JP4066917B2 - 溶射皮膜の密着力評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、母材と当該母材表面に形成した溶射皮膜との間の密着力を評価する溶射皮膜の密着力評価装置に関するものである。
皮膜、薄膜あるいは塗膜の密着力を評価する手法とて、(1)引張試験によるもの、(2)スクラッチ試験によるもの、あるいは、(3)繰り返しスクラッチ試験によるものなどが知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。例えば、シリンダブロックの母材表面に形成した溶射皮膜の密着力を評価する場合を例に挙げて、各手法について説明する。
(1)引張試験法
引張試験法では、円弧形状の母材表面に溶射皮膜を形成したテストピース、あるいは、製品としてのシリンダブロックから切り出したサンプルを使用する。テストピースあるいはサンプルにおける溶射皮膜の表面および母材の裏面に、引張試験治具を接着剤により接着した引張試験片を製作する。接着剤は、母材と溶射皮膜面との間の密着力よりも強い接着力を有するものが使用される。そして、溶射皮膜に引張荷重を与え、破壊時の引張荷重を密着力として評価する。
しかしながら、テストピースを使用するときには、このテストピースを製作するに際して、被溶射面すなわち母材表面の凹凸形状、母材の材質、および、母材の作り方(シリンダブロックの母材は鋳造品である)などを、実際の部品の状態と同等にしなくてはならない。また、サンプルを使用するときには、製造したシリンダブロックを破壊し、溶射が施されているシリンダボア面からサンプルを取り出し、これを所定の大きさ、形に加工しなくてはならない。このため、テストピースやサンプルの製作に手間がかかる。
また、テストピースやサンプルと引張試験治具とを接着して一体とした引張試験片を製作しなくてはならないため、溶射皮膜の密着力を測定するためには、テストピースやサンプルの製作、接着作業や接着剤の養生を伴う引張試験片の製作、引張試験片の引張試験機への取り付け、引張試験の実施などの一連の作業に約3日と多大な時間を要する。このように評価のための時間がかかりすぎるので、部品量産時のライン抜き取り検査に適用することは実質的にできない。したがって、評価結果の生産ラインへのフィードバックをタイムリーに行うことができないという問題がある。
さらに、引張試験を実施して溶射皮膜界面が破壊したときの引張荷重を代用特性として密着力を評価しているため、溶射皮膜界面以外のところ、例えば、母材や接着層の中に微小亀裂が存在していると、その部位に引張応力が集中してしまい、その結果、溶射皮膜界面以外のところから最初に破壊が始まることがある。これでは、溶射皮膜の破壊強度を正確に評価することができず、多大な時間をかけて製作したテストピースやサンプル、引張試験片が無駄となり、これらを多大な時間をかけて新たに製作し直さなければならないという問題がある。
(2)スクラッチ試験法
スクラッチ試験法では、溶射皮膜表面を鋭利な接触子によって引っ掻き、そのときの溶射皮膜と接触子との摩擦抵抗を測定する。そして、溶射皮膜が剥離したときに生じる摩擦抵抗の大きな変動を捉え、そのときの接触子の先端に加えられている荷重などを代用特性として密着力を評価する。接触子の先端に加えられている荷重を、以下、先端荷重とも称する。
しかしながら、溶射皮膜は、材料の粉末を高温で溶融させ、この溶融滴を高速で母材に噴霧し積み重ねて形成されたものであるので、溶射皮膜内部は無数の微小な空孔を含んだ構造を有している。このため、表面を研削した後の溶射皮膜表面には、無数の微小空孔が開口した構造となっている。ここで、スクラッチ試験法は、接触子によって溶射皮膜表面を引っ掻く手法である。このため、接触子が溶射皮膜表面の無数の微小空孔内に落ち込んで引っ掛かったときの引っ掛かり抵抗を、摩擦抵抗の変動として捉えてしまう虞がある。したがって、測定された摩擦抵抗の変動が、溶射皮膜が剥離したことに起因して生じたものであるか、接触子が微小空孔内に落ち込んだことに起因して生じたものであるかを区別できず、その結果、溶射皮膜の剥離の起点を識別できないという問題がある。
