JP4073140B2 - 薄膜形成装置及び薄膜製造方法 - Google Patents

薄膜形成装置及び薄膜製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマによる化学反応を利用して基板上にアモルファスシリコン等からなる薄膜を形成するための薄膜形成装置及び薄膜製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマCVDを利用した薄膜形成装置として、基板上に配置されるプラズマ発生用の電極を略円柱状とし、かつ、これを高速回転させるようにしたものが開発されるに至っている(例えば特開平9−104985号公報参照)。その装置の概要を図10及び図11に示す。
【0003】
図10において、密閉されたチャンバ10内には、基板搬送台12が設置され、その上に基板14が載置されるとともに、これら基板搬送台12及び基板14はアースに接続されている。そして、この基板14と僅かな隙間をもって対向するように回転電極REが配設されている。この回転電極REは、図の奥行き方向に延びる略円筒状の電極本体18の中心部を回転軸16が貫いてなり、この回転軸16の両端が図略の支柱により回転可能に支持されている。回転軸16の端部は、チャンバ外面に設けられた共振器19を介して図略の高周波電源に接続されている。
【0004】
この装置において、チャンバ10内を排気し、回転電極REを回転させながらこれに高周波電力(直流電力でもよい)を印加して当該回転電極REと基板14との間にプラズマ22を発生させるとともに、図略の反応ガス供給源から反応ガス(図例ではSiHとHとの混合ガス)及び希釈ガス(例えばHe)をチャンバ10内に導入すると、これらのガスは回転電極REの回転によって当該回転電極REと基板14との間に巻き込まれてプラズマ22に導かれ、ここで前記反応ガスが化学反応を起こす。このような化学反応を起こさせながら基板14を基板搬送台12とともに所定方向(回転電極REの回転軸方向と直交する方向)に走査する結果、図11に示すように、基板14上に薄膜(図例ではアモルファスシリコンからなる薄膜)23が形成される。
【0005】
この装置は、均一な薄膜23を大面積の領域に高速で連続的に形成することを可能にするとともに、従来では困難とされていた1気圧以上の圧力下でのグロー放電プラズマ発生を可能にする画期的な手段である。しかし、このように高圧下でしかも高速で成膜を行うと、反応ガスの分解反応が気相で急激に起こることに起因して、図11に示すように成膜23に寄与しなかったシリコン原子が相互に結びついてパーティクル(微粒子)24を形成することになる。このようなパーティクル24が基板14上に堆積すると、成膜23の表面形態を乱し、高品質膜の形成を阻害する要因となる。
【0006】
そこで、前記公報には、電極回転方向の下流側に図12(a)(b)に示すようなダクト90を配置し、このダクト90を通じてパーティクル24を吸引除去するようにしたものが開示されている。このダクト90は、その先端の吸引口92が他の部分よりも狭小の先細り状に形成され、その吸引口92が回転電極REの回転方向下流側において当該回転電極REの外周面と基板14の上面との隙間に挿入されている。この吸引口92におけるガス吸引速度としては、電極表面の周速度と同等の速度以上であって、好ましくは電極表面の周速度の2倍以上、より好ましくは10倍以上であるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図13は、前記ダクト90の近傍におけるガスの流れ状態を示したものである。この図に示されるように、従来のダクトを用いた装置では次のような不都合が存在する。
【0008】
・ダクト90の上面と回転電極REの外周面との間や、ダクト90の下面と基板14の上面との間には必ず隙間が存在するため、この隙間を通じてもダクト吸引口92へガスが吸引され、その分、回転電極REの近傍でのガス吸引速度が低下する。従って、前記吸引口92を回転電極REに近づけ、かつ吸引口92での吸引速度を高くしても、電極近傍でのガス吸引速度を上げるには限界があり、当該電極近傍におけるパーティクルの有効な除去は困難である。
【0009】
・パーティクルは、その全てが気流に同伴するぐらい小径のパーティクルであるとは限らず、慣性力によって回転電極REの円周接線方向に飛散するような大径のパーティクル(図13に示すパーティクル24b)も存在する。また、パーティクル24は、必ずしも気相中から下流側(ダクト90側)へ運ばれるとは限らず、一旦回転電極REの表面に付着してから基板14より大きく離れた位置で剥離し、再飛散することもある。これらのパーティクルは、前記先細ダクト90によっては有効に捕集することができない。
【0010】
・ダクト吸引口92にはパーティクル24を含むガスが正面から衝突するため、その近傍にパーティクルが堆積しやすく(図13に示すパーティクル24c)、このようなパーティクル24cが堆積したダクト自体が汚染源となるおそれがある。
【0011】
・高速回転電極REに引きずられた当該電極周方向へのガスの流れと、当該回転電極REとダクト90との隙間から吸引されるガスの流れとが交錯することにより、プラズマ22の発生領域から遠くない位置で渦Wが形成されてしまう。この渦Wは、活性な反応中間体あるいはそれらのクラスターを長時間滞留させ、パーティクルの成長を促す要因となる。
