JP2003222156A - 安全クラッチ - Google Patents

安全クラッチ

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JP2003222156A JP2002022828A JP2002022828A JP2003222156A JP 2003222156 A JP2003222156 A JP 2003222156A JP 2002022828 A JP2002022828 A JP 2002022828A JP 2002022828 A JP2002022828 A JP 2002022828A JP 2003222156 A JP2003222156 A JP 2003222156A
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秀樹 松岡
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綱丈 山下
Satoshi Fudeyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の田植機の植付部等には、伝達部材を係
合した上で駆動軸上に遊嵌された駆動側係合体と、該駆
動側係合体に隣接して同じ駆動軸上にスプライン嵌合さ
れた従動側係合体と、該従動側係合体を前記駆動側係合
体の方に付勢するバネ等の押圧弾性部材とから成る安全
クラッチが具備されていたが、従動側係合体からの動力
を断絶する際、従動側係合体は負荷がかかった状態でス
プライン上を摺動するため、安全クラッチの作動開始ト
ルクが安定しない、という問題があった。 【解決手段】 入力軸91と駆動軸92の間に動力断接
部材185を配置し、該駆動軸92上には、動力断接部
材185から駆動軸92へ動力を伝達する動力伝達部材
184と、付勢部材44により付勢される摺動部材18
3を設け、前記動力断接部材185と摺動部材183を
別体とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動力を伝達する
駆動軸上に配設され、設定トルク以上の負荷がかかると
動力の伝達を断絶する安全クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】田植機の植付部等においては、石を噛ん
だりしてメカロックした場合等に、ギア等の動力伝達部
材の破損を防止するため、一定トルク以上の負荷が掛か
ると伝動が自動的に切れるよう構成した安全クラッチが
伝動機構の適所に設けられている。例えば、植付爪に動
力を伝達する植付伝動フレーム内のクラッチ軸上に安全
クラッチを配置している。該安全クラッチは、ベベルギ
ア等の伝達部材を係合した上で駆動軸上に遊嵌された駆
動側係合体と、該駆動側係合体に隣接して同じ駆動軸上
にスプライン嵌合された従動側係合体と、該従動側係合
体を前記駆動側係合体の方に付勢するバネ等の押圧弾性
部材とから構成されている。これにより、通常は、前記
押圧弾性部材の弾性力によって、従動側係合体が駆動側
係合体の方に付勢されているため、爪式クラッチの場合
は爪部が咬合され、ボール式クラッチの場合はボールが
押圧されることにより、従動側係合体と駆動側係合体が
係合されて、伝達部材からの動力が駆動側係合体から従
動側係合体を介して駆動軸に伝達される。そして、石を
噛んだりしてメカロックされ、設定トルク以上の負荷が
かかると、押圧弾性部材の弾性力に抗して従動側係合体
が駆動側係合体から離間して動力を伝達しない構造とな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
安全クラッチでは、従動側係合体を介して駆動軸へ入力
されるときに、設定した大きさ以上の負荷が従動側にか
かると、従動側係合体と駆動軸間の摩擦力に抗して、従
動側係合体は摺動しなければならないが、負荷がかかっ
た状態でスプライン上を摺動するため、安全クラッチが
作動開始するトルク(以下「作動トルク」とする)が変
化して安定しない、という問題があった。また、負荷の
大きさによって摩擦力も変化するため、それによって
も、作動トルクが変化して安定しない、という問題があ
った。さらに、前記摩擦力は、従動側係合体や駆動軸の
係合部の状態、例えば加工面の面粗度や油付着状況によ
っても大きく異なるため、作動トルクは個々の部品によ
っても変化して安定しない、という問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。すなわち、請求項1においては、
入力軸と駆動軸の間に配置して設定トルク以上の負荷が
かかると動力の伝達を断絶する安全クラッチにおいて、
前記入力軸と駆動軸の間に動力断接部材を配置し、該駆
動軸上には、動力断接部材から駆動軸へ動力を伝達する
動力伝達部材と、付勢部材により付勢される摺動部材を
設け、前記動力断接部材と摺動部材を別体としたもので
ある。請求項2においては、前記動力伝達部材上に摺動
部材を配置し、該動力伝達部材と摺動部材の間には、潤
滑剤を注入可能な溝を形成するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について説
明する。図1は本実施例に係る田植機の全体構成を示し
た側面図、図2は同じく平面図、図3は植付部の左斜め
背面からの斜視図、図4は同じく側面図、図5は同じく
平面図、図6は植付伝動フレームの全体を示す平面断面
図、図7は植付伝動フレームの左部を示す平面断面図、
図8は植付伝動フレームの中央部を示す平面断面図、図
9は植付伝動フレームの右部を示す平面断面図、図10
は安全クラッチを示す植付ユニット基部の平面断面図、
図11は条止めクラッチを示す植付ユニット先部の平面
断面図、図12は植付ユニット先部の側面図、図13は
フロートの前下がりストッパを示すフロート周囲の側面
図、図14は植付部の右斜め背面からの斜視図、図15
は苗取り量調節レバー周辺の斜視図、図16は同じく拡
大斜視図、図17は同じく側面図、図18は横送り機構
を示す横送り軸周辺の平面一部断面図、図19は横送り
変速機構を示す横送り変速ケースの平面断面図、図20
は同じく側面図、図21は図20におけるX−X矢視
図、図22は説明用のプレートを設けた横送り変速ケー
スの側面図、図23は苗載台アームの支持構成を示す苗
載台下部の側面図、図24は同じく拡大側面図、図25
は同じく正面図、図26は苗載台の支持高さ調節構造を
示す苗台支持シュー周囲の斜視図、図27は苗ガイドの
取付位置調節構造を示す苗ガイド周囲の側面図、図28
は同じく下面図、図29は縦送りカム軸周囲の平面断面
図、図30は自動調芯継手部の平面一部断面図、図31
は縦送り量調節機構を示す苗搬送ベルト駆動軸周囲の側
面図、図32は縦送り量調節機構を示す模式図、図33
は従来の縦送り量調節を示す模式図、図34は線引きマ
ーカのワイヤ取付構成を示す線引きマーカ基部周囲の斜
視図である。
【0006】まず、本発明に係る田植機の全体構成につ
いて、図1乃至図4、図6により説明する。なお、本実
施例において田植機は六条植え式の植付部を搭載した乗
用田植機としているが、歩行式の田植機や四条植え式で
もよく、これに限定されるものではない。
【0007】図1、図2に示すように、乗用田植機にお
いては、走行部1の後部に昇降リンク機構27を介して
植付部15が配置され、このうち走行部1は、機体フレ
ーム3前部上方にエンジン2を搭載し、前下部にはフロ
ントアクスルケース5を介して前輪6を支持させると共
に、後部にはリアアクスルケース7を介して後輪8を支
持している。
【0008】そして、前記エンジン2はボンネット9に
覆われ、該ボンネット9の両側には、予備苗載台30が
配設され、該ボンネット9の後部には、操向ハンドル1
4が配置されており、該操向ハンドル14の下部には、
操作パネル4等が配置されている。また、走行部1の機
体フレーム3を覆う機体カバー12は、ボンネット9後
部から座席13前部に渡ってメインステップ10を形成
し、該メインステップ10後部では、高く盛り上がって
その上に前記座席13が設けられている。
