JP4066811B2 - 検知装置及び錠制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のエントリーシステムにおいて、施錠されたドアを開けようとするユーザ意思を検知して自動開錠を実行する錠制御装置、及びそのための検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のエントリーシステムなどでは、ユーザが携帯する携帯機と車両等に搭載された本体機との間で双方向通信を行って、必要な照合確認を行った上で自動開錠等を実現する装置が提案され、一部実用化されている。
このような双方向通信式のものでは、本体機から送信されるリクエスト信号(例えば、携帯機を起動させる起動信号)に対して必要なコードを含むアンサー信号を携帯機から本体機に対して自動送信することが可能となるので、使用者がなんら操作をしなくても、自動開錠等の動作を実現することができる。例えば、車両のエントリーシステムでは、携帯機を携帯した使用者が対応する本体機を搭載した特定の車両のドアに近づくだけで、上記双方向通信が成立して施錠状態にあったそのドアの錠装置に開錠指令が自動的に出力され、自動的に車両ドアが開錠されるといった機能(以下、自動開錠機能という)が可能となる。なお、このように基本的に使用者の意識的な操作を要さず車両ドアの開錠又は施錠動作を実現するより利便性の高いエントリーシステムは、一般的なキーレスエントリーシステムの発展型として、パッシブエントリーシステム(或いは、スマートエントリーシステム)などと呼ばれ、車両の商品価値を高めるものとして市場ニーズが高まっている。
【0003】
そして、このようなパッシブエントリーシステムとしては、本体機からのリクエスト信号をなるべく必要なときだけ送信して車両のバッテリ電力を節約すべく、ユーザの手のドアハンドルへの接触等が検出されたときに、ユーザの開錠意思が検知されたとして前記リクエスト信号を送信するようにしたものが知られている。また、ユーザの手のドアハンドルへの接触等を検知するセンサとしては、光学式或いは静電容量式のセンサが従来使用されていた。
例えば、特許文献1には、ドアハンドルに設けた静電容量センサで人体を検出したときに、リクエスト信号を発信するキーレスエントリー装置が開示されている。
また特許文献2には、アンロック意思検出手段(操作スイッチ又は静電容量センサ)により開錠しようとするユーザ意思が検出されると、携帯機からのIDを受信して照合を行うキーレスエントリー装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−308148号公報
【特許文献2】
特開2000−179211号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のキーレスエントリー装置では、次のような問題があった。
(イ)ユーザが施錠されたドアを開くためにドアハンドルを引く操作をしている途中に、ドアロックアクチュエータが自動開錠機能によって開錠側に作動すると、ドアロック機構の機械的な構造に起因するドアロック機構内のギヤの引っかかりが生じてドアが開錠されない不具合が発生するが、この場合ユーザは、ドアを開くため、ドアハンドルから一旦手を離した後、もう一度ドアハンドルに手を伸ばしてドアハンドルを操作する必要があり、頻度が多いと、故障だと判断したり、不快感を抱くことになって問題であった。
なお上述したように、ドアハンドルの操作中にドアロックアクチュエータが作動する現象は、光学式センサや静電容量センサを、ユーザの開錠意思を検知するセンサとして使用する従来装置の場合には、特に起こり易い。光学式センサや静電容量センサは、後述するように、周囲環境の影響を受け易く検知エリアも狭いので、ユーザの手が接近しているのに検出動作が遅れてしまい、この結果、この検出動作から認証コードの照合を経てドアロックアクチュエータが開錠側に動く動作も遅延してしまい、ドアハンドルが引かれている途中にやっとドアロックアクチュエータが作動する可能性が比較的高いからである。
【0006】
(ロ)汚れや異物(例えば、枯葉など)の影響を受け易い光学式センサや、水などの誘電体の影響を受け易い静電容量センサなどを、ユーザの開錠意思を検知するために使用していたため、周囲環境(雨滴や粉塵)によっては、このセンサが全く作動せず、ドアハンドルをユーザが操作しても自動開錠機能が全く働かないという不具合が発生する可能性があった。この場合ユーザは、自動開錠機能が働くまでドアハンドルの操作(開錠意思の検知動作)をやり直すか、物理的なキーを使って開錠操作をすることが必要になるが、頻度が多いと、やはり故障だと判断したり、不快感を抱くことになって問題である。
【0007】
なお、前述の特許文献2には、上記(イ)の問題を解決すべく、携帯機との通信が成立してIDの照合結果が一致であった時に、ハンドル操作検出手段によりドアハンドルの操作が検出された場合には、ドアロック機構を一時的に開錠動作させず、その後に開錠動作させる駆動制御手段を設ける技術が開示されている。ところがこの場合には、ハンドル操作を検出するハンドル操作検出手段を別途設けなければならず、コスト面や設置スペースの面で不利となるし、また制御処理が複雑になる短所がある。
