JP4071006B2 - サンゴの増殖方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然界で僅かしか着生・変態にまで達し得ないサンゴの卵および/またはプラヌラ幼生を効率的に着生・変態させることで、サンゴを増殖し、以ってサンゴ礁の保護・育成を達し得るサンゴの増殖方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多様な生態系の形成にとって重要なサンゴ礁は、埋め立て等による浅海域の消失により、その分布面積が減少している。また、農地開発や道路整備等の陸上の開発行為により、赤土が流出し、海水の透明度低下によって共生藻である褐虫藻の光合成が阻害され、サンゴ礁の分布を脅かしている。さらに、地球の温暖化により、夏期の高温水時には褐色藻がサンゴのポリプから抜け出し、白化および死滅する事例が多くなっている。
【0003】
近年では、貴重な自然環境を後世に残すべきとの世論が強く、サンゴ礁保護の重要性が高まってきている。港湾や空港建設に当たり、サンゴ群体を潰すことへのミティゲーションとして、現存するサンゴ群集の移築、護岸、あるいは消波ブロックの改良を行うことで、サンゴが着生しやすい構造を採用する努力が重ねられている。また、サンゴを積極的に増殖することも、検討ないし実行されている。具体的なサンゴの保護・増殖の方法としては、以下の1)〜4)に示すものが挙げられる。
【0004】
1)基質の改良
消波ブロック等の基質表面に凹凸を形成させ、サンゴの着生を促進する方法が採用されている。例えば、那覇港の防波堤では当該方法が採用され、遠く慶良間諸島から供給されるサンゴのプラヌラ幼生が、サンゴの供給源とされている。当該方法は、プラヌラ幼生が海流や沿岸流に乗ってブロック等に到達する場所では有効な方法ではあるが、プラヌラ幼生の供給が少ない場所では、効果が見られるまでに多大な年数を要してしまい、場合によっては海藻類との競合により、サンゴが成長しにくいといった懸念もある。
【0005】
2)サンゴの移植による増殖
ミドリイシサンゴ等の樹状のサンゴの場合、天然に分布するサンゴ群集の枝の先端部から数cmを切断し、移植すべき海域の石やブロック等の着生基盤に、水中ボンド等で固定する方法が採用されている。当該方法は、比較的容易でかつ確実な方法ではあるが、ダイバーによる移植であるため、多くの移植は困難であり、また不経済であり、さらに、サンゴを切断する、すなわち天然のサンゴを傷付ける行為であることから、サンゴの保護という観点からも疑問の声が挙がっている。また、比較的確実な方法であるとはいっても、その着生率は10%程度にしかならない。
【0006】
3)サンゴの移築
開発しようとする海域にサンゴ礁が分布している場合に、着生基盤であるサンゴが着生した岩を、海底から当該着生基盤ごと切り出して他所へ移すか、あるいは一時的に工事に支障のない場所に移築し、工事終了後に元の場所や、開発計画に基づいて他の場所に再移築する方法も採られている。当該方法は、サンゴが着生した着生基盤ごと移動するため、比較的確実な方法ではあるが、重機等大掛かりな作業を要し、高コストとなる。また、切り出す際にサンゴにダメージを与えたり、一時的に移築した場所がサンゴの成長に結果として適さなかったりといった懸念もある。しかも当該方法は、開発に伴うサンゴ礁の消失防止が目的であり、積極的にサンゴの増殖を企図するものではなく、基本的には現状維持のための対応策と考えられる。
【0007】
4)サンゴの種苗生産技術
大潮時の一斉産卵により産生した、海面近傍を漂うプラヌラ幼生をネット等で回収し、これをコンクリート片、石あるいはタイル等の着生基盤が設置された屋内の水槽等に投入し、プラヌラ幼生を前記着生基盤に着生させ、所要時間の経過後に実海域に移設する方法が検討されている。一斉産卵された卵やプラヌラ幼生の多くは、沖合や陸地に移流・拡散してしまい、サンゴの増殖に寄与し得ないが、その一部を利用してサンゴの増殖を図らんとするものなので、サンゴの保護の観点からは賢明な方法であるといえる。ただし、現状ではサンゴの生態が十分には解明されていないこともあり、開発途上の技術であると言える。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記1)〜3)の方法ではいずれも、十分な効果が得られない、高コストである、却ってサンゴの保護に反してしまう懸念がある、といった不具合を抱えており、サンゴ増殖のためには、4)のサンゴの種苗生産技術の開発が待たれる。しかし、サンゴは非常にデリケートであり、人工的な環境では、プラヌラ幼生を十分に着生させることは極めて困難である。また、人工的な環境では、大量のプラヌラ幼生を着生させてサンゴを増殖することは困難であり、結局自然海域で適用することは難しい。
