JP2004286229A - 油圧式駆動装置の変速装置 - Google Patents

油圧式駆動装置の変速装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 建設機械等においても開回路式を用いて、建設機械車両、農業機械、自動車等の走行の効率、あるいは制御性、信頼性の良い油圧式駆動装置の変速装置を提供する。
【解決手段】 油圧ポンプと、可変容量型油圧モータと、前後進を切り換えるクローズド・センター切換弁とからなる油圧式駆動装置の変速装置において、シフタ選択位置センサと、モータ回転速度センサと、切換弁と油タンクとの間の戻り回路の戻り圧力を制御する2段背圧弁と、シフトレバーの選択の変化、及び、モータ回転速度センサからのモータ回転速度と記憶されているモータの最低許容回転速度および最大許容回転速度、とを比較し、油圧モータの回転速度がモータの最低許容回転速度および最大許容回転速度の間にあるとき、クローズド・センター切換弁、2段背圧弁、および、可変容量型油圧モータに指令を出力する制御装置とからなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、油圧式駆動装置の変速装置に係わり、特には、建設機械車両、農業機械、自動車等に用いる油圧式駆動装置の変速装置に関する。
従来、建設機械車両、農業機械、自動車等に用いる動力伝達装置には、機械式、油圧式、電気式等いろいろな形式のものがあるが、建設機械車両の小型車両については、特許文献1のような油圧式のものが比較的に多く使用されている。油圧式は走行速度がゼロから無段階に変換できるので操作性に優れている良さが評価されているためである。その反面、機械式より効率が劣ることや、コストが高いという短所がある。ところが、ホイール式パワーショベル等の建設機械では、掘削、排土等を行う作業機が搭載され、この作業機を作動させるためにエンジンの全出力を油圧ポンプにより変換して用いているため、逆に油圧式の駆動装置を用いた方が安価になるという場合もある。また、このような油圧式の駆動装置を用いた場合には、閉回路式、あるいは、開回路式の2方式があり、それぞれ異なった特徴があり、用途に応じて用いられている。例えば、走行を主体とする建設機械において走行以外に大流量の油圧が必要な場合には開回路式の方式が用いられている。また、作業機では操作性の向上より、最近ではクロズドセンター・ロードセンシング回路が用いられ、これに、クロズドセンター弁が採用されている。一方では、走行の効率、あるいは、制御性を重要視する場合には閉回路式が用いられている。また、従来では、図16に示すカウンタバランス弁を用いた回路であり、カウンタバランス弁の戻り油を制御し、坂道を下降するときの速度制御(暴走の防止)を行っている。図16において、エンジン等の駆動源1により駆動される可変容量型油圧ポンプ210と、油圧ポンプ210の容積を制御する容量制御装置211と、前後進切換弁212と、切換弁を制御する比例電磁弁213、214と、カウンタバランス弁215と、可変容量型油圧モータ216と、油圧モータ216の容積を制御する容量制御装置217と、からなっている。
特開平5−263926号公報
上記従来の回路では次の問題が生ずる。走行回路にカウンタバランス弁を用いた場合には、前後進切換弁、カウンタバランス弁を絞り制御しているために効率が低下するとともに、走行時に発熱するために大きい冷却器、および、より大きい出力のエンジンが必要になり、車両が大きくなり、コストアップにもなる。作業性を重視した車両において、走行回路にクロズドセンター弁を用いると、カウンタバランス弁と同様にバルブを絞って制御しているために同様な不具合が生じ、特に、高速で、長距離走行する車両では抵抗が大きくなり効率が低下するとともに、発熱量も多くなり、大きな冷却器が必要になる。
さらに、開回路式を走行の効率、あるいは制御性を重要視する建設機械等の油圧式駆動装置の変速装置に用いると次の問題が生ずる。中立から前進、前進から後進、あるいは、後進から前進等の前後進の変速を行なうとき、現在の車速のいかんにかかわらずに発進あるいは変速操作を行うが、シフトレバーの進行方向と実車の進行方向に食い違いがあった場合に、モータ回転がゼロになるまではブレーキ動作が行われるが、このことを認識せずに制御を行うとキャビテーションが生じたり、過剰なブレーキがかかるという不具合が発生する。例えば、前進方向に高速で回転しているのを後進方向に変速を切り換えた場合の実施例を図15に示している。図15において、(a)図は前進側の電磁比例弁の作動により、方向切換弁に対して前進方向に作用させるパイロット圧力を示している。
(b)図は後進側の電磁比例弁の作動により、方向切換弁に対して後進方向に作用させるパイロット圧力を示している。
(c)図は油圧モータを前進方向に回転させるための圧力(Pa)を示している。
(d)図は油圧モータを後進方向に回転させるための圧力(Pb)を示している。
(e)図は油圧モータの押しのけ容積を制御する斜軸を作動させる電磁比例弁のパイロット圧力を示している。
(f)図は油圧モータ出力軸の回転速度で、前進方向の回転から減速していることを示している。
図15(a)のW点まではパイロット圧力を前進方向に作用させ、図15(b)のW点からはパイロット圧力を後進方向に作用させている。これにより、(f)図に示すようにW点から油圧モータにブレーキがかかり出力軸は減速しているが、このとき、(c)図の油圧モータの供給側の圧力(Pa)は方向切換弁が閉じられるためにゼロになる。(d)図の油圧モータを後進方向に回転させるための圧力(Pb)は、油圧モータが車両の慣性により前進方向に回転しているが、前進側の供給が既に断たれているためにV点でキャビテーションが発生していることを示している。このように、前進方向に高速で回転してのを後進方向に変速を切り換えた場合にキャビテーションが発生して油圧機器の寿命を低下させるとともに、ブレーキ作用ができず制御不能となるという問題がある。
