JP4068259B2 - 免疫測定方法及び乾式免疫測定試薬 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、免疫学的測定方法、さらに詳しくは、抗原抗体反応を利用して微量生体成分を迅速かつ正確に測定する方法と、乾式免疫測定試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗原抗体反応を利用して、血液中などに微量に存在するホルモン、酵素などを検出する免疫学的測定方法は医療診断などに広く応用されている。
【0003】
従来、この免疫学的測定方法としては、重層法、免疫拡散法、毛細管法、レーザーネフェロメトリー法などの沈降反応を利用したものや免疫蛍光法、酵素免疫測定方法およびラジオイムノアッセイなどの標識抗体を利用したものがある。とくに放射性同位元素を抗原または抗体に標識した試薬を用いるラジオイムノアムッセイが広く用いられている。これに対して放射性物質を用いない方法、すなわち酵素、バクテリオファージフリーラジカル、化学発光物質、蛍光物質などを標識とする方法も研究され、一部実用化されている。このような方法においては、測定感度を高めるためにサンドイッチ免疫測定方法が応用され、たとえば最近では多孔質膜などの担体に固定化された抗体を用いて、標識物質が蛍光物質である方法などが報告されている。
【0004】
一方、特公平7−107536号には、微量の抗原に対しても感度良く検知できる迅速かつ正確な測定方法として、抗体を表面に結合させて標識物質がその内部に封入されたリポソームを、「補体の存在下で」試料中の抗原と反応させる手法が開示されている。この手法は、以下のようなものである。
【0005】
すなわち、抗原及び/又は抗体及び/又は補体が存在する試薬中にリポソーム試薬を加え、これと別に補体又は膜を侵襲出来る物質を加える(補体測定の場合は不要であり、試料中に補体成分が含まれる場合には別途補体を加えても良いし加えなくても良い)。すると、抗原−抗体反応及びそれに伴う補体又は膜を侵襲出来る物質の活性化が起こり、補体又は膜を侵襲出来る物質の膜障害作用によってリポソームが破壊され、封入されていた標識物質が流出する。この流出した標識物質の量と、試料中の被検物質、すなわち抗体又は抗原又は補体との間には相関関係があるので、流出した標識物質を所定の分析方法(例えば蛍光分析)によって定量することにより、被検物質を定量することが出来る。
【0006】
ところが、上記のリポソーム免疫測定においては、ヒト血清試料中の各種成分につき免疫分析する場合、試料中にもともと含まれるヒト由来の補体によって、試薬中のリポソームが非特異的に崩壊してしまい、標識物質の流出量に変化が生じ、結果として被検物質を定量することが出来なくなってしまうという不都合が生じていた。
【0007】
その課題を解決するために、特開平6−160390号では、試料を前処理することにより、試料中に存在していた補体成分を不活性化させる技術を開示している。不活性化技術として、測定試料に対する熱処理と、薬品による処理が挙げられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記技術は、抗体価または抗原性の低下にかかわらない程度とは言え56℃という高温で熱処理する必要があり、測定操作も段階が増え、煩雑になる。また、薬剤処理は量的に過剰になると、試薬として添加されている補体(動物由来)も失活させてしまうおそれがある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明は、リポソーム免疫測定方法における、試料中に含まれるヒト補体による非特異なリポソームの崩壊を防ぐために、抗ヒト補体抗体を試薬中に含有することを特徴とする免疫測定方法である。
【0010】
また本発明の別の一面として、内部に標識物質を封入するとともに抗体を結合してなるリポソームと、安定剤と、ヒト由来以外の動物補体と、抗ヒト補体抗体とを内包し、凍結乾燥された多孔性構造体からなることを特徴とする乾式免疫測定試薬も提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
ヒト補体特異的抗体(抗ヒト補体抗体)を検体に添加することで、検体中のヒト由来の補体を特異的にトラップし、その補体活性を抑制することで、ヒトの補体由来のリポソームの非特異的な崩壊を抑制する。
【0012】
添加するヒト補体特異的抗体として、抗ヒトC1q抗体,抗ヒトC3抗体,抗ヒトC4抗体、または、第2経路に関与するB因子やD因子に対する抗体があり、またその抗血清も使用可能である。
【0013】
また更に、リポソームに結合している抗体と対応抗原は同じだがエピトープが異なる第2の抗体を更に含むこともできる。このようにすることで、効率的な補体反応を促すことができる。第2抗体を添加することによる効率的補体反応に関しては、「製薬工場」,7(5),421−425(1987)に詳しい。
【0014】
また更に、扱いが平易な乾式分析要素である形態も取り得る。この場合、多孔性構造体(例えば濾紙、ガラスフィルター等)の内部に凍結乾燥された状態で保持されていることが好ましい。
【0015】