したがって、本発明は、沖合や陸地に移流・拡散してしまい、サンゴの増殖に寄与し得ないプラヌラ幼生の有効利用を図り、高い着生率で着生し得るとともに、簡易かつ低コストでサンゴの増殖を実現し得るサンゴの増殖方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明は、サンゴのプラヌラ幼生が着生し得る着生基盤を海底に有する海域に、
浮遊するサンゴの卵および/またはプラヌラ幼生が拡散するのを防止ないし抑制するとともに、底部が開放されプラヌラ幼生が沈降して前記着生基盤に着生するのを妨げない、海水透過性でかつサンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性の網材、膜材または壁材を含む拡散防止手段を配置し、
サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生、あるいは、これらが浮遊する海水を、前記拡散防止手段により取り囲まれた領域に投入することにより、当該領域を、サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生の高濃度領域とし、
一定期間維持することにより、前記着生基盤にサンゴのプラヌラ幼生を着生させることを特徴とするサンゴの増殖方法である。
【0010】
大潮時に一斉産卵されたサンゴの卵や、受精後のプラヌラ幼生は、海洋中で広範囲に拡散し、陸に打ち上がったり、水深が深く着生することができないような沖合に移流したり等、その大半は適切な場所に着生することができず、サンゴのポリプにならずに死滅してしまう。また、浮遊中にも他の魚類や動物の捕食にあう場合がある。そのため、サンゴの群集を形成するに至るのはほんの僅かである。したがって、サンゴは自身の子孫をできるだけ広範囲に残すため、一斉および大量の産卵をし、着生までの遊泳期間(2週間程度)を持つ等の生存戦略をとっている。
【0011】
本発明では、投入されたサンゴの卵および/またはプラヌラ幼生(以下、単に「プラヌラ幼生等」という場合がある。)が浮遊して拡散するのを防止ないし抑制する拡散防止手段によりプラヌラ幼生等の高濃度領域が形成されており、かつ該拡散防止手段の底部が開放され、海底に着生基盤が存在するため、その状態で一定期間維持することにより、プラヌラ幼生等を効率的にかつ高密度で前記着生基盤に着生させることができる。また、自然の海洋中でプラヌラ幼生等を着生させて、新たにサンゴ群集を作り出そうとするものであるため、天然のサンゴに損傷を与えることもない。さらに、専門家による特殊な技術を要求するものではなく、産卵時期の把握やプラヌラ幼生等の確保(特に、海洋からの採取)さえできれば、容易にサンゴを増殖することができる。
【0012】
プラヌラ幼生等の高濃度領域を形成するには、プラヌラ幼生等、あるいは、これらが浮遊する海水を、前記拡散防止手段により取り囲まれた領域に投入する。このとき、プラヌラ幼生等は海洋(特にスリック)から採取するのが一般的であるが、勿論、養殖等により人工的に得られたプラヌラ幼生等を投入したり、元々プラヌラ幼生等が高濃度に存在する海域を前記拡散防止手段により取り囲んでも構わない。海洋から採取して利用することとすれば、最終的にはそのほとんどが死滅してしまうプラヌラ幼生等を人為的に回収するので、プラヌラ幼生等の有効利用を図ることができ、極めて効率的である。
【0013】
プラヌラ幼生等を着生させる前記着生基盤としては、コンクリートブロックや消波ブロック、天然石(他所から持ってきたもの)やそれを適当な大きさに割ったもの等の人工基材であっても、元々海底に存在する海底岩礁(その場所に元々ある天然石を含む)であっても構わない。
【0014】
プラヌラ幼生等を着生させる前記着生基盤が人工基材の場合、例えば海底が砂地である等元来プラヌラ幼生等の着生に適さない海域であっても良好にサンゴの増殖を行うことができるとともに、着生後の着生基盤を移設することが容易となる。また、その形状、材質、表面状態等を適切なものとすることで、プラヌラ幼生の着生をより確実なものとすることができる。
【0015】
一方、プラヌラ幼生等を着生させる前記着生基盤が海底岩礁の場合、サンゴが損傷した海域、サンゴの成長に適しているにも拘らずプラヌラ幼生等が浮遊してこなかったためにサンゴ礁が形成されなかった海域等、サンゴ礁を形成したい具体的な海域に直接サンゴの増殖を行うことができる。
