JP4071998B2 - ゴム−シリカ混合粉体及びその製造方法 - Google Patents

ゴム−シリカ混合粉体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、親水性シリカ粉末によって表面改質されたグラフト化ゴム粉末を含有するゴム−シリカ混合粉体に関する。さらに、本発明は、このゴム−シリカ混合粉体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム状重合体を幹ポリマーとし、これと重合可能なモノマーをグラフト重合して得られるグラフト化ゴムは、一般に、粉体形態として、他の樹脂の耐衝撃性を改善するために、他の樹脂と混合されることがある。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−スチレン共重合体等の硬質樹脂や、ポリカーボネート、PET、PBT、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックの耐衝撃性を改質するために、このグラフト化ゴム粉末がブレンドされる。
ところが、このグラフト化ゴム粉末は、粘着性を有しているため、貯蔵中に粉末が互いに凝結して、いわゆるブロッキングを起こす場合があった。また、粘着性により流動性が悪く、輸送ラインを閉塞することが問題となっていた。特に、耐衝撃性改質効果を大きくするためにグラフト化ゴム中のゴム状重合体の含量を増加させた場合には、上記ブロッキングや輸送ラインの閉塞の問題が顕著であった。
【0003】
また、このグラフト化ゴム粉末は、一般にグラフト化ゴムラテックスから噴霧乾燥法及び凝固・乾燥法等により製造されるが、粉体形態としたグラフト化ゴムを回収する際に、製造設備内の様々な場所に、このグラフト化ゴムの粉末が付着する場合があった。この付着により、コンタミの増加、歩留まり低下、頻繁な洗浄による生産性の低下等を引き起こすおそれがあった。特に、噴霧乾燥法による製造方法では、粉末の乾燥装置にグラフト化ゴムの粉末が付着しやすく、これらの問題が顕著に現れていた。
このようなグラフト化ゴム粉末の耐ブロッキング性及び耐粘着性を改良するために、グラフト化ゴム粉末に無機粉末、特に、シリカ(二酸化ケイ素)粉末を添加することが行われている。
シリカ粉末として、例えば、疎水性シリカ粉末を使用する例が提唱されている(特開平4−185649号公報及び特開平4−185646号公報等)。疎水性シリカ粉末は、ゴム含有グラフト重合体の粉体特性改良に一応の効果を示すが、シリカ粉末に疎水性を付与するために表面処理を施す必要がある。このため、疎水性シリカは親水性シリカに比較し高価になることが避けられず、グラフト化ゴム粉末のブッロキングを防止するために使用した場合コスト面で不利になる。
【0004】
一方、親水性シリカ粉末を使用する例も提唱されている(特開昭64−26663号公報及び特開平8−113692号公報等)。例えば、特開昭64−26663号公報では、平均粒径が10μm(10000nm)以下の各種無機粉末をグラフト化ゴムに添加する方法が提案され、無機粉末の平均粒径は小さければ小さいほど粉体特性を改良する効果が大きいとした上で、親水性シリカ粉末を使用した実施例として、10nmの親水性シリカ粉末を例示している。
また、特開平8−113692号公報には、0.02ミクロン(20nm)未満の平均粒径と150〜250m2/gの比表面積を有する超微粉シリカと、カルシウム塩微粉末とを混合してエラストマー衝撃添加剤粉末の粉体特性を改良する方法が記載されている。
【0005】
しかしながら、使用する無機粉末が親水性シリカ粉末である場合、その平均粒径は、単に小さければ小さい程よいと言うわけではなく、小さすぎるとグラフト化ゴム粉末が貯蔵中等に圧密化された際に、グラフト化ゴム粉末同士の表面接触を起こしやすくなり、ブロッキングしやすくなる。また、シリカ粉末が大きすぎると、親水性シリカ粒子の粒子数が減少し、グラフト化ゴム粉末の表面被覆率が低下する。ある範囲の大きさ有することによりグラフト化ゴム粉末同士の接触を抑制し、効率よくグラフト化ゴム粉末のブロッキング等を改良できる。このため、親水性シリカを特定する上では、1次粒子径とともに比表面積を特定することにより、ブロッキング防止に適した親水性シリカを高度に特定することが可能となる。これにより、ブロッキング防止に適した親水性シリカを特定することが可能となるので、カルシウム塩を添加することなく、グラフト化ゴム粉末の粉体特性を十分に改善できることが明らかになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、グラフト化ゴム粉末に一定の特性を有する親水性シリカ粉末を添加することによって、グラフト化ゴム粉末の粉体特性を好適に改良し、製品性能を高度に要求される近年の現状を十分に満足するゴム−シリカ混合粉体を提供することにある。
