JP4071972B2 - 田植機の安全クラッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動力を伝達する駆動軸上に配設され、設定トルク以上の負荷がかかると動力の伝達を断絶する田植機の安全クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
田植機の植付部等においては、石を噛んだりしてメカロックした場合等に、ギア等の動力伝達部材の破損を防止するため、一定トルク以上の負荷が掛かると伝動が自動的に切れるよう構成した安全クラッチが伝動機構の適所に設けられている。例えば、植付爪に動力を伝達する植付伝動フレーム内のクラッチ軸上に安全クラッチを配置している。該安全クラッチは、ベベルギア等の伝達部材を係合した上で駆動軸上に遊嵌された駆動側係合体と、該駆動側係合体に隣接して同じ駆動軸上にスプライン嵌合された従動側係合体と、該従動側係合体を前記駆動側係合体の方に付勢するバネ等の押圧弾性部材とから構成されている。これにより、通常は、前記押圧弾性部材の弾性力によって、従動側係合体が駆動側係合体の方に付勢されているため、爪式クラッチの場合は爪部が咬合され、ボール式クラッチの場合はボールが押圧されることにより、従動側係合体と駆動側係合体が係合されて、伝達部材からの動力が駆動側係合体から従動側係合体を介して駆動軸に伝達される。そして、石を噛んだりしてメカロックされ、設定トルク以上の負荷がかかると、押圧弾性部材の弾性力に抗して従動側係合体が駆動側係合体から離間して動力を伝達しない構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の安全クラッチでは、従動側係合体を介して駆動軸へ入力されるときに、設定した大きさ以上の負荷が従動側にかかると、従動側係合体と駆動軸間の摩擦力に抗して、従動側係合体は摺動しなければならないが、負荷がかかった状態でスプライン上を摺動するため、安全クラッチが作動開始するトルク(以下「作動トルク」とする)が変化して安定しない、という問題があった。また、負荷の大きさによって摩擦力も変化するため、それによっても、作動トルクが変化して安定しない、という問題があった。さらに、前記摩擦力は、従動側係合体や駆動軸の係合部の状態、例えば加工面の面粗度や油付着状況によっても大きく異なるため、作動トルクは個々の部品によっても変化して安定しない、という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、走行機体から植付部の駆動軸(92)に動力伝達して、植付装置(21)を駆動する田植機において、植付伝動フレーム(20)の入力軸(91)から駆動軸(92)に伝達された動力によって植付装置(21)が駆動される時に、該駆動軸(92)に設定トルク以上の過負荷が掛かると、自動的に該駆動軸(92)への動力の伝達を断絶する安全クラッチ(124)を配設し、該安全クラッチ(124)は、前記駆動軸(92)の周囲にスプライン部(92b)を固設し、該スプライン部(92b)と略同一径の先端部(92c)を一体的に延出形成し、該駆動軸(92)のスプライン部(92b)に、動力伝達部材(184)をスプライン嵌合し、該動力伝達部材(184)の外周に、軸心方向に摺動可能に従動側摺動体(183)を遊嵌し、該駆動軸(92)に固設したバネ受け部材(45)と、該スプライン部(92b)の該従動側摺動体(183)との間に、該従動側摺動体(183)を係合側へ付勢する付勢部材(44)を外嵌し、該駆動軸(92)に駆動側係合体(182)を遊嵌し、該駆動側係合体(182)の外周に、植付入力ギアをスプライン嵌合し、前記動力伝達部材(184)の外周には鍔部(184a)を形成し、該鍔部(184a)に前後方向に開口したクラッチ孔(184b)に、動力断接部材となる複数の動力伝達ボール(185)を内挿し、該動力伝達ボール(185)は、前記駆動側係合体(182)の背面で後方に開いた傾斜面を設けた凹部(182a)と、前記従動側摺動体(183)との間に配置し、通常は、前記付勢部材(44)で前方に付勢されている該従動側摺動体(183)によって、駆動側係合体(182)側に付勢され、該動力伝達ボール(185)が前記凹部(182a)内に嵌合し、該動力伝達部材(184)が、動力伝達ボール(185)を介して駆動側係合体(182)に係合され、該安全クラッチ(124)が「ON」状態となるものである。
請求項2においては、請求項1記載の田植機の安全クラッチにおいて、前記動力伝達部材(184)上に該従動側摺動体(183)を配置し、該動力伝達部材(184)と該従動側摺動体(183)の間には、潤滑剤を注入可能な溝(184c)を形成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について説明する。図1は本実施例に係る田植機の全体構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は植付部の左斜め背面からの斜視図、図4は同じく側面図、図5は同じく平面図、図6は植付伝動フレームの全体を示す平面断面図、図7は植付伝動フレームの左部を示す平面断面図、図8は植付伝動フレームの中央部を示す平面断面図、図9は植付伝動フレームの右部を示す平面断面図、図10は安全クラッチを示す植付ユニット基部の平面断面図、図11は条止めクラッチを示す植付ユニット先部の平面断面図、図12は植付ユニット先部の側面図、図13はフロートの前下がりストッパを示すフロート周囲の側面図、図14は植付部の右斜め背面からの斜視図、図15は苗取り量調節レバー周辺の斜視図、図16は同じく拡大斜視図、図17は同じく側面図、図18は横送り機構を示す横送り軸周辺の平面一部断面図、図19は横送り変速機構を示す横送り変速ケースの平面断面図、図20は同じく側面図、図21は図20におけるX−X矢視図、図22は説明用のプレートを設けた横送り変速ケースの側面図、図23は苗載台アームの支持構成を示す苗載台下部の側面図、図24は同じく拡大側面図、図25は同じく正面図、図26は苗載台の支持高さ調節構造を示す苗台支持シュー周囲の斜視図、図27は苗ガイドの取付位置調節構造を示す苗ガイド周囲の側面図、図28は同じく下面図、図29は縦送りカム軸周囲の平面断面図、図30は自動調芯継手部の平面一部断面図、図31は縦送り量調節機構を示す苗搬送ベルト駆動軸周囲の側面図、図32は縦送り量調節機構を示す模式図、図33は従来の縦送り量調節を示す模式図、図34は線引きマーカのワイヤ取付構成を示す線引きマーカ基部周囲の斜視図である。
【0006】
まず、本発明に係る田植機の全体構成について、図1乃至図4、図6により説明する。なお、本実施例において田植機は六条植え式の植付部を搭載した乗用田植機としているが、歩行式の田植機や四条植え式でもよく、これに限定されるものではない。
【0007】
図1、図2に示すように、乗用田植機においては、走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して植付部15が配置され、このうち走行部1は、機体フレーム3前部上方にエンジン2を搭載し、前下部にはフロントアクスルケース5を介して前輪6を支持させると共に、後部にはリアアクスルケース7を介して後輪8を支持している。
【0008】
そして、前記エンジン2はボンネット9に覆われ、該ボンネット9の両側には、予備苗載台30が配設され、該ボンネット9の後部には、操向ハンドル14が配置されており、該操向ハンドル14の下部には、操作パネル4等が配置されている。また、走行部1の機体フレーム3を覆う機体カバー12は、ボンネット9後部から座席13前部に渡ってメインステップ10を形成し、該メインステップ10後部では、高く盛り上がってその上に前記座席13が設けられている。
【0009】
前記操向ハンドル14の左右両側方には、主変速レバー51、植付部昇降レバー71、アクセルレバー61等が配設され、前記メインステップ10の前方には油圧式無段変速装置を操作するための副変速ペダル33及びブレーキレペダル32等が配設されている。
【0010】