また、一般に、スクラッチ試験法で評価している皮膜の厚さは10μm以下であるが、シリンダブロックのボア内面に施される溶射皮膜の厚さは約100μmと厚い。スクラッチ試験法は、接触子の先端荷重によって接触子と皮膜との間に摩擦抵抗を発生させ、その力で皮膜を磨耗・剥離させる手法である。このため、表面から約100μm下に存在する皮膜界面に、皮膜を剥離させるだけのせん断応力を発生させるためには、相当の先端荷重を接触子に加える必要がある。したがって、比較的厚い皮膜の密着力を評価するためには、比較的薄い皮膜の密着力を評価する装置に比べて、接触子先端の破損を防止する対策を施したり、装置全体の剛性を高めたりしなくてはならず、評価装置の製作が非常に困難かつ高価なものになるという問題がある。
(3)繰り返しスクラッチ試験法
繰り返しスクラッチ試験法では、鋭利な接触子の先端荷重を0〜所定の荷重まで周期的かつ連続的に変動させながら、溶射皮膜表面を繰り返し引っ掻き(例えば、1000回)、皮膜を削って薄くしていき、削る過程で溶射皮膜を剥離して母材から脱落させる。そして、溶射皮膜が母材から脱落すると、そのときの引っ掻き繰り返し数と、そのときの接触子の先端荷重を代用特性として皮膜密着力を評価する。繰り返しスクラッチ試験は、溶射皮膜が母材から剥離・脱落したことを常に観察しながら行われる。溶射皮膜が母材から剥離・脱落したことを確認するために、拡大鏡あるいはCCDカメラが接触子先端の近傍に配置されている。
しかしながら、溶射皮膜の色と母材の色とが同等であるので、溶射皮膜の剥離・脱落の起点を目視観察で判断することは非常に困難である。このため、評価は、人の主観に頼らざるを得ず、評価結果のばらつきが大きいという問題がある。溶射皮膜の摩耗量を測定するための変位センサを配置することも考えられるが、溶射皮膜が剥離・脱落したことに起因して変位が生じたものであるか、剥離・脱落することなく削られたことに起因して変位が生じたものであるかを区別することはできない。また、繰り返し実験であるため、剥離・脱落を確認するまでに比較的長時間を要するという問題もある。さらに、シリンダブロックのボア内面に施された溶射皮膜の剥離・脱落を観察するためには、拡大鏡やCCDカメラなどを小型化しなくてはならず、評価装置の製作が非常に困難かつ高価なものになるという問題がある。
特開平5−142128号公報 特開2000−74819号公報 特開2001−91445号公報
本発明は、上記従来技術に伴う課題に鑑みてなされたものであり、母材と溶射皮膜との間の密着力を精度良く、かつ、迅速に評価し得る溶射皮膜の密着力評価装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、母材と当該母材表面に形成した溶射皮膜との間の密着力を評価するための装置において、
一の方向に沿って間隔を隔てて配置されるとともに前記溶射皮膜の表面を引っ掻く2本の接触子と、
前記2本の接触子の先端に引っ掻く際の荷重を加える印加手段と、
前記溶射皮膜の表面を引っ掻くように前記2本の接触子を前記一の方向に対して直交する他の方向に移動する移動手段と、
前記2本の接触子の間に位置する溶射皮膜の、前記一の方向および前記他の方向に対して直交する方向への浮き上がり量を検出する検出手段と、
前記移動手段の作動を制御するとともに前記母材と前記溶射皮膜との間の密着力を評価する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記移動手段を作動して、前記印加手段により先端に荷重が加えられた前記2本の接触子を溶射皮膜の表面を引っ掻くように前記他の方向に移動させ、前記検出手段により検出した前記2本の接触子の間に位置する溶射皮膜の前記浮き上がり量に基づいて、前記母材と前記溶射皮膜との間の密着力を評価することを特徴とする溶射皮膜の密着力評価装置である。
本発明によれば、溶射皮膜と母材との界面から溶射皮膜を確実に剥離させて、母材と溶射皮膜との間の密着力を精度良く、かつ、迅速に評価することが可能となる。