また、前述の特許文献2には、ユーザの開錠意思を検知するための手段として、ユーザが操作するスイッチをドアハンドル近くに設ける構成が記載されており、この構成の場合には、上記(ロ)の不具合が発生する可能性はほとんどなくなる。しかし、ドアハンドル周辺の限られた空間に上記スイッチを設けなければならないので、コスト面、設置スペースの面、及び車両のデザインの自由度の点で相当不利になるという欠点がある。
そこで本発明は、ハンドルが設けられた開閉部を開けようとするユーザ意思を、なるべく早期にかつ確実に検知できる簡素な構成の検知装置、及びこの検知装置を使用した錠制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願の検知装置は、ユーザが引く操作によって外側に動作する可動部(例えば、フラップ)を有するハンドル(例えば、フラップ式のハンドル)が設けられた開閉部を開けようとするユーザ意思を検知するための検知装置であって、
前記可動部の内側から外側に向けて電波を送信する電波式のセンサを備え、
前記電波式のセンサの検知エリアは、自然位置にある前記可動部よりも外側であって、かつ最大限引かれた状態の前記可動部よりも内側に設定されており、
前記電波式のセンサは、前記可動部が自然位置からユーザに引かれて外側に動作する際と、前記可動部がユーザに引かれて外側に動作した位置から前記自然位置に戻る際に、前記可動部が前記検知エリア内において動くことを検知し、それぞれ検知出力をオンにするものである。
ここで、「開閉部」とは、人が出入りするドア(車両や住宅のドア)でもよいし、人以外の荷物等が出入りするもの(例えば、車両のトランク等)でもよい。また「自然位置」とは、外力が加わっていない状態の位置(初期位置)を意味する。
【0009】
この構成によれば、前記センサの故障等が発生していない限り、ハンドルの可動部がユーザ操作により引かれる時と、引いた後にもとの自然位置に戻る時の各タイミングで、可動部(或いはこの可動部を引くユーザの手)が前記センサにより検出されて検知出力がオンになる。このため、まんがいちセンサの出力遅延等が発生して例えば可動部を引いている途中にドアロックアクチュエータの開錠動作が行われ、その時点では自動開錠動作が不能に終わったとしても、その後ユーザが可動部を引くのをやめて可動部が戻る時に、再度開錠意思検知が行われて開錠動作が再実行される。したがって、ユーザがその後に再度可動部を引く操作を行う必要が生じる可能性は格段に少なくなる。
また、電波式のセンサを使用しているため、汚れや異物或いは雨滴などの影響を受けずに、比較的信頼性高く上記可動部(或いはこの可動部を引くユーザの手)を検出して確実にユーザの開錠意思を検知することが可能である。
さらに、電波式のセンサ以外に、検出手段やスイッチ類をハンドル内部又はハンドル周辺に設ける必要がない簡素な構成であるため、コスト面、設置スペースの面、及び車両のデザインの自由度の点で有利となる。
【0010】
また、本願検知装置の好ましい態様は、前記電波式のセンサが、自然位置にある前記可動部の外側にユーザの手が接近する際にも、検知出力をオンにする態様である。
このような態様であると、ハンドルを操作しようとして可動部の外側にユーザの手が接近した早期のタイミングでも、ユーザ意思検知が行われることになる。
なお、前記電波式のセンサは、例えば、前記可動部を一部が透過する周波数帯の電波を出力波として使用すれば、この透過した電波によって、前記可動部の外側へのユーザの手の接近を確実に検出可能となる。
また、前記電波式のセンサは、前記ハンドルの内側であって、前記開閉部に対して固定的に設けられた部位に取付ける構成(即ち、ハンドルの内側の可動部でない部分に取り付ける構成)が望ましい。このようにすれば、センサへの配線が簡単になり、生産性、コスト、設置スペース、及びデザインの自由度の点で有利になる。
【0011】
また、前記電波式のセンサとしては、誤検知の可能性が低く、小型かつ簡素で車両等への搭載性が良いものとして、出願人が開発し、特願2001−375668号及び特願2002−349415号により提案した、次のようなセンサを使用することができる。
即ち、インパルスレーダの探知波送信手段及び反射波受信手段と、前記反射波受信手段により受信された信号のうち、人の手が動作する速度範囲に対応する周波数範囲内にある信号成分の振幅レベルが、前記可動部や人の手の物性に対応した所定範囲内にあると、検知出力をオンにする判定回路部とを備えるものを使用できる。ここで、「物性」とは、電波の反射特性に影響を与える性質であり、具体的には主に誘電率である。また「判定回路部」は、例えば、前記反射波受信手段により受信された信号のうち、前記周波数範囲内にある信号成分のみを出力するフィルタ(例えば、バンドパスフィルタ)と、このフィルタの出力の振幅レベルを、前記所定範囲の境界に相当するしきい値と比較し、このしきい値に対して前記振幅レベルが前記所定範囲側にあると検知出力をオンにするコンパレータとにより、簡素かつ小型な構成で実現できる。
【0012】
