JP4072197B2 - フォトニック結晶及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の波長域の光に対し不透過性を示すフォトニック結晶に関し、更に詳細には、オプトエレクトロニクスにおいて光導波路や光フィルタ等に利用できるフォトニック結晶を実現するために、化学結合を利用して光波長程度の直径を有する粒子を3次元周期構造を有して強固に結合させたフォトニック結晶及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の情報通信ネットワークは、電気信号を変換して光信号を発信し、伝搬してきた光信号を電気信号に変換するというプロセスを採用している。電気信号を利用する限り通信速度には限界があり、通信速度の更なる向上には画期的なブレイクスルーが不可欠であると言われている。
【0003】
このような中で、次世代の超高速・大容量通信技術として大いに注目されているのが、全てのプロセスを光信号処理する通信の光化技術である。この光化技術を可能にするものとしてフォトニック結晶が研究されている。
【0004】
フォトニック結晶は分子結晶を模倣した多次元周期構造であり、その周期が光学波長と同程度になると分散特性が光伝搬を強く制約するようになることが知られている。つまり、フォトニック結晶にはフォトニックバンドギャップ(PBG)と呼ばれる光伝搬を禁止する周波数帯が特徴的に出現する。
【0005】
つまり、フォトニック結晶とはフォトニックバンドギャップ(以後、PBGと云う)を有する結晶であり、そのPBGの波長帯の光を照射しても、その光はフォトニック結晶を透過することができない。
【0006】
図1は光導波路の概念を説明するフォトニック結晶の概略斜視図である。このフォトニック結晶2は光導波路4を内部に構成した2次元結晶である。このフォトニック結晶の格子定数はaであり、この格子定数aと同程度の長さの波長λを有した光は結晶の中を透過することができない。しかし、光は光導波路4にそって進行することは許される。
【0007】
光導波路4はフォトニック結晶の壁面によって形成された通路であり、光はこの光導波路4を進行することになる。光導波路4を自在に構成することによって、電子回路に替わる光回路を構成することが可能になる。また、広い波長域を有する光をフォトニック結晶2に入力すると、PBG領域の光を光導波路4に誘導でき、他の波長域の光は結晶内を透過するので、フォトニック結晶2を光フィルターとして利用することもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような性質を有した3次元フォトニック結晶を製造するため種々の方法が開発されている。最も簡単な方法は、単分散粒子を溶媒中で自然沈降させて堆積させ、乾燥して固形化する方法である。この方法で形成される結晶構造では粒子間の結合力が分子間力程度と極めて弱い。
【0009】
この欠点を改善するために、前記固形結晶を焼結して粒子配列を強固に固めることが行われている。しかし、単分散粒子は結晶を低温で生成する目的で研究されたもので、焼結すると粒子の形状が保持できない領域が当然出現するし、高温焼結法は環境にも悪影響を派生する欠点を有する。
【0010】
そこで、高温焼結法を使用しない各種の微粒子配列方法が考えられた。例えば、カチオン性を有する基板上にアニオン性の金微粒子を静電引力で配列し、この金微粒子のサブモノレイヤー上にカチオン性の高分子電解質を静電引力で積層し、これらを繰り返してアニオン層とカチオン層を交互に積層しながら3次元構造を形成する方法がある。
【0011】
また、基板の任意の領域を電子ビームやイオンビームを用いて正又は負に帯電させ、この基板を粒子を分散させた溶媒中に浸漬させると、粒子は静電誘導で基板上に堆積する。基板上に堆積した粒子は電気的に中和した後も、ファンデアワールス力や液架橋力により基板上に固着される。同じ工程を繰り返しながら、基板上に粒子を積み上げてゆき、3次元構造を形成する。
【0012】
これらの方法は静電引力によって積層しながら3次元構造を構成するものであるが、静電引力だけでは基板―粒子間、粒子―粒子間の結合がどうしても弱くなる。また、静電引力では粒子が密に並ばず、一層毎に積み上げるため時間が掛かりコスト高になるという弱点を有する。
【0013】
従って、本発明に係るフォトニック結晶及びその製造方法は、静電引力よりも強い化学結合力を利用することにより、強固な3次元構造を有するフォトニック結晶を実現することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、光波長程度の直径を有した粒子に官能基を結合させて官能基修飾粒子を形成し、官能基間の化学結合により多数の官能基修飾粒子を3次元結合させて結晶体を構成し、この結晶体の格子定数が光波長程度であることを特徴とするフォトニック結晶である。
【0015】
請求項2の発明は、光波長程度の直径を有した粒子に官能基を結合させて官能基修飾粒子を形成し、官能基を正又は負に帯電させて帯電粒子とし、正又は負に帯電した帯電粒子間の静電引力と官能基間の化学結合により多数の帯電粒子を3次元結合させて結晶体を構成し、この結晶体の格子定数が光波長程度の大きさであることを特徴とするフォトニック結晶である。
【0016】
請求項3の発明は、光波長程度の直径を有した粒子に第1官能基を化学結合させて第1官能基修飾粒子を形成し、またこの第1官能基と化学結合できる第2官能基を光波長程度の直径を有した粒子に化学結合させて第2官能基修飾粒子を形成しておき、まず基板表面に第1官能基を配置した自己組織膜を形成し、この自己組織膜の上に官能基間の化学結合を利用して第2官能基修飾粒子を結合させて粒子層Aを形成し、この粒子層Aの上に官能基間の化学結合を利用して第1官能基修飾粒子を結合させて粒子層Bを形成し、これらの粒子層Aと粒子層Bを官能基間の化学結合を利用して次々と交互に積層形成して光波長程度の格子定数を有する結晶体を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法である。
