JP4071401B2 - 廃棄物処分場の遮水構造とその形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物処分場の遮水構造とその形成方法に関し、特に、遮水層が破損した場合に外部からの補修工事をしなくても自己作用によって破損部分を修復することの可能な廃棄物処分場の遮水構造とその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物や一般廃棄物を埋立する廃棄物処分場では、処分場からの漏出汚水が地下に浸透して環境汚染を引き起こさないように、処分場の底面に遮水工事を実施することが義務付けられている。かかる遮水工事は、軟質の合成樹脂系あるいはゴム系の遮水シートを敷設する方法が採用されているが、広大な面積を有する廃棄物処分場を一枚の遮水シートによって一度に覆うことは施工上困難なことから、複数に分割したものを溶着や接着剤でその端部を接合して敷設する工法が採用されている。しかしながら、分割した遮水シートを現場において接合する方法は、接合不良によって欠損箇所から汚水が外部に漏出する恐れがあった。
【0003】
又、二枚の柔軟なシートの空間部にベントナイト等の膨潤性のある粘土層や吸水性樹脂を封入した遮水シートも採用されているが、廃棄物の埋め立て作業中や埋め立て完了後に遮水シートが破損して汚水が外部に漏出するという問題は回避されていなかった。遮水シートの破損要因は、物理・化学的な破損や生物的破損と広範囲に及んでおり、完全に防止することが困難なことから有効な対策は未だに確立されていない。このために、シートの破損を検知して修復する技術の開発が行われ、検知方法に関しては種々の提案がなされ精度的にも有効な技術として実用に至っている。
【0004】
しかし、シートの修復技術に関しては、破損部周辺に薬液注入をする間接的な修復や廃棄物を掘削して破損部を直接的に修復するものであり、シートの破損部を早期に検知しても、汚染水が外部に流出したあとに修復を完了させることになってその間に発生する環境汚染を防止することが出来なかった。
【0005】
又、空間部を有するシートの補修に関しても、セメント等のグラウト注入等によって漏水部分の補修を行っていたために、注入した空間部のすべてが固化することになり、固化した区間において次に漏水が起こった場合は、検知機構が作動しない状況になっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、遮水シートの破損が発生した場合に、破損と同時に遮水シート自らの修復機能が発揮されて、廃棄物からの浸出水が外部に流出する前に破損箇所を遮水することができ、なおかつ、同一区間が再度破損しても直ちに修復することができる廃棄物処分場の遮水構造とその形成方法を提供している。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物からの浸出水が漏出するのを防止している廃棄物処分場の遮水構造であって、廃棄物処分場を構築する基礎地盤の上に敷設する下部遮水層と、下部遮水層と対峙し、かつ下部遮水層との間に浸出水よりも高い圧力で液状修復材が供給充填される中間層を形成する上部遮水層と、上部遮水層上および下部遮水層下の基礎地盤の表層上に、土を圧密に敷設して形成され、液状修復材の流出により難透水層を形成する修復対応層から構成されており、遮水層の破損が発生した場合に浸出水よりも高い圧力で充填されている液状修復材が破損個所から流出して修復対応層と連携しながら破損部分を自ら修復している。
【0008】
請求項2に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1に記載の廃棄物処分場の遮水構造において、基礎地盤の表層上の修復対応層上に、不織布を介在させたことを特徴としており、上記機能に加えて、いずれかの遮水層が破損した場合には、イオン交換によって液状修復材が不織布の負電荷に引かれて吸着し、不織布の繊維間に存在する間隔を塞いで透水性を下げるように機能し、さらに、浸水性が下がった不織布は、フィルターとなって水分のみが外部に排出されて液状修復材が吸着した繊維が増大して行くことから、不織布には漸次、浸透沈積層が形成されて行き、泥膜が形成されて破損個所を修復することとなり、遮水及び自己修復性能の向上を図っている。
【0009】
請求項3に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1又は2に記載の廃棄物処分場の遮水構造において、上部と下部の各遮水層が合成樹脂あるいはゴム系の材料で製作されたシートであることを特徴としており、上記機能に加えて遮水性能の向上を図っている。
【0010】
請求項4に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1に記載の廃棄物処分場の遮水構造において、下部遮水層および下部遮水層下の修復対応層に代えて、基礎地盤の表層上に、液状修復材によって泥膜を形成して遮水する粘土層又は粘土混合土層を形成したことを特徴としており、上記機能に加えて遮水層コストの低減を図っている。
