JP4067069B2 - 複数の油圧モータとクラッチの制御装置 - Google Patents

複数の油圧モータとクラッチの制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の油圧モータとクラッチの制御装置に係わり、特に、ホイールローダや油圧ショベル等の作業機械の油圧駆動装置で、複数の油圧モータの出力トルクをクラッチを介して接続して出力する複数の油圧モータとクラッチの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の油圧モータの出力トルクをクラッチを介して接続して駆動する車両の油圧走行駆動装置においては、車速が所定値になったとき、クラッチの接続、遮断制御を行って出力トルク、車速等を制御する。図7は従来の油圧走行駆動装置の複数の油圧モータとクラッチの制御装置の制御回路図である。この制御回路は、油圧ポンプ50、第1油圧モータ51、第2油圧モータ52、クラッチ53、および、油圧ポンプ54などにより構成される。第1油圧モータ51と第2油圧モータ52は油圧ポンプ50に並列に接続され、該油圧ポンプ50の吐出圧油により駆動される。第1油圧モータ51の第1出力軸51aにはモータ用歯車51bが固設されると共に、モータ用歯車51bは車両を駆動する駆動軸55の駆動軸用歯車55aと噛み合っている。第1油圧モータ51の出力トルクはモータ用歯車51b、駆動軸用歯車55aを介して、車両を駆動する駆動軸55に常に伝達される。
【0003】
第2油圧モータ52の第2出力軸52aにはクラッチ53が設けられ、このクラッチ53の第2出力軸53aには第2モータ用歯車53bが固設されると共に、第2モータ用歯車53bは車両を駆動する駆動軸55の駆動軸用歯車55aと噛み合っている。第2油圧モータ52の出力トルクは、クラッチが接続されているときには、クラッチ53、第2モータ用歯車53b、および駆動軸用歯車55aを介して車両を駆動する駆動軸55に伝達される。第1油圧モータ51および第2油圧モータ52にはそれぞれ図示しないサーボ弁が付属していて、図示しない高速あるいは低速を選択するハイ・ロー弁(以下、HL弁という。)からの信号圧によりそれぞれ油圧モータの吐出容量D(cc/rev)が制御される。
【0004】
油圧ポンプ54はポンプ用歯車54a、第2モータ用歯車53bにより駆動軸55の駆動軸用歯車55aに接続される。この油圧ポンプ54のFp ポートとRp ポートとの間には絞り54bとシャトル弁54cが並列に接続され、駆動軸55の回転速度(車速)が所定値以上になると、この油圧ポンプ54の吐出圧が所定値に達し、管路54dを介してクラッチ53に作用し、このクラッチ53が断となり、駆動軸55の回転速度(車速)が所定値以下になると、油圧ポンプ54の吐出圧が所定値に達しないのでクラッチ53が接となるようになっている。また、油圧ポンプ50と第1油圧モータ51とは常時、接続されているが、油圧ポンプ50と第2油圧モータ52間には連通・遮断弁56が介設されている。
【0005】
この連通・遮断弁56の機能を説明する。第2油圧モータ52に傾転量があるときにクラッチ53を遮断すると変速ショックが生じるため、クラッチ53を遮断する前に第2油圧モータ52を0傾転としている。しかし、第2油圧モータ52を0傾転に保持する手段がないため、第2油圧モータ52を0傾転とした後に急変速などにより第2油圧モータ52に僅かでも傾転量がつく(図9のS5参照)と、第2油圧モータ52が空転して第1油圧モータ51の負荷抜けを生じる。この負荷抜けを防止するために第2油圧モータ52を0傾転とした後、クラッチ53を遮断すると同時に油圧ポンプ50と第2油圧モータ52とを接続する油圧配管を連通・遮断弁56により遮断する。
【0006】
次に、作動について説明する。図8は低速Lo レンジにおける油圧モータの吐出容量D(cc/rev)と車速V(km/h)の関係を示し、曲線S1 は第1油圧モータ51、S2 は第2油圧モータ52についてのものである。例えばローダでは車速が12km/hまでは、油圧ポンプ54の吐出圧が所定値に達しないのでクラッチ53が接続状態にあり、車両は第1油圧モータ51と第2油圧モータ52の吐出容量の和(S1 +S2 )により大きな駆動力で駆動される。また、図示しないHL弁によりLo レンジに設定すると、第1油圧モータ51と第2油圧モータ52との吐出容量は制限されて最大車速が12km/hまでしか上がらない。
【0007】
図9は高速Hi レンジにおける油圧モータの吐出容量D(cc/rev)と車速V(km/h)の関係を示し、曲線S3 は第1油圧モータ51、S4 は第2油圧モータ52についてのものである。車速が15km/hになるまでは油圧ポンプ54の吐出圧が所定値に達しないのでクラッチ53が接続状態にあるが、車速が15km/hに近づくと第2油圧モータ52の吐出容量S4 がほぼ0になる。また、HL弁10により高速Hiレンジに設定されて第1油圧モータ51の吐出容量の制限が解かれるため、車両は第1油圧モータ51の吐出容量S3 のみにより最大車速が30km/h以上まで増速される。このときには車速が15km/h以上になると油圧ポンプ54の吐出圧が所定値に達しクラッチ53が遮断される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の油圧走行駆動装置においては、連通・遮断弁56は第2油圧モータ52の全吐出量が通過可能な容量が必要であるため、場積をとるだけでなく、配管作業や連通・遮断弁56のコストが嵩む問題がある。また、クラッチ53を遮断すると同時に連通・遮断弁56を遮断する必要があるため、この微妙なタイミングが満足されないと車両の変速ショック等を生じる問題があった。また、第1,第2油圧モータ51,52を大きい傾転量に固定して制動トルクを増大させて減速するときに、固定した傾転量が高速のままで急に解除されると車両がオーバランすることがある。このため、減速中に大きくした傾転量を解除指令が出されるまで保持することが望まれている。
【0009】
本発明は上記従来の問題点に着目した複数の油圧モータとクラッチの制御装置に係わり、特に、連通・遮断弁を省略して構成を簡素化すると共に、クラッチと連通・遮断弁の微妙なタイミングを要する制御を不要にし、かつ、変速ショックや油圧モータの負荷抜けを防止できる複数の油圧モータとクラッチの制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するために、本願第1の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、複数の油圧モータの出力で一つの駆動軸を駆動すると共に、複数の油圧モータのいずれかはクラッチを介して駆動軸を駆動する複数の油圧モータとクラッチの制御装置において、駆動軸に常時接続された第2油圧モータと、駆動軸にクラッチを介して接続された可変容量型の第1油圧モータと、第1油圧モータの駆動側油圧を受けて、第1油圧モータの傾転量を制御する第1傾転制御手段と、第1油圧モータがほぼ0傾転量に制御された状態で、第1油圧モータの傾転量を固定する0傾転固定手段とを備え、前記第1傾転制御手段は、第1サーボ弁と第1傾転シリンダを有し、エンジン回転速度に比例する可変制御圧に基づいて第1サーボ弁で調圧された圧力により第1傾転シリンダの伸縮量を調整して第1油圧モータの傾転量を制御するものであり、前記0傾転固定手段は、前記可変制御圧による制御に優先して前記第1サーボ弁を作動させることにより、前記第1傾転シリンダを強制的に小傾転側に移動させ保持するものであることを特徴とする。
【0011】
第1の発明によれば、0傾転固定手段により、エンジン回転速度に比例する可変制御圧による制御に優先して第1サーボ弁を作動させ、第1傾転シリンダを強制的に小傾転側に移動させ保持することにより第1油圧モータがほぼ0傾転量固定されると、油圧ポンプが吐出する油量は全て第2油圧モータだけで供給されて駆動軸は第2油圧モータだけで駆動される。そのため、第1油圧モータが0傾転になった分だけ駆動軸のトルクは減少するが、第1油圧モータを駆動する油量分だけ第2油圧モータ(即ち、駆動軸)の回転速度が増加する。従って、従来技術のように、連通・遮断弁を設ける必要がないため、コンパクト、かつ、低コストで低トルク、高速駆動が可能となる。
【0012】