という効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る溶射皮膜の密着力評価装置20を示す概略構成図、図2(A)は、図1に示されるセンサ部30の詳細を示す底面図、図2(B)は、同図(A)の2B−2B線に沿う断面図である。なお、説明の便宜上、図1の左右方向をX方向、紙面に対して直交する方向をY方向、上下方向をZ方向と定義する。
図1および図2(A)(B)を参照して、溶射皮膜の密着力評価装置20は、母材12と当該母材表面12aに形成した溶射皮膜13との間の密着力を評価するための装置20であって、概説すれば、Y方向(一の方向に相当する)に沿って間隔Lを隔てて配置されるとともに溶射皮膜13の表面を引っ掻く2本の接触子31、32と、2本の接触子31、32の先端に引っ掻く際の荷重を加える印加手段33と、溶射皮膜13の表面を引っ掻くように2本の接触子31、32をY方向に対して直交するZ方向(他の方向に相当する)に移動する移動手段50と、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の、Y方向およびZ方向に対して直交するX方向(一の方向および他の方向に対して直交する方向に相当する)への浮き上がり量を検出する検出手段35と、移動手段50の作動を制御するとともに母材12と溶射皮膜13との間の密着力を評価する制御手段100と、を有している。そして、制御手段100は、移動手段50を作動して、印加手段33により先端に荷重が加えられた2本の接触子31、32を溶射皮膜13の表面を引っ掻くようにZ方向に移動させ、検出手段35により検出した2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量に基づいて、母材12と溶射皮膜13との間の密着力を評価する。2本の接触子31、32、印加手段33および検出手段35は、センサ部30を構成している。
本実施形態にあっては、密着力評価装置20はさらに、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量と、母材12と溶射皮膜13との間の密着力の値との関係を予め記録した記憶手段110をさらに有している。そして、制御手段100は、検出した浮き上がり量と、記憶手段110に記録した関係とに基づいて、母材12と溶射皮膜13との間の密着力の値を推定している。
評価対象の溶射皮膜13は、図示例では、ボア11内面に施されるとともにシリンダブロック10の母材表面12aに形成した溶射皮膜13である。
以下、溶射皮膜13の密着力評価装置20を詳述する。
前記2本の接触子31、32は、先端が先鋭端に形成されている。2本の接触子31、32の間の間隔Lは、好ましくは、1mm〜2mmである。さらに、2本の接触子31、32のそれぞれは、溶射皮膜13に食い込むにしたがって、当該2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13を縮める方向の力を当該溶射皮膜13に加える作用面31a、32aを有している。作用面31a、32aは、互いに向かい合っている。各接触子31、32は、X方向にスライド移動自在に、センサ部30の本体を構成するケーシング40に保持されている。ケーシング40には、各接触子31、32を保持するためのガイド穴41が形成されている。接触子31、32の先端は、ケーシング40の外部に突出し、基端はケーシング40の内部に形成した収納室42内に臨んでいる。
前記印加手段33は、例えば、接触子31、32をケーシング40の外部に突出させる方向のバネ力を当該接触子31、32に付勢する圧縮コイルバネ34から構成されている。圧縮コイルバネ34は、収納室42内に配置され、その一端は、接触子31、32の基端に接触している。圧縮コイルバネ34の他端は、荷重測定用のロードセル37に接触している。
前記移動手段50は、X方向およびY方向に移動自在なスライダ51、Z方向に移動自在なスライダ52、スライダ51をX方向に駆動するための図示しないモータ、スライダ51をY方向に駆動するための図示しないモータ、スライダ52をZ方向に駆動するための図示しないモータなどを含んでいる。センサ部30は、ロッド53を介してスライダ52に接続されている。接触子31、32の先端を溶射皮膜13に接触させた状態でスライダをZ方向に移動すると、センサ部30における2本の接触子31、32がZ方向に移動して、溶射皮膜13の表面を引っ掻く。溶射皮膜13とセンサ部30との間の距離を変えることにより、圧縮コイルバネ34の圧縮量が変化するため、接触子31、32の接触荷重を変化させることが可能である。接触子31、32の先端位置を検出するために、位置検出手段、例えば、エンコーダなどが各モータに設けられている。