また、本発明の目的は、親水性シリカ粉末をグラフト化ゴムラテックスの乾燥中又は乾燥後に添加混合して、グラフト化ゴム粉末が本来有する物性に影響を与えることなく得られたゴム−シリカ混合粉体の耐ブロッキング性能を向上し、グラフト化ゴム製造工程における製造装置へのグラフト化ゴム粉体の付着が好適に防止されたゴム−シリカ混合粉体およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、グラフト化ゴム粉末に、一定の平均粒径と比表面積を満たす親水性のシリカ粉末を添加することにより、従来必要であったシリカ粉末表面の疎水性処理や、カルシウム塩の添加を要求することなく、好適にグラフト化ゴム粉末の耐ブロッキング性及び耐粘着性を改善できることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、グラフト化ゴム粉末100質量部と、親水性シリカ粉末0.001質量部以上3.0質量部以下とを含有し、該親水性シリカ粉末が、20nm以上80nm以下の1次粒子の平均粒径と、20m2/g以上150m2/g未満の比表面積とを有することを特徴とするゴム−シリカ混合粉体に関する。
また、本発明は、上記ゴム−シリカ混合粉体を製造する方法において、上記親水性シリカ粉末を、グラフト化ゴムラテックスの乾燥中又は乾燥後に添加することを特徴とする、ゴム−シリカ混合粉体製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム−シリカ混合粉体は、(1)グラフト化ゴム粉末、(2)親水性シリカ粉末、及び(3)任意のその他の無機粉末、を含有するものである。以下、各成分について詳細に説明する。
(1)グラフト化ゴム粉末
本発明で使用するグラフト化ゴム粉末は、ゴム状重合体を幹ポリマーとし、これに重合可能なグラフト化モノマーをグラフト重合したものである。
(1−1)幹ポリマー
幹ポリマーであるゴム状重合体としては、例えば、n-ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を主成分としたアクリル系ゴム状重合体、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等を主成分としたジエン系ゴム状重合体、オルガノシロキサン等を主成分としたシリコーン系ゴム状重合体が挙げられる。より好ましくは、ポリブタジエン及び1,3−ブタジエンとスチレンとのブロック共重合体;テトラエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等から得られるポリオルガノシロキサンと、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n‐ブチルアクリレート、メチルメタクリレート等の(メタ)アクリレートとの複合ゴム等が適当である。また、これらゴム状重合体を2種類以上組み合わせてもよいし、ガラス状重合体を芯に含有したゴム状重合体であってもよい。
このようなゴム状重合体の含有率は、グラフト化ゴム粉末全体の質量に対し、例えば、40質量%以上、好ましくは、50質量%以上であることが適当である。ゴム状重合体の含有率が50質量%以上であれば、親水性シリカ粉末によるグラフト化ゴム表面の改質効果がより顕著に現れるので特に好ましい。
ゴム状重合体は、例えば、20℃以下、好ましくは、−80〜10℃のガラス転移温度(Tg)を有することが適当である。
【0009】
(1−2)グラフト化モノマー
本発明において、上記幹ポリマーにグラフトされるグラフト化モノマーは、上記幹ポリマーにグラフト重合可能なグラフト化モノマーであれば特に制限されるものではない。本発明における上記幹ポリマーにグラフト可能なモノマーとしては、例えば、芳香族ビニル系モノマー、シアン化ビニル系モノマー、エチレン系不飽和カルボン酸系モノマー、不飽和カルボン酸アルキルエステル系モノマー、ハロゲン化ビニル系モノマー、マレイミド系モノマー等が挙げられる。
芳香族ビニル系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、メチル−α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、特にスチレンが好ましい。