本願第2の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、第1の発明において、さらに、第1油圧モータの最小傾転量を0でない所定の傾転量に制限するための、前記第1傾転シリンダの小傾転側への移動を規制するストッパ手段備えることを特徴とする。
【0013】
第2の発明によれば第1傾転シリンダにより第1油圧モータの傾転量を制限するとき、第1油圧モータの傾転量はストッパ手段によりほぼ0傾転量位置で停止してその位置に固定される。そのため、第1油圧モータほぼ0傾転量位置に確実に固定されるため信頼性を向上できると共に、0傾転固定手段としては、0傾転固定弁とストッパ手段を追加するだけでよいため、コストが低減される。
【0014】
本願第3の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、第2発明において、ストッパ手段は、第1傾転シリンダのピストンロッドに固定されたストッパと、ストッパに当接するピストンロッドを有するストッパシリンダとを備えることを特徴とする。
【0015】
第3の発明によれば、第1傾転シリンダのピストンロッドに固定されたストッパが、ストッパシリンダのピストンロッドに当接した位置、すなわち、第1油圧モータのほぼ0傾転量位置て停止する。そのため、構成が、既存の第1傾転シリンダのピストンロッドにストッパを固定し、また、ストッパシリンダとして市販のシリンダを使用できるのでコストが低減すると共に、純機械的のため信頼性が高い。また、市販のシリンダは、例えばストッパボルト等の追加工により外部からストロークエンドを容易に調整可能にできるため、第1油圧モータの0傾転量位置の調整が容易になる。
【0016】
本願第4の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、第1〜3のいずれかの発明において、クラッチを接続状態とフリー状態とに切り換えるクラッチ切換手段と、駆動軸の増速時には、駆動軸が所定回転速度を超えたとき、0傾転固定手段により第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定した後、クラッチをフリーとし、かつ、駆動軸の減速時には、駆動軸が所定回転速度以下になったとき、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除する前に、クラッチを接続する指令をクラッチ切換手段に出力するコントローラを備えることを特徴とする。
【0017】
第4の発明によれば、車両の急変速の場合などでも、駆動軸の増速時、減速時によらずクラッチが接続された状態で、第1油圧モータの傾転量が0に固定されたり、その固定が解除される。従って、クラッチがフリーの状態で第1油圧モータが0から傾転することはないため、第1油圧モータの空転による第2油圧モータの負荷抜けが確実に防止される。また、高速、低トルク駆動時にはクラッチを切るので、第1油圧モータ内の油の攪拌抵抗などによるエネルギーロスをなくすと共に、油温の上昇が防止される。さらに、従来技術のように、連通・遮断弁を設ける必要がないため、その場積が不要となり、コンパクト、かつ、コスト低減を図ることができると共に、変速ショックを確実に防止できる。
【0018】
本願第5の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、第1の発明において、クラッチを接続状態とフリー状態とに切り換えるクラッチ切換手段と、駆動軸の回転速度を検出する回転センサと、回転センサから駆動軸の回転速度信号を入力し、駆動軸の増速時には、駆動軸が第1所定回転速度以下のときに第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除すると共に、駆動軸が第1所定回転速度を超えると第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定し、かつ、駆動軸の減速時には、駆動軸が第2所定回転速度以上のときに第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定すると共に、駆動軸が第2所定回転速度より低下すると第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除する指令を0傾転固定手段に出力し、また、駆動軸の増速時には、駆動軸が第1所定回転速度を超えたときに第1油圧モータの傾転量を固定したのちクラッチをフリーとし、かつ、駆動軸の減速時には、駆動軸が第2所定回転速度より低下したときに第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除する前に、クラッチを接続する指令をクラッチ切換手段に出力するコントローラとを備えることを特徴とする。
【0019】
第5の発明によれば、第4の発明と同様な作用効果に加え、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定とその解除とを切り換える所定回転速度を、駆動軸の増速時と減速時とでコントローラでそれぞれ異なる所定値に任意に設定可能としたため、制御のハンチングが防止され、かつ、減速時のショックが最少になると共に増速時の加速性能が最大となるように、それぞれの適正値に調整できる。また、コントローラにより駆動軸の回転速度に応じて、増速時または減速時に要する第1油圧モータと第2油圧モータの駆動の最適な組合わせを選択して駆動できるので、パワーロスの少ない効率的な駆動を精度よく行うことができる。
【0020】
本願第6の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、第5の発明において、第2油圧モータの傾転量を制御する第2傾転シリンダと、第2油圧モータの吸入管路および吐出管路のうち高い方の油圧に応じて第2傾転シリンダの制御圧を出力する第2サーボ弁と、第2傾転シリンダが第2油圧モータを最大傾転量に固定するように、第2サーボ弁を制御する最大傾転固定弁を備え、コントローラは、駆動軸の増速時、駆動軸が第1所定回転速度以下のときには、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除するとともに、第2油圧モータの傾転量を最大に固定し、駆動軸が第1所定回転速度を超えたときには、第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定するとともに、第2油圧モータの傾転量を最大にする固定を解除する信号を、また、駆動軸の減速時、駆動軸が第2所定回転速度以上のときには、第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定するとともに、第2油圧モータの傾転量を最大にする固定を解除し、駆動軸が第2所定回転速度より低下したときには、第1油圧モータの傾転量をほぼ0傾転量にする固定を解除するとともに、第2油圧モータの傾転量を最大に固定する信号を最大傾転固定弁出力することを特徴とする。
【0021】
第6の発明によれば、駆動軸の増速時では、駆動軸が第1所定回転速度以下のときには、第2油圧モータの傾転量が最大のままでも、第1油圧モータの傾転量を0にする固定を解除してあるので、第1油圧モータの傾転量が減少して駆動軸の回転速度が増加し、駆動軸が第1所定回転速度を超えたときには、第1油圧モータの傾転量がほぼ0になりほぼ0傾転量に固定したままでも、第2油圧モータの傾転量を最大にする固定を解除してあるので、第2油圧モータの傾転量が減少して駆動軸の回転速度が増加する。また、駆動軸の減速時では、駆動軸が第2所定回転速度以上のときには、第1油圧モータの傾転量がほぼ0傾転量のままで、制動圧により第2油圧モータの傾転量が最大となり大きい制動トルクが得られ、変速の応答性が向上する。その後は、駆動軸が第2所定回転速度より低下したときには、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除すると、第2油圧モータの傾転量が最大のままでも、第1油圧モータの傾転量が増加してさらに大きな制動トルクが得られるため、駆動軸の回転速度が減少する。従って、基本的に二つの油圧モータのうちの一方の傾転量により、変速させるため変速制御の精度が向上する。
【0022】
