JP4071416B2 - シアル酸分岐シクロデキストリン誘導体とその中間体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシアル酸を側鎖に有するシクロデキストリン誘導体に関する。シクロデキストリン類は包接化合物として周知の化合物である。芳香族系の化合物を包接できることから医薬や食品添加剤として広く利用されている。一方、糖鎖が細胞表層において細胞の認識や接着などの重要な働きを担っていることが明らかになってきている。特に、シアル酸はウイルスやバクテリアの感染などに重要な機能を果たしていると言われている。例えば、インフルエンザウイルスの接着、感染のリガンドとなっていることなどが明らかにされている。そこで、もし、シクロデキストリンにシアル酸を結合させることが出来れば、医薬を包接させ、糖鎖の認識機構を利用し、いわゆるドラッグデリバリーシステム、とりわけ標的ドラッグデリバリーシステムのツールとなり、新しい医薬の輸送技術を提供できるものと考えられる。
【0002】
【従来の技術】
しかしながら、シアル酸誘導体の化学合成は今なお困難な課題であると同時に、シクロデキストリンの側鎖にどのような結合を介して分岐させればよいのかなど課題が多く、シアル酸を側鎖に有するシクロデキストリン誘導体は未だその例を見ていない。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、シアル酸を側鎖に有するシクロデキストリン誘導体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決しようとするための手段】
そこで、本発明者らは、シアル酸誘導体の製造法を参考に鋭意検討し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、シクロデキストリンの1級水酸基をアミノ基で置換した6−モノアミノシクロデキストリン誘導体のアミノ基の水素を、下記構造式
【化1】
(式中、nは0から5の整数を示す。)で示されるシアル酸含有アシル基で置換したことを特徴とするシアル酸分岐シクロデキストリン誘導体および一般式
【化2】
(式中、Rは9−フルオレニルメチル基を示す。)で表される製造中間体である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
まず、本発明方法の原料となるシクロデキストリンの1級水酸基をアミノ基で置換したアミノシクロデキストリン誘導体としては周知の誘導体を使用できる。シクロデキストリンとしてはグルコース単位が6個のαシクロデキストリン、7個のβシクロデキストリン、8個のγシクロデキストリンなどを挙げることが出来る。加えて、化学的、酵素的に合成した誘導体であっても何ら支障はない。例えば、グルコース単位が5個以下のものや、9個以上のものなど、あるいは、グルコース以外の単糖をその構成糖とする誘導体などを挙げることが出来る。こうした一連のシクロデキストリン類の1級水酸基の1つをアミノ基に置換した誘導体が利用できる。
【0007】
アミノ基へ置換する方法も周知の方法を利用できる。水酸基に適当な脱離基を導入し、これをアジド化し、次いで還元する方法が一般的である。
【0008】
シクロデキストリン誘導体の水酸基を周知の方法で保護し、アシル化の後に脱保護して調製できることは言うまでもないが、水酸基を必ずしも保護する必要はない。アミノ基をアシル化する際に、アミノ基と水酸基との反応性に差のある周知のアシル化の方法を選択すれば、水酸基無保護のまま使用することが出来る。例えば、コハク酸イミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステルなどの活性エステルや対称酸無水物、ジメチルチオホスフィン酸混合酸無水物法などを挙げることが出来る。
【0009】
次に、本発明化合物の製造法について述べる。本化合物はシアル酸のカルボキシプロピルグリコシド誘導体、6−アミノカプロン酸、6−モノアミノシクロデキストリン誘導体を順次縮合した誘導体である。実際には、6−モノアミノシクロデキストリン誘導体と縮合する方法や順番は何ら制限はない。たとえば、シアル酸誘導体と6−モノアミノカプロン酸を縮合させ、次いで、6−モノアミノシクロデキストリン誘導体と縮合することもできるし、逆に、6−モノアミノシクロデキストリン誘導体と6−アミノカプロン酸を縮合させ、次いで、シアル酸のカルボキシプロピルグリコシド誘導体を縮合することもできる。
【0010】
それぞれを縮合する方法としては何ら制限なく、周知の方法を使用できる。例えば、活性エステル法、対称酸無水物法、混合酸無水物法、いわゆる縮合試薬などを使用できる。具体的には、コハク酸イミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、無水コハク酸の使用、ジメチルチオホスフィン酸混合酸無水物、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などを挙げることができる。
【0011】
