JP4068536B2 - ガラスブロックの取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスブロックの取付構造に関する。
一般に、住宅建物の外壁の一部分にガラスブロックを設けて意匠性の向上を図ることが行われている。
このガラスブロックの施工方法としては、目地に鉄筋を通すとともにモルタルを詰めてガラスブロックを固定する構造が知られているが、現場施工のためにばらつきが生じ、施工に手間がかかるとともに専門の施工技術を要することとなる。
そこで、従来より、ガラスブロックに固着した金具を介して、ガラスブロックを枠体内にビス固定するとともに、枠体も建物躯体にビス固定するようになされた乾式構造のガラスブロックの取付構造が提案されている。
特開平10−205061号公報
しかし、上記従来の乾式構造の場合、ガラスブロックに金具を固着するためにガラスブロックに対して金具を接着やビスによって固着しておかなければならない。接着の場合、充分な接着強度を得ることが難しく、ビス固定の場合、脆性材料であるガラスブロック二対してビス固定することが困難でビス固定した位置からガラスブロックが割れ易くなる。
また、ガラスブロックの破損などがあった場合でも、その度に金具を固着したガラスブロックを用意しなければならず、メインテナンス性が劣る。
本発明は、係る実情に鑑みてなされたものであって、工場でも現場でも安定した品質で容易に施工できるガラスブロックの取付構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための本発明のガラスブロックの取付構造は、ガラスブロックが枠体を介して外壁パネルに設けられた開口部に取り付けられてなるガラスブロックの取付構造であって、枠体は、矩形筒状に形成された本体の一端内周部に内周フランジ部が形成されるとともに、他端外周部に外周フランジ部が形成され、内周フランジ部に対向する本体内周面には、他端側から一端側の方向には弾性変形するが一端側から他端側の方向には戻り止めが働くガラスブロック取付金具が設けられ、外周フランジ部に対向する本体外周面には、一端側から他端側の方向には弾性変形するが他端側から一端側の方向には戻り止めが働く枠体取付金具が設けられ、ガラスブロック取付金具は、枠体内の他端側から一端側の方向に挿入されたガラスブロックに対して弾性変形してガラスブロックの外周面に形成された凹部に嵌まり込み、内周フランジ部との間でガラスブロックの外周縁のリブを係止固定するとともに、枠体取付金具は、外壁パネルの開口部に対して、枠体の一端側から他端側の方向に枠体が挿入される際に弾性変形して外壁パネルの開口部の反対側に通過するとともに、外周フランジ部との間で外壁パネルの開口部の周縁部を係止固定するようになされたものである。
また、上記ガラスブロックの取付構造において、枠体の本体外周面に切欠部が形成され、この切欠部には、切欠部に係止して外壁パネルの開口部の内周縁部に当接固定するようになされた位置決め金具が固定されてなるものである。
以上述べたように、本発明によれば、ガラスブロックは、枠体の他端側から一端側の方向に挿入するだけで係止固定することができ、このガラスブロックを係止固定した枠体は、外壁パネルの開口部に対して、枠体の一端側から他端側の方向に枠体を挿入するだけで係止固定することができるので、工場でも現場でも容易に施工することができる。
また、枠体に対してガラスブロック取付金具および枠体取付金具さえしっかりと固定していれば、あとはこれらガラスブロック取付金具および枠体取付金具の弾性変形と戻り止めによって係止固定するだけなので、施工のばらつきもなく安定した品質で施工することができる。
また、枠体取付金具による位置決めが不足するような場合や外部からの衝撃で枠体がずれたような場合には、位置決め金具を用いることによって補強し、修正することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1はガラスブロックの取付構造の全体構成の概略を示し、図2および図3は同断面図を示している。
このガラスブロック1の取付構造は、ガラスブロック1が枠体2を介して外壁パネル3の開口部30に取り付けられた取付構造であって、枠体2の内周面に設けたガラスブロック取付金具4を介して枠体2にガラスブロック1が係止固定されるとともに、枠体2の外周面に設けた枠体取付金具5を介して枠体2が外壁パネル3の開口部30に係止固定するようになされている。