【0016】
着生基盤には、無節サンゴモ、付着珪藻、バクテリア等を予め付着させておくことで、プラヌラ幼生の着生・変態を促進させることもできる。特に無節サンゴモには、プラヌラ幼生の着生・変態を促進させる化学物質が含まれていることが指摘されており、これを予め付着させておくことが好ましい。無節サンゴモを人工基材である着生基盤に予め付着させておくには、人工基材を冬季から海水に浸しておけばよい。
【0017】
前記拡散防止手段としては、海水透過性で、かつサンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性の網材(例えばプランクトンネット)、膜材または壁材(以下、これらをまとめて単に「網材等」という場合がある。)を含み、海底から海面方向に、前記高濃度領域を取り囲む状態で配置される囲いであることことが好ましく、前記網材等としては1〜10mmの開口を有することが好ましい。このような網材等は、海水透過性であるため、海水が滞留せず外部と交換され、酸欠等の汚染状態を引き起こすことがなく、プラヌラ幼生等を死滅させてしまう危険を抑制することができる。また、サンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性であるため、サンゴの卵およびプラヌラ幼生が拡散してしまうことが防止ないし抑制され、プラヌラ幼生等の高濃度状態を適切に保つことができる。なお、拡散防止手段を網材のみで形成しようとすると、網材にプラヌラ幼生等が付着してしまう場合があるので、それを抑制するため壁材を一部に採用するのも好ましい態様である
【0018】
サンゴのプラヌラ幼生が着生した前記着生基盤は、さらに別の場所に移設することができる。着生後は状態が安定するため、前記着生基盤を例えば、サンゴの増殖を必要としている海域に移設することができる。
【0019】
特に前記拡散防止手段を配置する海域が、波浪環境、着生に適した水深や海流、水温等のほか、拡散防止手段を配置する上での作業性、その他の条件が良好でプラヌラ幼生の着生に適した人工増殖のための海域であり、一定期間の維持により、前記着生基盤にサンゴのプラヌラ幼生を着生させた後に、該着生基盤を、さらに、サンゴの増殖を必要としている海域に移設することで、着生〜生育まではそれに適した環境で効率的に着生を行い、サンゴの増殖を必要としている海域については確実にサンゴを増殖させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、好ましい実施形態を挙げて説明する。
図1は、本発明のサンゴの増殖方法によりサンゴの増殖を行っている海域の状態の一例を示す模式図であり、(A)は海面の真上から見た平面図であり、(B)は海面から海底までを切り出して見たA−A断面図である。
【0021】
図1において、11は、拡散防止手段としてのプランクトンネットによる囲いであり、海域10に配置されている。ここで海域10とは、無限の広がりのある海洋における一定の領域を指し、囲い11が配置される場所は、サンゴのプラヌラ幼生が着生し得る着生基盤を海底に有する海域に限定される。
【0022】
本実施形態においては、着生基盤として、人工基材であるコンクリートブロック12が用いられている。すなわち、囲い11の配置とともに、あるいはそれに前後してコンクリートブロック12を海底に配置することで、これを着生基盤としている。
【0023】
着生基盤としてのコンクリートブロック12は、図1では、4個ランダムに配置されている。この個数や配置の仕方に制限は無い。より高い密度で配置してもよいし、整列させてもよい。例えば、配置していない箇所は、その下の海底岩礁を着生基盤としてもよいし、何ら利用しなくてもよい。
【0024】
本実施形態において、囲い11は、海面上から見ると円形状に配置されている。勿論、この囲い11の形状はなんら限定されるものではなく、例えば、楕円形、四角形、その他多角形、あるいは不定形等如何なる形状でも構わない。実際には、サンゴの着生に適した海域・海底形状・海域等に合わせて任意の形状とすることができる。
【0025】