前記検出手段35は、表面形状測定用のセンサ36から構成され、当該センサ36は、2本の接触子31、32の間に位置するように、ケーシング40の下面に取り付けられている。センサ36は、溶射皮膜13の表面までの距離を測定することにより、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13のX方向への浮き上がり量を検出する。
図1に示すように、ロードセル37は、メインコントローラ101に接続され、測定した荷重データがメインコントローラ101に入力される。センサ36は、アンプ104を介してデータリンクコントローラ102に接続され、測定した表面形状データがアンプ104で増幅され、凹凸形状データとしてデータリンクコントローラ102に入力される。また、移動手段50に含まれるモータに設けたエンコーダなどもデータリンクコントローラ102に接続され、エンコーダの出力が接触子31、32先端の位置データ(X、Y、Z)としてデータリンクコントローラ102に入力される。移動手段50には、当該移動手段50に含まれるモータの作動を制御してセンサ部30を移動するためのセンサトラバースコントローラ103が接続されている。データリンクコントローラ102は、凹凸形状データおよび位置データを所定のサンプリング周期で同期をとって収集する。収集したデータは、メインコントローラ101に入力される。
メインコントローラ101は、測定条件(接触子31、32の接触荷重や移動速度など)を設定したり、入力された凹凸形状データを処理して2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量を算出したり、算出した浮き上がり量に基づいて母材12と溶射皮膜13との間の密着力の良否を判定したりする。メインコントローラ101はさらに、センサトラバースコントローラ103に制御信号を出力する。この制御信号には、設定された測定条件に応じてセンサ部30を移動するための信号、表面形状測定用センサ36の芯出しを行うための信号、あるいは、接触子31、32の接触荷重を調整したり可変したりするためにセンサ部30を微動調整するための信号などが含まれる。
メインコントローラ101にはさらに、記憶手段110に相当するメモリ111が接続されている。このメモリ111には、前述したように、溶射皮膜13の浮き上がり量と密着力の値との関係が記録されている。この他、メモリ111には、装置20全体の作動を制御するためのプログラムも記録されている。そして、メインコントローラ101は、検出した浮き上がり量と、メモリ111に記録した関係とに基づいて、母材12と溶射皮膜13との間の密着力の値を推定している。
メインコントローラ101、データリンクコントローラ102およびセンサトラバースコントローラ103は、制御手段100を構成している。
図3(A)〜(C)は、溶射皮膜13と母材12との界面から溶射皮膜13を剥離させることができる状態を示す図、図4は、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13が浮き上がるメカニズムの説明に供する図である。
図3(A)に示すように、2本の接触子31、32で溶射皮膜13の表面を引っ掻く。スクラッチの方向は図3の紙面に対して直交する方向である。図3(B)に示すように、溶射皮膜13と母材12との界面での密着力が比較的高い高密着力品にあっては、溶射皮膜13と母材12との界面の剥離は生じないか、あるいは、生じたとしても極僅かである。一方、図3(C)に示すように、溶射皮膜13と母材12との界面での密着力が比較的低い低密着力品にあっては、溶射皮膜13と母材12との界面に剥離が生じ、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13が母材表面12aから浮き上がる。なお、図3(B)(C)において、白抜き矢印60は、スクラッチキズ位置を示している。