また、車両を駆動する油圧モータの出力軸に、クラッチによりトルクを断続する副変速機を設けた場合には、シフトレバーの選択の変化をさせ、前後進を切り換えたときに切り換える前の油圧モータの回転速度あるいは回転方向と、車両の惰行運転による連れ回りによる油圧モータの回転速度あるいは回転方向とがマッチングせずに油圧モータが破損するという問題がある。
本発明は上記従来の問題点に着目し、油圧式駆動装置の変速装置およびその変速制御方法に係わり、特には、建設機械等においても開回路式を用いて、建設機械車両、農業機械、自動車等の走行の効率、あるいは制御性、信頼性の良い油圧式駆動装置の変速装置およびその変速制御方法の提供を目的としている。
上記目的を達成するために、第1の発明は、駆動源により駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油を受けて駆動力、回転速度を出力する可変容量型油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータの間に配設され前進と後進を切り換えるクローズド・センター切換弁とからなる油圧式駆動装置の変速装置において、シフトレバーの選択の変化を検知するシフタ選択位置センサと、油圧モータからの回転速度を検出するモータ回転速度センサと、切換弁と油タンクとの間の戻り回路の戻り圧力を制御する可変圧力の2段背圧弁と、シフトレバーの選択の変化、及び、モータ回転速度センサからのモータ回転速度と記憶されているモータの最低許容回転速度およびモータの最大許容回転速度、とを比較し、油圧モータの回転速度がモータの最低許容回転速度およびモータの最大許容回転速度の間にあるとき、クローズド・センター切換弁、2段背圧弁、および、可変容量型油圧モータに指令を出力する制御装置とからなる。
また、第2の発明は、駆動源により駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油を受けて駆動力、回転速度を出力する可変容量型油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータの間に配設され前進と後進を切り換えるクローズド・センター切換弁とからなる油圧式駆動装置の変速装置において、油圧モータの出力軸に接続され、クラッチによりトルクを断続する副変速機と、シフトレバーの選択の変化を検知するシフタ選択位置センサと、油圧モータの回転速度を検出するモータ回転速度センサと、シフタ選択位置センサからの信号によりシフトレバーの選択の変化を検知し、かつ、モータ回転速度センサからの信号により油圧モータの回転速度がモータの最低許容回転速度およびモータの最大許容回転速度の間にあるときに、車両の楕行運転により回転する油圧モータの流入出圧力を測定するために副変速機のクラッチを接続する指令を出力する制御装置とからなる。
上記構成によれば、従来ではカウンタバランス弁によりポンプからの供給量に応じたキャビティーションのないブレーキ作用を行っていたが、本発明では、開回路においてカウンタバランス弁を用いることなく、かつ、ブレーキ時と力行時に分けてクロズドセンター・ロードセンシング弁を制御し、さらに、2段切換の背圧弁を用いることによりキャビティーションを起こさずに円滑に発進、あるいは、変速をさせる。さらに、開回路式を用いて、作業機モードではクロズドセンター・ロードセンシング回路の良い点の操作性の向上が得られ、走行モードではクロズドセンター弁を開放して抵抗を少なくして発熱量を低減するとともに走行効率の向上を図ることができる。また、油圧モータを小さくするために減速比を大きくした副変速機を設け、この副変速機の伝達トルクをクラッチにより断続する場合でも、クラッチを接続して車両の楕行運転により回転する油圧モータの流入出圧力を測定し、シフトレバーの変化の位置と油圧モータの発生する流入出圧力とからブレーキ制御を行うため、油圧モータの回転速度あるいは回転方向とがクラッチを接続したときの油圧モータの回転速度あるいは回転方向とがマッチングして、油圧モータが破損するという問題がなくなり、油圧機器の信頼性が向上する。
以下に、本発明に係わる油圧式駆動装置の変速装置およびその変速制御方法の実施例につき、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の油圧式駆動装置の変速装置の1実施例を示す全体構成の概念図である。図1において、エンジン1により駆動される可変容量型油圧ポンプ10(以下、油圧ポンプ10という)は油タンク6より油を吸い込み、エンジン1の出力を圧油に変換し、変換された圧油は切換装置20を経て可変容量型油圧モータ50(以下、油圧モータ50という)に送られ、油圧モータ50で回転トルクに変換して建設機械等の車両を駆動している。エンジン1に燃料を供給する噴射ポンプ2にはアクチュエータ2aが付設され、アクチュエータ2aはコントローラ等の制御装置60からの指令を受けてエンジン1の回転速度および出力を制御する。油圧ポンプ10および油圧モータ50には押しのけ容積を可変にする斜板等を制御するサーボ装置11、51が配設されサーボ装置11、51には制御装置60からの指令を受けて切り換わる電磁切換弁を経てパイロット圧が作用して油圧ポンプ10および油圧モータ50の吐出容量を可変に制御している。
切換装置20のクローズドセンタ・ロードセンシング弁21(以下、CLSS弁21という)は3位置よりなり、両端に制御装置60からの指令を受けて切り換わる電磁切換弁41、42よりのパイロット圧が作用して前進位置(前)、あるいは後進位置(後)に切り換わる。CLSS弁21と油タンク6との間の戻り回路22には制御装置60からの指令により2段階に切り換わり、タンク6への戻り油の戻り圧力を制御する可変圧力の2段背圧弁23が配設されている。