【0012】
・基板14の上面とダクト90との隙間から吸引されるガスの流れに起因して、基板14の近傍に流れの淀み域94が形成される。この淀み域94も、前記渦Wと同様、活性な反応中間体あるいはそれらのクラスターを長時間滞留させ、パーティクルの成長を促す要因となる。
【0013】
・さらに原料ガス濃度や回転電極温度等の成膜条件によって良好な薄膜形成を阻害する要因として、前記気相中でのパーティクル発生の他、基板14上での薄膜形成と同様のメカニズムで回転電極REの外周面上に形成された薄膜が成長し、さらには剥離して基板表面に付着することが考えられる。このような剥離成分を前記ダクト90によって除去するのは困難である。この阻害要因は、前記回転電極REを定期的にドライエッチング等でクリーニングすることにより回避可能であるが、当該クリーニングには相当の手間を要し、運転効率向上の妨げになる。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑み、回転電極を用いながら、当該回転電極を用いることにより従来発生していた薄膜形成のトラブルを抜本的に解決して高品質膜の高速形成を可能にする薄膜形成装置及び薄膜製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するにあたり、まず、その課題の要因となる薄膜形成阻害のメカニズムについて以下に詳細な検討を行う。
【0016】
1)気相内でのパーティクルの発生について
前記回転電極と基板との間のプラズマ発生領域の状況と、その領域での薄膜及びパーティクルとの間には次の関係があると考えられる。
【0017】
回転電極近傍及び基板近傍には、電界の勾配が急なシース領域が存在し、これらのシース領域の間に比較的電界勾配の緩やかなバルク領域が存在する。そして、電子は主にシース領域でそのエネルギーが高められ、このシース領域とバルク領域との境界部分でガス分子と衝突しエネルギーを損失する。従って、前記境界部分近傍に、化学的に活性なラジカル分子や、内部エネルギーが高い励起分子やイオンが局在することになる。
【0018】
図14(a)(b)は、従来の回転電極を用いた薄膜形成装置におけるプラズマ発生領域での発光強度分布を示したものである。この分布は、前記励起分子等が基底状態に戻るときに発する光の強度の検出結果を示したものである。従って、発光強度分布が高いということは、その領域でのラジカル分子や励起分子の生成が盛んであることを意味する。
【0019】
この図14(a)(b)を参照すれば、基板に近いシース領域/バルク領域境界部分近傍や、回転電極に近いシース領域/バルク領域境界近傍で発光強度が局所的に高くなっており、従って、これらの領域でラジカル分子や励起分子の生成が盛んであることが理解できる。しかも、同図(a)と(b)を比較して明らかなように、運転圧力が高いほど、発光強度分布は急峻になる。これは、圧力上昇につれて電子や分子の衝突確率が増し、ラジカル分子や励起分子の生成速度が増大するとともに拡散係数が低下するためと考えられる。
【0020】
このうち、基板に近い側のシース領域/バルク領域境界近傍で生成されたラジカル分子や励起分子、イオンは、その生成後直ちに基板上に成膜され、あるいは他の反応中間体となってから基板上に成膜される。これに対し、回転電極に近いシース領域/バルク領域境界近傍で生成されたラジカル分子や励起分子、イオンの多くは、回転電極表面温度が基板温度ほど高くないため、電極表面で膜化する前に気相中でクラスター化さらには微粒子化し、これによりパーティクルが生成されることとなる。従って、後者の回転電極近傍でのラジカル分子や励起分子、イオンの発生を抑制することにより、パーティクルを有効に抑止しつつ良好な薄膜形成を実現することが可能となる。
【0021】
2)回転電極周面上での薄膜形成について
上述のように、プラズマCVDでは、プラズマ空間の基板近傍で発生した活性種が基板表面に付着することで薄膜が形成されるが、原料ガス濃度や回転電極温度などの成膜条件によっては、パーティクルを生成するばかりでなく、基板近傍と同様のメカニズムで電極表面にも薄膜が形成され、かつ、その厚さは処理時間に比例して増大する。これをクリーニングせずに放置しておくと、前記電極表面で成長した膜がある程度の厚さに達した時点で剥離してフレーク状になり、その一部が基板表面に付着し、ピンホールなどの欠陥を与えてしまうことになる。このような回転電極外周面上での薄膜形成による障害は、前記回転電極側での薄膜形成そのものを抑止することにより、抜本的解決が可能となる。
【0022】
本発明は、このような観点からなされたものであり、円筒状の外周面をもつ回転電極と、この回転電極を回転駆動する駆動手段と、この回転電極と対向する位置に基板を保持しながら当該基板を回転電極に対してその回転中心軸と略直交する方向に相対移動させる送り手段とを備え、前記回転電極を回転させながら当該回転電極と基板との間にプラズマを発生させることにより、このプラズマに供給された反応ガスに化学反応を起こさせて前記基板上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、前記回転電極の外周面上であって少なくとも前記基板上の薄膜形成領域に対応する領域に前記反応ガスと異なるパージガスからなるガス層を形成するパージガス層形成手段を備えたものである。