本願第7の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、第1の発明において、クラッチを接続状態とフリー状態とに切り換えるクラッチ切換手段と、車速に比例する車速信号圧で車速を検出する油圧式車速検出手段と、油圧式車速検出手段から車速信号圧を入力して車速の増速時には、車速信号圧が第1所定値以下のとき第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除し、車速信号圧が第1所定値を超えると第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定し、かつ、車速の減速時には、車速信号圧が第1所定値より低い第2所定値以上のとき第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定し、車速信号圧が第2所定値より低下すると、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除する信号圧を0傾転固定手段に出力し、かつ、車速の増速時には、車速信号圧が第1所定値を超えたときに、第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定したのちクラッチをフリーにし、車速の減速時には、車速信号圧が第2所定値より低下したときに、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除する前に、クラッチを接続する信号圧をクラッチ切換手段に出力する制御弁手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
第7の発明によれば、制御弁手段は油圧式車速検出手段から車速信号圧を入力して、車速の増速時には第1の所定車速を越えたとき第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定し、車速の減速時には、第1の所定車速より低い第2の所定車速以下に低下したら第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除する。このため、第1と第2の所定車速を異ならせることにより制御のハンチングを防止すると共に、車速の減速時には増速時に比べて低速になるまで第1油圧モータの傾転量が0に固定されるため、その分だけ第1油圧モータの傾転量を0にする固定を解除した時点における第1油圧モータの傾転量が小さくなり制動トルクが減少する。従って、第4の発明と同様な作用効果に加え、増速時の加速性能を向上させても減速ショックを防止できる。また、電子式制御に代えて油圧式制御が可能となり制御装置の選択の自由度が向上する。
【0024】
本願第8の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、第7の発明において、第2油圧モータの傾転量を制御する第2傾転シリンダと、第2油圧モータの吸入管路および吐出管路のうち高い方の油圧を受けて、第2傾転シリンダの制御圧を出力する第2サーボ弁と、第2傾転シリンダが第2油圧モータを最大傾転量に固定するように、第2サーボ弁を制御する最大傾転固定弁とを備え、制御弁手段は、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定を解除するときに、第2油圧モータの傾転量を最大に固定し、第1油圧モータの傾転量をほぼ0に固定するときに、第2油圧モータの傾転量を最大にする固定を解除する信号圧を最大傾転固定弁に出力することを特徴とする。
【0025】
第8の発明によれば、駆動軸の増速時では、第2油圧モータの傾転量が最大のままでも、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定が解除されるため、第1油圧モータの傾転量が減少して駆動軸の回転速度が増加し、第1油圧モータの傾転量がほぼ0に固定されたままでも、第2油圧モータの傾転量を最大にする固定が解除されるため、第2油圧モータの傾転量が減少して駆動軸の回転速度が増加する。また、駆動軸の減速時では、第1油圧モータの傾転量が0傾転量のままで、制動圧により第2油圧モータの傾転量が最大となり大きい制動トルクが得られ、変速の応答性が向上する。その後は、第2油圧モータの傾転量が最大のままでも、第1油圧モータの傾転量をほぼ0にする固定が解除されるため、第1油圧モータの傾転量が増加して駆動軸の回転速度が減少する。従って、基本的に二つの油圧モータのうちの一方の傾転量により、変速させるため変速制御の精度が向上する。
【0026】
本願第9の発明に係わる複数の油圧モータとクラッチの制御装置は、第8の発明において、第1油圧モータの傾転量を0より所定量だけ大きい小傾転量に固定する小傾転固定手段と、小傾転固定手段を駆動する小傾転固定弁とを備え、制御弁手段は、第1油圧モータの傾転量を小傾転量に固定する信号圧を小傾転固定弁に出力するときに、第2油圧モータの傾転量を最大に固定する信号圧を最大傾転固定弁に出力することを特徴とする。
【0027】
第9の発明によれば、第1油圧モータの傾転量が0より所定量だけ大きい小傾転量に固定されると共に、第2油圧モータの傾転量は最大に固定される。従って、この時には第1油圧モータと第2油圧モータとを合わせた制動トルクが大きいため車両速度のオーバランが防止される。また、最大傾転固定弁は制御弁手段の信号圧により制御されるため、最大傾転固定弁を電磁弁とする場合のように、整備点検時等にコネクタを含む配線の接続が不十分なために、車両の振動により発生する接触不良がなくなり、車両のオーバラン防止のための信頼性が向上する。
【0028】
【発明の実施の形態および実施例】
以下に、本発明の第1実施例を図1〜3により説明する。エンジン15により駆動される油圧ポンプ16の吐出油は、可変容量型の第1油圧モータ1と可変容量型の第2油圧モータ2とに第1主回路17と第2主回路18を介して並列に接続される。第2油圧モータ2の出力軸は図示しない車両の車輪を駆動する駆動軸3に減速機4を介して常時、連結され、第1油圧モータ1の出力軸はクラッチ5と減速機4を介して駆動軸3に連結される。第1主回路17あるいは第2主回路18の駆動側圧油は、図示しない前後進操作弁(以後、FR操作弁という)からの油圧により切り換わるFR切換弁6を介して第1油圧モータ1の傾転量を制御する第1傾転シリンダ7のロッド室7aと、第1サーボ弁8の第1パイロット受圧部8aと、第1サーボ弁8のPポートとに接続され、第1サーボ弁8のAポートは第1傾転シリンダ7のボトム室7bに接続される。
【0029】
車速にはHiモードとLoモードとがあり、Hiモードの許容回転速度を限定する0傾転固定弁11が遮断位置のときには、FR切換弁6から供給されるエンジン回転速度に比例する可変制御圧Pmが、シヤトル弁12を介して第1サーボ弁8の第1パイロット受圧部8aより大きい第2パイロット受圧部8bに供給される。そして、第1サーボ弁8は第1パイロット受圧部8aの駆動側圧油と第2パイロット受圧部8bの制御圧とによる付勢力と、ばね8cのばね力のバランスする位置に応じて、PポートからAポートに減圧した圧油を第1傾転シリンダ7のボトム室7bに供給して、第1油圧モータ1の傾転量を制御する。
【0030】
第1主回路17あるいは第2主回路18の、シヤトル弁9を介して供給される高圧油は、Loモードの許容回転速度を限定する小傾転固定弁13のPポートに供給され、また、小傾転固定弁13のAポートはストッパシリンダ14のボトム室に接続され、ストッパシリンダ14のロッド室はタンクに接続される。小傾転固定弁13がPポートとAポートの連通位置にあるときには、ストッパシリンダ14のピストンロッド14aは伸長端まで移動して第1油圧モータ1の小傾転量位置を設定する。また、小傾転固定弁13がPポートとAポートの遮断位置のときには、ストッパシリンダ14のピストンロッド14aは外力により収縮端まで移動可能となり第1油圧モータ1の0傾転量位置を設定する。このように、小傾転固定弁13がPポートとAポートの連通位置となり第1油圧モータ1が小傾転量位置まで傾転量を減少し得るときがLoモードであり、小傾転固定弁13がPポートとAポートの遮断位置となり第1油圧モータ1がほぼ0傾転量位置まで傾転量を減少し得るときがHiモードである。
【0031】
