JP4066435B2 - 止水機構 - Google Patents

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本発明は、例えばアンカーの削孔用ケーシングの様に地中に位置する部材の口元部における止水機構に関する。
アンカーの削孔用ケーシング等の様な(地中に配置される)部材の地表部との境界領域、すなわち口元部において止水を行うための装置としては、例えば、口元プリペンダーと呼ばれる装置がある。
係る口元プリペンダー100は、例えばRC地中連続壁の場合には図10で示す様に、止水ボックス200の傾斜した上面210に配置された円環状の板状部材から成り、その円環状の空間にケーシング1を挿通させ、ケーシング1を出し入れする様に構成されている。
前記止水ボックス200は、ストップバルブ400から、ケーシング1と図示しない地表部の境界から漏水した地下水を排水するための箱(口元プリベンター100で止められた水、削孔水の逃げ、を排水する)として形成されている。
一方、例えばソイル地中連続壁における口元プリペンダー100が、図11で示されている。
ソイル地中連続壁では、H形鋼500とソイル地中連続壁510とで構築された土留壁520にケーシング1を斜めに貫通させ、そのケーシング1を削孔、或いは削孔後の除去の際に回転させながら出し入れする。上記口元プリペンダー100は、そのようなソイル地中連続壁において、ケーシングの挿通孔1Hに沿ったガイド管600を立設した口元プレート610のガイド管600の先端部にビクトリックジョイント700を介して止水ボックス250が取付けられ、その止水ボックス250の上面側に上記口元プリペンダー100が配置される。
ここで、図11における止水ボックス250は、ガイド管600を固定する役割を主として奏する部材であり、止水については口元プリペンダー100が機能する。
従来の口元プリペンダー100の詳細を、図12を参照して説明する。
口元プリペンダー100は、止水ボックス200に固定して配置され、プリペンダリング60及び止水パッキン70を収容するパッキン収容部材110と、プリペンダリング60及び止水パッキン70を押圧するパッキン押圧用部材120とによって構成されている。
ここで、止水パッキン70は、円環状を成し、内径部にケーシング1を挿通させ、ケーシング1と地表部の境界から漏水した地下水をここの位置において堰き止めている。
また、プリペンダリング60は同じく円環状であり、2つ一組で、図示の例では、2つの止水パッキン70を重ね合わせたその上下方向を挟み込むために用いている。
前記パッキン収容部材110は、円筒状のパッキン収容部112とそのパッキン収容部の外周に形成されたフランジ114とパッキン収容部112の下端でパッキン収容部112の内径より系の小さい円形開口部116を有している。
前記フランジ114には、止水パッキン70を押圧するための締め込みボルト117の頭を逃げる逃げ孔115aを備えたボルト孔115が複数形成されている。
前記パッキン押圧用部材120は、円筒部122とフランジ124とを有している。その円筒部122の外径は、前記パッキン収容部材110のパッキン収容部の内径よりも幾分小さく形成されており、その円筒部122の先端の端面122aで前記プリペンダリング60の上面と接触する様に形成されている。
フランジ124には、前記パッキン収容部材110のフランジ114に形成されたボルト孔115と対応する箇所に取付け孔125が形成されている。
前記締込みボルト117は、パッキン収容部材110側の前記逃げ孔115a側から挿入され、パッキン押圧用部材120の取付け孔125を貫通する様に挿入され、そのボルトの先端から締め込み用ナット118を螺合させる。
プリペンダリング60と止水パッキン70の内径、外径は略等しく、特に止水パッキン70の内径は、パッキン押圧用部材120で押圧する前は、プリペンダリング60及び止水パッキン70を挿通するケーシング1の外径に接触する程度に形成されている。
止水パッキン70は、例えば、グリースコットン(油を染み込ませた布、紐)、或いは、チュラストリング(弾性ブッシュ)が用いられる。
