マルチチャネルプレート)で検出して試料の形態に合わせたコントラストの改善を図っている。また、PCT/J98/04297には、試料から発生したハイアングルの反射電子及びローアングルの反射電子をそれぞれ、電極で二次電子に変換して検出する方法が記載されている。また、同文献には、対物レンズの上部に配置した電極に印加する電圧を制御することにより、検出器に検出される二次電子のエネルギーを制御する方法も開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記文献に開示されているように、像信号のコントラスト改善には、二次電子のみならず反射電子情報が有効である。一般に、反射電子の検出には、MCPやシンチレータ、あるいは、半導体素子が用いられる。これらの素子は一般には、反射電子のエネルギーが低くなるにつれて検出感度が低下する特性を有している。ただし、MCPは、反射電子検出面に1kV程度の高電圧を印加するため低エネルギーの反射電子でも加速されて高効率に検出できる利点があるが、反面、他の検出素子と比較して寿命が短いことや、動作させるための回路をアース電位から絶縁する必要性から回路が複雑になる欠点がある。これに対して、シンチレータや半導体素子を用いた反射電子検出素子では、寿命が長く回路も比較的単純で済むなどの利点があるものの、実用的に使用できる加速電圧が3kV程度に制限される。一方、反射電子を二次電子に変換して、この二次電子を検出する方法は、一般に、二次電子の発生率が反射電子のエネルギー1keV付近にピークを有することから、低エネルギーの反射電子情報の検出に非常に有効である。しかし、反射電子のエネルギーが5keV以上に高くなると、反射電子の衝突で発生する二次電子の量が大幅に低下していくため、反射電子を二次電子に変換して検出する方法は、高エネルギーの反射電子に対しては高効率検出ができない問題がある。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決して、低エネルギーから高エネルギーまでの高範囲な反射電子信号の検出において、高検出効率と長寿命の両立を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
低エネルギーから高エネルギーまでの高範囲な反射電子信号の検出における上記課題を解決して、高検出効率と長寿命の両立を図るために、高エネルギーの反射電子の検出感度が高く、長寿命なシンチレータ素子あるいは半導体素子を用いた反射電子検出素子と、低エネルギーの反射電子の高効率検出に有利な二次電子発生電極とを隣接して配置した、2検出方式一体型の反射電子検出手段を設ける。この反射電子検出手段の位置を電子線装置の光軸に対して移動する移動手段を設けることにより、反射電子のエネルギーに応じて反射電子検出素子と二次電子発生電極の位置を試料から発生した反射電子が検出できる位置に設定することができる。反射電子の主要成分は、一次電子の加速電圧とほぼ同等のエネルギーを有するため、一次電子の加速電圧が5kVよりも低い場合には、二次電子発生電極により反射電子情報を高効率に検出し、5kVよりも高い場合には、シンチレータもしくは半導体素子で反射電子を直接検出する。
【0007】
すなわち、本発明による電子線装置は、電子源から放出された一次電子線を試料上に細く絞る電子線収束手段と、一次電子線を試料上で走査する走査手段と、一次電子線の照射によって試料から発生した二次電子を検出する二次電子検出手段と、一次電子線の照射によって試料から発生した反射電子を検出する反射電子検出手段とを含み、二次電子検出手段及び/又は反射電子検出手段の検出信号を用いて試料の走査像を形成する電子線装置において、反射電子検出手段は、シンチレータ又は半導体素子により構成される反射電子検出素子と当該反射電子検出素子に隣接して配置され反射電子の衝突で二次電子を発生する二次電子発生電極とを備え、一次電子線の光軸に対する反射電子検出手段の有する反射電子検出素子及び二次電子発生電極の位置を可変にし、二次電子検出手段が二次電子発生電極から発生する二次電子を検出するものであり、一次電子線の加速電圧が5kV以下を含む低加速領域においては、二次電子発生電極が反射電子検出素子に対して光軸に近い位置に配置され、一次電子線の加速電圧が5kV以上を含む高加速領域においては、反射電子検出素子が二次電子発生電極に対して光軸に近い位置に配置されるように、シンチレータ又は半導体素子と二次電子発生電極との光軸に対する位置を切り替えるように動作する移動手段を有することを特徴とする。
