JP4070371B2 - 入浴行動支援装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入浴者の入浴行動を支援する入浴行動支援装置に関し、特に、高齢者の入浴死を抑止可能な入浴行動支援装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
家庭内での不慮の事故死の一番の原因は入浴中の浴槽内での溺死である。入浴中の死亡は、上記した不慮の事故死である溺死と、心疾患等の入浴中に起こした病死に区分される。これらの合計である入浴死は全国で年間推定約一万人乃至一万五千人にのぼり、年々増加傾向にあり、件数では交通事故死に匹敵する。
かかる入浴死に対する危険度は、個人属性、季節、入浴時間帯、湯温、入浴時間等の危険因子によって変動し、高齢者である程、冬場である程、深夜である程、高温湯である程、または、長風呂である程高くなる傾向にある。従って、高齢者は、これらの危険因子を考慮した正しい入浴行動を行う必要がある。
【0003】
従来、入浴死を防止するための個別の技術として、以下のものがある。
事前の防止策として、冬場に浴室内を予め暖房しておくことにより、コールドショックを緩和させる方法が提案されている。
また、風呂リモコンに、湯温の設定温度と現在時刻を表示することにより、入浴者に対して、熱い湯温設定か低めの湯温設定かを知らせて高温湯を防止し、更に、現在時刻から入浴時間の経過を知らせて長風呂を防止することができる。
更に、事後的に入浴死を低減する方法として、頭部沈水等の異常を早期に発見するシステム(例えば、本願発明者等による、特願平10−151255号、特願平10−263017号、特願平11−26184号)を提案している。
【0004】
しかしながら、これらの従来技術の内、コールドショックを緩和させる方法や早期異常発見システム等は入浴者の入浴行動を直接的に支援するものではなく、風呂リモコンの表示も入浴者自身の判断に任せる必要があり、上記した入浴死の危険因子に応じた適切な入浴行動を支援する装置は従来存在せず、専ら個人管理に任されているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、個人属性、季節、入浴時間帯、湯温、入浴時間等の入浴死の危険因子に応じた適切な入浴行動を支援する入浴行動支援装置を提供し、特に高齢者の入浴死を抑止する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る入浴行動支援装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した如く、入浴者が浴槽内に携帯可能であって、
前記入浴者の入湯を検知する入湯検知手段と、
入湯時の、入浴時刻、入浴時間、浴室内温度、浴室外温度及び湯温を含む入浴環境情報を計測する入浴環境計測手段と、
浴室内温度又は浴室外温度を調整する温度調節入浴行動、出湯する出湯入浴行動、又は湯温を調節する湯温調節入浴行動に関し、前記入浴者がとるべき入浴行動を判定する判定手段と、
音声合成手段及び発光装置を備えて成る入浴行動指示手段とを有し、
前記判定手段が、前記入浴環境計測手段の計測結果に基づいて、前記入浴者がとるべき入浴行動を判定し、前記入浴行動指示手段が、前記判定手段が判定した前記入浴者がとるべき入浴行動を、前記音声合成手段により合成される音声又は前記発光装置の発光により、前記入浴者に指示する点にある。
ここで、「入湯」とは湯水の入った浴槽に入る動作を意味し、「入浴環境情報」とは、例えば、季節、入浴時刻、入浴時間、浴槽内の湯温、浴室内外の温度等であり、「入浴行動」とは、単に入浴するという行動だけを意味するのではなく、入浴に伴う種々の行動を意味する。
【0007】
同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記入浴者の年齢である個人属性情報を記憶した個人属性記憶手段を備え、前記判定手段が前記入浴環境計測手段の計測結果と前記個人属性記憶手段に記憶された前記入浴者の個人属性情報に基づいて、前記入浴者の年齢に応じた前記入浴者が取るべき入浴行動を判定する点にある。
【0008】
同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3に記載した如く、上記第二の特徴構成に加えて、前記入湯検知手段の非入湯状態を示す検知結果と前記個人属性記憶手段に記憶された前記入浴者の個人属性情報に基づいて、前記非入湯状態が検知された場合に、前記音声により、前記入浴者に入浴するよう催促する入浴催促手段を備えている点にある。
【0009】
同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4に記載した如く、上記第三の特徴構成に加えて、給湯器の給湯時期を制御する機器制御手段を備え、前記入浴催促手段の催促出力がなされた時に、前記機器制御手段が前記給湯器を働かせて前記浴槽に湯張りを行うべく制御する点にある。ここで、前記機器制御手段は入浴行動支援装置に内蔵されていても、別体で設けられていても構わない。
【0010】
同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項5に記載した如く、上記第一乃至第四の特徴構成の何れかに加えて、前記入浴行動指示手段が前記入浴者がとるべき入浴行動をとるように指示をした後の前記入浴者の応答行動を、前記入浴環境計測手段により計測される前記浴室内温度、前記浴室外温度及び前記湯温に基づいて検出し、その応答行動が前記入浴行動指示手段が指示した前記入浴者がとるべき入浴行動と合致するか否かを判定する応答行動判定手段と、前記応答行動判定手段の判定結果に基づいて所定の警報を発生する警報出力手段とを備えている点にある。ここで、前記警報出力手段は入浴行動支援装置に内蔵されていても、別体で設けられていても構わない。