2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13が浮き上がるメカニズムを、図4を参照して説明する。(1)まず、接触子31、32の先端荷重Fa、Fbにより、接触子31、32が溶射皮膜13に当たる箇所Pa、Pbでは、溶射皮膜13は図中下向きの荷重を受けて拘束される。(2)接触子31、32が食い込むのにしたがって、接触子31、32先端のテーパないし傾斜した作用面31a、32aは、溶射皮膜13を内側に縮める方向の力Fcを当該溶射皮膜13に加える。(3)この溶射皮膜13の内側に向けて作用する力Fcが、溶射皮膜13と母材12の界面密着力(せん断応力)より大きいと溶射皮膜13は剥離する。(4)剥離した溶射皮膜13は、内側に縮める方向の力Fcの作用によって上方へ浮き上がることになる。
図5(A)は、溶射皮膜13の浮き上がり量の定義の説明に供する図、図5(B)は、密着力が高いテストピースと密着力が低いテストピースでの溶射皮膜13の浮き上がり量の一例を示すグラフである。
図5(A)に示すように、溶射皮膜13の浮き上がり量は、スクラッチ後の溶射皮膜13の中央の高さと、スクラッチ前の溶射皮膜13表面の平均高さとの差と定義する。2本のスクラッチキズ61の間隔L’が狭いと、中央部分が浮き上がる。図5(B)に示すように、密着力が高いテストピースでは、溶射皮膜13の浮き上がり量は、例えば、約40μmであり、密着力が低いテストピースでは、溶射皮膜13の浮き上がり量は、例えば、約70μmである。
図6(A)は、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量と、母材12と溶射皮膜13との間の密着力の値との関係を表す検量線70の作成手順を示すフローチャート、図6(B)は、作成した検量線70の一例を示す図である。
検量線70の作成は、図6(A)に示すように、まず、従来の引張試験法により、母材12上に溶射皮膜13を形成したテストピースを用いて、溶射皮膜13の密着力を予め測定する(ステップS11)。測定データとしては、母材12との密着界面で溶射皮膜13が剥離したことを確認できたデータのみを採用する。
次いで、テストピースの場合と同条件で製作した溶射皮膜13を、2本の接触子31、32でスクラッチ試験し、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量をセンサ36にて測定する(ステップS12)。なお、ロードセル37により、接触子31、32に加えられた荷重も測定する。
そして、ステップS11で得た密着力と、ステップS12で得た浮き上がり量とに基づいて、検量線70を作成する(ステップS13)。作成した検量線70は、接触子31、32の接触荷重とも関連する。したがって、接触子31、32に加える荷重が異なるスクラッチ試験も行い、複数の接触荷重下での検量線70を作成しておくことが好ましい。作成した検量線70の一例が図6(B)に示され、浮き上がり量は、密着力の増加に比例して小さくなる。
次に、作用を説明する。
図7は、溶射皮膜13の密着力を評価する手順を示すフローチャートである。
メインコントローラ101は、接触子31、32の接触荷重などの測定条件に基づいて、センサトラバースコントローラ103に移動手段50を作動させる制御信号を出力する。センサ部30は、測定条件に応じた初期位置に移動する(ステップS21)。
メインコントローラ101は、移動手段50を作動し、圧縮コイルバネ34により先端荷重が加えられた2本の接触子31、32が溶射皮膜13の表面を引っ掻くように、センサ部30をZ方向に移動する。接触子31、32が溶射皮膜13をスクラッチしているときは、表面形状測定用のセンサ36により、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量を測定する(ステップS22)。
メインコントローラ101は、メモリ111に記録した検量線70を参照し、測定した浮き上がり量から母材12と溶射皮膜13との間の密着力の値を推定する(ステップS23)。