【0017】
請求項4の発明は、光波長程度の直径を有した粒子に第1官能基を化学結合させて第1官能基修飾粒子を形成し、また前記第1官能基と化学結合できる第2官能基を光波長程度の直径を有した粒子に化学結合させて第2官能基修飾粒子を形成し、溶媒中に前記第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を分散させ、両官能基間の化学結合により粒子間を結合させて核成長させ、光波長程度の格子定数を有する結晶体を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法である。
【0018】
請求項5の発明は、光波長程度の直径を有した粒子に第1官能基を化学結合させて第1官能基修飾粒子を形成し、また前記第1官能基と化学結合できる第2官能基を光波長程度の直径を有した粒子に化学結合させて第2官能基修飾粒子を形成し、特定のpH値に設定された水溶液に前記第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を分散させ、この水溶液中で第1官能基と第2官能基を帯電させて正帯電粒子と負帯電粒子を形成し、両帯電粒子間の静電引力により帯電粒子群を凝集させ、次に両官能基間の化学結合により光波長程度の格子定数を有する結晶体を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法である。
【0019】
請求項6の発明は、光波長程度の直径を有した粒子に第1官能基を化学結合させて第1官能基修飾粒子を形成し、また前記第1官能基と化学結合できる第2官能基を光波長程度の直径を有した粒子に化学結合させて第2官能基修飾粒子を形成し、特定のpH値に設定された水溶液に前記第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を分散させ、この水溶液中で第1官能基と第2官能基を同じ電荷に帯電させ、この水溶液に遠心力を加えて帯電粒子群を凝集させ、次に両官能基間の化学結合により光波長程度の格子定数を有する結晶体を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、強固に結合したフォトニック結晶を製造するために鋭意研究した結果、化学結合を利用して粒子を結合させれば、単に静電引力や分子間力だけで結合した3次元構造より強固で実用に耐えるフォトニック結晶を製造できることを着想するに到った。
【0021】
本発明者等の着想は、相互に化学結合できる二つの官能基の夫々を粒子に結合させ、官能基を化学結合させることによって二つの粒子を強固に結合させる点にある。つまり、第1官能基を結合させた第1官能基修飾粒子と第2官能基を結合させた第2官能基修飾粒子を用意し、第1官能基と第2官能基を相互に化学結合させることにより、二つの粒子を強固に結合させようとするアイデアである。
【0022】
本発明で使用する粒子は、光波長程度の直径を有した粒子である。構成された結晶がフォトニック結晶であるためには、その結晶格子の格子定数が光波長程度の長さを有する必要がある。光波長程度の格子定数を有する結晶であればPBGを有し、PBGの波長帯域において光不透過性を発現することができる。
【0023】
また、粒子の材質として種々のものが選ばれるが、機械強度、融点、耐食性などの観点から耐久性の高いセラミック材料が望ましい。セラミック材料としては、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、その他公知の各種材料が利用できる。
【0024】
これらのセラミック材料の中でも、シリカやチタニアは本発明の粒子材料として好適である。シリカ(SiO2)は耐化学性、耐熱性、低膨張性、紫外線〜赤外線領域における光透明性を有する点から利用できる。また、チタニア(TiO2)は耐化学性や高融点性を有するだけでなく、ルチル、アナターゼが大量に生産されており、またミクロンオーダーからサブミクロンオーダーに到る多数の粒径の粒子を利用できる。
【0025】
本発明で使用する2種の官能基は、相互に化学結合できる官能基であればよい。第1の例として、カルボキシル基(COOH)とアミノ基(NH2)は脱水によりアミド結合(―CONH―)を形成する。従って、一方の粒子にカルボキシル基を結合させ、他方の粒子にアミノ基を結合させ、両官能基がアミド結合することによって二つの粒子を強固に化学結合できる。
【0026】
第2の例として、カルボキシル基(COOH)とヒドロキシル基(OH)とは脱水によりエステル結合(―COO―)を形成する。従って、一方の粒子にカルボキシル基を結合させ、他方の粒子にヒドロキシル基を結合させ、両官能基がエステル結合することによって二つの粒子を強固に化学結合できる。
【0027】
第3の例として、ヒドロキシル基(OH)とヒドロキシル基(OH)とは脱水によりエーテル結合(―O―)を形成する。従って、一方の粒子にヒドロキシル基を結合させ、他方の粒子にもヒドロキシル基を結合させ、両官能基がエーテル結合することによって二つの粒子を強固に化学結合できる。
【0028】
第4の例として、カルボキシル基(COOH)とカルボキシル基(COOH)とは水素結合により結合を形成する。更に、脱水剤を作用させれば、脱水により結合(―CO―O―CO―)を形成する。この反応はCOOH中のOHをヒドロキシル基と考えると広い意味でエーテル結合と考えることもできる。従って、一方の粒子にカルボキシル基を結合させ、他方の粒子にもカルボキシル基を結合させ、両官能基が脱水結合することによって二つの粒子を強固に化学結合できる。
