JP4068283B2 - レーザプラズマx線発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却して液体化または固体化した希ガスまたは化学的に不活性で室温ではガス状のクライオ(低温)材をクライオターゲットとしこのクライオターゲットに高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレーザ光を集光照射して生じた高温高密度プラズマからパルスX線を発生するレーザプラズマX線発生装置に関し、特に、高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレーザ光の照射でも連続して安定した高い平均出力のパルスX線を発生することができるレーザプラズマX線発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高い尖頭パワーを有するパルスレーザ光を直径100μm以下の点に集光して、これを固体ターゲットに照射することにより高温高密度のレーザプラズマが生成され、このレーザプラズマから高い輝度のパルスX線がレーザプラズマX線として放射されることは1970年代から知られている。そして、レーザ光のパルスエネルギーが向上すると共にその物理的特性の調査が開始された。
【0003】
レーザプラズマX線の応用については、1974年、早くも医療応用として、米国特許明細書「P.J.Mallozzi etal;U.S.Patent4,058,486号(Nov.15,1977)」、および文献「Journal of Applied Physics Vol.45,pp.1891(1974)」に開示または提案されている。また、1978年にはD.J.NagelのグループがX線リソグラフィー用光源への応用が可能であることを米国特許明細書「D.J.Nagel etal;U.S.Patent 4,184,078号(Jan.1980)」に開示している。その後、レーザ核融合研究の一部としてレーザプラズマX線は精力的に研究され、X線のスペクトル強度に対するレーザ波長、強度依存性またはターゲット元素依存性などが明らかにされた。特に、入射レーザのエネルギーからX線エネルギーへの全変換効率は数パーセントから10パーセントと極めて大きいことが判明し、数100Hzの高い繰り返し回数が可能でかつ高エネルギーのパルスYAGレーザの実現など、レーザ技術の進展に伴い高い繰り返しによる高平均出力を有するレーザプラズマX線の実用化に対する開発が行われた。
【0004】
入射レーザが集光してプラズマを発生するターゲットとしては、米国特許明細書「J.M.Forsyth etal;U.S.Patent 4,700,371号(Oct.13,1987)」に開示される円筒回転ドラムターゲットまたはテープターゲットがある。しかし、これらのターゲットはいずれも銅Cu、アルミニウムAl、金Auなどの金属を主体とする固体材料であるため,レーザ加熱によって蒸発した集光点近傍の材料が周囲のチャンバー壁内面や放射されるレーザプラズマX線を集める高価なX線鏡の表面に堆積し、かつ飛散した微粒子がX線鏡の表面に損傷を与えるなどの問題がある。そのため短時間運転の研究用光源としてのみ使用されている。すなわち、X線鏡の表面に堆積付着したターゲット材の固体材料はX線を強く吸収するため、鏡の反射率が減少し、使用できるX線の実効強度が時間と共に低下するためである。従って、定期的に高価なX線鏡を交換する必要がある。
【0005】
また,ターゲットとして使用される回転ドラムまたはテープはそれ自体にレーザ光が繰り返し集光照射されるため、これらのターゲットはいずれも蒸発磨耗することにより寿命が短く、頻繁に交換する必要がある。
【0006】
従来、この種のレーザプラズマX線発生装置では、上述した問題を解決する方法として,化学的に不活性で室温ではガス状態の物質、例えば希ガスを冷却して液体化または固体化したクライオ材をクライオターゲット層に形成して用いている。
【0007】
例えば、図9に示されるような、冷却して液体化または固体化したクライオ材によるクライオターゲットを連続供給する装置が、特開平1-6349号公報( 特許番号第2614457号)に開示されている。この装置により、漸く長時間運転の実用に耐えうるレーザプラズマX線発生装置の目処がついた。
【0008】
すなわち、図9に示されるように、真空チャンバー1110内部には連続移動する回転無端ベルト1122を有するベルトコンベア1121が備えられ、液体化または固体化したクライオ材が供給路1131から回転無端ベルト1122の表面上に連続的に供給されて付着しクライオターゲット層1132を形成する。
【0009】
一方、パルスレーザ光1141は、入射口1142から真空チャンバー1110内に入射し、移動する回転無端ベルト1122表面上に付着したクライオターゲット層1132に集光照射点1143を形成する。従って、集光照射点1143においてクライオターゲット層1132のクライオ材がプラズマ化してパルスX線1145を放射し、パルスX線1145はX線射出口1144を介して外部に取り出される。
【0010】
この集光照射点1143でプラズマ化して穴をあけたクライオターゲット層1132には移動する回転無端ベルト1122の表面上にクライオ材の供給路1131からクライオ材が連続して供給され、クライオターゲット層1132が復旧する。