シアン化ビニル系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル等が挙げられる。これらの中でも、特にアクリロニトリルが好ましい。
【0010】
エチレン系不飽和カルボン酸系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノ、ジカルボン酸が挙げられる。
不飽和カルボン酸アルキルエステル系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、グリシジルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
ハロゲン化ビニル系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
マレイミド系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド等が挙げられる。
さらに、上記モノマー以外に、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、ビニルピリジン等の乳化重合可能なモノマーを使用することもできる。これらグラフト化モノマーは、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0011】
(1−3) グラフト化ゴムの重合法
上記幹ポリマーであるゴム状重合体の重合法、並びに得られたゴム状重合体とグラフト化モノマーとのグラフト重合法は、特に制限されないが、通常乳化重合法が使用される。また、これらのゴム状重合体の重合法と、得られたゴム状重合体とグラフト化モノマーとのグラフト重合法とは、2つ以上の攪拌装置を使用して、それぞれ個別の工程で行ってもよいが、両者の重合法を連続工程で、同一攪拌装置にて行ってもよい。
さらに、重合時において、グラフト化モノマー及び重合開始剤、乳化剤等の各種添加剤の添加は、一括添加、連続添加、分割添加、多段階添加等の方法又はこれらの組合せで行うことができる。
例えば、撹拌装置付き反応装置に上記ゴム状重合体の材料であるグラフト化モノマーと、必要な添加剤を仕込み、50〜80℃に昇温する。昇温の間、重合開始剤、触媒等を更に添加して重合を開始させる。約5〜10時間50〜90℃に保持した後、乳化剤を添加して、上記反応装置から、グラフト化ゴムラテックスが得られる。
【0012】
重合に際して添加される重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性過硫酸、ジイソピロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、メチルシクロヘキシルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリ−メチルヘキサノエートなどの有機過酸化物を一成分としたレドックス系開始剤を使用できる。
また、乳化剤は、特に制限されないが、例えば、不均化ロジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸のアルカリ金属塩;ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸アルカリ金属塩;牛脂肪酸カリウム石鹸;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート等を1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
さらに、触媒は、特に制限されないが、例えば、レッドクス触媒が好ましい。レッドクス触媒としては、例えば、含水結晶ブドウ糖と硫酸第一鉄七水塩との混合物;硫酸第1鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水和物及び脱イオン水の混合物等が挙げられる。また、必要に応じて、上述した成分以外に、ピロリン酸ナトリウム等の減粘剤;無水硫酸ナトリウム等の肥大化剤;ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水和物等の還元剤;ジビニルベンゼン、1−3ブチレンジメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等の架橋剤;並びにメルカプタン類、テレペン類等の連鎖移動剤を添加剤として使用してもよい。
【0013】
(1−4) グラフト化ゴム粉末の製造方法