【0023】
この装置において、前記パージガス層形成手段により回転電極表面に非常に薄いパージガス粘性底層(具体的には回転電極と基板との距離よりも薄く、かつ、回転電極から当該回転電極側のシース領域/バルク領域境界部分までの距離よりも厚い層が好ましい。)を形成することにより、その層形成領域でのパージガス濃度(例えばパージガスにヘリウムを用いた場合にはそのヘリウム濃度やヘリウムラジカル濃度)が高くなる一方、回転電極に近いシース領域/バルク領域境界近傍で生成される原料ガス(例えばシランガス)の濃度や当該原料ガスのラジカル種の濃度が抑えられる。これによって、回転電極近傍領域でのパーティクルの発生を有効に抑止できるとともに、回転電極外周面上への薄膜形成も阻止できる。一方、基板に近いシース領域/バルク領域境界近傍では、従来装置と同様、原料ガスを元に良好な薄膜を基板上に形成することができる(図15参照)。
【0024】
さらに、本発明では、前記パージガス層形成手段として前記回転電極の外周面上において少なくとも基板上の薄膜形成領域に対応する領域にガス噴出部を設け、このガス噴出部と異なる位置に当該ガス噴出部と連通するガス供給部を設けるとともに、このガス供給部に前記反応ガスと異なるパージガスを供給して当該パージガスを回転電極のガス噴出部から電極周面上に噴出させるパージガス供給手段を備えている。この構成により、回転電極外周面上に均一なパージガス層を形成することができる。
【0025】
さらに、本発明では、前記回転電極電極本体を中空の略円柱状とし、この電極本体の周壁にその内外を連通するガス噴出部を設け、当該電極本体の内側の空間を前記ガス噴出部と通ずるガス供給路としている。これにより、電極全体を軽量にでき、かつ、そのガス噴出部及び電極内部のガス供給路を簡単に形成することが可能である。
【0026】
さらに、本発明では、回転電極のガス供給部電極回転中心軸上に設けている。この構成によれば、回転電極が高速回転している間も、前記ガス供給部の位置は動かないので、当該回転電極に対してより容易にかつ安定してパージガスを供給することができる。
【0027】
具体的には、前記のような中空の電極本体を具備する回転電極においてその電極本体の中心部に筒状の回転軸を軸方向に貫通させ、この回転中心軸の軸端開口をガス供給部とし、かつ、この回転中心軸の周壁にその内外を連通するガス導出部を設け、この回転中心軸と前記電極本体との間の空間をガス攪拌室としている。この構成によれば、筒状回転軸の軸端開口から供給されたパージガスは、この回転軸のガス導出部を通じて当該回転軸の外側のガス攪拌室に入り、ここで攪拌されてから電極本体のガス噴出部より回転電極外側に略均一に噴出する。
【0028】
この回転電極に対しては、そのガス供給部である回転中心軸の軸端開口にパージガス供給管を挿入するだけの簡単な構造で、このパージガス供給管を通じてパージガス供給手段は前記回転中心軸内にパージガスを供給することができ、このパージガスを回転電極のガス噴出部から噴出させることが可能である。
【0029】
前記パージガスは、薄膜形成用の化学反応に影響を及ぼさないものであればよい。例えば前記反応ガスとしてシランガスを含むものを用いて基板上にアモルファスシリコン等からなる薄膜を形成する場合には、前記パージガスとして、前記ヘリウムをはじめとする不活性ガス(ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等)の他、水素、窒素、酸素、あるいはこれらの混合ガスなどが適用可能である。
【0030】
前記ガス噴出部としては、前記電極本体周面上の軸方向に並ぶ複数の位置に当該電極本体を貫通するガス噴出孔を設けたものが、好適である。
【0031】
さらに、このガス噴出孔は、前記電極本体周面上の周方向に並ぶ複数の位置に設けるのが、より好ましい。この場合、各ガス噴出孔の軸方向位置を相互にずらすことにより、回転電極からのパージガスの噴出を軸方向により均等化することができる。
【0032】
また、前記ガス噴出部としては、前記電極本体の周壁の少なくとも一部を当該電極本体の軸方向に延びる多孔質体で構成したものも、好適である。この構成によっても、電極本体軸方向に延びる多孔質体から当該軸方向に略均一にパージガスを供給することが可能になる。
【0033】
また、前記パージガス層は、前記回転電極と基板との隙間もしくはその近傍位置に対して当該回転電極の回転方向上流側からパージガスを供給するパージガス供給手段を備え、その供給されたパージガスが前記隙間に巻き込まれてガス層を形成するという構成によっても形成することが可能である。
【0034】
また本発明は、円筒状の外周面をもつ回転電極を回転させながら当該回転電極と基板との間にプラズマを発生させることにより、このプラズマに供給された反応ガスに化学反応を起こさせて前記基板上に薄膜を形成する方法であって、前記回転電極の外周面上であって少なくとも前記基板上の薄膜形成領域に対応する領域に前記反応ガスと異なるパージガスからなるガス層を形成する工程を備えたものである。
【0035】
具体的には、前記回転電極の外周面上において少なくとも基板上の薄膜形成領域に対応する領域にガス噴出部を設け、このガス噴出部と異なる位置に当該ガス噴出部と連通するガス供給部を設け、このガス供給部に前記パージガスを供給して当該パージガスを回転電極のガス噴出部から電極周面上に噴出させる工程を含む