【0029】
第5の例として、チオール基(SH)とチオール基(SH)とは酸化することによりシスチン結合(―S―S―)を形成する。従って、一方の粒子にチオール基を結合させ、他方の粒子にもチオール基を結合させ、両官能基がシスチン結合することによって二つの粒子を強固に化学結合できる。
【0030】
以上の例から分かるように、本発明で利用できる官能基は、相互に化学結合できる官能基であれば何でも良く、公知の全ての官能基から自在に選択される。例えば、官能基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、チオール基、フェニル基、ニトロ基、フェノール基、アミド基、リン酸基、アウリ基、アセチル基、アセナフテニル基、アミノ基、アルセノソ基、イソオキサゾリル基、イソブチリデン基、イソプロポキシ基、イミダゾリニル基、ウレイド基、エチレン基、エポキシ基、オキソ基、カコジル基、カルボニル基、キノリル基、グリシル基、クロルメルクリ基、シアン基、シクロヘキセニレン基、ジシラザニルアミノ基、ジシルチアノキシ基、ジメチルベンゾイル基、シンナミリデン基、スチボ基、スルホニル基、セレノニル基、チオ基、テトラコシル基、テレフタロイル基、トリシラニル基、トリメチレン基、ナフチルメチレン基、ニトリロ基、バニリル基、ビニリデン基、ピリジル基、フェナシリデン基、その他多数の公知の官能基がある。
【0031】
前述したように、本発明の第1条件は選択された2種の官能基が相互に化学結合できることである。更に、この2種の官能基が次の第2条件をも満足すれば、本発明の効果を更に高めることができる。
【0032】
この第2条件とは、適当なpH値に調整された水溶液中において、2種の官能基の一方は正電気に帯電し、他方は負電気に帯電する性質である。例えば、第1官能基が正電気に帯電し、第2官能基が負電気に帯電するとすれば、水溶液中で第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子は静電引力によって自己凝集し、その後両官能基は化学結合によって強固に一体化できる。自己凝集性によって化学結合が早く進行し、フォトニック結晶の高密度化と高量産性を達成できる。
【0033】
2種の官能基がどのpH値においても同じ電気(正―正、負―負)に帯電したり、全く帯電しない場合もある。このように第2条件を満足しない場合には、電気的反発力などによって水溶液中では粒子の凝集に時間が掛かる。そのため、水溶液を用いず、有機溶媒中で凝集処理することも行われる。
【0034】
第2条件を満足する2種の官能基には、公知の化学結合可能な官能基から、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸基、フェノール基などの酸性官能基と、アミノ基、水酸基などの塩基性官能基などの組み合わせも選択できる。このように、公知の官能基から第1条件と第2条件を満足する2種の官能基を自在に選択することができる。
【0035】
また、本発明では、同電気に帯電する2種の官能基を粒子に結合し、粒子間に静電反発力を与えて粒子を均一に分散させ、この状態で粒子群を遠心力により凝集させ、最後に両官能基を化学結合させる方法も含まれている。この方法は、反発力で粒子の均一分散性を向上させ、均一分散させたまま遠心力で粒子群を強制凝集させて化学結合させるものである。
【0036】
これらの官能基を粒子に結合させるには、先端に官能基を有する有機化合物を粒子に結合させることによって実現できる。有機化合物の一例として有機シラン系化合物(シランカップリング剤とも云う)が好適である。有機シラン系化合物は、例えばRSiX3、R2SiX2、R3SiX(Rは炭化水素基、XはCl又はアルコキシ基)で表される。炭化水素基Rの中に官能基が含まれており、官能基を陽に表す場合にはRCH3、RNH2、RCOOH等と表記されても構わない。
【0037】
これらの有機シラン系化合物を粒子に結合させるには粒子の表面に多数存在するダングリングボンド(未結合の手)を活用する。具体例により説明すると、シリカ(SiO2)やチタニア(TiO2)等の粒子表面にはダングリングボンドが多数露出しており、周囲に存在する自然水から分離したヒドロキシル基(OH)がこのダングリングボンドに化学吸着している。この結合を粒子−OHで表そう。
【0038】
有機シラン系化合物としてRSiX3を取り上げると、RSiX3の粒子への結合は、RSiX3+HO−粒子→RSiX2−O−粒子+XHで表される。つまり、XHを脱離して両者が結合し、シリカ粒子に有機シラン系化合物を介して官能基が結合することになる。官能基が炭化水素Rに含まれていることは前述した通りである。XがClのときにはHClが脱離し、XがC25O(エトキシド)のときにはC25OHが脱離する。
【0039】
更に、具体的な官能基を用いて以下に説明する。メチル基(CH3)を粒子に結合するには、オクタデシルトリクロロシラン(OTS、Octadecyltrichlorosilane)を用いる。OTSの先端にメチル基が存在する。
【0040】
アミノ基(NH2)を粒子に結合するには、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTS、3-Aminopropyltriethoxysilane)を用いる。APTSの先端にアミノ基が存在する。
【0041】