【0011】
請求項5に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1又は2に記載の廃棄物処分場の遮水構造において、少なくとも下部遮水層が基礎地盤の表層上の修復対応層と液状修復材とによって形成された修復材浸潤膜であることを特徴としており、上記機能に加えて使用部材の削減を図ることで施工コストの大幅な低減を図っている。
【0012】
請求項6に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至5のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、上部と下部の各遮水層及び中間層が平面方向に複数の区画に分割していることを特徴としており、上記機能に加えて修復機能の効率化を図っている。
【0013】
請求項7に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至6のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、中間層に形状保持部材を配備することを特徴としており、上記機能に加えて液状修復材を充填する空隙を確保し遮水層に加わる応力を低減させてその破損を防止している。
【0014】
請求項8に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至7のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、液状修復材としてコロイド溶液を採用することを特徴としており、上記機能に加えて修復対応層での難透水作用と泥膜形成を促進している。
【0015】
請求項9に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至7のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、液状修復材として膨潤性粘土鉱物溶液を採用することを特徴としており、上記機能に加えて修復対応層での難透水作用と泥膜形成を促進している。
【0016】
請求項10に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至9のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、液状修復材に磁性流体を混入させることを特徴としており、上記機能に加えて液状修復材の充填、供給や品質管理を効率的にしている。
【0017】
請求項11に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至10のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、液状修復材の圧力状態を液状修復材の供給水頭と廃棄物からの浸出水の水頭との水位差によって制御することを特徴としており、上記機能に加えて浸出水との圧力バランスによって遮水層の破損の防止と破損時の修復を確実にしている。
【0018】
請求項12に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造の形成方法は、基礎地盤の表層上に形成した下部の修復対応層の上に形状保持部材を敷設し、形状保持部材の上に上部の修復対応層を敷設して通水間隙を有する中間層を形成し、形状保持部材上の修復対応層に拘束荷重を加え、しかる後に中間層の間隙に液状修復材を供給充満して、少なくとも下部の修復対応層に修復材浸潤膜を形成することを特徴としており、少なくとも下部遮水層を、基礎地盤の表層上の修復対応層と液状修復材とによって形成された修復材浸潤膜で構成することで施工コストの低減を図っている。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明による廃棄物処分場の遮水構造は、基本的に、廃棄物からの浸出水が漏出するのを防止するために、廃棄物処分場を構築する基礎地盤の上に敷設する下部遮水層と、下部遮水層と対峙し、かつ下部遮水層との間に浸出水よりも高い圧力で液状修復材が供給充填される中間層を形成する上部遮水層と、上部遮水層上および下部遮水層下の基礎地盤の表層上に、土を圧密に敷設して形成され、液状修復材の流出により難透水層を形成する修復対応層から構成されている。これによって、遮水層の破損が発生した場合に、浸出水よりも高い圧力で充填されている液状修復材が破損個所から流出し、修復対応層と連携しながら破損部周辺に物理・化学的な難透水層を即時的に形成して破損した遮水層を自ら修復している。以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、廃棄物処分場に本発明による廃棄物処分場の遮水構造を適用している廃棄物処分施設の概観図である。廃棄物処分場1は、山間部等における広大な敷地を凹状に掘削形成している。処分場底面の地盤は、整正締固めして防水基礎地盤2とし、所定傾斜の法面を形成させながら角礫や突起物を除去して平滑に仕上げられており、廃棄物処分場1は、上記基礎地盤の上に、上部、下部の各遮水層間に形成された中間層に修復材を浸出水よりも高い圧力で供給充填している複合遮水体4を、所定の高さまで敷設し、その上に修復対応層3を積層して構築している。廃棄物処分場には、しかる後に廃棄物を投棄して埋め立てて行くが、廃棄物から流出した浸出水5は複合遮水体4によって外部への流出を阻止されている。