【0011】
同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6に記載した如く、上記第五の特徴構成に加えて、前記浴槽の湯量を調節可能な自動排出装置を制御する機器制御手段を備え、前記応答行動判定手段の判定結果または前記警報出力手段の出力に基づいて、前記機器制御手段が前記自動排出装置を前記浴槽の湯量を前記入浴者が沈水している状況を回避可能な湯量とすべく制御する点にある。ここで、前記機器制御手段は入浴行動支援装置に内蔵されていても、別体で設けられていても構わない。
【0012】
同第七の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項7に記載した如く、上記第一乃至第六の特徴構成の何れかに加えて、前記入浴者の入浴行動の履歴を蓄積した入浴行動データベースと、前記蓄積された入浴行動の履歴から、入浴時間帯が遅くなっていないか、入浴時間が長くなっていないか、或いは、湯温が高くなっていないかという前記入浴者の前記入浴行動の傾向を分析し、前記入浴者に対して、入浴行動の診断を行う入浴行動診断手段とを備えている点にある。
【0013】
同第八の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項8に記載した如く、上記第七の特徴構成に加えて、前記入浴行動診断手段による入浴行動の傾向分析結果に基づいて前記判定手段で使用する前記浴室内温度又は前記浴室外温度を調整する温度調節入浴行動、出湯する出湯入浴行動、又は湯温を調節する湯温調節入浴行動に係る判定基準を前記入浴者がとるべき入浴行動の指示が早めになされるように調整する判定基準調整手段を備えている点にある。
【0014】
同第九の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項9に記載した如く、上記第一乃至第八の特徴構成の何れかに加えて、前記入浴行動指示手段が、入浴中に前記入浴者に対して定期的に話しかける点にある。
【0015】
同第十の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項10に記載した如く、上記第九の特徴構成に加えて、前記話しかけに対して前記入浴者が応答したか否かを判定し、応答がない場合に前記話しかけを繰り返し、所定回数内に応答がない場合には所定の警報出力を指示する警報指示手段と、その指示に基づいて所定の警報を発生する警報出力手段とを備えている点にある。
【0016】
同第十一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項11に記載した如く、上記第九または第十の特徴構成に加えて、前記入浴者に関し、入浴死に至る危険性が高いか否かを含む個人属性情報を記憶した個人属性記憶手段を備え、前記入浴環境計測手段の計測結果と前記個人属性記憶手段に記憶された前記入浴者の個人属性情報に関し前記入浴者の入浴死に至る危険性が高い場合に、前記入浴行動指示手段が前記話しかけの時間間隔を短くする点にある。
【0017】
同第十二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項12に記載した如く、上記第九、第十または第十一の特徴構成に加えて、前記入浴者の年齢である個人属性情報を記憶した個人属性記憶手段を備え、前記入浴環境計測手段の計測結果と前記個人属性記憶手段に記憶された前記入浴者の個人属性情報に基づいて、前記入浴行動指示手段が前記話しかけの内容を前記入浴者の年齢に応じた内容とする点にある。
【0018】
同第十三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項13に記載した如く、上記第一乃至第十二の特徴構成の何れかに加えて、前記入浴者に装着された前記入浴者の心拍数や血圧のうち一以上の生理的情報を検出する生体センサを備え、前記判定手段が、前記生理的情報にも基づいて、前記入浴者の前記生理的情報が適正範囲外にある場合に適正範囲内となるように前記入浴者がとるべき入浴行動として出湯を判定する点にある。
【0019】
以下に作用並びに効果を説明する。
本発明に係る入浴行動支援装置の第一の特徴構成によれば、入浴者が入湯時に本装置も同時に入湯させることにより、入湯検知手段が入浴者の入湯を検知し、入浴環境計測手段が入湯時刻、入浴時間(入浴経過時間と同意)、湯温、浴室温度等の入浴時の入浴環境情報を計測し、その計測結果に基づいて、判定手段が湯温調整や出湯(湯水の入った浴槽から出ることと同意)等のその時の入浴環境に応じた入浴者が取るべき適切な入浴行動を判定し、音声合成手段及び発光装置を備えて成る入浴行動指示手段が判定手段が判定した入浴行動を入浴者に対して指示することができ、その指示を受けた入浴者はその指示に従って行動することで、入浴中の溺水等の事故の発生を未然に防止或いは低減することができる。
また、日々の入浴において、かかる入浴行動指示に従うことで、入浴死に至らない適切な入浴習慣を身につけることができるようになる。
【0020】
同第二の特徴構成によれば、個人属性記憶手段に記憶された年齢である個人属性情報と入浴環境計測手段が計測した入浴環境情報に基づいて、判定手段が入浴行動を判定できるため、年齢である個人属性に応じた適切な入浴行動を指示することができる。この結果、特に高齢者に対して適切な入浴行動を指示できるとともに、高齢者の入浴習慣の適正化が図れる。