0傾転固定弁11が連通位置のときには、シヤトル弁9から0傾転固定弁11の連通位置を介して供給される第1主回路17あるいは第2主回路18の高圧油は、可変制御圧Pmに優先してシャトル弁12を介して、第1サーボ弁8の第2パイロット受圧部8bに供給されるため、第1サーボ弁8はPポートとAポートを連通する開口が最大となる。そのため、第1傾転シリンダ7のピストンロッド7cは、ボトム室7bに供給される第1サーボ弁8からの圧油により左側に移動する。そして、ピストンロッド14aが設定した、第1油圧モータ1の傾転量位置あるいはほぼ0傾転量位置で、ピストンロッド7cを介してストッパ7dがピストンロッド14aに当接して、第1油圧モータ1の小傾転量位置あるいはほぼ0傾転量位置に固定される。このように、0傾転固定弁11、第1サーボ弁8、第1傾転シリンダ7、第1傾転シリンダ7に固定されたストッパ7d、傾転固定弁13及びストッパシリンダ14により、第1油圧モータ1の傾転量を固定する0傾転固定手段10を構成する。
【0032】
一方、シヤトル弁29を介して供給される第1主回路17あるいは第2主回路18の圧油は、第2油圧モータ2の傾転量を制御する第2傾転シリンダ27のロッド室27aと、第2サーボ弁28の第1パイロット受圧部28aと、第2サーボ弁28のPポートとに接続され、第2サーボ弁28のAポートは第2傾転シリンダ27のボトム室27bに接続される。
【0033】
また、リリーフ弁22で一定圧に制御された一定制御圧Pmを吐出する制御ポンプ23の吐出口は、クラッチ切換弁24を介してクラッチ5に接続されると共に、最大傾転固定弁21を介して第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに接続される。そのため、クラッチ切換弁24が遮断位置のときには、クラッチ5に圧油が供給されないため、クラッチ5が図示しないばねにより接続されて第1油圧モータ1の動力が駆動軸3に伝達される。クラッチ切換弁24が連通位置のときには、クラッチ5に圧油が供給されるためクラッチ5が遮断されて第1油圧モータ1の動力が駆動軸3に出力されない。
【0034】
最大傾転固定弁21が遮断位置のときには、第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに圧油が供給されないため、第2サーボ弁28の第1パイロット受圧部28aのパイロット圧による付勢力とばね28cのばね力とがバランスする位置まで第2サーボ弁28の図示しないスプールが移動する。この第2サーボ弁28のスプール位置に応じて、第2サーボ弁28のPポートからAポートに減圧して第2傾転シリンダ27のボトム室27bに圧油を供給して第2油圧モータ2の傾転量を設定する。最大傾転固定弁21が連通位置のときには、制御ポンプ23から第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに圧油が供給されて、最大傾転固定弁21のPポートとAポートを連通する開口が最大となると、第2油圧モータ2が最大傾転量に固定される。このように、最大傾転固定弁21、第2サーボ弁28及び第2傾転シリンダ27により、第2油圧モータ2の傾転量(吐出容量)を最大に固定する最大傾転固定手段20を構成する。
【0035】
コントローラ30は、オペレータの操作によるHi−Loシフトスイッチ31からのHi−Loシフト信号と、車速センサ32からの車速信号を入力すると、Hi−Loシフト信号と車速信号とにより、図2に示す各弁13,11,21,24のソレノイドに出力するON,OFF信号を演算する。コントローラ30のa端子は最大傾転固定弁21のソレノイドに、b端子はクラッチ切換弁24のソレノイドに、c端子は小傾転固定弁13のソレノイドに、d端子は0傾転固定弁11のソレノイドに、それぞれ、図2に詳細を示すように車速に対してON−OFF信号を出力するように接続される。
【0036】
図2(A)のグラフは横軸に車速をとり、縦軸に第1、2油圧モータの傾転量を吐出容量(cc/rev)で示し、車両を停止の状態からアクセルをフルに操作した時における油圧ポンプの吐出量に対する車速と各油圧モータの傾転量との関係を表しており、油圧モータの負荷には関係しない。このため、エンジンのパーシャル操作時には矢印Q方向に平行移動する。図2(B)は(A)の横軸にとった車速に対する、図1に示す各弁13,11,21、24のソレノイドのON,OFF関係を示す図である。図2は(A)、(B)共に、増速は実線で示され、減速は破線で示して区別する。
【0037】
図2(B)において、コントローラ30がHiシフト信号を入力しているときには、小傾転固定弁13は、増速時および減速時共に車速に関係なくOFFに設定される。また、増速時に車速が約13km/hまではHiシフト信号によりON、Loシフト信号によりOFFに自在に切り換え可能である。減速時に車速が約18km/h以上でHiからLoに切り換えた場合には、車速が約18km/h以下では自動的にONに切り換わる。0傾転固定弁11は、増速時に車速が約16km/hまではOFF、車速が約16km/hを超えるとONされる。減速時に車速が約18km/hまではON、車速が約18km/hより低速ではOFFされる。最大傾転固定弁21は、増速時に車速が約16km/hまではON、車速が約16km/hを超えるとOFFされる。減速時に車速が約18km/hになると自動的にONに切り換わるが、約18km/hを超える車速でもHiからLoに切り換えると直ちにONに切り換わる。クラッチ切換弁24は、増減速時に係わらず車速が約19km/hまではON、車速が約19km/hを超えるとOFFされる。
【0038】
次に、第1実施例の作用について説明する。
(1)車両の増速時の作動(図2に示す車速が16km/h以下の低速域)
コントローラ30にHiシフト信号と車速信号が入力されると、図2に示すように、Hiシフト信号により小傾転固定弁13はOFFとなり、また、低速域のため0傾転固定弁11はOFF、最大傾転固定弁21はON、クラッチ切換弁24はONとなる。
【0039】
前進(F)時に車両が駆動され始めるときには、高圧となった第1主回路17の駆動圧Pacは、FR切換弁6のF位置を経由して第1傾転シリンダ7のロッド室7aと、第1サーボ弁8の第1パイロット受圧部8aと、第1サーボ弁8のPポートとに供給される。また、図示しないアクセルペダル等によって制御されるエンジン回転速度に比例する可変制御圧Pmは、FR切換弁6のF位置、シヤトル弁12を介して第1サーボ弁8の第2パイロット受圧部8bに供給される。これら第2パイロット受圧部8bの可変制御圧Pmと第1パイロット受圧部8aの駆動圧Pacおよびばね8cによる付勢力がバランスする位置まで第1サーボ弁8が制御される。車両が駆動され始めるときにはPm≪Pacであるため、第1サーボ弁8のPポートとAポートを連通する開口(以後、第1開口という)が小さくなる。そのため、Pポートの駆動圧Pacの減圧量が多くなり、第1傾転シリンダ7のボトム室7bに供給される油圧が低いため、第1油圧モータ1は最大傾転量となる。また、最大傾転固定弁21はONのため、第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに制御ポンプ23の制御圧が作用する。このため、第2サーボ弁28のPポートとAポートを連通する開口(以後、第2開口という)が大きくなる。そのため、Pポートの駆動圧Pacは減圧されずに、第2傾転シリンダ27のボトム室27bに供給される油圧が高いため、第2油圧モータ2は最大傾転量に固定される。このように、車両は二つの油圧モータ1,2の最大傾転量による最大トルクで起動を開始する。
【0040】
起動を開始した当初は駆動圧Pacの最高圧を制限する図示しないリリーフ弁により大部分リリーフするが、リリーフ流量が徐々に減少して各油圧モータ1、2に供給される流量が増加する。このため、図2(A)に示すように、約4km/hまでは各油圧モータ1、2の傾転量が一定でも増速する。その後、車両の駆動トルクが徐々に減少して駆動圧Pacが低下して、段々、(Pmの付勢力)>(Pacの付勢力)となり第1サーボ弁8の第1開口が大きくなるため、Aポートから第1傾転シリンダ7のボトム室7bに供給される油圧が高くなる。このため、低下した駆動圧Pacは、第1ピストン7のロッド室7bにも送られるが、ピストンロッド7cを左方向に移動させて、第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量D)を減少させる。この状態を続けて車速が約16km/hになると第1油圧モータ1はほぼ0傾転量になる。このときはストッパシリンダ14は浮き状態となっているため、ストッパ7dがピストンロッド14aに当接しても更に第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量D)がほぼ0傾転量になるまで減少し続ける。