ガラスブロック1は、約190mm角の正方形状で厚み約95mmに形成されている。ガラスブロック1の厚み部分に相当する外周面は、両端よりも中央部が窪んで凹部11が形成され、両端部はリブ12が周設されている。凹部11には、厚さ約2mmの発泡ポリエチレンシート10が貼設され、断熱効果を高めるようになされている。
枠体2は、その本体20部分が、内部にガラスブロック1が遊嵌状態で挿入可能な約200mm角の矩形筒状に形成されている。この本体20の一端部には、内方向に約15mmの幅で延設された内周フランジ部21が形成されている。また、本体20の他端部には、外方向に約35mmの幅で延設された外周フランジ部22が形成されている。さらに、枠体2は、本体20の中間部分で一端部側と他端部側とに分断されており、この分断された部分をつなぐように樹脂製の断熱層23が設けられている。この断熱層23により、枠体2は、熱橋を形成せず断熱性能に優れた枠体2を構成するようになされている。また、枠体2は、本体20の内周面に、厚さ約2mmの発泡ポリエチレンシート10が貼設され、断熱効果をさらに高めるようになされている。
外壁パネル3は、パネル本体31の裏面に枠組みされた枠体32が貼設されて形成されている。この外壁パネル3のガラスブロック1を取り付ける位置には、枠体2が遊嵌状態で挿入可能な約230mm各の開口部30が形成されている。この開口部30のパネル本体31の裏面は、開口部30を取り巻くように枠体32が設けられて開口部30を補強するようになされている。
ガラスブロック取付金具4は、バネ鋼板を折り曲げて形成されており、本体20の内周面に固定するための固定基板部41と、この固定基板部41から鋭角に折り返されてガラスブロック1の凹部11に嵌まり込む付勢部42と、付勢部42がガラスブロック1の凹部11に嵌まり込んだ状態で、ガラスブロック1のリブ12を支持する支持部43とを形成するようになされている。このガラスブロック取付金具4は、内周フランジ部21と対向する枠体2の本体20の内周面において、上下左右の各位置にビス40で固定される。この固定状態で、ガラスブロック取付金具4は、枠体2の外周フランジ部22側(他端部側)から内周フランジ部21側(一端部側)の方向に挿入されるガラスブロック1に対して付勢部42が弾性変形してガラスブロック1のリブ12を乗り越えて凹部11に嵌まり込む。この状態でガラスブロック1のリブ12は、支持部43に支持された状態で、付勢部42と内周フランジ部21との間で挟持固定されることとなり、ガラスブロック1を内周フランジ部21側から外周フランジ部22側へと引き抜こうとしても付勢部42の先端がリブ12に引っ掛かって戻り止めとして働くので枠体2の本体20内にガラスブロック1を固定できることとなる。なお、この枠体2の本体20内にガラスブロック1を固定する際、ガラスブロック1と内周フランジ部21との間の当接面には、シール材24が設けられる。また、ガラスブロック取付金具4によって固定しない側のガラスブロック1のリブ12の部分には、裏込め材25を設けてさらにその外側にシール剤26を設けて仕上げられる。
枠体取付金具5は、バネ鋼板を折り曲げて形成されており、本体20の外周面に固定するための固定基板部51と、この固定基板部51から鋭角に折り返されて外壁パネル3の開口部30を貫通する付勢部52と、付勢部52が外壁パネル3の開口部30を貫通した状態で、開口部30の内周縁に係止される係止部53とを形成するようになされている。この枠体取付金具5は、外周フランジ部22と対向する枠体2の本体20の外周面において、左右各面の下側の位置と、上面中央の位置との合計3箇所にビス50で固定される。枠体2の本体20の下面の位置には、枠体取付金具5の代わりにセッティングブロック27が設けられる。この枠体取付金具5は、枠体2の本体20の外周面にビス50で固定された状態で、外壁パネル3の開口部30に対して、枠体2の内周フランジ部22側(他端部側)から外周フランジ部21側(一端部側)の方向に枠体2が挿入される際に、付勢部52が弾性変形して外壁パネル3の開口部30の反対側に通過するとともに、係止部53が開口部30の内周縁に係止される。この状態で枠体2は、外周フランジ部22と係止部53とで外壁パネルの開口部30を挟持固定することとなり、枠体2を開口部30から引き抜こうしても付勢部52が開口部30の内周縁に引っ掛かって戻り止めとして働くので枠体2を外壁パネル3の開口部30に固定できることとなる。なお、この枠体2を外壁パネル3の開口部30に固定する際、外壁パネル3と外周フランジ部22との間には、裏込め材25を設けてさらにその外側にシール剤26を設けて仕上げれらる。また、枠体2の内装側は、内周フランジ部21から延設された化粧材の取付部28に化粧カバー6を設けて仕上げられる。なお、図2において矢符Aは、このガラスブロック1と枠体2の本体20との間に結露水が生じた場合の水抜き通路である。
