JP4071589B2 - 液体燃料の気化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体燃料の気化方法に関する。とりわけ、燃料電池などに用いられる水素を製造する水蒸気改質あるいは自己熱改質で原料として使用される液体燃料の気化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題等の観点からから新エネルギーとして脚光をあびている燃料電池に用いられる水素の原料として、輸送に便利な液体燃料が注目されている。
一般に、燃料電池などに用いる水素の生成は、液体燃料と水蒸気を用いた水蒸気改質反応、あるいは液体燃料と水蒸気と酸素(空気による代替も含む)を用いた自己熱改質反応により行われるが、いずれの反応も反応温度が高温であることから、原料である液体燃料が常温・常圧で液体である場合、水蒸気改質反応あるいは自己熱改質反応に先立ち予め液体燃料を気化させることが必要となる。
【0003】
水素源としての液体燃料として、例えば灯油は、日本工業規格(JIS K−2203)により定められているように1号品は95vol.%留出温度が270℃以下であり、市販されている1号灯油の終点は300℃付近である。そのため、常圧において灯油を完全に気化させるためには300℃以上の高温が必要となる。しかしながら、300℃以上の高温で灯油を予熱すると、分解などの副反応が起き、炭素析出や灯油の変性が生じてしまうという問題が生じる。
この問題を解決する方法として、改質用の水蒸気を予め灯油と混合させ、灯油の分圧低下を利用して灯油の気化温度を200℃以下に低減させる方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−93451号公報
【特許文献2】
特開2002−53305号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、灯油を水蒸気と混合させてその気化温度を低下させる方法では、予熱・気化時間が無限大である理論計算上では完全に灯油を気化させることが可能であるが、実際の改質反応器および付帯設備の制限内では灯油の気化が不均一または不充分であり、脈流(供給流にいわゆる脈を打つような波が発生し、供給が一定にならない)や気化しない重質分が滞留するなどの不都合が生じる。したがって、従来の当該方法では、水蒸気の熱量を効率的に灯油へ与え、灯油の気化を促進させるために、灯油の微粒子化が必要とされ、そのためスプレーノズルなどの複雑な機器を設置しなければならず、装置構成の複雑化や、小型装置内では微細な設備が必要となり、装置の高コスト化などの問題があった。
【0006】
上記従来の状況に鑑み、本発明の目的は、灯油などの液体燃料を、簡素な装置構成で、水蒸気と混合させて気化温度を低下させると共に、重質分の滞留などの不都合を抑制して、好適に気化し得る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、灯油などの液体燃料の気化に関して鋭意検討したところ、液体燃料と水蒸気とを特定の条件で供給し、接触させて混合することによって、装置構成を複雑にすることなく簡易な装置構成で、低温において容易に液体燃料を完全に気化させ得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、以下の(1)〜(5)に挙げる液体燃料の気化方法を提供する。
(1)1〜1000mm/秒の線速度で供給される液体燃料と、100℃以上の温度で500〜300000mm/秒の線速度で供給される水蒸気とを、これら両者の供給流のなす角度を85〜95°にして接触させ混合し、得られる混合物の温度を120℃以上、液体燃料の常圧における終点温度未満にすることを特徴とする液体燃料の気化方法。
(2)液体燃料が、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油および合成油から選択される少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)に記載の液体燃料の気化方法。
(3)液体燃料と水蒸気とを混合させる際に、酸素がO/C換算で0.5以下の範囲で混合されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の液体燃料の気化方法。
(4)気化された液体燃料と水蒸気の混合物がそのまま改質工程において水素製造原料に用いられることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液体燃料の気化方法。
(5)気化された液体燃料と水蒸気の混合物がそのまま改質工程において水素製造原料に用いられ、該改質工程において製造された水素が燃料電池において発電に用いられることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液体燃料の気化方法。
【0009】
本発明の方法では、液体燃料と水蒸気とを、それぞれ一定範囲の線速度で供給し、かつこれら両者の供給流を一定範囲の角度で接触させて混合させることにより、水蒸気の混合に起因する液体燃料の分圧低下による沸点低下を利用して低温で、しかもスプレーノズルなどの複雑な機器を設置することなく簡素な構成の装置により、重質分の滞留などを抑制して、液体燃料を容易に気化させることができる。