次に、本願の錠制御装置は、前述の検知装置と、前記開閉部を有する物に設けられ、前記検知装置の検知出力がオンになると、ユーザが携帯する携帯機に対する所定のリクエスト信号を無線送信し、このリクエスト信号に対する前記携帯機からのアンサー信号を受信し、受信したアンサー信号が適正なものであることを確認した上で、施錠状態にある前記開閉部を開錠する開錠制御を実行する本体機とを備えるものである。即ち、本願の検知装置を、自動開錠機能のトリガ生成用(ユーザの開錠意思検知用)のセンサとして使用したものである。
【0013】
ここで、「開閉部を有する物」としては、例えば乗物や建物がある。このうち「乗物」としては、車両、船舶、飛行機などがあり得る。また、「建物」には、住宅(マンションや一戸建て等)の他、事務所、店舗、倉庫、物置などが含まれることはいうまでもない。
この錠制御装置であれば、ユーザの開錠意思をできるだけ早く複数のタイミングで検知することが可能となり、例えば前述のキーレスエントリー装置における自動開錠機能を、ユーザの動きに対してできるだけ応答性良く、かつ確実に働かせることが、簡素な構成でできるようになり、既述した問題点(イ)及び(ロ)などを解決できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
本形態例は、車両のパッシブエントリーシステムの制御装置に本発明を適用した例である。このシステムは、図1に示すように、ユーザが携帯する携帯機10と、車両側に備えられるシステム装置本体20とよりなる。なお、システム装置本体20は、本体機20aと電波式センサ30とを含む車体側の機器全体を意味する。
携帯機10は、例えば100〜150kHz程度の低周波(LF)の起動信号を受信するためのアンテナ11や受信器(受信回路)12と、高周波(例えばUHFバンド内の周波数)で後述するアンサー信号や操作信号(施錠操作信号又は開錠操作信号)を無線送信するための送信器(送信回路)13及びアンテナ14と、携帯機全体の制御や必要な情報処理を行うマイコンを含むコントローラ(制御回路)15とを備える。また携帯機10は、図示省略しているが、少なくとも認証コード(IDコードなどとも呼ばれる)を記憶する携帯機側記憶手段(例えば、EEPROM)や、電源としての内蔵電池を備える。なおこの場合、携帯機側記憶手段は、コントローラ15内に設けられていてもよい。
【0015】
なお、ここでいう起動信号は、携帯機10のマイコンをWAITモード(電力消費を押さえるための低消費電力モード、スリープ状態ともいう)から起動させる信号である。この場合、携帯機10のマイコンは、この起動信号により起動すると上記認証コードを含むアンサー信号を高周波の電波に載せて無線送信するようプログラムされており、この意味において上記起動信号は本発明のリクエスト信号に相当する。
またこの場合、携帯機10に必要な電力(少なくとも起動時の電力)は、本体機20aからの電力伝送でまかなうようにしてもよい。この場合、本体機20aから携帯機10への送信周波数が低周波なので、この電波を使って電力伝送が比較的効率よく可能であり、携帯機10で必要な電力を全て本体機からの電力伝送でまかなうことも原理的には可能であり、そうすれば携帯機の内蔵電池が不要になる。
なお、携帯機10の形状は特に限定されるものでなく、例えばカード形状であってもよいし、イグニションキーに組み込まれた態様でもよい。
【0016】
また、携帯機10の表面には、例えば押しボタン式の操作部である施錠用スイッチや開錠用スイッチ(図示省略)が設けられており、通常のキーレスエントリーシステム(単方向通信式のもの)としての遠隔操作が可能な構成となっていてもよい。即ち携帯機10は、上述した起動信号を受けて起動して前記アンサー信号を所定回数送信する機能を有するとともに、上記施錠用スイッチ又は開錠用スイッチが操作されると起動して、認証コードを含む施錠操作信号、或いは認証コードを含む開錠操作信号を無線送信する機能を有していてもよい。そして、これら施錠操作信号又は開錠操作信号が送信され、これらが装置本体20で受信されると、装置本体20の後述するコントローラ21の制御機能で照合確認がなされた上で車両のドアを即座に施錠又は開錠する動作が実行される構成となっていてもよい。
【0017】
また、本例の携帯機10は、必要な動作(例えば、上記アンサー信号の送信)を終了するとWAITモードに自動復帰し、その後に起動信号の受信等があるまでWAITモードを継続して電力消費を抑制する態様であるが、必ずしもこのような態様に限定されない。例えば携帯機10が、定常時はスタンバイモードとして待機し、所定タイミング毎に動作モードに移行して間欠的に受信回路を作動させて受信動作を間欠的に行う。そして、この間欠的な受信動作のいずれかで装置本体20から無線送信される所定のリクエスト信号(起動信号ではなく単にアンサー信号を要求する信号であって、低周波に限らず高周波信号でもよい)を受信すると、これに応答して携帯機側記憶手段に登録された認証コードを含むアンサー信号を所定回数無線送信する態様でもよい。
【0018】
一方装置本体20は、図1に示すように、コントローラ(制御回路)21、送信器(送信回路)22、送信アンテナ23と、受信器(受信回路)24、受信アンテナ25、ドアロックコントローラ26、ドアロックアクチュエータ27、リレー28、及びセンサ30を備える。なお、コントローラ21、送信器22、送信アンテナ23、受信器24、及び受信アンテナ25は、本体機20aを構成する。また、符号29で示すものは、車両のバッテリである。