前記締込み用ナット118を締め込むことにより、パッキン押圧部材120の下端でプリペンダリング60を介して止水パッキン70を上下から、潰す様に変形させる。止水パッキン70の変形によって、図示しないアンカーのケーシング1と周辺土壌との境界から漏れ出る水を止める。
しかし、上述した従来例では、振動により、ケーシング1の擁壁や地表面等に対する角度が、所定の角度からずれて、図12の符号1B(形状は1点鎖線)に示すように傾斜してしまう場合がある。
ケーシング1が所定の角度からずれてしまうと、止水パッキン70がケーシング1に接触する面積が減少することとなり、止水パッキン70が効かなくなる。その結果、ケーシング1外周面と周辺土壌との境界から、水が漏出してしまう。
また、削孔中のケーシングは回転しているので、その間にパッキングが損傷して、漏水を惹起してしまう場合があった。
これは、従来技術では、ケーシングがブレた場合に、対応が困難であることによる。すなわち、従来の止水構造では、ボルトによる固定式であるため、削孔中にケーシングがブレてしまうと、ボルト増し締め等により止水手段を締め込まなければならない。
その他の従来技術として、例えば、台座プレートが予め取り付けられていない擁壁に、ケーシング削孔時の止水性を確保しつつ、台座プレートを取り付ける技術が存在する(たとえば、特許文献1)。
しかし、係る技術では、図12を参照して説明した従来技術と同様、削孔する際にケーシング自体がぶれてしまった場合に、止水性を確保することが困難である。
特開2000−27182号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、地中に位置する部材(例えばケーシングやソイレックスチューブ)がぶれてしまっても、その口元部における止水性を確保出来る様な止水機構の提供を目的としている。
本発明によれば、地中に位置する地中位置部材(1)の外周部に設置される止水機構(A1)において、上下に間隔をおいて設けられた円筒状の上下のライザー本体(31)、及び上方のライザー本体(31)の上端部及び下方のライザー本体(31)の下端部から一体的に半径方向外方に延びるフランジ(32)とで構成された上下1対のセンターライザー(3、3)と、前記上下のライザー本体(31)の半径方向外方に位置する基本円筒部(21)、前記上下のライザー本体(31)間の離隔部に位置する円筒縮径部(22)、及び基本円筒部(21)の上下の各端部から夫々半径方向外方に延長された上下フランジ部(23)を有し、かつ可撓性材料で構成されるとともに内部に前記地中位置部材(1)が挿通されるパッカー(2)と、前記パッカー(2)の基本円筒部(21)及び円筒縮径部(22)の半径方向外方に位置する円筒部(51)及び円筒部(51)の上下両端部から半径方向外方に延びるフランジ部(52)を有し、該フランジ部(52)とセンターライザーのフランジ部(32)との締結手段(7、8)での締結によりパッカーのフランジ部(23)を挟持するパッカー支持部材(5)と、前記パッカー支持部材(5)に取り付けられ、パッカー(2)とパッカー支持部材(5)の間の空間に圧力流体を供給する圧力供給手段(11)及び該空間からパッカー内の圧力流体を排出する圧力抜き手段(12)と、を有し、下方の前記センターライザー(3)が擁壁(W)に固定の止水ボックス(9)に取り付けられて、パッカー(2)とパッカー支持部材(5)の間に圧力流体が供給されるとその円筒縮径部(22)が前記上下ライザー本体(31)間の離隔部に突出して前記地中位置部材(1)の外周部に密着する機能を有している。
そして本発明によれば、前記止水機構(A1)が設けられている軸方向上方にさらに同じ構成の止水機構(A1)を配置し、それらの中間に確認ボックス(B)を介装して両者を連結し、該確認ボックス(B)は、前記ライザー本体(31)の内径より大きな内径の円筒部(B1)、及び該円筒部(B1)の上下の端部から半径方向外方および内方に延びライザー本体(31)の内径に等しい内径のフランジ部(B2)を有し、前記フランジ部(B2)と前記フランジ部(32)及びフランジ部(52)とが締結手段(7、8)で締結され、該確認ボックス(B)の円筒部(B1)に止水薬液注入用のバルブ(V1)、及び止水薬液排出用のバルブ(V2)がそれぞれ離隔して取り付けられている。