【0036】
さらに、本発明の方法では、前記回転電極の電極本体を中空の略円柱状とし、この電極本体の周壁にその内外を連通するガス噴出部を設け、当該電極本体の内側の空間を前記ガス噴出部と通ずるガス供給路にする
【0037】
一方、前記ガス供給部はこれを回転電極中心軸上に設ける
【0038】
具体的に、本発明の方法では、前記電極本体の中心部に筒状の回転中心軸を貫通させ、この回転中心軸の軸端開口をガス供給部とし、かつ、この回転中心軸の周壁にその内外を連通するガス導出部を設け、この回転中心軸と前記電極本体との間の空間をガス攪拌室にする
【0039】
より具体的には、前記回転電極のガス供給部である回転中心軸の軸端開口にパージガス供給管を挿入し、このパージガス供給管を通じて前記回転中心軸内にパージガスを供給するものが好適である。
【0040】
パージガスの供給については、前記回転電極と基板との隙間もしくはその近傍位置に対して当該回転電極の回転方向上流側からパージガスを供給し、その供給したパージガスを前記隙間に巻き込ませてガス層を形成するのが好適である。
【0041】
ここで回転電極としては、前記ガス噴出部として前記電極本体周面上の軸方向に並ぶ複数の位置に当該電極本体を貫通するガス噴出孔を設けたものを用いるのが、より好ましく、さらに、前記ガス噴出孔を前記電極本体周面上の周方向に並ぶ複数の位置に設けるとともに、各ガス噴出孔の軸方向位置を相互にずらした回転電極であれば、より好ましい。
【0042】
また前記回転電極は、前記ガス噴出部として前記電極本体の周壁の少なくとも一部を当該電極本体の軸方向に延びる多孔質体で構成したものでもよい。
【0043】
前記パージガスは、薄膜形成用の化学反応に影響を及ぼさないものであればよい。例えば前記反応ガスとしてシランガスを含むものを用いて基板上にアモルファスシリコン等からなる薄膜を形成する場合には、前記パージガスとして、前記ヘリウムをはじめとする不活性ガス(ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等)の他、水素ガス、窒素ガス、酸素ガス、これらの混合ガス等が好適である。
【0044】
本発明は、例えばアモルファスシリコン、C、SiC、SiO等からなる薄膜の製造に好適に用いることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明において形成する薄膜材料は下記のアモルファスシリコンに限られず、例えばC、SiC、SiOなど、プラズマを利用した化学反応により薄膜を形成できる材料に広く適用が可能である。
【0046】
図1〜図3に示す薄膜形成装置は、内部が密閉されたチャンバ10を備えている。このチャンバ10の底部にはテーブル11が設置されている。このテーブル11上には基板搬送台12が設けられ、後述の回転電極REの回転中心軸と直交する方向(図1では左右方向)にスライド駆動されるようになっている。この基板搬送台12は、基板14を上方に露出させた状態で保持しながらスライド駆動される。従って、この基板搬送台12及び前記テーブル11によって、基板14を走査する送り手段が構成されている。
【0047】
回転電極REは、前記基板搬送台12のすぐ上方に設けられている。その高さ位置は、回転電極REの周面と基板14との間にプラズマCVDを実行するのに適した隙間(例えば0.1mm〜1mm)が保たれるように設定されている。
【0048】
回転電極REは、中空で略円柱形状の電極本体18と、これを軸方向に貫通する回転軸16とからなっている。この回転軸16の両端は、チャンバ10内に設けられた一対の軸受台13によって回転可能に支持されている。回転軸16の一端は、チャンバ10に固定されたモータ(回転駆動手段;図2参照)73の出力軸にカップリング74を介して連結され、このモータ73の作動によって回転電極RE全体が高速で回転駆動されるようになっている。
【0049】
前記回転軸16は、電気接続部材17及びチャンバ外側の共振器19を介して高周波電源20に接続されている。そして、この高周波電源20から前記共振器19及び電気接続部材17を通じて回転電極18に成膜用の高周波電圧が印加されるようになっている。なお、この電源には直流電源を使用することも可能である。
【0050】
前記回転電極REの構造を図4(a)(b)及び図5に示す。
【0051】
この回転電極REの回転軸16は、円筒状をなしている。すなわち、この回転軸16には、これを軸方向に貫く貫通孔16aが設けられている。さらに、回転軸16の周壁には、これを径方向に貫通する(すなわち回転軸の内外を連通する)複数のガス導出孔16bが適所に設けられている。
【0052】
電極本体18は、円筒状の周壁18rと、その両端開口を塞ぐ円形状の側壁18sとからなっている。前記回転軸16は、電極本体18の両側壁18sを貫通した状態で当該両側壁18sに固定されている。この電極本体18の内部空間、すなわち、この電極本体18と回転軸16とで挟まれた空間は、ガス攪拌室18aとなっている。
【0053】
さらに、この電極本体18の周壁18rには、これを径方向に貫く小径のガス噴出孔18bが多数設けられている。これらのガス噴出孔18bは、図例では、周方向に並ぶ8つの列に沿って軸方向に並べて設けられている。さらに、図5に示すように、各列のガス噴出孔18bを軸方向に相互位置をずらして設けることにより、後述のパージガスの噴出を電極軸方向に均等化することが可能になる。