【0009】前記操向ハンドル14の左右両側方には、
主変速レバー51、植付部昇降レバー71、アクセルレ
バー61等が配設され、前記メインステップ10の前方
には油圧式無段変速装置を操作するための副変速ペダル
33及びブレーキレペダル32等が配設されている。
【0010】また、図1乃至図4に示すように、前記植
付部15は、苗載台16、植付爪17・17・・・、セ
ンターフロート34やサイドフロート35、及び苗載台
16を保護するサイドバンパー190、植付作業を行う
ときの目標となる線を圃場に描く線引きマーカ191等
から構成されている。このうちの苗載台16は、前高後
低に配設し、苗載台16の下部は下ガイドレール18、
前面の上部は上ガイドレール19によって左右往復摺動
自在に支持され、該上ガイドレール19と前記下ガイド
レール18は、植付伝動フレーム20に連設したフレー
ム等を介して支持されている。
【0011】そして、図6に示すように、前記植付伝動
フレーム20内には、伝動軸91L・91R、植付駆動
軸92・92・92、植付アーム軸93・93・93を
設け、該植付アーム軸93・93・93の左右両側に
は、一方向に回転する回転ケース22・22を配置し、
該回転ケース22・22には、前記植付爪17を備えた
植付体23を2個ずつ設けている。
【0012】また、図1、図3、図4に示すように、前
記植付伝動フレーム20の前部には、ローリング支点軸
を介してヒッチ24を設け、該ヒッチ24は、トップリ
ンク25とロワーリンク26を含む昇降リンク機構27
の後部に連結している。そして、該昇降リンク機構27
においては、前記ロワーリンク26に連結したリフトア
ーム28に図示せぬ昇降シリンダを連結し、該昇降シリ
ンダにより、昇降リンク機構27を昇降駆動できるよう
にしている。
【0013】そして、前記前輪6・6及び後輪8・8を
駆動して走行すると同時に、左右に往復摺動する苗載台
16から一株分の苗を、回動する回転ケース22・22
に設けた各植付爪17・17・・・によって取り出して
保持し、その保持した苗を圃場に達したとき放出して植
え付けることにより、連続的に苗の植付作業を行うよう
に構成している。
【0014】次に、前記植付部15のフレーム構成につ
いて、図3、図5、図6により説明する。前記植付駆動
軸92・92・92は伝動パイプ55・55・55に内
装され、該伝動パイプ55・55・55より後方の部材
から、各植付ユニット29が形成されている。
【0015】該植付ユニット29・29・29の前部に
おいては、伝動パイプ55・55・55が、十字管継手
41L・41C・41R及び入力十字管継手40を介し
て、連結パイプ57L・57C・57Rに連結され、平
面視櫛型の植付伝動フレーム20が形成されている。該
伝動パイプ55・55・55と連結パイプ57L・57
C・57R内に、前記伝動軸91L・91Rや植付駆動
軸92・92・92等が軸支されている。
【0016】この植付伝動フレーム20は、櫛型の開放
側を後方に向け、その左右の開放側端部の左右両側と中
央に、ロータリ植付装置21・21・・・を具備する前
記植付ユニット29・29・29が配置されている。
【0017】そして、植付伝動フレーム20の前部に
は、正面視略門型状の苗台支持フレーム116や、前記
苗載台16の後述する縦送り機構及び横送り機構を支持
する支持部等が設けられている。つまり、左側の連結パ
イプ57Lと右側の連結パイプ57Rには、前記苗台支
持フレーム116を支持するための支持部材115・1
15が固設され、さらに、左側の連結パイプ57Lに
は、縦送り機構の縦送りカム86の回動軸である縦送り
カム軸88を支承する支持部材121・121が固設さ
れ、入力十字管継手40と右側十字管継手41Rには、
横送り機構の横送り軸47を支承する支持部材122・
122が、前上方向きに突出した状態で固設されてい
る。
【0018】次に、前記植付伝動フレーム20の動力伝
達構成について、図1、図6乃至図9により説明する。
図1、図6、図8に示すように、田植機の走行部1から
後方に延出したPTO軸の後端には、ユニバーサルジョ
イントを具備したPTO取出軸90を介して入力ベベル
ギア49が連結され、該入力ベベルギア49は、前記入
力十字管継手40内に支承されると共に、同じ入力十字
管継手40内に支承されたベベルギア72と噛合して、
該ベベルギア72を外嵌固定した右伝動軸91Rへ動力
を伝達するようにしている。
【0019】図9に示すように、この右伝動軸91Rの
右端には、前記右側十字管継手41R内に支承されたベ
ベルギア70が外嵌固定され、該ベベルギア70は、右
側の植付ユニット29の前部の植付入力ベベルギア75
に噛合され、この植付ユニット29へ動力を伝達してい
る。
【0020】一方、図8に示すように、前記右伝動軸9
1Rの左端には、前記中央十字管継手41C内で筒状部
材123がスプライン嵌合され、該筒状部材123に
は、前記左伝動軸91Lの右端がスプライン嵌合され
て、右伝動軸91Rから左伝動軸91Lへ動力を伝達し
ている。そして、同じ中央十字管継手41C内におい
て、前記左伝動軸91L上には、ベベルギア77が外嵌
固定され、該ベベルギア77は、中央の植付ユニット2
9の前部の植付入力ベベルギア75に噛合され、この植
付ユニット29へ動力を伝達している。
【0021】図7に示すように、前記左伝動軸91Lの
左端には、前記左側十字管継手41Lに支承されたベベ
ルギア74が外嵌固定され、該ベベルギア74は、左側
の植付ユニット29の前部の植付入力ベベルギア75に
噛合され、この植付ユニット29へ動力を伝達してい
る。
【0022】このような構成により、PTO軸からの動
力は、植付ユニット29・29・29に伝達され、さら
に、後述する安全クラッチ124から前記植付駆動軸9
2・92・92を介して、ロータリ植付装置21・21
・・・に伝達され、植付爪17・17・・を回転して苗
の植付けを行っている。
【0023】そして、図6、図7に示すように、前記左
伝動軸91L左端のベベルギア74の左側には、後述す
る横送り変速機構125を介して変速出力軸79が連結
され、該変速出力軸79は、ジョイントパイプ135を
介して、縦送り機構の構成部材である前記縦送りカム軸
88の左端と連結され、さらに、該縦送りカム軸88の
右端は、ジョイントパイプ136を介して、横送り機構
の構成部材である前記横送り軸47と連結されており、
これら縦送り機構と横送り機構とは、横送り変速機構1
25によって調整された等しい回転動力により、駆動さ
れるようにしている。
【0024】次に、前記植付ユニット29・29・29
の構成について、図3、図7、図10乃至図17により
詳細に説明する。但し、上述の如く、左・右・中央の十
字管継手41L・41R・41Cから夫々一本ずつ連結
された伝動パイプ55・55・55や、ロータリ植付装
置21・21・21等により構成された植付ユニット2
9・29・29は、全て略等しい構成であるため、以降
の植付ユニット29の各種構成については、左側十字管
継手41Lに連結された植付ユニット29について説明
し、他は省略する。
【0025】図7、図10、図11に示すように、植付
ユニット29の伝動パイプ55は、前方の広がった円錐
状の筒体55aと、該筒体55aの左右側面から略水平
外方に延出された鍔部55bと、筒体55a前端に設け
た前フランジ部55cと、筒体55a後部の左右側面に
設けた後フランジ部55d・55dとから構成されてい
る。
【0026】そして、このうちの前フランジ部55cに
はカラー58が内挿され、該カラー58には、前記左側
十字管継手41Lの後端に固設された連結フランジ82
が外嵌され、該連結フランジ82と前記前フランジ部5
5cとを複数の締結部材84によって締結することによ
り、左側十字管継手41Lに植付ユニット29が連結さ
れる。一方、後方の後フランジ部55d・55dには、
前記回転ケース22を側方より当接した上で、複数の締
結部材85によって締結固定できるようにしている。
【0027】すなわち、後フランジ部55d・55dを
伝動パイプ55に一体的に設けたので、従来のように、