また、図1乃至図4に示すように、前記植付部15は、苗載台16、植付爪17・17・・・、センターフロート34やサイドフロート35、及び苗載台16を保護するサイドバンパー190、植付作業を行うときの目標となる線を圃場に描く線引きマーカ191等から構成されている。このうちの苗載台16は、前高後低に配設し、苗載台16の下部は下ガイドレール18、前面の上部は上ガイドレール19によって左右往復摺動自在に支持され、該上ガイドレール19と前記下ガイドレール18は、植付伝動フレーム20に連設したフレーム等を介して支持されている。
【0011】
そして、図6に示すように、前記植付伝動フレーム20内には、伝動軸91L・91R、植付駆動軸92・92・92、植付アーム軸93・93・93を設け、該植付アーム軸93・93・93の左右両側には、一方向に回転する回転ケース22・22を配置し、該回転ケース22・22には、前記植付爪17を備えた植付体23を2個ずつ設けている。
【0012】
また、図1、図3、図4に示すように、前記植付伝動フレーム20の前部には、ローリング支点軸を介してヒッチ24を設け、該ヒッチ24は、トップリンク25とロワーリンク26を含む昇降リンク機構27の後部に連結している。そして、該昇降リンク機構27においては、前記ロワーリンク26に連結したリフトアーム28に図示せぬ昇降シリンダを連結し、該昇降シリンダにより、昇降リンク機構27を昇降駆動できるようにしている。
【0013】
そして、前記前輪6・6及び後輪8・8を駆動して走行すると同時に、左右に往復摺動する苗載台16から一株分の苗を、回動する回転ケース22・22に設けた各植付爪17・17・・・によって取り出して保持し、その保持した苗を圃場に達したとき放出して植え付けることにより、連続的に苗の植付作業を行うように構成している。
【0014】
次に、前記植付部15のフレーム構成について、図3、図5、図6により説明する。前記植付駆動軸92・92・92は伝動パイプ55・55・55に内装され、該伝動パイプ55・55・55より後方の部材から、各植付ユニット29が形成されている。
【0015】
該植付ユニット29・29・29の前部においては、伝動パイプ55・55・55が、十字管継手41L・41C・41R及び入力十字管継手40を介して、連結パイプ57L・57C・57Rに連結され、平面視櫛型の植付伝動フレーム20が形成されている。該伝動パイプ55・55・55と連結パイプ57L・57C・57R内に、前記伝動軸91L・91Rや植付駆動軸92・92・92等が軸支されている。
【0016】
この植付伝動フレーム20は、櫛型の開放側を後方に向け、その左右の開放側端部の左右両側と中央に、ロータリ植付装置21・21・・・を具備する前記植付ユニット29・29・29が配置されている。
【0017】
そして、植付伝動フレーム20の前部には、正面視略門型状の苗台支持フレーム116や、前記苗載台16の後述する縦送り機構及び横送り機構を支持する支持部等が設けられている。つまり、左側の連結パイプ57Lと右側の連結パイプ57Rには、前記苗台支持フレーム116を支持するための支持部材115・115が固設され、さらに、左側の連結パイプ57Lには、縦送り機構の縦送りカム86の回動軸である縦送りカム軸88を支承する支持部材121・121が固設され、入力十字管継手40と右側十字管継手41Rには、横送り機構の横送り軸47を支承する支持部材122・122が、前上方向きに突出した状態で固設されている。
【0018】
次に、前記植付伝動フレーム20の動力伝達構成について、図1、図6乃至図9により説明する。図1、図6、図8に示すように、田植機の走行部1から後方に延出したPTO軸の後端には、ユニバーサルジョイントを具備したPTO取出軸90を介して入力ベベルギア49が連結され、該入力ベベルギア49は、前記入力十字管継手40内に支承されると共に、同じ入力十字管継手40内に支承されたベベルギア72と噛合して、該ベベルギア72を外嵌固定した右伝動軸91Rへ動力を伝達するようにしている。
【0019】
図9に示すように、この右伝動軸91Rの右端には、前記右側十字管継手41R内に支承されたベベルギア70が外嵌固定され、該ベベルギア70は、右側の植付ユニット29の前部の植付入力ベベルギア75に噛合され、この植付ユニット29へ動力を伝達している。
【0020】
一方、図8に示すように、前記右伝動軸91Rの左端には、前記中央十字管継手41C内で筒状部材123がスプライン嵌合され、該筒状部材123には、前記左伝動軸91Lの右端がスプライン嵌合されて、右伝動軸91Rから左伝動軸91Lへ動力を伝達している。そして、同じ中央十字管継手41C内において、前記左伝動軸91L上には、ベベルギア77が外嵌固定され、該ベベルギア77は、中央の植付ユニット29の前部の植付入力ベベルギア75に噛合され、この植付ユニット29へ動力を伝達している。
【0021】
図7に示すように、前記左伝動軸91Lの左端には、前記左側十字管継手41Lに支承されたベベルギア74が外嵌固定され、該ベベルギア74は、左側の植付ユニット29の前部の植付入力ベベルギア75に噛合され、この植付ユニット29へ動力を伝達している。
【0022】
このような構成により、PTO軸からの動力は、植付ユニット29・29・29に伝達され、さらに、後述する安全クラッチ124から前記植付駆動軸92・92・92を介して、ロータリ植付装置21・21・・・に伝達され、植付爪17・17・・を回転して苗の植付けを行っている。
【0023】
そして、図6、図7に示すように、前記左伝動軸91L左端のベベルギア74の左側には、後述する横送り変速機構125を介して変速出力軸79が連結され、該変速出力軸79は、ジョイントパイプ135を介して、縦送り機構の構成部材である前記縦送りカム軸88の左端と連結され、さらに、該縦送りカム軸88の右端は、ジョイントパイプ136を介して、横送り機構の構成部材である前記横送り軸47と連結されており、これら縦送り機構と横送り機構とは、横送り変速機構125によって調整された等しい回転動力により、駆動されるようにしている。
【0024】
次に、前記植付ユニット29・29・29の構成について、図3、図7、図10乃至図17により詳細に説明する。但し、上述の如く、左・右・中央の十字管継手41L・41R・41Cから夫々一本ずつ連結された伝動パイプ55・55・55や、ロータリ植付装置21・21・21等により構成された植付ユニット29・29・29は、全て略等しい構成であるため、以降の植付ユニット29の各種構成については、左側十字管継手41Lに連結された植付ユニット29について説明し、他は省略する。
【0025】
図7、図10、図11に示すように、植付ユニット29の伝動パイプ55は、前方の広がった円錐状の筒体55aと、該筒体55aの左右側面から略水平外方に延出された鍔部55bと、筒体55a前端に設けた前フランジ部55cと、筒体55a後部の左右側面に設けた後フランジ部55d・55dとから構成されている。
【0026】
そして、このうちの前フランジ部55cにはカラー58が内挿され、該カラー58には、前記左側十字管継手41Lの後端に固設された連結フランジ82が外嵌され、該連結フランジ82と前記前フランジ部55cとを複数の締結部材84によって締結することにより、左側十字管継手41Lに植付ユニット29が連結される。一方、後方の後フランジ部55d・55dには、前記回転ケース22を側方より当接した上で、複数の締結部材85によって締結固定できるようにしている。
【0027】
すなわち、後フランジ部55d・55dを伝動パイプ55に一体的に設けたので、従来のように、伝動パイプ55後部に十字管継手を別途取り付けた上で、該十字管継手に前記回転ケース22を固定する必要がないため、十字管継手の分だけ部品点数を削減でき、部品コストの低減や組立性の向上が図れるばかりでなく、回転ケース22を伝動パイプ55に直接の固定して取付精度を上げて、植付深さや植付間隔等を設定値に安定して保持することができる。
【0028】