【0021】
同第三の特徴構成によれば、個人属性記憶手段に記憶された年齢である個人属性情報に応じた適正な入浴時刻における入浴を促すことで、入浴時刻が高齢者における入浴死の危険度の高い深夜等になるのを未然に防止できる。
【0022】
同第四の特徴構成によれば、給湯器に対する浴槽への自動湯張りの開始を、入浴者が入浴する前に行える。この結果、例えば、浴槽への湯張りが自動的になされることで、適正時刻での入浴が促進される
【0023】
同第五の特徴構成によれば、入浴行動指示に対する入浴者の応答行動が不適切な場合、或いは、何らの応答行動がない場合は、その入浴環境下での入浴を継続することにより入浴者に過大な負担が加わると判断して、その入浴の継続を速やかに中止させるべく警報を発することができる。かかる警報の発生により、入浴者が正常な場合は、入浴者本人が適正な入浴行動を取ることを強制され、また、入浴者に既に異常が発生している場合は、同居人等が入浴者の異常を察知し早期に救助することができる。
【0024】
同第六の特徴構成によれば、警報発生にもかかわらず、入浴者本人の適正な入浴行動がなく、不適切な入浴が継続される場合は、その状態を放置することで、入浴死に至る危険性が高いと判断して、入浴死に至るのを抑制するように入浴環境を調整でき、同居人等の救助までに入浴死に至るのを防止できる。具体的には、例えば、浴槽からの出湯を入浴者に指示したにもかかわらず、何らの応答もない場合、浴槽の湯水を強制的に排水して、入浴者の溺水を防止する。また、入浴者に湯温が高すぎるので、水を足して温めの湯にするように指示したにもかかわらず、何らの応答もない場合は、強制的に浴槽へ適量の給水を行い、湯温の適正化を図ることができる。
【0025】
同第七の特徴構成によれば、入浴時における適正な入浴行動の指示のみならず、日々の入浴行動の傾向が不適切になりつつある場合や、日々の入浴行動は一定でも、入浴環境の変化により不適切になりつつある場合に、入浴者に対して予め注意を促し、入浴者に対して、入浴時刻、入浴時間、湯温、浴室温度等の入浴環境の最適化を指示することができる。
【0026】
同第八の特徴構成によれば、入浴行動診断手段による入浴者へ直接診断を与えるのに追加して、或いは、その代わりに、判定基準が入浴行動の傾向を早める方向に調整されるため、入浴時の入浴行動指示手段による入浴行動指示が、入浴行動の傾向を是正するようになされ、入浴行動の最適化が図れる。例えば、適正な入浴時間範囲内ではあるが、入浴時間が長くなる傾向にある場合は、出湯指示を早めに行う等の判定基準の調整を行うことができる。より具体的には、例えば「あと1分で出ましょう」という入浴行動指示を1分より前に出力することができ、これを、日々の入浴時に繰り返すことで、長時間化する入浴時間を短時間に適正化することができる。
【0027】
同第九の特徴構成によれば、定期的に話しかける機能により、入浴時の退屈しのぎになる等の遊び的要素が増し、入浴行動支援装置を入浴時に常に携帯する習慣がつき、入浴行動支援装置が適切に機能することにより、入浴死に至る不適正な入浴行動の是正を着実に図ることができる。
【0028】
同第十の特徴構成によれば、入浴時間や湯温等の入浴環境が正常でも、入浴者に異常が発生した場合に、その異常を早期に検知することができる。この結果、入浴者を入浴死に至るまでに救助できる可能性や、一旦溺死状態になっても蘇生できる可能性が高くなる。
【0029】
同第十一の特徴構成によれば、入浴環境情報や個人属性によって入浴死に至る危険性が高いと判断される場合に、話しかけの時間間隔を短くすることができ、異常発見をより早期に行うことができる。つまり、かかる危険性の高い場合ほど、入浴者の異常をそのまま放置することによる致死率が高いと判断されるため、話しかけの時間間隔を短くできることで、入浴死の抑止がより効果的になされる。また、かかる危険性の低い場合は、不必要な話しかけをなくすることができ、誤警報発生を回避でき、更には、低消費電力化が図れる。
【0030】
同第十二の特徴構成によれば、話しかけの内容を、入浴者の年齢に応じた適正化ができ、かかる話しかけに対して入浴者が応答し易くなるので、誤警報の発生が回避できる。また、話しかけの内容が適切であるため、入浴時の退屈しのぎになる等の遊び的要素が増し、入浴行動支援装置を入浴時に常に携帯する習慣がつき、入浴行動支援装置が適切に機能することにより、入浴死に至る不適正な入浴行動の是正がより着実に図られることとなる。
【0031】
同第十三の特徴構成によれば、入浴者の血圧や脈拍等の生理的情報をリアルタイムに受信できるため、入浴者の日々の体調変化に応じた適切な入浴行動を指示することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明に係る入浴行動支援装置の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1に示すように、本発明に係る入浴行動支援装置は、動物(本実施形態では「猿」)の形状を模した外形を備えたロボット1であり、入浴者2が携帯可能な大きさ及び重量で、且つ、浴槽17の水面で、頭部1aを水面上に出し、胴体部1bを水中に沈めた状態て浮く構造となっている。
前記ロボット1は、図2に示すように、基本構成として、前記入浴者2の入湯を検知する入湯検知手段3と、入湯時における所定の入浴環境情報を計測する入浴環境計測手段4と、前記入浴者2の個人属性情報を記憶した個人属性記憶手段5と、前記入浴環境計測手段4の計測結果と前記個人属性記憶手段5に記憶された前記入浴者2の個人属性情報に基づいて前記入浴者2が取るべき入浴行動を判定する判定手段6と、前記判定手段6が判定した入浴行動を前記入浴者2に指示する入浴行動指示手段7とを備えている。