また、本発明によれば、2本の地中位置部材(1S)の軸方向端部に段部(J)が形成されて接合される場合に、該段部(J)の半径方向外方に前記パッカー(2)の円筒縮径部(22)が位置するように配設されている。
上述する構成を具備する本発明によれば、可撓性材料(例えば、ゴムの様な弾性材料)で構成されたパッカー(2)と、該パッカー(2)に圧力流体(例えば、高圧エア、高圧水)を供給する圧力供給手段(圧入弁11)と、パッカー(2)内の圧力流体を排出する圧力抜き手段(減圧弁12)とを有し、前記パッカー(2)は圧力流体が供給されると半径方向内方へ膨張して地中に配置される前記部材(例えばケーシング1やソイレックスチューブ1S)の外周部に密着する様に構成されているので、前記部材の外周面に沿って漏れ出てくる水を完全に止水することが出来る。
そして、前記部材が、例えばソイレックスチューブの様に進行方向(或いは長手方向)について、段部が形成されている場合であっても、可撓性材料で構成されたパッカー(2)が半径方向内方へ膨張すれば、当該段部と密着することが出来るので、その様な段部を有する場合においても、前記部材表面に沿って漏れ出てくる水を完全に止水することが出来るのである。
また、可撓性材料で構成されたパッカー(2)は、半径方向内方に位置する(地中に配置される)前記部材(1)の変位に対して、極めて追随性が良い。従って、地中に配置される前記部材(1)の位置が変位したとしても(所謂「ぶれた」状態となっても)、パッカー(2)はその追随性により前記部材(1)の変位に対応することが出来る。すなわち、パッカー(2)内の流体は、前記部材(1)が変位した分だけ移動するので、当該変位(或いは「ぶれ」)に対処することが出来る。
地中に配置される前記部材(1)の変位(或いは「ぶれ」)に対処することが出来るため、前記部材(1)の外周面にパッカー(2)が密着した状態が維持され、止水性が確保される。
従って、地中に配置される前記部材(1)が回転していても、パッカー(2)が破損しない限り、止水性を確保できる。
係る作用効果は、パッカー(2)を弾性材料(例えばゴム)で構成した場合には、特に顕著に発揮される。
本発明において、地中に配置される前記部材(例えばケーシング1)の軸方向両端部にセンターライザー(3)が設けられており、前記パッカー(2)の(地中に配置される前記部材1の軸方向)両端部はセンターライザー(3)の半径方向外方に位置する様に構成すれば(請求項2)、センターライザー(3)により、前記(地中に配置される)部材(1)の角度(例えば、ケーシング1と擁壁や地表面との角度)を一定に保ち、当該部材(例えばケーシング1)がぶれてしまうことが防止できる。
そのため、前記当該部材(例えばケーシング1)外周面と周辺土壌との間(境界)からの止水性が、さらに確保される。
これに加えて、センターライザー(3)とその他の部材(センターライザー支持用のフランジ32及びパッカー支持部材5)とにより前記パッカー(2)の(地中に配置される前記部材1の軸方向)両端部(フランジ23)が挟持されるため、パッカー(2)が半径方向外方へ延在している部分(円筒基本部21とフランジ23との境界部24)に応力集中が発生しないので、パッカー(2)の当該部分(24)が保護され、耐久性が向上する。
これに加えて、前記パッカー(2)が、地中に配置される前記部材(例えば、ケーシング1)の軸方向について、センターライザー(3)が設けられていない領域では、センターライザー(3)よりも半径方向内方に突出した(円筒縮径部22)形状をしていれば(請求項3)、圧力流体によりパッカー(2)が僅かにでも膨張すれば、ケーシング(1)の外周表面と面接触する。そのため、圧力流体の供給により、確実に止水が出来ると共に、圧力を抜かない限り、(地中に配置される)前記部材(1)とパッカー(2)との面接触が保持され、より大きな圧力に耐えて、止水できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図7を参照して第1実施形態を説明する。