囲い11は、本実施形態では、既述のようにプランクトンネットにより形成されているが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、浮遊するサンゴの卵および/またはプラヌラ幼生が拡散するのを防止ないし抑制することができるという、本発明の目的を満足する構成のものであれば、これに限定されず、さらには囲いの形態でなくてもよい。また、囲いの形態とする場合にも、海水透過性で、かつサンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性の網材、膜材または壁材を含み、海底から海面方向に、前記高濃度領域を取り囲む状態で配置されるものであれば、プランクトンネットであることは要求されない。
【0026】
ここで「海水透過性」とは、ある程度海水が海流により出入りできる状態を指し、海流の行き来が完全に妨げられない状態を要求するものではない。プラヌラ幼生の着生にとって、海流が強すぎる場合には、むしろある程度海流の勢いを抑制する程度の低い透過性の方が好ましい場合もあり、海水透過性については、適宜選択することができる。
【0027】
一方、「サンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性」には、サンゴの卵およびプラヌラ幼生が完全に透過することができない不透過性から、ある程度の透過性を有するものの、透過がし難く、囲い11の中をプラヌラ幼生等の高濃度領域として保持できる程度の難透過性までの範囲が含まれる。
【0028】
したがって、囲い11としては、海水がある程度透過可能で、サンゴの卵およびプラヌラ幼生が透過することができない、ないし透過困難である大きさの孔が開いた材料で構成する。具体的な材料としては、網材、膜材、壁材が挙げられるが、上記目的に照らすと網材が好ましく、本実施形態のように、一般に用いられているプランクトンネットが好適に採用できる。勿論、上記性質を満足する網材等のみで構成される必要はなく、例えば、海水もサンゴの卵およびプラヌラ幼生も不透過性の材料が一部に含まれていても構わない。つまり、囲い11としては、全体として、海水透過性で、かつサンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性であればよい。
【0029】
網材、膜材、壁材に開けられる孔の大きさとしては、増殖しようとするサンゴの種類、海流等にもよるが、プラヌラ幼生が酸欠等により死滅してしまうことがないよう、サンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性の範疇で、できる限り大きな目合いとすることが好ましく、プラヌラ幼生の体長が一般に1〜2mmであることから、1〜10mm程度の範囲から選択される。
【0030】
本実施形態において、囲い11は、海底から海面まで略鉛直方向に、コンクリートブロック12を取り囲む状態で配置される。このように配置することで、囲い11により取り囲まれるプラヌラ幼生等の高濃度領域と大海とが、海水の交換は適切に行われながら、プラヌラ幼生等の生態として明確に分離される。ただし、本発明において、囲い11は鉛直に設けられなくても構わない。
【0031】
勿論、プラヌラ幼生の種類によっては、海面に浮遊せずすぐに海底に沈降するものも考えられ、また、ある程度囲い11内外を仕切ることができれば本発明の効果は期待できるため、囲い11の高さは水深h以上であることが要求されるわけではないが、プラヌラ幼生等の拡散防止効果をより確実ならしめるためには、囲い11の高さは水深h以上であることが望ましい。潮の干満の観点からも、高めに設定しておくことが望ましい。
【0032】
囲い11の底部については、開放されプラヌラ幼生が沈降して、着生基盤としてのコンクリートブロック12に着生するのを妨げない構造をしている。具体的には、囲い11の底部は開口しており、囲い11全体として筒形(本実施形態においては、円筒形)をしている。勿論、着生するのを妨げない構造をしてさえいれば、筒形に限定されるものではない。
【0033】
図2に、囲い11設置の各種態様を挙げる。
▲1▼は、囲い11の高さが水深hよりも低い、すなわち、囲い11が海面よりも低い位置となっている例である。かかる場合には、必要に応じて、上面に蓋を設置することで、囲い11の内部と大海とを分離してもよく、その場合の蓋は勿論プランクトンネット等の網材でもよいが、前記条件の孔が開いた膜材や壁材のほか、孔の開いていないあらゆる材料を採用することも可能である。この蓋は、囲い11が通常時海面以上となる場合であっても、潮の干満により囲い11が海面未満となる可能性がある場合には、設置することが好ましい。
【0034】
▲2▼は、囲い11の高さが水深hよりも高い、すなわち、囲い11が海面よりも高い位置となっている例である。かかる場合には、上部が開口していても囲い11の内部と大海とは分離された状態となるため、プラヌラ幼生等の拡散防止の目的では特に蓋をする必要は無いが、海鳥の攻撃等から保護するために蓋をすることも、好ましい態様である。