更に、前記ロボット1は、上記基本構成に加え、前記入湯検知手段3の非入湯状態を示す検知結果と前記個人属性記憶手段5に記憶された前記入浴者2の個人属性情報に基づいて前記入浴者2に入浴を催促する入浴催促手段8と、前記入浴行動指示手段7が何らかの指示をした後の前記入浴者2の応答行動を検出し、その応答行動が前記入浴行動指示手段7が指示した入浴行動と合致するか否かを判定する応答行動判定手段9と、警報出力手段10とを備えている。
また、前記入浴行動支援装置は、前記ロボット1とは別体で、入浴環境に関連する機器を制御する機器制御手段11を備えている。
【0034】
次に、上記各手段について説明する。
前記入湯検知手段3は、前記入浴者2が前記ロボット1と一緒に入浴することにより、前記ロボット1の胴体部1bが沈水することを検知して前記入浴者2の入湯状態を間接的に検知する。前記胴体部1bの沈水が検知されている場合は、前記入浴者2が入湯状態にあると判断され、逆に、当該沈水が検知されない状態は、前記入浴者2が非入湯状態(または、出湯状態)にあると判断される。従って、前記入浴者2が前記ロボット1と一緒に入湯した後に、一緒に出湯すると、前記胴体部1bの沈水が検知されず、非入湯状態(出湯状態)にあると判断される。
また、前記胴体部1bの沈水は、前記胴体部1bに設けられた沈水センサ3aによって検出される。この沈水センサ3aは、前記胴体部1bの外部から水が浸入可能な箇所に絶縁分離された一対の電極を設け、その電極間の電流値から電極間に水が存在するか否かを検出する。水が存在する場合は水の電気伝導性から両電極間が導通し、水が存在しない場合のリーク電流レベルから電流値が大幅に増大することから、その電流値が一定の閾値を超えた場合には水の存在が検出される。しかしながら、その水の存在はシャワーやかけ湯等の水滴が断続的に付着した場合にも検出されるため、前記入湯検知手段3は前記電流値が前記閾値を所定時間(例えば、10秒間)連続して超えた場合に沈水状態にあると判定する。つまり、シャワー等の水滴が付着した場合、前記電流値は前記閾値を超えたり超えなかったり断続的に変化し、真に沈水状態にある場合は、前記電流値は前記閾値を連続して超えることを識別する。前記沈水センサ3aは、上記のような電気的検知の他、水圧を検知する方法によるもの等であっても構わない。
【0035】
前記入浴環境計測手段4は、入湯時の年月日(季節)、入浴時刻、入浴時間、浴室内温度、浴室外温度、湯温等の入浴環境情報を各別に設けられたセンサ類で計測する。入湯時の年月日(季節)及び入浴時刻は内蔵された時計によって、前記入湯検知手段3の入湯検知時に計測される。入浴時間は、その入浴時刻からの入湯状態の経過時間として内蔵のタイマーで計測される。浴室内温度及び浴室外温度は、浴室内と浴室外に夫々設けられた温度センサが計測した温度データを前記入浴環境計測手段4が無線で受信する。ここで、浴室外とは、浴室外の脱衣室等を意味し、戸外を意味するものではない。湯温は前記ロボット1の胴体部1bに設けられた温度センサで計測される。尚、浴室内外の温度センサは、独立して設けられていても、また、浴室内外に夫々設けられた空調機器に付属のものを使用することもできる。
前記各温度は、入湯検知後定期的に、及び、後述する所定のイベント発生後に計測される。また、前記入浴環境計測手段4は、計測された各入浴環境情報を所定のフォーマットのデジタル信号に変換して、前記判定手段6に転送する。
【0036】
前記個人属性記憶手段5は、前記入浴者2の年齢や病歴等の個人属性情報を2値化して不揮発性の読出専用の半導体メモリに記憶している。年齢や病歴等の情報は、一定期間毎に更新する必要があるため、電気的に書き換え可能なフラッシュメモリ等を使用する。尚、年齢情報は、前記入浴環境計測手段4に設けられた時計の現在時刻に同期して、前記入浴者2の誕生日毎に、所定の書き換え回路で更新される。病歴情報の更新データは、別途設けられたシリアル入力ポート等の入力端子を介して外部のパソコンや専用入力端末から入力され、前記書き換え回路によって更新される。
【0037】
前記判定手段6は、前記入浴者2の入浴時間、浴室内温度、浴室内外の温度差、及び、湯温が、前記入浴環境計測手段4が計測した前記入浴環境情報や前記個人属性記憶手段5に記憶された前記個人属性情報に照らして適正であるか否かを判定する。
入浴時間についての判定は、基準の適正入浴時間に対して、前記入浴環境計測手段4が計測した入浴時間が所定時間内(例えば、1分前)に近づいてきた場合に、「あと1分で出湯する」という入浴行動を判定する。更に、計測した入浴時間が前記適正入浴時間を超過した場合は、「直ぐに出湯する」という入浴行動を判定する。
浴室内温度についての判定は、特に冬季において、前記入浴環境計測手段4が計測した浴室内温度が基準の浴室内温度より低い場合に、「浴室内を暖房する」という入浴行動を判定する。
浴室内外の温度差についての判定は、特に冬季において、前記入浴環境計測手段4が計測した温度差が基準の適正温度差を超過し、浴室外が寒い場合に、「浴室外を暖房する」という入浴行動を判定する。
湯温についての判定は、前記入浴環境計測手段4が計測した湯温が基準の適正湯温より高い場合に、「湯温を下げる」という入浴行動を判定する。
【0038】
ところで、前記基準の適正入浴時間等は、標準的な入浴者と入浴環境を想定して予め設定されたデフォルト値であるため、前記入浴環境情報や前記個人属性情報に基づいて修正されたものが使用される。また、前記個人属性情報に基づいて修正された適正入浴時間等は、前記入浴環境計測手段4に設けられた不揮発性の記憶手段に記憶され、新たなデフォルト値として登録される。