そして、メインコントローラ101は、予め設定された密着力のしきい値と、推定した密着力の値とを比較し(ステップS24)、推定した密着力の値がしきい値以上であれば(ステップS24、「Yes」)、母材12と溶射皮膜13との間の密着力は「良」であると評価する。一方、メインコントローラ101は、推定した密着力の値がしきい値よりも小さければ(ステップS24、「No」)、母材12と溶射皮膜13との間の密着力は「否」であると評価する。
本実施形態における溶射皮膜13の密着力評価装置20は、機構的には、溶射皮膜13表面を鋭利な接触子31、32によって引っ掻くスクラッチ試験法に属するが、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13を、引っ掻く方向(Z方向)に対して垂直な方向(X方向)に浮き上がらせる作用を利用したものである。このため、溶射皮膜13と母材12との界面から溶射皮膜13を確実に剥離させることができる。母材12との密着界面で溶射皮膜13を剥離させることができるので、本実施形態の手法により設定される、溶射皮膜13スクラッチ時の接触子31、32の先端荷重、2本の接触子31、32の間の間隔L、および、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量を、溶射皮膜13の界面密着力に1対1で関連付けることができる。したがって、溶射皮膜と接触子との摩擦抵抗を測定する一般的なスクラッチ試験法に比較して、溶射皮膜13の界面密着力を精度良く評価することができる。
さらに、検出した浮き上がり量と、予め作成し記録した検量線70とに基づいて、母材12と溶射皮膜13との間の密着力の値を推定しているため、直接かつ簡単に、しかも短時間で密着力を評価することができる。このため、部品量産時において、ライン抜き取り検査の頻度を容易に増すことができる。したがって、溶射皮膜13の密着力に関する良否判定結果を、溶射皮膜13の生産ラインにタイムリーにフィードバックでき、溶射皮膜13の加工条件をタイムリーにコントロールすることにより、良好な品質の溶射皮膜13を安定して得ることができる。
部品量産時に溶射皮膜13の密着力を評価する際には、テストピースやサンプルと引張試験治具とを接着して一体とした引張試験片をその都度製作する必要がなく、引張試験片の製作などに要していた時間を大幅に削減することができる。
次に、2本の接触子31、32の間の間隔Lと溶射皮膜13の浮き上がり量との関係を考察した結果について説明する。
図8(A)は、アルミ母材12の上に形成した鉄系溶射皮膜13の密着力を評価した例における溶射皮膜13の浮き上がりの状態を示す図、図8(B)は、2本の接触子31、32の間の間隔Lと溶射皮膜13の浮き上がり量との関係を示す図である。また、図9(A)は、2本の接触子31、32の間の間隔Lが相関関数Rに及ぼす影響を示す図、図9(B)は、2本の接触子31、32の間の間隔Lがばらつきσに及ぼす影響を示す図である。なお、図8(A)に定義されるように、中央の浮き上がり量は、2本のスクラッチキズ61の中央における溶射皮膜13の浮き上がり量であり、浮き上がり量MAXは、溶射皮膜13の最も浮き上がった部位における浮き上がり量である。
図8(B)から明らかなように、2本の接触子31、32の間の間隔Lが2.5mm以上離れると、溶射皮膜13と母材12との界面での密着力の高低に拘わらず、溶射皮膜13の中央の浮き上がり量はゼロであった。したがって、密着力を評価することはできない。
2本の接触子31、32の間の間隔Lを1mm〜2mmの間に設定すると、溶射皮膜13と母材12との界面での密着力の高低によって浮き上がり量が変化した。したがって、中央の浮き上がり量と溶射皮膜13の密着力とを相関づけることにより、密着力を評価することが可能となる。
2本の接触子31、32の間の間隔Lを1mm未満に設定すると、図9(A)に示すように、浮き上がった溶射皮膜13の挫屈など不規則な変形や破壊が生じたり、浮き上がりの限界に達したりして、中央の浮き上がり量と溶射皮膜13の密着力との相関が取れなくなった。