【0011】
また、上述とは別のレーザプラズマX線発生装置では、例えば、図10に示されるような装置が特開平9−306693号公報に開示されている。
【0012】
すなわち、真空チャンバー1210の内部には、液体ヘリウムなどの冷却媒体1211により冷却されたターゲット1232が備えられる一方、希ガスまたは水などによるプラズマ発生用ガス1231が導入される。従って、冷却されたターゲット1211の表面にプラズマ発生用ガス1231が吸着され固体または液体のガス吸着層1232が形成される。一方、レーザ光1241は、レーザ光導入窓1242を介してガス吸着層1232上に集光照射され、ガス吸着層1232はガスプラズマ1243を形成してX線を発生する。この際、ターゲット1211上におけるレーザ光1241の集光照射点は固定されているうえ、ターゲット1211は移動しないので、レーザ光11241はターゲット1211の同一点を集光照射し続ける。
【0013】
この公開公報では、ガスプラズマ1243の発生によりガス吸着層1232の表面には穴が生じるが、ターゲット1211が冷却されているため、プラズマ発生用ガス1231がこの穴に吸着されるので、ガス吸着層1232は常に平面性が保持され、ターゲット1211には傷は付かない。また、液状のガス吸着層1232により埋められ平面性を保持することができると記載されている。更に、上述したレーザプラズマX線発生装置は、真空チャンバー内のレーザ集光照射点から噴出したクライオ材またはプラズマ発生用ガスのガス分子は化学的に不活性であり、また微粒子などのクラスターも極めて不安定なため、室温に保たれた真空チャンバー内における内壁面またはX線鏡などのX線光学素子の表面に堆積することがないと記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述した回転無端ベルトを用いてクライオターゲット層をレーザ集光点に運搬するレーザプラズマX線発生装置では、次のような問題点がある。
【0015】
第1の問題点は、回転無端ベルトは、極低温の回転体と接する際のみに冷却されるが、極低温において屈曲と延伸との作用を受けるため、回転無端ベルトの寿命が短縮されることであり、更に、供給されるクライオ材の付着面の温度を安定した低温に保持することが困難なことである。
【0016】
第2の問題点は、クライオ材の供給路から供給を受けて回転無端ベルトに付着形成されるクライオターゲット層では表面に沿っての厚さにおいて均一性が得難いので、クライオターゲット層の表面の法線方向に対するレーザ光の集光照射点の持つ相対位置が面の場所により所定の位置から外れることがあり、発生するX線の強度が安定しないことである。
【0017】
第3の問題点は、クライオ材供給路から供給されるクライオ材が回転無端ベルトに付着する効率が悪く密度の比較的高いクライオ材ガスがレーザ集光点近傍にも存在することになるので、発生したX線がクライオ材ガス自身に再吸収され、X線の発生効率を低減させることである。
【0018】
また、冷却媒体により冷却されたターゲットにプラズマ発生用ガスを吸着させてガス吸着層を形成するレーザプラズマX線発生装置にも次の問題点がある。
【0019】
すなわち、第4の問題点として、上記第3の問題点と同様、真空チャンバー内のプラズマ発生用ガスが冷却されたターゲット近辺で、特にレーザ光の集光照射点近傍に存在することになるので、発生したX線がプラズマ発生用ガス自身に再吸収され、X線の発生効率を低減させることである。
【0020】
また、第5の問題点として、レーザ光により発生した穴にプラズマ発生用ガスが吸着されることによりまたは周囲の液状吸着ガスの流入により、平面性を修復することができるが、修復には有限の時間がかかるため、レーザ光のパルス間隔が10msec以下、すなわちパルス繰り返し周波数100Hz以上では穴が成長し、ターゲットの損傷を避けることができないことである。従って、高平均出力動作に対して使用することができないということである。
【0021】
一方、修復速度を短縮するためには真空チャンバー内部のプラズマ発生用ガスの圧力(密度)を増加させればよいが、上記第4の問題点のみならず、入射レーザ光自身がレーザ光の集光照射点に到達する前に真空チャンバー内部のプラズマ発生用ガスに吸収されてガス放電を引き起こすため、レーザ光の集光照射点にガスプラズマを発生することができなくなる。
【0022】
更に、第6の問題点として、上記二つのレーザプラズマX線発生装置に共通した問題は、クライオターゲット層またはガス吸着層のレーザ光の集光照射点からプラズマ発生によって気化されたクライオ材ガスの量が高繰り返しパルスの動作では無視できない量となり、大きな排気量を有する真空ポンプを用いない限り上記第4の問題を引き起こすことになる。
【0023】