【0008】
移動手段は、反射電子検出手段を、試料からの反射電子が反射電子検出素子に入射する位置、二次電子発生電極に入射する位置、そのいずれにも入射しない退避位置の3位置に選択的に移動する。試料からの高エネルギーの反射電子を検出するときは、反射電子が反射電子検出素子に入射するように反射電子検出手段を位置づけ、試料からの低エネルギーの反射電子を検出するときは、反射電子が二次電子発生電極に入射するように反射電子検出手段を位置づける。
【0009】
反射電子の衝突で二次電子発生電極から発生した二次電子(反射電子情報)を高効率に検出するために、二次電子発生電極と試料との間に、エネルギーの低い二次電子を二次電子検出器側に偏向させることのできる電界と磁界を配置する。この電界と磁界とは互いに直交する向きに発生され、一次電子線に対しては、電界と磁界による偏向作用がそれぞれ打ち消される様に設定される。この結果、一次電子線に対しては不要な偏向作用を与えずに、二次電子発生電極から発生した二次電子(反射電子情報)を高効率に二次電子検出器で検出できる。また、上記直交電磁界発生手段と試料との間に、軸対称な電極を配置し、負の電圧を印加する電圧印加手段を設ける。この軸対称電極に負の電圧を印加すると、試料から発生した二次電子は、軸対称電極を通過できなくなり二次電子検出器で検出されない。したがって、低加速電圧で発生した反射電子情報のみを二次電子と分離して高効率に検出することが可能になる。
【0010】
使用する加速電圧を5kV以上に高くした場合には、反射電子検出手段の位置を移動し、試料から発生した反射電子が反射電子検出素子(シンチレータ素子、あるいは半導体素子)に衝突するようにする。このとき、半導体検出素子では、高効率に反射電子を検出して、電気信号に変換することができる。反射電子検出素子で検出されて電気信号に変換された信号は、二次電子検出器の信号と合成することができる。この際、試料と直交電磁界発生手段との間に設けられた軸対称電極に、数Vから数十Vの負の電圧を印加することにより、エネルギー弁別された二次電子情報と反射電子情報とを合成することができる。一方、低加速電圧においては、軸対称電極を同様の動作条件にして、反射電子検出位置に二次電子発生電極を配置することにより、高加速時と同様の信号検出を高効率に行うことができる。
【0011】
二次電子発生電極は、さらに、複数の電極で構成することができる。これらの電極に対して、正の電圧を印加すると、反射電子が衝突したときに二次電子の発生が抑えられる。また、負の電圧を印加すると、反射電子の衝突で発生した二次電子を二次電子検出器側(直交電磁界発生手段側)に押し出す(加速する)ことができる。したがって、各々の電極に正・負の電圧を印加すると、試料からの放出角度の異なる反射電子を選択的に検出することができ、反射電子による陰影コントラストが得られる。これにより立体的な画像が得られる。さらに、二次電子発生電極は、メッシュ状の電極でシールドされるため、二次電子発生電極に正負の軸非対称な電圧が印加されても、一次電子線が影響を受けることはない。
【0012】
本発明では、試料を対物レンズ磁極間に配置し、前記直交電磁界発生手段と前記反射電子検出手段を対物レンズの上部に配置することができる。この構造により、非常に高いプローブ分解能の実現と高コントラストな信号検出の両効果が同時に得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による電子線装置の一例を示す概略図である。図1は本発明をインレンズタイプの走査電子顕微鏡に適用した場合の例である。電子源1内の陰極2と第一陽極3との間には、高圧制御電源11により引き出し電圧が印加され、陰極2から一次電子線5が放出される。この一次電子線5は、高圧制御電源11により、陰極2と第2陽極4との間に印加された電圧で加速されて、後段のレンズ系に進行する。一次電子線5は、その後、第一の収束レンズ6(C1レンズ)にて収束され、対物レンズ絞り7を通過することにより、電子線の不要な領域が除去される。対物レンズ絞り7を通過した一次電子線5は、第二の収束レンズ8(C2レンズ)にて収束された後、対物レンズ10によって試料26上に収束される。C2レンズ8と対物レンズ10との間には、二段の偏向コイル9(9a,9b)が配置されており、この偏向コイル9により、一次電子線5は試料26上を2次元的に走査される。