このようにして構成されるガラスブロック1の取付構造によると、ガラスブロック取付金具4と枠体取付金具5とを、それぞれ枠体2の本体20に設けただけで、後は枠体2内にガラスブロック1を嵌め込み、枠体2を外壁パネル3の開口部30に嵌め込むといった簡単な作業だけで取付作業を行うことができる。
したがって、施工に専門技術を要しないため、工場で取付作業を行って出荷することができる。もちろん現場においても、誰でも簡単に施工することができる。
また、ガラスブロック1と枠体2の本体20との間には、モルタルが充填されることも無く、空隙が確保されており、しかも発泡ポリエチレンシート10により断熱が図られるとともに、枠体2に設けた断熱層23によっても枠体2が熱橋を形成しないようになされているので、断熱効果を落とすことなくガラスブロック1の施工ができる。
さらに、ガラスブロック1や枠体2は、ガラスブロック取付金具4と枠体取付金具5に働く付勢力によって位置が自動的に調整されるので、施工誤差や施工毎のばらつきも無く、安定した施工品質が得られることとなる。
仮に、工場でガラスブロック1の取付作業を行った外壁パネル3を運搬中にズレなどを生じてしまったような場合でも、図4に示すように、枠体取付金具5と併用して位置決め金具7を用いてもよい。
この位置決め金具7は、平板状の金具の両端部が相反する方向に直角に屈曲されて形成されており、その一端は、枠体2の本体20の外周面に形成された切欠部29に係止可能な係止部71を形成するようになされており、他端は、外壁パネル3の開口部30の裏面側に位置する枠体32に当接する当接部72を形成するようになされている。この位置決め金具7は、係止部71を前記切欠部29に係止させた状態で当接部72を前記枠体32に当接してビス73で固定することによって取り付けられ、枠体取付金具5による固定を補助修正することができるようになされている。
住宅建物にガラスブロックを施工する場合に適用できる。
本発明に係るガラスブロック取付構造の全体構成の概略を示す正面図である。 図1におけるI-I 線断面図である。 図1におけるII-II 線断面図である。 本発明に係るガラスブロック取付構造の他の実施の形態を示す部分斜視図である。
符号の説明
1 ガラスブロック
11 凹部
12 リブ
2 枠体
20 本体
21 内周フランジ部
22 外周フランジ部
3 外壁パネル
30 開口部
4 ガラスブロック取付金具
5 枠体取付金具
7 位置決め金具

Claims (2)

  1. ガラスブロックが枠体を介して外壁パネルに設けられた開口部に取り付けられてなるガラスブロックの取付構造であって、
    枠体は、矩形筒状に形成された本体の一端内周部に内周フランジ部が形成されるとともに、他端外周部に外周フランジ部が形成され、
    内周フランジ部に対向する本体内周面には、他端側から一端側の方向には弾性変形するが一端側から他端側の方向には戻り止めが働くガラスブロック取付金具が設けられ、
    外周フランジ部に対向する本体外周面には、一端側から他端側の方向には弾性変形するが他端側から一端側の方向には戻り止めが働く枠体取付金具が設けられ、
    ガラスブロック取付金具は、枠体内の他端側から一端側の方向に挿入されたガラスブロックに対して弾性変形してガラスブロックの外周面に形成された凹部に嵌まり込み、内周フランジ部との間でガラスブロックの外周縁のリブを係止固定するとともに、
    枠体取付金具は、外壁パネルの開口部に対して、枠体の一端側から他端側の方向に枠体が挿入される際に弾性変形して外壁パネルの開口部の反対側に通過するとともに、外周フランジ部との間で外壁パネルの開口部の周縁部を係止固定するようになされたことを特徴とするガラスブロックの取付構造。
  2. 枠体の本体外周面に切欠部が形成され、この切欠部には、切欠部に係止して外壁パネルの開口部の内周縁部に当接固定するようになされた位置決め金具が固定されてなる請求項1記載のガラスブロックの取付構造
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