【0039】
尚、浴室内温度及び浴室内外の温度差についての判定は、浴室内温度または浴室外温度を調節できる空調機を備えていることを前提とするものであり、かかる空調機を備えていない場合は、対応する温度が前記入浴環境計測手段4によって計測されず、当該判定は行われない。
【0040】
前記入浴行動指示手段7は、前記判定手段6が判定した上記の各種入浴行動に基づいて、前記入浴者2に適切な指示を行う。指示方法は、音声や色変化や発光等を利用する。具体的には、前記入浴行動指示手段7は、音声合成手段と音声データを格納した記憶装置とを備え、更に、合成音を出力するスピーカを前記ロボット1の頭部1aに設けてある。例えば、「あと1分で出湯する」という入浴行動の判定に対して、「あと1分で出ましょう」とういう音声を出力する。
また、色変化や発光を利用する場合、「あと1分で出湯する」または「直ぐに出湯する」では、前記ロボット1の顔の色をのぼせたように赤くする。特に、「直ぐに出湯する」の場合は、「あと1分で出湯する」より濃い赤色にする。従って、前記入浴行動指示手段7は、判定された入浴行動に応じて顔の色を変化させる手段を備える。
【0041】
前記入浴催促手段8は、前記入浴者2の日々の入浴時刻パターン(朝、昼、夕方、夜等の区分)を、前記入浴環境計測手段4が過去に計測した入湯時刻に基づいて判断して記憶しておき、当該入浴時刻区分内において、前記個人属性記憶手段5に記憶された前記入浴者2の個人属性情報から最適と考えられる最適入湯時刻を演算して記憶しておく。前記入浴環境計測手段4に内蔵された時計から得られる現在時刻が前記最適入湯時刻の所定時間前(例えば、15分前)になった場合に、前記入浴者2に入浴を催促する音声出力を発生する。例えば、「そろそろお風呂に入りましょう」という音声が、前記入浴行動指示手段7の音声合成手段を用いて合成され、前記ロボット1の頭部1aに設けてある前記スピーカから出力される。
【0042】
前記応答行動判定手段9は、前記入浴行動指示手段7が何らかの指示をした後の前記入浴者2の応答行動を、前記入湯検知手段3や前記入浴環境計測手段4の出力から間接的に検出する。
例えば、「あと1分で出湯する」という入浴行動に対して、前記入浴行動指示手段7の指示出力後1分経過後も前記入湯検知手段3が出湯状態を検知している場合は、前記入浴者2の応答行動が前記入浴行動指示手段7が指示した入浴行動と合致している判定され、逆に、前記入湯検知手段3が依然として入湯状態を検知している場合は、前記入浴者2の応答行動が前記入浴行動指示手段7が指示した入浴行動と合致してないと判定される。
また、「浴室内を暖房する」という入浴行動に対しては、前記入浴行動指示手段7の指示出力から所定時間経過後の前記入浴環境計測手段4が計測した浴室内温度に基づいて前記判定手段6が同じ入浴行動を判定するか否かで、前記入浴者2の応答行動を判定する。つまり、同じ判定がなされた場合、その応答行動は不適切であると判定される。
【0043】
前記警報出力手段10は、前記応答行動判定手段9の判定結果が「不適切」であった場合、前記判定手段6が判定した入浴行動に応じて、所定の警報を発生する。本実施形態では、「あと1分で出湯する」または「直ぐに出湯する」という入浴行動、或いは、「湯温を下げる」という入浴行動に対して、所定の警報が発生される。具体的には、前記応答行動判定手段9の1回目の判定結果が「不適切」であった場合は、再度、前記入浴行動指示手段7が自動的に同じ入浴行動指示を行う。しかし、2回目の判定結果も依然として「不適切」であった場合は、前記警報出力手段10によって所定の警報が発せられる。この警報により、前記入浴者2または第三者の救助により適切な応答行動が採られた場合は、前記応答行動判定手段9がそれを確認すると、警報状態が解除される。
【0044】
この警報の第1段階として、例えば、大音量の警報音や救助を求める音声による警報メッセージが前記ロボット1の頭部1aに設けてある前記スピーカから出力される。更に、図1に示すように、一定時間経過後も警報状態が解除されないと、第2段階として、居室等に設置されている警報装置12を起動して、同居人に報知すべく、無線の警報信号Wが当該警報装置12に向けて発信される。また、前記入浴者2が独居人である場合は、第二の警報装置をセキュリティ会社や病院等の外部機関に設置して、前記警報装置12と電話回線等を介して接続し、これらの外部機関に当該警報音または警報メッセージが通報できるようにしても構わない。
【0045】
前記機器制御手段11は、図1に示すように、入浴環境に関連する機器としての給湯器13、浴室内空調機14、浴室外空調機15、自動排水装置16等を、前記応答行動判定手段9の判定結果及び前記入浴催促手段8の出力に応じて制御する。
【0046】
具体的には、前記入浴催促手段8が前記最適入湯時刻の所定時間前に入浴を催促する音声出力を発生した場合、前記機器制御手段11は、かかる音声出力の発生を前記入浴催促手段8からの無線の状態信号Sによって検知し、浴槽17への自動湯張りを開始すべく給湯器13を制御する。
【0047】
また、前記応答行動判定手段9の判定結果が、「あと1分で出湯する」または「直ぐに出湯する」という入浴行動に対する応答行動が「不適切」との判定が所定回数繰り返された場合には、前記機器制御手段11は、前記判定手段6が発信する「不適切」との判定が所定回数繰り返された状態を表す状態信号Sを受信して、前記自動排水装置16を起動し、浴槽17内の湯水を強制排水する。これにより、溺水している可能性のある前記入浴者2の鼻や口が長時間沈水している状況を回避し、溺死に至るのを防止する。