シアノ基(CN)を粒子に結合するには、トリクロロシアノエチルシラン(TCES、Trichlorocyanoethylsilane)を用いる。TCESの先端にシアノ基が存在する。カルボキシル基(COOH)を粒子に結合するには、シアノ基を結合させた後、ターシャリーカリウムブトキシド(t−BuOK)とクラウンエーテルにより酸化させて得られる。
【0042】
本発明に係る第1のフォトニック結晶は、官能基間の化学結合により多数の官能基修飾粒子を3次元結合させて結晶体を構成し、粒子の粒径が光波長程度であることを利用して結晶体の格子定数を光波長程度に設定できることを特徴としている。粒子間の結合力は官能基間の化学結合力であり、この結合力を利用して粒子が3次元周期構造を有したフォトニック結晶を構成するものである。
【0043】
本発明に係る第2のフォトニック結晶は、官能基を正又は負に帯電させて帯電粒子とし、正負の帯電粒子間の静電引力により強制的に帯電粒子を凝集接近させ、最終的に官能基間の化学結合により多数の官能基修飾粒子を3次元結合させて結晶体を構成し、光波長程度の格子定数を有したフォトニック結晶を構成する。この第2のフォトニック結晶は広義の第1のフォトニック結晶に包含される。
【0044】
官能基の帯電が自由電子又は自由イオンの着脱により引き起こされる場合には、官能基間の化学結合を通して正負電荷は会合して電気的に中和し、粒子間の結合力は官能基間の化学結合力だけになる。しかし、官能基の帯電が束縛電荷(自由電荷ではない)によって生じる場合には、化学結合した段階でも静電結合は残留し、粒子間の結合力は官能基間の化学結合力と静電引力になる。第2のフォトニック結晶は前記した両者を含んでいる。
【0045】
また、第3のフォトニック結晶は、官能基を同電荷の帯電粒子とし、帯電粒子間の静電反発力により帯電粒子を均一分散させ、遠心力で強制的に凝集接近させて、最終的に官能基間の化学結合により多数の官能基修飾粒子を3次元結合させて結晶体を構成し、光波長程度の格子定数を有したフォトニック結晶を構成する。この第3のフォトニック結晶も広義の第1のフォトニック結晶に包含される。
【0046】
本発明に係るフォトニック結晶の製造方法には、1層毎に積層して膜状に形成してゆく交互積層法と、溶媒中で粒子集団を3次元的に核成長させてゆく集団成長法が存在する。
【0047】
第1製法である交互積層法は、まず基板表面に第1官能基からなる自己組織膜を形成しておき、この自己組織膜の上に官能基間の化学結合を利用して第2官能基修飾粒子を結合させて粒子層Aを形成し、この粒子層Aの上に官能基間の化学結合を利用して第1官能基修飾粒子を結合させて粒子層Bを形成し、これらの粒子層Aと粒子層Bを官能基間の化学結合を利用して次々と交互に積層形成して結晶体を積層形成するものである。
【0048】
この交互積層法では、支持体となる基板に第1官能基の自己組織膜を所定面積だけ形成しておく必要がある。この所定面積に粒子層Aと粒子層Bが交互に積層されて膜状のフォトニック結晶が製造される。従って、膜形成には積層数だけの工程を必要とするから時間が掛かるが、確実にフォトニック結晶を製造できる。また、膜の形状は自己組織膜の形状になるから、形状の自在性を有する。
【0049】
官能基を帯電させた場合には、正負の官能基間の静電引力によって層形成速度が向上する。この場合には基板を溶媒中に吊したり、多数の基板を間隔を有して溶媒中に多段に積み上げて、多数の基板に同時に膜形成処理することが可能になる。官能基が中性の場合には、官能基修飾粒子の膜面への凝集に多少時間を必要とする。
【0050】
官能基を帯電させるには、官能基修飾粒子を特定pH値に調製された水溶液に分散させることによって実現できる。例えば、第1官能基修飾粒子の水溶液では第1官能基が正に帯電し、第2官能基修飾粒子の水溶液では第2官能基が負に帯電するようにpH値が調製されている。基板を第1溶液と第2溶液に交互に浸漬させることによって交互積層を実行できる。
【0051】
有機溶媒を用いる場合には、溶媒中で官能基は電気的に中性である。従って、静電引力による凝集作用はなく、分散した粒子は熱運動により基板表面に接近し、官能基間の化学結合力で結合して積層されて行く。
【0052】
第2製法である集団成長法には、静電凝集法と化学結合法を併用して急速に核成長させる帯電集団成長法と、化学結合法だけで核成長させる中性集団成長法に分けられる。
【0053】
帯電集団成長法は、特定のpH値に設定された水溶液に第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を同時に分散させ、この水溶液中で第1官能基と第2官能基を正負に帯電させて正帯電粒子と負帯電粒子を形成し、両帯電粒子間の静電引力により帯電粒子群を凝集させ、次に官能基間の化学結合により粒子間を結合させ、結合粒子集団を次第に大きくしながらフォトニック結晶を核成長させる製造方法である。
【0054】
この帯電集団成長法では、例えば第1官能基を正に、しかも第2官能基を負に帯電させるpH値に水溶液を調製しておく。この水溶液中で、正負の静電引力で帯電粒子を凝集接近させ、その後化学結合により両粒子は強固に結合する。官能基が結合したときに正負の電荷が電気的に中和してもよいし、電気的に中和しなくてもよい。
【0055】
この方法では、静電引力によって強制的な凝集力が作用するから、粒子集団が急速に凝集でき、一定距離まで接近したときに官能基間の化学結合力が作用して粒子間の結合が生起する。この繰り返しによって、急速に核成長が起こり、フォトニック結晶の急速成長を実現できる。
【0056】
逆に、第1と第2の官能基を同電荷に帯電させ、静電反発力により帯電粒子を均一に分散させ、この粒子群に遠心力を加えて均一分散状態を保持しながら凝集させ、最後に両官能基を化学結合させる第3の方法も本発明に含まれる。遠心力の外力により凝集させる点が上記方法と異なっている。
