JP4066280B2 - 散薬供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、散薬供給装置に関し、詳しくは、ストックしている多くの散薬から適宜の散薬を散薬分包処理等へ適量供給する散薬供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から種々の散薬分包機(分割装置)が提案されている。例えば、散薬を1包分ずつ収容する多数のマスを直線状に配置するか、または環状に配置して分割マスを構成し、この分割マスに沿って散薬をほぼ均等に配分したのち、分割マスの底板を1マスずつ順次開放して、下方に設置した包装装置に散薬を導入することにより1包分ずつ分包するようになったものがある。
【0003】
また、環状の分割マスの代わりに、断面が円弧状に窪んだ環状の凹溝を具えた回転体を使用し、この回転体を定速回転させながらその凹溝全周に散薬をほぼ均等に配分したのち、分割数に応じた角度ずつ回転体を回転させながらその角度分の散薬を順次切り出して、下方に設置した包装装置に導入することにより1包分ずつ分包するようになったものもある。
【0004】
さらに、これらの分割装置と異なり、各種類の散薬を扱って、それらの分包作業を自動的に行うことのできる散薬自動分包機もある(特開平8−80902号公報)。これは、ストックケース毎に設けられた散薬分包用噴出装置を用いて各ストックケースから散薬を取り出すとともに、移動式の包装装置を用いて散薬を受け取りに行って分包するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の分割装置では、分包すべき散薬を保管容器から処方量だけ取り出して、それを配分のため一般に使用される振動フィーダのホッパに投入する作業を、薬剤師が、散薬の種類ごとに行わなければならず、そのため、薬剤師の負担が大きく、自動機としては十分なものと言えない。
また、従来の散薬自動分包機では、多数の散薬噴出装置や移動可能な包装装置などの特殊な機構等を要するため、複雑で高価になりがちであるという問題点があった。
【0006】
そこで、これらの利点を兼備した散薬分包機を開発して提供することが重要な課題となる。
すなわち、散薬噴出装置を必要としない新たな散薬供給装置を導入するととともに、このような散薬供給装置を従来の分割装置等への組み合わせも可能とすることで、ストックしている多くの散薬から適宜の散薬を分割装置等へ適量供給することにより、柔軟に而も安価に、その分割装置を高度な自動機に転換させるのである。
【0007】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、各種の散薬を適量だけ取り出して供給するのを自動で行う散薬供給装置を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するためになされた本発明の散薬供給装置について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0009】
本発明の散薬供給装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、多数の散薬カセットと、これらの散薬カセットを移動させるカセット移動機構と、前記散薬カセットから取り出した散薬を受ける散薬容器を移送する搬送機構とを備えた散薬供給装置であって、前記搬送機構はその搬送経路が一巡するものであることを特徴とする。
【0010】
このような構成の散薬供給装置にあっては、各種の散薬は、多数の散薬カセットに分けて収容され、処方情報等に応じて適宜そこから取り出されるため、計量装置や分割装置さらには分包機などの後続装置への散薬供給が自動で行われる。しかも、散薬カセットから散薬容器に対する散薬取り出し位置までは散薬カセットに収容されたままで運ばれるので、この間は未だ閉じ込められている。そして、該当散薬カセットが散薬の取出位置まで移動してから必要な散薬が散薬容器へ取り出され、この散薬容器が移動することで、各種の散薬が集められるとともに後続装置への散薬供給等も行われる。
また、散薬を運んだ散薬容器は、搬送機構によって次々に搬送され、後続装置等への散薬供給位置まで移送された後、搬送経路を一巡して戻されることとなる。
【0011】
このように、各種の散薬を適量だけ取り出して供給するのを自動化するとともに、その自動化に際して散薬容器ばかりか散薬カセットも移動させて散薬の取り出しを行うようにしたことにより、容器への取り出し後の移動距離が短いので、散薬が微粒であっても舞い散ることがほとんど無い。しかも、散薬容器を次々に循環させて繰り返し使用するようにしたことにより、散薬容器の補充作業が要らなくなるうえ、錠剤等に比べて時間を掛け穏やかに移送しなければならない散薬であってもスループットを落とさず速やかに供給することができる。
したがって、この発明によれば、各種の散薬を適量だけ取り出して供給するのを自動で適切に而も効率良く行う散薬供給装置を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の散薬供給装置について、これを実施するための形態を説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施形態は、上述した解決手段の散薬供給装置であって、前記散薬容器についての清掃手段が前記搬送機構の搬送経路に臨んで設けられていることを特徴とする。
この場合、散薬を運んだ散薬容器は、搬送経路を一巡して戻る際に、清掃手段によって清掃される。
このように散薬容器が再利用される前に清掃されるようにしたことにより、容器内面等に付着しやすい粉末等の散薬であっても不所望な混入を確実に防止することができる。