実験は、アルミ母材−鉄系溶射皮膜の部品(密着力30MPa前後)に対して、2本の接触子31、32の間の間隔Lを0.8mmから1.5mmまで振って実施した。中央の浮き上がり量と溶射皮膜13の密着力との相関を解析したところ、約1.2mmに設定したときに、最も相関が得られ(図9(A))、ばらつきσも小さいことがわかった(図9(B))。
したがって、2本の接触子31、32の間の間隔Lを、1mm〜2mmの間で、溶射皮膜13の密着力測定範囲に応じて選択することにより、溶射皮膜13の密着力を精度良く推定することが可能となる。アルミ母材−鉄系溶射皮膜の部品(密着力30MPa前後)の場合は、2本の接触子31、32の間の間隔Lが約1.2mmのときに、相関関数Rおよびばらつきσの観点から最適であった。
以上説明したように、本実施形態は、母材12と当該母材表面12aに形成した溶射皮膜13との間の密着力を評価するための装置20において、一の方向に沿って間隔Lを隔てて配置されるとともに溶射皮膜13の表面を引っ掻く2本の接触子31、32と、2本の接触子31、32の先端に引っ掻く際の荷重を加える印加手段33と、溶射皮膜13の表面を引っ掻くように2本の接触子31、32を一の方向に対して直交する他の方向に移動する移動手段50と、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の、一の方向および他の方向に対して直交する方向への浮き上がり量を検出する検出手段35と、移動手段50の作動を制御するとともに母材12と溶射皮膜13との間の密着力を評価する制御手段100と、を有し、制御手段100は、移動手段50を作動して、印加手段33により先端に荷重が加えられた2本の接触子31、32を溶射皮膜13の表面を引っ掻くように他の方向に移動させ、検出手段35により検出した2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量に基づいて、母材12と溶射皮膜13との間の密着力を評価するので、溶射皮膜13と母材12との界面から溶射皮膜13を確実に剥離させて、母材12と溶射皮膜13との間の密着力を精度良く、かつ、迅速に評価することが可能となる。
また、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13の浮き上がり量と、母材12と溶射皮膜13との間の密着力の値との関係(検量線70)を記録した記憶手段110をさらに有し、制御手段100は、検出した浮き上がり量と、記憶手段110に記録した関係とに基づいて、母材12と溶射皮膜13との間の密着力の値を推定するので、直接かつ簡単に、しかも短時間で密着力を評価することができ、溶射皮膜13の密着力に関する良否判定結果を、部品量産時において、溶射皮膜13の生産ラインにタイムリーにフィードバックでき、良好な品質の溶射皮膜13を安定して得ることができる。
また、2本の接触子31、32の間の間隔Lは、1mm〜2mmであるので、溶射皮膜13の浮き上がり量と溶射皮膜13の密着力とを相関づけて、密着力を好適に評価することができる。
また、2本の接触子31、32のそれぞれは、溶射皮膜13に食い込むにしたがって、当該2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13を縮める方向の力Fcを当該溶射皮膜13に加える作用面31a、32aを有しているので、2本の接触子31、32の間に位置する溶射皮膜13を、母材12との界面から確実に剥離させて浮き上がらせて、密着力を好適に評価することができる。
また、評価対象の溶射皮膜13は、ボア11内面に施されるとともにシリンダブロック10の母材表面12aに形成した溶射皮膜13であるので、ボア11内面に施される比較的厚い溶射皮膜13の密着力を、簡単かつ安価な装置20により評価することが可能となる。
本発明は、例えば、ボア内面に施されるとともにシリンダブロックの母材表面に形成した溶射皮膜の密着力を測定する用途に適用できる。