【0048】
前記自動排水装置16は、前記機器制御手段11から無線の制御信号Cを受信する受信部16aと、前記浴槽17内の湯水を前記浴槽17外に強制排出する排水部16bから構成されており、また、前記浴槽17の壁面に取り付け可能な構造となっている。
前記排水部16bは、前記制御信号Cを受信するとモータポンプを作動させて、前記浴槽17内の湯水を汲み上げて洗い場等の前記浴槽17外に排水する。前記排水部16bの電源は、所定の内蔵電池であっても、商用電源からの電力供給であっても構わない。また、前記排水部16bの排水能力は、溺水者の蘇生率が上述の如く4分以上で50%以下に低下するため、遅くとも4分以内に沈水した鼻や口が離水するように設定しなければならない。このため、前記モータポンプは前記浴槽17の湯水を満水状態から半分の貯水状態にまで遅くとも4分で排水できるものを使用する。例えば、前記浴槽17の満水容量が280リットルの場合は、前記モータポンプの排水能力は35リットル/分以上が望ましい。尚、この値は一例であって、前記モータポンプの排水能力は前記浴槽17の満水容量や形状等を考慮して適宜変更するものとする。
【0049】
ところで、前記自動排水装置16には、前記入浴者2に異常がなく溺水していなかったにもかかわらず、例えば、前記入浴者2が居眠りをしていた等の理由により、前記警告音または警告メッセージが聞こえないまま、前記浴槽17の湯水の強制排水が開始された場合に、前記入浴者2や救助者が当該強制排水を解除できる解除手段が設けられてある。具体的には、前記排水部16bの作動を強制停止する解除ボタン16cが前記自動排水装置16の前記入浴者2が操作容易な位置に設けられている。
【0050】
また、前記応答行動判定手段9の判定結果が、「湯温を下げる」という入浴行動に対する応答行動が「不適切」との判定が所定回数繰り返された場合には、前記機器制御手段11は前記給湯器13を制御して、前記給湯器13から水または低温の湯が浴槽内に所定量供給されるようにして、湯温を低下させる。
また、前記応答行動判定手段9の判定結果が、「浴室内を暖房する」或いは「浴室外を暖房する」という入浴行動に対する応答行動が「不適切」との判定が所定回数繰り返された場合には、前記機器制御手段11は前記浴室内空調機14或いは前記浴室外空調機15を制御して、浴室内或いは浴室外を強制的に所定温度まで暖房する。前記機器制御手段11のかかる制御によって、例えば、冬季等において浴室内或いは浴室外の温度が入浴時に予め適温に設定され、所謂コールドショックの防止が図れる。
【0051】
以上説明した前記入湯検知手段3、前記入浴環境計測手段4、前記判定手段6、前記入浴行動指示手段7、前記入浴催促手段8、前記応答行動判定手段9、前記警報出力手段10、前記機器制御手段11は、上記した各センサ類、各入出力装置、音声合成手段、及び、各記憶装置等以外のデータ処理や判断処理に関わる部分はマイクロコンピュータを利用して構成されている。但し、前記機器制御手段11を除く上記各手段の全てを単一のマイクロコンピュータで構成しても、或いは、基本構成部分を単一のマイクロコンピュータで構成し、周辺部分を個別の専用回路で構成しても構わない。また、上記各手段に付属する記憶装置は各別に設けられても、また、上記各手段で共用される形態であっても構わない。つまり、上記各手段の具体的なハードウェア構成は自由に変更し得る。
【0052】
以下に別実施形態を説明する。
〈1〉上記実施の形態の構成、或いは、その内の基本構成部分に加えて、前記入浴者2の入浴行動の履歴を蓄積した入浴行動データベースと、前記入浴行動データベースから前記入浴者2の入浴行動の傾向を分析し、前記入浴者2に対して、入浴行動の診断を行う入浴行動診断手段とを備えた構成とするのも好ましい。
【0053】
前記入浴行動データベースは、前記入浴者2の日々の入浴毎に、前記入浴環境計測手段4が計測した入浴時刻、入浴時間、及び、湯温等の前記入浴者2の入浴行動に関連した入浴環境情報を所定の記憶装置の所定領域に蓄積することで構築される。前記入浴行動診断手段は、上記実施の形態の構成と同様にマイクロコンピュータを利用して構成され、前記入浴行動データベースから入浴時刻、入浴時間、湯温等の履歴データを読み出し、入浴時間帯が遅くなっていないか、入浴時間が長くなっていないか、或いは、湯温が高くなっていないか等の入浴行動の傾向を分析する。そこで、入浴行動の傾向が入浴死に至る危険性が高くなる方向にある場合、例えば、「入浴時間帯が遅くなっているので、早く入るように心掛けましょう。」、「最近、入浴時間が長くなっていますので、短くしてください。」、「湯温が段々高くなっていますので、もう少し温めにしましょう。」等の診断メッセージを、前記入浴行動指示手段7に設けられた前記音声合成手段、及び、前記ロボット1の頭部1aに設けられたスピーカを用いて音声出力する。この診断や音声出力のタイミングは、任意であるが、例えば、入浴開始前や入浴終了後に行うようにすれば効果的である。
【0054】
更に、上記の診断メッセージによっても入浴行動の傾向が改善されない場合の次善の策として、前記入浴行動診断手段による入浴行動の傾向分析結果に基づいて、前記判定手段6で使用する判定基準の調整を行う判定基準調整手段を備えても構わない。
具体的には、例えば、湯温が高くなっている傾向にあって、前記診断メッセージの出力後の診断において依然として同じ傾向にある場合において、前記判定手段6が湯温についての判定で使用する前記基準の適正湯温を低めに修正して、「湯温を下げる」という入浴行動の判定がされ易くする。従って、本来まだ適正な湯温範囲にあるのではあるが、「湯温を下げる」という入浴行動の判定入浴行動指示が早めになされ、当該入浴行動の傾向が是正される。