さらに、前述の如く、伝動パイプ55の本体は前方の広がった円錐状の筒体55aとし、伝動パイプ55において、植付ユニット29の横フレームである連結パイプ57L・57C・57R側(前方)の伝動パイプ55の断面を、植付アーム軸93側(後方)の断面よりも大きく構成したので、伝動パイプ55前方では、十分なフレーム強度が確保できると共に、伝動パイプ55後方には、不要な植付ユニット29の駆動を停止する後述の条止めクラッチ62を操作するクラッチアーム73やワイヤ52等を配置するための空間を設けることができ、補強部材の省略や操作部材の無駄のない配置が可能となり、植付部15をコンパクトで軽量な構成とすることができる。
【0029】
また、図11、図12に示すように、伝動パイプ55後端で後方の開口部55eは、蓋体126で閉塞され、圃場の泥や塵埃などが植付時に伝動パイプ55内に侵入しないようにしている。さらに、該蓋体126の後方には、後に開いた平面視逆U字状の取付ステー59が、前記開口部55eの外周に設けたフランジ部55f背面に、締結部材127によって締結固定され、取付ステー59後部には、左右両外方に略直角に折曲して取付部59aが形成され、該取付部59aの背面に、バンパー80を締結部材128で着脱できるようにしている。
【0030】
該バンパー80は、前記植付爪17・17・・の周囲を保護するために備えられる部材であるが、このように、伝動パイプ55後端に直付けできるようにしたので、従来のように、植付伝動フレーム20にバンパー80を装備するために特別な部材を設ける必要が無く、コンパクト且つ低コストにバンパー80を取り付けることができる。そして、バンパー80は植付伝動フレーム20に溶接固定するのではなく、締結部材128で着脱可能に設けたので、溶接部品を削減することができ、完成品を、より精度の高いものとすることができる。
【0031】
さらに、前述の如く、このバンパー80を取り付ける取付ステー59は平面視逆U字状であり、前後方向に延出する板状部材を圃場面に立設させた構成をとっており、このため、取付ステー59の断面係数は左右方向よりも上下方向に大きい。つまり、取付ステー59の剛性は、荷重方向129には大きく、荷重方向130・131には小さく、従って、バンパー80に上下方向の荷重がかかっても変形しにくいが、左右方向の荷重がかかると変形しやすくしている。
【0032】
すなわち、バンパー80を取り付ける取付ステー59の上下方向の断面係数を、左右方向の断面係数よりも大きく構成したので、畦際での植付部15昇降時に、畦にバンパー80が当たり上下荷重がかかっても、取付ステー59が容易に変形しないようにすることができ、部品寿命を大きく延長することができる。さらに、畦際の回行時等に、バンパー80を畦等に側方から当ててしまう際にかかる左右荷重に対しては、取付ステー59が変形して植付部15全体にかかる負荷を吸収することができ、植付部15の破損を未然に防止するようにしている。
【0033】
さらに、取付ステー59は、側面視で後部を前部よりも上下に大きく膨出させており、このため、取付ステー59内では、前方の伝動パイプ55後端への取付部の剛性が小さい。従って、取付ステー59が変形する場合には、フランジ部55fとの間の締結部材127に応力が集中し、該締結部材127が先に折損するようにしている。
【0034】
すなわち、バンパー80を取り付ける取付ステー59の断面係数を伝動パイプ55側を小さく構成したので、たとえ、バンパー80に過大な負荷がかかり取付ステー59が変形する場合でも、伝動パイプ55との取付部に応力を集中させて締結部材127を先に折損させ、取付ステー59の変形を最小限に抑えることができるのである。
【0035】
また、図3、図13に示すように、前記連結パイプ57の下部には、左右の前記サイドフロート35・35間の幅に合わせて支点軸132が横設され、該支点軸132は、連結パイプ57の左右端に設けた支持部材203・203により支持固定されている。
【0036】
この支点軸132の左右両側の適所位置より、後下方の両サイドフロート35・35の後部に向けて一対ずつの支持アーム162が突設される一方、サイドフロート35・35の後上面には、正面視でU字状に折り曲げられた支持板163が取り付けられている。そして、該支持板163の上端は、前記支持アーム162の後端と、支持ピン164により回動自在に軸支されると共に、該支持ピン164の外周にはコイルバネ165が巻回されており、該コイルバネ165の一端のフック部は、支持アーム162の途中部分に掛止され、コイルバネ165の他端は、支持板163の底面上へ延出されて、サイドフロート35の上面を押圧するようにし、サイドフロート35の前部が持ち上げられて水平を保つように付勢している。
【0037】
そして、このようなサイドフロート35が前下がりに回動して、その後部上面が前記伝動パイプ55後部と当接する部分からは、規制部となる前下がりストッパ部55gが垂設されている。これにより、コイルバネ165の弾性力でサイドフロート35・35の上下方向の揺れが吸収された上で、たとえサイドフロート35・35が、水平位置166から前下がりに回動しても、規制位置167より大きくは前に傾動しない。
【0038】
しかも、この前下がりストッパ部55gは前記伝動パイプ55下面に一体的に設けているので、従来のように、前下がりストッパを伝動パイプ55とは別体に設けた場合と比べ、回転ケース22の回動中心である植付アーム軸93中心から、規制位置167のサイドフロート35までの距離168を、精度良く一定に保つことができる。なお、センタフロート34も、同様にして前記支点軸132に回動可能に支持された上で、伝動パイプ55後部に設けた前記前下がりストッパ部55gによって、前下がり回動が規制されるようにしている。
【0039】
すなわち、フロート34・35の前下がりストッパである前下がりストッパ部55gを伝動パイプ55に一体的に設けたので、部品点数を減らしてコストダウンが図れると共に、回転ケースの回動中心からの距離を精度良く一定に保つことができ、植付部15を持ち上げたり、植付作業時に凹凸のある圃場上を通過する際に、フロート34・35が所定角度以上回動して回転ケース22を損傷したりすることを、確実に防止することができるのである。
【0040】
また、図14乃至図17に示すように、右側の連結パイプ57Rの前面で前記入力十字管継手40の近傍には、平面視逆U字状の支持フレーム171が固設され、該支持フレーム171に左右に軸支された支持ピン172には、苗取り量調節レバー139の下部が連結されている。該苗取り量調節レバー139下部上面に設けたステー175は、リンク144を介して苗取り量調節軸142上のステー176に連結され、該苗取り量調節軸142には、前記下ガイドレール18に係合するアーム143・143・143が固設されている。
【0041】
このような構成において、前記苗取り量調節レバー139を支持ピン172を中心として回動操作させると、ステー175がリンク144を介して苗取り量調節軸142を回動し、これに連動して、下ガイドレール18及び、該下ガイドレール18上の前記苗載台16が昇降され、該苗載台16上の苗マットから植付爪17・17・・・によって取られる苗の量を調整できるようにしている。
【0042】
そして、このような苗取り量調節軸142は、右側の連結パイプ57R背面より後方に突設された支持フレーム177後端に、U字状の取付プレート180によって回動可能に支持されている。しかも、この苗取り量調節軸142は、伝動パイプ55に設けた支持部である軸受け台178の凹部178aに嵌合され、その上から、逆U字状に構成した取付プレート179の凹部を嵌合し、該取付プレート179の下端を前記軸受け台178の側面に締結部材等で固定するようにして、苗取り量調節軸142を回動可能に支持するようにしている。
【0043】
しかも、この軸受け台178は、伝動パイプ55後部外周の上面から前フランジ部55cにかけて、苗取り量調節軸142を受ける軸受け台178を一体的に設けているので、従来のように、苗取り量調節軸142の軸受け台178を伝動パイプ55とは別体に設けた場合と比べ、苗取り量調節軸142を支持する凹部178aを、精度良く水平に保つことができる。なお、軸受け台178の配設位置は伝動パイプ55以外でもよく、剛性の高い植付伝動フレーム20に一体的に設けることができれば、特には限定されない。
【0044】