本発明の課題は、このような問題点を解決し、レーザ光の集光照射によりプラズマを発生するクライオターゲット層に覆われる回転無端ベルト、またはガス吸着層に覆われるターゲットの交換を不要とし、かつ高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレーザ光の照射でも連続して安定した高い平均出力のパルスX線を発生することができるレーザプラズマX線発生装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明によるレーザプラズマX線発生装置は、冷却して液体化および固体化の少なくとも一方となった化学的に不活性で室温ではガス状のクライオ材をクライオターゲットとしこのクライオターゲットに高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレーザ光を集光照射して生じたプラズマからパルスX線を発生するレーザプラズマX線発生装置において、回転軸を有しかつ前記クライオターゲットの表面として熱伝導率のよい円筒形側面および前記回転軸に垂直面を成す一つの底面の少なくとも一方を有する回転体と、前記回転軸を駆動して前記回転体を回転させる回転駆動機構と、前記回転体の前記表面にクライオターゲット層を形成するために前記クライオ材を供給するターゲット供給機構と、前記回転体の少なくとも前記表面を、供給された前記クライオ材が所定の厚さの前記クライオターゲット層に形成可能な極低温にするため、前記回転体の内部、外部、または内部外部の両面から冷却する冷却手段と、所定の間隔を有する間隙をもって前記回転体を囲み当該間隙に前記クライオ材の注入を受けて閉じ込める固定壁と、を備え、前記所定の間隔は、前記回転体の周囲温度を含む環境条件を設定して、回転する前記回転体の円筒形表面に付着した前記クライオ材をほぼ均一の厚さに形成するように設定されている。
【0025】
このように、回転体を回転させることによって再生されたクライオターゲット層をパルスレーザ光の集光照射点へ連続的に供給することができる。従って、熱伝導率のよい回転体を極低温に冷却して回転体表面にクライオターゲット層を形成する際、回転体の回転速度、回転体表面の温度、回転体表面に供給するクライオ材の供給量などの設定によりクライオターゲット層の厚さを適切に設定できる。また、回転体の回転によりパルスレーザの集光照射点位置を逐次移動できるので、パルスレーザの集光点に生じるプラズマによる回転体の損傷を防止することができる。
【0026】
また、更に、前記回転軸と前記クライオターゲットの表面でパルスレーザ光を集光照射する点との両者を面内に含む平面と前記集光照射する点で前記回転体の表面に接する接平面との交叉によって交叉個所の軌跡に形成される直線に平行な方向に前記回転軸を前記回転体と共に往復移動させる軸駆動機構を備えることにより、新に形成されたクライオターゲット層を集光照射点に常に供給できると共に集光照射点に生じるプラズマによる回転体の損傷をより効果的に防止できる。
【0027】
一方、更に、間隙をもって前記回転体を囲み前記間隙に前記クライオ材の注入を受けて閉じ込める固定壁を備えることにより、前記回転体の周囲温度を含む環境条件を設定して、回転する前記回転体の円筒形表面に付着した前記クライオ材を前記クライオターゲット層としてほぼ均一の厚さに形成している。従って、回転体の表面に液体化状態または固体化状態のクライオターゲット層を安定に形成することができると共にパルスレーザの集光照射点にプラズマを常に同様な安定した条件で発生することができる。
【0028】
また、上述の冷却手段が回転体の表面温度をクライオ材の液化点以下に維持する一方、固定壁の温度を最低でクライオ材の液化点に維持する保温構造を有することにより、より安定したクライオターゲット層を形成することができる。
【0029】
また、固定壁は入射するパルスレーザ光が集光するクライオターゲット層の集光照射点近傍では発生するパルスX線を外部へ放射する開口部を有し、かつこの開口部は集光照射点の近傍周囲で固定壁内部から気化したクライオ材の流出を妨げるように開口部からクライオターゲット層の表面に接する縁に至る範囲に形成された仕切壁を備えることにより、クライオ材ガスが集光照射点の近傍に拡散することを防ぐので、放射されたX線がクライオ材ガスに再吸収されることがない。
【0030】
また、上述の固定壁に連結して前記回転体の回転軸に対し垂直方向に移動し、その移動により前記回転体の表面との間隙を、前記回転体の表面に形成される前記クライオターゲット層の厚さ分に調整・保持するように、調整可能な層厚調整壁を備えることにより、クライオターゲット層を更に安定した厚さに形成することができ、従って、パルスレーザ光の焦点に対する前記クライオターゲット層表面の相対位置を正確にかつ安定して保持することができる。
【0031】
更に、X線を放射する希ガスなどの原子番号10以上の重元素によるクライオ材に原子番号10未満の軽元素を混合してクライオターゲット層を形成することにより、クライオターゲット層を形成するクライオ材が気化してもX線を主に吸収する重元素の量を減らすことになる。一方、軽元素によるX線の吸収は相対的に小さい。従って、プラズマの発生によって気化したクライオ材ガス自身が、真空排気が不十分なためにX線の放射経路に残留してX線を減衰させることを防止することができる。
【0032】
この場合、軽元素を混合しても、プラズマの温度が重元素のみの場合より高温になるため、結果として重元素からのX線量は減少せず、X線量は適切な混合比では重元素のみの場合よりもむしろ増加する。
【0033】
また、重元素により構成される材料成分のモル混合比は軽元素により構成される材料成分の数パーセントから50パーセントが好ましく、各材料成分の供給量、周囲温度を含む環境条件の設定に基づいてモル混合比の値を調整してクライオターゲット層が形成されている。
【0034】