制御装置60には、エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転速度センサ3と、油圧モータの回転速度を検出し車両の速度を検出するモータ回転速度センサ52と、油圧モータへの流出入する配管56、あるいは、57側に流出入圧力を検出するモータ圧力センサ53、54が配設されている。なお、このセンサは説明を理解し易くするために、便宜上前進側に油圧モータ50を回転させる方向に圧力が作用する配管56に取着されたセンサーを前進圧力センサ53といい反対側の配管に取着されたセンサを後進圧力センサ54という。なお、上記のモータ回転速度センサ52は回転速度と回転方向を検出するが、2個のセンサを設けて、別々に回転速度と回転方向を検出しても良い。
また、制御装置60には、車両の速度を制御するアクセルペタル61と、車両の制動を制御するブレーキペタル62と、および、車両の進行方向を選択するシフタ63が配設されている。また、アクセルペタル61にはアクセル量を検出するアクセル量検出センサ61aが、ブレーキペタル62にはブレーキ量を検出するブレーキ量検出センサ62aが、シフタ63には車両の進行方向を検出するシフタ選択位置センサ63aが付設されている。また、モード切り換えスイッチ64には、車両に付設された図示しない作業装置を動かすために選択する作業モード(S)あるいは車両の走行を選択する走行モード(M)を検出するモード検出センサ64aが付設されている。上記の各センサは制御装置60に接続され、制御装置60にはそれぞれから所定の信号が入力される。
図2は本発明の油圧式駆動装置の変速装置の図1の詳細な実施例を示す全体構成図であり、図1と同一部品には同一符号を付している。油圧ポンプ10には配管12が取着され、配管12は分岐されてその一方の配管12aには車両の駆動力用の切換装置20が接続され、また、他の配管12bは更に配管12c、12d、12e、・・に分岐され、配管12cにはアンロード弁13が、配管12d、12e、・・には作業機用の複数の作業機用CLSS弁46a、46b・・・が接続され、作業機用CLSS弁46aは作業機用のアクチュエータ47、47aへの圧油を給排している。
油圧ポンプ10のサーボ装置11は、トルクバリューコントロール弁11a(以下、TVC弁11aという)と、ロードセンシング弁11b(以下LS弁11bという)と、サーボ11cとから構成され、TVC弁11aには油圧ポンプ10の配管12からのパイロット管12wと制御装置60からの信号が接続され、TVC弁11aは制御装置60からの指令を受けて油圧ポンプ10の吐出圧力を広範囲に制御してLS弁11bに送り、油圧ポンプ10の吐出量を広範囲にわたり思いのままに制御することによりパワーモード機能を持っている。例えば制御装置60からの指令電流値が小さい場合にはポンプ吐出量を最大とし、指令電流値が大きい場合にはポンプ吐出量を減少し、ポンプ吐出容量(cc/rev)×吐出圧力を一定にする一定トルク制御等が行える。LS弁11bには油圧ポンプ10の配管12からのパイロット管12wとLS回路の管48wが接続されている。LS弁11bは油圧ポンプ10の吐出圧力(PP)と、CLSS弁21および作業機用CLSS弁46a、46b・・・のLS回路からの圧力のうちチェック弁49、49aを介して一番高い圧力(PS)とを受けている。また、LS弁11bは差圧(PP−PS)であるLS差圧(PLS=PP−PS)が一定になるように、TVC弁11aからの圧力を制御してサーボ11cに送り、油圧ポンプ10の斜板角(ポンプの吐出量)を制御している。
切換装置20は、CLSS弁21と、吸込弁31、32と、安全弁33、34とからなり、走行用のCLSS弁21には、吸込弁31、32と、安全弁33、34が付設されている。吸込弁31、32と安全弁33、34の各々の一方側はCLSS弁21と油圧モータ50との間に接続され、また他方側はCLSS弁21からの戻り回路22でCLSS弁21と2段背圧弁23との間に接続している。また、CLSS弁21の両端部には前進あるいは後進に切り換えるパイロット圧力がそれぞれの所定の端面に作用しCLSS弁21をシフタ63の操作に応じて切り換える。このパイロット圧力は、図示しないパイロツトポンプの吐出圧力が制御装置60からの指令を受けて前進用の電磁切換弁41あるいは後進用の電磁切換弁42がそれぞれ切り換わり生ずる。
油圧モータ50のサーボ装置51には、制御装置60からの指令を受けてモータ用の電磁切換弁55が切り換わり図示しないパイロツトポンプの圧力が作用し、油圧モータ50の押しのけ容積を制御している。油圧モータ50はアクセル量に応じて油圧ポンプ10からの吐出量を受けて所定の回転速度、すなわち、所定の車速を出力している。
2段背圧弁23は、制御装置60からの指令を受けて電磁切換弁24が切り換わり図示しないパイロツトポンプの圧力が2段背圧弁23に作用し戻り圧力を高い圧力あるいは低い圧力の2段階に制御している。高い圧力のときは、油圧モータ50からの排出側の戻り油を吸込弁31aあるいは吸込弁31bを通して、油圧ポンプ10から油圧モータ50への供給側の配管56、あるいは57に送油している。低い圧力のときは、そのまま油タンク6に戻している。
上記構成において、次に作動について説明する。まず、油圧式駆動装置の変速装置で油圧モータ50が起動し、トルクを伝達して車両を発進、加速、あるいは、定速走行をしている状態の力行運転がある。また、坂道を下る、減速、あるいは、車両を停止するとき等の油圧モータ50でブレーキ作用を行うブレーキ領域運転とがある。このような状態において、次に作動について図3、図4のフローチャートを用いて説明する。ステップ1でシフタ63が前進位置Fから操作せずに変化しない場合、車両が停止している状態から前進又は後進を行う場合、あるいは、前進位置Fから後進Rに若しくは反対の後進Rから前進位置Fにする場合で、かつ、油圧モータの回転が低い場合には、ステップ2のNOの方の通常処理、即ち、次の力行運転が行われる。