この場合の送信器22及び送信アンテナ23は、前述した低周波数の起動信号を送信するためのものであり、受信器24及び受信アンテナ25は前述した高周波のアンサー信号や操作信号を受信するためのものである。
コントローラ21は、装置本体20全体の制御や、ドアロックコントローラ26を介したドアロックアクチュエータ27の制御に必要な処理を行うマイコンを含むものであり、この場合には、認証コードを記憶する図示省略した本体機側記憶手段(例えば、EEPROM)を内蔵する。なお、符号21a,21bで示すものは、上記コントローラ21内のマイコンを構成するCPUやタイマである。
【0019】
またリレー28は、ドアロックアクチュエータ27に接続され、ドアの施錠が完全に行なわれた場合にはロック側信号ラインL1をグランドに接続し、ドアの開錠が完全に行なわれた場合にはアンロック側信号ラインL2をグランドに接続するものである。
なお、コントローラ21、送信器22、及び受信器24などは、例えば車両のドア内部等に配置される制御ユニット(ECU)内に設けられる。また、送信アンテナ23と受信アンテナ25は、上記制御ユニットに設けられてもよいが、送信器22や受信器24とともに、或いはこれらとは分離されて、上記制御ユニットとは別の位置(例えば、ルームミラー、ドアミラー、運転席又は他席のドア又はドアハンドル、或いはトランクゲート周辺など)に設けられてもよい。
またこの場合、センサ30の出力信号は、センサ出力ラインL3を通してコントローラ21に入力され、またセンサ30の電源は、電源ラインL4を介してコントローラ21から供給されている。
【0020】
次に、電波式のセンサの一例であるセンサ30について説明する。
この場合のセンサ30の基本構成は、出願人が開発し前述した出願により既に提案したものであり、以下その概略を説明する。
このセンサ30は、車両のドアハンドル(フラップ式ドアハンドル)に接近した車両ユーザの身体(例えば手や指)を検出し、ドアの自動開錠動作のトリガとなる検知出力を生成するためのドアハンドルセンサであり、図2(a)に示す構成となっている。即ち、大きく分けてセンサ本体31と、送信アンテナ32と、受信アンテナ33とよりなる。そしてセンサ本体31は、送信クロック生成回路34と、インパルス整形回路35と、受信クロック生成回路36と、ビート生成回路37と、サンプリングパルス整形回路38と、サンプルホールド回路39と、判定回路部40とを有する。
なお、送信クロック生成回路34、インパルス整形回路35、及び送信アンテナ32は、インパルスレーダの探知波送信手段に相当する要素であり、受信クロック生成回路36、ビート生成回路37、サンプリングパルス整形回路38、サンプルホールド回路39、及び受信アンテナ33は、インパルスレーダの反射波受信手段に相当する要素である。
また、センサ本体31は、コントローラ21などとともに前述の制御ユニット内に設けてもよいが、ドアハンドル内に収納することも可能である。
【0021】
ここで、送信クロック生成回路34は、インパルスレーダの基準波(例えば、455kHz)を生成する回路であり、例えば水晶振動子を発振源とする発振回路によって構成されている。また、受信クロック生成回路36は、インパルスレーダのビート波(例えば、1kHz)を生成する回路であり、例えば変形コルピッツ型低消費電流発振器によって、送信クロック生成回路34とは別個に構成されている。
【0022】
次に、インパルス整形回路35、ビート生成回路37、サンプリングパルス整形回路38、及びサンプルホールド回路39について、その概要を説明する。
インパルス整形回路35は、送信クロック生成回路34で生成された波形を整形し、所定の矩形波(パルス)として送信アンテナ32に入力する。これにより、送信アンテナ32が、周期的にオンオフされ、所定の送信波(送信アンテナ32の帯域幅による制限を受けた周波数成分で、高調波を含む)が放射される。
ビート生成回路37は、基準波の波形をビート波によって変化させたサンプリングパルス(ビート波に対応したゆらぎ成分を有するもの)を生成する回路である。サンプリングパルス整形回路38は、このビート生成回路37で生成された波形を整形し、サンプルホールド回路39に入力する。そしてサンプルホールド回路39では、受信アンテナ33からの入力にサンプリングパルス整形回路38の出力を混合し、受信アンテナ33からの入力のうちの所定の低周波成分(被検知物体からの反射波の成分を含むもの)を取り出して出力する。なお、サンプリングパルスにビート波に対応したゆらぎ成分を付加する技術は、インパルスレーダにおいて適正な反射波を効率よく受信するための一つの手法である。
【0023】
次に判定回路部40は、図2(b)に示すように、低域増幅回路(AMP)41と、ほう絡線検波回路42と、バンドパスフィルタ(BPF)43と、コンパレータ44と、インターフェース(I/F)45とよりなる。