【0054】
ただし、本発明においてガス噴出孔18bの配設位置や個数は適宜設定が可能である。例えば、回転電極表面への膜付着をより有効に抑制するには、電極周壁18rの全面に均等にガス噴出孔18bを配するのが望ましいが、電極製作上の簡便性に鑑みて図4に示すような部分的な噴出孔18の配置を行っても有効である。
【0055】
また、孔径もガス噴出圧との関係などを考慮して適宜設定すればよい。具体的には0.3〜5mm程度が好適である。
【0056】
図6に示すように、回転軸16の片側軸端(前記モータ73に連結される軸端と反対側の軸端)の開口には、その軸方向に沿ってパージガス供給管30が挿通されている。このパージガス供給管30の外径は、回転軸16の内径よりも僅かに小さく設定され、当該パージガス供給管30の外周面と回転軸16の内周面との間にはほんの僅かな微小隙間32が確保されている。パージガス供給管30自体は、前記チャンバ10の側壁を貫通し、かつこの貫通部位でシールがなされた状態で当該チャンバ側壁に固定されている。
【0057】
次に、前記チャンバ10に対するガスの給排設備を図3に基づいて説明する。
【0058】
チャンバ10には、ガス循環系80が接続されている。このガス循環系80では、チャンバ10内のガスがその排気口10aから粉末除去フィルタ81を通じてドライポンプ82に吸入される。ドライポンプ82の吐出ガスは、その一部がシラン除去装置83を通じて大気へ放出され、残りが水吸着筒84を通じてチャンバ10内にその供給口10bから戻される。
【0059】
さらに、このチャンバ10内には、ヘリウムガス容器86、水素ガス容器87、メタンガス容器88、及びシランガス容器89が接続され、これらの容器86〜89からその収容ガスが適宜チャンバ10内に供給されるようになっている。さらに、前記ヘリウムガス容器86は、前記チャンバ10への直接接続とは別に、前記パージガス供給管30にも接続されている。
【0060】
次に、この装置の作用を説明する。
【0061】
チャンバ10内を排気し、モータ73の作動によって回転電極REを回転させながら、ヘリウムガス容器86よりパージガス供給管30を通じて回転軸16内にパージガス(この実施の形態ではヘリウムガス)を送り込む。
【0062】
このパージガスは、回転軸16の軸方向貫通孔16aから径方向の各ガス導出孔16bを通じてガス攪拌室18a内に入り、さらに、電極回転による遠心力を受けて各ガス噴出孔18bから電極本体18の外側に噴出する。この噴出パージガスは、高速回転する回転電極REの外周面に引きずられるようにしてこれと同方向に回転し、当該電極外周面の周囲に薄いパージガス層を形成する。
【0063】
このパージガス層は、前述のように、回転電極と基板との距離よりも薄く、かつ、回転電極から当該回転電極側のシース領域/バルク領域境界部分までの距離よりも厚くするのが好ましい。その層厚は、各ガス噴出孔18bの孔径や個数、パージガスの供給圧等によって自由に調節が可能である。
【0064】
一方、前記回転電極REに高周波電力(直流電力でもよい)を印加して当該回転電極REと基板14との間にプラズマを発生させながら、ガス容器86〜89から反応ガス(この実施の形態ではSiH、H、及びCH)及び希釈ガス(この実施の形態ではHe)をチャンバ10内に導入すると、これらのガスは前記回転電極REの高速回転によって当該回転電極REと基板14との間に巻き込まれ、プラズマ22に導かれて化学反応を起こす。これと同時に、基板14が基板搬送台12とともに回転電極REの回転軸方向と直交する方向に走査されることにより、基板14上に薄膜(図例ではアモルファスシリコンからなる薄膜)が形成される。
【0065】
ここで従来は、前記基板14の近傍のみならず、回転電極REの近傍で発生したシランガスのラジカル種が化学反応を起こすことにより、パーティクル(微粒子)が発生し、また成膜条件によっては回転電極RE上に形成された薄膜が剥離し、良好な薄膜形成を妨げるおそれがあったが、ここに示す装置では、前記回転電極REの径方向外側に薄いパージガス層が形成されることにより、このパージガス層がいわばバリアの機能を果たすことになり、回転電極近傍でのパーティクルの発生が有効に抑止される。また、当該パージガス層の形成により、回転電極RE上での薄膜形成も有効に抑止することができ、当該薄膜が剥離して基板表面側に付着するのを事前に防止できる。その結果、良好な薄膜形成を実現することができる。
【0066】
この実施の形態では、回転電極周壁18rにガス噴出孔18bを設けるようにしているが、これに代え、図7(a)(b)に示すように周壁18rの一部を電極軸方向に延びる多孔質体18cで構成し、あるいは図8(a)(b)に示すように周壁18rの全部を多孔質体18cで構成して、その多孔質体18cからガスを噴出させるようにしてもよい。
【0067】
この多孔質体18cとしては、例えば多孔質窒化ケイ素(Si)や多孔質アルミナ(Al)が好適である。また、多孔質焼結金属の適用も可能である。
【0068】
図例では、多孔質体18cが電極本体18の軸方向全域にわたって延びており、パージガスを軸方向にわたって均一に噴出させることが可能となっている。この多孔質体18cの具体的な形状や個数は自由に設定が可能である。
【0069】