また、上記(2)に記載の各種液体燃料を本発明の気化方法の対象とすることは、一般に広く浸透し、なおかつ単位熱量あたりのコストが安価であるので好ましい。
さらに、液体燃料と水蒸気とを混合させる際に酸素を添加することにより、液体燃料の分圧低下を促進させ、さらに液体燃料の気化を促進させることができる。
さらにまた、本発明により気化される液体燃料は、その気化工程にて水蒸気、あるいは水蒸気および酸素(空気による代替も含む。以下、酸素(空気)と略記する)と均一に混合されるため、水素生成のための改質工程に用いるのに好適であり、さらに該改質工程により得られる水素は燃料電池発電へ好適に利用できる。
【0010】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明で使用する液体燃料は、常温常圧で液体として存在するもので、水蒸気存在下で気化されるものであれば使用可能である。一般的で単位熱量あたりのコストが低い点で、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、合成油(GTL(Gas To Liquids)、FT(Fischer-Tropsch)反応等によって製造された液体燃料等)等が好ましく、なかでも、一般家庭での燃料電池の利用等を考えた場合、一般家庭への普及が進んでいる灯油は好ましい。これらの各種の液体燃料は、必要に応じて1種用いても、複数種を併用してもよい。
液体燃料の供給は、ポンプなどにより、供給流の線速度が1〜1000mm/秒で行われる。線速度は、好ましくは4〜700mm/秒であり、さらに好ましくは10〜400mm/秒である。線速度が遅いと、水蒸気と接触させて混合するときに液体燃料の微粒子化が行われず、また、脈流や不均一な供給を発生させる。逆に線速度が速すぎると、配管との摩擦で差圧が発生し、ポンプなどの供給機の安定性に問題が発生する。
【0011】
また、供給される際の液体燃料の温度は、一般に液体燃料の凝固点以上終点未満であればよく、通常常温〜150℃程度とするのが好ましい。凝固点以下の温度では部分的に結晶が存在し、フィルター目詰まりやポンプなどでの供給に問題が発生する。逆に終点以上の温度で供給しては、本発明の特徴の1つである液体燃料の分圧低下による沸点低下の意義がなくなる。
各種液体燃料の凝固点は、例えばJIS規格により、軽油では2号品の目詰まり点として−5℃以下と規定されている。
また、各種液体燃料の終点は、例えばJIS規格により、1号ガソリンでは終点として200℃以下(JIS K−2202)に、1号灯油では95vol.%留出温度として270℃以下(JIS K−2203)に、1号軽油では90vol.%留出温度として360℃以下(JIS K−2204)に規定されている。合成油は目的に応じて蒸留性状を変化させるため一概に定義できないが、灯油もしくは軽油相当品ではその蒸留性状はJIS規格により規定される上記灯油もしくは軽油の性状に準拠している。
液体燃料は、供給する際の温度を上記範囲で任意に調整することができるが、その調整手段は特に制限されない。例えば、加熱する場合は、電気ヒーター、スチームヒーター、燃焼ガス、排熱などが挙げられる。なかでも、本発明の気化方法による液体燃料の気化工程を、水素生成のための改質工程や燃料電池による発電工程と組み合わせて利用し、該改質工程や発電工程において発生した排熱を利用することが熱効率の向上の観点から好ましい。
【0012】
液体燃料と接触させて混合する水蒸気は、100℃以上、好ましくは120℃以上600℃以下の温度で、500〜300000mm/秒、好ましくは900〜150000mm/秒、さらに好ましくは3000〜150000mm/秒の線速度で、ポンプなどにより供給する。
水蒸気の温度が低すぎると、液体燃料との接触、混合の際に部分的な凝縮水分・留分が生じ、液体燃料と水蒸気の均一な混合が不可能となる。例えば、常圧における水の沸点は100℃であるので、100℃未満だと凝縮水分が生じ好ましくない。逆にあまりにも高温すぎると、本発明の特徴の1つである液体燃料の分圧低下による沸点低下の意義がなくなるだけでなく、液体燃料と接触、混合させた瞬間に、液体燃料の変性や副反応が発生する可能性がある。
また、供給時の線速度が遅いと、液体燃料の微粒子化が行われず、逆に速すぎると、配管との摩擦で差圧が発生し、ポンプなどの供給機に問題が発生する。
水蒸気の発生に使用する熱源は、特に制限されないが、電気ヒーター、スチームヒーター、燃焼ガス、排熱などが挙げられる。なかでも、本発明の気化方法による液体燃料の気化工程を、水素生成のための改質工程や燃料電池による発電工程と組み合わせて利用し、該改質工程や発電工程において発生した排熱を利用することが熱効率向上する上好ましい。
【0013】
液体燃料と水蒸気との接触、混合部の温度、すなわち液体燃料と水蒸気とを接触、混合させて得られた混合物の温度は、液体燃料の円滑な気化を促進するために120℃以上、液体燃料の常圧における終点温度未満、好ましくは135℃以上350℃以下に保持される。保持温度が低すぎると、気化された液体燃料や水蒸気が再凝縮してしまったり、液体燃料の気化が遅くなってしまったりするという問題が発生する。逆に高すぎると、本発明の特徴の1つである液体燃料の分圧低下による沸点低下の意義がなくなるだけでなく、液体燃料の変性や副反応が発生する可能性がある。