即ち、制御装置60には各センサからの信号が入力されているが、このうちモータ回転速度センサ52と、シフタ選択位置センサ63aと、アクセル量検出センサ61aからの信号により次のように油圧式駆動装置が作動する。例えば、前進の場合に、シフタ選択位置センサ63aの信号とアクセル量検出センサ61aにより、前進用の電磁切換弁41がアクセルペタル61のアクセル量に応じて制御装置60からの指令を受けて切り換わり、パイロット圧力を制御してCLSS弁21に送るとともに、油圧モータ50のサーボ装置51にも信号を送りモータ用の電磁切換弁55が切り換わり油圧モータ50に所定の押しのけ容積になるように斜板等を制御する。このとき、CLSS弁21は油圧ポンプ10からの吐出量に合わせて抵抗の少ない大きな開度量をとっており、油圧ポンプ10からの吐出量を油圧モータ50に送って所定の回転速度すなわち所定の車速を得る。油圧モータ50からの戻り油はCLSS弁21から低圧の2段背圧弁23を経て油タンク6に戻る。このとき、通常処理のCLSS弁21の内部抵抗の少ない力行運転が行われている。
次に、例えば、前進Fしている状態から後進Rに変化する場合において、オペレータがシフタ63を前進位置Fから後進位置Rに操作するとYESのステップ3に進むが、油圧式駆動装置は次のように作動する。前進位置Fでは、シフタ選択位置センサ63aの信号とアクセル量検出センサ61aにより、前進用の電磁切換弁41がアクセルペタル61のアクセル量に応じて制御装置60からの指令を受けて切り換わり、パイロット圧力を制御してCLSS弁21に送るとともに、油圧モータ50のサーボ装置51にも信号を送りモータ用の電磁切換弁55が切り換わり油圧モータ50に所定の押しのけ容積になるように斜板等を制御している。これにより、CLSS弁21は中立位置(イ)から前進位置(ロ)に切り換わっていて、油圧モータ50の前進側の配管に圧力が発生し、油圧モータ50を前進方向に回転させる。このとき、CLSS弁21は抵抗が生じない所定の開度で開いており、油圧ポンプ10からの吐出量はアクセル量に応じて吐出されてCLSS弁21を経て油圧モータ50に送られ、油圧モータ50は所定の回転速度ωoutを得ている。この所定の回転速度ωoutをステップ3では、モータの最低回転速度ωlowと比較する。ステップ3では、油圧モータ50の回転速度ωoutがモータの最低回転速度ωlowよりも小さい場合(ωout<ωlow)には、ステップ1のNOと同様に通常処理に進み前記と同様に作動する。
ステップ3で油圧モータ50の回転速度ωoutがモータの最低回転速度ωlowよりも大きい場合(ωout≧ωlow)には、ステップ4に行く。ステップ4ではこの所定の回転速度ωoutとモータの最高回転速度ωhighと比較する。ステップ4で油圧モータ50の回転速度ωoutがモータの最高回転速度ωhighよりも大きい場合(ωout>ωhigh)には、ステップ3に戻り、モータの許容値より以下になるまで変速を禁止してステップ3とステップ4を繰り返し、モータの最高回転速度ωhighよりも小さくなるまで待つ。ステップ4で油圧モータ50の回転速度ωoutがモータの最高回転速度ωhighよりも小さい場合(ωout≦ωhigh)には、ステップ5に行く。
ステップ5では、制御装置60は次の指令を出す。2段背圧弁23には高い圧力となるように電磁切換弁24に切り換わり指令と、油圧モータ50には最低の押しのけ容積(所定値)になるように斜板等を制御するサーボ装置51の電磁切換弁55に切り換わり指令と、CLSS弁21には前進位置(ロ)から中立位置(イ)に切り換わり指令をそれぞれに出力する。上記において、油圧モータ50を最低の押しのけ容積(所定値)にするのはブレーキ力を最低にするためであり、ブレーキ力を大きくしたいときには最低の押しのけ容積より大きく取っても良い。
ステップ6では、ステップ5でキャビテーションの発生の可能性があるため状態を安定するのに一定時間が経過したか、否かを判別する。一定時間が経過しない場合には時間が経るまで待ち経過し安定したらステップ7に行く。ここで、モータの前進圧力センサ53の値をPca後進圧力センサ54の値をPcbとして説明する。CLSS弁21が中立位置(4)においてシフタ63の指定する方向へ油圧モータが回転していない場合は、油圧モータ50のブレーキ圧が入口方向の圧力センサに発生するため以下のような判断をする。ステップ7では、モータに掛かる圧力Pca、Pcbがブレーキに必要なブレーキしきい値PCより大きいか、否かを判断する。小さい場合(Pca≦PC、あるいは、Pcb≦PCの場合)にはステップ2と同様に通常の処理を行う。大きい場合(Pca>PC、あるいは、Pcb>PCの場合)には、ステップ8に行きシフトレバーが前進Fか、後進Rかを判断する。前進Fの場合には、ステップ9で、モータに掛かる圧力PcaとPcbとで、どちらが大きいかを判断する。Pca≦Pcb(N0)の場合には、前進Fと一致しているために、ステップ2と同様に通常の処理を行う。Pca>Pcb(YES)の場合には、前進Fと一致していない(後進Rにある)ためにステップ10に行く。
また、ステップ8で、後進Rの場合にはステップ11へ行く。ステップ11では、モータに掛かる圧力PcaとPcbとで、どちらが大きいかを判断する。Pca≧Pcb(NO)の場合には、後進Rと一致しているために、ステップ2と同様に通常の処理を行う。Pca<Pcbの場合には後進Rと一致していない(前進Fにある)ためにステップ10に行く。ステップ10では、モード切り換えスイッチ64が作業モード(S)にあるか、あるいは、走行モード(M)にあるか、モード検出センサ64aにより検出し、走行モード(M)の場合には、ブレーキマップによりMモード用のブレーキ量を出力する。即ち、CLSS弁21を制御する電磁切換弁41あるいは電磁切換弁42、および、油圧モータ50のサーボ装置51にMモード用のブレーキ量の指令を出力し、Mモードのアクセル開度に応じてモータ斜軸角を変化させ、また、CLSS弁21の開口量を変化させる。