【0021】
複合遮水体4には、修復材充填塔6から液状修復材として使用されるコロイド溶液が供給されているが、コロイド溶液は修復材充填塔6の高さによる水頭圧と浸出水5の水頭圧との水位差による圧力で複合遮水体4の中に充填されている。
【0022】
廃棄物処分場1は、コロイド溶液を貯蔵しているコロイド溶液タンク7を含めて管理棟8に設備された制御機構によって管理されており、廃棄物からの浸出水のような汚染物質が廃棄物処分施設の外部に漏洩されて環境汚染に発展することが無いように監視されている。
【0023】
複合遮水体4と修復対応層3の構造を図2に断面図として示している。基礎地盤2は不陸整正の際の平滑な仕上げや締固めによって所定の防水性能を備えているが、複合遮水体が貫通して破損した際にも、その遮水を確実にするために、その表層を修復対応層14として整地している。次いで、その上に複合遮水体の保護を図る不織布9を介在させてから複合遮水体4を敷設している。修復対応層14は、後述するように遮水シート10が破損した際にコロイド溶液の流出を受けて、不織布9と共に難透水層と泥膜の形成を促進しているが、この他に基礎地盤に残存している障害物から遮水シート10を保護する役割も分担している。複合遮水体4は、下部遮水層を構成している遮水シート10と上部遮水層を構成している遮水シート11から構成されており、両遮水シートは互いに対峙してコロイド溶液を浸出水よりも高い圧力で充填する中間層12を形成している。修復対応層14は、基礎地盤の不陸整正後に後述する上部の修復対応層と同様の土層を敷設して形成される。
【0024】
遮水シート10、11は、例えば軟質の合成樹脂あるいはゴム系のシート材料で製作されるものであるが、一枚ものとして広大な廃棄物処分場を覆うことは施工上困難があるために、作業現場において、施工に適した所定の大きさに設定した単位シートの端部を互いに重ね合わせて溶着や接着剤を介した圧着によって接合し、廃棄物処分場の底面を覆い得る大きさに一体化している。
【0025】
さらに、本実施の形態においては、複合遮水体4は図示のように、上部と下部の各遮水層及び中間層を境界区分材18で複数の区画に分割することで、上記した一枚ものの問題点を解消すると同時に、破損個所に対する修復機能を密にして遮水層における破損部分の修復が効率的に行われるようにしている。又、液状修復材としてコロイド溶液を例示してきたが、液状修復材としてはこの他にポリマー粒子を水中に安定に分散させたエマルジョンであっても採用可能である。
【0026】
コロイド溶液としては、土等において難透水層を形成し、水分のみを流出させて泥膜を形成することから、膨潤性粘土鉱物溶液が多く採用されているが、液状修復材として採用できるエマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリブタジエン等のポリマー粒子を水中に安定に分散させた各種のエマルジョンがある。
【0027】
上記のコロイド溶液である膨潤性粘土鉱物溶液を作液できる材料としては、モンモリロナイト属のベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトやホルマイト属のアタパルジャイト、セピオライト、バーミキュライト、イライト、カオリンナイト、ハロイサイト、ギブサイト、ヘマタイト、アロフェン、イモゴライト、雲母粘土鉱物、合成ベントナイト、ゼオライト、タルク、緑泥岩、カルサイト、クロライト等の粘土鉱物の天然品や合成品がある。
【0028】
中間層12の空隙にはコロイド溶液の他に形状保持部材である砕石13が配置されており、中間層12の形状を維持しながら埋設された廃棄物や浸出水等の荷重を受けて基礎地盤2に伝達している。これによって、中間層12の液状修復材を供給充填する間隙を確保し、液状修復材の浸出水よりも高い圧力状態を安定化させると共に、上部遮水層の遮水シート11が上記荷重の全てを引き受けることを避けることができるので、遮水シート11が廃棄物や浸出水等の荷重によって破損する危険性を回避している。
【0029】
上部遮水層の遮水シート11の上には、修復対応層3として現地発生土が圧密に敷設されている。修復対応層3は、後述するように複合遮水体4の遮水シート11が破損した際にコロイド溶液の流出を受けて難透水層と泥膜の形成を促進しているが、この他に埋設されている廃棄物から遮水シート11を保護する役割も分担している。そして、修復対応層3の材質としては上記の現地発生土に限定されるものでなく、他の土であっても当然に適用できるものである。遮水シート10の破損を確実に修復してより完全な遮水を確保するために、基礎地盤2の表層に形成した修復対応層14を敷設することでより安全に対応させている。