【0014】
試料26から発生する二次電子24は対物レンズ10を通過して、対物レンズ上部に配置した直交電磁界発生器27で二次電子検出器側に偏向されて、二次電子検出器25で検出される。直交電磁界発生器27では、光軸と電界、磁界とが互いに直交する場が作られており、一次電子線5に対しては偏向作用を与えずに、また、一次電子の逆向きに進行する二次電子、あるいは、一次電子と同じ向きに進行して一次電子よりもエネルギーの小さい二次電子に対しては、二次電子検出器25の方向に偏向作用を与えるように電界と磁界の強さが設定されている。二次電子検出器25の検出信号は画像メモリ36に取り込まれ、同時にCRT等の画像表示装置(以下、CRTとして説明する)21に試料像として表示される。
【0015】
一方、試料26から発生する反射電子28は対物レンズ10を通過後、直交電磁界発生器27を通過するが、二次電子に比較してエネルギーが高いため、直交電磁界発生器27ではほとんど偏向されずに、反射電子検出手段50に入射する。反射電子検出手段50には、反射電子検出素子を備えて反射電子を検出できる反射電子検出器31と、反射電子の衝突によって二次電子を発生させる二次電子発生電極33とが隣接して設けられており、後述するように、このいずれかを用いて反射電子の検出を行う。反射電子検出手段50は二箇所に一次電子通過用貫通穴51,52を有し、反射電子検出の際には、いずれか一方の貫通孔が光軸上にくるように位置決めされる。一次電子は、反射電子検出手段の一次電子通過用貫通穴51(又は52)を通って試料26に照射される。
【0016】
反射電子検出器31は、反射電子検出素子として電子の衝突で光を発生するYAGシンチレータを用い、発生した光をホトマルチプライアで電気信号に変換する構成、あるいは反射電子検出素子として電子の衝突を直接電気信号に変換する半導体素子を用いる構成とすることができる。反射電子検出器31からの信号は二次電子検出器25の検出信号と同様、画像メモリ36に取り込まれ、同時にCRT21に試料像として表示することができる。また、反射電子検出手段50は、鏡体の外部から光軸に対して位置を移動することができ、反射電子検出器31に反射電子が衝突する位置、及び二次電子発生電極33に反射電子28が衝突する位置に各々設定することができる。
【0017】
次に、図2を用いて反射電子を選択検出する方法について説明する。高加速電圧での観察においては、図2の如く、反射電子検出器31を光軸上に配置する。また、軸対称電極29には軸対称電極電圧制御電源30から正の電圧を印加する。この時、一次電子線5の照射により試料26より発生する二次電子24は軸対称電極29の電界で試料から引き上げられて、対物レンズ10を通過し、直交電磁界発生器27によって二次電子検出器25側に偏向され、二次電子検出器25で検出される。同じく試料26より発生する反射電子28は、対物レンズ10、軸対称電極29、及び直交電磁界発生器27を通過し、反射電子検出器31によって検出される。
【0018】
一方、低加速電圧での観察においては反射電子検出器31(シンチレータ、半導体素子等)の感度が低下するため、図3の如く、二次電子発生電極33を光軸上に配置する。この時、試料26より発生する反射電子28は、対物レンズ10、軸対称電極29、及び直交電磁界発生器27を通過し二次電子発生電極33に衝突して二次電子37を発生する。この二次電子37は試料から発生した反射電子28の情報を有しており、直交電磁界発生器27の電界の作用で二次電子検出器25側に偏向されて、試料から発生する二次電子24とともに、二次電子検出器25によって検出される。
【0019】