【0041】
(2)車両の増速時の作動(図2に示す車速が16km/hを超える高速域)
同時に、図2に示すように、Hiシフト信号により傾転固定弁13はOFFのままで、高速域のため0傾転固定弁11はON、最大傾転固定弁21がOFFに切り換わる。
【0042】
0傾転固定弁11を介して供給される駆動圧Pacは、シヤトル弁12を介して第1サーボ弁8の第2パイロット受圧部8bに供給され、第1パイロット受圧部8aの駆動圧Pacによる付勢力とばね8cによる付勢力に打ち勝って、第1サーボ弁8の第1開口が最大になるまで制御する。このため、低下した駆動圧Pacは、第1傾転シリンダ7のロッド室7aにも送られるが、第1サーボ弁8のAポートから第1傾転シリンダ7のボトム室7bに送られると、ロッド室7aとボトム室7bの受圧面積差によりピストンロッド7cを左方向に移動させる。このときは、小傾転固定弁13はOFFのままであるため、ストッパシリンダ14のピストンロッド14aは収縮しており、第1傾転シリンダ7のピストンロッド7cに固定されたストッパ7dがピストンロッド14aに当接するまで移動する。このため、第1油圧モータ1の図示しない斜板の傾転量角はほぼ0傾転量まで移動して第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量)をほぼ0に固定する。その後、車速が約19km/hに達したらクラッチ切換弁24がOFFとなり駆動軸3から遮断される。
【0043】
また、最大傾転固定弁21はOFFとなるため、第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに制御ポンプ23の制御圧が作用しないため、第2サーボ弁28の第2開口が減少して、第2傾転シリンダ27のボトム室27bの油圧が低下する。そのため、第2油圧モータ2は最大傾転量としていた固定が解除される。
【0044】
(3)車両の減速時の作動(図2に示す車速が16km/hを超える高速域)
図2に示すように、車両の増速時の作動(高速域)と同様に、小傾転固定弁13はOFF、0傾転固定弁11はON、最大傾転固定弁21はOFF、クラッチ切換弁24はOFFままである。そのため、第1油圧モータ1はほぼ0傾転量に固定されるが、第2油圧モータ2は最大傾転量とする固定が解除されるため、減速により高くなった、主回路28の制動圧Pbrがシャトル弁29を介して第2サーボ弁28の第1パイロット受圧部28aに作用して第2サーボ弁28の第2開口を最大にする。このため、第2傾転シリンダ27のボトム室27bの油圧が高くなり第2油圧モータ2は最大傾転量となって、図2に破線で示すように、最大制動トルクにより車速が約19km/hまで減速されると、先ずクラッチ切換弁24がONに切り換わった後、小傾転固定弁13はOFFのままで、0傾転固定弁11はOFF、最大傾転固定弁21はONに切り換わる。そのため、車速が約19km/hになるとクラッチ5が接続された後、第1油圧モータ1をほぼ0傾転量にする固定が解除される。
【0045】
(4)車両の減速時の作動(図2に示す車速が16km/h以下の低速域)
第1油圧モータ1をほぼ0傾転量にする固定を解除した後は、車速の減少に伴って駆動圧Pacが増加し始めるため、第1油圧モータ1は最小傾転量から最大傾転量まで増加する。このように、第1油圧モータ1の傾転量が0より所定量だけ大きい小傾転量に固定されると共に、第2油圧モータ2の傾転量は最大に固定される。従って、この時には第1油圧モータと第2油圧モータとを合わせた制動トルクが大きいため車両のオーバランが防止される。更に減速されて車速が4km/h以下になると第1油圧モータも最大傾転となるが図示しない主回路に設置されたリリーフ弁からリリーフする油量が増加して車両は更に減速する。
【0046】
車速に対する第1油圧モータ1および第2油圧モータ2の回転と牽引力の関係を図3に示す。図3の横軸の尺度は、図2の車速と同尺に表示されている。第1油圧モータ1の回転と第2油圧モータ2の回転とは減速機4の減速比により、同一回転になるように結合されて駆動軸3に出力される。また、0傾転量時の許容回転はHiモードのときの許容回転であり、小傾転量時の許容回転はLoモードのときの許容回転である。
【0047】
なお、図1では油圧ポンプ16と第1油圧モータ1および第2油圧モータ2とを接続する第1主回路17および第2主回路18はクローズド回路で示してあるが、これに限るものではなくオープン回路でも同様に本発明が成り立つことは勿論である。
【0048】
本発明の第2実施例を図4〜6により説明する。図4、5に示す第2実施例の制御回路図は、図1に示す第1実施例の、0傾転固定弁11を11A(0傾転固定手段10を10A)に、小傾転固定弁13を13Aに、最大傾転固定弁21を21Aに、クラッチ切換弁24を24Aに、コントローラ30を制御弁手段30Aに、車速センサ32を油圧式車速検出手段32Aに、それぞれ置き換えて構成される。その他の構成は第1実施例と同様のため説明を省略する。図6(A)は第1実施例の図2(A)と同一のため説明を省略するが、図6(B)は(A)の横軸にとった車速に対する、小傾転固定弁13A、0傾転固定弁11A、傾転固定制御弁11B、及びクラッチ切換弁24Aの各弁の作動関係を示す図で、増速を実線で示し、減速を破線で示して区別する。
【0049】
油圧式車速検出手段32Aは、減速機4で駆動される車速検出ポンプ32aと、車速検出ポンプ32aが回転方向に応じて吐出する車速信号圧Pvを選択する高圧選択弁32bと、高圧選択弁32bとタンク19とを結ぶ管路に介設された絞り32cと、タンク19から車速検出ポンプ32aに油を吸い込む吸込弁32dとを備える。油圧式車速検出手段32Aは、車速検出ポンプ32aの吐出油が油圧選択弁32bと絞り32cとを介してドレンするときに生じる車速信号圧Pv(車速に比例)により車速を検出する。
【0050】
制御弁手段30Aは、傾転固定制御弁11BとHi−Lo切換電磁弁13Bとスローリターン弁25とを備える。傾転固定制御弁11Bは、スローリターン弁25を介して供給される車速信号圧Pvをパイロット圧として、図6(B)に示すように、車速が16km/hまではa位置に、車速が16km/h以上ではb位置になる。傾転固定制御弁11Bは、増速時には車速が16km/hで直ちにb位置に切り換わり、減速時にはスローリターン弁25により車速が16km/hのときから徐々にa位置に切り換わる。傾転固定制御弁11Bのa位置では制御ポンプ23の吐出口を最大傾転固定弁21Aの入口ポートに接続し、小傾転固定弁13Aの浮き側パイロット受圧部及び0傾転固定弁11Aの各パイロット受圧部をタンク19に接続する。また、傾転固定制御弁11Bは、b位置で制御ポンプ23の吐出口をクラッチ切換弁24Aの入口ポートと、小傾転固定弁13Aの浮き側パイロット受圧部及び0傾転固定弁11Aの各パイロット受圧部とに接続し、最大傾転固定弁21Aの入口ポートをタンク19に接続する。
【0051】
Hi−Lo切換電磁弁13Bは、Hi−Loシフトスイッチ31によりソレノイドが消磁されるとHi位置に、励磁されるとLo位置になる。Hi位置で小傾転固定弁13Aの伸長側パイロツト受圧部及び最大傾転固定弁21Aのパイロット受圧部をタンク19に接続する。また、Lo位置で制御ポンプ23の吐出口を小傾転固定弁13Aの伸長側パイロツト受圧部及び最大傾転固定弁21Aのパイロット受圧部に接続する。なお、クラッチ切換弁24Aは図6(B)に示すように、車速が19km/h以下ではa位置となり、車速が19km/hを超えるとb位置となり、出口ポートはクラッチ5に接続される。また、最大傾転固定弁21Aの出口ポートは第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに接続される。
【0052】
第2実施例の作用について説明する。
(1)車両の増速時の作動(図6に示す車速が16km/h以下の低速域)