【0014】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施形態は、上述した解決手段および実施形態の散薬供給装置であって、前記搬送機構は、その搬送経路における前記清掃手段より後のところであって前記散薬カセットからの散薬取り出し位置より前のところに前記散薬容器を反転させる手段が設けられていることを特徴とする。
この場合、散薬を運んだ散薬容器は、清掃手段によって清掃された後、上下が反転させられて、次の散薬取り出しに供されるまでその状態で保持されることとなる。
このように薬容器が使用されるまで逆さ状態・裏返しの状態になっているようにしたことにより、散薬を収容する容器内面にゴミ等が入ったり溜まったりするのを最小限に抑えることができる。
【0015】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施形態は、上述した解決手段および実施形態の散薬供給装置であって、前記散薬容器に受けた散薬を計量する計量装置と、前記計量装置に対応して配置されたデータアクセス装置とを備えたことを特徴とする。
この場合、各種の散薬は、散薬容器へ取り出された際に計量装置によって計量される。これにより、分割装置や分包機などの後続装置への散薬供給が自動で行われる。しかも、散薬容器のデータ記憶体にはその容器に投入した散薬の情報がデータアクセス装置によって書き込まれ、必要によっては追加投入散薬の情報と既投入散薬の情報との突き合わせチェックも行われる。これにより、散薬容器への散薬投入やその搬送等に予期しない何らかの異常が起きた場合、そのことが検知されることとなる。
このように各種の散薬を適量だけ取り出し分割して供給するのを自動化するとともに、その自動化に際し、散薬容器に受けた散薬の異常を検知しうるようにしたことにより、散薬の誤った供給を確実に防止することができる。
【0016】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施形態は、上述した解決手段および実施形態の散薬供給装置であって、前記清掃手段は、前記散薬容器に対するデータ読取装置を備え、このデータ読取装置にて読みとった散薬に関する情報に基づいて清掃内容を変えるものであることを特徴とする。
この場合、清掃手段のところへ搬送されてきた散薬容器は、直前に収容して運んだ散薬が微粉末や臭いもののように入念な清掃を要する場合には時間を掛けたり吸引力を強くしたりして丁寧に清掃されるのに対し、直前に収容して運んだ散薬がそれほどの清掃を必要としない場合には比較的簡単に清掃される。
このように、散薬容器の清掃を散薬情報等に基づいて必要な分だけ行うようにしたことにより、処理の確実とスループットとの両立を図ることができる。また、散薬容器が途中で壊れたり抜き取られたりして喪失したようなときでも、個々の散薬容器ごとに適切な清掃を施すことができる。
【0017】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施形態は、上述した解決手段および実施形態の散薬供給装置であって、前記搬送機構の搬送経路に臨んで前記清掃手段と共に設けられ又はその下流側に設けられた計量装置を備えたことを特徴とする。
この場合、清掃の済んだ散薬容器の重量を計測し、投入前の重量と比較して、一致不一致に基づく良否判定を行うことで、清掃結果を確認することができるので、散薬容器を繰り返し使用して常に適切な状態で利用されることとなる。
【0018】
[第6の実施の形態]
本発明の第6の実施形態は、上述した解決手段および実施形態の散薬供給装置であって、上記第3実施形態における前記計量装置もしくは上記第5実施形態における前記計量装置または前記搬送機構の搬送経路に臨んで設けられた他の計量装置にて散薬投入前の散薬容器を秤量または計量するとともに、その計測値を秤量・計量の直後またはその後に上記第3実施形態における前記データアクセス装置または前記搬送機構の搬送経路に臨む他のデータアクセス装置にて該当散薬容器のデータ記憶体へ書き込むものであることを特徴とする。
この場合、個々の散薬容器に重量のばらつきが有っても、各々の散薬容器について散薬投入前の重量を知るとともに、この値を投入散薬の秤量・計量やその他の秤量・計量のときに参照することも可能となるので、その後の処理に際して容器重量のばらつきによる悪影響を除去・緩和することができる。
【0019】
【実施例】
本発明の散薬供給装置の一実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、特徴的な搬送系を中心に斜め上から視た簡略図である。また、図2は、装置の全体構成を示す模式図であり、前扉や前面パネル等を外した状態の正面図についてフレームやボルト等の図示を割愛するとともに各要素の形状等も簡略化して示したものである。さらに、図3は、カセット移動機構等の部分拡大図であり、(a)が正面図、(b)及び(c)が側面図である。図4は、散薬カセットから散薬を取り出すところの拡大側面図である。図5は、(a)が振動フィーダ関連のブロック図であり、(b)が横軸に時間を採り縦軸に振動の周波数を採ったグラフである。図6は、清掃装置にて散薬容器を清掃しているところの拡大図であり、図7は、その清掃の前後に散薬容器を秤量しているところの拡大図である。また、図8及び図9は、コントローラの機能ブロック図である。なお、散薬容器としてのカップを図示するに際して、図1では鍔無しのものを描き、他の図では鍔付きのものを描いたが、何れの形状であっても使用可能である。
【0020】
この散薬供給装置は、図中、左から右に、カップ供給ユニットA、カセット収納ユニットB(収納庫)、カセット収納ユニットC(収納庫)、カップ昇降ユニットD、そしてカップ還流ユニットEが順に配置連結されたものであり、さらにカップ還流ユニットEの下方には散薬分包ユニットFも配置されている(図2参照)。
【0021】