ここで、低域増幅回路41は、サンプルホールド回路39の出力を扱い易いレベルに増幅する回路であり、原理的には必ずしも必須な要素ではない。また、ほう絡線検波回路42は、低域増幅回路41の出力に対してほう絡線検波を行い、余分な成分(後述するゆらぎ成分以外の高周波成分)を予め除去するためのものである。このほう絡線検波回路42の出力としては、手などの物体がアンテナ32,33に接近することによるゆらぎ成分を主に含む波形が得られる。ここで、このゆらぎ成分の周波数は、手などの物体の移動速度に対応して増減する(移動速度が早ければ周波数が当然高くなる)。なお、このほう絡線検波回路42も、原理的には必ずしも必須な要素ではない。その後のバンドパスフィルタ43において、上記余分な成分の除去も含めて処理することも可能である。但し、このほう絡線検波回路42があれば、予め余分な成分が除去されるので、信号処理が効率よく行える。
また、バンドパスフィルタ43は、ほう絡線検波回路42の出力のうち、検知しようとする特定物体(この場合、人の手)の速度範囲に対応する周波数範囲(この場合、1Hz〜数10Hz)内にある信号成分のみを出力するフィルタ回路である。コンパレータ44は、バンドパスフィルタ43の出力の振幅レベルを、この場合人の手の物性(主に誘電率)に対応した所定範囲の下限に相当するしきい値と比較し、このしきい値に対して前記振幅レベルが前記所定範囲側にあると(即ちこの場合には、しきい値を超えていると)、その出力(検知出力)をオンにする。そして、インターフェース45は、必要な信号形態の変換を行ってコンパレータ44の出力を特定物体の検知出力としてコントローラ21に入力する回路である。
【0024】
この判定回路部40によれば、上記バンドパスフィルタ43とコンパレータ44の特性によって決まる所定の判定領域に、ほう絡線検波回路42の出力特性値(周波数と振幅レベル)が存在すると、検知しようとする特定物体(人の手)がアンテナ32,33に接近したとして検知出力がオンになる。
なお、ここでの振幅レベルは、受信波(反射波)の受信強度(受信レベル)に相当するパラメータであり、アンテナからの距離の違いを無視すれば主に接近した物体の誘電率に応じて増減する。このため、特定物体と誘電率の違う異物による波形成分は、周波数(即ち異物の接近速度)が特定物体と仮に同程度だとしても、前記しきい値を下回って判定領域に入らず検知されない。この場合、例えば水や紙或いはプラスチックなどは、人の手よりも格段に誘電率が低いので、上記コンパレータ44の比較判定によって信頼性高く排除できる。即ち、例えば紙切れや枯葉などが、人の手の移動と同程度の速度でアンテナ32,33に接近したとしても、検知出力がオンとなる誤検知は発生しない。
また、ほう絡線検波回路42の出力特性値のうちの周波数(物体の反射による成分の周波数)は、既述したように接近した物体の移動速度に対応する。このため、特定物体と移動速度の違う異物による波形成分は、振幅レベル(即ち異物の誘電率)が特定物体と仮に同程度だとしても、バンドパスフィルタ43の特性範囲から外れて判定領域に入らず検知されない。この場合、例えば人の手よりも早く移動する落下物や、極端にゆっくり移動する物体(停止物含む)は、人の手と同程度の誘電率をもつ物体(例えば、金属)だとしても、上記バンドパスフィルタ43の作用によって信頼性高く排除できる。例えば、金属製の柱などにアンテナ32,33が接近した状態で車両が駐車されたときでも、その金属製の柱が手と誤って検知され続けることはない。また、万が一誘電率の高い雨滴などが落下してきたとしても、高い確率で誤検知を回避できる。
したがって、この場合のセンサ30によれば、人の手が接近したときには確実に検知出力がオンとなり、その他の異物の接近や環境の変化によっては、ほとんどの場合誤検知が生じない(少なくとも、誤検知が繰り返し継続するような不具合は、信頼性高く回避される)。
また、電波式であるので、静電容量式のセンサに比べて、格段に広い検知エリア(長い検知距離)が設定できる。また、センサから離れた特定領域に検知エリアを設定することも可能である。
【0025】
次に、センサ30のフラップ式ドアハンドルへの取付け位置や、その検知エリアの設定などについて説明する。
なお、フラップ式ドアハンドルは、図3(a)に示すように、ドア(開閉部)と一体的に設けられるドアハンドルの取付け部41と、この取付け部41に対して揺動可能に取付けられたフラップ42と、このフラップ42を図3(a)に示す自然位置(外力が加わっていない初期位置)に復帰させる図示省略した付勢手段(例えば、コイルバネ)などで構成される。
またフラップ42は、電波を透過し難い金属メッキなどが表面に施されていないもので、人の手と同程度の比誘電率(2から10)の材質よりなる。このため、センサ30で使用している周波数帯(100kHz〜2GHz)の電波は、フラップ42の表面で20%〜50%の割合で反射され、残りはフラップ42を透過する。
この場合のセンサ30は、例えば図3に示すように、センサ本体31の上面から送信アンテナ32を伸ばし、センサ本体31の下面から受信アンテナ33を伸ばし、全体をカバー34で覆った構造となっている。そして、このセンサ30は、取付け部41におけるフラップ42の内側位置に形成された凹部41aに配置され、取付け部41(開閉部に対して固定的に設けられた部位)に対してネジ35によって固定されている。
【0026】