また、上述した冷却手段の具体的な構成の一つは、中空構造を有する前記回転体を冷却槽として前記回転軸を同軸とする導入管および排気管を備え、前記冷却槽は、前記回転体を内部から冷却するため、前記導入管を介して注入される低温液化ガスを極低温流体として貯蓄し、前記排気管が前記冷却槽で気化した低温液化ガスを排気している。また、この種の冷却手段は、前記導入管に前記冷却槽内の先端にノズルを有し、前記導入管を介して注入される液体の低温液化ガスが極低温流体として前記冷却槽内の前記ノズルから放出される際に気化・断熱膨張して発生する極低温ガス流により冷却槽である前記回転体の内壁を冷却する一方、前記排気管が気化した低温液化ガスを排気することが望ましい。更に、冷却手段は、前記回転体を外部から冷却する場合、前記回転体回転軸の軸方向である重力方向の底部側半分以上の表面範囲を密閉格納する冷却槽極低温流体の導入管および排気管を備え、前記冷却槽は前記導入管を介して注入される低温液化ガスを極低温流体として貯蓄し、前記排気管が前記冷却槽で気化した低温液化ガスを排気することでもよい。
【0035】
また、前記クライオターゲットを前記回転軸に垂直面を成す一つの底面とした際には、前記回転体が円盤形状を有しても同様な効果を得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は本発明の実施の一形態を示す説明用の縦断面概要図である。
【0038】
図1のレーザプラズマX線発生装置では、真空チャンバー10、円筒形の回転体11、回転体11の回転軸12,13およびこの回転軸受け14,15、回転体11の回転および移動を駆動する回転駆動機構16および軸方向駆動機構17、回転体11の冷却手段として極低温流体21、導入管22および排気管23、ターゲット供給機構30としてターゲット材であるクライオ材31、回収槽32、供給路33、クライオターゲット層34、および排気装置35、並びに、レーザプラズマX線を発生する手段としてパルスレーザ光41、レーザ集光機構42、レーザ入射口43、集光照射点44、パルスX線45、X線鏡46、およびX線出射口47が示されている。
【0039】
真空チャンバー10の内部に円筒形表面を有し中空で冷却槽となる熱導電率のよい回転体11が水平面に垂直な回転軸12,13を有し、回転軸12,13は真空チャンバー10に設けられた回転軸受け14,15により支持されている。回転軸12,13は熱伝導係数の小さい材質が好ましく、また回転軸受け14,15は磁気軸受けが望ましいが、それらに限定されることはない。
【0040】
上部の回転軸12は、回転軸受け14の先端部分である真空チャンバー10の外部に、回転体11を回転させるモータおよび駆動歯車を含む回転駆動機構16、並びに回転体11を回転軸方向に往復移動させるモータおよび駆動歯車を含む軸方向駆動機構17それぞれにより駆動されている。
【0041】
また、回転軸12は、液体窒素、液体アルゴンまたは液体ヘリウムなどの低温液化ガスを極低温流体21として回転体11の中空内部に外部から導入する導入管22を中心軸位置に、かつ極低温流体21の気化ガスを排出回収する排気管23を導入管22の周囲に同軸状にそれぞれ備えている。従って、極低温流体21は、導入管22により導入されて回転体11内部の中空内部に液体として蓄積され、回転体11の熱伝導を利用して回転体11の円筒形表面をクライオターゲットとなるクライオ材31の液化温度以下に冷却する。極低温流体21の気化ガスは排気管23により排出される。
【0042】
一方、クライオ材31はレーザプラズマを発生させるレーザ光の集光照射対象であるターゲットの材料である。クライオ材31は液体化されて回収槽32に外部から補給されると共に内部に貯蔵され、供給路33により冷却された回転体11の表面に供給されて液体化または固体化の状態でクライオターゲット層34を形成する。クライオターゲット層34が10μm〜ほぼ500μmの厚さに形成されるように、回転体11の回転速度、円筒形表面の温度、円筒形表面に供給するクライオ材31の供給量などの環境条件が設定される。
【0043】
また、クライオターゲット層34がプラズマ化された際にガス状となったクライオ材31は、排気装置35により真空チャンバー10の外へ排出回収され、クライオ材31の回収槽32へ送られ、冷却により再液体化または再固体化されて引き続き真空チャンバー10内の回転体11の表面に供給路33を介して再度供給される。更に、排気装置35は、真空チャンバー10の内部を133×10−3Pa以下の圧力に保持するように稼動している。
【0044】
他方、パルスレーザ光41はレーザ集光機構42を介して真空チャンバー10のレーザ入射口43から照射されクライオターゲット層34の集光照射点44に到達する。次いで、集光照射点44で発生したプラズマから生じたパルスX線45がX線鏡46によりX線出射口47から射出される。
【0045】
このように、回転体11を回転させることによってクライオターゲット層34をパルスレーザ光41の集光照射点44へ連続的に供給することができ、更に回転軸12、13を回転体11と共に回転軸と同一方向に往復移動させることにより、回転体11の円筒形表面の軸方向に対する往復移動の範囲において新に形成されたクライオターゲット層34を集光照射点44に常に供給できることになる。従って、熱伝導率のよい回転体11を極低温に冷却して円筒形表面にクライオターゲット層34を形成する際、回転体11の回転速度、円筒形表面の温度、円筒形表面に供給するクライオ材31の供給量などの設定によりクライオターゲット層34の厚さを適切に形成することができる。また、回転体11の回転および軸方向の往復移動によりパルスレーザ光41の集光照射点44の位置を逐次移動できるので、パルスレーザ光41の集光照射点44の位置に生じるプラズマによる回転体11の損傷を防止することができる。