Sモードの場合には、ステップ13に行き、Sモードに合わせてMモードと同様の制御を行う。例えば、Mモードでは、アクセル開度に応じてモータ斜軸角の変化を大きくとりブレーキの利きの変化を大きくとり、Sモードでは、アクセル開度に応じてモータ斜軸角を全般的に高くとりブレーキ力を大きく取っている。なお、上記において判断基準は、例えば、モータの最低回転速度ωlowでは2段背圧弁23の圧力が低い圧力のときに吸込弁31aあるいは吸込弁31bを通して供給され供給量で、油圧モータがキャビテーションを生じない許容回転速度をとるか、油圧モータ自身がキャビテーションを生じない許容回転速度をとるか、あるいは、モータの回転速度がゼロに近い速度で回っている値をとる。また、モータの最高回転速度ωhighは2段背圧弁23の圧力が高い圧力に設定されたとき、吸込弁31aあるいは吸込弁31bを通して供給される供給量で、油圧モータがキャビテーションを生じない許容回転速度又は、モータ自信の許容回転数とする。
上記の作動において、アクセル開度が大きい場合で前進Fの車速が大きいときから、後進Rに切り換えた場合の波形をもとに図4で説明する。図5(a)は、CLSS弁21を前進側に切り換えるための前進用の電磁切換弁41の圧力を示し、p点で作動が停止してCLSS弁21は中立位置に戻っている。図5(b)は、CLSS弁21を後進側に切り換えるための後進用の電磁切換弁42の圧力を示し、q点で作動が開始してCLSS弁21を後進側に切り換えている。図5(c)は、モータの前進側に回転するための入口側の圧力を示し、p点から2段背圧弁23により高められた圧力が吸込弁31aあるいは吸込弁31bを通して油圧モータ50に戻り油を供給し、入口側に圧力が生じている。q点からは2段背圧弁23が作用しない通常のタンク6への戻り油の抵抗がかかり、低い圧力となっている。図5(d)は、モータの後進側に回転するための入口側(前進時の戻り油側)の圧力を示し、p点でCLSS弁21が閉じるために圧力が上昇してモータによるブレーキが掛かり、モータは図5(f)のごとく減速を始める。また、q点ではCLSS弁21の後進側が開口して、モータの後進側の回転を始めるモータに供給する圧油の制御を始める。図5(e)は、油圧モータ50に所定の押しのけ容積になるように斜板等を制御するモータ用の電磁切換弁55の圧力を示し、p点からpsまでは斜板を小さくしブレーキが必要であるか否かを判定している時間であり、psからptまでは所定(ブレーキマップによる)のブレーキ力をかけている。図5(f)は、油圧モータ50の出力軸の回転速度を示し、p点からブレーキがかかり、ほぼ回転速度がゼロ近傍になった位置pu(図5(b)のq点)から後進用の電磁切換弁42が切り換わる。図5(g)は、2段背圧弁23の作動を示し、p点で制御装置60からの指令を受けて電磁切換弁24が切り換わり、油タンク6への戻り圧力を高い圧力に制御し、吸込弁31あるいは吸込弁32を通して油圧モータに戻り油を供給している。以上、前記のフローチャトにより制御することにより、図5(d)のモータの後進側に回転する入口側の圧力に波形の乱れがなく、キャビティーションが発生していないことを示している。かつ、シフタの指定している逆方向に走行しているときに、ブレーキをかけることができる。
上記実施例では、油圧モータから出力軸に連結して直ぐに出力したが、車両が大型になり大型の油圧モータがない場合又は、けん引力を大きくしたいには、油圧モータからの出力軸に副変速機を設けることで対応できる。このときには、油圧モータは高速回転で使用されることが多く、キャビティションの発生には益々厳しくなる。このため、本発明の効果は増してくる。以下にその実施例について説明する。
図6は本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第2実施例を示す全体構成の概念図である。第2実施例は第1実施例の油圧モータ50の出力軸50aにクラッチ式による副変速機70が配設されている。なお、第1実施例と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。図6において、副変速機70は、例えば1速用と2速用とからなり、出力軸50aと同一軸上に、出力軸50aと連結された軸71に固設されたギヤ72とクラッチ73が、またクラッチ73を介して連結される軸74に固設されたギヤ75が配設されている。また出力軸50aと平行に配設された副軸上に、副軸76に固設されたギヤ77とクラッチ78が、また、クラッチ78を介して連結される副軸79に固設されたギヤ80が配設されている。1速用のクラッチ73には、1速用の後述する電子式クラッチ油圧制御バルブ85が、また、2速用のクラッチ78には、2速用の後述する電子式クラッチ油圧制御バルブ86が配設されている。副軸79は図示しないタイヤに接続され、その副軸79には、タイヤからの回転速度を検出し車両の速度を検出する出力回転速度センサ87が配設されている。制御装置60には、速度段レバー81が配設され、速度段レバー81には速度段選択位置センサ81aが付設されている。
上記において、副変速機70の1速は、出力軸50aから軸71、ギヤ72、ギヤ72に噛み合うギヤ77、軸76、クラッチ78、および、副軸79を経て出力される。2速は、出力軸50aから軸71、クラッチ73、軸74、ギヤ75、ギヤ75に噛み合うギヤ80、および、副軸79を経て出力される。副変速機70の1速あるいは2速の切り換えは、速度段選択位置センサ81aからの信号により、制御装置60が1速用電子式クラッチ油圧制御バルブ85か、または、2速用の電子式クラッチ油圧制御バルブ86に信号を出力して、信号に応じたクラッチを接続して行われる。