すなわち、苗取り量調節軸142の軸受け台178を植付伝動フレーム20に一体的に設けたので、部品点数を減らしてコストダウンが図れると共に、組み立て時には、苗取り量調節レバー139の水平を精度良く出すことができるのである。
【0045】
なお、該苗取り量調節レバー139は上下のレバー部材139U・139Lから成り、上レバー部材139Uの下端と下レバー部材139Lの上端とは、側面同士を当接した上で溶接等で連結されており、レバー操作時の把持部のある上レバー部材139Uを側方に変位させている。そして、該上レバー部材139Uの下部には、薄板状の係止部139aが形成され、該係止部139aを係止可能な櫛状のガイド部173aを有するレバーガイド173は、支持ステー174の上部に固設され、該支持ステー174の下端は、前記苗台支持フレーム116内に斜設した斜めフレーム181上に支持固定されている。
【0046】
これにより、レバーガイド173上の目盛りを基準に、前記苗取り量調節レバー139を回動操作し、苗載台16を所定高さに昇降して苗取り量を所定量に設定した後、係止部139aをガイド部173aに係止させて苗取り量調節レバー139を固定し、該苗取り量調節レバー139の誤操作を防止できるようにしている。
【0047】
次に、前記植付ユニット29・29・29の動力伝達構成について、その中でもクラッチ機構124・62に関して、図7、図10乃至図12により詳細に説明する。まず、前記安全クラッチ124について説明する。なお、安全クラッチ124とは、植付伝動フレーム20に入力され、植付駆動軸92に伝達された動力によってロータリ植付装置21・21が駆動される時に、該植付駆動軸92に設定トルク以上の過負荷が掛かると、自動的に植付駆動軸92への動力の伝達を断絶するものであり、さらに、その配設位置は、本実施例では植付駆動軸92の前端に設けられているが、安全クラッチとして動作可能であれば、植付駆動軸92の中途部に設けても構わない。
【0048】
図7、図10に示すように、前記植付駆動軸92においては、中空パイプで構成されたパイプ軸92aの前端に、周囲にスプラインが形成されたスプライン部92bが固設され、さらに、該スプライン部92bの後端には、バネ受け部材45が固設されている。そして、スプライン部92bの前端には、スプライン部92bと略同一径の先端部92cが、スプライン部92bから延出した状態に一体的に形成されている。
【0049】
このような構成から成る植付駆動軸92のスプライン部92bには、動力伝達部材184がスプライン嵌合され、該動力伝達部材184には前後方向(軸心方向)に摺動可能に従動側摺動体183が遊嵌され、該従動側摺動体183と前記バネ受け部材45との間には、従動側摺動体183を前方(係合側)へ付勢する付勢部材であるバネ44が外嵌されている。
【0050】
さらに、植付駆動軸92の先端部92cには、駆動側係合体182が遊嵌され、抜け防止部材である丸止め輪37により、植付駆動軸92の先端部92cから駆動側係合体182が抜け落ちないようにしている。そして、該駆動側係合体182の先端部のボス部外周には、スプラインを形成して植付入力ベベルギア75がスプライン嵌合され、これらは一体となって回動するよう構成されている。さらに、駆動側係合体182の軸部は、十字管継手41L後端の連結フランジ82から伝動パイプ55前端の前フランジ部55cにかけて内挿固定されたカラー58の前端に、回動自在に支承されている。
【0051】
そして、前記動力伝達部材184前端の外周には鍔部184aが形成され、該鍔部184aに前後方向に開口したクラッチ孔184bには、動力断接部材となる複数の動力伝達ボール185・185が内挿されている。つまり、該動力伝達ボール185・185は、前記駆動側係合体182背面で後方に開いた傾斜面を設けた凹部182aと、従動側摺動体183との間に配置され、通常は、前記バネ44で前方に付勢されている従動側摺動体183によって、駆動側係合体182側に付勢されており、最前の動力伝達ボール185は、前記凹部182a内に嵌合したままで動かない。
【0052】
このため、動力伝達ボール185・185は駆動側係合体182に固定された状態となり、動力伝達部材184が、動力伝達ボール185・185を介して駆動側係合体182に係合され、安全クラッチ124は、左伝動軸91Lから植付入力ベベルギア75を介して植付駆動軸92に動力が伝達される「ON」状態にある。
【0053】
該「ON」状態において、植付駆動軸92に異常な過負荷が掛かった場合には、安全クラッチ124が「OFF」状態となり、植付駆動軸92に動力が伝達されなくなる。つまり、ロータリ植付装置21・21において異常が発生し植付駆動軸92が正常に回動しなくなり過負荷がかかると、駆動側係合体182に集中した回転駆動力により、動力伝達ボール185・185がバネ44の弾性力に抗して凹部182aから押し出され、駆動側係合体182と動力伝達部材184とが係合しない状態となるのである。
【0054】
そして、このような構成においては、植付入力ベベルギア75からの動力は、クラッチ「ON」時には、駆動側係合体182→動力伝達ボール185・185→動力伝達部材184→植付駆動軸92のように伝達され、従動側摺動体183は動力伝達とかかわりなくバネ44の弾性力により接当して付勢するのみであり、凹部182a内の動力伝達ボール185の摩擦力と剪断力等の関係だけで動力の断接が行われる。
【0055】
すなわち、植付入力ベベルギア75からの動力を伝達する植付駆動軸92上に配置し、設定トルク以上の負荷がかかると動力の伝達を断絶する安全クラッチ124において、前記植付入力側(植付け入力ベベルギア75)からの動力を植付爪駆動側(植付駆動軸92)に伝達する動力伝達部材184と、動力断接部材(動力伝達ボール185)を受けつつ付勢部材(バネ44)にて付勢される摺動部材(従動側摺動体183)とを別体として設けたので、動力伝達部材と動力断接部材とが同一部材であると、動力断接部材の付勢力と摺動に要する力(摩擦抵抗)が断接するための作動トルクとなって、付勢力が一定であっても摩擦力にバラツキが生じていたが、本構成では摺動部材が動力伝達に関わることがなく摩擦力の変動が殆どなく小さくすることができて安全クラッチが作動開始する作動トルクの変動を小さくし、安定化させることができ、さらには、部品による作動トルクの変動も抑制できるので、加工精度の見直しや部品共有化による部品コストの低減を図ることができるのである。
【0056】
さらに、前記動力伝達部材184のボス部184d上で従動側摺動体183が外嵌された外周面の一部には、リング状の油溝184cが欠成され、該油溝184cには潤滑油やグリス等の潤滑材を充填させており、これにより、動力伝達部材184の外側に遊嵌した従動側摺動体183が前後摺動する際の摩擦力を、できるだけ小さくするようにしている。
【0057】
すなわち、前記動力伝達部材184と、従動側摺動体183との間には、容易に摺動できるようにするための潤滑材充填部を形成しており、具体的には潤滑油を注入可能な油溝184cを形成するので、動力断接に直接関わらない付勢部材において、断接時にかかる摺動抵抗を小さくして、断接の作動トルクを決める付勢圧の一層の安定化を図ることができるのである。
【0058】
続いて、前記条止めクラッチ62について説明する。なお、本実施例における条止めクラッチ62は、前記安全クラッチ61より後部の植付アーム軸93上に設けられ、該植付アーム軸93への植付駆動軸92からの動力を断接するものである。
【0059】
図7、図11、図12に示すように、植付アーム軸93には、摺動側クラッチ爪186が摺動可能にスプライン嵌合しており、植付アーム軸93及び摺動側クラッチ爪186は一体となって回動する一方、該摺動側クラッチ爪186と噛合する固定側クラッチ爪187は、植付アーム軸93に相対回転自在に遊嵌されている。該固定側クラッチ爪187では、その軸187aの外周上にベベルギア187bが形成され、該ベベルギア187bは、前記植付駆動軸92後端に固設のベベルギア60と噛合しており、固定側クラッチ爪187が植付アーム軸93を中心に回動する。
【0060】