カップ供給ユニットAには、調剤のためにカセット30から取り出した散薬を入れて搬送したり計量したりするためのカップ1(散薬容器)を供給するカップ供給機構14が設けられている(図2参照)。また、その上方には、カップ1を収容する際にその上下を反転させるカップ収納機構114も設けられている。そして、カップ供給機構14とカップ収納機構114との間に、供給を待つ多数のカップ1が逆さに積み重なって保持されるようになっている。
【0022】
カセット収納ユニットBには、下方に横たわる搬送機構10(散薬容器供給用搬送装置)と、縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、カセット循環機構20に対しほぼ等間隔で取着された複数個のカセット30(散薬カセット)と、電子秤50(計量装置)とが設けられている。さらに、駆動部40(散薬取り出しの駆動機構)や、リーダライタ52(データアクセス装置)、リーダライタ54(データ読取装置)、リーダ56(データ読取装置)、リーダ58(データ読取装置)なども設けられている(図2参照)。
【0023】
カセット収納ユニットCは、カセット収納ユニットBと同じ構造のユニットである。これらは、散薬の種類そして散薬カセットの必要数に対応して、必要なユニット数が左右に連結されるようになっている(図2参照)。これにより、多数の散薬カセット30が複数の収納庫B,Cに分離して収納されるようになっている。
また、これらのカセット収納ユニットB及びカセット収納ユニットCには、上方に横たわる搬送機構110(散薬容器還流用搬送装置)も設けられ、これには電子秤150(計量装置)やリーダライタ152(データアクセス装置)なども付設されている(図1,図2参照)。
【0024】
カップ昇降ユニットDには、供給されたカップ1を乗せて搬送機構10のところから上側で上下移動するカップ昇降機構15と、還流されるカップ1を乗せて搬送機構110のところから下側で上下移動するカップ昇降機構115と、清掃装置130とが設けられている(図1,図2参照)。
カップ還流ユニットEは、その下部すなわち装置全体としては中間の高さに当たるところに、供給されたカップ1が折り返して還流されるように搬送機構10及び搬送機構110が並行に設けられている(図1,図2参照)。なお、カップ還流ユニットE上部の空いているところには、電源部2やコントローラ80が格納されている。
【0025】
散薬分包ユニットFには、各カセット30から計量等して取り出された散薬を均等に分割して包装するために、フィーダ60(振動フィーダ)と、散薬分包機70(分割装置)とが、設けられている(図1,図2参照)。
散薬分包機70は、その本体部71内に、断面が円弧状に窪んだ環状凹溝72を具えた回転体と、散薬の配分時に回転体を定速回転させるとともに散薬の分割時に分割数に応じた角度ずつ回転体を回動させる図示しない駆動装置とを具えている。また、散薬分包機70は、回転体の内側から環状凹溝上へ突き出して設けられた切出装置73も具えており、この切出装置73は、環状凹溝72の円弧状内側面に接触する円形の仕切板の側面に、所定幅の切出板が形成されたものであり、仕切板が環状凹溝72の円弧状内側面に治って1回転すると、切出板がその幅相当分に集められた散薬を環状凹溝72から切り出して包装装置のホッパ74に導入するようになっている(図2参照)。
【0026】
また、散薬分包機70は、散薬の分割時に切出装置73を1回転ずつ繰り返し回転させるとともに、散薬の配分時には邪魔にならないよう切出装置73を上方へ退避させるようになった図示しない駆動装置も具えている。そして、本体部71は、保守作業の容易化等を考慮して、正面方向への引き出しの可能な搭載板75上に、回転板76(回転台)を介して載置されており、回転板76のロックを解除すると搭載板75上で回転させ得るようにもなっている(図2)。
【0027】
カップ1は、散薬の計量や搬送の際に散薬が舞い散らないように深めに形成された容器であり、その底部には、収容した散薬についての薬剤情報や計量値などを記憶させるためのデータキャリア3(データ記憶体)が取り付けられている(図4参照)。データキャリア3は、後述の非接触結合素子53,59,153に近接すると磁気的結合等に基づいてエネルギー供給を伴ったリーダライタ52や,リーダ58,リーダライタ152によるデータアクセスを受ける。このように、カップ1(計量容器を兼ねた散薬容器)は、データ記憶体の付いたものとなっている。
【0028】
搬送機構10は、カップ1をベルト11に乗せて横に搬送するために、各カセット収納ユニットB,C,及びカップ還流ユニットE内の下部において両側端に配設された駆動輪12及び従動輪13に対してベルト11が張設されたベルトコンベア等である(図3参照)。カセット収納ユニットB,Cの搬送機構10は両者の端部が近接していて、カセット収納ユニットBの搬送機構10によって搬送されてきたカップ1は、そのまま続けて、隣のカセット収納ユニットCの搬送機構10によって更にカップ昇降ユニットDへと搬送することが可能である(図2参照)。同様に、カセット収納ユニットEの搬送機構10も、カップ昇降ユニットDから搬入されたカップ1をフィーダ60さらには搬送機構110のところまで搬送する。これにより、搬送機構10は、カップ1(散薬容器)を収納庫内に限らず収納庫間でも移動させるものとなっている。
【0029】
搬送機構110は、搬送機構10と同様のものであるが、カップ1を逆方向へ搬送して戻すために、ベルト111の送り方向がベルト11とは反対になっている。また、ベルト111の長さ等も搬送距離等に適合するよう適宜の長さに設定されている。
そして、これらの搬送機構は、以下の昇降機構等が加って、一巡する。具体的には、カップ供給機構14(ユニットA)と、搬送機構10(ユニットB,C)と、カップ昇降機構15(ユニットD)と、搬送機構10(ユニットE)と、搬送機構110(ユニットE)と、カップ昇降機構115(ユニットD)と、搬送機構110(ユニットC,B)と、カップ収納機構114(ユニットA)とにより、カップ1の搬送経路が一巡するようになっている(図1参照)。
【0030】