【0035】
▲3▼は、図1の状態と同様、囲い11が海面と略同一の高さとなっている状態であるが、この場合、海底が平坦となっていない。このように海底に凹凸があっても何ら問題なく、本発明の方法を適用することができる。
【0036】
以上のように着生基盤としてのコンクリートブロック12が置かれた海底を取り囲む状態で配置された囲い11の中は、サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生の高濃度領域が形成される。以下、本発明のサンゴの増殖方法により、プラヌラ幼生等が着生基盤に着生する様子について、図3を用いて説明する。ここで図3は、図1に示された着生基盤および囲いの組み合わせを用いて、プラヌラ幼生等が着生基盤に着生する様子について説明するための模式断面図であり、(A)〜(C)の順に時系列で示している。
【0037】
図3(A)に示すように、サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生(プラヌラ幼生等13)が浮遊する海水、または、プラヌラ幼生等13のみを、海洋から直接、採取手段14で回収し、矢印Bに示すように囲い11内に投入すると、囲い11が海水透過性で、かつサンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性であるため、図3(B)に示すように、海水は増加することなくプラヌラ幼生等13のみが囲い11内に残り、高濃度領域が形成される。採取手段14としては、サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生のみを掬うことが可能なプランクトンネット等の網材でもよいが、単なるバケツ等の容器でも構わない。
なお、図3(A)は模式的なものであり、サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生を採取手段14で回収する場所は、勿論、囲い11から離れた場所で構わない。
【0038】
多くの種類のサンゴは、春から夏の大潮時に一斉産卵し、数日後にはプラヌラ幼生として海中を漂い、1〜2週間後に岩礁等に着生する。着生し得ないプラヌラ幼生等を有効に活用する観点からは、潮目(スリック)に集積し、着生が見込まれない卵やプラヌラ幼生を採取手段14で回収することが好ましい。
【0039】
囲い11内をプラヌラ幼生等13の高濃度領域とするには、このように海洋から直接回収して投入するほか、養殖等により人工的に得られたプラヌラ幼生等を直接投入したり、元々プラヌラ幼生等が高濃度に存在する海域を拡散防止手段である囲い11により取り囲んでも構わない。また、採取手段14として用いたプランクトンネットを海面上に引き上げず、そのまま海水中を引っ張って、プラヌラ幼生等13を所望の海域まで引きずり移動し、そこでプランクトンネットを囲い状に組み立てて、高濃度領域を形成しても構わない。
【0040】
高濃度領域におけるサンゴの卵および/またはプラヌラ幼生の濃度としては、サンゴの種類、当該高濃度領域の海水交換量、水深、海流、波浪環境、水温、日照等各種条件により異なり一概には言えないが、着生基盤としてのコンクリートブロック12へのプラヌラ幼生の緻密な着生を企図すべく、酸欠環境にならない範疇で、より高濃度とすることが好ましい。
【0041】
囲い11内の高濃度領域を維持しておくと、サンゴの卵は孵ってプラヌラ幼生となり、図3(C)に示すようにプラヌラ幼生(卵が孵ってプラヌラ幼生となったものと、当初からプラヌラ幼生であったものの一方もしくは双方)13’は囲い11内における海底に配置されたコンクリートブロック12’に着生する(着生後のコンクリートブロック12をコンクリートブロック12’と記す。)。既述の如く、囲い11内が高濃度領域となっているため、プラヌラ幼生13’を効率的に着生基盤としてのコンクリートブロック12に着生させることができる。
【0042】
高濃度領域を維持しておく期間としては、プラヌラ幼生13’が着生基盤としてのコンクリートブロック12に着生するまでの期間以上が望まれる。所定時間の経過により、コンクリートブロック12’にサンゴのプラヌラ幼生13’が着生した後は、プラヌラ幼生等13が拡散するのを防ぐ必要がなくなるため、拡散防止手段としての囲い11を撤去し開放することができる。囲い11を撤去し開放することで、海流等が自然界の状況に等しくなり、適切にポリプへの変態、さらにはポリプの育成を促すことができる。