クラッチ73、78は本出願人が既に出願している図7に示す制御装置を含む電子式クラッチ油圧制御バルブ100の油圧クラッチ回路により構成されている。図7のクラッチ油圧制御バルブ100は、クラッチ油圧を制御する圧力制御弁101と流量検出弁104と、フィリングおよびクラッチ圧検出用のセンサ部105で構成されている。圧力制御弁101は制御装置60の制御装置60によって制御され、またセンサ部105の検出信号Sは制御装置60に入力される。このクラッチ油圧制御バルブ100は、制御装置60から比例ソレノイド107に指令が出力され、圧力制御弁101は比例ソレノイド107の推力により切り換わり、入力ポート110を介してポンプ108からの油を流入し、出力ポート111を介してクラッチ73、78へ油を供給する。流量検出弁104は出力ポート111を介してクラッチ73、78のクラッチパックが油で充満されるまで開いており、クラッチパックが油で充満されるとフィリング終了となり、もはや油が流れなくなるのでオリフィス112前後の差圧がなくなる。これによりバネ113により図示しないスプールが切り換わりセンサ部105でフィリング終了を検出し、制御装置60に信号を出力する。
上記構成において、次に作動について図8、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、図8、図9のフローチャートにおいて、第1実施例の図3、図4のフローチャートと同一の機能の場合には、同一のステップ記号を付して説明は省略する。ステップ31では、速度段レバー81が、例えば、1速にあるか、2速にあるかを判断する。1速にある場合には、ステップ32に行き、制御装置60の記憶部を1速用の油圧モータ50の最高回転速度ωhighと最低回転速度ωlowとを選択する。2速にある場合には、ステップ33に行き、制御装置60の記憶部を2速用の油圧モータ50の最高回転速度ωhighと最低回転速度ωlowとを選択する。
ステップ32、33で、それぞれの速度段に応じて、制御装置60の記憶部に記憶されたら、ステップ1に行く。ステップ1、および、ステップ2、3、4、5では、第1実施例と同様に、速度段に応じて各ステップ毎の処理を行う。ステップ5で、2段背圧弁23にONの指令と、油圧モータ50に斜板を小さくする指令と、CLSS弁21に開度をゼロにする指令とを制御装置60が出力したらステップ34に行く。ステップ34では、制御装置60によりクラッチ油圧制御バルブ100に指令を出力し、ステップ31の選択した速度段レバー81の1速用あるいは2速用に応じて、クラッチ73、あるいは、クラッチ78を接続する。
ステップ35では、クラッチ油圧制御バルブ100からの信号により制御装置60がクラッチパックが油で充満されるとフィリング終了となり、もはや油が流れなくなったか、否かのクラッチ係合の判定を行い、クラッチの相対回転数が所定値より小さくなったらステップ6に行く。ステップ6では、クラッチ73、あるいは、クラッチ78のいずれかが再度接続し、油圧モータ50が図示しないタイヤに接続されて、タイヤからの駆動力を受けて回転する油圧モータ50への流出入する配管56、あるいは、57に流出入圧力を発生させる。この流出入圧力をモータ圧力センサ53、54により検出するが、一定時間が経過するまで待ち、安定したのをみはからってステップ7に行く。ステップ7、8、9、10、11では、第1実施例と同様に、速度段に応じて各ステップ毎の処理を行う。ステップ10では、モード検出センサ64aにより作業モード(S)にあるか、あるいは走行モード(M)にあるか、検出し判断する。Sモードの場合には、ステップ36に行き速度段レバー81が、1速用にあるか、2速用にあるかを判断する。1速用にある場合には、ステップ37に行き、1速用のS1モードで、また、2速用にある場合には、ステップ38に行き、2速用のS2モードのアクセル開度に応じてモータ斜軸角、およびCLSS弁21の開口量を変化させる。
ステップ10でMモードの場合には、ステップ39に行き、速度段レバー81が、1速用にあるか、2速用にあるか、を判断する。1速用にある場合には、ステップ40に行き、1速用のM1モードで、また、2速用にある場合には、ステップ41に行き、2速用のM2モードのアクセル開度に応じてモータ斜軸角、およびCLSS弁21の開口量を変化させる。上記において、例えば、作業モード(S)の場合には、作業機に積載した負荷に合わせてブレーキの利きをよくするために、モータ斜軸角を大きく(傾転角)し、およびCLSS弁21の開口量を小さくするように変化させる。なお、上記において、ステップ36でクラッチ73、あるいは、クラッチ78のいずれかが再度接続する場合を説明したが、前進Fと後進Rとの間の変換、すなわち、中立で停止しないことを制御装置で判断したときには、クラッチ73、あるいは、クラッチ78をそのまま接続していても良い。
上記の作動において、アクセル開度が大きい場合で前進Fの車速が大きいときから、後進Rに切り換えた場合の波形をもとに図10で説明するが、第2実施例の図10(b)から図10(h)は、図5(a)から図5(g)の第1実施例と同一のため説明は省略する。図10(a)では、上記のクラッチ73、あるいは、クラッチ78のいずれかがそのまま接続している場合を示し、クラッチ油圧は一定である。
次に、上記の作動において、アクセル開度が大きい場合で、前進Fの車速が大きいときからシフタ63を中立Nで停止して惰行運転し、さらに、後進Rに切り換えた場合の波形をもとに図11で説明する。図11(a)は制御装置60からクラッチ油圧制御バルブ100への指令によるクラッチ73に発生するクラッチ圧力を示す。車両が惰行運転し、油圧モータ50の回転速度ωoutがモータの最高回転速度ωhighよりも小さく(ωout≦ωhigh)なると、ステップ5で2段背圧弁23にONの指令と、油圧モータ50に斜板を小さくする指令と、CLSS弁21に開度をゼロにする指令とを制御装置60が出力した図を示す。r点でステップ34のクラッチ73、あるいは、クラッチ78を接続する指令が制御装置60からクラッチ油圧制御バルブ100に出力され、クラッチ油圧制御バルブ100が作動が開始して、クラッチに油圧が作用する。さらに