6−モノアミノカプロン酸は周知の方法でアミノ基を保護した誘導体を用い縮合し、脱保護して反応を進める。保護基として具体的にはベンジルオキシカルボニル基、第3ブチルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基などを挙げることができる。まず、6−モノアミノシクロデキストリンと反応させ、脱保護と縮合を繰り返すことで、長鎖のカプロン酸オリゴマーを有する誘導体を調製できる。更にシアル酸のカルボキシプロピルグリコシドと縮合することにより本発明化合物誘導体へと導くことができる。これとは逆にカルボキシル基を保護して縮合できることは言うまでもない。また、アミノ基を保護した6−モノアミノカプロン酸誘導体と遊離の6−モノアミノカプロン酸もしくはカルボキシル基を保護した誘導体を縮合させ、予めオリゴマーを調製し、シアル酸誘導体およびモノアミノシクロデキストリンとの縮合させることができるのは言うまでもない。
【0012】
シアル酸のカルボキシルプロピルグリコシド体の1位のカルボキシル基は保護して使用する。保護基としては周知の保護基を使用できる。例えば、脂肪族エステル、芳香族エステルなどとして保護する。具体的には、メチルエステル、エチルエステル、アリルエステル、第3ブチルエステル、ベンジルエステル、9−フルオレニルメチルエステルなどを挙げることができる。一方、水酸基は無保護のまま使用することも可能であるが、通常周知の方法で保護する。例えば、アシル基、アルキル基、シリル基などで保護できる。具体的には、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、第三ブチルジメチルシリル基などを挙げることができる。特に、1位のカルボキシル基を9−フルオレニルメチルエステルで保護し、水酸基をアセチル基で保護した誘導体が単離精製の観点から中間体として好ましい。
【0013】
【実施例】
既存の方法にて調製したメチル (4-ペンテニル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)オネート (400 mg, 0.71 mmol) をピリジン (70 ml) に溶解し、ヨウ化リチウム (1.0 g, 7.5 mmol) を加えアルゴン雰囲気下120℃にて1日撹拌した。反応溶液を減圧濃縮し得られた残さをジクロルメタンで抽出した。有機層を2M 塩酸で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液を減圧濃縮した。残さをジクロルメタン (3 ml) に溶解し、9-フルオレニルメタノール (280 mg, 1.4 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 (270 mg, 1.4 mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (43 mg, 0.35 mmol) を加え、室温にて1日撹拌した。反応溶液を飽和食塩水に注ぎ、ジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、乾燥剤を濾別後、濾液を減圧濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ワコーゲルC-300) に供し、ジクロルメタン:メタノール=70:1にて溶出し、9-フルオレニルメチル (4-ペンテニル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)オネート (127 mg, 0.17 mmol, 25 %) を得た。
【0014】
1H-NMR (CDCl3) δ 1.60 (m, 2H, H-2 of 4-pentenyl), 1.88 (s, 3H, AcN), 1.97 (t, 1H, J3ax,3eq = J3ax,4 = 12.7 Hz, H-3ax), 2.02, 2.03, 2.11, 2.13 (4s, 12H, 4AcO), 2.06 (m, 2H, H-3 of 4-pentenyl), 2.53 (dd, 1H, J3ax,3eq = 12.7 Hz, J3eq, 4 = 4.6 Hz, H-3eq), 3.15, 3.72 (2m, 2H, H-1 of 4-pentenyl), 3.98 (dd, 1H, J5,6 = 10.0 Hz, J6,7 = 1.7 Hz, H-6), 4.06 (q, 1H, J4,5 = J5,6 = J5,NH = 10.0 Hz, H-5), 4.08 (dd, 1H, J8,9 = 5.3 Hz, J9,9' = 12.4 Hz, H-9), 4.24 (t, 1H, JCH,CH2 = 6.6 Hz, CH of Fm), 4.28 (dd, 1H, J8,9' = 2.7 Hz, J9,9' = 12.4 Hz, H-9'), 4.51 (m, 2H, CH2O of Fm), 4.76 (m, 1H, H-4), 4.94, 5.00 (2m, 2H, H-5 of 4-pentenyl), 5.21 (d, 1H, J5,NH = 10.0 Hz, NH), 5.29-5.34 (m, 2H, H-7, H-8), 5.77 (m, 1H, H-4 of 4-pentenyl), 7.29-7.79 (m, 8H, 2Ph).