【0043】
高濃度領域を維持しておくべき期間(一定期間)は、各種条件により異なり一概には言えない。ただし、プラヌラ幼生は受精後一般に2〜3週間で着生するので、維持しておくべき期間(一定期間)としては、産卵から15日以上経過した程度の期間とすることが好ましく、20日〜25日経過した程度の期間とすることがより好ましい。
【0044】
一定期間の経過により、着生基盤としてのコンクリートブロック12’にサンゴのプラヌラ幼生13’が着生した後には、コンクリートブロック12’を適当な場所に移設することができる。着生後は状態が安定するため、コンクリートブロック12’を例えば、サンゴの増殖を必要としている海域に移設することができる。特に囲い11を設置した海域が、人工増殖のための海域であり、一定期間の経過により、プラヌラ幼生13’が着生したコンクリートブロック12’を、サンゴの増殖を必要としている海域に移設することで、着生までは着生に適した環境で効率的に着生を行い、サンゴの増殖を必要としている海域については確実にサンゴを増殖させることができる(着生後そのまま維持を続けたり養生することで、プラヌラ幼生はポリプに変態する。)。
【0045】
この移設作業は、囲い11を撤去した後に行っても、撤去せずそのまま行っても構わない。囲い11を次の増殖に供するためそのまま存置しておくことも、長い目で見れば効率的であるし、移設作業の作業性向上のために囲い11を撤去することも、実際の作業として効率的であるので、両者の効率を比較考量して決定すればよい。
【0046】
以下、移設作業の概要について、一例を挙げて説明する。プラヌラ幼生13’が着生したコンクリートブロック12’は、クレーンにより引き上げられ、台船に載置された水槽に入れられる。水槽内には、移設の間、プラヌラ幼生13’が乾燥により死滅してしまうことがないよう、海水で満たされている。水槽内は、プラヌラ幼生の生育環境をより良好とすべく、エアレーションを行ってもよい。さらに、水槽内の海水が高水温あるいは低水温になることを避けるため、水槽に公知の断熱手段を設けたり、加熱・冷却装置を設けて水温を制御しても構わない。
【0047】
コンクリートブロック12’を水槽内に収容した後、牽引船により所望の海域に搬送し、上記の操作と逆の操作を行うことにより、当該海域の海底にコンクリートブロックを置いて移設が完了する。
なお、移設先が近距離である場合には、コンクリートブロックを台船の下に垂下し、海面以下に沈めた状態で移動しても構わない。
【0048】
移設先においては、プラヌラ幼生が着生したコンクリートブロック12’を敷き詰めるように並べてもよいが、図4(A)に示すように、プラヌラ幼生13’が着生したコンクリートブロック12’と未着生のコンクリートブロック12とを交互に配置するのも好ましい態様である。プラヌラ幼生13’はやがてポリプとなり、無性生殖により成長するが、数年後にはこのサンゴ群集から一斉産卵が始まる。したがって、移設先におけるブロックは全てにプラヌラ幼生13’(さらにはポリプ)が付着していなくてもよく、未着生のコンクリートブロック12を核とし、それを中心としてサンゴ群集が形成される。
【0049】
このとき、図4(B)に示す如く、コンクリートブロック12,12’が配置された海底を取り囲むように、図1における囲い11と同様の拡散防止手段である囲い11’を設けることにより、当該場所においても本発明の増殖方法を適用することができる。すなわち、このように囲い11’を設けた状態でコンクリートブロック12’表面のプラヌラ幼生13’が成長し、サンゴとなり、該サンゴから一斉産卵が始まれば、自ずと囲い11’で取り囲まれた領域は、サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生の高濃度領域となる。
【0050】
サンゴをより安定状態で移設するためには、プラヌラ幼生13’が着生したコンクリートブロック12’をサンゴの増殖を必要としている海域に移設する前に、それを所定時間養生することも好ましい態様である。すなわち、プラヌラ幼生の着生からポリプに変態するまでには、ある程度の時間が必要であり、より安定状態まで成長したポリプになってから移設する方が、より確実にサンゴを増殖させることができるからである。
【0051】