また、このセンサ30の検知エリアは、各アンテナ32,33の仕様や前述した判定回路部40の特性などの調整により、次のような領域に設定されている。即ち、自然位置にあるフラップ42よりも外側であって、図3(b)に示す如く最大限引かれた状態のフラップ42よりも内側に設定されている。この場合、自然位置のフラップ42とセンサ30との距離を図3(a)の如く符号D0で表し、最大限引かれた状態のフラップ42とセンサ30との距離を図3(b)のように符号D1で表すと、センサ30と被検出物体との間の距離が、図4(b)に示すD3(D3>D0)より大きく図4(a)に示すD2(D3<D2<D1)より小さい範囲(図5に示すD±ΔDの領域)が、検知エリアとなっている。
このため、このセンサ30では、上記検知エリア(距離D3〜D2の領域)内において手又はこれと同等の誘電率を持つ物体(例えば、フラップ42)が動くと、図5(a)に示すように受信レベルがしきい値(この場合、前述した判定回路部40の特性によって決まるしきい値)を上回り、図5(b)のようにセンサ出力(即ち、検知出力)がオンする。さらにいうと、この場合上記検知エリア内にフラップ42が動くと、送信アンテナ32から送信されてフラップ42の内面で反射し受信アンテナ33で受信される電波W1,W2により検知出力がオンする。また、自然位置にあるフラップ42の外側の上記検知エリア内に人の手Tが近づくと、送信アンテナ32から送信されてフラップ42を透過して手Tで反射し受信アンテナ33で受信される電波W3,W4により検知出力がオンする。
したがって、このセンサ30によれば、自然位置(距離D0)にあるフラップ42の外側に人の手Tが近づく際と、フラップ42が自然位置からユーザに引かれて外側に動作する際と、フラップ42がユーザに引かれて外側に動作した位置(例えば距離D1)から自然位置に戻る際に、それぞれ検知出力がオフからオンとなる。
【0027】
次に、コントローラ21の機能、及び本システムの動作について説明する。
上記コントローラ21は、例えば以下のような処理動作を実行する機能を有する。即ち基本的には、車両のドアが施錠状態にある場合(ドアロックアクチュエータ27がロック側に作動状態の場合)には、センサ30の検知出力がオンになると、送信器22及び送信アンテナ23により前述の起動信号を所定回数送信するとともに、受信器24を機能させて受信動作を実行する。そして、起動信号の送信後に携帯機10からアンサー信号を受信すると、このアンサー信号に含まれる認証コードが本体機側記憶手段に予め登録された認証コードに対応しているか否かを判定し、この判定結果が肯定的であれば照合確認がなされたとして、ドアロックアクチュエータ27を制御し、施錠状態にある車両のドアを開錠する開錠制御を実行する。
【0028】
図6は、コントローラ21の上述した制御処理を実現するフローチャートの一例である。この場合、コントローラ21は、図6に示す処理を例えば周期的なタイミングで開始する。
処理が開始されると、まずステップS1で、前述したロック側信号ラインL1やアンロック側信号ラインL2の電位を読み取り、ドアが施錠状態にあるか否か判定する。そして、施錠状態であれば次のステップS2に進み、施錠状態でなければ1シーケンスの処理を終了する。なお、1シーケンスの処理が終了すると、次のタイミングでステップS1から処理が再度実行される。
次にステップS2では、手が検知されているか否か(即ち、センサ30の検知出力がオンになっているか否か)を判定し、検知されている場合にはステップS4に進み、検知されていないときには1シーケンスの処理を終了する。
そしてステップS4では、送信器22を制御して前記起動信号を所定回数送信し、携帯機10からのアンサー信号の受信動作を実行する。
【0029】
次にステップS5では、適正な形式のアンサー信号を受信し、受信した信号に含まれる認証コード(IDコード)の照合確認を行い、照合結果が適正であるか否か判定する。そして、照合結果が適正であればステップS6に進み、そうでなければ1シーケンスの処理を終了する。
そしてステップS6では、ドアロックアクチュエータ27を制御して施錠状態にあるドアを開錠する。ステップS6を経ると1シーケンスの処理を終了する。
なおこの場合、ステップS6での開錠動作が実際には実行されない場合には、次の実行タイミングでステップS1の判定が再度肯定的になり、その結果としてステップS2以降の処理が繰り返し行なわれることになる。しかし、開錠動作が実際には実行されない場合、次の実行タイミングを待たずに即座にステップS2以降を繰り返し行なう構成としてもよい。即ち、ステップS6の次に、前述したロック側信号ラインL1やアンロック側信号ラインL2の電位を読み取り、開錠動作が完全に実行されたか否かを判定するステップを設け、完全に開錠動作が実行されていない場合には、ステップS2に戻ってステップS2以降の処理を即座に繰り返すような処理内容としてもよい。
【0030】
以上説明した処理、及び前述したセンサ30等の構成であると、パッシブエントリーシステムの開錠動作として、図7に示すような動作が実現される。
