JP4069278B2 - 取引データ受付システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば金融機関の為替集中処理システムにおいて、顧客から受け付けた振込依頼書を効率よく処理する取引データ受付システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金融機関において、顧客から受け付けた振込依頼を効率よく処理してホストコンピュータに送信するために、為替集中処理システムが利用されている。このシステムでは、顧客が記入した振込依頼書をイメージデータとして読み取り、記入された文字を認識して所定の振込依頼データを生成し、これをセンタに送る。センタでは内容を確認し、修正検証した上でホストコンピュータに送信する。こうして、多数の営業店において、受け付けられた振込依頼書の内容をセンタで集中的に検証し処理することによって、多量の振込依頼を効率よく処理している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来のシステムには次のような解決すべき課題があった。
企業が従業員の給与や賞与を従業員の口座に振り込む場合には、必要事項を記入した振込依頼書を金融機関の営業店に差し出す。金融機関の営業店では為替処理を担当する係員が、企業で作成されたリストを元にキーエントリをし、為替データを生成して、センタ経由でホストコンピュータに送信する。しかしながら、企業で作成されたリストに基づいて正確に為替処理のためのデータエントリを行う作業は、係員にとって大きな負担になっていた。また、データエントリのために長時間の作業が要求され、事務の効率化の障害となっていた。更に、データエントリ作業にミスがあれば誤発信や為替事故が生じ、運用上の安全性にも影響するという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
取引依頼者が所定の項目で非定型に構成した私製の振込先用電子データを取引依頼データとして保持する記録媒体から、前記取引依頼データを取得する取引依頼データ取得部と、取引に必要な項目であって、前記取引依頼データに含まれていない依頼者情報を記入した定型の依頼者特定用申込書を文字認識して補完データとして取得する補充データ入力部と、前記取引依頼データ取得部から入力した取引依頼データから、取引に必要な項目に対応した振込先データを抽出し、該振込先データと前記補充データ入力部から入力した補完データとを合成して、定型フォーマットの取引データに変換するデータ変換処理部と、該データ変換処理部の出力する定型フォーマットの取引データをホストコンピューター宛に送信する送信制御部とを備えたことを特徴とする振込受付システム。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
〈具体例〉
図1は、本発明による取引データ受付システムの機能ブロック図である。
このシステムは、例えば金融機関の為替集中処理システムに採用される。そこで、予め従来一般の為替集中処理システム全体構成の説明を行う。
図2は、金融機関における従来の為替集中処理システムのブロック図を示す。図において、銀行等の営業店1は、公衆回線等のネットワーク2を介して集中センタ3と接続されている。このシステムでは、営業店1の受け付けた振込依頼を集中センタ3で処理し、作成した為替データをホストコンピュータ4に送信する構成となっている。
【0007】
営業店1には、顧客が記入した振込依頼書5を受け入れて、そのイメージデータから書き込まれた文字を認識する文字認識装置6と、認識結果から振込依頼用データを生成するOCRクライアント7が備えられている。集中センタ3には、それぞれLAN(ローカルエリアネットワーク)11によって相互に接続されたサーバやワークステーションが設けられている。この図には、FAX(ファクシミリ)サーバ12、ファイルサーバ13、文字認識ユニットサーバ15、文字認識ユニット(CRU)16、修正クライアント17、検証クライアント18及び通信ゲートウェイ(GW)19が設けられている。
【0008】
FAXサーバ12は、営業店1から振込依頼書5がファクシミリイメージで送信された場合、これをファクシミリ受信機で受け付ける部分である。ファイルサーバ13は、データベース(DB)14に営業店1から入力したデータを記録し、保存し、後続する処理に利用させる役割を持つ部分である。CRUサーバ15は、営業店1から振込依頼書がファクシミリイメージで送信されたとき、そこに記入された文字を認識処理しキャラクタデータ化するための処理を行う部分である。
【0009】