前記着生基盤を養生する方法としては、拡散防止手段である囲い11を撤去し開放して、所定時間そのまま維持しておく方法と、プラヌラ幼生13’が着生したコンクリートブロック12’を、サンゴの成長に適した領域に一旦移設して、所定時間そのまま放置しておく方法とが挙げられる。いずれの養生方法を採用するかは、サンゴの生育環境として適したものであるか否かで判断されるものであり、一概に決められるものではない。移設に関しては、既述の方法と同様の方法を採用することができる。
【0052】
養生の期間としては、特に制限はないが、プラヌラ幼生13’が、安定なポリプまで成長するのに要する期間とすることが好ましい。当該期間としては、海流や水温、水深、波浪環境等の生育環境、サンゴの種類等により異なり、一概に言えないが、1ヶ月〜半年程度とすることが好ましい。
【0053】
以上、本発明のサンゴの増殖方法について、図面を挙げて具体的に説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、本発明の構成を具備する限り、当業者は公知の知見を適用、差し替え、付加することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、沖合や陸地に移流・拡散してしまい、サンゴの増殖に寄与し得ないプラヌラ幼生の有効利用を図り、高い着生率で着生し得るとともに、簡易かつ低コストでサンゴの増殖を実現し得るサンゴの増殖方法を提供することができる。本発明は、自然環境を利用して人工的にプラヌラ幼生の着生しやすい環境を整えるものなので、大量のプラヌラ幼生を着生させてサンゴを増殖することが可能となり、これを容易に自然海域に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のサンゴの増殖方法によりサンゴの増殖を行っている海域の状態の一例を示す模式図であり、(A)は海面の真上から見た平面図であり、(B)は海面から海底までを切り出して見たA−A断面図である。
【図2】 本発明における拡散防止手段の一例である囲いの設置の各種態様を示す、海面から海底までを切り出して見た断面図である。
【図3】 図1に示された着生基盤および囲いの組み合わせを用いて、サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生が着生基盤に着生する様子について説明するための模式断面図であり、(A)〜(C)の順に時系列で示している。
【図4】 (A)は、サンゴのプラヌラ幼生が着生した着生基盤の移設先の状態の一例を示し、(B)は、(A)で示される領域に本発明の増殖方法を適用した状態を示す、それぞれ海面から海底までを切り出して見た断面図である。
【符号の説明】
10 海域
11 囲い(拡散防止手段)
12、12’ コンクリートブロック(着生基盤)
13 プラヌラ幼生等(サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生)
13’ プラヌラ幼生
14 採取手段

Claims (4)

  1. サンゴのプラヌラ幼生が着生し得る着生基盤を海底に有する海域に、
    浮遊するサンゴの卵および/またはプラヌラ幼生が拡散するのを防止ないし抑制するとともに、底部が開放されプラヌラ幼生が沈降して前記着生基盤に着生するのを妨げない、海水透過性でかつサンゴの卵およびプラヌラ幼生が不透過性ないし難透過性の網材、膜材または壁材を含む拡散防止手段を配置し、
    サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生、あるいは、これらが浮遊する海水を、前記拡散防止手段により取り囲まれた領域に投入することにより、当該領域を、サンゴの卵および/またはプラヌラ幼生の高濃度領域とし、
    一定期間維持することにより、前記着生基盤にサンゴのプラヌラ幼生を着生させることを特徴とするサンゴの増殖方法。
  2. 前記拡散防止手段としての網材、膜材または壁材が、1〜10mmの開口を有することを特徴とする請求項1に記載のサンゴの増殖方法。
  3. 前記拡散防止手段が、海底から海面方向に、前記高濃度領域を取り囲む状態で配置される囲いであることを特徴とする請求項1または2に記載のサンゴの増殖方法。
  4. 前記拡散防止手段を配置する海域が、プラヌラ幼生の着生に適した人工増殖のための海域であり、サンゴのプラヌラ幼生が着生した前記着生基盤を、さらに、サンゴの増殖を必要としている海域に移設することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサンゴの増殖方法。
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