このように多孔質体18cを用いる場合も、前記のようなガス噴出孔18bを設ける場合も、そのガス噴出領域は少なくとも基板上での薄膜形成領域を含む領域に設定すればよい。
【0070】
回転電極REのガス供給部については、これを例えば電極本体18の側壁18sに設けることも可能であるが、前記のように回転軸16を筒状にしてその軸端開口をガス供給口とすれば、回転電極REが高速回転中であってもその内部に容易にパージガスを供給することができる。また、その供給は、例えば図示のようにパージガス供給管30を回転軸16の軸端開口に挿入するだけの簡単な構造で行うことができる。
【0071】
ここで、パージガス供給管30の挿入深さや回転軸16とのクリアランスは適宜設定が可能である。その挿入深さを深くするほど、また、前記クリアランスを小さくするほど、パージガスのリークが減少し、パージガス供給効率が向上することになる。
【0072】
回転電極REに供給するパージガスは、薄膜形成反応を阻害しない性質のものであればよく、前記ヘリウムガスをはじめとする不活性ガスの他、水素、窒素、酸素、あるいはこれらの混合ガスであってもよい。また、この電極用のパージガスは、チャンバ10内に供給される希釈ガスと同種のものであると異種のものであるとを問わない。
【0073】
パージガスの温度も特に問わないが、チャンバ内雰囲気温度よりも高くすることが、より好ましい。このようにすることにより、パージガスが電極回転の遠心力によって雰囲気中に拡散する量を抑制しながら、適当なパージガス層厚を確保できる。
【0074】
以上のように、回転電極REにガス噴出部を設ける手段をとることにより、回転電極REの外周面上に均一なパージガス層を形成することができるが、それ以外の手段によってもパージガス層の形成は可能である。
【0075】
例えば、図9に示すように、前記回転電極REの回転方向上流側にチャンバ10の側壁を貫くパージガス供給管32を設け、このパージガス供給管32のガス噴出端を回転電極REと基板14との隙間もしくはその近傍位置に指向させて、他端をパージガス供給源(例えば前記ヘリウムガス容器86)に接続し、このパージガス供給管32から前記隙間もしくはその近傍位置にパージガスを噴射させるようにしても、当該パージガスが回転電極REの高速回転によって前記隙間に巻き込まれることにより、回転電極REの外周面上であって少なくとも前記基板14上の薄膜形成領域に対応する領域(プラズマ22が形成される領域)にパージガス層34が形成される。この場合、前記パージガス供給管32を回転電極REの幅方向にわたって複数本配設したり、パージガス供給管32の噴出口の開口幅を回転電極REの幅と略同等にしたりすることにより、回転電極幅方向についてのガス層の均一化を図ることが可能である。ただし、前記図4〜図7に示したように回転電極REの周面にガス噴出部を設けることにより、パージガス層のさらなる均一化が可能になる。
【0076】
【実施例】
薄膜材料としてアモルファスシリコンを選び、以下の成膜実験を行った。
【0077】
1)装置条件
実験には、アルミ合金製のドラム電極(図1の回転電極RE)、高速回転モータ、基板搬送台(図1の基板搬送台12)、インピーダンスマッチング装置などを備えた装置を用い、ドラム電極は、その振動を防ぐため、マグネットカップリング及び磁気流体シールを介して前記高速モータに連結した。高周波電源には150MHzのものを用い、インピーダンス間マッチングユニットを介して電極部に高周波電力を印加し、200μmの最狭隙間部にプラズマを発生させるようにした。回転電極寸法は、直径300mm、幅100mmとし、最高回転速度を5000rpm(周速度79m/s)に設定した。
【0078】
さらに、前記回転電極には、図4(a)(b)及び図5に示すように周方向に並ぶ8つの列に沿って軸方向に多数のガス噴出孔(孔径0.5mm)を並設し、そこから同図に示す構造でパージガスが噴出されるようにした。
【0079】
一方、前記図5に示したガス循環系80として、排気速度1m/minのドライポンプ及び0.1μmメッシュをもつパーティクル除去フィルタを備えたものをチャンバに接続した。
【0080】
2)実施条件
洗浄を終えて乾燥させたガラス基板を試料台にセットし、成膜ギャップ(最狭隙間部δ)を設定した後、真空排気を行った。その後、ヘリウム(希釈ガス)と、水素及びシランの混合ガス(反応ガス)とをマスフローコントローラを通じてチャンバ内に導入し、さらに回転電極表面にはパージガスとして微量のヘリウムガスを噴出させ、雰囲気圧力は大気圧とした。この状態で電極を回転させながらプラズマを発生させ、基板上にアモルファスシリコンの薄膜を形成した。成膜条件は、水素濃度を0〜10%、シラン濃度を0.01〜10%、雰囲気圧力を1気圧、基板温度を250℃、成膜時間を30秒とした。
【0081】
その結果、投入電力が300〜2500W、電極回転数が1000〜5000rpmという広い範囲で、パーティクルを発生させることなく均一の薄膜を得ることができ、かつ、その得られた薄膜がまさしくアモルファスシリコンであることがラマン分光分析により確認された。その後も実験を5バッチ継続したが、チャンバ内壁や回転電極表面にパーティクルの堆積や薄膜形成は見られなかった。
【0082】
さらに、50バッチの実験前後でのパーティクル除去フィルタの重量増分、つまり、捕集パーティクル重量を測定したところ、その捕集量は従来装置の1/10であることが判明した。この結果は、本発明の実施により、パーティクルの発生が有効に抑止され、原料ガスのうち基板上の成膜に寄与するものの比率が向上したことを明らかに示すものである。