カップ供給機構14は、逆さに積み重ねられている使用前のカップ1を、上または下から順に一つづつ図示しないアーム等によってカセット収納ユニットBの搬送機構10上へ供給するものである(図1,図2参照)。
カップ昇降機構15は、その昇降板が下降した状態でカセット収納ユニットCの搬送機構10からカップ1を受け取り、昇降板が上昇したときにカップ1をカップ還流ユニットEの搬送機構10へ送り出すものである(図1,図2参照)。
【0031】
カップ昇降機構115は、その昇降板が下降した状態でカップ還流ユニットEの搬送機構110からカップ1を受け取り、昇降板が上昇したときにカップ1をカセット収納ユニットCの搬送機構110へ送り出すものである(図1,図2参照)。
カップ収納機構114は、カセット収納ユニットBの搬送機構110からカップ1を受け取ってカップ供給機構14上の積み重ねのところに戻すものであるが(図1,図2参照)、その際に、カップ1を把持した図示しないアームを180゜回転させること等によって、カップ1を上下反転させる処理も行う。これにより、搬送機構10,110は、その搬送経路における清掃手段より後のところであって散薬カセットからの散薬取り出し位置より前のところに散薬容器1を反転させる手段が設けられたものとなっている。
【0032】
カセット30は、散薬を取り出し可能にストックするために、散薬ストック部33と、その下方の排出部とから構成されている(図4参照)。
散薬ストック部33は、縦向きの円筒形に構成され、その底部に攪拌羽根32が配置されている。攪拌羽根32は、円錐形部分を中心としてそれから2枚が互いに180゜隔てて半径方向外方へ延び、しかも、外方へ行くにしたがって回転方向に対して後退する方向に湾曲して形成されている。
カセット30の排出部には、散薬ストック部33の下方正面においてその半径方向に沿って横向きに小径円筒の排出路35が形成されており、この排出路35と散薬ストック部33とは、散薬ストック部33の底面外周付近に形成された連通路34によって互いに通じている。
【0033】
排出路35の反対側には、散薬ストック部33の下方背面にまで延びた従動シャフト31が回転可能に設けられている(図4参照)。この従動シャフト31は、前方の排出路35内から、散薬ストック部33の中心に位置する攪拌羽根32の回転軸の真下を通って、後方へ延びている。従動シャフト31の前端は排出路35内の図示しない散薬排出用スクリューに連結され、従動シャフト31の中間部分は攪拌羽根32の回転支軸にギヤ結合させられ、従動シャフト31の後端には駆動シャフト41の挿抜可能なように穿孔が行われ、その穿孔内面には駆動シャフト41の挿入時に駆動シャフト41の外歯と噛合する内歯が形成されている。これにより、散薬カセット30は、散薬取り出しの従動機構の組み込まれたものとなっている。そして、従動シャフト31が回転させられると、攪拌羽根32及び排出路35内のスクリューも連動して回転させられて、散薬ストック部33内の散薬が連通路34及び排出路35を経て円滑に排出されるようになっている。
【0034】
また、カセット30は、図示は割愛したが、その排出路35の正面に、その円筒先端からなる出口を開閉するシャッタも設けられており、このシャッタは、その支軸に設けたバネによって強制的に閉鎖状態を維持するように構成されている。そして、排出路35の側方をスクリューや従動シャフト31と平行に延びたレバーの後瑞が前方へ押されているとき、その前瑞がシャッタの側方に張り出した部分を前方へ押して、シャッタを開放するようになっている。しかも、カセット30は、散薬ストック部33の正面に図示しないラベルが貼られ、収容した散薬の薬品名をそのラベルに記入して表示しうるようにもなっている。
【0035】
さらに、カセット30は、それぞれ、その底部等に、ストックしている散薬についての薬剤情報やストック量などを記憶させるためのデータキャリア36(データ記憶体)が取り付けられている(図4参照)。データキャリア36は、後述の非接触結合素子55,57に近接すると磁気的結合等に基づいてエネルギー供給を伴ったリーダライタ54やリーダ56によるデータアクセスを受ける(図2参照)。このように、カセット30(散薬カセット)は、個々に、データ記憶体の付いたものとなっている。
【0036】
カセット循環機構20は、収納庫B,Cのそれぞれに設けられており、いずれにも、複数のカセット30のうち該当収納庫内のものが取着されている(図2参照)。各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。その循環ループの最下方で搬送機構10に最接近するところは、散薬取り出し位置とされる。これにより、カセット循環機構20(カセット移動機構)は、散薬カセットのうち該当収納庫内のものを順に散薬取り出し位置へ移動させるものとなっている。
【0037】
その散薬取り出し位置の後方には、駆動部40が設けられている(図3(b),(c)参照)。駆動部40は、駆動シャフト41に加え、駆動シャフト41を回転させる電動モータ42と、駆動シャフト41を前進・後退させる進退用モータ43とを具えていて、散薬取り出し位置に来たカセット30の従動機構に対し駆動シャフト41を前進させて結合を確立する(すなわち図3(b)の状態から同(c)の状態にする)一方、駆動シャフト41を後退させてカセット30との結合を解除する(すなわち図3(c)の状態から同(b)の状態にする)ものである。これにより、駆動部40(散薬取り出しの駆動機構)は、それぞれ、該当するカセット収納ユニットB,Cにおいて、散薬取り出し位置の近傍に配置されたものとなっている。
【0038】
電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図3参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図4参照)。そして、カセット30からそこのカップ1へ散薬が取り出されると、その散薬の分だけ秤量値も増加する。これにより、電子秤50(計量装置)は、散薬カセット30から取り出した散薬を計量するものとなっている。