前記伝動パイプ55後部の上面に立設されたブラケット部55hには回動軸73aが左右に貫入され、該回動軸73aには、クラッチアーム73が枢支され、該クラッチアーム73はL字型で、その一端(本実施例において前方)には、バネ52aを介してワイヤ52が連結されており、該ワイヤ52によりクラッチアーム73を操作できるように構成されている。そして、該ワイヤ52の他端は、前記座席13左側方に配置した条止めクラッチレバー146・146・146(図2)に連結されている。一方、クラッチアーム73の他端(本実施例において後方)は、二股状に分岐する分岐部が形成されており、該分岐部で伝動パイプ55後部内に挿入するピン109を挟み込んで、止めピン108で回動自在に支承している。
【0061】
このような構成において、前記ワイヤ52を操作してクラッチアーム73を回動すると、伝動パイプ55後部内にピン109が挿脱され、挿入されたピン109の先端は、摺動側クラッチ爪186に形成されたカム部186aに当接し、ピン109が押し込まれることによって摺動側クラッチ爪186が固定側クラッチ爪187と離れる方向へ摺動し、条止めクラッチ62が「OFF」状態となる。これにより、植付アーム軸93に動力が伝達されなくなり、回転ケース22・22や植付爪17・17・・は駆動されずに、二条は植付作業しない。
【0062】
なお、通常は、摺動側クラッチ爪186は、バネ113によって固定側クラッチ爪187側に付勢され、条止めクラッチ62が「ON」状態となるように構成されると共に、クラッチアーム73は、該クラッチアーム73を操作するためのワイヤ52に取り付けられたバネ52aによって、条止めクラッチ62が「ON」状態となるように付勢されている。
【0063】
このような条止めクラッチ62や前記安全クラッチ124は、いずれも、部品点数が多く正確に組み立てるには大変な手間を要するが、植付伝動フレーム20よりも小さな単位である植付ユニット29側に設けられているため、組立工程が簡易化され、さらに、メンテナンス時にも故障している安全クラッチ124や条止めクラッチ62を具備する植付ユニット29のみをメンテナンスすれば足りるため、メンテナンス性が大きく向上する。
【0064】
次に、前記植付伝動フレーム20上方の苗載台16の横送り機構、その変速機構、及び横送りのために苗載台16に設けた苗載台アームについて、図4、図6、図7、図18乃至図25により説明する。図6、図18に示すように、横送り機構では、前記横送り変速機構125内で変速された動力が横送り軸47に伝達されるが、該横送り軸47には、滑り子摺動用の溝47aが穿設されると共に、横送り軸47の外周面上には、滑り子受け137が遊嵌され、該滑り子受け137内に付設されている滑り子138が、前記溝47aに嵌入されている。
【0065】
このような構成において、横送り軸47が回動すると、回動に伴って滑り子138が溝47a内を摺動し、この滑り子138を内設した滑り子受け137も、横送り軸47上を左右に往復動する。そして、この往復動する滑り子受け137後部には、後述する連結体を介して前記苗載台16が連結されており、苗載台16は横送り軸47の回動によって左右往復動されることとなる。
【0066】
また、図7、図18、図19に示すように、この横送り軸47に動力を変速して伝達する横送り変速機構125においては、前記左側十字管継手41Lの外側面に、横送り変速ケース46が固設され、該変速ケース46には、変速入力軸78が左右方向に軸支されると共に、該変速入力軸78の右端は、左側十字管継手41Lに支承された前記ベベルギア74を介して前記左伝動軸91に連結連動されており、伝動軸91からの動力を変速入力軸78に伝達するようにしている。
【0067】
該変速入力軸78上には、内側から順に、シフター64と、該シフター64を外嵌固定して、変速入力軸78上のスプラインを左右に摺動して変速切換する変速部材となる変速摺動体63と、該変速摺動体63左端が係合可能な3段の変速ギア133a・133b・133cが配置され、前記シフター64を左右に摺動することにより、変速摺動体63を介して変速入力軸78が変速ギア133a・133b・133cのいずれかと係合するようにしている。
【0068】
さらに、該変速ギア133a・133b・133cには、変速出力ギア134a・134b・134cがそれぞれ噛合され、該変速出力ギア134a・134b・134cには、前記変速入力軸78に平行に軸支した変速出力軸79が挿嵌固定されており、該変速出力軸79は、縦送りカム軸88等を介して前記横送り軸47に連結されている。
【0069】
このような構成において、シフター64を左右に摺動操作すると、伝動軸91からの動力は、変速入力軸78→変速摺動体63→変速ギア133→変速出力ギア134→変速出力軸79のようにして伝達され、該変速出力軸79に連結された横送り軸47の回転速度を変速することができる。
【0070】
そして、図20乃至図22に示すように、このような横送り変速機構125には、前記シフター64の左右摺動操作を行う変速操作部94を設けている。該変速操作部94においては、変速入力軸78の内側(図21では下側)に設けた前記シフター64にはシフトフォーク96の一端が嵌合され、該シフトフォーク96の他端は、フォーク軸を兼用したシフト軸95に固設され、該シフト軸95は、横送り変速ケース46内に、変速入力軸78に平行にスライド可能に軸支されている。
【0071】
シフト軸95の一端は(図21では上側)は、横送り変速ケース46の外側面46aから突出され、他端にはデテント機構161が配置され、一端の突出部95aの外端には、操作部材となる球状の把持体97が嵌設されると共に、シフト軸95の突出部95aの外周には、変速段判別用のリング溝状の目印95bが欠切形成されている。さらに、該突出部95aの外周の一部を覆うようにして、円弧板状のリブ98が前記外側面46aからシフト軸95と平行に外方に突設され、該リブ98の外側縁98aと、前記目印95bとの位置関係とから、シフト軸95のスライド量(変速位置)を判別できるようにしている。なお、目印95bは変速段が増加すると二つ以上設けることも可能である。また、前記リブ98と把持体97との位置関係から変速位置を判別できるようにすることも可能である。
【0072】
このような構成において、目印95bと外側縁98aとの位置関係からスライド量を確認しつつ、シフト軸95を押し引きすると、前記シフター64がシフトフォーク96により所定位置まで精度良く摺動され、変速入力軸78と希望する変速段の変速ギア133とが確実に係合されることとなる。例えば、横送り回数が、目印95bが見えない位置(横送り変速ケース46の外側面46aと略同位置)では26回、リブ98の先端(外側縁98a)と目印95bが一致する位置では20回、リブ98よりも外側に目印95bが位置するときは18回としている。
【0073】
すなわち、植付部15上の苗載台16を左右往復動させる横送り機構を備え、該横送り機構を駆動する横送り軸47を変速可能な横送り変速機構125を設けた田植機において、該横送り変速機構125に備える変速部材である変速摺動体63に連動連結したシフト軸95の一端を横送り変速ケース46より突出し、該突出部95aに直接操作可能な変速操作部94を設けたので、変速軸に連結連動する複数のリンク機構を介して間接操作する場合に比べて、変速操作部94全体の構造が単純となり組立性・メンテナンス性が向上すると共に、部品点数が削減されて部品コストも減少する。
【0074】
さらに、突出部95aに目印95bを形成し、前記横送り変速ケース46の突出部95a近傍には突部であるリブ98を設け、該リブ98と目印95bとの位置関係から変速段を判別可能に構成したので、変速段判別用の目盛りの付いた銘板を取り付ける必要がなく、部品点数が削減されて部品コストを低減できる。
【0075】
なお、図22に示すように、必要に応じて、前記横送り変速ケース46の外側面46a上や運転部近傍などに、横送り変速の切換要領の説明図を記載した銘板等を貼付してもよい。これにより、植付作業中に横送りの変速段を切替しようとして要領を忘れた場合でも、わざわざ取扱説明書を確認する必要がなく、迅速に切り替えることができ、植付作業を中断することがなく作業効率が向上する。また、シフト軸95の突出部95a外周面上に順に1速・2速・3速と付して、横送り変速ケース46から突出した部分の変速段の変速位置を読むことで、変速段を理解できるようにすることもできる。