【0083】
また、変形例として、パージガス供給管周囲にシリコンゴムヒータを巻き付けてパージガスを余熱したところ、パージガス供給量をさらに減らしながらも反応室各部へのパーティクルの付着や回転電極への薄膜形成を防止できることが判明した。
【0084】
【発明の効果】
以上のように本発明は、薄膜形成用回転電極の外周面上に、薄膜形成反応に関与しないパージガスからなるガス層を形成するようにしたものであるので、当該回転電極近傍でのパーティクル発生等による基板表面の汚染を有効に抑止し、また回転電極への成膜を抑制することにより、高品質膜を高速で形成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる薄膜形成装置の断面正面図である。
【図2】 前記薄膜形成装置の断面側面図である。
【図3】 前記薄膜形成装置のガス給排設備を示す配管図である。
【図4】 (a)は前記薄膜形成装置に用いられる回転電極であってガス噴出孔が設けられた回転電極の斜視図、(b)はその断面正面図である。
【図5】 前記各ガス噴出孔の配設位置を示す電極本体の展開図である。
【図6】 前記回転電極の内部へのガス供給構造を示す断面側面図である。
【図7】 (a)は前記薄膜形成装置に用いられる回転電極の例であって周方向の一部にガス噴出用の多孔質体が設けられた回転電極の斜視図、(b)はその断面正面図である。
【図8】 (a)は前記薄膜形成装置に用いられる回転電極の例であって周方向の全部にガス噴出用の多孔質体が設けられた回転電極の斜視図、(b)はその断面正面図である。
【図9】 本発明の別の実施の形態を示す断面正面図である。
【図10】 従来の薄膜形成装置を示す概略構成図である。
【図11】 図10に示す薄膜形成装置における回転電極と基板との間での薄膜形成のメカニズムを示す図である。
【図12】 (a)は従来の薄膜形成装置におけるダクトの配置を示す断面正面図、(b)は同ダクトの斜視図である。
【図13】 図12に示す薄膜形成装置におけるガスの流れを示す断面図である。
【図14】 (a)(b)は従来の薄膜形成装置におけるプラズマ発生領域での発光強度分布を示す図である。
【図15】 本発明によるパーティクル発生抑止メカニズムを示す説明図である。
【符号の説明】
10 チャンバ
12 基板搬送台
14 基板
16 回転軸
16a 貫通孔
16b ガス導出孔
18 電極本体
18a ガス攪拌室
18b ガス噴出孔
18c 多孔質体
18r 電極本体周壁
30,32 パージガス供給管
86 ヘリウムガス容器(パージガス供給手段)
RE 回転電極

Claims (18)

  1. 円筒状の外周面をもつ回転電極と、この回転電極を回転駆動する駆動手段と、この回転電極と対向する位置に基板を保持しながら当該基板を回転電極に対してその回転中心軸と略直交する方向に相対移動させる送り手段とを備え、前記回転電極を回転させながら当該回転電極と基板との間にプラズマを発生させることにより、このプラズマに供給された反応ガスに化学反応を起こさせて前記基板上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
    前記回転電極の外周面上であって少なくとも前記基板上の薄膜形成領域に対応する領域に前記反応ガスと異なるパージガスからなるガス層を形成するパージガス層形成手段を備え、
    前記パージガス形成手段は、前記回転電極の外周面上において少なくとも基板上の薄膜形成領域に対応する領域に設けられるガス噴出部と、このガス噴出部と異なる位置に設けられて当該ガス噴出部と連通するガス供給部と、このガス供給部に前記パージガスを供給して当該パージガスを回転電極のガス噴出部から電極周面上に噴出させるパージガス供給手段とを有し、
    前記回転電極の電極本体を中空の略円柱状とし、この電極本体の周壁にその内外を連通するガス噴出部を設け、当該電極本体の内側の空間を前記ガス噴出部と通ずるガス供給路とし、
    前記電極本体の中心部に筒状の回転中心軸を貫通させ、この回転中心軸の軸端開口をガス供給部とし、かつ、この回転中心軸の周壁にその内外を連通するガス導出部を設け、この回転中心軸と前記電極本体との間の空間をガス攪拌室としたことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 請求項記載の薄膜形成装置において、前記回転電極のガス供給部である回転中心軸の軸端開口に挿入されるパージガス供給管を備え、このパージガス供給管を通じて前記回転中心軸内にパージガスを供給するようにパージガス供給手段を構成したことを特徴とする薄膜形成装置。
  3. 請求項1または2記載の薄膜形成装置において、前記反応ガスはシランガスを含むものであり、前記パージガスは、不活性ガス、水素ガス、窒素ガス、酸素ガス、これらの混合ガスのうちのいずれかであることを特徴とする薄膜形成装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜形成装置において、前記ガス噴出部として、前記電極本体周面上の軸方向に並ぶ複数の位置に当該電極本体を貫通するガス噴出孔を設けたことを特徴とする薄膜形成装置。