反射電子28の情報のみを検出する場合には、図4の如く軸対称電極電圧制御電源30によって軸対称電極29に負の電圧(−50V程度)を印加する。このとき、試料26から発生する二次電子24は、軸対称電極29の作る電位のために軸対称電極29を通過できず、二次電子検出器25には、二次電子発生電極33から発生した二次電子37(反射電子28の情報を有する)のみが検出される。
【0020】
ここで、図5及び図6を用いて、反射電子検出手段50の位置を可変する方法について説明する。
図5は、反射電子検出手段50の位置を手動で切り替えるための移動手段の構成例を示す図である。反射電子検出手段50の後端は、ピン63のついた操作部材64に結合している。操作部材64は電子線装置の鏡体壁を貫通し、真空ベローズ61によって真空封止された状態で鏡体に対して進退自在になっている。操作部材64のピン63は、軸まわりに矢印で示すように回転可能な円筒状のカム62に係合している。カム62は、図示するように3段の切り替え位置を有する。操作部材64は、カム62の回転に伴う位置の切り替えに必要なストロークをもち、観察者がカム62を回転してピン63の位置を手動で選ぶことによって、3つの位置▲1▼,▲2▼,▲3▼に切り替えることができる。この3つの位置▲1▼,▲2▼,▲3▼は、▲1▼反射電子を検出しない退避位置(試料からの二次電子の検出位置)、▲2▼二次電子発生電極33を用いた反射電子の検出位置、▲3▼反射電子検出器31を用いた反射電子の検出位置に対応する。
【0021】
図6は、反射電子検出手段50の位置を自動で切り替えるための移動手段の構成例を示す図である。図示した例では、移動手段をモータドライブ化し、反射電子検出手段の位置の切り替えを自動化している。反射電子検出手段50の後端には操作部材65が結合されている。操作部材65は電子線装置の鏡体壁を貫通し、真空ベローズ61によって真空封止された状態で、モータ67で駆動されるネジ68によって鏡体に対して進退自在になっている。モータ67の制御電源66はCPU19に接続しており、観察対象が二次電子か反射電子であるか、反射電子の場合は使用加速電圧が高加速か低加速かによって自動で反射電子検出手段50の位置を切り替えるようモータを制御する。これにより、操作者は切り替えを意識せずに観察が行える。
【0022】
次に、図7を用いて、検出信号の切り替えの例を説明する。二次電子検出器25の信号と反射電子検出器31のプリアンプ34の信号は信号選択器39に送られる。信号選択器39には図に示すようなリレー回路が含まれ、スイッチ40によって検出信号を選択する。スイッチ40によって選択された検出信号はCPU19に送られ、CRT21に試料像として表示される。ここで、アンプ34のゲイン及びスイッチ40はCPU19によって制御される。
【0023】
いま、信号選択器39のスイッチ40によって接点1を選択すると、二次電子検出器25の検出信号が選択される。図7の配置の場合、二次電子検出器25は試料26から放出された二次電子を検出するため、CRT21には試料の二次電子像が表示される。一方、反射電子検出手段50を図3のように位置づけ、2次電子発生電極33で試料からの反射電子を受けるようにすると、二次電子検出器25には、試料から放出された二次電子24と反射電子28の入射によって二次電子発生電極33から発生した二次電子37とを検出できる状態になる。ここで、軸対称電極29に正の電圧を印加すると、二次電子検出器25には試料から放出された二次電子24と反射電子28の入射によって二次電子発生電極33から発生した二次電子37が入射し、CRT21には2種類の検出信号を合成した試料像が表示される。また、反射電子検出手段50を図3のように位置づけるとともに軸対称電極29に負の電圧を印加すると、図4にて説明したように、二次電子検出器25には、二次電子発生電極33から発生した二次電子37(反射電子28の情報を有する)のみが入射するため、CRT21には反射電子像が表示される。
【0024】
信号選択器39のスイッチ40によって接点2を選択すると、CPU19には反射電子検出器31の検出信号が取り込まれ、CRT21には試料26の反射電子像が表示される。このとき、反射電子検出手段50は、図7のように、反射電子検出器31が試料からの反射電子28を受けることができる位置にて使用する。