Hi−Lo切換電磁弁13Bを消磁してHi位置にすると、小傾転固定弁13Aの伸長側パイロツト受圧部及び最大傾転固定弁21Aのパイロット受圧部がドレンする。また、車速信号圧Pvが低圧のため傾転固定制御弁11Bとクラッチ切換弁24Aとは共にa位置となる。このように制御回路は図4に示す状態となるため、小傾転固定弁13Aの浮き側パイロット受圧部及び0傾転固定弁11Aの各パイロット受圧部はドレンされる。このため、0傾転固定弁11Aは遮断位置にあると共に、小傾転固定弁13Aはばね力により浮き位置に切り換わってストッパシリンダ14を浮き状態とする。また、クラッチ油圧はクラッチ切換弁24Aのa位置を介してドレンするためクラッチ5が接続される。さらに、一定制御圧Pcは傾転固定制御弁11Bのa位置と最大傾転固定弁21AのHi位置を介して第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに供給され、第2サーボ弁28のPポートとAポートとを連通する第2開口が増加する。
【0053】
図4に示すように、前進(F)時に車両が駆動され始めるときには、高圧となった第1主回路17の駆動圧Pacは、FR切換弁6のF位置を経由して第1傾転シリンダ7のロッド室7aと、第1サーボ弁8の第1パイロット受圧部8aと、第1サーボ弁8のPポートとに供給される。また、図示しないアクセルペダル等によって制御されるエンジン回転速度に比例する可変制御圧Pmは、FR切換弁6のF位置、シヤトル弁12を介して第1サーボ弁8の第2パイロット受圧部8bに供給される。これら第2パイロット受圧部8bの可変制御圧Pmと第1パイロット受圧部8aの駆動圧Pacおよびばね8cによる付勢力とがバランスする位置まで第1サーボ弁8が制御される。車両が駆動され始めるときにはPm≪Pacであるため、第1サーボ弁8のPポートとAポートを連通する第1開口が小さくなる。そのため、Pポートの駆動圧Pacが減圧されて第1傾転シリンダ7のボトム室7bに供給される油圧が低いため、図6(A)に示すように、第1油圧モータ1は最大傾転量となる。また、第2サーボ弁28の第2開口は増加するためPポートの駆動圧Pacは減圧されずに第2傾転シリンダ27のボトム室27bに供給されるため、図6(A)に示すように、第2油圧モータ2を最大傾転量に固定する。このため、二つの油圧モータ1,2は共に最大傾転量であるため、車両は最大トルクで起動を開始する。なお、一定制御圧Pcを可変制御圧Pmの最大値より大きく設定すれば、0傾転固定弁11Aを省略して傾転固定制御弁11Bの出口ポートを直接、シャトル弁12に接続してもよい。
【0054】
起動を開始した当初は駆動圧Pacの最高圧を制限する図示しないリリーフ弁により大部分リリーフするが、リリーフ流量が徐々に減少して各油圧モータ1、2に供給される流量が増加する。このため、図6(A)に示すように、約4km/hまでは各油圧モータ1、2の傾転量が一定でも増速する。その後、車両の駆動トルクが徐々に減少して駆動圧Pacが低下して、段々、(Pmの付勢力)>(Pacの付勢力)となり第1サーボ弁8の第1開口が大きくなるため、Aポートから第1傾転シリンダ7のボトム室7bに供給される油圧が高くなる。このため、低下した駆動圧Pacは第1ピストン7のロッド室7aにも送られるが、面積差によりピストンロッド7cを左方向に移動させて、第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量D)を減少させる。このときはストッパシリンダ14は浮き状態となっているため、ストッパ7dがピストンロッド14aに当接しても更に第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量D)がほぼ0になるまで減少し続ける。このとき、制御弁手段30Aはスローリターン弁25を介して供給される車速信号圧Pvが、図6(B)に示されるように16km/hのとき傾転量をほぼ0に固定する。
【0055】
このとき、第1油圧モータ1の傾転量が0傾転量より大きい所定の小傾転量に達するまでの間に、Hi−Lo切換電磁弁13Bのソレノイドを励磁してLoモードにすると、図5に示す状態となり、一定制御圧Pcが小傾転固定弁13Aの伸長側パイロツト受圧部及び最大傾転固定弁21Aのパイロット受圧部に供給される。このため、小傾転固定弁13Aが伸長位置に切り換わり、第1油圧モータ1の小傾転量を規定するように伸長したピストンロッド14aにストッパ7dが当接して、図6(A)に示すように、第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量D)は小傾転量まで減少してその小傾転量に固定される。このため、Hiモードに比べて第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量D)が大きい分だけ低速、高トルクとなる。同時に、一定制御圧Pcが第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに供給されるため、第2油圧モータ2の傾転量(吐出容量D)は最大傾転量になるまで増加して固定される。このため、第2油圧モータ2も低速、高トルクとなる。このように、増速時に車速が約13km/hまではHi−Loモード信号により浮き位置と伸長位置とに自在に切り換え可能である。
【0056】
(2)車両の増速時の作動(図6に示す車速が16km/hを超える高速域)
Hi−Lo切換弁13Bと最大傾転固定弁21AがHi位置に切り換えられたままで車速信号圧Pvが高圧になると、傾転固定制御弁11Bがb位置となった後に、クラッチ切換弁24Aがb位置となる。このため、小傾転固定弁13Aの浮き側パイロット受圧部及び0傾転固定弁11Aの各パイロット受圧部に一定制御圧PC が供給される。また、小傾転固定弁13Aの伸長側パイロツト受圧部及び最大傾転固定弁24Aの各パイロット受圧部はドレンする。従って、図6(B)に示すように、0傾転固定弁11Aは連通位置に切り換わる共に、小傾転固定弁13Aは浮き位置に切り換わってストッパシリンダ14を浮き状態とする。また、第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bは最大傾転固定弁21AのHi位置と傾転固定制御弁11Bのb位置とを介してドレンする。このため、図6に示すように、第2油圧モータ2は最大傾転量にする固定を解除される。
【0057】
0傾転固定弁11Aが連通位置になると、駆動圧Pacは、シヤトル弁9と0傾転固定弁11Aの連通位置とシヤトル弁12を介して、第1サーボ弁8の第2パイロット受圧部8bに供給されるが、第2パイロット受圧部8bの受圧面積は第1パイロット受圧部8aより大きいので、第1パイロット受圧部8aの駆動圧Pacによる付勢力とばね8cによる付勢力に打ち勝って、第1サーボ弁8の第1開口が最大になるまで制御する。このため、駆動圧Pacは第1傾転シリンダ7のロッド室7aに送られるが、第1サーボ弁8のAポートから第1傾転シリンダ7のボトム室7bにも送られると、ロッド室7aとボトム室7bの受圧面積差によりピストンロッド7cを左方向に移動させる。このときは、小傾転固定弁13Aは浮き位置のままであるため、ストッパシリンダ14のピストンロッド14aは第1傾転シリンダ7のピストンロッド7cに固定されたストッパ7dに押されてほぼ0傾転量まで移動して第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量)をほぼ0に固定する。その後、車速が19km/hに達すると、クラッチ切換弁24Aのb位置を介してクラッチ5には一定制御圧PC が供給されるためクラッチはフリーとなり、図6(A)に示すように、第2油圧モータ2だけにより車両が駆動される。
【0058】
(3)車両の減速時の作動(図6に示す車速が16km/hを超える高速域)
車両の増速時の作動(高速域)と同様に、Hi−Lo切換電磁弁13Bと最大傾転固定弁21AがHi位置に、0傾転固定弁11Aは連通位置に、小傾転固定弁13Aは浮き位置に、クラッチ切換弁24Aはb位置に切り換えられたままである。そのため、第1油圧モータ1はほぼ0傾転量に固定されるが、第2油圧モータ2は最大傾転量とする固定が解除されてフリーである。従って、車両の減速により高くなった第2主回路28の制動圧Pbrがシャトル弁29を介して第2サーボ弁28の第1パイロット受圧部28aに作用して第2サーボ弁28の第2開口を最大にする。このため、第2傾転シリンダ27のボトム室27bの油圧が高くなり、図6(A)に示すように、第2油圧モータ2は最大傾転量(破線で示す)となって第2油圧モータ2の最大制動トルクで車両を減速する。