【0055】
〈2〉上記各実施の形態の構成、或いは、その内の基本構成部分に加えて、入浴中に前記入浴者2に対して定期的に話しかける話しかけ手段を設けるのも好ましい実施の形態である。この話しかけ手段は、独立した手段として設けても構わないが、前記入浴行動指示手段7に設けられた前記音声合成手段、及び、前記ロボット1の頭部1aに設けられたスピーカを用いて構成することができる。また、音声データとして、話しかけの内容に適したものを複数用意しておく。ここで、話しかけの内容は、前記入浴環境計測手段4が計測した季節や入浴時刻、浴室内外の温度等の入浴環境情報や、前記個人属性記憶手段5に記憶されている前記入浴者2の年齢や病歴等の個人属性情報に基づいて、適切なものが選択される。尚、前記話しかけ手段は、前記入湯検知手段3の入湯検知によって起動されるように構成されている。
【0056】
更に、前記話しかけ手段からの話しかけに対して、前記入浴者2が応答したか否かを判定し、応答がない場合に前記話しかけを繰り返し、所定回数内に応答がない場合には前記入浴者2に何らかの異常が発生していると見做して所定の警報出力を指示する警報指示手段と、その出力指示に基づいて所定の警報を発生する警報出力手段とを備えるのも好ましい実施の形態である。従って、前記警報指示手段は、前記入浴者2の音声を収拾するマイクロフォンを前記ロボット1の頭部1aに備え、浴室内の雑音から前記入浴者2の応答を認識する応答識別手段を備えている。応答識別手段の簡単な構成としては、前記話しかけ後の一定期間内の特定周波数帯域の音声信号強度で判断することもできる。また、警報出力手段は、上記実施形態の前記警報出力手段10を使用すれば足りる。
【0057】
ここで、前記話しかけ手段からの話しかけの時間間隔は、前記個人属性記憶手段5に記憶された前記入浴者2の個人属性情報や、前記入浴環境計測手段4の計測結果に基づいて変化させるようにしても構わない。つまり、前記話しかけ手段は、前記個人属性記憶手段5及び前記入浴環境計測手段4から個人属性情報や入浴環境情報を入力可能に構成され、これらの情報が入浴死に至る危険性の高い情報である場合には、前記時間間隔を短く設定し、逆に、当該危険性の低い情報である場合には、前記時間間隔を長く設定する。
【0058】
〈3〉上記各実施の形態の構成、或いは、その内の基本構成部分に加えて、前記入浴者2に装着された生体センサの出力を受信可能な受信手段を備え、前記判定手段6が、前記個人属性記憶手段5に記憶された前記入浴者2の個人属性情報や、前記入浴環境計測手段4が計測した入浴環境情報に加えて、前記受信手段で受信した前記入浴者2の生理的情報にも基づいて入浴行動を判定するように構成しても構わない。
前記生体センサとは、心拍計や血圧計等であり、前記受信手段は前記生体センサからの心拍数や血圧等の生理的情報を受信し、前記判定手段6に入力可能なデータフォーマットに変換して、前記判定手段6に出力する。前記判定手段6は、これらの心拍数や血圧等の生理的情報が、前記個人属性記憶手段5に記憶された前記入浴者2の個人属性情報や、前記入浴環境計測手段4が計測した入浴環境情報から適正と判断される範囲外にある場合には、「直ぐに出湯する」という入浴行動の判定を行う。尚、かかる入浴行動の判定後の前記入浴行動指示手段7、前記応答行動判定手段9、前記警報出力手段10及び前記機器制御手段11等の動作は既に説明した上記実施の形態と同様である。
【0059】
〈4〉上記実施の形態における基本構成では、前記個人属性記憶手段5が含まれていたが、前記個人属性記憶手段5を含まない構成であっても構わない。例えば、高齢者や特定の病歴を持った入浴者に特化した入浴行動支援装置であっても構わない。
【0060】
〈5〉上記実施の形態では、前記機器制御手段11は前記ロボット1とは別体で構成してあったが、前記ロボット1に内蔵されていても構わない。この場合、前記機器制御手段11は前記状態信号Sを無線信号に依らずに直接受信する。
前記機器制御手段11が前記ロボット1と別体で構成されている場合、前記機器制御手段11から発信される前記給湯器13、前記浴室内空調機14、前記浴室外空調機15、前記自動排水装置16等の入浴環境に関連する機器を制御する制御信号Cは必ずしも無線信号である必要はない。前記機器制御手段11と前記各機器が有線で通信可能に接続されていてもよい。
【0061】
〈6〉上記実施の形態では、前記入浴行動支援装置は前記ロボット1で構成されていたが、必ずしもロボットの形態でなくても構わない。例えば、前記入浴者2の首にかけて胸の前に装着できるペンダント型のような、人体に装着可能な形態のものであっても構わない。
【0062】
〈7〉前記自動排水装置16は必ずしも前記モータポンプで湯水を汲み上げる構成でなくても構わない。例えば、前記浴槽17の排水口の止水を電磁弁で制御するようにして、前記自動排水装置16が前記制御信号Cを受信すると前記電磁弁を作動させて前記排水口を開成するようにしても構わない。また、電磁弁を設けた自動排水専用の排水口を前記浴槽17に設けても構わない。更に、前記自動排水装置16が前記制御信号Cを受信すると排水口の栓をワイヤー等で機械的に引き抜く手段を設けても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る入浴行動支援装置の外観構成及び該装置と協同して使用される浴室内外の関連機器を示す説明図
【図2】 本発明に係る入浴行動支援装置のブロック構成を示す説明図
【符号の説明】