【0015】
13C-NMR (CDCl3) δ 20.88,20.93, 20.96, 21.21 (4AcO), 23.28 (AcN), 28.83 (C-2 of 4-pentenyl), 30.03 (C-3 of 4-pentenyl), 38.09 (C-3), 46.65 (CH of Fm), 49.46 (C-5), 62.32 (C-9), 64.17 (C-1 of 4-pentenyl), 67.31 (C-7), 67.42 (CH2O of Fm), 68.74 (C-8), 69.13 (C-4), 72.41 (C-6), 98.53 (C-2), 114.60 (C-5 of 4-pentenyl), 120.03, 120.08, 124.56, 124.72, 127.02, 127.10, 124.68, 127.76, 141.06, 142.89, 142.97 (2Ph), 137.80 (C-4 of 4-pentenyl), 167.62, 169.66, 169.77, 169.89, 170.28, 170.48 (6CO).
【0016】
得られた9-フルオレニルメチル (4-ペンテニル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ−α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシド)オネート (200 mg, 0.28 mmol) をジクロルメタン (3 ml),アセトニトリル (3 ml), 水 (3 ml) に溶解し、過ヨウ素酸ナトリウム (300 mg, 1.40 mmol) と触媒量の塩化ルテニウム水和物を加え、室温にて1時間撹拌した。反応溶液をジクロルメタンで希釈し、有機層を2M 塩酸で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液を減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、ジクロルメタン:メタノール=15:1にて溶出し、4-O-(9-フルオレニルメチル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-ブタノイックアシッド (110 mg, 0.15 mmol, 53 %) を得た。
【0017】
1H-NMR (CDCl3) δ 1.88 (s, 3H, AcN), 2.02, 2.03, 2.11, 2.13 (4s, 12H, 4AcO), 2.46 (m, 1H, H-3eq), 3.19, 3.71 (2m, 2H, H-4 of Bu ), 4.55 (m, 2H, CH2O of Fm), 4.74 (m, 1H, H-4), 7.27-7.78 (m, 8H, 2Ph).
【0018】
13C-NMR (CDCl3) δ 20.76, 20.82, 21.07, 23.07 (5Ac), 24.72 (C-3 of Bu), 30.31 (C-2 of Bu), 37.82 (C-3), 46.54 (CH of Fm), 49.32 (C-5), 62.42 (C-9), 63.52 (C-4 of Bu), 67.32 (CH2O of Fm), 67.23, 68.64, 68.92, 72.35 (C-4, C-6, C-7, C-8), 98.42 (C-2), 120.12, 124.56, 124.67, 127.07, 127.15, 127.74, 127.81, 141.12, 142.96 (2Ph), 167.66, 169.91, 170.02, 170.35, 170.67, 170.73, 176.91 (7CO).
【0019】
次に、得られた4-O-(9-フルオレニルメチル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-ブタノイックアシッド (50 mg, 0.067 mmol), をジクロルメタン (1 ml) に溶解し、1M N,N-ジイソプロピルエチルアミンのN,N-ジメチルホルムアミド溶液 (0.075 ml, 0.075 mmol) を加えた後、0℃に冷却し1M 塩化ジメチルホスフィノチオイルのジクロルメタン溶液 (0.075 ml, 0.075 mmol) を加え、室温にまで昇温しながら1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して得られた残さをN,N-ジメチルホルムアミド (1 ml) に溶解し、別途調製した6-(6-アミノヘキサン-1-アミド)-ヘキサノイックアシッド トリフルオロ酢酸塩 (72 mg, 0.20 mmol) と1M N,N-ジイソプロピルエチルアミンのN,N-ジメチルホルムアミド溶液 (0.15 ml, 0.15 mmol) を合わせた水溶液 (1 ml) を加え、室温にて1時間撹拌した。反応溶液に酢酸エチルを加え抽出し、有機層を2M 塩酸で洗浄し後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤を濾別し、濾液を減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ワコーゲルC-300) に供し、ジクロルメタン:メタノール=10:1にて溶出し、6-{6-[4-O-(9-フルオレニルメチル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-ブタン-1-アミド]-ヘキサン-1-アミド}-ヘキサノイックアシッド (23 mg, 0.023 mmol, 35%) を得た。
【0020】
1H-NMR (CD3OD-CDCl3) δ 1.27-2.33 (m, 20H, 10CH2), 1.86 (s, 3H, AcN), 2.03, 2.04, 2.13, 2.14 (4s, 12H, 4AcO), 2.55 (dd, 1H, J3ax,3eq = 12.7 Hz, J3eq,4 = 4.6 Hz, H-3eq), 3.17 (m, 5H, 2CH2N, H-4 of Bu), 3.66 (m, 1H, H-4 of Bu), 4.54 (m, 2H, CH2O of Fm), 4.76 (m, 1H, H-4), 5.28-5.36 (m, 2H, H-7, H-8), 7.31-7.80 (m, 8H, 2Ph).