伝動パイプ55後部に十字管継手を別途取り付けた上
で、該十字管継手に前記回転ケース22を固定する必要
がないため、十字管継手の分だけ部品点数を削減でき、
部品コストの低減や組立性の向上が図れるばかりでな
く、回転ケース22を伝動パイプ55に直接の固定して
取付精度を上げて、植付深さや植付間隔等を設定値に安
定して保持することができる。
【0028】さらに、前述の如く、伝動パイプ55の本
体は前方の広がった円錐状の筒体55aとし、伝動パイ
プ55において、植付ユニット29の横フレームである
連結パイプ57L・57C・57R側(前方)の伝動パ
イプ55の断面を、植付アーム軸93側(後方)の断面
よりも大きく構成したので、伝動パイプ55前方では、
十分なフレーム強度が確保できると共に、伝動パイプ5
5後方には、不要な植付ユニット29の駆動を停止する
後述の条止めクラッチ62を操作するクラッチアーム7
3やワイヤ52等を配置するための空間を設けることが
でき、補強部材の省略や操作部材の無駄のない配置が可
能となり、植付部15をコンパクトで軽量な構成とする
ことができる。
【0029】また、図11、図12に示すように、伝動
パイプ55後端で後方の開口部55eは、蓋体126で
閉塞され、圃場の泥や塵埃などが植付時に伝動パイプ5
5内に侵入しないようにしている。さらに、該蓋体12
6の後方には、後に開いた平面視逆U字状の取付ステー
59が、前記開口部55eの外周に設けたフランジ部5
5f背面に、締結部材127によって締結固定され、取
付ステー59後部には、左右両外方に略直角に折曲して
取付部59aが形成され、該取付部59aの背面に、バ
ンパー80を締結部材128で着脱できるようにしてい
る。
【0030】該バンパー80は、前記植付爪17・17
・・の周囲を保護するために備えられる部材であるが、
このように、伝動パイプ55後端に直付けできるように
したので、従来のように、植付伝動フレーム20にバン
パー80を装備するために特別な部材を設ける必要が無
く、コンパクト且つ低コストにバンパー80を取り付け
ることができる。そして、バンパー80は植付伝動フレ
ーム20に溶接固定するのではなく、締結部材128で
着脱可能に設けたので、溶接部品を削減することがで
き、完成品を、より精度の高いものとすることができ
る。
【0031】さらに、前述の如く、このバンパー80を
取り付ける取付ステー59は平面視逆U字状であり、前
後方向に延出する板状部材を圃場面に立設させた構成を
とっており、このため、取付ステー59の断面係数は左
右方向よりも上下方向に大きい。つまり、取付ステー5
9の剛性は、荷重方向129には大きく、荷重方向13
0・131には小さく、従って、バンパー80に上下方
向の荷重がかかっても変形しにくいが、左右方向の荷重
がかかると変形しやすくしている。
【0032】すなわち、バンパー80を取り付ける取付
ステー59の上下方向の断面係数を、左右方向の断面係
数よりも大きく構成したので、畦際での植付部15昇降
時に、畦にバンパー80が当たり上下荷重がかかって
も、取付ステー59が容易に変形しないようにすること
ができ、部品寿命を大きく延長することができる。さら
に、畦際の回行時等に、バンパー80を畦等に側方から
当ててしまう際にかかる左右荷重に対しては、取付ステ
ー59が変形して植付部15全体にかかる負荷を吸収す
ることができ、植付部15の破損を未然に防止するよう
にしている。
【0033】さらに、取付ステー59は、側面視で後部
を前部よりも上下に大きく膨出させており、このため、
取付ステー59内では、前方の伝動パイプ55後端への
取付部の剛性が小さい。従って、取付ステー59が変形
する場合には、フランジ部55fとの間の締結部材12
7に応力が集中し、該締結部材127が先に折損するよ
うにしている。
【0034】すなわち、バンパー80を取り付ける取付
ステー59の断面係数を伝動パイプ55側を小さく構成
したので、たとえ、バンパー80に過大な負荷がかかり
取付ステー59が変形する場合でも、伝動パイプ55と
の取付部に応力を集中させて締結部材127を先に折損
させ、取付ステー59の変形を最小限に抑えることがで
きるのである。
【0035】また、図3、図13に示すように、前記連
結パイプ57の下部には、左右の前記サイドフロート3
5・35間の幅に合わせて支点軸132が横設され、該
支点軸132は、連結パイプ57の左右端に設けた支持
部材203・203により支持固定されている。
【0036】この支点軸132の左右両側の適所位置よ
り、後下方の両サイドフロート35・35の後部に向け
て一対ずつの支持アーム162が突設される一方、サイ
ドフロート35・35の後上面には、正面視でU字状に
折り曲げられた支持板163が取り付けられている。そ
して、該支持板163の上端は、前記支持アーム162
の後端と、支持ピン164により回動自在に軸支される
と共に、該支持ピン164の外周にはコイルバネ165
が巻回されており、該コイルバネ165の一端のフック
部は、支持アーム162の途中部分に掛止され、コイル
バネ165の他端は、支持板163の底面上へ延出され
て、サイドフロート35の上面を押圧するようにし、サ
イドフロート35の前部が持ち上げられて水平を保つよ
うに付勢している。
【0037】そして、このようなサイドフロート35が
前下がりに回動して、その後部上面が前記伝動パイプ5
5後部と当接する部分からは、規制部となる前下がりス
トッパ部55gが垂設されている。これにより、コイル
バネ165の弾性力でサイドフロート35・35の上下
方向の揺れが吸収された上で、たとえサイドフロート3
5・35が、水平位置166から前下がりに回動して
も、規制位置167より大きくは前に傾動しない。
【0038】しかも、この前下がりストッパ部55gは
前記伝動パイプ55下面に一体的に設けているので、従
来のように、前下がりストッパを伝動パイプ55とは別
体に設けた場合と比べ、回転ケース22の回動中心であ
る植付アーム軸93中心から、規制位置167のサイド
フロート35までの距離168を、精度良く一定に保つ
ことができる。なお、センタフロート34も、同様にし
て前記支点軸132に回動可能に支持された上で、伝動
パイプ55後部に設けた前記前下がりストッパ部55g
によって、前下がり回動が規制されるようにしている。
【0039】すなわち、フロート34・35の前下がり
ストッパである前下がりストッパ部55gを伝動パイプ
55に一体的に設けたので、部品点数を減らしてコスト
ダウンが図れると共に、回転ケースの回動中心からの距
離を精度良く一定に保つことができ、植付部15を持ち
上げたり、植付作業時に凹凸のある圃場上を通過する際
に、フロート34・35が所定角度以上回動して回転ケ
ース22を損傷したりすることを、確実に防止すること
ができるのである。
【0040】また、図14乃至図17に示すように、右
側の連結パイプ57Rの前面で前記入力十字管継手40
の近傍には、平面視逆U字状の支持フレーム171が固
設され、該支持フレーム171に左右に軸支された支持
ピン172には、苗取り量調節レバー139の下部が連
結されている。該苗取り量調節レバー139下部上面に
設けたステー175は、リンク144を介して苗取り量
調節軸142上のステー176に連結され、該苗取り量
調節軸142には、前記下ガイドレール18に係合する
アーム143・143・143が固設されている。
【0041】このような構成において、前記苗取り量調
節レバー139を支持ピン172を中心として回動操作
させると、ステー175がリンク144を介して苗取り
量調節軸142を回動し、これに連動して、下ガイドレ
ール18及び、該下ガイドレール18上の前記苗載台1
6が昇降され、該苗載台16上の苗マットから植付爪1
7・17・・・によって取られる苗の量を調整できるよ
うにしている。
【0042】そして、このような苗取り量調節軸142
は、右側の連結パイプ57R背面より後方に突設された
支持フレーム177後端に、U字状の取付プレート18
0によって回動可能に支持されている。しかも、この苗
取り量調節軸142は、伝動パイプ55に設けた支持部