また、信号選択器39のスイッチ40によって接点3を選択すると、CPU19には、二次電子検出器25の検出信号と反射電子検出器31の検出信号を加算した信号が取り込まれ、CRT21には、試料26の二次電子像と反射電子像を合成した試料像が表示される。このとき、反射電子検出手段50は、図7のように、反射電子検出器31が試料からの反射電子28を受けることができる位置にて使用する。
なお、試料像の表示方式は図7に示した信号選択器を用いる方式に限定されるものではなく、例えば、二次電子検出器25の検出信号による試料の二次電子像と、反射電子検出器31による試料の反射電子像とを並べて表示し、2つの像を比較して試料に関する情報を得るようにすることも勿論可能である。
【0025】
図8は、二次電子発生電極33を複数の電極(33a,33b)で構成すると共に、電極の電位をシールドするために、その試料側にメッシュ電極41を備えた例を示す。例えば、印加電圧制御電源43(43a,43b)によって、電極33bに正の電圧、電極33aに負の電圧を印加すると、電極33bに反射電子28bが衝突しても、そこから発生する二次電子37bは電極33bに引き寄せられ、二次電子検出器25に到達できなくなる。一方、電極33aに衝突した反射電子28aで発生した二次電子37aは、電極33aの負の電圧でメッシュ電極41の外部(直交電磁界発生器側)に押し出され、二次電子検出器25で検出される。また、メッシュ電極41はアース電位としているため、電極33a,33bに異なる電圧を印加しても、その非対称な電位が一次電子に影響を与えることがない。このようにして特定の電極の反射電子情報で像信号を形成することにより、凹凸のある立体的なコントラストの試料像を得ることができる。
また、反射電子検出器31として、複数個の半導体検出素子を一次電子通過用貫通穴の周囲に配置した構成をとり、そのうちの特定の検出素子の検出信号で試料像を形成することによっても、凹凸のある立体的なコントラストの試料像を得ることができる。
【0026】
図9は、エネルギー弁別された二次電子と反射電子信号の合成の例である。軸対称電極電圧制御電源30によって軸対称電極29に数Vから数十Vの負の電圧を印加することにより、試料26から発生する二次電子のうち、エネルギーの低い二次電子24aは、軸対称電極29の通過を妨げられ、二次電子検出器25で検出されない。そのため、軸対称電極29通過することができたエネルギーの高い二次電子24bと反射電子28だけを検出することができる。二次電子検出器25の検出信号と反射電子検出器31の検出信号は、加算して合成像表示に使用してもよいし、別々の試料像を表示するために使用してもよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明によると、低加速電圧から高加速電圧まで高コントラストな試料観察と素子の長寿命の両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子線装置の一例を示す概略図。
【図2】高加速観察時の反射電子検出手段の検出位置と電子の軌道を説明した概略図。
【図3】低加速観察時の反射電子検出手段の検出位置と電子の軌道を説明した概略図。
【図4】軸対称電極に負の電圧を印加し、反射電子のみの情報を得る場合の概略図。
【図5】反射電子検出手段の位置を手動で切り替えるための移動手段の構成例を示す図。
【図6】反射電子検出手段の位置を自動で切り替えるための移動手段の構成例を示す図。
【図7】検出信号選択のための構成例を示す概略図。
【図8】第二電極を分割し、各々に正負の電圧を印加した際の電子の軌道を説明した概略図。
【図9】エネルギー弁別された二次電子と反射電子信号の合成を説明した概略図。
【符号の説明】