【0030】
これによって、遮水シート10が破損した際には、コロイド溶液の流出を受けて基礎地盤2の表層に難透水層と泥膜とが確実に形成されて破損した遮水シートの修復を確実にしている。そして、遮水シート10の破損時には、基礎地盤2と下部遮水層10との間に敷設されている不織布9も、コロイド粒子の吸着によって基礎地盤と同様の作用をすることで、基礎地盤の表層に難透水層と泥膜を形成することに補助的に貢献している。
【0031】
遮水構造を構成している、複合遮水体4と修復対応層3とは以上のように構成されており、通常状態においては、中間層12の空隙に充填されているコロイド溶液は、廃棄物からの浸出水5の水頭圧との比較において設定される、浸出水よりも高い圧力状態を維持している。従って、廃棄物とその浸出水は、所定の圧力状態で中間層に充填されている液状修復材との圧力バランスの下に、複合遮水体4が破損を生じない状態で遮水層によって閉塞されており、汚染物が廃棄物処分場外に流出して環境破壊を生じないように貯蔵されることになる。
【0032】
図3に示す複合遮水体の他の実施形態は、下部遮水層として粘土層又は粘土混合土層を採用している。複合遮水体15は、基礎地盤2の表層上に粘土層又は粘土混合土層16を敷設して下部遮水層にしている。この場合、下部遮水層下の修復対応層は省略される。粘土層又は粘土混合土層は、それ自体で一定の遮水性能を有しているが、さらに、液状修復材との接触によってコロイド溶液中のコロイド粒子が、粘土層又は粘土混合土層を構成している土粒子のマイナス電荷に引かれて、土粒子の表面に吸着する。溶液中の水は粘土層又は粘土混合土層及び基礎地盤の奥に漸次浸透するが、粘土層又は粘土混合土層はフイルター機能を発揮して土粒子は増大を継続して行き、間隙を塞ぐ状態に至って泥膜を形成する。この泥膜は圧力バランスするまで成長を続けてより強固な下部遮水層を構成することになる。
【0033】
以上のように、複合遮水体15は下部遮水層として粘土層又は粘土混合土層16を採用しており、粘土層又は粘土混合土層16と遮水シート11とは互いに対峙してコロイド溶液を浸出水よりも高い圧力で充填する中間層17を形成している。従って、遮水シート11に対応して、取り扱いに困難さが伴う遮水シートを省略することができることになり、施工コストの低減と工期の短縮を図ることができる。複合遮水体15における他の構成については、上記実施の形態と同様であるから説明を省略するが、複合遮水体を複数に分割する場合には、境界区分材18を図示のように粘土層又は粘土混合土層16の中に埋設させる必要がある。
【0034】
図2に示した複合遮水体の実施の形態では、上部と下部の各遮水層としてシートを用いる例を説明したが、遮水層はこれに限定されるものでなく、図4に示すように遮水層を別途の材料として使用しない施工法で遮水層を形成することもできる。図4は、液状修復材によって形成される遮水膜で構成される遮水層を示している。本実施の形態における遮水構造20の形成は、以下の遮水層の形成方法に基づいて施工されるので、形成方法を順次説明しながら、その構造を併せて説明する。即ち、下部と上部の各遮水層を構成するために、本実施の形態では、先ず基礎地盤2の表層に修復対応層21を形成する。この修復対応層21は、基礎地盤2を不陸整正する際に角礫や突起物を除去すると同時に締固めをすることでその表層を圧密にして水が容易に浸透しないように防水施工とするか、もしくは基礎地盤の不陸整正後に後述する上部の修復対応層と同様の土層を敷設して形成してもよい。
【0035】
次いで、基礎地盤表層の修復対応層21の上に形状保持部材22を敷設し、この上に修復対応層23としての土層を圧密に敷設して遮水構造20の外郭を構築する。形状保持部材22は多くの間隙を有する部材によって構成されているので、上部、下部の両修復対応層の間には、通水性の良い中間層24が形成されることになる。
【0036】
さらに、遮水構造20がコロイド溶液の充填圧力によってその形状が崩壊しないように修復対応層23に所定の押圧力を加えて拘束する。しかる後に、液状修復材としてのコロイド溶液25を形状保持部材22で構成されている中間層24に供給して順次充満させて行く。コロイド溶液の供給は、中間層24が充満状態になっても所定の浸出水よりも高い圧力状態26で継続的に行われる。
【0037】
コロイド溶液は、遮水層の破損修復の過程で詳細に説明するように、スメクタイト系粘土鉱物を主材としているので、粒径が数μm以下で薄板状の結晶を形成しており、イオン交換性があって加水によって膨潤する特性がある。このために、イオン交換によってコロイド粒子が土粒子の負電荷に引かれて土粒子に吸着し、修復対応層を構成している土の間隔を塞いで透水性を下げるように機能する。さらに、浸水性が下がった基礎地盤と修復対応層との土は、フィルターとなって水分のみが外部に排出されてコロイド粒子が吸着した土粒子が増大してして行くことから、基礎地盤と修復対応層には、基礎地盤と修復対応層との土とコロイド溶液とによって、中間層と隣接する境界域の土中に、漸次、浸透沈積層が形成されて泥膜として構成されて行き、最終的には泥膜による修復材浸潤膜が形成されて止水性を発揮する。