修正クライアント17は、ホストコンピュータ4に送信するべき為替データを生成するために、受信したファクシミリイメージと認識処理の結果得られたキャラクタデータをディスプレイに並べて表示し、その結果を修正する作業を行うワークステーションである。検証クライアント18は、修正処理後の為替データについて、その正当性を判断し、検証を行うためのワークステーションである。通信ゲートウェイ19は、修正し、検証の終了した為替データをホストコンピュータ4に送信する処理を行う部分である。
【0010】
上記のような為替集中処理システムでは、定型フォームで振込依頼書5が作成された場合、これを自動的に文字認識処理して、振込データを生成する。しかしながら、企業で作成された私製の振込依頼書が営業店1に持ち込まれた場合、従来は係員がその内容を見ながらキーボードを用いてデータエントリするといった作業を必要とした。本発明のシステムでは、企業から私製の振り込み等の取引依頼書データを入力したフロッピーディスクの持ち込みを認め、そのフロッピーディスク中のデータから必要な取引データを抽出して係員のデータエントリ負担を軽減する。
【0011】
図1は、そのシステムを示し、企業の担当者はフロッピーディスク20に私製の取引依頼書データを入力し、更に要求されたフォームでFD振込申込書21を記入する。FD振込申込書21は、フロッピーディスク20に入力したデータのみでは不足するデータ、例えば依頼人コードや依頼人名、合計振込金額等の補充データを入力する形式となっている。フロッピーディスク20は、営業店に設けられたワークステーション22によって読み取られる。また、FD振込申込書21は、スキャナ23によってイメージ読み取り処理が行われる。このスキャナ23のことを、本発明では補充データ入力部と呼んでいる。
【0012】
ワークステーション22の記憶部には、フロッピーディスク20から読み取った私製の取引依頼書データ25を記憶する記憶領域が設けられる。また、ワークステーション22には、スキャナ23で読み取ったFD振込申込書21のイメージ中から所定の領域の文字を切り出し、その文字を認識処理する文字認識処理部26が設けられている。この文字認識処理部26は、イメージデータ中から指定された文字を認識してキャラクタデータに変換するよく知られたアプリケーションソフトウェア等により構成される。
【0013】
こうして得られた補充データ27は、例えば依頼人コードや依頼人名等を含むものとする。これもワークステーション22の記憶部に記憶される。なお、私製の取引依頼書データ25には、例えば銀行名、科目、口座番号、受取人等が、顧客の定めた自由な形式で入力されているものとする。この私製の取引依頼書データ25と補充データ27を参照することによって、所定のデータ変換処理を行い、定型フォーマットの取引データである全銀フォーマットの振込データ29を生成する。このために、データ変換処理部28が設けられている。このデータ変換処理部28は、後で説明するような要領でデータ変換処理を行うアプリケーションソフトウェア等により構成される。こうして得られた全銀フォーマットの振込データ29は、送信制御部30の制御によって、センタ3を介してホストコンピュータ4に送信される。
以上が本発明によるシステムの概略構成と動作である。
【0014】
図3には、上記FD振込申込書21の例説明図を示す。
FD振込申込書21には、この図に示すように、例えば依頼人コード、ファイル名、依頼人名、振込種別、合計件数、合計金額等のデータが手書き文字により記入される。このFD振込申込書は一定の形に定められており、形式は右上隅に記入された例えば「123」という数字によって特定される。図2に示した営業店1の文字認識装置6は、該当する場所から文字を切り出して、該当する項目のデータとして認識する。これがキャラクタデータに変換される。
【0015】
このFD振込申込書21中の依頼人コードは、依頼人を特定するための数字や記号等から構成される。ファイル名は、依頼人の持参したフロッピーディスクに書き込まれた私製の取引依頼書データのファイル名を示す。通常、企業でワードプロセッサ等を使用して作成される私製の取引依頼書データ中には、依頼人コードや、振込種別、合計件数といった項目が記入されていない場合が多い。そこで、こうしたFD振込申込書の記入を求め、最終的な振込データ生成のための補充データとしているのである。また、為替集中管理システムを採用する場合、各営業店には文字認識装置6が配備されているため、これらを有効に利用してデータ入力を行うようにしている。従って、例えば営業店に文字認識装置がない場合には、顧客に必要事項を記入した帳票を提出させ、係員がその項目について、キーボード等を用いてデータを入力するといった方法を採用してもよい。