である軸受け台178の凹部178aに嵌合され、その
上から、逆U字状に構成した取付プレート179の凹部
を嵌合し、該取付プレート179の下端を前記軸受け台
178の側面に締結部材等で固定するようにして、苗取
り量調節軸142を回動可能に支持するようにしてい
る。
【0043】しかも、この軸受け台178は、伝動パイ
プ55後部外周の上面から前フランジ部55cにかけ
て、苗取り量調節軸142を受ける軸受け台178を一
体的に設けているので、従来のように、苗取り量調節軸
142の軸受け台178を伝動パイプ55とは別体に設
けた場合と比べ、苗取り量調節軸142を支持する凹部
178aを、精度良く水平に保つことができる。なお、
軸受け台178の配設位置は伝動パイプ55以外でもよ
く、剛性の高い植付伝動フレーム20に一体的に設ける
ことができれば、特には限定されない。
【0044】すなわち、苗取り量調節軸142の軸受け
台178を植付伝動フレーム20に一体的に設けたの
で、部品点数を減らしてコストダウンが図れると共に、
組み立て時には、苗取り量調節レバー139の水平を精
度良く出すことができるのである。
【0045】なお、該苗取り量調節レバー139は上下
のレバー部材139U・139Lから成り、上レバー部
材139Uの下端と下レバー部材139Lの上端とは、
側面同士を当接した上で溶接等で連結されており、レバ
ー操作時の把持部のある上レバー部材139Uを側方に
変位させている。そして、該上レバー部材139Uの下
部には、薄板状の係止部139aが形成され、該係止部
139aを係止可能な櫛状のガイド部173aを有する
レバーガイド173は、支持ステー174の上部に固設
され、該支持ステー174の下端は、前記苗台支持フレ
ーム116内に斜設した斜めフレーム181上に支持固
定されている。
【0046】これにより、レバーガイド173上の目盛
りを基準に、前記苗取り量調節レバー139を回動操作
し、苗載台16を所定高さに昇降して苗取り量を所定量
に設定した後、係止部139aをガイド部173aに係
止させて苗取り量調節レバー139を固定し、該苗取り
量調節レバー139の誤操作を防止できるようにしてい
る。
【0047】次に、前記植付ユニット29・29・29
の動力伝達構成について、その中でもクラッチ機構12
4・62に関して、図7、図10乃至図12により詳細
に説明する。まず、前記安全クラッチ124について説
明する。なお、安全クラッチ124とは、植付伝動フレ
ーム20に入力され、植付駆動軸92に伝達された動力
によってロータリ植付装置21・21が駆動される時
に、該植付駆動軸92に設定トルク以上の過負荷が掛か
ると、自動的に植付駆動軸92への動力の伝達を断絶す
るものであり、さらに、その配設位置は、本実施例では
植付駆動軸92の前端に設けられているが、安全クラッ
チとして動作可能であれば、植付駆動軸92の中途部に
設けても構わない。
【0048】図7、図10に示すように、前記植付駆動
軸92においては、中空パイプで構成されたパイプ軸9
2aの前端に、周囲にスプラインが形成されたスプライ
ン部92bが固設され、さらに、該スプライン部92b
の後端には、バネ受け部材45が固設されている。そし
て、スプライン部92bの前端には、スプライン部92
bと略同一径の先端部92cが、スプライン部92bか
ら延出した状態に一体的に形成されている。
【0049】このような構成から成る植付駆動軸92の
スプライン部92bには、動力伝達部材184がスプラ
イン嵌合され、該動力伝達部材184には前後方向(軸
心方向)に摺動可能に従動側摺動体183が遊嵌され、
該従動側摺動体183と前記バネ受け部材45との間に
は、従動側摺動体183を前方(係合側)へ付勢する付
勢部材であるバネ44が外嵌されている。
【0050】さらに、植付駆動軸92の先端部92cに
は、駆動側係合体182が遊嵌され、抜け防止部材であ
る丸止め輪37により、植付駆動軸92の先端部92c
から駆動側係合体182が抜け落ちないようにしてい
る。そして、該駆動側係合体182の先端部のボス部外
周には、スプラインを形成して植付入力ベベルギア75
がスプライン嵌合され、これらは一体となって回動する
よう構成されている。さらに、駆動側係合体182の軸
部は、十字管継手41L後端の連結フランジ82から伝
動パイプ55前端の前フランジ部55cにかけて内挿固
定されたカラー58の前端に、回動自在に支承されてい
る。
【0051】そして、前記動力伝達部材184前端の外
周には鍔部184aが形成され、該鍔部184aに前後
方向に開口したクラッチ孔184bには、動力断接部材
となる複数の動力伝達ボール185・185が内挿され
ている。つまり、該動力伝達ボール185・185は、
前記駆動側係合体182背面で後方に開いた傾斜面を設
けた凹部182aと、従動側摺動体183との間に配置
され、通常は、前記バネ44で前方に付勢されている従
動側摺動体183によって、駆動側係合体182側に付
勢されており、最前の動力伝達ボール185は、前記凹
部182a内に嵌合したままで動かない。
【0052】このため、動力伝達ボール185・185
は駆動側係合体182に固定された状態となり、動力伝
達部材184が、動力伝達ボール185・185を介し
て駆動側係合体182に係合され、安全クラッチ124
は、左伝動軸91Lから植付入力ベベルギア75を介し
て植付駆動軸92に動力が伝達される「ON」状態にあ
る。
【0053】該「ON」状態において、植付駆動軸92
に異常な過負荷が掛かった場合には、安全クラッチ12
4が「OFF」状態となり、植付駆動軸92に動力が伝
達されなくなる。つまり、ロータリ植付装置21・21
において異常が発生し植付駆動軸92が正常に回動しな
くなり過負荷がかかると、駆動側係合体182に集中し
た回転駆動力により、動力伝達ボール185・185が
バネ44の弾性力に抗して凹部182aから押し出さ
れ、駆動側係合体182と動力伝達部材184とが係合
しない状態となるのである。
【0054】そして、このような構成においては、植付
入力ベベルギア75からの動力は、クラッチ「ON」時
には、駆動側係合体182→動力伝達ボール185・1
85→動力伝達部材184→植付駆動軸92のように伝
達され、従動側摺動体183は動力伝達とかかわりなく
バネ44の弾性力により接当して付勢するのみであり、
凹部182a内の動力伝達ボール185の摩擦力と剪断
力等の関係だけで動力の断接が行われる。
【0055】すなわち、植付入力ベベルギア75からの
動力を伝達する植付駆動軸92上に配置し、設定トルク
以上の負荷がかかると動力の伝達を断絶する安全クラッ
チ124において、前記植付入力側(植付け入力ベベル
ギア75)からの動力を植付爪駆動側(植付駆動軸9
2)に伝達する動力伝達部材184と、動力断接部材
(動力伝達ボール185)を受けつつ付勢部材(バネ4
4)にて付勢される摺動部材(従動側摺動体183)と
を別体として設けたので、動力伝達部材と動力断接部材
とが同一部材であると、動力断接部材の付勢力と摺動に
要する力(摩擦抵抗)が断接するための作動トルクとな
って、付勢力が一定であっても摩擦力にバラツキが生じ
ていたが、本構成では摺動部材が動力伝達に関わること
がなく摩擦力の変動が殆どなく小さくすることができて
安全クラッチが作動開始する作動トルクの変動を小さく
し、安定化させることができ、さらには、部品による作
動トルクの変動も抑制できるので、加工精度の見直しや
部品共有化による部品コストの低減を図ることができる
のである。
【0056】さらに、前記動力伝達部材184のボス部
184d上で従動側摺動体183が外嵌された外周面の
一部には、リング状の油溝184cが欠成され、該油溝
184cには潤滑油やグリス等の潤滑材を充填させてお
り、これにより、動力伝達部材184の外側に遊嵌した
従動側摺動体183が前後摺動する際の摩擦力を、でき
るだけ小さくするようにしている。
【0057】すなわち、前記動力伝達部材184と、従
動側摺動体183との間には、容易に摺動できるように
するための潤滑材充填部を形成しており、具体的には潤
滑油を注入可能な油溝184cを形成するので、動力断