ここで所望の保持温度を維持するために必要な熱源は、特に制限されないが、電気ヒーター、スチームヒーター、燃焼ガス、排熱などが挙げられる。なかでも、本発明の気化方法による液体燃料の気化工程を、水素生成のための改質工程や燃料電池による発電工程と組み合わせて利用し、該改質工程や発電工程において発生した排熱を利用することが熱効率向上する上好ましい。
【0014】
本発明で液体燃料と水蒸気とは、液体燃料の微粒子化のために、上記各所定の線速度を有する液体燃料の供給流と水蒸気の供給流とを85〜95°の角度で接触させ、混合する。低角度(並行)で接触、混合すると、液体燃料の微粒子化が促進されず、逆に高角度(向流)で接触、混合すると、液体燃料と水蒸気の各供給流に脈流が発生してしまう。
【0015】
また、本発明では、液体燃料と水蒸気の各供給流の接触、混合に際して、酸素(空気)も混合系に添加して、酸素(空気)を含有する液体燃料と水蒸気の混合物を得ることもできる。この混合系への酸素(空気)の添加は、本発明の気化方法による液体燃料の気化工程を、水素生成のための改質工程、特に改質反応が自己熱改質反応である場合に好ましく行われる。その際の酸素(空気)の添加量は、O2/C基準で0.5以下が好ましく、さらに好ましくは0.1以下の範囲であるが、供給酸素に対する影響が1%未満となる領域、すなわちO2/C<0.01では効果が顕著の発現が期待できない。また、逆にO2/C>0.5と多すぎる酸素(空気)量は爆発の危険性や後記する改質工程における水素濃度の低下を引き起こす。
【0016】
本発明に従って液体燃料と水蒸気の各供給流を、必要に応じて酸素(空気)を添加して、接触、混合して得られる混合物は、気化された液体燃料と水蒸気、あるいはさらに酸素(空気)とが均一に混合されているため、何らの処理を施すことなくそのまま、水素を製造するための改質工程における水素製造原料として好適に用いることができる。酸素(空気)が添加されてない当該混合物は改質工程において水蒸気改質反応による水素製造の好適なる原料となり、酸素(空気)が添加されている当該混合物は改質工程において自己熱改質反応による水素製造の好適なる原料となる。この際の水素を製造するための改質工程としては、従来から知られた各種水素製造用改質工程を適宜選択して採用することができる。
【0017】
また、上記の本発明に従って得られた、気化された液体燃料と水蒸気の混合物を水素製造原料として用いた改質工程において得られた水素は、燃料電池における発電に使用する水素として好適に用いることができる。この際の燃料電池としては、従来から知られた各種燃料電池を適宜選択して採用することができる。
【0018】
本発明の気化方法は簡易な装置で容易に行うことができる。図1に、その一例の概略断面図を示すが、本発明の実施がこの装置に限定されるわけではない。
液体燃料用配管3から供給される液体燃料の供給流6と、水蒸気用配管2から供給される水蒸気の供給流5とを接触混合部1にて所定の角度で接触させ混合し、混合部1を所定の温度に保持することにより、液体燃料を気化させる。気化させた液体燃料と水蒸気との混合物は、配管4により取り出し、例えば改質工程などに直接送り出すことができる。
液体燃料の供給流と水蒸気の供給流との接触角は、接触混合部1の形状を変えることで調整することができ、図1の場合は、接触角がおよそ90°の場合で、T字管などを用いればよい。酸素(空気)を同時に混合させる場合は、酸素(空気)用の配管用の入口を設けた形状の接触混合部1を用意すればよい。また、各供給流の線速度は、配管の太さや供給流を送り出すポンプ圧などにより供給量を変えることで調整できる。
以上のように、複雑な構成の装置を用いることなく、簡易な操作で、液体燃料と水蒸気を均一に混合させ、低温において容易に液体燃料の気化を本発明では行うことができる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例および比較例によりさらに具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0020】
実施例1
水タンクからポンプを通じて、加熱蒸発器により生成された120℃の水蒸気が、27g/hrの量で1/8インチの配管(外径3.2mm、内径2.2mm、肉厚0.5mm)を通過させて供給した。この水蒸気の体積供給量は理想気体と仮定すると48.5l/hrであり、配管を通過する線速度は3647mm/秒となる。
一方、灯油タンクからポンプを通じて、1号灯油が、6g/hrの量で1/16インチの配管(外径1.6mm、内径0.6mm、肉厚0.5mm)を通過させて供給した。この灯油の体積供給量は7.5ml/hr(灯油の密度が0.8g/ml)であり、配管を通過する線速度は10.6mm/秒となる。