本発明におけるグラフト化ゴム粉末は、上述のようにして得られたグラフト化ゴムラテックスを乾燥することによって製造される。具体的には、グラフト化ゴムラテックスを、例えば、凝固・乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥することによって回収される。乾燥した粉末は、例えば、凝固法では50〜1000μm、好ましくは、100〜600μmの平均粒径を有するグラフト化ゴム粉末が得られる。
凝固・乾燥法とは、上述したような重合法により得られたグラフト化ゴムラテックスに凝固剤を接触させて、ラテックス中のグラフト化ゴムを凝固・乾燥させる方法である。
例えば、グラフト化ゴムラテックスと凝固剤とを撹拌装置に入れ、30〜95℃に1〜10分程度保持してグラフト化ゴムを凝固させる。その後、凝固したスラリー状のグラフト化ゴムを、脱水、乾燥して、粉末状のグラフト化ゴムを得ることができる。
ここで使用されるグラフト化ゴムラテックスは、単独でもよいが、複数のグラフト化ゴムラテックスの混合物であってもよい。
グラフト化ゴムラテックスに接触させる凝固剤としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、ぎ酸、酢酸等の有機酸、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の無機塩、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム等の有機酸塩等が挙げられる。これら凝固剤は、水溶液化して使用されることが好ましい。
また、グラフト化ゴムに凝固剤を接触させて凝固する段階において、酸化防止剤等の添加剤をさらに加えることもできる。酸化防止剤としては、例えば、トリエチレングリコ−ル−ビス[3−(3−タ−シャリ−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト等が挙げられる。
この凝固方法は、凝固設備、方法、条件などに特に制限はなく、1槽で凝固させるバッチ法や2槽以上の連続した槽で凝固を連続的に行う連続法等、いずれの方法でも行うことができる。
【0014】
噴霧乾燥法は、熱風中にグラフト化ゴムのラテックスを直接噴霧し、乾燥させる方法である。
例えば、ラテックス形態のグラフト化ゴムラテックスを、平均直径約30〜200μmに液滴化し、50〜300℃の熱風が通っている乾燥筒内に噴霧し、乾燥する。これにより、例えば、30〜200μm、好ましくは、50〜170μmの乾燥粒子が得られる。
この噴霧乾燥法において、噴霧乾燥装置、方法、条件などは、ラテックス中に存在するグラフト化ゴムを粉末化できれば特に制限されるものではない。また、ラテックス液滴を発生させる方法としては、例えば、回転円盤型式、圧力ノズル式、2流体ノズル式、加圧2流体ノズル式などいずれの方法でもよい。
さらに、使用されるグラフト化ゴムのラテックスは単独でもよいが、複数のラテックスの混合物であってもよい。また、噴霧するラテックスに適当な酸化防止剤や添加剤等を加えた後に、噴霧乾燥させることもできる。
また、噴霧乾燥に用いられる乾燥装置の容量は、特に制限がなく、実験室で使用するような小規模なスケールから、工業的に使用するような大規模なスケールまでいずれの容量の乾燥装置を使用することができる。
【0015】
(2)親水性シリカ粉末
本発明で使用される親水性シリカ粉末は、20nm以上80nm以下の1次粒子の平均粒径と、20m2/g以上150m2/g未満の比表面積とを有するものである。
(2−1)親水性
本発明で使用されるシリカ粉末は、疎水処理等の表面処理を施されていない親水性シリカ粉末である。この親水性は、二酸化ケイ素のように、使用するシリカ化合物が本来的に有していてもよい。具体的には、例えば、シリカ粉末表面のシラノール基が2個/nm2以上存在する合成シリカを使用できる。従って、シラン化合物等で表面処理することによって、シリカ粉末表面に疎水性を付与したものは除かれる。
【0016】
(2−2)1次粒子の平均粒径
本発明で使用される親水性シリカ粉末は、20nm以上80nm以下、好ましくは、25〜80nm、より好ましくは、30〜75nmの1次粒径の平均粒径を有するものである。ここで、1次粒子の平均粒径とは、親水性シリカ粉末同士が2次凝集することなくシリカ粉末単独で存在する場合の、シリカ粒子単体の大きさをいう。また、ここでいう平均粒径とは、数平均粒径である。親水性シリカ粉末の1次粒子の平均粒径が20nm以上であれば、グラフト化ゴム粉末と混合した際、グラフト化ゴム粉末の流動性、耐ブロッキング性を高効率で改良することができる。また、親水性シリカ粉末の1次粒子の平均粒径が80nm以下であれば、グラフト化ゴム粉体を熱可塑性樹脂に溶融混練した際、成形品の透明性が低下することもないので好適である。