接に直接関わらない付勢部材において、断接時にかかる
摺動抵抗を小さくして、断接の作動トルクを決める付勢
圧の一層の安定化を図ることができるのである。
【0058】続いて、前記条止めクラッチ62について
説明する。なお、本実施例における条止めクラッチ62
は、前記安全クラッチ61より後部の植付アーム軸93
上に設けられ、該植付アーム軸93への植付駆動軸92
からの動力を断接するものである。
【0059】図7、図11、図12に示すように、植付
アーム軸93には、摺動側クラッチ爪186が摺動可能
にスプライン嵌合しており、植付アーム軸93及び摺動
側クラッチ爪186は一体となって回動する一方、該摺
動側クラッチ爪186と噛合する固定側クラッチ爪18
7は、植付アーム軸93に相対回転自在に遊嵌されてい
る。該固定側クラッチ爪187では、その軸187aの
外周上にベベルギア187bが形成され、該ベベルギア
187bは、前記植付駆動軸92後端に固設のベベルギ
ア60と噛合しており、固定側クラッチ爪187が植付
アーム軸93を中心に回動する。
【0060】前記伝動パイプ55後部の上面に立設され
たブラケット部55hには回動軸73aが左右に貫入さ
れ、該回動軸73aには、クラッチアーム73が枢支さ
れ、該クラッチアーム73はL字型で、その一端(本実
施例において前方)には、バネ52aを介してワイヤ5
2が連結されており、該ワイヤ52によりクラッチアー
ム73を操作できるように構成されている。そして、該
ワイヤ52の他端は、前記座席13左側方に配置した条
止めクラッチレバー146・146・146(図2)に
連結されている。一方、クラッチアーム73の他端(本
実施例において後方)は、二股状に分岐する分岐部が形
成されており、該分岐部で伝動パイプ55後部内に挿入
するピン109を挟み込んで、止めピン108で回動自
在に支承している。
【0061】このような構成において、前記ワイヤ52
を操作してクラッチアーム73を回動すると、伝動パイ
プ55後部内にピン109が挿脱され、挿入されたピン
109の先端は、摺動側クラッチ爪186に形成された
カム部186aに当接し、ピン109が押し込まれるこ
とによって摺動側クラッチ爪186が固定側クラッチ爪
187と離れる方向へ摺動し、条止めクラッチ62が
「OFF」状態となる。これにより、植付アーム軸93
に動力が伝達されなくなり、回転ケース22・22や植
付爪17・17・・は駆動されずに、二条は植付作業し
ない。
【0062】なお、通常は、摺動側クラッチ爪186
は、バネ113によって固定側クラッチ爪187側に付
勢され、条止めクラッチ62が「ON」状態となるよう
に構成されると共に、クラッチアーム73は、該クラッ
チアーム73を操作するためのワイヤ52に取り付けら
れたバネ52aによって、条止めクラッチ62が「O
N」状態となるように付勢されている。
【0063】このような条止めクラッチ62や前記安全
クラッチ124は、いずれも、部品点数が多く正確に組
み立てるには大変な手間を要するが、植付伝動フレーム
20よりも小さな単位である植付ユニット29側に設け
られているため、組立工程が簡易化され、さらに、メン
テナンス時にも故障している安全クラッチ124や条止
めクラッチ62を具備する植付ユニット29のみをメン
テナンスすれば足りるため、メンテナンス性が大きく向
上する。
【0064】次に、前記植付伝動フレーム20上方の苗
載台16の横送り機構、その変速機構、及び横送りのた
めに苗載台16に設けた苗載台アームについて、図4、
図6、図7、図18乃至図25により説明する。図6、
図18に示すように、横送り機構では、前記横送り変速
機構125内で変速された動力が横送り軸47に伝達さ
れるが、該横送り軸47には、滑り子摺動用の溝47a
が穿設されると共に、横送り軸47の外周面上には、滑
り子受け137が遊嵌され、該滑り子受け137内に付
設されている滑り子138が、前記溝47aに嵌入され
ている。
【0065】このような構成において、横送り軸47が
回動すると、回動に伴って滑り子138が溝47a内を
摺動し、この滑り子138を内設した滑り子受け137
も、横送り軸47上を左右に往復動する。そして、この
往復動する滑り子受け137後部には、後述する連結体
を介して前記苗載台16が連結されており、苗載台16
は横送り軸47の回動によって左右往復動されることと
なる。
【0066】また、図7、図18、図19に示すよう
に、この横送り軸47に動力を変速して伝達する横送り
変速機構125においては、前記左側十字管継手41L
の外側面に、横送り変速ケース46が固設され、該変速
ケース46には、変速入力軸78が左右方向に軸支され
ると共に、該変速入力軸78の右端は、左側十字管継手
41Lに支承された前記ベベルギア74を介して前記左
伝動軸91に連結連動されており、伝動軸91からの動
力を変速入力軸78に伝達するようにしている。
【0067】該変速入力軸78上には、内側から順に、
シフター64と、該シフター64を外嵌固定して、変速
入力軸78上のスプラインを左右に摺動して変速切換す
る変速部材となる変速摺動体63と、該変速摺動体63
左端が係合可能な3段の変速ギア133a・133b・
133cが配置され、前記シフター64を左右に摺動す
ることにより、変速摺動体63を介して変速入力軸78
が変速ギア133a・133b・133cのいずれかと
係合するようにしている。
【0068】さらに、該変速ギア133a・133b・
133cには、変速出力ギア134a・134b・13
4cがそれぞれ噛合され、該変速出力ギア134a・1
34b・134cには、前記変速入力軸78に平行に軸
支した変速出力軸79が挿嵌固定されており、該変速出
力軸79は、縦送りカム軸88等を介して前記横送り軸
47に連結されている。
【0069】このような構成において、シフター64を
左右に摺動操作すると、伝動軸91からの動力は、変速
入力軸78→変速摺動体63→変速ギア133→変速出
力ギア134→変速出力軸79のようにして伝達され、
該変速出力軸79に連結された横送り軸47の回転速度
を変速することができる。
【0070】そして、図20乃至図22に示すように、
このような横送り変速機構125には、前記シフター6
4の左右摺動操作を行う変速操作部94を設けている。
該変速操作部94においては、変速入力軸78の内側
(図21では下側)に設けた前記シフター64にはシフ
トフォーク96の一端が嵌合され、該シフトフォーク9
6の他端は、フォーク軸を兼用したシフト軸95に固設
され、該シフト軸95は、横送り変速ケース46内に、
変速入力軸78に平行にスライド可能に軸支されてい
る。
【0071】シフト軸95の一端は(図21では上側)
は、横送り変速ケース46の外側面46aから突出さ
れ、他端にはデテント機構161が配置され、一端の突
出部95aの外端には、操作部材となる球状の把持体9
7が嵌設されると共に、シフト軸95の突出部95aの
外周には、変速段判別用のリング溝状の目印95bが欠
切形成されている。さらに、該突出部95aの外周の一
部を覆うようにして、円弧板状のリブ98が前記外側面
46aからシフト軸95と平行に外方に突設され、該リ
ブ98の外側縁98aと、前記目印95bとの位置関係
とから、シフト軸95のスライド量(変速位置)を判別
できるようにしている。なお、目印95bは変速段が増
加すると二つ以上設けることも可能である。また、前記
リブ98と把持体97との位置関係から変速位置を判別
できるようにすることも可能である。
【0072】このような構成において、目印95bと外
側縁98aとの位置関係からスライド量を確認しつつ、
シフト軸95を押し引きすると、前記シフター64がシ
フトフォーク96により所定位置まで精度良く摺動さ
れ、変速入力軸78と希望する変速段の変速ギア133
とが確実に係合されることとなる。例えば、横送り回数
が、目印95bが見えない位置(横送り変速ケース46
の外側面46aと略同位置)では26回、リブ98の先
端(外側縁98a)と目印95bが一致する位置では2
0回、リブ98よりも外側に目印95bが位置するとき
は18回としている。