これら2本の配管を1/4インチのT字ユニオンへ、水蒸気の配管は水平方向の左から、灯油の配管は垂直方向の下から接続して、90°の角度にて水蒸気の供給流と灯油の供給流を接触、混合させ、得られた気化された灯油と水蒸気の混合物をそのまま1/4インチ配管(外径6.4mm、内径4.4mm、肉厚1.0mm)にてその後に続く改質工程の水蒸気改質の触媒床へと導いた(図1参照)。接触混合部である1/4インチT字ユニオン内部に設置した熱電対は135℃を示した。なお、この際、1/4インチT字ユニオン外部を電気ヒーターにより加熱し、その外部温度は200℃であった。
【0021】
気化された灯油と水蒸気の混合物の水蒸気改質反応は以下の条件で行われた。
触媒:Ru/Al23(Ru:2wt%,Al23:残部)
反応温度:700℃
S/C*1:3.5
反応圧力:常圧(出口開放)
触媒前処理:水素流通下で700℃、2時間
活性評価方法:反応開始後10時間後のC1転化率から算出した反応速度定数*2、および使用後触媒上へのC堆積量測定
*1 STEAM/CARBON比:水蒸気と灯油の比率を示す。水蒸気のモル数/灯油中の炭素モル
*2 C1転化率=(反応後のCO+CO2+CH4のモル数)/供給した灯油中の炭素モル
反応速度定数=−LHSV×ln(1−C1転化率)
(LHSV:Liquid Hourly Space Velocity(液空間速度))
この水蒸気改質反応の結果(相対触媒活性(反応速度定数)、C堆積量、改質ガス中の水素濃度)を表1に示した。なお、相対触媒活性は高いほど、C堆積量は低いほど、改質ガス水素濃度は高いほど、気化工程における液体燃料の気化および液体燃料と水蒸気との混合が順調に行われていることを示す。
【0022】
実施例2〜7、比較例1〜8
実施例1において、灯油および水蒸気の供給量、配管サイズ、配管を通過する線速度、接触、混合部の温度、接触角度、酸素添加量、および供給水蒸気の温度のいずれか少なくとも一つを表1、表2に示すとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして灯油と水蒸気とを接触、混合させ、得られた気化された灯油と水蒸気の混合物をその後に続く改質工程に導いて改質反応を行った。この改質反応の結果を表1、2に示した。
【0023】
【表1】
Figure 0004071589
【0024】
【表2】
Figure 0004071589
【0025】
表1、2に示すとおり、本発明に従った実施例では、優れた改質反応結果が得られており、灯油が好適に気化され、均一なる気化された灯油と水蒸気の混合物が得られていることは明らかである。一方、本発明の要件のいずれかを逸脱した比較例では、改質反応結果が実施例に比べて劣っており、得られた気化された灯油と水蒸気の混合物の均一性等の特性が、実施例で得られた混合物に比べて劣ることは明らかである。ただし、実施例2は、酸素を多く添加し過ぎたときの問題点(改質ガス中の水素濃度の低下)を示すものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、簡易な構成の装置で、液体燃料と水蒸気とを、それぞれ一定範囲の線速度で供給し、かつこれら両者の供給流を一定範囲の角度で接触させて混合し、水蒸気の混合に起因する液体燃料の分圧低下による沸点低下を利用すると共に、脈流や気化しない重質分の滞留を抑制して、液体燃料を好適に気化させることができ、また、得られた気化された液体燃料と水蒸気の混合物は、水素を製造するための改質反応の原料として好適に用いることができ、さらには、その改質反応で得られた水素は燃料電池の発電に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施する気化装置の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
1 接触混合部
2 水蒸気用配管
3 液体燃料用配管
4 配管
5 水蒸気供給流
6 液体燃料供給流

Claims (5)

  1. 1〜1000mm/秒の線速度で供給される液体燃料と、100℃以上の温度で500〜300000mm/秒の線速度で供給される水蒸気とを、これら両者の供給流のなす角度を85〜95°にして接触させ混合し、得られる混合物の温度を120℃以上、液体燃料の常圧における終点温度未満にすることを特徴とする液体燃料の気化方法。
  2. 液体燃料が、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油および合成油から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の液体燃料の気化方法。
  3. 液体燃料と水蒸気とを混合させる際に、酸素がO/C換算で0.5以下の範囲で混合されることを特徴とする請求項1または2に記載の液体燃料の気化方法。
  4. 気化された液体燃料と水蒸気の混合物が、水素製造用原料として改質工程に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体燃料の気化方法。
  5. 気化された液体燃料と水蒸気の混合物が、水素製造用原料として改質工程に用いられ、該改質工程において製造された水素が燃料電池において発電に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体燃料の気化方法。
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