【0038】
従って、中間層の下部と上部には、上記修復材浸潤膜で構成された下部遮水層27と上部遮水層27’が形成されて、遮水構造20を構成することになる。このために、本実施の形態では、廃棄物処分場の通常の運用に用いる液状修復材を活用することで、複合遮水体と修復対応層とが一体化した遮水構造を構成できることから、遮水層として中間層の上部と下部に軟質の合成樹脂あるいはゴム系シートのような特別の部材を敷設する必要が無くなり、広大な廃棄物処分場における施工コストの大幅な削減と工期の短縮が図れることになる。
【0039】
なお、上記各実施の形態では、形状保持部材として砕石を採用しているが、形状保持部材としては、この他に、レンガ、ブロック、ブロック状発泡プラスチック品等の充填材や、熱可塑性プラスチック材、プラスチックドレーン又はアルミ板、ステンレス板、鉄板等を凹凸状、波板状、筒状等の立体状に成形加工した充填材のように通水性を備えており、所望の強度を有して荷重に対してもその形状を維持して修復材を供給充填するのに充分な空隙を確保し、かつ、加えられた荷重を伝達できるものであれば任意に使用することが可能である。
【0040】
次に、本発明による廃棄物処分場の遮水構造における自己修復機能について説明する。上述したように、本発明による遮水構造においては、複合遮水体の中間層に液状修復材としてコロイド溶液が浸出水よりも高い圧力状態で充填されており、上部遮水層に圧密に修復対応層が敷設されている。本実施の形態では、コロイド溶液としてスメクタイト系粘土鉱物を主材にしたものを使用している。このために、コロイド溶液は、液状修復材として以下の物理・化学的な特性を発揮する。
(1)粒径が数μm以下で、薄板状の結晶を構成していることから、微少な空間における流動性に優れており、修復対応層や基礎地盤中の土等に比較的容易に浸透する。
(2)イオン交換性があり、電気2重層による負電荷のコロイド粒子が修復対応層や基礎地盤中の土粒子表面に吸着して浸透沈積層を形成する。
(3)薄板状の結晶構造で配向性があるので、コロイド粒子の吸着した修復対応層や基礎地盤中の土粒子がフイルターになって溶液中の水分を外部に排出する。
(4)水分を外部に排出しながら修復対応層や基礎地盤中の土粒子間隙内に残って、透水係数k≦10-8m/secの泥膜(マッドケーキ)を形成する。
【0041】
図6に、破損時における遮水層の自己修復による遮水過程を示している。図6(a)に示すように、上部遮水層の遮水シート11に何らかの理由によって破損箇所30が発生した場合には、コロイド溶液31が、浸出水の圧力に対して高い圧力状態にあるので、破損個所30から流出して遮水シートに圧密状態に敷設している修復対応層3に浸透する。コロイド溶液31の流出は、管理棟においてその圧力低下として検知され、複合遮水体の破損が確認される。そこで、制御装置からの指令が出され、コロイド溶液31はコロイド溶液タンクから図示のように修復が完了するまで継続的に供給されることになる。
【0042】
修復対応層3に浸透したコロイド溶液31は、上述した「特性(2)」を発揮して、図6(b)に示すように、修復対応層3の土粒子に負電荷のコロイド粒子を吸着させて浸透沈積層32を形成する。
【0043】
修復対応層において浸透沈積層32の形成が始まると、上述した「特性(3)、(4)」が発揮されて、コロイド粒子の吸着した修復対応層3の土粒子がフイルターになって溶液中の水分を外部に排出して、コロイド溶液は修復対応層3に浸透沈積層32を形成し続けながら、修復対応層の土粒子の間隙内に泥膜(マッドケーキ)33を形成して、新たな遮水層を構成する。
【0044】
以上のように、本発明による廃棄物処分場の遮水構造は、コロイド溶液を遮水層の中間層に廃棄物の浸出水の圧力よりも高い圧力状態で充填して置き、遮水層に破損が生じた時には、コロイド溶液を破損個所から修復対応層に流出させて修復対応層の土に浸透させているので、コロイド溶液の物理・化学的特性を有効に機能させているものであり、遮水層の破損と同時に破損個所を修復して浸出水の廃棄物処分場外への流出を阻止している。又、遮水層の修復には固化材料の注入等の補修作業を不要にして、破損個所だけを修復しているので、一旦修復した後も継続して遮水層の破損を修復することができる。
【0045】
一般に、液状修復材として用いるコロイド溶液や膨潤性粘土鉱物溶液は、粒子の凝集を避けるために定期的に循環させることと冬季における凍結を防止するために循環させることが望ましい。このために、本発明においても循環は管理棟8に設けられた制御設備によって管理されるポンプ等の循環設備で行われている。
【0046】
液状修復材は、時間の経過や外部環境の各種作用によって特性の変化を生じてその流動特性を異にすることがあり、さらに、複合遮水体は任意の勾配で傾斜しているために水頭に応じた圧力分布が作用して浸出水との圧力バランスが平面的に異なる場合が発生する。そこで、液状修復材の循環は、通常の日常管理においては、管の閉塞状況を確認する目的で1日1回1時間程度の循環をすることを基本にしている。そして、液状修復材の正常化は、その循環のみで達成することが必要であるから、液状修復材の採取を行ってその物性を測定して、物性値と圧力損失及び溶液流速との相関関係から設定した循環圧力と循環方法を制御することで、物性変化した液状修復材を正常に戻している。