【0073】すなわち、植付部15上の苗載台16を左
右往復動させる横送り機構を備え、該横送り機構を駆動
する横送り軸47を変速可能な横送り変速機構125を
設けた田植機において、該横送り変速機構125に備え
る変速部材である変速摺動体63に連動連結したシフト
軸95の一端を横送り変速ケース46より突出し、該突
出部95aに直接操作可能な変速操作部94を設けたの
で、変速軸に連結連動する複数のリンク機構を介して間
接操作する場合に比べて、変速操作部94全体の構造が
単純となり組立性・メンテナンス性が向上すると共に、
部品点数が削減されて部品コストも減少する。
【0074】さらに、突出部95aに目印95bを形成
し、前記横送り変速ケース46の突出部95a近傍には
突部であるリブ98を設け、該リブ98と目印95bと
の位置関係から変速段を判別可能に構成したので、変速
段判別用の目盛りの付いた銘板を取り付ける必要がな
く、部品点数が削減されて部品コストを低減できる。
【0075】なお、図22に示すように、必要に応じ
て、前記横送り変速ケース46の外側面46a上や運転
部近傍などに、横送り変速の切換要領の説明図を記載し
た銘板等を貼付してもよい。これにより、植付作業中に
横送りの変速段を切替しようとして要領を忘れた場合で
も、わざわざ取扱説明書を確認する必要がなく、迅速に
切り替えることができ、植付作業を中断することがなく
作業効率が向上する。また、シフト軸95の突出部95
a外周面上に順に1速・2速・3速と付して、横送り変
速ケース46から突出した部分の変速段の変速位置を読
むことで、変速段を理解できるようにすることもでき
る。
【0076】また、図4、図23乃至図25に示すよう
に、苗載台16の前面部(苗マットを載せる面と反対側
の面)には上下の支持部材67・66が固設され、この
うちのレール上の下支持部材66の上方で苗載台16の
下部には、苗搬送ベルト駆動軸99が回動自在に横架さ
れ、さらに該苗搬送ベルト駆動軸99の上方には、平行
に縦送り従動軸100が回動自在に支持されている。
【0077】該縦送り従動軸100と前記苗搬送ベルト
駆動軸99上には、それぞれ各条毎に縦送りローラー1
01・101・・・が外嵌固定され、該縦送りローラー
101・101・・・の表側は、苗載台16に設けた開
口部より突出させた状態で、上下の縦送りローラー10
1・101間に苗搬送ベルト65が巻回されている。
【0078】そして、このうちの苗搬送ベルト駆動軸9
9は、苗載台16の左右略中央と左右端に設けた軸受け
102に回動可能に軸支され、該軸受け102の上部に
は、上苗載台アーム104が締結部材105により締結
固定されている。さらに、該上苗載台アーム104の直
下方位置の前記下支持部材66には、下苗載台アーム1
03が締結部材106により締結固定され、該下苗載台
アーム103と前記上苗載台アーム104は、往復動す
る前記滑り子受け137を連動連設する連結体107と
固着している。
【0079】すなわち、横送り機構により苗載台16を
左右往復動させるため苗載台16に設ける苗載台アーム
を、苗搬送ベルト65間の軸受け102と、苗載台16
下部の下支持部材66に固定したので、高強度部材を用
いた部位に苗載台アームを取り付けることができ、従来
のような補強部材が不要となり、部品コストの低減や機
体軽量化を図ることができる。さらに、苗搬送ベルト6
5間に取り付けたので、固定のための締結部材が苗搬送
ベルト65で隠れることがなく、組立性が改善されると
共に、滑り子受け137との連結体107を幅広く支持
することができて、苗載台アーム自体に要求される剛性
も小さくて済み、苗載台アームの軽量・コンパクト化を
図ることができるのである。
【0080】次に、前記ロータリ植付装置21を備えた
植付部15における疎植対応構成について説明する。こ
こで、疎植とは、植付作業の進行方向に対して、通常の
標準植えにおける株間よりも大きな株間で苗を植え付け
て栽培する移植栽培技術(以下「疎植植え」とする)で
あり、該疎植植えを行うことにより、標準植えに比べ、
一株あたりの受光量が増して風通しが良くなり、一株一
株を良好に成長させることができ、その結果、収穫量が
増大し、品質・食味とも向上する。
【0081】そこで、ロータリ植付装置21を備えた田
植機において、このような疎植植えに対応する手段とし
ては、図1に示す回転ケース22に備えた一対の植付爪
17の一方を取り外して実際の植付間隔を倍にしたり、
植付アーム軸93の回転速度を遅くする、といった技術
が知られている。
【0082】このうちの植付爪17の取り外しによる対
応では株間設定の自由度が低いため、近年は、植付アー
ム軸93の回転速度をミッションケース等に内設した株
間変速機構により調節した上で、植付爪17の回動軌跡
を疎植植え用に変更することが実施されている。
【0083】しかし、この場合、植付爪17の回動軌跡
の上下幅が拡大され、圃場への苗の放出位置が標準植え
よりも低い、いわゆる深植えとなるため、本実施例で
は、苗載台16の支持高さ、圃場に放出するまで苗を導
く苗ガイドの取付位置、及び縦送り機構における苗の縦
送り量等を、容易に調節可能な構成とし、疎植植えで
も、所定数の苗を取りこぼすことなく圃場の適正深さに
て放出できるようにしている。
【0084】まず、このうちの苗載台16の支持高さ調
節構造について、図4、図14、図26により説明す
る。前記苗台支持フレーム116は、左右の縦フレーム
116b・116cと、該縦フレーム116b・116
c上端間を連結する上フレーム116aとから成る正面
視略門型状を呈し、該上フレーム116aの左右端と略
中央には、それぞれ支持ステー153が立設されてい
る。該支持ステー153には、3個の取付孔153a・
153b・153cが上から順に開口されると共に、支
持ステー153の側方には、正面視コ字状の支持フレー
ム150が配置され、該支持フレーム150の側面に
も、2個の取付孔150a・150bが開口されてお
り、該取付孔150a・150bと、前記取付孔153
a・153b・153cのいずれか2個に、ボルトなど
の2本の固定具154・154を挿嵌して連結固定でき
るようにしている。
【0085】そして、支持フレーム150の上下面15
0c・150dには、それぞれ摺動孔150e・150
fが開口され、該摺動孔150e・150fには、上端
に苗台支持シュー147を嵌合した支持ピン149が摺
動可能に挿通され、該支持ピン149の下端に固設した
円盤状のストッパ152と、前記下面150dとの間の
支持ピン149の外周には、前記苗台支持シュー147
を上方に付勢するバネ151が外嵌されて、取付具14
8が構成されている。
【0086】このような構成において、標準植えを行う
標準仕様の場合には、取付具148の取付孔150a・
150bと、支持ステー153の下側2個の取付孔15
3b・153cに、固定具154・154を挿嵌して連
結固定し、疎植植えを行う疎植仕様の場合には、取付具
148の取付孔150a・150bと、支持ステー15
3の上側2個の取付孔153a・153bに、固定具1
54・154を挿嵌して連結固定するだけで、苗台支持
シュー147の高さ、つまり、該苗台支持シュー147
上の苗載台16の取付高さを、上下2段階に容易に変更
できるようにしている。
【0087】すなわち、苗台支持フレーム116に立設
した支持ステー153と、該支持ステー153に苗台支
持シュー147を取り付ける取付具148には、複数の
取付孔153a・153b・153c・150a・15
0bを設け、支持ステー153の取付孔153a・15
3b・153cと、取付具148の取付孔150a・1
50bとの間の連結位置を変更することにより、苗台支
持シュー147の高さを変えて苗載台16の支持高さを
自在に調節可能な構成としたので、標準仕様から疎植仕
様へ組み替える際、苗載台16の支持高さを変更するた
めの専用の支持部材を別途準備する必要がなく、部品コ
ストの削減や管理負担の軽減、及び組み替えにかかる作
業時間の短縮を図ることができるのである。
【0088】続いて、圃場に放出するまで苗を導く苗ガ
イドの取付位置調節構造について、図14、図17、図