【0057】
中性集団成長法は、官能基が帯電しない溶媒を用意し、この溶媒中に第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を分散させ、両官能基間の化学結合により粒子間を結合させて核成長させ、フォトニック結晶を製造する方法である。
【0058】
官能基が帯電しない溶媒とは、例えば有機溶媒である。この溶媒中では、官能基が帯電しないから静電引力が作用せず、両粒子間の強制的凝集作用は生起しない。しかし、粒子群の拡散と熱運動過程の中で両粒子が接近して化学結合を生起し、これを繰り返しながら核成長して行く。従って、結晶核の成長速度は静電凝集力が作用しない分だけ緩慢である。
【0059】
【実施例】
以下に、本発明に係るフォトニック結晶及びその製造方法の実施例を図面に従って詳細に説明する。
【0060】
[実施例1:交互積層法によるフォトニック結晶の作製]
[第1工程:Si基板上にアミノ基の自己組織膜を形成]
図2はSi基板にアミノ基を四角状に形成する工程図である。まず、Si基板をアセトン、エタノール、純水で超音波洗浄し、その後濃塩酸とメタノール溶液に30分、濃硫酸に30分間浸漬し、最後に沸騰蒸留水で基板をすすいで、基板をアセトン中に保存した。
【0061】
(A)はOH基がSi基板上の全面に化学吸着した状態を示す。窒素置換したグローブボックス内で、1%(V/V)OTSトルエン溶液を調製し、Si基板をこのOTSトルエン溶液に5分間浸漬した。この溶液中でHClが脱離し、OTSの自己組織膜(OTS−SAM)がSi基板上に形成される。その後、トルエンですすいで乾燥した後、空気雰囲気中120℃でオーブンで焼いた。(B)はOTSの自己組織膜(OTS−SAM)がSi基板上に形成された状態を示し、末端基のメチル基が露出した状態(OTS−SAM/CH3)にある。
【0062】
このSi基板のOTS自己組織膜に四角状の開口部を有するフォトマスクを介して紫外線を照射し、紫外線の照射された領域だけをOH基に変化させて、自己組織膜のパターン化を行なった。(C)は四角状に形成された白色のOH領域の周囲にCH3基が取り囲んだ状態(CH3/OH)を示す。
【0063】
グローブボックス内で1%(V/V)APTSトルエン溶液を形成し、パターン化されたSi基板をこのトルエン溶液に1時間浸漬した。APTSがOH基と反応し、HClが脱離してAPTSがOに結合し、APTSのNH2基が露出した状態になる。(D)は四角状に形成された黒色のNH2領域の周囲にCH3基が取り囲んだ状態を示す。
【0064】
[第2工程:粒子へのカルボキシル基又はアミノ基の結合(修飾)]
図3は粒子にカルボキシル基又はアミノ基を結合させる工程図である。この実施例では粒子としてシリカ粒子が使用されている。粒子にカルボキシル基を結合させるには、まずシアノ基(CN)を結合させ、このシアノ基をカルボキシル基へ変成させる方法を使用する。
【0065】
(A)は粒子にカルボキシル基を結合させる工程図である。粒子をビシクロヘキシル(Bicyclohexyl)に分散し、1%(V/V)となるようにCN基を有したTCES(Trichlorocyanoethylsilane)を加え、30分後に遠心分離を行なって余分なTCESを取り除いた。この段階で粒子にCN基が結合する。
【0066】
CN基が結合した粒子をテトラヒドロフラン(THF)に分散し、ターシャリーカリウムブトキシド(t−BuOK)をTCESに対し3当量添加し、クラウンエーテル(18-crown-6-ether)をTHF50mLに対し1mLの比率で添加した。スターラーを用いて空気中で48時間攪拌しながらCN基をCOOH基にまで酸化した。このようにして粒子にCOOH基を結合する。
【0067】
(B)は粒子にアミノ基を結合する工程図である。この工程はAPTS自己組織膜の作成と同様の方法で行なった。粒子をトルエンに分散させ、1%(V/V)となるようにAPTSを加え、1時間放置した。その後、遠心分離して余分なAPTSを除去した。この結果、NH2基が粒子に結合し、粒子のNH2表面修飾が完了した。
【0068】
図4はシリカ粒子にCN基、COOH基を結合して修飾した場合のFT−IR吸収曲線である。測定装置はJAS.CO FT/IR−610Fourier Transform Infrared Spectrometerを用いた。(a)はCN基を有するTCESのFT−IR図、(b)はシリカ粒子(SiO2)のFT−IR図、(c)はCN基で表面修飾したシリカ粒子のFT−IR図、(d)はCOOH基で表面修飾したシリカ粒子のFT−IR図である。
【0069】
単純に云えば、(c)は(a)と(b)を足し合わせた曲線になると考えればよく、(d)は(c)からCN基の特徴を取り去り、COOH基の特徴を付加した曲線になると考えればよい。
【0070】
2200cm-1の吸収はC≡N伸縮振動、1700cm-1及び1400cm-1の吸収はCOOH基に由来するC=O伸縮振動及びCOH変角振動である。700cm-1、800cm-1、1100cm-1付近の吸収はシリカ粒子由来の吸収である。(d)のFT−IR曲線にC=O吸収が見られることから、この実施例の方法で目的通りシリカ粒子にCOOH基が結合していることが確認された。
【0071】
図5はシリカ粒子及びNH2基修飾シリカ粒子のFT−IR赤外吸収曲線である。(a)はシリカ粒子の赤外吸収曲線で、図4の(b)と同一である。(b)はNH2基で修飾されたシリカ粒子の赤外吸収曲線で、3500cm-1付近にNH対称伸縮振動及びNH逆対称伸縮振動の吸収が見られ、また1600cm-1付近にNH変角振動の吸収が確認される。従って、シリカ粒子がNH2基により修飾されていることが確認された。
【0072】