1…電子源、2…陰極、3…第一陽極、4…第二陽極、5…一次電子線、6…C1レンズ、7…対物レンズ絞り、8…C2レンズ、9(9a,9b)…偏向コイル、10…対物レンズ、11…高圧制御電源、13…C1レンズ制御電源、15…C2レンズ制御電源、16…走査電源、17…捕捉電圧制御電源、18…対物レンズ制御電源、19…CPU、21…CRT(画像表示装置)、24…二次電子、25…二次電子検出器、26…試料、27…直交電磁界発生器、28…反射電子、29…軸対称電極、30…軸対称電極印加電圧制御電源、31…反射電子検出器、32…反射電子検出器制御電源、33…二次電子発生電極、34…プリアンプ、36…画像メモリ、37…二次電子発生電極から発生した二次電子、39…信号選択器、40…スイッチ、41…メッシュ電極、43…二次電子発生電極印加電圧制御電源、50…反射電子検出手段、51,52…一次電子通過用貫通穴、61…真空ベローズ、62…カム、63…ピン、64…操作部材、65…操作部材、66…モータ制御電源、67…モータ、68…ネジ

Claims (7)

  1. 電子源から放出された一次電子線を試料上に細く絞る電子線収束手段と、
    前記一次電子線を試料上で走査する走査手段と、
    前記一次電子線の照射によって試料から発生した二次電子を検出する二次電子検出手段と、
    前記一次電子線の照射によって試料から発生した反射電子を検出する反射電子検出手段と
    を含み、
    前記二次電子検出手段及び/又は反射電子検出手段の検出信号を用いて試料の走査像を形成する電子線装置において、
    前記反射電子検出手段は、
    シンチレータ又は半導体素子により構成される反射電子検出素子と
    当該反射電子検出素子に隣接して配置され反射電子の衝突で二次電子を発生する二次電子発生電極と
    を備え、
    前記一次電子線の光軸に対する前記反射電子検出手段の有する反射電子検出素子及び二次電子発生電極の位置を可変にし、前記二次電子検出手段が前記二次電子発生電極から発生する二次電子を検出するものであり、前記一次電子線の加速電圧が5kV以下を含む低加速領域においては、前記二次電子発生電極が反射電子検出素子に対して光軸に近い位置に配置され、前記一次電子線の加速電圧が5kV以上を含む高加速領域においては、前記反射電子検出素子が二次電子発生電極に対して光軸に近い位置に配置されるように、前記シンチレータ又は前記半導体素子と前記二次電子発生電極との光軸に対する位置を切り替えるように動作する移動手段を有することを特徴とする電子線装置。
  2. 請求項1記載の電子線装置において、前記反射電子検出素子は反射電子の衝突を光に変換するシンチレータであることを特徴とする電子線装置。
  3. 請求項1記載の電子線装置において、前記反射電子検出素子は反射電子の衝突を直接電気信号に変換する半導体素子であることを特徴とする電子線装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の電子線装置において、前記二次電子発生電極は複数の電極で構成されていることを特徴とする電子線装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の電子線装置において、前記二次電子発生電極は電圧が印加可能な単一あるいは複数の電極で構成され、前記電極の試料側に電子を透過し該電極と絶縁されて該電極を被うメッシュ状のシールド電極を備えることを特徴とする電子線装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の電子線装置において、
    試料よりも電子源側に配置された軸対称の形状を有する電極と、
    該電極に正又は負の電圧を印加する電圧印加手段と、
    該電極よりも電子源側に配置されて互いに直交する電界と磁界を発生する直交電磁界発生手段
    を具備し、
    前記二次電子検出手段を該直交電磁界発生手段で試料側から進行する電子が偏向される方向に配置し、前記反射電子検出手段を該直交電磁界発生手段よりも電子源側に配置したことを特徴とする電子線装置。
  7. 請求項項記載の電子線装置において、
    試料が対物レンズの磁極間に配置され、前記直交電磁界発生手段と前記反射電子検出手段が対物レンズの磁極よりも電子源側に配置されていることを特徴とする電子線装置。
JP2000157206A 2000-05-26 2000-05-26 電子線装置 Expired - Fee Related JP4073149B2 (ja)

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