【0017】
(2−3)比表面積
また、本発明で使用される親水性シリカ粉末は、20m2/g以上150m2/g未満、好ましくは、30〜100m2/gの比表面積を有する。ここでいう、比表面積とは、粉体の単位重量当たりの表面積であり、本発明における比表面積は、気体が粉体粒子表面上に吸着することにより測定する気体吸着法(BET法)により測定される。
本発明で使用される親水性シリカ粉末の比表面積が20m2/g以上150m2/g未満であれば、ブロッキングを効率よく防止でき、及び、高効率でゴム含有グラフト重合体粉末の流動性、対ブロッキング性を改良することができるので好適である。
(2−4)親水性シリカ粉末の種類
このような特性を有する本発明で使用される親水性シリカ粉末の例としては、二酸化ケイ素粉末が挙げられる。具体的には、日本アエロジル(株)製のアエロジル#50、#90G、日本シリカ(株)製のニップシールE−220Aが挙げられる。
また、これら親水性シリカ粉末は、公知のシリカ粉末製造方法、例えば、乾式法、湿式法等によって製造されたものであってもよい。
【0018】
(3)その他の無機粉末
グラフト化ゴム粉末の耐ブロッキング性及び耐粘着性等の改善のため、上記親水性シリカ粉末に加えて、他の無機粉末を併用することも可能である。無機粉末としては、Mg、Ca、Ba、Znよりなる群より選ばれた元素を含む無機粉末が挙げられるが、好ましくはカルシウム塩粉末である。シリカ粉末と他の無機粉末とを併用することにより、より低コストでゴム含有グラフト重合体粉末の流動性、耐ブロッキング性を改良することができる。但し、本発明で使用する親水性シリカ粉末は、グラフト化ゴム粉末のブロッキングを効率よく防止できるので、これらの無機粉末がなくとも十分な耐ブロッキング性及び耐粘着性等を有するものである。
【0019】
(4)ゴム−シリカ混合粉体
本発明のゴム−シリカ混合粉体は、上記グラフト化ゴム粉末と、親水性シリカ粉末、及び、任意の無機粉末とを含有するものである。
(4−1)ゴム−シリカ混合粉体の成分量
ゴム−シリカ混合粉体は、グラフト化ゴム粉末100質量部に対し、親水性シリカ粉末を0.001質量部以上3.0質量部以下、好ましくは、0.005〜1.0質量部含有することが適当である。
親水性シリカ粉末の添加量が0.001質量部以上であれば、グラフト化ゴム粉末の流動性、耐ブロッキング性を十分に改良でき、グラフト化ゴムが製造装置に付着することを良好に防止できる。また、3.0質量部以下であれば、グラフト化ゴムが本来的に有する物性に影響を与えることもなく、また、コスト面でも優位であるため好ましい。
また、無機粉末を併用する場合、この無機粉末の添加量は、グラフト化ゴム粉末100質量部に対して、0.01質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。0.01質量部以上であれば、充分な表面改質効果が得られ、5.0質量部以下であれば、グラフト化ゴムが本来的に有する物性に影響を与えることもないのて好適である。
【0020】
(4−2)ゴム−シリカ混合粉体の製造方法
本発明のゴム−シリカ混合粉体は、上記グラフト化ゴム粉末と、親水性シリカ粉末、及び、任意の無機粉末とを混合することによって得られる。グラフト化ゴム粉末に親水性シリカ粉末を添加する方法としては、例えば、グラフト化ゴムラテックスの乾燥中又は乾燥後に添加する方法がある。
具体的には、例えば、凝固・乾燥法によりグラフト化ゴム粉末を製造する場合、グラフト化ゴム粉末は、凝固したスラリー状のグラフト化ゴムラテックスを脱水・乾燥することによって得られる。この乾燥工程において使用される流動乾燥機、気流乾燥機等の乾燥機内に、本発明で使用される親水性シリカ粉末をグラフト化ゴムと共に導入し、乾燥機中でゴム含有グラフト重合体粉末とシリカ粉末とを混合して本発明の混合粉体を得る。
また、噴霧乾燥法によりグラフト化ゴム粉末を製造する場合は、例えば、乾燥筒内にグラフト化ゴムラテックスを噴霧して乾燥すると同時に、親水性シリカ粉末を水分散溶液の形態で乾燥筒内に導入し、乾燥筒内の熱風によりグラフト化ゴム粉末と親水性シリカ粉末とを同時に乾燥・混合する。噴霧乾燥時に乾燥筒内に親水性シリカ粉末を連続投入すると、最終的に得られるグラフト化ゴム粉末の流動性、耐ブロッキング性を改良できるだけでなく、乾燥途中のグラフト化ゴムの表面をも改質できる。これにより、グラフト化ゴムの粘着性の改善、つまり、グラフト化ゴム粉末の製造工程中において、乾燥筒内壁面にグラフト化ゴム粉末が付着するのを抑制できる効果もあるので好適である。