クラッチ73の油圧が増し、w点でのオーバシュート圧を検出して、フィーリング終了を検知して、クラッチの係合を開始する。t点では既にクラッチは完全に係合を完了して所定の速度になっている。図11(b)は、CLSS弁21を前進側に切り換えるための前進用の電磁切換弁41の圧力を示し、前進側に圧力が作用していないことを示す。図11(c)は、CLSS弁21を後進側に切り換えるための後進用の電磁切換弁42の圧力を示し、u点で作動が開始してCLSS弁21を後進側に切り換えている。このとき、u点はシフタ63を後進Rに切り換えた後に、油圧モータ50の回転速度が所定値以下となった時に制御装置60が後進用の電磁切換弁42に指令を出力し、電磁切換弁42が切り換える圧力を発生した点を示す。図11(d)は、油圧モータ50を前進側に回転するための入口側の圧力を示し、クラッチ73、あるいは、クラッチ78の係合によりr点から油圧モータ50が惰行運転で回転を始め、2段背圧弁23により高められた圧力が吸込弁31を通して油圧モータ50に戻り油を供給し、入口側に圧力が生じている。u点からは2段背圧弁23が作用しない通常のタンク6への戻り油の抵抗がかかり、低い圧力となっている。図11(e)は、モータの後進側に回転するための入口側の圧力を示し、図11(d)と同様に、r点から油圧モータ50が惰行運転による連れ回で回転を始めて圧力が発生する。w点でのクラッチの係合のフィーリング終了により圧力が上昇を始め、油圧モータ50に急激にブレーキ作用が生ずる。u点では、油圧モータ50の回転速度が低くなり圧力は低下している。回転速度がゼロ近辺になったら後進用の電磁切換弁42からの圧力がCLSS弁21に作用して後進側に切り換え、モータを後進側に回転するための入口側の圧力は所定圧力になる。図11(f)は、油圧モータ50に所定の押しのけ容積になるように斜板等を制御するモータ用の電磁切換弁55の圧力を示し、ステップ5での油圧モータ50の斜板を小さくする指令により、r点から電磁切換弁55が切り換わり圧力を油圧モータ50に送り、所定の最低の押しのけ容積にする。t点でクラッチが係合した後に所定時間が経過したら、油圧モータ50の流入出側の圧力を測定して判定する。判定後v点より判定に合わせて油圧モータ50の斜板の傾転角度を大きくして所定のブレーキ力をかけている。u点からは、電磁切換弁42が切り換えわり、油圧ポンプ10から圧油を油圧モータ50に供給して車両を後進側に駆動する駆動トルクを発生している。図11(g)は、油圧モータ5の出力軸の回転速度を示し、v点からブレーキがかかり、ほぼ回転速度がゼロ近傍になった位置u点から後進用の電磁切換弁42が切り換わる。図11(h)は、2段背圧弁23の作動を示し、r点で制御装置60からの指令を受けて電磁切換弁24が切り換わり、油タンク6への戻り圧力を高い圧力に制御している。u点が2段背圧弁23の作動が解除され、低い戻り圧力となる。以上、前記のフローチャトにより制御することにより、図11(e)のモータの後進側に回転する入口側の圧力に波形の乱れがなく、キャビティーションが発生していないことを示している。
図12は本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第3実施例を示す全体構成の概念図である。第3実施例は第2実施例の油圧モータ50の出力軸50aにクラッチ式による副変速機90が配設されているのに対して、機械式による副変速機90が配設されている。なお、第1実施例と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。図12において、副変速機90は、例えば1速用と2速用とからなり、出力軸50aと同一軸上に、出力軸50aと連結された軸91に固設された1速用のギヤ92と2速用のギヤ93が、また、出力軸50aと平行に配設された出力軸94に回転自在に1速用のギヤ95が、また、出力軸94には回転自在に2速用のギヤ96が配設されて、出力軸94の1速用のギヤ95と2速用のギヤ96との間には、シンクロメッシュ97が配設されている。シンクロメッシュ97は、常時、1速用のギヤ95か、あるいは、2速用のギヤ98と常に噛み合っている。制御装置60は速度段レバー90aの選択に応じて電磁式サーボ98に信号を出力して図示しないセレクタを動かし、信号に応じてシンクロメッシュ97を接続している。
上記において、副変速機90の1速用は、出力軸50aから軸91、ギヤ92、ギヤ95、シンクロメッシュ97、および、出力軸94を経て出力される。2速用は、出力軸50aから軸91、ギヤ93、ギヤ96、シンクロメッシュ97、および、出力軸94を経て出力される。副変速機90の1速用あるいは2速用切り換えは、制御装置60に付設された速度段レバー81aからの信号により行われる。
上記構成において、次に作動について図13、図14のフローチャートを用いて説明する。なお図13、図14のフローチャートにおいて、第2実施例の図8、図9のフローチャートから、クラッチ関係のステップが省略されているのみであり、具体的にはステップ34と、ステップ35が省略されているのみであるから詳細な説明は省略する。この実施例では、クラッチ関係がなくシフトが中立位置でも速度段レバーのギヤに入っているため、シフタ63が中立位置で停止して車両が惰行運転しても油圧モータ50は常に回転しているので、第1実施例と同様に、常に油圧モータ50の流入出側の圧力を測定して判定することができ、ステップ34と、ステップ35を省略することができる。