図1は、図3の機構全体を符号A1とする全体構成図に対して、例えば、高圧空気を供給する圧入弁11と、高圧空気、及び当該止水機構で排除された水を迅速に止水ボックス9から排除するための減圧弁12を取外した状態の図である。
図1において、止水機構A1は、後述する第1、第2のボルト及びナット7の取り付け向きを除いては、機構全体の水平方向の中心線Chに対して上下対称形である。
止水機構A1は、例えば、ゴムのような弾性部材であるパッカー2と上下1対のセンターライザー3とパッカー支持部材5とを有している。
パッカー2は、図2の断面図に詳細形状を示すように、上下端部に近い側の基本円筒部21(2箇所にある)と、その基本円筒部21に挟まれ、基本円筒部21よりも径の細くなった円筒縮径部22と、上下両端で基本円筒部21の端部に連続し、基本円筒部21から半径外方に延在する円環状のフランジ23とから構成されている。
尚、図2において符号24は基本円筒部21とフランジ23との境界部を示している。
パッカー2の内部に挿通されるケーシング1の直径Dcに対して、パッカー2の円筒縮径部22の内径Dpは、幾分大きく形成されている。又、パッカー2の基本円筒部の内径と円筒縮径部22の内径との段差Lは、後述するセンターライザー3のライザー本体31の厚みと略同等構成されている。
図1に戻り、前記センターライザー3は、円筒状のライザー本体31とそのライザー本体31の上下方向端部で半径外方に延在し、ライザー本体31の支持部材である円環状のフランジ32とが一体化された構造となっている。
図1で示す止水機構では、ケーシング1の方向を出すために前記センターライザー3がある。
後述する様に、このセンターライザー3は、ケーシング1が擁壁或いは地表面等に対する角度を一定に保持する役割を奏する。
前記パッカー支持部材5は、円筒部51と円筒部51の上下両端部から半径方向外方に延在するフランジ52、52とから構成されている。円筒部51には、前記圧入弁11を取付ける雌ねじ部53と、前記減圧弁を取付ける孔54とが形成されている。
又、パッカー支持部材5の全高は、パッカー2のフランジ23,23(図2参照)間の最短距離と略等しく形成されている。
図1の左側断面は、パッカー2に圧入弁11(図3参照)から高圧エアが供給されない状態を示しており、パッカー2の円筒縮径部22の内面とケーシング1とは隙間を有している。
他方、右側断面は、パッカー2に圧入弁11(図3参照)から高圧エアが供給された状態を示しており、パッカー2の円筒縮径部22は、供給された高圧エアによってパッカー支持部材5とパッカー2とで囲まれた領域が膨張し、ケーシング1の外周に押し付けられている。
パッカー2が半径方向内方へ膨張して、ケーシング1の外周面に密着することにより、ケーシング外周面に沿って漏れ出てくる水を完全に止水することが出来る。
図1において、符号Pは、高圧エアの作用する方向を、符号Qは、減圧弁12(図3参照)によって減圧する際の空気の流れ及び水抜きの方向を示している。
図3は、前述したとおり、パッカー2に圧力を供給する圧力供給手段である圧入弁11と、パッカー2から圧力を逃すための圧力抜き手段である減圧弁12とが、図1の構成に付加された状態を示している。
ここで、圧入弁11及び減圧弁12については、公知或いは市販のものを適用することも可能であり、その構成について、特に限定条件は存在しない。換言すれば、図3の圧入弁11及び減圧弁12は、あくまでも例示である。
パッカーを膨張させる流体は、高圧エアでも、水でも良い。
ここで、高圧エアでパッカー2を膨張させる場合には、コンプレッサを必要とする。これに対して、水でパッカー2を膨張させる場合には、コンプレッサは不要なので、その分だけ、労力やコストが低減され、好都合である。
高圧流体として高圧水を利用してパッカー2を膨張させる場合には、例えば、水道水に4kg/cmの圧力を付加して、図3で示す圧入弁11を介して、パッカーに供給すれば良い。