なお、シリカ粉末を乾燥筒内に導入する方法は、特に制限されないが、例えば、乾燥筒天井部、側面部から各種のパウダーフィーダにより乾燥筒内に添加してもよいし、乾燥筒内を負圧にして吸い込ませてもよい。さらには、乾燥ガス、2流体ノズルまたは加圧2流体ノズルなどのノズルから噴霧される液を微粒化するためのガス、または、ディスクアトマイザを冷却するためのガスに混合して乾燥筒内に連続投入してもよい。
【0021】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を説明する。なお、実施例、比較例中の「部」および「%」は特にことわりがない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を表すものである。
(1)ゴム−シリカ混合粉体の調製
(A)実施例1〜3、比較例1〜4
(A−1)ゴム状重合体の製造
ゴム状重合体製造用のモノマーとして1,3−ブタジエン80部及びスチレン20部を攪拌装置付き反応装置に加え、さらに、脱イオン水190部、乳化剤としての牛脂肪酸カリウム石鹸1.45部、減粘剤としてのピロリン酸ナトリウム0.2部、重合開始剤としてのパラメンタンハイドロパーオキサイド0.5部を加え、攪拌しながら57℃に昇温した。
次いで、昇温中、さらに、脱イオン水10部、レッドクス触媒としての含水結晶ブドウ糖0.3部と硫酸第一鉄七水塩0.003部との混合物を添加して乳化重合を開始させた。57℃で8時間保持し重合を終了した後、乳化剤としての牛脂肪酸カリウム石鹸1.45部を添加し、反応装置内より1,3−ブタジエン/スチレン共重合体であるゴム状重合体ラテックス(A−1)を取り出した。
【0022】
(A−2)グラフト化ゴムラテックスの製造
上記攪拌装置付き反応装置に、得られたゴム状重合体ラテックス(A−1)639部(固形分として213部)、水85部、乳化剤としての牛脂脂肪酸カリウム3.0部を加え、反応装置内を窒素で置換した後、反応装置内を70℃まで昇温した。昇温中に、肥大化剤としての無水硫酸ナトリウム0.71部を添加し、次いで還元剤としてのナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水和物0.3部を添加した。次いで、グラフト化モノマーとしてのメチルメタクリレート28部及びエチルアクリレート7部、並びに重合開始剤としてのキュメンハイドロパーオキサイド0.15部を30分かけて連続添加し、その後70℃に100分間保持した。次いで、グラフト化モノマーとしてのスチレン55部と、重合開始剤としてのキュメンハイドロパーオキサイド0.20部とを100分かけて連続添加し、その後更に70℃で120分間保持した。最後に、グラフト化モノマーとしてのメチルメタクリレート10部と、重合開始剤としてのキュメンハイドロパーオキサイド0.05部とを30分かけて連続添加し、その後70℃に2時間保持して重合を終了させた。
このようにして得られた粗製のグラフト化ゴムラテックス(ゴム含量65%)に、グラフト化ゴム100部に対して、乳化分散させた酸化防止剤としてのトリエチレングリコ−ル−ビス[3−(3−タ−シャリ−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]0.21部及びジラウリル−3,3’−チオジプロピオネ−ト0.63部を添加して、グラフト化ゴムラテックス(A−2)を得た。得られたグラフト化ゴムは、1,3−ブタジエン/スチレン共重合体を幹ポリマーとし、メチルメタクリレート、エチルアクリレート及びスチレンをグラフト化モノマーとするグラフト化ゴムである。
【0023】
(A−3)グラフト化ゴム粉末の製造(凝固・乾燥法)
得られたゴム含有グラフト重合体ラテックス(A−2)(固形分として100部)を、凝固剤として硫酸を1.5部含む硫酸水溶液が入った攪拌装置付き反応装置に加えた。この間、反応装置は、攪拌した状態で45℃に保った。さらに、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート共重合体のラテックス(固形分として2.0部)をこの反応装置に添加した。45℃で5分保持して凝固したスラリーを得、さらに85℃まで徐々に昇温し、得られたスラリーを脱水、乾燥し、平均粒子径270μmのグラフト化ゴム粉末(A−3)を得た。
(A−4)ゴム−シリカ混合粉体の調製
得られたグラフト化ゴム粉末(A−3)100部に、表1に示す親水性シリカ粉末を0.1部混合してゴム−シリカ混合粉体を得た。
【0024】
表1
Figure 0004071998
【0025】
(B)実施例4〜5、比較例5〜7