【0046】
次に、図2および図3に図1を併せ参照して、クライオターゲット層34を均一の厚さに安定して形成できる実施の一形態について説明する。
【0047】
図2が図1と相違する点は、固定壁51が設けられたことである。
【0048】
固定壁51は、間隙をもって円筒形の回転体11を囲み、この間隙にクライオ材31の注入を受けて閉じ込めるものであり、効率のよい円筒形状を有している。また、表面温度をガス液化点以下に冷却された回転体11の表面上に液体化状態または固体化状態の厚さ10μm〜500μmのクライオターゲット層34を形成するため、固定壁51は、クライオ材31の液化点とほぼ同じかまたはそれより高い温度に保つ必要がある。従って、固定壁51は室温である外気に触れている真空チャンバー10に結合する構造を有しており、必要であればこのような温度を保持するため保温構造として保温器52が設けられる。上記説明では固定壁を円筒形としたが、円筒形に限定されるものではない。
【0049】
回転体11の円筒形表面がクライオ材31を充分に液体化または固体化する温度に冷却された後、クライオ材31のガスは、供給路36により固定壁51に開けられた供給口から固定壁51と回転体11の表面との間の空間に導入供給され、冷却された回転体11の表面にクライオターゲット層34を10μmから約500μmの厚さで形成する。この際、固定壁51内部におけるクライオ材31のガスの圧力は、例えば、133×10−3Pa〜133×10+2Paの範囲に保ちつつ、クライオ材31の供給路36の途中に配置されたバルブと回転体11の表面温度との調整により付着速度を選択する。回転体11の表面に供給するクライオ材31はガスであると説明したが液体化されていてもよい。
【0050】
更に、図2において複数のターゲット供給機構を設け、ターゲット供給機構それぞれから温度、バルブなどを調整して異なる種類の元素の混合比を調整したクライオ材を回転体に供給しクライオターゲット層を形成することができる。すなわち、X線を放射する希ガスなどの原子番号10以上の重元素、例えばアルゴンAr、クリプトンKr、キセノンXeなどによるクライオ材に原子番号10未満の軽元素による、例えば水H2O、炭酸ガスCO2などを混合してクライオターゲット層を形成することができる。勿論、クライオターゲット層に用いる元素は例示した上記元素に限定されるものではない。
【0051】
この構成により、クライオターゲット層を形成するクライオ材が気化してもX線を主に吸収する重元素の量を減らすことになる。一方、軽元素によるX線の吸収は相対的に小さい。従って、プラズマの発生によって気化したクライオ材ガス自身が、真空排気が不十分なためにX線の放射経路に残留してX線を減衰させることを防止することができる。
【0052】
この場合、軽元素を混合しても、クライオターゲット層に用いられる軽元素から発生するX線の放射量は極めて少量で、その分がプラズマの加熱に有効に使われる。従って、プラズマの温度が重元素のみの場合より高温になるため、結果として重元素からのX線量は減少せず、X線量は適切な混合比では重元素のみの場合よりもむしろ増加する。
【0053】
また、重元素により構成される材料成分のモル混合比は軽元素により構成される材料成分の数パーセントから50パーセントが好ましく、各材料成分の供給量、周囲温度を含む環境条件の設定に基づいてモル混合比の値を調整してクライオターゲット層が形成されている。
【0054】
また、図3に示されるように、パルスレーザ光41の集光照射点44近傍では、パルスレーザ光41が固定壁51に干渉されずに集光照射点44に到達し、かつ発生するパルスX線45が固定壁51に妨げられることなく外部に放射されるように、固定壁51は、集光照射点44を中心として0.5cmから5cm以下の半径を有する開口部53を備え、更に、回転体11の表面と固定壁51との間に閉じ込めたクライオ材31のガスが開口部53から流出しないようにクライオターゲット層34の表面に接する縁を持った仕切壁54を設けている。
【0055】
クライオターゲット層34へ入射されるパルスレーザ光41の光源は、高い尖頭パワーと高い繰り返し型のパルスレーザ光源であり、一実施例においては、レーザ波長1μm、パルスエネルギー0.7J〜1.0J、 パルス幅15nsec 、および繰り返し周波数300Hz〜3000Hzのパルスレーザ光を放射している。パルスレーザ光41はクライオターゲット層34の表面に集光照射点44として約100μmの集光径で集光照射される。この場合、クライオターゲット層34の表面上でのレーザ強度は約1012W/cmとなる。
【0056】