パッカー2は追随性が良い。そのため、パッカー2が膨張すると、センターライザー3の形状(段部が構成された形状)に沿って、ぴったりと密着する。
パッカー2を単体で示す図2を参照すれば明らかな様に、パッカー2は、元々、(ライザー本体31の半径方向外側の箇所から)ケーシング1側(半径方向内側)に突出している。そのため、パッカー2が僅かにでも膨張すれば、ケーシング1の外周表面と面接触する。
面接触すれば、より大きな圧力に耐えて、止水出来る。
パッカー2のゴムの追随性に起因して、ケーシング1が回転している際(削孔中であっても)にも、ケーシング1の外周面に沿った漏水を止めることが出来る。
パッカー2は、ゴムの追随性により、ケーシング1のブレに対応し易い。即ち、ケーシング1がブレても、パッカー2内の流動体がブレた分だけ移動するので、対処することが出来る。
従来は、(止水手段が)固定式なので、ケーシングがブレると、ボルト締め等により、止水手段を締め込まなければならず、対処するのが困難であった。
上述したように、本実施形態によれば、ボルト締めは不要となる。即ち、予めパッカー2内に内圧を加えておけば、ケーシング1がブレても、(パッカー2内の流体が移動することにより)自動的にパッカー2が対処してくれる。
なお、取付セット後、ボルト増締め等を必要とせずに、削孔中のケーシングの止水が可能なものは、従来、存在しない。
また、流体によるパッカー2の追随性に起因して、図示の実施形態では、ケーシング1とセンターライザー3のライザー本体31との径寸法が異なっていても、止水することが出来る。すなわち、ケーシング1とライザー本体31との径寸法が相違しても、パッカー2がその分だけケーシング1側に膨張して、ケーシング1の外周面と密着して、止水する。
ここで、圧力流体の供給、排出(圧力抜き)により、パッカー2が膨張、収縮を繰り返す領域、すなわち、パッカー2の円筒縮径部22の寸法が長過ぎると、特にケーシング1が回転する場合には、ケーシング1と面接触しているパッカーが、撓んで切れてしまう可能性が有る。
一方、パッカー2が膨張、収縮を繰り返す領域、すなわち、前記円筒縮径部22の寸法が短過ぎると、パッカー2とケーシング1との接触面積が小さくなり過ぎてしまうので止水が不完全となる。
また、図示の第1実施形態では、センターライザー(止水ライザー)3はフランジ32に固定されたライザー本体31を有しており、このライザー本体31により、ケーシング1と擁壁や地表面との角度を一定に保ち、すなわち所定の角度(向き)に保持することが出来て、ケーシング1がぶれてしまうことが防止出来る。
従来技術では、図12で説明したとおり、振動等により、ケーシング1と擁壁や地表面との角度がずれてしまうのが防止することが出来ないので、止水パッキン70とケーシング1との接触面積が減少して、止水パッキン70が効かなくなる場合が存在したが、ケーシング1外周面と周辺土壌との間(境界)からの水が止まらなくなってしまう。
本発明の第1実施形態のように、センターライザー3で、ケーシング1の角度を維持出来れば、その様な問題は生じない。
また、センターライザー3があるため、パッカー2の半径方向外方へ延在している辺りにおける部分(後段:図2の境界部24)に応力集中が発生しないので、パッカー2の当該部分が保護される。そのため、パッカー2の耐久性が向上する。
図4〜図7は、上述した第1実施形態を施工する態様を、工程順に示している。
図4〜図7を参照して、第1実施形態の施工工程を説明する。
先ず、図4の第1工程では、1本目のケーシング1の上方から止水ボックス9と止水機構A1とを挿入し、擁壁Wの所定位置で止水機構A1を止水ボックス9に取り付ける。ケーシング1の先端に設けられるビット(図示せず)の外径が止水機構A1の内径よりも大きいため、当該ビットが止水機構A1を通過することが出来ないため、1本目のケーシング1の上方から止水機構A1を挿入するのである。止水ボックス9に止水機構A1を取り付けるには、ボルト8及びナット7(何れも図1参照)を用いている。
止水機構A1を取り付けた後、ケーシング1を止水機構A1のセンターライザー3を介して地中側Gに送り込む(挿入する;矢印Y1)。