即ち、適正な携帯機10を持ったユーザが施錠されたドアを開けようとして、ドアハンドルのフラップ42に手を接近させると(ステップS21)、正常時はセンサ30の検知出力が即座にオンとなるので、施錠状態にあるドアがその時点で自動開錠する(ステップS22,S31〜S34)。このため、ユーザがフラップ42を引く操作をする時点では、既に自動開錠動作が終了しており、ユーザは開錠されるのを待つ必要なくスムーズにドアを開け、例えば車両内に即座に搭乗することができる。なお、ユーザがフラップ42を操作する際(引く際及び戻す際)にも、正常状態であればセンサ30の検知出力が既述したようにオンとなるが、上述したようにユーザの手の接近により早期に自動開錠動作が実行される正常時には、このような検知出力は結果として無視されスキップされる(ステップS35〜S39)。
そして、なんらかの要因(例えば、センサ30にとってノイズとなる周囲環境からの外来電波)により、まんがいち、ユーザの手の接近がセンサ30によって検知されないか、或いは検知が遅延して、ユーザの手が接近することによる上記自動開錠動作が実際に実現されなかった場合には、ユーザがフラップ42を引く際、或いはその後にフラップ42を戻す際のセンサ30の検知動作が正常であれば、これら何れかの時点で検知出力がオンとなるので、施錠状態にあるドアがその時点で自動開錠する(ステップS23〜S28,S31〜S34)。
なお、ユーザがフラップ42を引いた後に戻す態様には、手を添えたまま戻す態様と、引いた後に手を離してしまう態様があるが、センサ30は既述したように手もフラップ42も同様に検出可能であるので、正常であれば、何れの態様の場合にも同様に検知出力がオンとなる。
また、最悪のケースとして、ユーザが手を接近させた際、フラップ42を引く際或いは戻す際のいずれの場合にも、検知出力が正常に出力されずに自動開錠動作が遂行されなかった場合には、自動開錠機能を働かせるべく従来と同様に再度フラップ42を操作可能である(ステップS29)。
【0031】
以上説明した本形態例のセンサ30(検知装置)やこれを含む制御装置によれば、次のような作用効果が得られる。
センサ30の故障等が発生していない限り、ハンドルを操作しようとしてフラップ42の外側にユーザの手が接近した時と、フラップ42がユーザ操作により引かれる時と、引いた後にもとの自然位置に戻る時の合計3回のタイミングで、ユーザの手或いはフラップ42がセンサ30により検出されて検知出力がオンになる。
このため、正常状態であれば、フラップ42の外側にユーザの手が接近した1回目の早期のタイミングで自動開錠動作が実現し、パッシブエントリーシステムの快適性や利便性が最大限発揮される。また、まんがいち上記早期のタイミングでの自動開錠動作が実現されなかった場合でも、次の2回目のタイミング(フラップ42がユーザ操作により引かれる時)或いはさらに次の3回目のタイミング(フラップ42が自然位置に戻る時)で、ユーザの開錠意思が検知されて自動開錠動作が実行される可能性がある。また、まんがいちセンサ30の出力遅延等が発生して例えばフラップ42を引いている途中にドアロックアクチュエータ27の開錠動作が行われ、その時点(上記1回目或いは2回目のタイミングでの検知による開錠動作の際)では自動開錠動作が不能に終わったとしても、その後ユーザがフラップを引くのをやめてフラップが戻る時(上記3回目のタイミング)に、再度開錠意思検知が行われて開錠動作が再実行される。
また、電波式のセンサを使用しているため、汚れや異物或いは雨滴などの影響を受けずに、比較的信頼性高く上記フラップ42やユーザの手を検出して確実にユーザの開錠意思を検知することが可能である。
したがって、ユーザがフラップ42を操作した後に、再度フラップ42を操作する必要(或いは、自動開錠動作をあきらめて物理的なキーによって開錠する必要)が生じる可能性は格段に少なくなり、既述した問題点(イ)及び(ロ)を解決できる。
【0032】
なお、仮に光学式センサを用いた場合、遮光量で検知しているため、以下の問題が考えられる。様々なセンサ取付け位置が考えられるが、センサを指挿入口に取付けてその遮光量で検知する場合には、ユーザがフラップを握ったままフラップを元に戻しても、遮光量はあまり変化しない。逆にフラップから手を離して戻した場合、むしろ遮光量が減少する傾向になるのでセンサ出力されないことになる。この場合、センサ出力させるには再度フラップを握り直すという行為が発生する。
また、静電容量センサを用いた場合、フラップに接触することによって発生する容量の変化を検知してセンサ信号を出力させるが、「接触する=静電容量が増加した」という静電容量増加をトリガとしてセンサ出力させるのであれば、ユーザがフラップを握ったままフラップを元に戻しても、容量変化は僅かであるし、逆にフラップから手を離して戻した場合には、静電容量が減少するのでセンサ信号は出力されないことになる。このため、この場合も、センサ出力させるには再度フラップを握り直すという行為が発生する。
【0033】
またセンサ30は、例えば図8(a)や図8(b)に、より実際的に示すように、フラップ42の内側のハンドル取付け部41に取付けるだけでよく、配線も楽である。そして、電波式のセンサ30以外に、他の検出手段やスイッチ類をハンドル周辺に設ける必要がない簡素な構成であるため、生産性の面、コスト面、設置スペースの面、及び車両のデザインの自由度の点で有利となる。