【0076】
また、図4、図23乃至図25に示すように、苗載台16の前面部(苗マットを載せる面と反対側の面)には上下の支持部材67・66が固設され、このうちのレール上の下支持部材66の上方で苗載台16の下部には、苗搬送ベルト駆動軸99が回動自在に横架され、さらに該苗搬送ベルト駆動軸99の上方には、平行に縦送り従動軸100が回動自在に支持されている。
【0077】
該縦送り従動軸100と前記苗搬送ベルト駆動軸99上には、それぞれ各条毎に縦送りローラー101・101・・・が外嵌固定され、該縦送りローラー101・101・・・の表側は、苗載台16に設けた開口部より突出させた状態で、上下の縦送りローラー101・101間に苗搬送ベルト65が巻回されている。
【0078】
そして、このうちの苗搬送ベルト駆動軸99は、苗載台16の左右略中央と左右端に設けた軸受け102に回動可能に軸支され、該軸受け102の上部には、上苗載台アーム104が締結部材105により締結固定されている。さらに、該上苗載台アーム104の直下方位置の前記下支持部材66には、下苗載台アーム103が締結部材106により締結固定され、該下苗載台アーム103と前記上苗載台アーム104は、往復動する前記滑り子受け137を連動連設する連結体107と固着している。
【0079】
すなわち、横送り機構により苗載台16を左右往復動させるため苗載台16に設ける苗載台アームを、苗搬送ベルト65間の軸受け102と、苗載台16下部の下支持部材66に固定したので、高強度部材を用いた部位に苗載台アームを取り付けることができ、従来のような補強部材が不要となり、部品コストの低減や機体軽量化を図ることができる。さらに、苗搬送ベルト65間に取り付けたので、固定のための締結部材が苗搬送ベルト65で隠れることがなく、組立性が改善されると共に、滑り子受け137との連結体107を幅広く支持することができて、苗載台アーム自体に要求される剛性も小さくて済み、苗載台アームの軽量・コンパクト化を図ることができるのである。
【0080】
次に、前記ロータリ植付装置21を備えた植付部15における疎植対応構成について説明する。ここで、疎植とは、植付作業の進行方向に対して、通常の標準植えにおける株間よりも大きな株間で苗を植え付けて栽培する移植栽培技術(以下「疎植植え」とする)であり、該疎植植えを行うことにより、標準植えに比べ、一株あたりの受光量が増して風通しが良くなり、一株一株を良好に成長させることができ、その結果、収穫量が増大し、品質・食味とも向上する。
【0081】
そこで、ロータリ植付装置21を備えた田植機において、このような疎植植えに対応する手段としては、図1に示す回転ケース22に備えた一対の植付爪17の一方を取り外して実際の植付間隔を倍にしたり、植付アーム軸93の回転速度を遅くする、といった技術が知られている。
【0082】
このうちの植付爪17の取り外しによる対応では株間設定の自由度が低いため、近年は、植付アーム軸93の回転速度をミッションケース等に内設した株間変速機構により調節した上で、植付爪17の回動軌跡を疎植植え用に変更することが実施されている。
【0083】
しかし、この場合、植付爪17の回動軌跡の上下幅が拡大され、圃場への苗の放出位置が標準植えよりも低い、いわゆる深植えとなるため、本実施例では、苗載台16の支持高さ、圃場に放出するまで苗を導く苗ガイドの取付位置、及び縦送り機構における苗の縦送り量等を、容易に調節可能な構成とし、疎植植えでも、所定数の苗を取りこぼすことなく圃場の適正深さにて放出できるようにしている。
【0084】
まず、このうちの苗載台16の支持高さ調節構造について、図4、図14、図26により説明する。前記苗台支持フレーム116は、左右の縦フレーム116b・116cと、該縦フレーム116b・116c上端間を連結する上フレーム116aとから成る正面視略門型状を呈し、該上フレーム116aの左右端と略中央には、それぞれ支持ステー153が立設されている。該支持ステー153には、3個の取付孔153a・153b・153cが上から順に開口されると共に、支持ステー153の側方には、正面視コ字状の支持フレーム150が配置され、該支持フレーム150の側面にも、2個の取付孔150a・150bが開口されており、該取付孔150a・150bと、前記取付孔153a・153b・153cのいずれか2個に、ボルトなどの2本の固定具154・154を挿嵌して連結固定できるようにしている。
【0085】
そして、支持フレーム150の上下面150c・150dには、それぞれ摺動孔150e・150fが開口され、該摺動孔150e・150fには、上端に苗台支持シュー147を嵌合した支持ピン149が摺動可能に挿通され、該支持ピン149の下端に固設した円盤状のストッパ152と、前記下面150dとの間の支持ピン149の外周には、前記苗台支持シュー147を上方に付勢するバネ151が外嵌されて、取付具148が構成されている。
【0086】
このような構成において、標準植えを行う標準仕様の場合には、取付具148の取付孔150a・150bと、支持ステー153の下側2個の取付孔153b・153cに、固定具154・154を挿嵌して連結固定し、疎植植えを行う疎植仕様の場合には、取付具148の取付孔150a・150bと、支持ステー153の上側2個の取付孔153a・153bに、固定具154・154を挿嵌して連結固定するだけで、苗台支持シュー147の高さ、つまり、該苗台支持シュー147上の苗載台16の取付高さを、上下2段階に容易に変更できるようにしている。
【0087】
すなわち、苗台支持フレーム116に立設した支持ステー153と、該支持ステー153に苗台支持シュー147を取り付ける取付具148には、複数の取付孔153a・153b・153c・150a・150bを設け、支持ステー153の取付孔153a・153b・153cと、取付具148の取付孔150a・150bとの間の連結位置を変更することにより、苗台支持シュー147の高さを変えて苗載台16の支持高さを自在に調節可能な構成としたので、標準仕様から疎植仕様へ組み替える際、苗載台16の支持高さを変更するための専用の支持部材を別途準備する必要がなく、部品コストの削減や管理負担の軽減、及び組み替えにかかる作業時間の短縮を図ることができるのである。
【0088】
続いて、圃場に放出するまで苗を導く苗ガイドの取付位置調節構造について、図14、図17、図27、図28により説明する。前記下ガイドレール18は、側面視L字状を呈すると共に、下ガイドレール18下面には、側面視L字状の取付具110の上面が当接され、該取付具110の下面には、左右略中央に板状の補強用の部材110c・110cが垂設されている。そして、下ガイドレール18の上下部18a・18bと取付具110の上下部110a・110bとは、それぞれボルトなどの締結具112により締結固定可能な構成としている。
【0089】
このうち、下ガイドレール18の下部18bと、取付具110の下部110bとの間には、苗ガイド111上部の取付部111aが挟持され、該取付部111aには、前記締結具112を挿通可能な長孔111bが開口されている。
【0090】
このような構成において、標準仕様と疎植仕様との間で組み替える場合には、取付具112を緩めた後、苗ガイド111を、前記長孔111b沿いに位置117と位置118との間で摺動させ、植付爪17の回動軌跡に適した位置にきたら締結具112を締め付け、苗ガイド111の取付部111aを、下ガイドレール18と取付具110との間で挟持固定させるのである。
【0091】
すなわち、苗載台16の下部を支持して左右に摺動する下ガイドレール18を設け、該下ガイドレール18には、苗を圃場まで導く苗ガイド111を取り付け、該苗ガイド111には、前記下ガイドレール18への取付位置を自在に調節可能な長孔111bを設けたので、下ガイドレール18への苗ガイド111の取付位置を簡単な構成により容易に変更することができ、疎植仕様化に伴う植付爪17の回動軌跡の変更に対応した苗ガイドを別途準備する必要がなく、部品コストの削減、管理負担の軽減等を図ることができる。