(B−1)ゴム状重合体の製造
ゴム状重合体製造用のモノマーとしてテトラエトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部、オクタメチルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン混合物100部を得た。
次いで、このシロキサン混合物100部を、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとドデシルベンゼンスルホン酸とをそれぞれ1部溶解させた脱イオン水200部に加えた。その後、ホモミキサによって10,000rpmで予備撹拌した後、ホモジナイザにより30MPaの圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンラテックスを得た。このオルガノシロキサンラテックスを撹拌装置付き反応装置に仕込み、攪拌を開始し、80℃で5時間保持した後、20℃で48時間放置した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でこのオルガノシロキサンラテックスのpHを7.4に中和し、重合を完結させて、反応装置からポリオルガノシロキサンを取り出した。
【0026】
得られたポリオルガノシロキサン33部(固形分として10部)に、乳化剤としてのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート(花王(株)製、エマールNC−35)1.4部、及び脱イオン水271部を加えた。その後、窒素で置換した後、反応装置内を50℃に昇温し、ゴム状重合体製造用のモノマーとしてのn−ブチルアクリレート78.4部及びアリルメタクリレート1.6部を加え、さらに重合開始剤としてのt−ブチルハイドロパーキサイド0.40部を加え、50℃で30分間撹拌した。次いで、レッドクス触媒として硫酸第1鉄0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水和物0.26部および脱イオン水5部の混合液を加え、ラジカル重合を開始させた。その後、反応容器内の温度を70℃に2時間保持し、ポリオルガノシロキサン/ブチルアクリレート/アクリルメタクリレート複合ゴムであるゴム状重合体ラテックス(B−1)を得た。
【0027】
(B−2)グラフト化ゴムのラテックスの製造
得られたゴム状重合体ラテックス(B−1)に、重合開始剤としてのt−ブチルハイドロパーオキサイド0.05部とグラフト化モノマーとしてのメチルメタクリレート10部との混合液を70℃で15分間にわたり滴下してグラフト重合を行った。その後、70℃で4時間保持し、反応装置内から取り出し、グラフト化ゴムラテックス(B−2)を得た。得られたグラフト化ゴムは、ポリオルガノシロキサン/ブチルアクリレート/アクリルメタクリレート複合ゴムを幹ポリマーとし、メチルメタクリレートをグラフト化モノマーとするグラフト化ゴムである。
【0028】
(B−3)グラフト化ゴム粉末の製造(凝固・乾燥法)
得られたグラフト化ゴムラテックス(B−2)(固形分として100部)を、凝固剤として塩化カルシウムを1.5部含む塩化カルシウム水溶液が入った攪拌装置付き反応装置に加えた。この間、反応装置は、攪拌した状態で40℃に保った。さらに、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート共重合体のラテックス(固形分として2.0部)をこの反応装置内に添加した。5分保持して凝固したスラリーを得、さらに85℃まで徐々に昇温し、得られたスラリーを脱水、乾燥し、平均粒子径290μmのグラフト化ゴム粉末(B−3)を得た。
【0029】
(B−4)ゴム−シリカ混合粉体の調製
得られたグラフト化ゴム粉末(B−3)100部に、表2に示す親水性シリカ粉末を0.1部混合してゴム−シリカ混合粉体を得た。
表2
Figure 0004071998
【0030】
上記のようにして得られたゴム−シリカ混合粉体の組成等について、以下の表3にまとめる。なお、親水性シリカ粉末の1次粒子の平均粒径は、電子顕微鏡により測定した。また、親水性シリカ粉末の比表面積は、N2ガス吸着法(BET法)により測定した。
表3
Figure 0004071998
【0031】
(2)評価
[耐ブロッキング性]
上記実施例及び比較例のグラフト化ゴム粉末及び親水性シリカ粉末を含むゴム−シリカ混合粉体の耐ブロッキング性を測定するため、以下のようにしてブロッキング測定を行った。