[第3工程:Si基板へのCOOH粒子層とNH2粒子層の交互積層]
図6は基板にパターン形成されたNH2領域にCOOH粒子層を形成する工程図である。COOH基で修飾された粒子を精製水に分散させ、この精製水の中にNH2領域をパターン形成したSi基板を浸漬する。COOH基修飾粒子はSi基板のNH2基に接近し、COOH基とNH2基はアミド結合して、NH2領域の表面にCOOH粒子層(COOH/NH2)が形成される。
【0073】
図7はCOOH粒子層の上にNH2粒子層を形成する工程図である。NH2基で修飾された粒子を精製水に分散させ、この精製水の中にCOOH粒子層を形成したSi基板を浸漬する。NH2基修飾粒子はSi基板上のCOOH粒子層に接近し、NH2基とCOOH基はアミド結合して、COOH粒子層の表面にNH2粒子層が形成される。
【0074】
図8はSi基板上にCOOH粒子層とNH2粒子層を交互に多段に形成されたフォトニック結晶層の模式図である。図6と図7の工程を交互に繰り返すと、COOH粒子層とNH2粒子層が交互に多段に積み上げられ、フォトニック結晶膜が作製される。膜厚は積層回数を調整することにより自在に制御できる。
【0075】
図9はフォトマスクの一例の具体図である。このフォトマスクは凸版印刷株式会社製のTOPPAN−TEST−CHART−NO1−Nで、黒色領域が開口部である。このフォトマスクを用いて紫外線照射して交互積層法を実施すると、この黒色パターンと同じ形状のフォトニック結晶膜が形成できるはずである。図中、▲1▼は2470μm、▲2▼は770μm、▲3▼は400μmの長さである。
【0076】
図10は交互積層法よるフォトニック結晶膜のSEM像である。図9に示したフォトマスクでSi基板に紫外線照射し、このマスク領域にNH2基を結合させ、このNH2基で修飾されたマスク領域にCOOH基修飾粒子を結合させてCOOH粒子層を1層だけ形成する。このCOOH粒子層を走査型電子顕微鏡で撮影して得られた像がこのSEM像である。換言すれば、図10は図6に示されるフォトニック結晶膜のSEM像である。
【0077】
このSEM像は図9のフォトマスクのパターンと酷似しており、COOH粒子層の積層が理論通り行なわれていることが示された。しかし、COOH粒子層とNH2粒子層の交互積層が多段になるに従って、SEM像のパターン輪郭がぼやけてゆくことも確認された。これはパターン輪郭部における粒子の積層が崩れるからで、パターンの内側領域での積層は正しく交互に積層されると考えられる。
【0078】
図10のSEM像において、1mm像、20μm像、5μm像の3段階のSEM像が組み合わされている。5μm像から分かるように、この実施例で使用されているシリカ粒子の直径は1μmである。粒子の材質は種々に変更できるが、シリカ粒子(SiO2)やチタニア粒子(TiO2)では、粒径がnmオーダーからμmオーダーまでの各種の粒子が製造されており、市場から入手することが容易である。これらの粒子を使用すればフォトニック結晶を容易に製作することが可能である。
【0079】
[実施例2:帯電集団成長法によるフォトニック結晶の作製]
図11は集団成長法を利用したフォトニック結晶の核成長モデル図である。カルボキシル基で表面修飾したシリカ粒子とアミノ基で表面修飾したシリカ粒子を特定pH値の精製水に等量混合すると、両シリカ粒子は化学結合しながら核成長し、次第に大きなフォトニック結晶へと成長する。
【0080】
前述したように、核成長法には中性集団成長法と帯電集団成長法が存在する。カルボキシル基とアミノ基が帯電しない中性集団成長法では、両粒子が拡散と熱運動で会合したときに両官能基が化学結合を起こし、粒子間が強固に結合する。この核を中心にして成長が促進され、次第に大きなフォトニック結晶へと核成長してゆく。凝集し難い分だけ成長速度が緩慢である。
【0081】
カルボキシル基とアミノ基が正負に帯電する帯電集団成長法では、溶媒中に分散した粒子群が静電引力で急速に凝集し、凝集接近した2粒子が官能基間の化学結合により結合する。このようにして静電引力と化学結合力により急速にフォトニック結晶が成長する。
【0082】
図12は官能基修飾粒子のゼータポテンシャルと水溶液のpH値との関係を示す。この関係はシリコン基板上の自己組織膜のゼータポテンシャルの測定値に基づいて予想されたものであり、実験によって測定されたものではない。従って、実際の水溶液を反映していない可能性があるが、重要なことはシリカ粒子がpH値により正負に変動することである。
【0083】
ゼータポテンシャルが正であればその官能基が正に帯電することを意味し、負の場合には官能基が負に帯電することを意味する。COOH基修飾粒子とNH2基修飾粒子の正負変化が異なることが重要である。
【0084】
pH≦3.5の範囲ではCOOH基とNH2基とは正に帯電するから、両粒子は反発して凝集し難い。3.5≦pH≦9.5の範囲ではCOOH基は負、NH2基は正であるから、両粒子は静電引力により凝集する。pH≧9.5の範囲では両官能基は負に帯電するから、両粒子は反発して凝集し難い。
【0085】
pHの数値的範囲は最終的に実験によって確定されるものであり、上記の予想範囲がCOOH基とNH2基の実験的pH範囲を直接与えるものでないが、以下の試験はこの予想範囲に基づいて実施された。
【0086】
[実施例2−1:pH=2.5]
図13はpH=2.5における粒子の配列状態のSEM像である。予想としてはpH=2.5では両官能基が正となり、静電反発力により凝集し難いはずである。しかし、実際には粒子の規則的配列が広範囲に見られ、最密構造を形成していると考えられる。
【0087】
[実施例2−2:pH=5]