【0047】
又、液状修復材の補充充填も必要になる。この補充充填は、複合遮水体の破損時に修復材が浸出水と接触することで、物性の変化と流動特性の変化が生じるために必要になるもので、充填圧力の変化に対して所定の修復性能を維持するために行われるものである。このために、液状修復材の補充充填は、液状修復材の採取を行ってその物性を測定しながら、物性値と圧力損失及び溶液流速との相関関係から設定した充填圧力と循環方法を制御することで、破損規模に応じた液状修復材の充填・環流の圧力制御を実施している。
【0048】
液状修復材の循環は、以上のように行われるが、コロイド溶液も膨潤性粘土鉱物溶液もイオン交換性を有しており各粒子は電荷を有しているので、溶液の中に磁性流体を混入させ磁界を作用させて溶液全体を制御することができる。即ち、磁性流体は、超微細な強磁性粒子を界面活性剤を介して、水、ケロシン等の溶媒に安定に分散させて均質なコロイド溶液を構成している。従って、磁性流体は液状修復材であるコロイド溶液との混合によっても所定の粘度に設定できると同時に、磁界を作用させることでコロイド溶液の粘度を変化させることが可能であるから、コロイド溶液の供給・充填や品質管理の面で有効に活用できる。
【0049】
コロイド溶液に対する磁界の印加は、任意の配管や遮水層に磁界発生装置を設置することで容易に可能になる。磁界発生装置は、特に限定されるものでないが、磁界の印加を行ったり、中止したりあるいは印加する磁界強度を変化させることが必要であるから、電磁コイルを用いた電磁石で構成するのが望ましく、配管を挟んだ天と地もしくは上下の各遮水層に電磁石のN,S極を対峙させた状態で所定の格子点ピッチで配置している。
【0050】
そして、コロイド溶液の制御としては以下のように対応している。
(1)コロイド溶液の充填時には、磁界強度を低く制御することでコロイド溶液の粘性度を下げて流動性を向上させる。これによって、複合遮水体に対するコロイド溶液の充填効果を高める。
(2)複合遮水体の破損を自己修復するためにコロイド溶液を供給している時には、磁界強度を高く制御することでコロイド溶液の粘性度を上げて流動性を降下させる。これによって、複合遮水体の破損部分に対するコロイド粒子の集中を図って修復効果を高める。
(3)コロイド溶液を循環させている時には、磁界の方向を変化させることでコロイド粒子の分離凝集が発生しないようにする。これによって、コロイド溶液の正常化を促進する。
【0051】
以上のように、コロイド溶液に磁性流体を混入させて印加する磁界を制御することで、コロイド溶液を初期に充填する時から、品質管理のために循環させる時、さらには複合遮水体の破損時におけるコロイド溶液の供給時においてコロイド溶液の流動性等に変化を与えることは、液状修復材の供給管理において大いに貢献するものである。
【0052】
さらに、液状修復材は、遮水層の中間層に充填されているが、その充填状態は廃棄物からの浸出水よりも高い圧力状態を維持している。この圧力は上述のように遮水層が破損した際の修復機能に影響を与えるものであるから、正確に維持されていることが必要になる。このために、本発明による廃棄物処分場の遮水構造では、液状修復材の圧力状態を、廃棄物処分場に埋設される廃棄物からの浸出水が有する水頭圧と比較することで水位差を設定してコントロールしている。
【0053】
従って、液状修復材の圧力状態は、管理棟からのポンプ設備によって制御することもできるが、液状修復材の保管供給位置を浸出水の位置よりも高い位置に設定して、メンテナンスフリーの観点から液状修復材の供給水頭と廃棄物からの浸出水が持っている水頭との水位差によって自動的に制御されるように構成して、各設備に必要な稼働経費の節減を図っている。
【0054】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による廃棄物処分場の遮水構造は、基本的に、廃棄物からの浸出水が漏出するのを防止している廃棄物処分場の遮水構造であって、廃棄物処分場を構築する基礎地盤の上に敷設する下部遮水層と、下部遮水層と対峙し、かつ下部遮水層との間に浸出水よりも高い圧力で液状修復材が供給充填される中間層を形成する上部遮水層と、上部遮水層上および下部遮水層下の基礎地盤の表層上に、土を圧密に敷設して形成され、液状修復材の流出により難透水層を形成する修復対応層から構成されるものであるから、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然である。