【0059】
この状態でHi−Lo切換電磁弁13Bのソレノイドを励磁してLoモードにすると、一定制御圧Pcが小傾転固定弁13Aの伸長側パイロツト受圧部及び最大傾転固定弁21Aのパイロット受圧部に供給される。また、小傾転固定弁13Aの浮き側パイロット受圧部及び0傾転固定弁11Aの各パイロット受圧部にも一定制御圧Pcが供給される。このため、小傾転固定弁13Aが浮き位置に切り換わり、伸長したピストンロッド14aにストッパ7dが当接して、第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量D)は0傾転量になるまで減少して固定される。同時に、一定制御圧Pcが第2サーボ弁28の第2パイロット受圧部28bに供給されるため、第2油圧モータ2の傾転量(吐出容量D)は最大傾転量になるまで増加して固定される。このため、第2油圧モータ2も低速、高トルクとなる。また、図6(B)に示すように、減速時には、車速が約19km/h以下ではクラッチ油圧がクラッチ切換弁24Aのa位置を介してドレンするためクラッチ5が接続される。制御弁手段30Aはスローリターン弁25を介して油圧式車速検出手段32Aから車速信号圧Pvを入力している。このため、車速の減速時には、傾転固定制御弁11Bのパイロット圧が16km/hのときの車速信号圧Pvは、第1車速16km/hより低い第2車速となる。この第2車速はスローリターン弁25のオリフィス径と車速の減速度等に応じて決まる値であり第2実施例では15km/hとなる。なお、15km/h以上の車速でHiモードからLoモードに切り換えると、直ちに傾転固定制御弁11Bはa位置に切り換わるが前記と同様のため詳細な説明は省略する。
【0060】
(4)車両の減速時の作動(図6に示す車速が16km/h以下の低速域)
車速が15km/h(傾転固定制御弁11Bのパイロット圧は16km/h)まで減速されると傾転固定制御弁11Bがa位置に切り換わるため、前記(3)で説明した車両の増速時(低速域)の作動と同様に、制御回路は図4の状態となる。図6(B)に示すように、車速が15km/hまで低下すると第1油圧モータ1の傾転量をほぼ0にする固定が解除される。このように、第1油圧モータ1の傾転量をほぼ0にする固定が解除されているのは、車両の増速時は16km/hまでであるのに対して、車両の減速時には15km/hまでである。このように、増速時に0傾転量の固定解除から固定に切り換える第1の車速(16km/h)と減速時に0傾転量の固定から固定解除に切り換える第2の車速(15km/h)とを異ならせることにより制御のハンチングが防止される。また、車速の減速時に第1油圧モータ1の傾転量をほぼ0にする固定を解除する時点(約15km/h)における第1油圧モータ1の傾転量は、増速時に比べて小さくなり制動トルクが減少する。従って、増速時の加速性能を向上させても減速ショックを防止できる。なお、電子式制御に代えて油圧式制御が可能となるため制御装置を選択する自由度が向上する。このようにして、0傾転固定弁11Aは遮断位置になると共に、小傾転固定弁13Aはばね力により浮き位置に切り換わってストッパシリンダ14を浮き状態とする。第1油圧モータ1をほぼ0傾転量にする固定を解除した後は、車速の減少に伴って駆動圧Pacが増加し始めるため、図6(A)に示すように、第1油圧モータ1は最小傾転量から最大傾転量まで増加する。従って、第2油圧モータ2が最大傾転量のままでも第1油圧モータ1の傾転量(吐出容量D)が増加することによって車両は減速する。車速が4km/h以下になると第1、第2油圧モータ共に最大傾転となるが図示しない主回路に設置されたリリーフ弁からリリーフする油量が増加して車両は更に減速する。
【0061】
なお、第1、2実施例の説明を分かり易くするために用いた各車速を示す13、15、16、18、19km/hについては、これらの大小関係を満足すればこれらの数値に限定されるものではない。また、車速に対する第1、第2油圧モータの各回転速度と牽引力の関係については図3に示す第1実施例と同様のため説明を省略する。
【0062】
以上、各実施例によれば、第1油圧モータがほぼ0傾転量の状態に固定されると、油圧ポンプが吐出する油量は全て第2油圧モータだけで供給されて駆動軸は第2油圧モータだけで駆動される。そのため、第1油圧モータが0傾転になった分だけ駆動軸のトルクは減少するが、第1油圧モータを駆動する油量分だけ第2油圧モータ(即ち、駆動軸)の回転速度が増加する。従って、従来技術のように、連通・遮断弁を設ける必要がないため、コンパクトかつ低コストで、高トルク・低速駆動と、低トルク・高速駆動とが得られる。また、変速ショックや油圧モータの負荷抜けを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わる制御回路図である。
【図2】(A)は図1に示す各油圧モータの吐出容量Dと車速Vとの関係を示す図、(B)は各弁と車速との関係を示す図である。
【図3】図1に示す各油圧モータの回転速度及び牽引力と車速Vとの関係を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例に係わる制御回路図(Hiモード)である。
【図5】本発明の第2実施例に係わる制御回路図(Loモード)である。
【図6】(A)は図4に示す各油圧モータの吐出容量Dと車速Vとの関係を示す図、(B)は各弁と車速との関係を示す図である。
【図7】従来の油圧モータとクラッチの制御装置の制御回路図である。
【図8】図7に示す油圧モータの吐出容量Dと車速Vとの関係(Loモード)を示す図である。
【図9】図7に示す油圧モータの吐出容量Dと車速Vとの関係(Hiモード)を示す図である。
【符号の説明】
1…第1油圧モータ、2…第2油圧モータ、3…駆動軸、4…減速機、5…クラッチ、6…FR切換弁、7…第1傾転シリンダ、7d…ストッパ、8…第1サーボ弁、8c…ばね、9…シヤトル弁、10…0傾転固定手段、11、11A…0傾転固定弁、11B…傾転固定制御弁、12…シヤトル弁、13、13A…小傾転固定弁、13B…Hi−Lo切換弁、14…ストッパシリンダ、14a…ピストンロッド、15…エンジン、16…油圧ポンプ、17…第1主回路、18…第2主回路、19…タンク、20…最大傾転固定手段、21、21A…最大傾転固定弁、22…リリーフ弁、23…制御ポンプ、24、24A…クラッチ切換弁、25…スローリターン弁、27…第2傾転シリンダ、28…第2サーボ弁、29…シヤトル弁、30…コントローラ、30A…制御弁手段、31…Hi−Loシフトスイッチ、32…車速センサ、32A…油圧式車速検出手段、32a…車速検出ポンプ、32b…高圧選択弁、32c…絞り、32d…吸込弁、Pv…車速信号圧、Pac…駆動圧、Pbr…制動圧、Pc…一定制御圧、Pm…可変制御圧。

Claims (9)

  1. 複数の油圧モータの出力で一つの駆動軸を駆動すると共に、複数の油圧モータのいずれかはクラッチを介して駆動軸を駆動する複数の油圧モータとクラッチの制御装置において、
    駆動軸(3) に常時接続された第2油圧モータ(2) と、
    駆動軸(3) にクラッチ(5) を介して接続された可変容量型の第1油圧モータ(1)と、
    第1油圧モータ(1) の駆動側油圧(Pac) を受けて、第1油圧モータ(1) の傾転量を制御する第1傾転制御手段(7,8)と、
    第1油圧モータ(1) がほぼ0傾転量に制御された状態で、第1油圧モータ(1) の傾転量を固定する0傾転固定手段(10,10A)とを備え
    前記第1傾転制御手段 (7,8) は、第1サーボ弁 (8) と第1傾転シリンダ (7) を有し、エンジン回転速度に比例する可変制御圧 (Pm) に基づいて第1サーボ弁 (8) で調圧された圧力により第1傾転シリンダ (7) の伸縮量を調整して第1油圧モータ (1) の傾転量を制御するものであり、
    前記0傾転固定手段 (10,10A) は、前記可変制御圧 (Pm) による制御に優先して前記第1サーボ弁 (8) を作動させることにより、前記第1傾転シリンダ (7) を強制的に小傾転側に移動させ保持するものである
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置。
  2. 請求項1において、