乾式分析要素の形態でも、添加するヒト補体特異的抗体として、抗ヒトC1q抗体,抗ヒトC3抗体,抗ヒトC4抗体、または、第2経路に関与するB因子やD因子に対する抗体があり、またその抗血清も使用可能であり、リポソームに結合している抗体と対応抗原は同じだがエピトープが異なる第2の抗体を更に含むこともできる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を具体的に説明する。理解されやすいように、乾式分析要素タイプで説明するが、液系試薬でも反応が成立することは言うまでもない。
【0017】
(1)蛍光色素封入したリポソームの調製
1μmolDPPC(ジパルミトイルホスファチジルコリン)、1μmolコレステロール、ジチオピリジル−ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DTP−DPPE)/ブロモアセチル(BrAc)−DPPEのクロロフォルム溶液をロータリーエバポレーターで乾燥し、脂質薄膜に調製した。0.1mol/lのカルボキシフルオレスセンを添加して、50℃で1分間インキューベーションした後、脂質膜を激しくボルテックス混合した。内包されなかったカルボキシフルオレスセンを、3万Gで20分間遠心分離することで除いた。得られたペレットをHEPES緩衝液にて懸濁し、使用するまで4℃で保存した。
【0018】
(2)抗体の修飾(Fab’の調製)
1mg/mlペプシン(0.1mol/L酢酸緩衝液)1mlに抗CRP抗体(OY−Medix社)10mgを混合し、37℃、10時間インキューベートした。2mol/lトリス−塩酸緩衝液25μl及び0.5mol/l水酸化ナトリウムを加えて、反応を停止させた後、反応混合物を0.22μmのミリポアフィルターで濾過し、TSK−ゲル濾過カラムで精製し、アミコンのCentriprepで濃縮した。
修飾した抗体の最終濃度は0.1MPBS(pH6.0)で約3g/lであった。これに2−メルカプトエチルアミン−ハイドロクロライドを加えて、37℃で30分間インキュベートした。この反応液をゲル濾過カラム(PD−10,ファルマシア社)で精製し、Fab’溶液を得た。Fab’は約1g/lであった。
【0019】
(3)リポソームへのFab’の結合
先に得られたリポソーム縣濁液とFab’溶液をゆっくり撹拌しながら窒素下で室温で混合し、20時間反応させた。リポソームを3万Gで20分間遠心することで収集し、ゼラチンバルビタール緩衝液(GBS)2mlに再縣濁し、冷蔵庫に保存した。
【0020】
(4)リポソームを内包する多孔性構造体の作製
上記(3)で得た抗CRP抗体結合リポソームを、5%トレハロース、1%BSA、補体価1〜3CH50のモルモット血清補体、1mg/ml抗ヒトC3抗体、1mg/ml抗ヒトC1q抗体を含んだ0.05M−PBS緩衝液(pH7.0)に混合した。濾紙GA−100(東洋濾紙製)を、上記緩衝液500mlに対して5枚浸漬させて、10分後に引き上げ、凍結温度−40℃、真空度0.05〜0.028Torr、乾燥時間23.5時間の条件で凍結乾燥させ、免疫測定試薬を得た。得られた免疫測定試薬は、窒素封入した容器に保存した。
【0021】
(5)非特異崩壊率の比較測定:
上記試薬の多孔性構造体に、CRPのゼロ血清(国際バイオ社製)10μlを添加し、室温で30分間反応させた。蛍光光度計(パーキンエルマー社製 LS50B)を用いて、励起波長490nm、蛍光波長520nmの波長で、リポソームからのカルボキシフルオレスセン流出量を測定した。
【0022】
100%流出のカルボキシフルオレスセン量は、10%トリトンX−100を20μl添加することで測定した。各測定値は、カルボキシフルオレスセンの流出の割合で示した。
【0023】
図1は、抗ヒト補体抗体(C3,C1qに対する抗体)を添加した免疫測定試薬と、添加していない免疫測定試薬の非特異的なリポソームの崩壊率を示した表である。図1から判断できるように、本発明は良好に非特異崩壊を防いでいる。
【00】
【発明の効果】
以上詳説したように、本発明を用いると、熱処理や薬剤処理を施すことなく、ヒト補体による非特異なリポソームの崩壊を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 抗ヒト補体抗体を添加した免疫測定試薬と、添加していない免疫測定試薬の非特異的なリポソームの崩壊率を示した表である。
Claims (4)
- リポソーム免疫測定方法における、試料中に含まれるヒト補体による非特異なリポソームの崩壊を防ぐために、抗ヒト補体抗体を含ませることを特徴とする免疫測定方法。
- リポソームに結合している抗体と対応抗原は同じだがエピトープが異なる第2の抗体を更に含む、特許請求の範囲第1項に記載の免疫測定方法。
- 内部に標識物質を封入するとともに抗体を結合してなるリポソームと、安定剤と、ヒト由来以外の動物補体と、抗ヒト補体抗体とを内包し、凍結乾燥された多孔性構造体からなることを特徴とする乾式免疫測定試薬。
- リポソームに結合している抗体と対応抗原は同じだがエピトープが異なる第2の抗体を更に含む、特許請求の範囲第3項に記載の乾式免疫測定試薬。
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