【0055】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、廃棄物からの浸出水が漏出するのを防止している廃棄物処分場の遮水構造であって、廃棄物処分場を構築する基礎地盤の上に敷設する下部遮水層と、下部遮水層と対峙し、かつ下部遮水層との間に浸出水よりも高い圧力で液状修復材が供給充填される中間層を形成する上部遮水層と、上部遮水層上および下部遮水層下の基礎地盤の表層上に、土を圧密に敷設して形成され、液状修復材の流出により難透水層を形成する修復対応層から構成されているので、液状修復材が修復対応層と連携しながら破損部分を破損と同時に自ら修復することで廃棄物からの浸出水の流出を防止し、環境問題の発生を回避する効果を奏している。
【0056】
請求項2に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1に記載の廃棄物処分場の遮水構造において、基礎地盤の表層上の修復対応層上に、不織布を介在させたことを特徴としており、上記効果に加えて、いずれかの遮水層が破損した場合には、イオン交換によって液状修復材が不織布の負電荷に引かれて吸着し、不織布の繊維間に存在する間隔を塞いで透水性を下げるように機能し、さらに、浸水性が下がった不織布は、フィルターとなって水分のみが外部に排出されて液状修復材が吸着した繊維が増大して行くことから、不織布には漸次、浸透沈積層が形成されて行き、泥膜が形成されて破損個所を修復することとなり、遮水及び修復性能の向上を図る効果を奏している。
【0057】
請求項3に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1又は2に記載の廃棄物処分場の遮水構造において、上部と下部の各遮水層が合成樹脂あるいはゴム系の材料で製作されたシートであることを特徴としているので、上記効果に加えて遮水性能の向上を図る効果を奏している。
【0058】
請求項4に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1に記載の廃棄物処分場の遮水構造において、下部遮水層および下部遮水層下の修復対応層に代えて、基礎地盤の表層上に、液状修復材によって泥膜を形成して遮水する粘土層又は粘土混合土層を形成したことを特徴としているので、上記効果に加えて遮水層コストの低減を図る効果を奏している。
【0059】
請求項5に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1又は2に記載の廃棄物処分場の遮水構造において、少なくとも下部遮水層が基礎地盤の表層上の修復対応層と液状修復材とによって形成された修復材浸潤膜であることを特徴としているので、上記効果に加えて使用部材を削減することで施工コストの大幅な低減を図る効果を奏している。
【0060】
請求項6に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至5のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、上部と下部の各遮水層及び中間層が平面方向に複数の区画に分割していることを特徴としているので、上記効果に加えて修復機能の効率化を図る効果を奏している。
【0061】
請求項7に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至6のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、中間層に形状保持部材を配備することを特徴としているので、上記効果に加えて液状修復材を充填する空隙を確保し遮水層に加わる応力を低減させてその破損を防止する効果を奏している。
【0062】
請求項8に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至7のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、液状修復材としてコロイド溶液を採用することを特徴としているので、上記効果に加えて修復対応層での難透水作用と泥膜形成を促進する効果を奏している。
【0063】
請求項9に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至7のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、液状修復材として膨潤性粘土鉱物溶液を採用することを特徴としているので、上記効果に加えて修復対応層での難透水作用と泥膜形成を促進する効果を奏している。
【0064】
請求項10に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至9のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、液状修復材に磁性流体を混入させることを特徴としているので、上記効果に加えて液状修復材の充填、供給や品質管理を効率的にする効果を奏している。
【0065】