【0016】
図4には、データ変換処理動作の説明図を示す。
上記のように、営業店のワークステーションに私製の取引依頼書データや補充データが入力された後、図1に示したデータ変換処理部28は、この図に示すような手順によって、定型フォーマットの取引データへの変換処理を行う。
図4(a)は、テキスト形式データが入力された場合の処理説明図を示す。
【0017】
図4(a)では、テキスト形式のデータ31が入力した場合の処理を説明する。テキストデータで依頼書データが入力された場合に、依頼書中には項目名の認識に必要な項目がタイトル行として必ず入力されている。この図に示すように、テキストデータを1行ずつ読み取り、その中に記入された項目名を認識すれば、どの部分にどういったデータが記入されているかを判断できる。ここではまずステップS1において、項目名を抽出し、ステップS2において、項目毎のデータ記入位置を判定する。
【0018】
例えば、図のように、1行の先頭から4文字目の部分を先頭にして「銀行名」という項目名が記入されているとする。さらに、10文字目の部分を先頭にして「科目」という項目名が記入されているとする。この場合に、各項目の下側に位置する図の一点鎖線で仕切ったような領域に、「銀行名」と「科目」に該当する項目が並んでいると判定される(ステップS2)。この判定結果に基づいて、2行目以降のデータを読み取る場合には、該当する記入位置からデータを切り分けて分離する(ステップS3)。そして、分離したデータ中から各項目に相当するデータの抽出を行う(ステップS4)。他の項目についても全く同様である。なお、顧客が、金融機関で使用する項目名とは異なる名称で項目名を記入する場合がある。例えば、銀行名という項目名を銀行の名称といった表現で文書作成をする場合がある。こうした場合のために同義語の辞書等を用意すれば、簡単に項目名の抽出が可能となる。
【0019】
(b)には、表形式のデータの処理説明図を示す。
一般に広く利用されている表計算形式のデータベースは、こうした項目データの入力に頻繁に利用される。顧客がこうしたデータを持参した場合には、テキストデータに変換して処理するようにしてもよいが、表形式のデータのまま処理するほうがデータの抽出が容易である。この場合、データのカラムを認識し、カラム中の項目名を抽出する(ステップS1)。そして、項目毎の記入列を判定する(ステップS2)。その後は、各列から順にデータを抽出すればよい(ステップS3)。
【0020】
以上のようにすれば、顧客が作成した私製の振込依頼書から自動的に必要な項目やデータの取り出しが可能になる。
なお、上記のように自動的に項目名を抽出する場合の他、例えば顧客の作成した振込依頼書をディスプレイに表示し、必要な項目をマウスを用いて指定するといった方法で、係員がマニュアル操作によって項目名を指定することも可能である。こうして、項目に該当するデータを記入した場所を判定すれば、その後は自動的にデータを取り込み処理することが可能になる。従って、この場合にも係員の負担が十分に軽減される。
なお、こうしたデータ変換処理を行った結果は、ディスプレイやプリンタによってその結果を出力し、係員あるいは顧客にその内容の確認をさせる。
【0021】
図5と図6は、こうした一連のFD振込処理の操作手順を示す。
図5の左上に示したウインドウW1は、為替業務全般を行う場合のメニュー画面である。このメニュー中で、FD伝送という項目を選択し、FD振込処理が開始される。FD伝送という項目を選択すると、次にウインドウW2が表示される。このウインドウW2は、図3に示したFD振込申込書のイメージを文字認識装置により読み取る動作を開始させるためのウインドウである。
【0022】
ウインドウ中には読み取り開始のための「読取」と表示したボタンがある。このボタンをクリックすると、FD振込申込書の文字部分のイメージと、これをキャラクタデータに変換した結果とが並べて表示される。これがウインドウW3である。依頼人コード、依頼人名等について、それぞれハッチングを付した部分に読み取ったイメージが表示され、そのすぐ下に変換処理後のキャラクタデータが表示される。係員は、この結果を見ながら、キャラクタデータ部分に必要な修正を加えてデータを完成させる。これが補充データとなる。
【0023】
処理が終了すると、ウインドウW3の完了ボタンがクリックされる。こうしてウインドウW4が表示され、「FDドライブに振込依頼書を格納したFDをセットして下さい。」といったコメントが表示される。係員は、ドライブにフロッピーディスクをセットし、読取開始ボタンをクリックする。
【0024】