    さらに、第1油圧モータ(1) の最小傾転量を0でない所定の傾転量に制限するための、前記第1傾転シリンダ(7)の小傾転側への移動を規制するストッパ手段(7d,14a)備える
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置。
  3. 請求項2において、
    ストッパ手段(7d,14a)は、第1傾転シリンダ(7) のピストンロッド(7c)に固定されたストッパ(7d)と、ストッパ(7d)に当接するピストンロッド(14a)を有するストッパシリンダ(14)とを備える
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    クラッチ(5) を接続状態とフリー状態とに切り換えるクラッチ切換手段(24)と、
    駆動軸(3)の増速時には、駆動軸 (3) が所定回転速度を超えたとき、0傾転固定手段(10)により第1油圧モータ(1)の傾転量をほぼ0に固定した後、クラッチ(5) をフリーとし、かつ、駆動軸(3) の減速時には、駆動軸 (3) が所定回転速度以下になったとき、第1油圧モータ(1)の傾転量をほぼ0にする固定を解除する前に、クラッチ(5) を接続する指令をクラッチ切換手段(24)に出力するコントローラ(30)とを備える
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置。
  5. 請求項1において、
    クラッチ(5) を接続状態とフリー状態とに切り換えるクラッチ切換手段(24)と、
    駆動軸(3) の回転速度を検出する回転センサ(32)と、
    回転センサ(32)から駆動軸(3) の回転速度信号を入力し、駆動軸(3)の増速時には、駆動軸(3) が第1所定回転速度以下のときに第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0にする固定を解除すると共に、駆動軸(3) が第1所定回転速度を超えると第1油圧モータ(1)の傾転量をほぼ0に固定し、かつ、駆動軸(3) の減速時には、駆動軸(3) が第2所定回転速度以上のときに第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0に固定すると共に、駆動軸(3)が第2所定回転速度より低下すると第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0にする固定を解除する指令を0傾転固定手段(10)に出力し、また、駆動軸(3) の増速時には、駆動軸 (3) が第1所定回転速度を超えたときに第1油圧モータ(1) の傾転量を固定したのちクラッチをフリーとし、かつ、駆動軸(3) の減速時には、駆動軸 (3) が第2所定回転速度より低下したときに第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0にする固定を解除する前に、クラッチ(5) を接続する指令をクラッチ切換手段(24)に出力するコントローラ(30)とを備える
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置。
  6. 請求項5において、
    第2油圧モータ(2) の傾転量を制御する第2傾転シリンダ(27)と、
    第2油圧モータ(2) の吸入管路および吐出管路のうち高い方の油圧に応じて第2傾転シリンダ(27)の制御圧を出力する第2サーボ弁(28)と、
    第2傾転シリンダ(27)が第2油圧モータ(2) を最大傾転量に固定するように、第2サーボ弁(28)を制御する最大傾転固定弁(21)とを備え、
    コントローラ(30)は、駆動軸(3) の増速時、駆動軸 (3) が第1所定回転速度以下のときには、第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0にする固定を解除するとともに、第2油圧モータ(2) の傾転量を最大に固定し、駆動軸 (3) が第1所定回転速度を超えたときには、第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0に固定するとともに、第2油圧モータ(2) の傾転量を最大にする固定を解除する信号を、また、駆動軸(3)の減速時、駆動軸 (3) が第2所定回転速度以上のときには、第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0に固定するとともに、第2油圧モータ(2)の傾転量を最大にする固定を解除し、駆動軸 (3) が第2所定回転速度より低下したときには、第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0傾転量にする固定を解除するとともに、第2油圧モータ(2)の傾転量を最大に固定する信号を最大傾転固定弁(21)に出力する
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置。
  7. 請求項1において、
    クラッチ(5) を接続状態とフリー状態とに切り換えるクラッチ切換手段(24A)と、
    車速に比例する車速信号圧(Pv)で車速を検出する油圧式車速検出手段(32A) と、
    油圧式車速検出手段(32A) から車速信号圧(Pv)を入力して車速の増速時には、車速信号圧(Pv)が第1所定値以下のとき第1油圧モータ(1)の傾転量をほぼ0にする固定を解除し、車速信号圧(Pv)が第1所定値を超えると第1油圧モータ(1)の傾転量をほぼ0に固定し、かつ、車速の減速時には、車速信号圧(Pv)が第1所定値より低い第2所定値以上のとき第1油圧モータ(1)の傾転量をほぼ0に固定し、車速信号圧(Pv)が第2所定値より低下すると、第1油圧モータ(1)の傾転量をほぼ0にする固定を解除する信号圧を0傾転固定手段(10A) に出力し、かつ、車速の増速時には、車速信号圧 (Pv) が第1所定値を超えたときに、第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0に固定したのちクラッチ(5) をフリーにし、車速の減速時には、車速信号圧 (Pv) が第2所定値より低下したときに、第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0にする固定を解除する前に、クラッチ(5)を接続する信号圧をクラッチ切換手段(24A) に出力する制御弁手段(30A) とを備える
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置。
  8. 請求項7において、
    第2油圧モータ(2) の傾転量を制御する第2傾転シリンダ(27)と、
    第2油圧モータ(2) の吸入管路および吐出管路のうち高い方の油圧を受けて、第2傾転シリンダ(27)の制御圧を出力する第2サーボ弁(28)と、
    第2傾転シリンダ(27)が第2油圧モータ(2) を最大傾転量に固定するように、第2サーボ弁(28)を制御する最大傾転固定弁(21A)とを備え、
    制御弁手段(30A) は、第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0にする固定を解除するときに、第2油圧モータ(2)の傾転量を最大に固定し、第1油圧モータ(1) の傾転量をほぼ0に固定するときに、第2油圧モータ(2) の傾転量を最大にする固定を解除する信号圧を最大傾転固定弁(21A)に出力する
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置。
  9. 請求項8において、
    第1油圧モータ(1) の傾転量を0より所定量だけ大きい小傾転量に固定する小傾転固定手段(14,14a,7d)と、
    小傾転固定手段(14,14a,7d) を駆動する小傾転固定弁(13A)とを備え、
    制御弁手段(30A) は、第1油圧モータ(1) の傾転量を小傾転量に固定する信号圧を小傾転固定弁(13A)に出力するときに、第2油圧モータ(2) の傾転量を最大に固定する信号圧を最大傾転固定弁(21A) に出力する
    ことを特徴とする複数の油圧モータとクラッチの制御装置
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