【0039】
電子秤50のところには、それらに付加して又は一体的に組み込んで、リーダライタ52も付設される(図4参照)。リーダライタ52の非接触結合素子53は一対の支承片51の間であって、秤量中のカップ1のデータキャリア3と通信可能に結合しうるところに配置されている。これにより、リーダライタ52(データアクセス装置)は、計量装置に対応して配置されたものとなっている。
【0040】
また、電子秤50等の後方には、リーダライタ54が設置され、その非接触結合素子55が非接触で散薬取り出し位置のカセット30のデータキャリア36と交信可能に結合しうるところに設けられる(図4参照)。これにより、リーダライタ54(データ読取装置)は、散薬取り出し位置に対応して配置されたものとなっている。
【0041】
さらに、図示しない前扉にはカセット30の出し入れ可能な開口窓が形成されており、空のカセット30をカセット循環機構20から取り外したり、散薬補充後のカセット30をカセット循環機構20へ装着させたりするのは、通常、その開口窓を介して行われる。そして、この開口窓の奥の方には、リーダ56が設置され、その非接触結合素子57が非接触でそこのカセット30のデータキャリア36と交信可能に結合しうるところに設けられる(図2参照)。これにより、リーダ56(データ読取装置)は、カセット移動機構に対して散薬カセットを着脱させるところに配置されたものとなっている。
【0042】
フィーダ60は、カセット30からカップ1へ取り出されカップ1と共に搬送機構10等によって搬送されて来た散薬を散薬分包機70(分割装置)へ送り込むため、カップ還流ユニットEにおける搬送機構10の途切れたところであって散薬分包機70の上方に当たるところに設けられる(図2参照)。そして、フィーダ60の近傍には図示しないアーム等も設けられていて、カップ還流ユニットEの搬送機構10がカップ1をフィーダ60のところまで搬送して来たときに、そのアーム等によって、カップ1のデータキャリア3とリーダ58の非接触結合素子59との結合可能なところへカップ1が運ばれ、さらに、カップ1内の散薬がフィーダ60のホッパ61内へ移し替えられるようになっている(図5参照)。
【0043】
このフィーダ60は、カップ1から移された散薬を受けるホッパ61と、ホッパ61から散薬を散薬分包機70の環状凹溝72へ送り込むための案内部62と、その送り込みを定量で均一に行わせるため案内部62等へ与える振動を発生する振動体63とからなっており、振動体63は発振回路64から受けた発振信号と同じ周波数で振動する。この発振回路64は、コントローラ80からの制御信号に従って発振周波数を変えるものである。これにより、フィーダ60(振動フィーダ)は、振動周波数の可変なものとなっている。
【0044】
清掃装置130は、吸引機131から延びたフレキシブルホース132の先端にヘッド133が接続されたものである(図6参照)。そのヘッド133の吸引口が嘴状に下方へ突き出たノズル134となっており、そのヘッド133が上下に移動すると、搬送機構110のベルト111によってその直下に運ばれてきたカップ1に対して、ノズル134が出入りするようになっている(図6,図7参照)。そして、ノズル134をカップ1の中に突っ込んで吸引機131を作動させると、カップ1内に残っていた散薬等が吸引排気によって除去される。これにより、清掃装置130は、搬送機構110の搬送経路に臨んで散薬容器1を清掃するものとなっている。
【0045】
また、清掃装置130のヘッド133の下方に当たる搬送機構110のところには、電子秤50同様の電子秤150が設けられている(図7参照)。すなわち、この電子秤150は、搬送機構110の上下のベルト111の間に設置されるが、それには、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片151が設けられている。そして、支承片151が上昇したときだけ、ベルト111で清掃装置130のヘッド133の吸引口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト111の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図7参照)。これにより、この電子秤150は、搬送機構110の搬送経路に臨んで清掃装置130と共に設けられた計量装置となっている。
【0046】
この電子秤150のところには、それらに付加して又は一体的に組み込んで、リーダライタ52同様のリーダライタ152も付設される(図7参照)。すなわち、リーダライタ152の非接触結合素子153は一対の支承片151の間であって、秤量中のカップ1のデータキャリア3と通信可能に結合しうるところに配置されている。これにより、リーダライタ152は、搬送機構110の搬送経路に臨んで清掃装置130と共に設けられ、データ読取装置およびデータ書込装置を兼ねるものとなっている。
【0047】
コントローラ80は(図8,図9参照)、制御用のコンピュータシステムであり、上述した各モータやリーダライタ等とインターフェイス(I/F)を介して接続されるとともに、各種の処理を担うルーチンやデータも保持している。
すなわち、カセット装着ルーチン81や、処方入力ルーチン82、容器供給ルーチン83、カセット移動ルーチン84、散薬取出ルーチン85、計量ルーチン86、容器移動ルーチン87、フィーダ制御ルーチン88、分包制御ルーチン89などに加えて(図8参照)、容器還流ルーチン181や、清掃ルーチン182、計量ルーチン183、容器収納ルーチン184なども(図9参照)インストールされているが、その具体的な処理については以下の動作説明にて例示する。
【0048】