図6には、このウインドウW4をクリックした後のウインドウW5と、その後のデータ変換処理の手順を示した。ウインドウW5は、データ読み取り中という表示を行っている。ここで、既に図4で説明したデータ変換処理が行われる。ステップS1では、抽出したデータの内容チェックが行われる。また、ステップS2では、定型フォーマットへ変換するための各種データの修正処理等が行われる。そして、ステップS3で目的とする定型フォーマットへのデータ変換処理が終了する。なお、データチェックを行って、何らかの異常が発見された場合には、ステップS4において、中断処理が行われる。
【0025】
なお、データ変換を終了し、そのデータをセンタ経由でホストに送信する前に、一旦内容確認のための処理を行う。その場合には、次のような明細票が出力される。
図7に、内容確認用明細票の例説明図を示す。
図1に示すデータ変換処理部28は、私製の取引依頼書データ25や補充データ27を受け入れてデータの編集をし、この図7に示すような内容確認用の明細票を出力する。これは画面に表示されあるいは印刷用紙にプリントされる。顧客や係員がその内容を確認し、データに誤りがないか、編集誤りを生じていないか等の判断を行う。こうしてデータが正確に入力されたと判断されると、このデータを利用して、ホストコンピュータに送るべき全銀フォーマットの為替データが生成され、センタに送信される。
【0026】
なお、上記の例では、振込依頼を行う企業でフロッピーディスクに私製の振込依頼書データを入力して持参した。しかしながら、記憶媒体としては、フロッピーデスク以外の一般に広く使用されている各種の媒体を使用することができる。また、電子メール等、電子化データをネットワークを通じて通信するような手段を用いて、営業店に送り込むようにしてもよい。もちろん依頼をする内容は、振込依頼の他、各種の様々な取引依頼であってよい。更に、私製の取引依頼書等は、定型フォーマットでない任意の形式のデータであってよい。また、私製の取引依頼書データが電子メール等で送信された場合、FD振込申込書もファクシミリ等によって営業店に送信されるようにして差し支えない。また、補充データを別ファイルにキャラクタデータで格納して、営業店に持ち込むようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明した本発明のシステムでは、振込依頼等を行う依頼人が自由な形式で作成した私製の取引依頼書データを利用し、その中に不足しているような補充データを別途入力するだけで、定型フォーマットの取引データを生成することができるため、係員のデータエントリ負担が軽減される。また、データエントリ作業による入力ミス等も防止でき、為替処理等各種の取引処理の処理時間を大幅に削減できる。また、為替集中管理システムでは、帳票認識処理のために利用している文字認識装置によって、FD振込申込書の認識処理等を行い、必要な補充データの入力を行うため、係員のキーエントリ操作を不要とし、いっそう係員の負担等を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による取引データ受付システムの機能ブロック図である。
【図2】為替集中処理システムのブロック図である。
【図3】FD振込申込書の例説明図である。
【図4】データ変換処理動作の説明図である。
【図5】FD振込処理の操作手順(その1)である。
【図6】FD振込処理の操作手順(その2)である。
【図7】内容確認用明細票の例説明図である。
【符号の説明】
3 センタ
4 ホストコンピュータ
20 フロッピーデスク
21 FD振込申込書
22 ワークステーション
23 スキャナ
25 私製の取引依頼書データ
26 文字認識処理部
27 補充データ
28 データ変換処理部
29 全銀フォーマットの振込データ
30 送信制御部

Claims (1)

  1. 取引依頼者が所定の項目で非定型に構成した私製の振込先用電子データを取引依頼データとして保持する記録媒体から、前記取引依頼データを取得する取引依頼データ取得部と、
    取引に必要な項目であって、前記取引依頼データに含まれていない依頼者情報を記入した定型の依頼者特定用申込書を文字認識して補完データとして取得する補充データ入力部と、
    前記取引依頼データ取得部から入力した取引依頼データから、取引に必要な項目に対応した振込先データを抽出し、該振込先データと前記補充データ入力部から入力した補完データとを合成して、定型フォーマットの取引データに変換するデータ変換処理部と、
    該データ変換処理部の出力する定型フォーマットの取引データをホストコンピューター宛に送信する送信制御部とを備えたことを特徴とする取引データ受付システム。
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