【0021】
13C-NMR (CD3OD-CDCl3) δ 20.81, 20.83, 20.90, 21.21, 22.68 (5Ac), 24.65, 25.55, 26.08, 26.50, 29.09, 29.13, 33.20, 34.08, 36.33, 37.92, 39.32 (C-3, 12CH2), 46.77 (CH of Fm), 49.85 (C-5), 62.79 (C-9), 64.26 (C-4 of Bu), 67.75 (CH2O of Fm), 67.61, 68.79, 69.52, 72.23 (C-4, C-6, C-7, C-8), 98.73 (C-2), 120.13, 120.16, 124.85, 127.21, 127.25, 127.92, 127.97, 141.18, 141.24, 143.04, 143.20 (2Ph), 167.61, 170.27, 170.73, 171.24, 171.53, 173.68, 174.16, 176.20 (8CO).
【0022】
6-{6-[4-O-(9-フルオレニルメチル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-ブタン-1-アミド]-ヘキサン-1-アミド}-ヘキサノイックアシッド (23 mg, 0.024 mmol) をジクロルメタン (0.5 ml) に溶解し、1M N,N-ジイソプロピルエチルアミンのN,N-ジメチルホルムアミド溶液 (0.024 ml, 0.024 mmol) と1M 塩化ジメチルホスフィノチオイル(0.030 ml, 0.030 mmol)を0℃にて加え、室温にまで昇温しながら1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し得られた残さをN,N-ジメチルホルムアミド (1 ml) に溶解し、1M N,N-ジイソプロピルエチルアミンのN,N-ジメチルホルムアミド溶液 (0.050 ml, 0.050 mmol) と6-アミノシクロマルトヘプタオース (134 mg, 0.118 mmol) の水溶液 (1 ml) を加え、室温にて1日撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して得られた残さをカラムクロマトグラフィー (ダイアイオンHP-20) に供し、メタノールにて溶出したフラクションを減圧濃縮した。残さを陰イオン交換カラムクロマトグラフィー (Dowex 1, HCOO- form) に供し、水にて溶出したフラクションを凍結乾燥し、6-(6-{6-[4-O-(9-フルオレニルメチル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-ブタン-1-アミド]-ヘキサン-1-アミド}-ヘキサン-1-アミド)-シクロマルトヘプタオースの粗精製物 (18 mg) を得た。
【0023】
MALDI-TOF MASS: Calcd for C91H134N4O50; [M+Na]+ 2107.03. Found; [M+Na]+ 2109.52
【0024】
続いて、上記の6-(6-{6-[4-O-(9-フルオレニルメチル 5-アセトアミド-4,7,8,9-テトラ-O-アセチル-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオネート)-ブタン-1-アミド]-ヘキサン-1-アミド}-ヘキサン-1-アミド)-シクロマルトヘプタオース (18 mg) を水 (1ml) に溶解し、0.3M 水酸化カリウム水溶液 (0.5 ml) を加え、室温にて1日撹拌した。反応液をアンバーライトIR-120 (H+ form) を用いて中和した後、樹脂を濾別し水で洗浄した。濾液と洗液は合わせて減圧濃縮し、得られた残さを合成吸着剤ダイヤイオンHP−20によるカラムクロマトグラフィーに供した。水にて溶出したフラクションを凍結乾燥しシアル酸を側鎖に有するシクロデキストリン誘導体6-(6-{6-[4-O-(5-アセトアミド-3,5-ジデオキシ-D-グリセロ-α-D-ガラクト-2-ノヌロピラノシルオニックアシッド)-ブタン-1-アミド]-ヘキサン-1-アミド}-ヘキサン-1-アミド)-シクロマルトヘプタオース (10 mg, 0.006 mmol, 24 %) を得た。
【0025】
MALDI-TOF MASS: Calcd for C69H116N4O46; [M-H]- 1736.64. Found; [M-H]- 1735.39.
【0026】
【発明の効果】
シアル酸を側鎖に有するシクロデキストリン誘導体は、シアル酸部分のウイルス接着能などの機能と、シクロデキストリンの包接能を合わせ持った医薬の新しいドラッグデリバリーシステム(DDS)キャリヤーとして利用できる。従って、本発明化合物は新たな医薬の開発や製造への貢献できる新素材として、その工業的価値は大である。
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