なお、散薬データ91には各カセット30毎に区分してそれぞれの薬剤情報が記憶される。処方データ92には処方対象の薬剤情報が記憶される。容器データ93は、管理の容易のため、使用中のカップ1ごとに割り付けられ、一処方で複数のカップを用いて散薬を取り出す場合には複数生成される。分包データ94には、処方データ92の一部又は全部が散薬分包機70の処理に適合するように変換されたものが記憶される。
【0049】
この実施例の散薬供給装置について、その使用態様及び動作を説明する。
【0050】
先ず、調剤に用いられる各種の散薬が各カセット30に収容されていなければならないので、散薬が足りないようなときには、散薬補給機4を用いて所要の散薬を適宜のカセット30へ補給する。その際、そのカセット30のデータキャリア36には、散薬補給機4のリーダライタによって、該当する薬剤情報が書き込まれる。そして、このカセット30を散薬供給装置の何れかのカセット収納ユニットB,Cのカセット循環機構20へ装着すると、その薬剤情報が、その装着したユニットのリーダ56によって読み出され、カセット装着ルーチン81によって散薬データ91に格納される。
【0051】
こうして、調剤の準備が調ったところで、処方箋に基づいて調剤対象の薬剤情報が図示しないホストコンピュータやキーボード(KBD)等から入力されると、処方入力ルーチン82によってその薬剤情報が処方データ92にセットされる。その際、処方データ92から分包データ94への変換処理等も行われる。
【0052】
それから、処方データ92に基づき、容器供給ルーチン83によって、容器データ93の設定がなされるとともに、カップ供給機構14の制御も行われる。具体的に、カップ1が2個用いられ、第1のカップ1にはカセット収納ユニットCの第1のカセット30の散薬と第2のカセット30の散薬とを取り出し、第2のカップ1にはカセット収納ユニットBの第3のカセット30の散薬を取り出すような設定がなされたものとする。
【0053】
すると、第1のカップ1がカップ供給機構14からカセット収納ユニットBの搬送機構10上へ供給される。この第1のカップ1は、容器移動ルーチン87の制御に従って作動する搬送機構10によって、カセット収納ユニットB内を搬送されてカセット収納ユニットCに至り、そこの搬送機構10によってそのユニットCにおける散薬取り出し位置まで運ばれて来る。
【0054】
そして、第1のカップ1がカセット収納ユニットBからカセット収納ユニットCへ移動すると、それ以降のユニットC,D,E等の搬送動作と並行して、第2のカップ1がカップ供給機構14からカセット収納ユニットBの搬送機構10上へ供給される。この第2のカップ1は、容器移動ルーチン87の制御に従って作動する搬送機構10によって、カセット収納ユニットB内を搬送されて、そのユニットBにおける散薬取り出し位置まで運ばれて来る。
【0055】
また、これらのカップ搬送と並行して、カセット移動ルーチン84の制御によって、カセット収納ユニットB,Cのカセット循環機構20が作動し、それぞれ第3のカセット30及び第1のカセット30が該当する散薬取り出し位置へ移動させられる。それから、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、未だ空のうちに第1,第3のカップ1の計量が行われる。そして、個々のカップそれ自体の重量がそれぞれのデータキャリア3に書き込まれる。
こうして、散薬投入前の散薬容器を計量すること及びその計測値を計量の直後にデータアクセス装置にて該当散薬容器のデータ記憶体へ書き込むことも行われて、散薬をカセット30からカップ1へ取り出す用意が速やかに調う。
【0056】
そうすると、カセット収納ユニットB,Cのリーダライタ54によって第3,第1のカセット30のデータキャリア36から薬剤情報が読み出される。そして、散薬取出ルーチン85によってその薬剤情報と散薬データ91や処方データ92とのつき合わせチェックが行われ、不一致のときにはエラー処理に移行する。こうして、散薬取り出し位置のカセット30が適切なものか否かの確認がなされる。例えば、コントローラ80のダウン中など管理不能な状態でカセット30の不適切な入れ替え等が行われていたような場合、エラーとなる。
【0057】
散薬取り出し位置のカセット30に誤りが見つからなければ、散薬取出ルーチン85の制御によって、該当する駆動部40が散薬取り出し位置のカセット30に結合してそれを駆動する。
こうして、カセット収納ユニットBでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットCでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。
【0058】
このとき同時に、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。さらに、計量ルーチン86の処理によって、その取り出した散薬の量が各カップ1のデータキャリア3に書き込まれる。散薬データ91等に保持されている他の関連情報、例えば、その散薬をフィーダ60で送給するのに適したフィーダ60の振動周波数の範囲などの情報も、併せて書き込まれる。
【0059】
こうして、所要の散薬を収容した第2のカップ1は、カセット収納ユニットBの搬送機構10によってカセット収納ユニットCへ向けて搬送される。一方、カセット収納ユニットCでは、そこのカセット循環機構20によって散薬取り出し位置へ第2のカセット30が移動させられ、散薬取出ルーチン85や計量ルーチン86の処理によって、第2のカセット30の散薬が第1のカップ1へ取り出されて追加される。
【0060】
そして、やはり所要の散薬を収容し終えた第1のカップ1は、容器移動ルーチン87の制御に従って作動する搬送機構10やカップ昇降機構15によって、カセット収納ユニットC及びカップ昇降ユニットD内を搬送されてカップ還流ユニットEに至り、そこの搬送機構10によってフィーダ60のところへ運ばれて、中の散薬がフィーダ60へ移し替えられる。続けて、第2のカップ1も、同様にしてフィーダ60のところへ運ばれ、収容中の散薬がフィーダ60へ移し替えられる。