  5. 請求項記載の薄膜形成装置において、前記ガス噴出孔を前記電極本体周面上の周方向に並ぶ複数の位置に設けるとともに、各ガス噴出孔の軸方向位置を相互にずらしたことを特徴とする薄膜形成装置。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜形成装置において、前記ガス噴出部として、前記電極本体の周壁の少なくとも一部を当該電極本体の軸方向に延びる多孔質体で構成したことを特徴とする薄膜形成装置。
  7. 円筒状の外周面をもつ回転電極と、この回転電極を回転駆動する駆動手段と、この回転電極と対向する位置に基板を保持しながら当該基板を回転電極に対してその回転中心軸と略直交する方向に相対移動させる送り手段とを備え、前記回転電極を回転させながら当該回転電極と基板との間にプラズマを発生させることにより、このプラズマに供給された反応ガスに化学反応を起こさせて前記基板上に薄膜を形成する薄膜形成装置において、
    前記回転電極の外周面上であって少なくとも前記基板上の薄膜形成領域に対応する領域に前記反応ガスと異なるパージガスからなるガス層を形成するパージガス層形成手段として、前記回転電極と基板との隙間もしくはその近傍位置に対して当該回転電極の回転方向上流側からパージガスを供給するパージガス供給手段を備え、その供給されたパージガス が前記隙間に巻き込まれてガス層を形成するように構成したことを特徴とする薄膜形成装置。
  8. 円筒状の外周面をもつ回転電極を回転させながら当該回転電極と基板との間にプラズマを発生させることにより、このプラズマに供給された反応ガスに化学反応を起こさせて前記基板上に薄膜を形成する方法であって、
    前記回転電極の外周面上であって少なくとも前記基板上の薄膜形成領域に対応する領域に前記反応ガスと異なるパージガスからなるガス層を形成する工程を備え、
    前記回転電極の外周面上において少なくとも基板上の薄膜形成領域に対応する領域にガス噴出部を設け、このガス噴出部と異なる位置に当該ガス噴出部と連通するガス供給部を設け、前記ガス層を形成する工程は、このガス供給部に前記パージガスを供給して当該パージガスを回転電極のガス噴出部から電極周面上に噴出させる工程を含み、
    前記回転電極の電極本体を中空の略円柱状とし、この電極本体の周壁にその内外を連通するガス噴出部を設け、当該電極本体の内側の空間を前記ガス噴出部と通ずるガス供給路にし、
    前記電極本体の中心部に筒状の回転中心軸を貫通させ、この回転中心軸の軸端開口をガス供給部とし、かつ、この回転中心軸の周壁にその内外を連通するガス導出部を設け、この回転中心軸と前記電極本体との間の空間をガス攪拌室にすることを特徴とする薄膜製造方法。
  9. 請求項記載の薄膜製造方法において、前記回転電極のガス供給部である回転中心軸の軸端開口にパージガス供給管を挿入し、このパージガス供給管を通じて前記回転中心軸内にパージガスを供給することを特徴とする薄膜製造方法。
  10. 請求項8または9記載の薄膜製造方法において、前記反応ガスはシランガスを含むものであり、前記パージガスは、不活性ガス、水素ガス、窒素ガス、酸素ガス、これらの混合ガスのうちのいずれかであることを特徴とする薄膜製造方法。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の薄膜製造方法において、前記ガス噴出部として前記電極本体周面上の軸方向に並ぶ複数の位置に当該電極本体を貫通するガス噴出孔を設けた回転電極を用いることを特徴とする薄膜製造方法。
  12. 請求項11記載の薄膜製造方法において、前記ガス噴出孔を前記電極本体周面上の周方向に並ぶ複数の位置に設けるとともに、各ガス噴出孔の軸方向位置を相互にずらした回転電極を用いることを特徴とする薄膜製造方法。
  13. 請求項8〜10のいずれかに記載の薄膜製造方法において、前記ガス噴出部として前記電極本体の周壁の少なくとも一部を当該電極本体の軸方向に延びる多孔質体で構成した回転電極を用いることを特徴とする薄膜製造方法。
  14. 円筒状の外周面をもつ回転電極を回転させながら当該回転電極と基板との間にプラズマを発生させることにより、このプラズマに供給された反応ガスに化学反応を起こさせて前記基板上に薄膜を形成する方法であって、
    前記回転電極の外周面上であって少なくとも前記基板上の薄膜形成領域に対応する領域に前記反応ガスと異なるパージガスからなるガス層を形成する工程を備え、
    この工程では、前記回転電極と基板との隙間もしくはその近傍位置に対して当該回転電極の回転方向上流側からパージガスを供給し、その供給したパージガスを前記隙間に巻き込ませてガス層を形成することを特徴とする薄膜製造方法。
  15. 請求項8〜14のいずれかに記載の薄膜製造方法において、前記薄膜がアモルファスシリコンであることを特徴とする薄膜製造方法。
  16. 請求項8〜14のいずれかに記載の薄膜製造方法において、前記薄膜がCであることを特徴とする薄膜製造方法。
  17. 請求項8〜14のいずれかに記載の薄膜製造方法において、前記薄膜がSiCであることを特徴とする薄膜製造方法。
  18. 請求項8〜14のいずれかに記載の薄膜製造方法において、前記薄膜がSiO2であることを特徴とする薄膜製造方法。
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