1 ロボット
1a 頭部
1b 胴体部
2 入浴者
3 入湯検知手段
3a 沈水センサ
4 入浴環境計測手段
5 個人属性記憶手段
6 判定手段
7 入浴行動指示手段
8 入浴催促手段
9 応答行動判定手段
10 警報出力手段
11 機器制御手段
12 警報装置
13 給湯器
14 浴室内空調機
15 浴室外空調機
16 自動排水装置
16a 受信部
16b 排水部
16c 解除ボタン
17 浴槽
C 制御信号
W 警報信号
S 状態信号

Claims (13)

  1. 入浴者が浴槽内に携帯可能であって、
    前記入浴者の入湯を検知する入湯検知手段と、
    入湯時の、入浴時刻、入浴時間、浴室内温度、浴室外温度及び湯温を含む入浴環境情報を計測する入浴環境計測手段と、
    浴室内温度又は浴室外温度を調整する温度調節入浴行動、出湯する出湯入浴行動、又は湯温を調節する湯温調節入浴行動に関し、前記入浴者がとるべき入浴行動を判定する判定手段と、
    音声合成手段及び発光装置を備えて成る入浴行動指示手段とを有し、
    前記判定手段が、前記入浴環境計測手段の計測結果に基づいて、前記入浴者がとるべき入浴行動を判定し、前記入浴行動指示手段が、前記判定手段が判定した前記入浴者がとるべき入浴行動を、前記音声合成手段により合成される音声又は前記発光装置の発光により、前記入浴者に指示する入浴行動支援装置。
  2. 前記入浴者の年齢である個人属性情報を記憶した個人属性記憶手段を備え、前記判定手段が前記入浴環境計測手段の計測結果と前記個人属性記憶手段に記憶された前記入浴者の個人属性情報に基づいて、前記入浴者の年齢に応じた前記入浴者が取るべき入浴行動を判定する請求項1記載の入浴行動支援装置。
  3. 前記入湯検知手段の非入湯状態を示す検知結果と前記個人属性記憶手段に記憶された前記入浴者の個人属性情報に基づいて、前記非入湯状態が検知された場合に、前記音声により、前記入浴者に入浴するよう催促する入浴催促手段を備えている請求項2記載の入浴行動支援装置。
  4. 給湯器の給湯時期を制御する機器制御手段を備え、前記入浴催促手段の催促出力がなされた時に、前記機器制御手段が前記給湯器を働かせて前記浴槽に湯張りを行うべく制御する請求項3記載の入浴行動支援装置。
  5. 前記入浴行動指示手段が前記入浴者がとるべき入浴行動をとるように指示をした後の前記入浴者の応答行動を、前記入浴環境計測手段により計測される前記浴室内温度、前記浴室外温度及び前記湯温に基づいて検出し、その応答行動が前記入浴行動指示手段が指示した前記入浴者がとるべき入浴行動と合致するか否かを判定する応答行動判定手段と、前記応答行動判定手段の判定結果に基づいて所定の警報を発生する警報出力手段とを備えている請求項1から4の何れかに記載の入浴行動支援装置。
  6. 前記浴槽の湯量を調節可能な自動排出装置を制御する機器制御手段を備え、前記応答行動判定手段の判定結果または前記警報出力手段の出力に基づいて、前記機器制御手段が前記自動排出装置を前記浴槽の湯量を前記入浴者が沈水している状況を回避可能な湯量とすべく制御する請求項5記載の入浴行動支援装置。
  7. 前記入浴者の入浴行動の履歴を蓄積した入浴行動データベースと、前記蓄積された入浴行動の履歴から、入浴時間帯が遅くなっていないか、入浴時間が長くなっていないか、或いは、湯温が高くなっていないかという前記入浴者の前記入浴行動の傾向を分析し、前記入浴者に対して、入浴行動の診断を行う入浴行動診断手段とを備えている請求項1から6の何れかに記載の入浴行動支援装置。
  8. 前記入浴行動診断手段による入浴行動の傾向分析結果に基づいて前記判定手段で使用する前記浴室内温度又は前記浴室外温度を調整する温度調節入浴行動、出湯する出湯入浴行動、又は湯温を調節する湯温調節入浴行動に係る判定基準を前記入浴者がとるべき入浴行動の指示が早めになされるように調整する判定基準調整手段を備えている請求項7記載の入浴行動支援装置。
  9. 前記入浴行動指示手段が、入浴中に前記入浴者に対して定期的に話しかける請求項1から8の何れかに記載の入浴行動支援装置。
  10. 前記話しかけに対して前記入浴者が応答したか否かを判定し、応答がない場合に前記話しかけを繰り返し、所定回数内に応答がない場合には所定の警報出力を指示する警報指示手段と、その指示に基づいて所定の警報を発生する警報出力手段とを備えている請求項9記載の入浴行動支援装置。
  11. 前記入浴者に関し、入浴死に至る危険性が高いか否かを含む個人属性情報を記憶した個人属性記憶手段を備え、前記入浴環境計測手段の計測結果と前記個人属性記憶手段に記憶された前記入浴者の個人属性情報に関し前記入浴者の入浴死に至る危険性が高い場合に、前記入浴行動指示手段が前記話しかけの時間間隔を短くする請求項9または10記載の入浴行動支援装置。
  12. 前記入浴者の年齢である個人属性情報を記憶した個人属性記憶手段を備え、前記入浴環境計測手段の計測結果と前記個人属性記憶手段に記憶された前記入浴者の個人属性情報に基づいて、前記入浴行動指示手段が前記話しかけの内容を前記入浴者の年齢に応じた内容とする請求項9、10または11記載の入浴行動支援装置。
  13. 前記入浴者に装着された前記入浴者の心拍数や血圧のうち一以上の生理的情報を検出する生体センサを備え、前記判定手段が、前記生理的情報にも基づいて、前記入浴者の前記生理的情報が適正範囲外にある場合に適正範囲内となるように前記入浴者がとるべき入浴行動として出湯を判定する請求項1から12の何れかに記載の入浴行動支援装置。
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