この光強度ではプラズマ化したクライオ材からX線が放射され、入射レーザエネルギーから放射X線エネルギーへの変換効率は波長11nmのX線を強く放射するキセノンクライオターゲットの場合、A.Shimoura、S.Amano、S.Miyamoto、および T.Mochizukiによる報告書「Applied Physics Letters Vol.72,pp.164(1998)」に示されるように、約1%/nm/ステラジアンであることが実験的に見い出されている。従って、1nmの波長幅と3ステラジアンの立体角で放射X線をX線鏡46によってビームとして取り出せばX線平均出力として9W〜90Wの出力が得られる。
【0057】
パルスレーザを繰り返し周波数300Hz〜3000Hzで動作させ、安定なパルスX線45を得るには1パルス毎に新しいクライオターゲット層34の面を照射する必要がある。
【0058】
そのため、クライオターゲット層34の面上での集光照射点から次の集光照射点までの距離を500μmにすると、半径R(cm)を有する回転体11の回転速度として毎分の回転数が「150/R」回〜「1500/R」回となる。この半径Rを7.5cmとすると毎分の回転数は20回〜200回であればよい。
【0059】
パルスレーザ光41の集光照射により集光照射点44を中心にクライオターゲットのクライオ材31が気化した後にはクライオターゲット層34にクレーター状の痕跡が発生する。この痕跡に再度、または繰り返してレーザ光を集光照射する場合にはプラズマの生成が不安定になったり、極端な場合、クライオターゲット層34の底までクレーターの穴が貫通し、回転体11の表面を直接、加熱して蒸発させてしまう。
【0060】
従って、回転体11を回転軸12,13により回転させるだけでなく回転の軸方向へ往復移動させることによってクライオターゲット層34の表面の同じ場所を短時間内に重複してパルスレーザ光41が照射しないようにしている。クレーター状の痕跡には回転中に固定壁51の内側間隙に存在するクライオ材のガスが直ちに付着して修復される。
【0061】
次に、図4に図2を併せ参照して層厚調整壁55について説明する。
【0062】
層厚調整壁55は、固定壁51に連結し回転体11の回転軸に対し垂直方向に移動可能で、回転体11の円筒形表面との間隙をクライオターゲット層34の厚さ分に調整することにより、クライオターゲット層34を更に安定した厚さに形成できる。すなわち、供給路36から回転体11の表面に供給されたクライオ材31は、厚めの厚さを回転体表面に沿ってほぼ均一に有するクライオターゲット層34Aを形成する。このクライオターゲット層34Aは、回転によって移動する際に層厚調整壁55のエッジにより表面を削り取られて所定の厚さを有するクライオターゲット層34Bが得られるように制御される。
【0063】
また、回転体11の回転軸12方向に対する層厚調整壁55の長さは、回転体11の長さまであればよいが、回転体11の軸方向に対する往復移動範囲がカバーできるだけであってもよい。
【0064】
次に、図5に図1を併せ参照して上述とは別の冷却手段について説明する。
【0065】
図1と相違する点は、回転体11の内部空間である冷却槽において、導入管22の先端にノズル24を設け、極低温流体21を放出噴射させることにより断熱膨張した気化ガスによる極低温ガス流25を発生させていることである。極低温流体21は、液体窒素、液体アルゴン、または液体ヘリウム等の低温液化ガス、またはこれら元素の低温高圧ガスでもよい。これら低温流体がノズル24から放出されることにより断熱膨張する際に発生する極低温ガス流25が回転体11の内壁を冷却することにより熱伝導を利用して回転体11の表面を冷却することができる。
【0066】
次に、図6に図1を併せ参照して上述とは別の冷却手段について説明する。
【0067】
図6が図1と相違する点は、回転体61が中空である必要はなく、少なくとも円筒形表面が熱伝導率のよい材質であればよく、かつ、冷却手段が回転体61において回転軸62,63の軸方向である重力方向の底部側半分以上の表面範囲を冷却していることである。この結果、回転体61の天井部側の表面部分をクライオ材71の液化点以下まで極低温化することができる。冷却手段は、極低温流体81を内部に貯えて内部に浸された回転体61を直接冷却する冷却槽82と極低温流体81を供給する導入管83および気化ガスを排気回収する排気管84により構成されている。
【0068】
図6においては、真空チャンバー60の内部で、回転体61の底部側半分以上が冷却槽82の内部に挿入され、内部に貯蔵されている極低温流体81に直接浸っている。真空チャンバー60の内部に露出する回転体61の表面には、クライオ材71が供給されてクライオターゲット層74が形成される。クライオ材71を供給するターゲット供給機構70およびパルスレーザ光41が集光照射点44に照射されてプラズマおよびパルスX線45を発生するレーザプラズマX線発生の機構それぞれについては図1とほぼ同様である。
【0069】
クライオターゲット層74が形成される真空チャンバー60の部分と、極低温流体81を貯蔵する冷却槽82とはクライオ材71と極低温流体81との混合を避けるため、隔壁85が設けられている。
【0070】
図6では、真空チャンバー内に隔壁をもって冷却槽が備えられるように示されているが、両者が別個のチャンバーで隔壁により結合される構成でもよい。また、真空チャンバー内で図2に示したような固定壁を設けることもできる。
【0071】
次に、図7を参照して、パルスレーザ光141の集光照射点144が図2とは異なる実施の一形態について説明する。
【0072】