図14はpH=5における粒子の配列状態のSEM像である。(a)は表面の平均的配列状態を示し、(b)は一部分に見られる規則的配列状態である。予想としてはpH=5では官能基が正負を示し、静電引力により凝集して最密構造をとると思われるが、実際にはランダムな配列が多くを占める。
【0088】
[実施例2−3:pH=9]
図15はpH=9における粒子の配列状態のSEM像である。(a)は表面の平均的配列状態であり、(b)は一部分に見られる規則的配列状態である。pH=9では予想としては官能基が正負を示し、静電引力により凝集して配列密度が高くなると思われるが、実際にはランダムな配列が多い。しかし、(b)に見られるように、部分的には単純立方格子を構成したり、体心立方格子を構成したりすることが分かる。
【0089】
[実施例2−4:pH=11]
図16はpH=11における粒子の配列状態のSEM像である。(a)は平均構造であるが、(b)は部分的に見られる規則的配列状態である。規則的配列を示す部分が他と比べて大面積にわたることが分かる。pH=11では予想としては官能基が共に負を示し、静電反発力により凝集し難く、他と比べてもランダムになると考えられる。
【0090】
実施例2−1〜実施例2−4から分かるように、実際の試験結果から得られる配列構造は、図12の曲線から予想される結果とは必ずしも一致していない。しかし、試験結果は水溶液のpHを変えることによって配列構造が変化することを語っており、pH値が構造と大きく関係していることを意味する。このことは、図12に示されるゼータポテンシャルの曲線が実際の溶液中のゼータポテンシャル分布と異なっていることを物語る。
【0091】
本発明者等は官能基が正負に帯電するpH領域において最も規則的なフォトニック結晶が形成されるものと考えている。ゼータポテンシャルを正確に測定する実験は難しいが、逆に、更に細かい試験を行なって、実際のゼータポテンシャル分布が求められると考えている。
【0092】
[光透過測定:PBGの測定]
図17は実施例2−1〜実施例2−4で得られた結晶の光透過率の波長依存性を示す。実施例2−1〜実施例2−4で得られた結晶をガラス基板上に取り、光の波長を1000nm〜2500nmに変化させて光透過率を測定した。4種の曲線はpH=2.5、5.0、9.0及び11.0に対応している。
【0093】
これらの光透過率はランダム配列したシリカ粒子単体による光吸収を差し引いて得られている。pH=5.0を除いて、1800nm〜2200nmの範囲に透過率が低下する領域、即ちフォトニックバンドギャップ(PBG)が見られることが分かる。シリカ粒子の直径は1μm=1000nmであり、PBGの理論値はその直径の2.2倍であるから、PBGは2200nmに出現すると予想される。PBGの実験結果はその理論値を何とか含んでおり、作製された結晶がPBGを有したフォトニック結晶であることを実証している。
【0094】
[実施例3:遠心分離法によるフォトニック結晶の作製]
COOH基修飾粒子だけを精製水に分散させた場合には、COOH基は同じ電荷に帯電する。従って、COOH基の間には静電反発力が作用し、粒子間には凝集力は作用しない。この水溶液を遠心分離して粒子を強制沈降させて結晶体を作製した。
【0095】
図18はCOOH基修飾粒子群を遠心分離して得られた結晶体のSEM像である。(a)、(b)、(c)の3方向から観察しても、極めて周期性の高いフォトニック結晶が得られている。COOH基同士は反発するが、遠心力により強制的に凝集され、最後には、水素結合ないし−CO−O−CO−の結合によって強固に結合し、結晶性の高いフォトニック結晶を形成したものと考えられる。
【0096】
この場合、静電反発力は粒子を均一に分散させる作用をし、均一分散状態のまま遠心力によって凝集し、最後に化学結合してフォトニック結晶を形成した。つまり、粒子が同じ間隔で分散し、この間隔が遠心力で均一に短縮しながら結晶化したものと考えると分かりやすい。
【0097】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
【0098】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、粒子に修飾された官能基間の化学結合を介して粒子間を強固に結合させ、しかも粒子の直径を光波長程度に設計しているから、その光波長域にフォトニックバンドギャップ(PBG)を有する強固に結合されたフォトニック結晶を提供できる。粒子直径を可変することによりPBGの波長域を自在に可変調整することができる。
【0099】
請求項2の発明によれば、官能基を正負に帯電させて、官能基間の静電引力と化学結合により、極めて強固に粒子間結合した結晶体を形成でき、しかも粒子直径を光波長程度に調節するから、光波長域にPBGを有したフォトニック結晶を提供できる。
【0100】
請求項3の発明によれば、自己組織膜を利用して第2官能基修飾粒子からなる粒子層Aと第1官能基修飾粒子からなる粒子層Bを官能基間の化学結合により交互に積層して膜状のフォトニック結晶を形成するから、自己組織膜の形状を自在に設計することによって、任意形状のフォトニック結晶膜を形成できる。
【0101】
請求項4の発明によれば、第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を溶媒中に分散させ、両官能基間の化学結合により粒子を結合させながら核成長を促進させてフォトニック結晶を製造するから、簡単な操作でブロック状のフォトニック結晶を安価に製造することができる。
【0102】
請求項5の発明によれば、特定pHの水溶液中で、第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を正負に帯電させ、両帯電粒子間の静電引力により帯電粒子群を急速に凝集させ、次に両官能基間の化学結合により粒子間を強固に結合してフォトニック結晶を製造するから、ブロック状のフォトニック結晶を比較的高速に製造することができる。