ちなみに、静電容量センサの場合、例えば図8(c)に示すように、電極51,52をフラップ42内に埋め込む必要があり、さらに、これら電極51,52とセンサ本体53との間の信号線を、可動部分であるフラップ42から固定部分であるハンドル取付け部41の側に引き回す必要が生じる。このため、コスト的にも製造工程的にも、またデザインの自由度等の点でも不利である。
したがって、本例のセンサ30及びこれを利用した制御装置であれば、限られた空間内にセンサ30を問題なく配置することが可能で、デザイン上の問題もなく、ドアハンドルに特別な加工も必要なく、さらに既述したように、ハンドルを握り直す必要が生じてユーザが不快感を感じることも格段に少なくなる。
【0034】
なお、本発明は上記形態例に限定されるものでなく、各種の態様があり得る。例えば、上記形態例では、電波式センサの検知エリアを自然位置にあるハンドルのフラップよりも外側に設定しているが、上述したセンサ30のように検出対象の動作速度を考慮して判定を行い停止物が検知されないセンサであれば、上記検知エリアは自然位置にあるフラップよりも内側に分布していても問題ない。上述したようなセンサの場合、自然位置にフラップが停止すれば、そこが検知エリア内であっても検知出力がオフするからである。
また、本発明の制御装置は、一般的なキーレスエントリーシステム(携帯機に設けたスイッチ操作によりドアロック機構を遠隔操作するシステム)の機能がないものであってもよい。
また本発明は、携帯機と本体機間の無線通信に基づきドア又はそれに類する開閉部の施錠制御を行う装置であれば、車両のエントリーシステム以外にも広く適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、上述したように、ハンドルが設けられた開閉部を開けようとするユーザ意思を、なるべく早いタイミングで、またユーザの1回の動作に対して複数回のタイミングで検出し、なるべく早期にかつ確実に検知できる簡素な構成の検知装置、及びこの検知装置を使用した錠制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両ドアの錠制御装置の構成を示す図である。
【図2】センサの要部構成を示す図である。
【図3】センサの構造及び取付け構成等を示す図である。
【図4】ハンドル及びセンサの動作を説明する図である。
【図5】センサの検知エリアを説明する図である。
【図6】本体機の制御処理を示すフローチャートある。
【図7】自動開錠動作の流れを示すフローチャートある。
【図8】センサのより実際的な取付け例及び比較例を示す図である。
【符号の説明】
42 フラップ(ハンドルの可動部)
10 携帯機
20a 本体機
30 電波式センサ
Claims (6)
- ユーザが引く操作によって外側に動作する可動部を有するハンドルが設けられた開閉部を開けようとするユーザ意思を検知するための検知装置であって、
前記可動部の内側から外側に向けて電波を送信する電波式のセンサを備え、
前記電波式のセンサの検知エリアは、自然位置にある前記可動部よりも外側であって、かつ最大限引かれた状態の前記可動部よりも内側に設定されており、
前記電波式のセンサは、前記可動部が自然位置からユーザに引かれて外側に動作する際と、前記可動部がユーザに引かれて外側に動作した位置から前記自然位置に戻る際に、前記可動部が前記検知エリア内において動くことを検知し、それぞれ検知出力をオンにすることを特徴とする検知装置。 - 前記電波式のセンサは、自然位置にある前記可動部の外側にユーザの手が接近する際にも、検知出力をオンにすることを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
- 前記電波式のセンサは、前記可動部を一部が透過する周波数帯の電波を出力波として使用するものであり、この透過した電波によって前記可動部の外側に接近するユーザの手を検出することを特徴とする請求項2に記載の検知装置。
- 前記電波式のセンサを、前記ハンドルの内側であって、前記開閉部に対して固定的に設けられた部位に取付けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の検知装置。
- 前記電波式のセンサは、
インパルスレーダの探知波送信手段及び反射波受信手段と、
前記反射波受信手段により受信された信号のうち、人の手が動作する速度範囲に対応する周波数範囲内にある信号成分の振幅レベルが、前記可動部や人の手の物性に対応した所定範囲内にあると、検知出力をオンにする判定回路部とを備えるものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の検知装置。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の検知装置と、
前記開閉部を有する物に設けられ、前記検知装置の検知出力がオンになると、ユーザが携帯する携帯機に対する所定のリクエスト信号を無線送信し、このリクエスト信号に対する前記携帯機からのアンサー信号を受信し、受信したアンサー信号が適正なものであることを確認した上で、施錠状態にある前記開閉部を開錠する開錠制御を実行する本体機と
を備えることを特徴とする錠制御装置。
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