27、図28により説明する。前記下ガイドレール18
は、側面視L字状を呈すると共に、下ガイドレール18
下面には、側面視L字状の取付具110の上面が当接さ
れ、該取付具110の下面には、左右略中央に板状の補
強用の部材110c・110cが垂設されている。そし
て、下ガイドレール18の上下部18a・18bと取付
具110の上下部110a・110bとは、それぞれボ
ルトなどの締結具112により締結固定可能な構成とし
ている。
【0089】このうち、下ガイドレール18の下部18
bと、取付具110の下部110bとの間には、苗ガイ
ド111上部の取付部111aが挟持され、該取付部1
11aには、前記締結具112を挿通可能な長孔111
bが開口されている。
【0090】このような構成において、標準仕様と疎植
仕様との間で組み替える場合には、取付具112を緩め
た後、苗ガイド111を、前記長孔111b沿いに位置
117と位置118との間で摺動させ、植付爪17の回
動軌跡に適した位置にきたら締結具112を締め付け、
苗ガイド111の取付部111aを、下ガイドレール1
8と取付具110との間で挟持固定させるのである。
【0091】すなわち、苗載台16の下部を支持して左
右に摺動する下ガイドレール18を設け、該下ガイドレ
ール18には、苗を圃場まで導く苗ガイド111を取り
付け、該苗ガイド111には、前記下ガイドレール18
への取付位置を自在に調節可能な長孔111bを設けた
ので、下ガイドレール18への苗ガイド111の取付位
置を簡単な構成により容易に変更することができ、疎植
仕様化に伴う植付爪17の回動軌跡の変更に対応した苗
ガイドを別途準備する必要がなく、部品コストの削減、
管理負担の軽減等を図ることができる。
【0092】続いて、縦送り機構における苗の縦送り量
調節機構について、図6、図17、図29乃至図33に
より説明する。図6、図17、図31乃至図33に示す
ように、前記縦送りカム軸88には縦送りカム86・8
6が固設され、縦送りカム軸88の回転に伴い縦送りカ
ム86・86が回転する。そして、該縦送りカム86・
86には、側面視へ字状の従動カム81が当接され、該
従動カム81は、苗載台16下部で苗搬送ベルト65を
駆動する前記苗搬送ベルト駆動軸99上に設けられてい
る。さらに、従動カム81の途中部には、取付部材15
9が係合され、該取付部材159には、縦送り連動ワイ
ヤ155を介して前記苗取り量調節レバー139の下部
が連結されている。
【0093】このような構成において、標準仕様の場合
の縦送りは次のようにして行われる。つまり、図32に
示しように、苗載台16下部の前記従動カム81が、上
記の横送り機構により左右往復動する苗載台16のスト
ロークエンドにおいて、常時回転している前記縦送りカ
ム86の回動軌跡42内に入って接当揺動されると、左
側面視で時計回りに回動される。そして、この従動カム
81の時計回りの回動力は、図示せぬ一方向回転クラッ
チを介して苗搬送ベルト駆動軸99に伝達され、前記苗
搬送ベルト65を駆動して苗の縦搬送が行われる。従動
カム81が初期位置38から最終位置39まで回動し縦
送りカム86から外れた後は、バネ43の付勢力によっ
て反時計回りに復帰揺動し、一回の縦送り作動が完了す
る。
【0094】さらに、苗取り量調節レバー139を回動
して苗取り量を変更した場合には、それに連動して、苗
搬送ベルト駆動軸99の回動角度156(初期位置38
〜最終位置39)を調節して縦送り量を変更し、植付が
正常に行われるようにしている。例えば、苗取り量調節
レバー139を、図17中矢印で示す方向に回動させて
苗載台16を上昇させ、苗取り量を減らすると、それに
伴い縦送り連動ワイヤ155も牽引され、従動カム81
の初期位置が、通常の初期位置38よりも高くなり、そ
の結果、苗搬送ベルト駆動軸99の回動角度も、通常の
回動角度156よりも小さくなり、縦送り量が苗取り量
に見合った量まで減少するのである。
【0095】一方、疎植仕様の場合には、植付爪17の
回動軌跡の変更に対応すべく前述のように苗載台16を
上昇させるが、この際、苗搬送ベルト駆動軸99も一緒
に位置68から位置69まで上昇するため、このままで
は、図33に示すように、従動カム81の回動角度は、
標準仕様での前記回動角度156よりも小さい回動角度
158(初期位置140〜最終位置120)となり、通
常の縦送り量が減少することとなる。
【0096】そこで、本実施例では、前記縦送り連動ワ
イヤ155の長さを調節可能な構成としている。例え
ば、縦送り連動ワイヤ155の長さを長くして、図3
2、図33に示すように、従動カム81の初期位置を1
40よりも前下方の119まで回動させると、標準仕様
での回動角度156と略同一の回動角度157(初期位
置119〜最終位置120)が得られ、標準仕様での通
常の縦送り量を確保することができる。
【0097】すなわち、縦送り用の苗搬送ベルト65を
駆動する従動カム81に縦送り連動ワイヤ155を連結
し、該縦送り連動ワイヤ155により、前記従動カム8
1の縦送りカムとの接当位置を調節可能な構成としたの
で、標準仕様から疎植仕様へ組み替える際、専用の縦送
りカム86を別途準備することなく標準仕様と同じ縦送
り量が得られるため、部品の共有化が図れ、仕様の違い
による組間違い等もなく、さらには、送り不足による欠
株や送りすぎによる苗崩れなどの発生を防止し、植付け
姿勢が安定する。
【0098】なお、図6、図29、図30に示すよう
に、前記縦送りカム軸88と、左右のジョイントパイプ
135・136との間は、自動調芯機構を備えた自動調
芯継手部188・189を介して連結されている。
【0099】このうちの左側の自動調芯継手部188に
おいては、前記連結パイプ57L上方に支持された支持
部材121の左側面に、合成樹脂等の弾性体から成る支
持体48の鍔部48aが締結具50により締結固定さ
れ、該支持体48の内側の球面凹部48bには、合成樹
脂等の弾性体から成る球面軸受け76が内挿され、調芯
可能に配置されている。
【0100】そして、該球面軸受け76には、連結軸5
4が挿通固定され、該連結軸54の左右端には、前記ジ
ョイントパイプ135の右端と縦送りカム軸88の左端
とが外嵌固定されており、このような自動調芯継手部1
88を介して、左側のジョイントパイプ135を縦送り
カム軸88に調芯可能に連結している。なお、右側の自
動調芯継手部189も略同一な構成であり、縦送りカム
軸88を右側のジョイントパイプ136に調芯可能に連
結している。
【0101】これにより、前記横送り変速機構125か
らの回動力が、ジョイントパイプ135→縦送りカム軸
88→ジョイントパイプ136→横送り軸47のよう
に、多数の部材を介して伝達されても、前記自動調芯継
手部188・189を介するので、調芯性が向上して、
部材間の同芯が容易に出るようになる。
【0102】すなわち、縦送りカム軸88の軸受けに、
自動調芯機構を有する軸受け76を適用したので、低い
組付精度でも同芯が容易に出るので、こじれによる部材
間の損傷を防止でき、さらに、軸受けの寿命も改善する
ことができるのである。
【0103】次に、植付部15の線引きマーカ191L
・191Rのワイヤ取付構成について、図3、図34に
より説明する。なお、左右の線引きマーカ191L・1
91Rの取付構成は略同一であるため、左側の線引きマ
ーカ191Lについて説明し、右側の線引きマーカ19
1Rの説明は省略する。
【0104】前記植付伝動フレーム20の連結パイプ5
7Lの左端には支持部材115が固設され、該支持部材
115の左側面からは、支持パイプ192が外方に延設
されて、該支持パイプ192の先端部には、パイプ状の
ピン支持部193が形成されている。そして、該ピン支
持部193には、回動軸194が回動自在に挿通され、
該回動軸194の一側端部に、線引きマーカ191Lの
基部を構成する起伏板195が固設され、該起伏板19
5には、線引きマーカ191Lの支持杆196が溶接固
定されており、前記回動軸194を回動支点として、線
引きマーカ191Lが昇降回動可能となっている。
【0105】さらに、前記起伏板195の前側における