図7に示されるレーザプラズマX線発生装置のX線連続発生部分では、パルスレーザ光141によりレーザプラズマX線を発生する手段、真空チャンバー110、円筒形の回転体111、回転体111の回転軸112、回転体111の回転を駆動する回転駆動機構116、回転体111の回転軸と垂直方向に回転軸を駆動する回転軸駆動機構117、回転体111の冷却手段、クライオターゲット層134となるクライオ材を回転体111に供給するターゲット供給機構130、並びに固定壁151が備えられている。
【0073】
図7が図2と相違する点は、パルスレーザ光141の集光照射点144を円筒形の回転体111の底面表面とし、この集光照射点144の位置に固定壁151の開口部を設けていることである。また他の一つの点は、回転体111を回転させる機構、例えばモータおよび駆動歯車を含む回転駆動機構116に加えて更に回転体111を回転軸と垂直方向に往復移動させる回転軸駆動機構117を設けていることである。この結果、パルスレーザ光141の集光照射点144を円筒形の回転体111の底面表面で広範囲に移動させることができる。この場合の回転軸駆動機構117は、例えばO(オー)リングシールを用いて真空チャンバー110と結合される。
【0074】
このように、回転体111を回転させることによってクライオターゲット層134をパルスレーザ光141の集光照射点144に連続的に供給することができ、更に回転軸112を回転体111と共に回転軸に垂直方向に往復移動させることにより、円筒形の回転体111における底面の往復移動の範囲において表面に新に形成されたクライオターゲット層134を集光照射点144に常に供給できることになる。
【0075】
従って、熱伝導率のよい回転体111を極低温に冷却して円筒形表面にクライオターゲット層134を形成する際、回転体111の回転速度、円筒形底面の表面温度、円筒形底面の表面に供給するクライオ材の供給量などの設定によりクライオターゲット層134の厚さを適切に形成することができる。また、回転体111の回転および回転軸に垂直な方向の往復移動によりパルスレーザ光141の集光照射点144の位置を逐次移動できるので、集光照射点144に生じるプラズマによる回転体111の損傷を防止することができる。
【0076】
次に、図8を参照して、図7に円盤状のターゲット部材を追加した場合の実施の一形態について説明する。
【0077】
図8が図7と相違する点は、円筒形の回転体211の底面表面に熱伝導率のよい円盤状のターゲット部材219を密着させて、内部空間を冷却槽とする回転体211およびターゲット部材219の熱伝導を利用して回転体211と共にターゲット部材219の表面を、クライオターゲット層234を形成するクライオ材の液化温度以下に冷却することである。このため、関連する固定壁251などの形状が相違している。このような相違点を除き、同一名称で下二桁に同一番号符号を付与された構成要素の機能については図7を参照した説明と同一でありその説明は省略する。
【0078】
上記説明では、円盤状のターゲット部材は回転体に密着させて設けるとしたが一体化した一つの内部空間を有する回転体であってもよい。
【0079】
このように、上記記載では、図面それぞれを参照し適切な条件を示して説明しているが、図示され説明された形状大きさおよび相互位置などの構成並びに組み合わせについては、環境条件と共に相互に関連があるが上述した機能を満たす限り自由であり、本発明は上記記載に限定されるものではない。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、極低温流体などにより冷却された熱伝導効率のよい回転体の円筒形表面を、側面または裏面を問わずクライオターゲット層形成の基板とすると共に、回転体の回転および回転軸の往復移動によりクライオ材の供給をクライオターゲット層上で移送するため、回転体の表面を損傷することがなく、従って、回転体の交換は不必要になるという効果がある。
【0081】
また、クライオターゲット層の基板となる回転体表面の温度は回転体表面が極低温流体などにより直接冷却されるので容易に一定温度にでき、従って、安定なターゲット層の形成と保持とが可能になるという効果がある。
【0082】
また、固定壁がクライオターゲット層を内部に閉じ込めることによりクライオターゲットとなるクライオ材を極めて効率良くかつ均一に回転体表面に凝縮付着させることが可能となり、更に仕切壁を持つ開口部を設けることによってクライオターゲット層を形成しつつパルスレーザ光を高い周波数の繰り返しで集光照射できるので、レーザパルス光に呼応して半永久的にパルスX線を準連続的に発生させることができる。また仕切壁によってクライオ材ガスがパルスレーザ光の集光照射点近傍または放射されるパルスX線の光路に拡散するのを防止できるので,発生したパルスX線がクライオ材ガス自身により再吸収されることにより実効利用できるパルスX線の強度が低下するということがないという効果を得ることができる。
【0083】
上述の如く,本発明により、安定したクライオターゲット層の形成および移送により、クライオターゲット層を表面に形成する基板構造体の交換を不要とし、クライオ材ガス自身によるパルスX線の再吸収の問題を解決するものであり、高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレーザ光の照射でも連続して安定した高い平均出力のパルスX線を発生すると共に構造が簡単で半永久的な寿命を持つ低コストで実用的なレーザプラズマX線発生装置の提供を可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す縦断面概要図である。