【0092】
続いて、縦送り機構における苗の縦送り量調節機構について、図6、図17、図29乃至図33により説明する。図6、図17、図31乃至図33に示すように、前記縦送りカム軸88には縦送りカム86・86が固設され、縦送りカム軸88の回転に伴い縦送りカム86・86が回転する。そして、該縦送りカム86・86には、側面視へ字状の従動カム81が当接され、該従動カム81は、苗載台16下部で苗搬送ベルト65を駆動する前記苗搬送ベルト駆動軸99上に設けられている。さらに、従動カム81の途中部には、取付部材159が係合され、該取付部材159には、縦送り連動ワイヤ155を介して前記苗取り量調節レバー139の下部が連結されている。
【0093】
このような構成において、標準仕様の場合の縦送りは次のようにして行われる。つまり、図32に示しように、苗載台16下部の前記従動カム81が、上記の横送り機構により左右往復動する苗載台16のストロークエンドにおいて、常時回転している前記縦送りカム86の回動軌跡42内に入って接当揺動されると、左側面視で時計回りに回動される。そして、この従動カム81の時計回りの回動力は、図示せぬ一方向回転クラッチを介して苗搬送ベルト駆動軸99に伝達され、前記苗搬送ベルト65を駆動して苗の縦搬送が行われる。従動カム81が初期位置38から最終位置39まで回動し縦送りカム86から外れた後は、バネ43の付勢力によって反時計回りに復帰揺動し、一回の縦送り作動が完了する。
【0094】
さらに、苗取り量調節レバー139を回動して苗取り量を変更した場合には、それに連動して、苗搬送ベルト駆動軸99の回動角度156(初期位置38〜最終位置39)を調節して縦送り量を変更し、植付が正常に行われるようにしている。例えば、苗取り量調節レバー139を、図17中矢印で示す方向に回動させて苗載台16を上昇させ、苗取り量を減らすると、それに伴い縦送り連動ワイヤ155も牽引され、従動カム81の初期位置が、通常の初期位置38よりも高くなり、その結果、苗搬送ベルト駆動軸99の回動角度も、通常の回動角度156よりも小さくなり、縦送り量が苗取り量に見合った量まで減少するのである。
【0095】
一方、疎植仕様の場合には、植付爪17の回動軌跡の変更に対応すべく前述のように苗載台16を上昇させるが、この際、苗搬送ベルト駆動軸99も一緒に位置68から位置69まで上昇するため、このままでは、図33に示すように、従動カム81の回動角度は、標準仕様での前記回動角度156よりも小さい回動角度158(初期位置140〜最終位置120)となり、通常の縦送り量が減少することとなる。
【0096】
そこで、本実施例では、前記縦送り連動ワイヤ155の長さを調節可能な構成としている。例えば、縦送り連動ワイヤ155の長さを長くして、図32、図33に示すように、従動カム81の初期位置を140よりも前下方の119まで回動させると、標準仕様での回動角度156と略同一の回動角度157(初期位置119〜最終位置120)が得られ、標準仕様での通常の縦送り量を確保することができる。
【0097】
すなわち、縦送り用の苗搬送ベルト65を駆動する従動カム81に縦送り連動ワイヤ155を連結し、該縦送り連動ワイヤ155により、前記従動カム81の縦送りカムとの接当位置を調節可能な構成としたので、標準仕様から疎植仕様へ組み替える際、専用の縦送りカム86を別途準備することなく標準仕様と同じ縦送り量が得られるため、部品の共有化が図れ、仕様の違いによる組間違い等もなく、さらには、送り不足による欠株や送りすぎによる苗崩れなどの発生を防止し、植付け姿勢が安定する。
【0098】
なお、図6、図29、図30に示すように、前記縦送りカム軸88と、左右のジョイントパイプ135・136との間は、自動調芯機構を備えた自動調芯継手部188・189を介して連結されている。
【0099】
このうちの左側の自動調芯継手部188においては、前記連結パイプ57L上方に支持された支持部材121の左側面に、合成樹脂等の弾性体から成る支持体48の鍔部48aが締結具50により締結固定され、該支持体48の内側の球面凹部48bには、合成樹脂等の弾性体から成る球面軸受け76が内挿され、調芯可能に配置されている。
【0100】
そして、該球面軸受け76には、連結軸54が挿通固定され、該連結軸54の左右端には、前記ジョイントパイプ135の右端と縦送りカム軸88の左端とが外嵌固定されており、このような自動調芯継手部188を介して、左側のジョイントパイプ135を縦送りカム軸88に調芯可能に連結している。なお、右側の自動調芯継手部189も略同一な構成であり、縦送りカム軸88を右側のジョイントパイプ136に調芯可能に連結している。
【0101】
これにより、前記横送り変速機構125からの回動力が、ジョイントパイプ135→縦送りカム軸88→ジョイントパイプ136→横送り軸47のように、多数の部材を介して伝達されても、前記自動調芯継手部188・189を介するので、調芯性が向上して、部材間の同芯が容易に出るようになる。
【0102】
すなわち、縦送りカム軸88の軸受けに、自動調芯機構を有する軸受け76を適用したので、低い組付精度でも同芯が容易に出るので、こじれによる部材間の損傷を防止でき、さらに、軸受けの寿命も改善することができるのである。
【0103】
次に、植付部15の線引きマーカ191L・191Rのワイヤ取付構成について、図3、図34により説明する。なお、左右の線引きマーカ191L・191Rの取付構成は略同一であるため、左側の線引きマーカ191Lについて説明し、右側の線引きマーカ191Rの説明は省略する。
【0104】
前記植付伝動フレーム20の連結パイプ57Lの左端には支持部材115が固設され、該支持部材115の左側面からは、支持パイプ192が外方に延設されて、該支持パイプ192の先端部には、パイプ状のピン支持部193が形成されている。そして、該ピン支持部193には、回動軸194が回動自在に挿通され、該回動軸194の一側端部に、線引きマーカ191Lの基部を構成する起伏板195が固設され、該起伏板195には、線引きマーカ191Lの支持杆196が溶接固定されており、前記回動軸194を回動支点として、線引きマーカ191Lが昇降回動可能となっている。
【0105】
さらに、前記起伏板195の前側における回動軸194の左右方向外側に構成した係止孔197には、マーカ用コイルバネ198の一端が係止される一方、該マーカ用コイルバネ198の他端は、前記支持パイプ192の下面に溶接固定された係止具199に係止させることで、マーカ用コイルバネ198の付勢力により係止孔197を引っ張るようにして、起伏板195を回動軸194を中心に回転するように構成し、線引きマーカ191Lの支持杆196が、常時左右外方へ張り出す方向に付勢されるようにしている。
【0106】
そして、前記回動軸194を挟んで、係止孔197と対向する位置には、係止凸部200が形成され、該係止凸部200には、マーカ引上ワイヤ201の一端が緩衝用のバネ202を介して係止され、該マーカ引上ワイヤ201の他端は、前記ロワーリンク26に係止されている。
【0107】
このような構成において、植付を終了し、前記植付部昇降レバー71の操作で、図示せぬ昇降シリンダによりトップリンク25及びロワーリンク26を上昇させると、マーカ引上ワイヤ201が牽引されて起伏板195が回動し、線引きマーカ191Lが引き上げられる。逆に、図示せぬ昇降シリンダによりトップリンク25及びロワーリンク26を下降させ、植付部昇降レバー71を操作すると、マーカスイッチがONとなり、ONした側のアクチュエータ(ソレノイドまたはモータ等)の駆動でマーカ引上ワイヤ201が弛められて起伏板195が回動自由な状態になり、マーカ用コイルバネ198の付勢力によって、起伏板195が回動して、線引きマーカ191Lが圃場側に広がって、張出し状態となる。
【0108】
そして、前記支持パイプ192の基部は、補強ステー204により連結支持され、該補強ステー204は、植付伝動フレーム20左端に設けた前記支持部材203の前端に固設されており、植付伝動フレーム20によって、支持パイプ192の支持強度を高めるようにしている。
【0109】