回動軸194の左右方向外側に構成した係止孔197に
は、マーカ用コイルバネ198の一端が係止される一
方、該マーカ用コイルバネ198の他端は、前記支持パ
イプ192の下面に溶接固定された係止具199に係止
させることで、マーカ用コイルバネ198の付勢力によ
り係止孔197を引っ張るようにして、起伏板195を
回動軸194を中心に回転するように構成し、線引きマ
ーカ191Lの支持杆196が、常時左右外方へ張り出
す方向に付勢されるようにしている。
【0106】そして、前記回動軸194を挟んで、係止
孔197と対向する位置には、係止凸部200が形成さ
れ、該係止凸部200には、マーカ引上ワイヤ201の
一端が緩衝用のバネ202を介して係止され、該マーカ
引上ワイヤ201の他端は、前記ロワーリンク26に係
止されている。
【0107】このような構成において、植付を終了し、
前記植付部昇降レバー71の操作で、図示せぬ昇降シリ
ンダによりトップリンク25及びロワーリンク26を上
昇させると、マーカ引上ワイヤ201が牽引されて起伏
板195が回動し、線引きマーカ191Lが引き上げら
れる。逆に、図示せぬ昇降シリンダによりトップリンク
25及びロワーリンク26を下降させ、植付部昇降レバ
ー71を操作すると、マーカスイッチがONとなり、O
Nした側のアクチュエータ(ソレノイドまたはモータ
等)の駆動でマーカ引上ワイヤ201が弛められて起伏
板195が回動自由な状態になり、マーカ用コイルバネ
198の付勢力によって、起伏板195が回動して、線
引きマーカ191Lが圃場側に広がって、張出し状態と
なる。
【0108】そして、前記支持パイプ192の基部は、
補強ステー204により連結支持され、該補強ステー2
04は、植付伝動フレーム20左端に設けた前記支持部
材203の前端に固設されており、植付伝動フレーム2
0によって、支持パイプ192の支持強度を高めるよう
にしている。
【0109】さらに、この補強ステー204には、前記
マーカ引上ワイヤ201のアウタ受け205が組み込ま
れており、これにより、該アウタ受け205を、植付伝
動フレーム20からの補強部材で兼用できるようにして
いる。
【0110】すなわち、線引きマーカ191の支持パイ
プ192を、植付伝動フレーム20と接続した補強ステ
ー204により支持し、該補強ステー204に、マーカ
引上ワイヤ201のアウタ受け205を設けたので、ア
ウタ受け205を別部材として別途設ける必要がなく、
線引きマーカ191の構成を軽量・コンパクトにするこ
とができ、さらに、アウタ受け205が植付伝動フレー
ム20と支持パイプ192により両持ち支持されるた
め、支持強度が増加し、アウタ受け205自体を軽量化
することができるのである。
【0111】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示す効果を奏する。すなわち、請求項1に示すよ
うに、入力軸と駆動軸の間に配置して設定トルク以上の
負荷がかかると動力の伝達を断絶する安全クラッチにお
いて、前記入力軸と駆動軸の間に動力断接部材を配置
し、該駆動軸上には、動力断接部材から駆動軸へ動力を
伝達する動力伝達部材と、付勢部材により付勢される摺
動部材を設け、前記動力断接部材と摺動部材を別体とし
たので、動力伝達部材と動力断接部材と摺動部材が同一
部材であった場合に比べて、摺動部材の摩擦力が動力の
断接に与える力が小さくなり、安全クラッチが作動開始
する作動トルクの変動を小さくし、安定化させることが
できる。
【0112】請求項2に示すように、請求項1記載の動
力伝達部材上に摺動部材を配置し、該動力伝達部材と摺
動部材の間には、潤滑剤を注入可能な溝を形成するの
で、動力断接部材の摺動に要する力を更に小さくするこ
とができ、作動トルクの一層の安定化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る田植機の全体構成を示した側面
図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】植付部の左斜め背面からの斜視図である。
【図4】同じく側面図である。
【図5】同じく平面図である。
【図6】植付伝動フレームの全体を示す平面断面図であ
る。
【図7】植付伝動フレームの左部を示す平面断面図であ
る。
【図8】植付伝動フレームの中央部を示す平面断面図で
ある。
【図9】植付伝動フレームの右部を示す平面断面図であ
る。
【図10】安全クラッチを示す植付ユニット基部の平面
断面図である。
【図11】条止めクラッチを示す植付ユニット先部の平
面断面図である。
【図12】植付ユニット先部の側面図である。
【図13】フロートの前下がりストッパを示すフロート
周囲の側面図である。
【図14】植付部の右斜め背面からの斜視図である。
【図15】苗取り量調節レバー周辺の斜視図である。
【図16】同じく拡大斜視図である。
【図17】同じく側面図である。
【図18】横送り機構を示す横送り軸周辺の平面一部断
面図である。
【図19】横送り変速機構を示す横送り変速ケースの平
面断面図である。
【図20】同じく側面図である。
【図21】図20におけるX−X矢視図である。
【図22】説明用のプレートを設けた横送り変速ケース
の側面図である。
【図23】苗載台アームの支持構成を示す苗載台下部の
側面図である。
【図24】同じく拡大側面図である。
【図25】同じく正面図である。
【図26】苗載台の支持高さ調節構造を示す苗台支持シ
ュー周囲の斜視図である。
【図27】苗ガイドの取付位置調節構造を示す苗ガイド
周囲の側面図である。
【図28】同じく下面図である。
【図29】縦送りカム軸周囲の平面断面図である。
【図30】自動調芯継手部の平面一部断面図である。
【図31】縦送り量調節機構を示す苗搬送ベルト駆動軸
周囲の側面図である。
【図32】縦送り量調節機構を示す模式図である。
【図33】従来の縦送り量調節を示す模式図である。
【図34】線引きマーカのワイヤ取付構成を示す線引き
マーカ基部周囲の斜視図である。
【符号の説明】
44 付勢部材 91 入力軸 92 駆動軸 124 安全クラッチ 183 摺動部材 184 動力伝達部材 184c 溝 185 動力断接部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 綱丈 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 筆山 悟史 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 Fターム(参考) 3J062 AA13 AB03 AC01 BA19 CF03 CF07 CF34 3J068 AA07 BA02 EE12 GA08 GA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸と駆動軸の間に配置して設定トル
    ク以上の負荷がかかると動力の伝達を断絶する安全クラ
    ッチにおいて、前記入力軸と駆動軸の間に動力断接部材
    を配置し、該駆動軸上には、動力断接部材から駆動軸へ
    動力を伝達する動力伝達部材と、付勢部材により付勢さ
    れる摺動部材を設け、前記動力断接部材と摺動部材を別
    体としたことを特徴とする安全クラッチ。
  2. 【請求項2】 前記動力伝達部材上に摺動部材を配置
    し、該動力伝達部材と摺動部材の間には、潤滑剤を注入
    可能な溝を形成することを特徴とする請求項1記載の安
    全クラッチ。
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JP2016036296A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 ヤンマー株式会社 田植機
CN114747343A (zh) * 2022-04-07 2022-07-15 江苏玖顺农业机械有限公司 一种便于携带移动的高速插秧机

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