上記実施例及び比較例で得られたゴム−シリカ混合粉体20gを円筒容器に入れ、50℃又は60℃のブロック作成温度で17.5KPaの圧力を6時間かけ、ブロックを作成した。得られたブロックをミクロ型電磁振動ふるい器(筒井理化製)を用いて振動を与え、ブロックが60%破砕する時間(秒)を測定した。この時間が短いほど、耐ブロッキング性が良好であることを示し、好ましくは50秒以下であることが適当である。測定結果を表4に示す。
表4
Figure 0004071998
【0032】
このように、実施例1〜5の親水性シリカ粉末を含むゴム−シリカ混合粉体を使用した場合、ブロックが60%破砕する時間が50秒以下であり、ブロッキング防止効果が高いことがわかった。
一方、比較例1〜6の親水性シリカ粉末を含むゴム−シリカ混合粉体を使用した場合では、ブロックが60%破砕する時間が50秒よりも長く、ブロッキング防止効果が低いことがわかった。
【0033】
[耐粘着性]
本発明のゴム−シリカ混合粉体の粘着性改善効果を測定するために、グラフト化ゴムの乾燥工程におけるグラフト化ゴムの乾燥器内への付着状況を以下のようにして観測した。
実験例1
直胴部3500mm、直胴部高さ4800mmの乾燥筒を有する大川原化工機製噴霧乾燥機を使用し、上記グラフト化ゴムのラテックス(A−2)を、固形分の質量を基準として25Kg/hrの条件で直胴部の投入口より乾燥筒内に導入して噴霧乾燥すると同時に、実施例4で使用した1次粒子径が30nm、比表面積が50m2/gの親水性シリカ粉末(日本アエロジル(株)製、商品名アエロジル#50)を0.07kg/hrの条件で噴霧乾燥機の直胴部の投入口より乾燥筒内に連続添加した。
上記操作を1時間続けた後、乾燥筒内への壁面付着状況を目視により評価した。
実験例2
実験例1で使用した親水性シリカ粉末の代わりに、1次粒子径26nm、比表面積102m2/gのシリカ粉末(日本シリカ(株)製、商品名NipsilER)を使用した以外は、実験例1と同様に噴霧乾燥を行い、乾燥筒内への壁面付着状況を目視により評価した。
参考例1
乾燥筒内に親水性シリカ粉末を添加せずに噴霧乾燥を行った以外は、実験例1と同様に行った。
耐粘着性の評価は、
○:グラフト化ゴム粉末の乾燥筒内壁面への付着が少ない。
×:グラフト化ゴム粉末の乾燥筒内壁面への付着が多い。
を基準とした。結果を表5に示す。
表5
Figure 0004071998
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により特定された親水性シリカ粉末は、グラフト化ゴム粉末の粉体特性改良に優れ、少量の添加で効率よくグラフト化ゴム粉末の粉体特性を改良できる。
このように、本発明のゴム−シリカ混合粉体は、親水性シリカ粉末が粘着性のあるグラフト化ゴム粉末の表面に存在し、グラフト化ゴム粉末同士の表面の密着を防止し、効率的にグラフト化ゴム粉末の耐粘着性、耐ブロッキング性を改良することができる。また、グラフト化ゴム粉末の流動性も向上し、輸送時の閉塞を防止することができる。従って、グラフト化ゴム粉末の製造装置の大型化や、自動軽量化等の装置の自動化にも対応できる。
さらに、本発明のゴム−シリカ混合粉体は、グラフト化ゴムの粉末の製造工程における製造装置内への付着を抑制することができる。特に、噴霧乾燥でグラフト化ゴム粉末を製造する場合には、乾燥筒内にグラフト化ゴムのラテックスと同時に、上述した親水性シリカ粉末を乾燥筒内に連続投入することにより、乾燥途中のグラフト化ゴム粉末の乾燥筒内壁面への付着を防止することができる。従って、コンタミを減少させることができ、品質を向上させることができる。また、グラフト化ゴム粉末の歩留まりが向上し、乾燥筒等の製造装置の頻繁な洗浄の必要もなくなるため、生産性を向上させることができる。
また、本発明のゴム−シリカ混合粉体にあっては、高価で表面処理が必要な疎水性シリカ粉末を使用することなく粉体特性改良が可能となることから、大幅に製造コスト削減が可能となる。

Claims (2)

  1. グラフト化ゴム粉末100質量部と、親水性シリカ粉末0.001質量部以上3.0質量部以下とを含有し、該グラフト化ゴム粉末の平均粒径が100〜600μmであり、該親水性シリカ粉末が、20nm以上30nm以下の1次粒子の平均粒径と、20m2/g以上150m2/g未満の比表面積であることを特徴とするゴム−シリカ混合粉体。
  2. 請求項1に記載のゴム−シリカ混合粉体を製造する方法において、前記親水性シリカ粉末を、グラフト化ゴムラテックスの乾燥中又は乾燥後に添加することを特徴とする、ゴム−シリカ混合粉体製造方法。
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