請求項11に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造は、請求項1乃至10のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造において、液状修復材の圧力状態を液状修復材の供給水頭と廃棄物からの浸出水の水頭との水位差によって制御することを特徴としているので、上記効果に加えて浸出水との圧力バランスによって遮水層の破損の防止と破損時の修復を確実にする効果を奏している。
【0066】
請求項12に記載の発明である廃棄物処分場の遮水構造の形成方法は、基礎地盤の表層上に形成した下部の修復対応層の上に形状保持部材を敷設し、形状保持部材の上に上部の修復対応層を敷設して通水間隙を有する中間層を形成し、該形状保持部材上の修復対応層に拘束荷重を加え、しかる後に中間層の間隙に液状修復材を供給充満して、少なくとも下部の修復対応層に修復材浸潤膜を形成することを特徴としているので、少なくとも下部遮水層を、基礎地盤の表層上の修復対応層と液状修復材とによって形成された修復材浸潤膜によって構成することで施工コストの低減を図る効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した廃棄物処分場の全体概観図
【図2】本発明による廃棄物処分場の遮水構造を示す部分断面図
【図3】図2の遮水層と下部遮水層が異なる遮水層を示す部分断面図
【図4】遮水シートを用いない修復材浸潤膜による遮水層を示す部分断面図
【図5】遮水層の破損と自己修復を示す過程図
【符号の説明】
1 廃棄物処分場、2 基礎地盤、3 修復対応層、4 複合遮水体、
5 浸出水、6 液状修復材充填塔、7 コロイド溶液タンク、8 管理棟、
9 不織布、10、11 遮水シート、12 中間層、13 砕石、
15 遮水層、16 粘土層又は粘土混合土層、17 中間層、
18 境界区分材、20 遮水構造、21、23 修復対応層、
22 形状保持部材、24 中間層、25 コロイド溶液、
26 浸出水よりも高い圧力、27 修復材浸潤膜から成る下部遮水層、
27’ 修復材浸潤膜から成る上部遮水層、30 破損個所、
31 コロイド溶液、32 浸透沈積層、33 泥膜、
Claims (12)
- 廃棄物からの浸出水が漏出するのを防止している廃棄物処分場の遮水構造であって、廃棄物処分場を構築する基礎地盤の上に敷設する下部遮水層と、該下部遮水層と対峙し、かつ下部遮水層との間に浸出水よりも高い圧力で液状修復材が供給充填される中間層を形成する上部遮水層と、上部遮水層上および下部遮水層下の基礎地盤の表層上に、土を圧密に敷設して形成され、液状修復材の流出により難透水層を形成する修復対応層から構成されることを特徴とする廃棄物処分場の遮水構造。
- 基礎地盤の表層上の修復対応層上に、不織布を介在させたことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 上部と下部の各遮水層が合成樹脂あるいはゴム系の材料で製作されたシートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 下部遮水層および該下部遮水層下の修復対応層に代えて、基礎地盤の表層上に、液状修復材によって泥膜を形成して遮水する粘土層又は粘土混合土層を形成したことを特徴とする請求項1に記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 少なくとも下部遮水層が基礎地盤の表層上の修復対応層と液状修復材とによって形成された修復材浸潤膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 上部と下部の各遮水層及び中間層が平面方向に複数の区画に分割していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 中間層に、形状保持部材を配備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 液状修復材がコロイド溶液であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 液状修復材が膨潤性粘土鉱物溶液であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 液状修復材に磁性流体を混入させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 液状修復材の圧力状態が液状修復材の供給水頭と廃棄物からの浸出水の水頭との水位差によって制御されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の廃棄物処分場の遮水構造。
- 基礎地盤の表層上に形成した下部の修復対応層の上に形状保持部材を敷設し、該形状保持部材の上に上部の修復対応層を敷設して通水間隙を有する中間層を形成し、該形状保持部材上の修復対応層に拘束荷重を加え、しかる後に中間層の間隙に液状修復材を供給充満して、少なくとも下部の修復対応層に修復材浸潤膜を形成することを特徴とする廃棄物処分場の遮水構造の形成方法。
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