従来はカウンタバランス弁によりポンプからの供給量に応じたキャビティーションのないブレーキ作用を行っていた。しかし、本発明では、開回路においてカウンタバランス弁を用いることなく、ブレーキ領域時と力行時に分けて制御し、2段切換の背圧弁を用いることによりキャビティーションを起こさずに円滑に発進、あるいは、変速をさせることができる。さらに、開回路式を用いて、作業機モードではクロズドセンター・ロードセンシング回路の良い点の操作性の向上が得られ、かつ、走行モードではクロズドセンター弁を開放して抵抗を少なくして発熱量を低減して走行効率の向上を図るとともに、冷却器を小さくできる。また、作業機モードあるいは走行モードの選択に合わせて、ブレーキ力を変更しているので操作性の向上も図ることができる。副変速機を設けた場合に、クラッチを接続して車両の楕行運転に合わせて油圧モータを回転させ、この時の流入出圧力を測定し、シフトレバーの変化の位置と油圧モータの発生する流入出圧力とからブレーキ制御を行うため、油圧モータが破損するという問題がなくなり、油圧機器の信頼性が向上するという優れた効果が得られる。
本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第1実施例を示す全体構成の概念図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の図1の詳細な実施例を示す全体構成図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第1実施例のフローチャート図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第1実施例のフローチャート図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第1実施例のタイムチャート図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第2実施例を示す全体構成の概念図である。 クラッチ油圧制御バルブ100の油圧回路図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第2実施例のフローチャート図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第2実施例のフローチャート図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第2実施例のFからRへのタイムチャート図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第2実施例のNからRへのタイムチャート図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第3実施例を示す全体構成の概念図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第3実施例のフローチャート図である。 本発明の油圧式駆動装置の変速装置の第3実施例のフローチャート図である。 従来の油圧式駆動装置の変速装置の実施例のタイムチャート図である。 従来のカウンタバランス弁を用いた油圧式駆動装置の変速装置の概略図である。
符号の説明
1:エンジン、2a:噴射ポンプのアクチュエータ、3:エンジン回転速度センサ、6:油タンク、10:可変容量型油圧ポンプ、11:油圧ポンプのサーボ装置、20:切換装置、23:2段背圧弁、21:クローズドセンタ・ロードセンシング弁、50:可変容量型油圧モータ、51:油圧モータのサーボ装置、53,54:モータ圧力センサ、60:制御装置、61a:アクセル量検出センサ、62a:ブレーキ量検出センサ、63a:シフタ選択位置センサ、70:副変速機、73,78:クラッチ、87:出力回転センサ、90:副変速機、100:電子式クラッチ油圧制御バルブ。

Claims (2)

  1. 駆動源により駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油を受けて駆動力、回転速度を出力する可変容量型油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータの間に配設され前進と後進を切り換えるクローズド・センター切換弁とからなる油圧式駆動装置の変速装置において、シフトレバーの選択の変化を検知するシフタ選択位置センサと、油圧モータからの回転速度を検出するモータ回転速度センサと、切換弁と油タンクとの間の戻り回路の戻り圧力を制御する可変圧力の2段背圧弁と、シフトレバーの選択の変化、及び、モータ回転速度センサからのモータ回転速度と記憶されているモータの最低許容回転速度およびモータの最大許容回転速度、とを比較し、油圧モータの回転速度がモータの最低許容回転速度およびモータの最大許容回転速度の間にあるとき、クローズド・センター切換弁、2段背圧弁、および、可変容量型油圧モータに指令を出力する制御装置とからなる油圧式駆動装置の変速装置。
  2. 駆動源により駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油を受けて駆動力、回転速度を出力する可変容量型油圧モータと、油圧ポンプと油圧モータの間に配設され前進と後進を切り換えるクローズド・センター切換弁とからなる油圧式駆動装置の変速装置において、油圧モータの出力軸に接続され、クラッチによりトルクを断続する副変速機と、シフトレバーの選択の変化を検知するシフタ選択位置センサと、油圧モータの回転速度を検出するモータ回転速度センサと、シフタ選択位置センサからの信号によりシフトレバーの選択の変化を検知し、かつ、モータ回転速度センサからの信号により油圧モータの回転速度がモータの最低許容回転速度およびモータの最大許容回転速度の間にあるときに、車両の楕行運転により回転する油圧モータの流入出圧力を測定するために副変速機のクラッチを接続する指令を出力する制御装置とからなることを特徴とする油圧式駆動装置の変速装置。
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