こうして、処方箋に基づき、第1〜第3のカセット30の散薬が、所定量だけ取り出されて、フィーダ60へ収集される。
【0061】
また、この移し替えに際し、第1,第2のカップ1のそれぞれのデータキャリア3から収容散薬についての薬剤情報がリーダ58によって読み出され、フィーダ制御ルーチン88によって、容器データ93等と一致しているか否か等の確認処理が行われる。そして、不一致のときにはエラー処理に移行する。こうして、散薬を運んできたカップ1が適切なものか否かの確認がなされる。例えば、カップ1の有無を検出するセンサの無いところでカップ1がベルト11から落下して適切なカップ1がフィーダ60に届かなかったような場合、エラーとして検知される。
【0062】
フィーダ60に到達したカップ1に誤りが見つからなければ、フィーダ制御ルーチン88の処理によって、収集した各散薬についての薬剤情報から、発振回路64への制御信号を生成するためのデータが設定される。具体的には、フィーダ60の振動周波数の好適範囲として、第1のカセット30からの散薬については周波数範囲“150”〜“200”が読みとられ、第2のカセット30からの散薬については周波数範囲“170”〜“250”が読みとられ、第3のカセット30からの散薬については周波数範囲“400”〜“460”が読みとられたとする。
【0063】
このような場合、重複部分が纏められて、周波数範囲“150”〜“250”と周波数範囲“400”〜“460”とが発振回路64への制御信号を生成するためのデータ値とされる(図5(a)参照)。
こうして、フィーダ制御ルーチン88(振動フィーダの制御手段)等の処理によって、振動フィーダ60の振動周波数が所定範囲で掃引される際に、取り出した散薬に応じてその所定範囲が分散するように設定変更がなされる。
【0064】
それから、フィーダ制御ルーチン88の制御に従って、フィーダ60は振動しながら散薬を散薬分包機70の定速回転している環状凹溝72へ送り込む。その際におけるフィーダ60の振動周波数は、値“150”から値“250”まで逐次変化した後、一気に値“400”へ跳んで、そこから値“460”まで逐次変化する。その後、値“150”へ跳んで戻り、再び同様の変化を繰り返す(図5(b)参照)。そのサイクル数は、散薬の量等に応じてフィーダ制御ルーチン88により適宜設定される。
こうして、各種の散薬がそれぞれの共振周波数で速やかに且つ円滑に散薬分包機70の環状凹溝72の全周にわたって実質的に均等に配分される。
【0065】
そして、配分が終了したら、環状凹溝72を所定の包数に相当する分割数に応じた角度ずつ回転させながら、切出装置73の切出板を1回転ずつ繰り返し回転させ、それにより、環状凹溝72内の散薬を1包相当分ずつ切り出して、包装装置のホッパ74に順次投入する。これを受けて、散薬分包機70内の包装装置は、その散薬を1包分ずつ分包する。
こうして、各カセット30に収納されている所定の散薬が、所定の量だけ処方されるとともに、所定の包数に分包されるのである。
【0066】
また、フィーダ60まで散薬を運んだ第1,第2のカップ1は、容器還流ルーチン181の制御に従って順次、カップ還流ユニットEの搬送機構10から同じユニットEの搬送機構110に移載されてカップ昇降機構115のところへ搬送され、カップ昇降機構115によってユニットD,C,Bの搬送機構110のところまで持ち上げられ、さらにその搬送機構110によって清掃装置130の下まで搬送される。そして、そこで一旦止められて、清掃装置130よって清掃される。
【0067】
こうしてカップ1は搬送経路を一巡して戻る際に清掃手段によって清掃されるのであるが、その手順等を詳述すると、清掃ルーチン182の制御に従って、清掃装置130のヘッド133が下降してそのノズル134がカップ1の中へ遊挿され、その状態で吸引機131が作動してカップ1の内部が吸引排気され、カップ1の内壁や内底に付着していた粉等を高速の空気流が運び去る(図6の一点鎖線を参照)。
【0068】
また、その際に、カップ1のデータキャリア3に記憶されている投入散薬の情報がリーダライタ152によって読み取られ、その情報を受け取った清掃ルーチン182の処理によって、吸引機131の作動時間や作動速度などが可変される。こうして、データ読取装置152にて読みとった散薬に関する情報に基づいて清掃内容が変えられる。具体的には、清掃対象のカップ1が直前に収容して運んだ散薬が微粉末や臭いもののように入念な清掃を要する場合には、そうでない一般的な散薬を基準とした場合に比べて、吸引機131の作動時間が2倍や3倍に設定されたり、吸引機131のモータ回転が倍速に設定されたり、あるいはそれらの強化設定が同時に行われたりもする。
【0069】
そのような清掃が終わると、清掃装置130のヘッド133が上昇して元のところに戻り、さらに計量ルーチン183の制御に従う処理が続く(図7参照)。すなわち、電子秤150によって、そのカップ1の計量が行われるとともに、リーダライタ152によってカップ1のデータキャリア3から既知の空状態重量値が読み出される。そして、それらの値の差が演算され、差の絶対値が所定値以下の僅差であれば清掃結果が良好と判定される。これに対し、差の絶対値が所定値を超えているときには、清掃結果が不良と判定され、清掃条件を強化して再度の清掃が行われる。それでも、差が縮まらない場合には、そのカップ1の使用を阻止するために、それを取り除くメッセージを表示する等のエラー処理がなされる。
こうして、清掃結果を確認するために、清掃の後に再び空の散薬容器1の重量が計測されるとともに、投入前の重量と比較しての一致不一致に基づく良否判定も行われる。
【0070】
清掃の済んだカップ1は、搬送機構110によって再び搬送され、容器収納ルーチン184の制御に従うカップ収納機構114のところに至ると、カップ収納機構114によって、搬送機構110から取り上げられ、さらに反転させられ、それからカップ供給機構14上に戻される。その際、カップ供給機構14上に他のカップ1が積み重なっている場合には、そこに戻される。