本発明の実施の形態に係る溶射皮膜の密着力評価装置を示す概略構成図である。 図2(A)は、図1に示されるセンサ部の詳細を示す底面図、図2(B)は、同図(A)の2B−2B線に沿う断面図である。 図3(A)〜(C)は、溶射皮膜と母材との界面から溶射皮膜を剥離させることができる状態を示す図である。 2本の接触子の間に位置する溶射皮膜が浮き上がるメカニズムの説明に供する図である。 図5(A)は、溶射皮膜の浮き上がり量の定義の説明に供する図、図5(B)は、密着力が高いテストピースと密着力が低いテストピースでの溶射皮膜の浮き上がり量の一例を示すグラフである。 図6(A)は、2本の接触子の間に位置する溶射皮膜の浮き上がり量と、母材と溶射皮膜との間の密着力の値との関係を表す検量線の作成手順を示すフローチャート、図6(B)は、作成した検量線の一例を示す図である。 溶射皮膜の密着力を判定評価する手順を示すフローチャートである。 図8(A)は、アルミ母材の上に形成した鉄系溶射皮膜の密着力を評価した例における溶射皮膜の浮き上がりの状態を示す図、図8(B)は、2本の接触子の間の間隔と溶射皮膜の浮き上がり量との関係を示す図である。 図9(A)は、2本の接触子の間の間隔が相関関数Rに及ぼす影響を示す図、図9(B)は、2本の接触子の間の間隔がばらつきσに及ぼす影響を示す図である。
符号の説明
10 シリンダブロック、
11 ボア、
12 母材、
12a 母材表面、
13 溶射皮膜、
20 溶射皮膜の密着力評価装置、
30 センサ部、
31、32 2本の接触子、
31a、32a 作用面、
33 印加手段、
35 検出手段、
50 移動手段、
70 検量線(溶射皮膜の浮き上がり量と密着力の値との関係)、
100 制御手段、
110 記憶手段、
Fc 2本の接触子の間に位置する溶射皮膜を縮める方向の力、
L 2本の接触子の間の間隔。

Claims (5)

  1. 母材と当該母材表面に形成した溶射皮膜との間の密着力を評価するための装置において、
    一の方向に沿って間隔を隔てて配置されるとともに前記溶射皮膜の表面を引っ掻く2本の接触子と、
    前記2本の接触子の先端に引っ掻く際の荷重を加える印加手段と、
    前記溶射皮膜の表面を引っ掻くように前記2本の接触子を前記一の方向に対して直交する他の方向に移動する移動手段と、
    前記2本の接触子の間に位置する溶射皮膜の、前記一の方向および前記他の方向に対して直交する方向への浮き上がり量を検出する検出手段と、
    前記移動手段の作動を制御するとともに前記母材と前記溶射皮膜との間の密着力を評価する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記移動手段を作動して、前記印加手段により先端に荷重が加えられた前記2本の接触子を溶射皮膜の表面を引っ掻くように前記他の方向に移動させ、前記検出手段により検出した前記2本の接触子の間に位置する溶射皮膜の前記浮き上がり量に基づいて、前記母材と前記溶射皮膜との間の密着力を評価することを特徴とする溶射皮膜の密着力評価装置。
  2. 前記2本の接触子の間に位置する溶射皮膜の前記浮き上がり量と、前記母材と前記溶射皮膜との間の密着力の値との関係を記録した記憶手段をさらに有し、
    前記制御手段は、検出した浮き上がり量と、前記記憶手段に記録した前記関係とに基づいて、前記母材と前記溶射皮膜との間の密着力の値を推定することを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜の密着力評価装置。
  3. 前記2本の接触子の間の間隔は、1mm〜2mmであることを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜の密着力評価装置。
  4. 前記2本の接触子のそれぞれは、溶射皮膜に食い込むにしたがって、当該2本の接触子の間に位置する溶射皮膜を縮める方向の力を当該溶射皮膜に加える作用面を有していることを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜の密着力評価装置。
  5. 評価対象の溶射皮膜は、ボア内面に施されるとともにシリンダブロックの母材表面に形成した溶射皮膜であることを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜の密着力評価装置。
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