図5の第2工程では、ケーシング1を送り込んだ後にテンドン(アンカー)90を挿入する。そして、止水ボックス9の所定位置に、例えば、固化材注入用のバルブ13を装着する。
図6の第3工程では、止水ボックス9に装着した固化材注入用のバルブ13によってケーシング1の内部に固化材を注入する(矢印Y2)。
図7の最終工程では、止水機構A1の圧入弁11から止水機構A1の前記パッカー2内に高圧エアを供給し、パッカー2を十分に膨張させて止水を行った後に、ケーシング1を順に引抜いていく(矢印Y3)。
最終的に、ケーシング1はパッカー2の背面まで引き上げられ、止水後、パッカー2をケーシング1ごと取り外す。
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図1〜図7の第1実施形態では、単一のパッカーを有するのに対して、第2実施形態では、パッカーを2つ設けている。即ち、第1実施形態の止水機構A1を、中間に確認ボックスBを介装して2連で使用した実施形態である。
図8において、第2実施形態の止水機構A2は、第1実施形態の止水機構A1と同様の機構A1を2台用意し、その2台の止水機構A1の間に確認ボックスBを取付け、図示の下側の止水機構A1の下方を、止水ボックス9に取付ける様に構成されている。
確認ボックスBは、前記ライザー本体31の内径より大きな内径の円筒部B1、及び該円筒部B1の上下の端部から半径方向外方に延びライザー本体31の内径に等しい内径のフランジ部B2を有し、確認ボックスBのフランジ部B2とセンターライザー3のフランジ部32及びパッカー支持部材5のフランジ部52とが締結手段としてのナット7、ボルト8により締結されており、前記円筒部B1には、図示の例では2台のバルブV1、V2が取付けられている。そして一方のバルブV1は止水薬液注入用バルブとしての機能と、他方のバルブV2は止水薬液排出用バルブとしての機能とを果たしている。
前記止水ボックス9は円筒部91と、円筒部91の上下端部で半径外方に延在するフランジ92、93とによって構成されており、前記円筒部91には、排水用配管Y94及び注入用配管Z95とが取付けられている。そして、図示の下側のフランジ93が図示しない擁壁の台座プレートDに接続されている。
図8の第2実施形態では、2つ設けた止水機構A1を交互に膨らましている。例えば、一方がテンドン周辺領域で膨張して止水し、他方がケーシング1周囲で膨張して止水するのである。
次に、図9を参照して、第3実施形態を説明する。
第1実施形態及び第2実施形態のパッカー2は、複数本のケーシングを途中で継ぎ足しながら順次地中に埋設していく際に、地中に埋設されるケーシングが何れも継ぎ足し部において、段部の無い全長に亙って同じ径のケーシング1が使用されている。
ここで、施工現場が軟弱地盤の場合には、(埋設の)進行方向に段部が形成されたパイプ、いわゆる「ソイレックスチューブ」が使用されることが多い。
図9の第3実施形態は、そのように、接続箇所において段部を有する地中埋設部材、たとえば「ソイレックスチューブ」に、第1実施形態と同様の止水機構A1を用いた実施形態である。
第3実施形態の止水機構の構成は第1実施形態と同様(図1〜図3参照)であり、以降、構成についての説明は省略する。
図9に示すように、第3実施形態によれば、例えば、2本のソイレックスチューブ1Sの接合部である段部Jが、止水機構A1のパッカー2の円筒縮径部22の部分に位置しても、パッカー2自体が可撓性を有するため、円筒縮径部22はソイレックスチューブ1Sの段部Jに密着し、止水は確実に行われる。
なお、パッカー支持部材5とパッカー2とによって形成される空間Eに圧入弁11によって、高圧エアが供給されない場合、即ちパッカー2に内圧が作用しない場合は、パッカー2の円筒縮径部22の内径(Dp;図2参照)は、ソイレックスチューブ1Sの段部Jの太い方の径Dsbと同等以上が好ましい。
そのように構成することにより、継ぎ足されたソイレックスチューブ1Sを、円滑に地中に埋設することが出来る。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