【0103】
請求項6の発明によれば、特定pHの水溶液中で、第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を同じ電荷に帯電させ、両帯電粒子間の静電反発力で均一に分散させながら遠心力で急速に凝集させ、次に両官能基間の化学結合により粒子間を強固に結合してフォトニック結晶を製造するから、広い範囲に高い結晶性を有す
【図面の簡単な説明】
【図1】光導波路の概念を説明するフォトニック結晶の概略斜視図である。
【図2】Si基板にアミノ基を四角状に形成する工程図である。
【図3】粒子にカルボキシル基又はアミノ基を結合(修飾)させる工程図である。
【図4】シリカ粒子にCN基、COOH基を結合して修飾した場合のFT−IR赤外吸収曲線である。
【図5】シリカ粒子及びNH2基修飾シリカ粒子のFT−IR赤外吸収曲線である。
【図6】基板にパターン形成されたNH2領域にCOOH粒子層を形成する工程図である。
【図7】COOH粒子層の上にNH2粒子層を形成する工程図である。
【図8】Si基板上にCOOH粒子層とNH2粒子層を交互に多段に形成されたフォトニック結晶層の模式図である。
【図9】フォトマスクの一例の具体図である。
【図10】交互積層法よるフォトニック結晶膜のSEM像である。
【図11】集団成長法を利用したフォトニック結晶の核成長モデル図である。
【図12】官能基修飾粒子のゼータポテンシャルと水溶液のpH値との理論曲線である。
【図13】pH=2.5における粒子の配列状態のSEM像である。
【図14】pH=5における粒子の配列状態のSEM像である。
【図15】pH=9における粒子の配列状態のSEM像である。
【図16】pH=11における粒子の配列状態のSEM像である。
【図17】実施例2−1〜実施例2−4で得られた結晶の光透過率の波長依存性を示す。
【図18】COOH基修飾粒子群を遠心分離して得られた結晶体のSEM像である。
【符号の説明】
2はフォトニック結晶、4は光導波路。

Claims (6)

  1. 光波長程度の直径を有した粒子に官能基を結合させて官能基修飾粒子を形成し、官能基間の化学結合により多数の官能基修飾粒子を3次元結合させて結晶体を構成し、この結晶体の格子定数が光波長程度であることを特徴とするフォトニック結晶。
  2. 光波長程度の直径を有した粒子に官能基を結合させて官能基修飾粒子を形成し、官能基を正又は負に帯電させて帯電粒子とし、正又は負に帯電した帯電粒子間の静電引力と官能基間の化学結合により多数の帯電粒子を3次元結合させて結晶体を構成し、この結晶体の格子定数が光波長程度の大きさであることを特徴とするフォトニック結晶。
  3. 光波長程度の直径を有した粒子に第1官能基を化学結合させて第1官能基修飾粒子を形成し、またこの第1官能基と化学結合できる第2官能基を光波長程度の直径を有した粒子に化学結合させて第2官能基修飾粒子を形成しておき、まず基板表面に第1官能基を配置した自己組織膜を形成し、この自己組織膜の上に官能基間の化学結合を利用して第2官能基修飾粒子を結合させて粒子層Aを形成し、この粒子層Aの上に官能基間の化学結合を利用して第1官能基修飾粒子を結合させて粒子層Bを形成し、これらの粒子層Aと粒子層Bを官能基間の化学結合を利用して次々と交互に積層形成して光波長程度の格子定数を有する結晶体を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  4. 光波長程度の直径を有した粒子に第1官能基を化学結合させて第1官能基修飾粒子を形成し、また前記第1官能基と化学結合できる第2官能基を光波長程度の直径を有した粒子に化学結合させて第2官能基修飾粒子を形成し、溶媒中に前記第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を分散させ、両官能基間の化学結合により粒子間を結合させて核成長させ、光波長程度の格子定数を有する結晶体を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  5. 光波長程度の直径を有した粒子に第1官能基を化学結合させて第1官能基修飾粒子を形成し、また前記第1官能基と化学結合できる第2官能基を光波長程度の直径を有した粒子に化学結合させて第2官能基修飾粒子を形成し、特定のpH値に設定された水溶液に前記第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を分散させ、この水溶液中で第1官能基と第2官能基を帯電させて正帯電粒子と負帯電粒子を形成し、両帯電粒子間の静電引力により帯電粒子群を凝集させ、次に両官能基間の化学結合により光波長程度の格子定数を有する結晶体を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  6. 光波長程度の直径を有した粒子に第1官能基を化学結合させて第1官能基修飾粒子を形成し、また前記第1官能基と化学結合できる第2官能基を光波長程度の直径を有した粒子に化学結合させて第2官能基修飾粒子を形成し、特定のpH値に設定された水溶液に前記第1官能基修飾粒子と第2官能基修飾粒子を分散させ、この水溶液中で第1官能基と第2官能基を同じ電荷に帯電させ、この水溶液に遠心力を加えて帯電粒子群を凝集させ、次に両官能基間の化学結合により光波長程度の格子定数を有する結晶体を形成することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
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