こうして、カップ供給ユニットAから出発して散薬を散薬分包ユニットFのところまで運んだ散薬容器1は、戻る際に清掃手段130によって清掃され、その後、ユニットAに戻ったところで、上下が反転させられ、それから次の散薬取り出しに供されるまでその状態で保持される。
【0071】
このような処理が第1,第2のカップ1について逐次なされるとともに、他の処方に関しても次々と同様の処理が継続的あるいは断続的に行われて、散薬容器が繰り返し使用されることとなり、その結果、各種の散薬を適量だけ取り出して供給することが自動で適切に而も効率良く行われるのである。
【0072】
なお、上述した実施例の装置には設けられていなかったが、カセット収納ユニットCの搬送機構10のうち散薬取り出し位置より下流のところや、カップ還流ユニットEの搬送機構10のうちフィーダ60より上流のところ等に、他の電子秤50及びリーダライタ52を組み込んでおくのも良い。これにより、計量の結果が再確認でき、例えば上流の電子秤50の不具合等に起因した計量の適否までもチェックできて、調剤処理の確実性が一層向上する。
【0073】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の散薬供給装置にあっては、各種の散薬を適量だけ取り出して供給するという処理を自動化するに際して、散薬容器ばかりか散薬カセットも移動させて散薬の取り出しを行うようにしたことにより、容器への取り出し後の移動距離が短いので散薬が微粒であっても舞い散るのをほとんど無くすことができたのに加えて、散薬容器を次々に循環させて繰り返し使用するようにもしたことにより、散薬容器の補充作業が不要となり、しかも錠剤等に比べて時間を掛け穏やかに移送しなければならない散薬であってもスループットを落とさず速やかに供給することができ、その結果、各種の散薬を適量だけ取り出して供給するのを自動で適切に而も効率良く行う散薬供給装置を実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の散薬供給装置の一実施例について、その搬送系を中心とした簡略図である。
【図2】 正面からの全体模式図である。
【図3】 カセット移動機構等の部分拡大図である。
【図4】 散薬カセットから散薬を取り出すところの拡大図である。
【図5】 振動フィーダ関連のブロック図およびグラフである。
【図6】 散薬容器を清掃しているところの拡大図である。
【図7】 清掃後の散薬容器を秤量しているところの拡大図である。
【図8】 コントローラのブロック図である。
【図9】 コントローラのブロック図である。
【符号の説明】
A カップ供給ユニット
B カセット収納ユニット(収納庫)
C カセット収納ユニット(収納庫)
D カップ昇降ユニット
E カップ還流ユニット
F 散薬分包ユニット
1 カップ(散薬容器、計量容器)
2 電源部
3 データキャリア(計量容器のデータ記憶体)
4 散薬補給機
10 搬送機構(散薬容器の移動手段、計量容器の搬送手段)
11 ベルト
12 駆動輪
13 従動輪
14 カップ供給機構
15 カップ昇降機構(散薬容器の移動手段、計量容器の搬送手段)
20 カセット循環機構(カセット移動機構)
21 チェーン
22 駆動輪
23 従動輪
24 電動モータ
30 カセット(散薬カセット)
31 従動シャフト(散薬取り出しの従動機構)
32 攪拌羽根
33 散薬ストック部
34 連通路
35 排出路
36 データキャリア(散薬カセットのデータ記憶体)
40 駆動部(散薬取り出しの駆動機構)
41 駆動シャフト
42 電動モータ
43 進退用モータ
50 電子秤(計量装置)
51 支承片
52 リーダライタ(データアクセス装置)
53 非接触結合素子
54 リーダライタ(データ読取装置)
55 非接触結合素子
56 リーダ(データ読取装置)
57 非接触結合素子
58 リーダ(データ読取装置)
59 非接触結合素子
60 フィーダ(振動フィーダ)
61 ホッパ
62 案内部
63 振動体
64 発振回路
70 散薬分包機(分割装置)
71 本体部
72 環状凹溝
73 切出装置
74 包装装置のホッパ
75 搭載板
76 回転板(回転台)
80 コントローラ
81 カセット装着ルーチン
82 処方入力ルーチン
83 容器供給ルーチン
84 カセット移動ルーチン
85 散薬取出ルーチン
86 計量ルーチン
87 容器移動ルーチン
88 フィーダ制御ルーチン(振動フィーダの制御手段)
89 分包制御ルーチン
91 散薬データ
92 処方データ
93 容器データ
94 分包データ
110 搬送機構(散薬容器の移動手段、計量容器の搬送手段、還流部)
111 ベルト
114 カップ収納機構(散薬容器の上下反転手段)
115 カップ昇降機構(散薬容器移動手段、計量容器搬送手段、還流部)
130 清掃装置(清掃手段)
131 吸引機
132 フレキシブルホース(可撓性筒体)
133 ヘッド(可動部)
134 ノズル(吸引口)
150 電子秤(計量装置)
151 支承片
152 リーダライタ(データアクセス装置)
153 非接触結合素子
181 容器還流ルーチン
182 清掃ルーチン
183 計量ルーチン
184 容器収納ルーチン

Claims (1)

  1. 多数の散薬カセットと、これらの散薬カセットを移動させるカセット移動機構と、前記散薬カセットから取り出した散薬を受ける散薬容器を移送する搬送機構とを備えた散薬供給装置であって、前記搬送機構はその搬送経路が一巡するものであり、前記散薬容器の清掃手段が前記搬送経路に臨んで設けられており、前記搬送経路における前記清掃手段より後のところであって前記散薬カセットからの散薬取り出し位置より前のところに前記散薬容器を上下反転させる手段が設けられていることを特徴とする散薬供給装置。
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