本発明の第1実施形態の止水機構で、圧入弁と減圧弁を省略して描いた構成断面図。 本発明の第1実施形態の止水機構に含まれるパッカーの断面図。 本発明の第1実施形態の構成を示した断面図。 本発明の実施形態によって止水を行う際の工程を示した第1工程図。 本発明の実施形態によって止水を行う際の工程を示した第2工程図。 本発明の実施形態によって止水を行う際の工程を示した第3工程図。 本発明の実施形態によって止水を行う際の工程を示した最終工程図。 本発明の第2実施形態の構成を示した断面図。 本発明の第3実施形態にかかる止水状態を示す断面図。 従来技術であるRC地中連続壁における止水機構を示した斜視図。 従来技術であるソイル地中連続壁における止水機構を示した斜視図。 従来技術における止水機構の口元プリペンダーの詳細を示した断面図。
符号の説明
1・・・ケーシング
1S・・・ソイレックスチューブ
2・・・パッカー
3・・・センターライザー
5・・・パッカー支持部材
6・・・第1のボルト
7・・・ナット
8・・・第2のボルト
9・・・止水ボックス
11・・・圧入弁
12・・・減圧弁
21・・・基本円筒部
22・・・円筒縮径部
23・・・フランジ
31・・・ライザー本体
32・・・フランジ
51・・・円筒部
52・・・フランジ

Claims (3)

  1. 地中に位置する地中位置部材(1)の外周部に設置される止水機構(A1)において、上下に間隔をおいて設けられた円筒状の上下のライザー本体(31)、及び上方のライザー本体(31)の上端部及び下方のライザー本体(31)の下端部から一体的に半径方向外方に延びるフランジ(32)とで構成された上下1対のセンターライザー(3、3)と、前記上下のライザー本体(31)の半径方向外方に位置する基本円筒部(21)、前記上下のライザー本体(31)間の離隔部に位置する円筒縮径部(22)、及び基本円筒部(21)の上下の各端部から夫々半径方向外方に延長された上下フランジ部(23)を有し、かつ可撓性材料で構成されるとともに内部に前記地中位置部材(1)が挿通されるパッカー(2)と、前記パッカー(2)の基本円筒部(21)及び円筒縮径部(22)の半径方向外方に位置する円筒部(51)及び円筒部(51)の上下両端部から半径方向外方に延びるフランジ部(52)を有し、該フランジ部(52)とセンターライザーのフランジ部(32)との締結手段(7、8)での締結によりパッカーのフランジ部(23)を挟持するパッカー支持部材(5)と、前記パッカー支持部材(5)に取り付けられ、パッカー(2)とパッカー支持部材(5)の間の空間に圧力流体を供給する圧力供給手段(11)及び該空間からパッカー内の圧力流体を排出する圧力抜き手段(12)と、を有し、下方の前記センターライザー(3)が擁壁(W)に固定の止水ボックス(9)に取り付けられて、パッカー(2)とパッカー支持部材(5)の間に圧力流体が供給されるとその円筒縮径部(22)が前記上下ライザー本体(31)間の離隔部に突出して前記地中位置部材(1)の外周部に密着する機能を有していることを特徴とする止水機構。
  2. 前記止水機構(A1)が設けられている軸方向上方にさらに同じ構成の止水機構(A1)を配置し、それらの中間に確認ボックス(B)を介装して両者を連結し、該確認ボックス(B)は、前記ライザー本体(31)の内径より大きな内径の円筒部(B1)、及び該円筒部(B1)の上下の端部から半径方向外方および内方に延びライザー本体(31)の内径に等しい内径のフランジ部(B2)を有し、前記フランジ部(B2)と前記フランジ部(32)及びフランジ部(52)とが締結手段(7、8)で締結され、該確認ボックス(B)の円筒部(B1)に止水薬液注入用のバルブ(V1)、及び止水薬液排出用のバルブ(V2)がそれぞれ離隔して取り付けられている請求項1に記載の止水機構。
  3. 2本の地中位置部材(1S)の軸方向端部に段部(J)が形成されて接合される場合に、該段部(J)の半径方向外方に前記パッカー(2)の円筒縮径部(22)が位置するように配設された請求項1記載の止水機構。
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