【図2】図1に固定壁を追加した実施の一形態を示す縦断面概要図である。
【図3】図2における部分断面概要図である。
【図4】図2に層厚調整壁を追加した実施の一形態を示す横断面概要図である。
【図5】本発明による図1,2とは別の冷却手段における実施の一形態を示す縦断面概要図である。
【図6】図5とも別の冷却手段における実施の一形態を示す縦断面概要図である。
【図7】図1または図2と異なる実施の一形態を示す縦断面概要図である。
【図8】図7に円盤状のターゲット部材を追加した場合の実施の一形態を示す縦断面概要図である。
【図9】従来の一例を示す説明図である。
【図10】従来の図9とは別の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10、60、110、210 真空チャンバー
11、61、111、211 回転体
12、13、62、63、112、212 回転軸
14、15、64、65 回転軸受け
16、116 回転駆動機構
17、117 回転軸駆動機構
21、81 極低温流体
22、83 導入管
23、84 排気管
30、70、130、230 ターゲット供給機構
31、71 クライオ材
32、72 回収槽
33、73 供給路
34、74、134、234 クライオターゲット層
35、135 排気装置
41、141 パルスレーザ光
42 レーザ集光機構
43、143 レーザ入射口
44、144 集光照射点
45 パルスX線
46、146 X線鏡
47、147 X線出射口
51、151、251 固定壁
52 保温器
53、253 開口部
54 仕切壁
55 層厚調整壁
82 冷却槽
85 隔壁

Claims (4)

  1. 冷却して液体化および固体化の少なくとも一方となった化学的に不活性で室温ではガス状のクライオ材をクライオターゲットとしこのクライオターゲットに高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレーザ光を集光照射して生じたプラズマからパルスX線を発生するレーザプラズマX線発生装置において、
    回転軸を有しかつ前記クライオターゲットの表面として熱伝導率のよい円筒形側面および前記回転軸に垂直面を成す一つの底面の少なくとも一方を有する回転体と、
    前記回転軸を駆動して前記回転体を回転させる回転駆動機構と、
    前記回転体の表面にクライオターゲット層を形成するために前記クライオ材を供給するターゲット供給機構と、
    前記回転体の少なくとも前記表面を、供給された前記クライオ材が所定の厚さの前記クライオターゲット層に形成可能な極低温にするために、前記回転体表面の内部、外部、または内部外部の両面から冷却する冷却手段と
    前記回転体の速度、周囲温度を含む環境条件を設定して、回転する前記回転体の円筒形表面に付着した前記クライオ材をほぼ均一の厚さに形成するように設定される間隔を有する間隙をもって前記回転体を囲み当該間隙に前記クライオ材の注入を受けて閉じ込める固定壁と、
    前記冷却手段が前記回転体の表面温度を前記クライオ材の液化点以下に維持すると共に前記固定壁の温度を最低で前記クライオ材の液化点に維持する保温構造と、
    固定壁に連結して前記回転体の回転軸に対し垂直方向に移動し、前記回転体の表面との間隙を、前記回転体の表面に形成される前記クライオターゲット層の厚さ分に調整・保持するように、調整可能な層厚調整壁と、を備え、
    前記固定壁は入射する前記パルスレーザ光が集光する前記クライオターゲット層の集光照射点の近傍では発生するパルスX線を外部へ放射する開口部を有し、かつこの開口部は前記集光照射点の近傍周囲で固定壁内部から気化したクライオ材の流出を妨げるように前記開口部から前記クライオターゲット層の表面に接する縁に至る範囲に形成された仕切壁更に備えることを特徴とするレーザプラズマX線発生装置。
  2. 請求項1において、クライオ材は、2種類以上の材料成分を有する混合材であり、材料成分の少なくとも一つは原子番号10以上の重い元素であり、他の材料成分に少なくとも一つの原子番号10未満の軽い元素を更に含む構成を有することを特徴とするレーザプラズマX線発生装置。
  3. 請求項において、重い元素により構成される材料成分のモル混合比は、前記軽い元素により構成される材料成分の数パーセントから50パーセントであり、各材料成分の供給量、周囲温度を含む予め設定された環境条件に基づいて前記モル混合比の値を調整して前記クライオターゲット層を形成することを特徴とするレーザプラズマX線発生装置。
  4. 請求項1において、回転体は中空構造を有し、冷却手段は、前記回転体の表面を内部から冷却するため、前記回転体の中空部分を冷却槽として前記回転軸を同軸とする導入管および排気管を備え、前記冷却槽は前記導入管を介して注入される低温液化ガスを極低温流体として貯蓄し、前記排気管が前記冷却槽で気化した低温液化ガスを排気することを特徴とするレーザプラズマX線発生装置。
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