さらに、この補強ステー204には、前記マーカ引上ワイヤ201のアウタ受け205が組み込まれており、これにより、該アウタ受け205を、植付伝動フレーム20からの補強部材で兼用できるようにしている。
【0110】
すなわち、線引きマーカ191の支持パイプ192を、植付伝動フレーム20と接続した補強ステー204により支持し、該補強ステー204に、マーカ引上ワイヤ201のアウタ受け205を設けたので、アウタ受け205を別部材として別途設ける必要がなく、線引きマーカ191の構成を軽量・コンパクトにすることができ、さらに、アウタ受け205が植付伝動フレーム20と支持パイプ192により両持ち支持されるため、支持強度が増加し、アウタ受け205自体を軽量化することができるのである。
【0111】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
請求項1に示すように、走行機体から植付部の駆動軸(92)に動力伝達して、植付装置(21)を駆動する田植機において、植付伝動フレーム(20)の入力軸(91)から駆動軸(92)に伝達された動力によって植付装置(21)が駆動される時に、該駆動軸(92)に設定トルク以上の過負荷が掛かると、自動的に該駆動軸(92)への動力の伝達を断絶する安全クラッチ(124)を配設し、該安全クラッチ(124)は、前記駆動軸(92)の周囲にスプライン部(92b)を固設し、該スプライン部(92b)と略同一径の先端部(92c)を一体的に延出形成し、該駆動軸(92)のスプライン部(92b)に、動力伝達部材(184)をスプライン嵌合し、該動力伝達部材(184)の外周に、軸心方向に摺動可能に該従動側摺動体(183)を遊嵌し、該駆動軸(92)に固設したバネ受け部材(45)と、該スプライン部(92b)の該従動側摺動体(183)との間に、該従動側摺動体(183)を係合側へ付勢する付勢部材(44)を外嵌し、該駆動軸(92)に駆動側係合体(182)を遊嵌し、該駆動側係合体(182)の外周に、植付入力ギアをスプライン嵌合し、前記動力伝達部材(184)の外周には鍔部(184a)を形成し、該鍔部(184a)に前後方向に開口したクラッチ孔(184b)に、動力断接部材となる複数の動力伝達ボール(185)を内挿し、該動力伝達ボール(185)は、前記駆動側係合体(182)の背面で後方に開いた傾斜面を設けた凹部(182a)と、前記従動側摺動体(183)との間に配置し、通常は、前記付勢部材(44)で前方に付勢されている該従動側摺動体(183)によって、駆動側係合体(182)側に付勢され、該動力伝達ボール(185)が前記凹部(182a)内に嵌合し、該動力伝達部材(184)が、動力伝達ボール(185)を介して駆動側係合体(182)に係合され、該安全クラッチ(124)が「ON」状態となるので、動力伝達部材と動力断接部材と摺動部材が同一部材であった場合に比べて、摺動部材の摩擦力が動力の断接に与える力が小さくなり、安全クラッチが作動開始する作動トルクの変動を小さくし、安定化させることができる。
【0112】
請求項2に示すように、前記動力伝達部材(184)上に該従動側摺動体(183)を配置し、該動力伝達部材(184)と該従動側摺動体(183)の間には、潤滑剤を注入可能な溝(184c)を形成したので、動力断接部材の摺動に要する力を更に小さくすることができ、作動トルクの一層の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係る田植機の全体構成を示した側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 植付部の左斜め背面からの斜視図である。
【図4】 同じく側面図である。
【図5】 同じく平面図である。
【図6】 植付伝動フレームの全体を示す平面断面図である。
【図7】 植付伝動フレームの左部を示す平面断面図である。
【図8】 植付伝動フレームの中央部を示す平面断面図である。
【図9】 植付伝動フレームの右部を示す平面断面図である。
【図10】 安全クラッチを示す植付ユニット基部の平面断面図である。
【図11】 条止めクラッチを示す植付ユニット先部の平面断面図である。
【図12】 植付ユニット先部の側面図である。
【図13】 フロートの前下がりストッパを示すフロート周囲の側面図である。
【図14】 植付部の右斜め背面からの斜視図である。
【図15】 苗取り量調節レバー周辺の斜視図である。
【図16】 同じく拡大斜視図である。
【図17】 同じく側面図である。
【図18】 横送り機構を示す横送り軸周辺の平面一部断面図である。
【図19】 横送り変速機構を示す横送り変速ケースの平面断面図である。
【図20】 同じく側面図である。
【図21】 図20におけるX−X矢視図である。
【図22】 説明用のプレートを設けた横送り変速ケースの側面図である。
【図23】 苗載台アームの支持構成を示す苗載台下部の側面図である。
【図24】 同じく拡大側面図である。
【図25】 同じく正面図である。
【図26】 苗載台の支持高さ調節構造を示す苗台支持シュー周囲の斜視図である。
【図27】 苗ガイドの取付位置調節構造を示す苗ガイド周囲の側面図である。
【図28】 同じく下面図である。
【図29】 縦送りカム軸周囲の平面断面図である。
【図30】 自動調芯継手部の平面一部断面図である。
【図31】 縦送り量調節機構を示す苗搬送ベルト駆動軸周囲の側面図である。
【図32】 縦送り量調節機構を示す模式図である。
【図33】 従来の縦送り量調節を示す模式図である。
【図34】 線引きマーカのワイヤ取付構成を示す線引きマーカ基部周囲の斜視図である。
【符号の説明】
44 付勢部材
91 入力軸
92 駆動軸
124 安全クラッチ
183 摺動部材
184 動力伝達部材
184c 溝
185 動力断接部材

Claims (2)

  1. 走行機体から植付部の駆動軸に動力伝達して、植付装置(21)を駆動する田植機において、植付伝動フレーム(20)の入力軸(91)から駆動軸(92)に伝達された動力によって植付装置(21)が駆動される時に、該駆動軸(92)に設定トルク以上の過負荷が掛かると、自動的に該駆動軸(92)への動力の伝達を断絶する安全クラッチ(124)を配設し、該安全クラッチ(124)は、前記駆動軸(92)の周囲にスプライン部(92b)を固設し、該スプライン部(92b)と略同一径の先端部(92c)を一体的に延出形成し、該駆動軸(92)のスプライン部(92b)に、動力伝達部材(184)をスプライン嵌合し、該動力伝達部材(184)の外周に、軸心方向に摺動可能に従動側摺動体(183)を遊嵌し、該駆動軸(92)に固設したバネ受け部材(45)と、該スプライン部(92b)の該従動側摺動体(183)との間に、該従動側摺動体(183)を係合側へ付勢する付勢部材(44)を外嵌し、該駆動軸(92)に駆動側係合体(182)を遊嵌し、該駆動側係合体(182)の外周に、植付入力ギアをスプライン嵌合し、前記動力伝達部材(184)の外周には鍔部(184a)を形成し、該鍔部(184a)に前後方向に開口したクラッチ孔(184b)に、動力断接部材となる複数の動力伝達ボール(185)を内挿し、該動力伝達ボール(185)は、前記駆動側係合体(182)の背面で後方に開いた傾斜面を設けた凹部(182a)と、前記従動側摺動体(183)との間に配置し、通常は、前記付勢部材(44)で前方に付勢されている該従動側摺動体(183)によって、駆動側係合体(182)側に付勢され、該動力伝達ボール(185)が前記凹部(182a)内に嵌合し、該動力伝達部材(184)が、動力伝達ボール(185)を介して駆動側係合体(182)に係合され、該安全クラッチ(124)が「ON」状態となることを特徴とする田植機の安全クラッチ。
  2. 請求項1記載の田植機の安全クラッチにおいて、前記動力伝達部材(184)上に前記従動側摺動体(183)を配置し、該動力伝達部材(184)と該従動側摺動体(183)の間には、潤滑剤を注入可能な溝(184c)を形成したことを特徴とする田植機の安全クラッチ。
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