JP4066064B2 - 音響インピーダンス測定方法及び音響インピーダンス測定装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、音響インピーダンス測定方法、及びその音響インピーダンス測定装置に関し、さらに詳しくは、超音波の波長で制限されない空間分解能を有し、簡便、かつ、正確に被測定物の音響インピーダンスを測定できる、音響インピーダンス測定方法、及びその音響インピーダンス測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種工業用の各種材料(固体、液体、及びゲル状物)に対して、音響インピーダンスを測定することが行われている。また、生体組織を反映する音響インピーダンスを、内視鏡やカテーテルに組み込んだ音響インピーダンス測定装置により音響インピーダンスを測定して、胃の病状診断、血管内のプラークの識別、あるいは、臓器に対する診断を行うことが考えられている。
【0003】
このような音響インピーダンスの測定方法は、例えば、特開2000−221078号公報において、超音波連続波による石英ロッドを用いた音響インピーダンス測定技術が開示されている。図15は、上記の特開2000−221078号公報に記載されている音響インピーダンス測定法の概略を示す図である。
この技術では、超音波振動子51で発生した一定の超音波連続波を伝送線路52の一端から入力して伝送線路52を伝搬させ、マッチング液53を介して音響インピーダンス変換器55を密着させた試料54に対して印加する。超音波反射率をマッチング液53の長さを波長(λ)の関数として求め、試料54の音響インピーダンスを求める。インピーダンス変換器55によってインピーダンス変換することにより、マッチング液53と試料54との音響インピーダンスの差が少ない試料54の場合にも、試料54の音響インピーダンスを測定することができる。また、インピーダンス変換器55を形状の定まらない試料面に押しつけることによって反射面が正確に規定され、正確な音響インピーダンスを測定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の特開2000−221078号公報で開示されている音響インピーダンスの測定方法は、伝送線路と測定試料間の距離を変化させながら測定しなければならず、距離を変えるための駆動部や測長のためのレーザー計測器などが必要で、特に生体内での測定は困難である。
また、この従来方法では、医用音響インピーダンス測定において要求される、波長オーダーの空間分解能を実現するのは困難である。
【0005】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、伝送線路と測定試料間の距離を変化させながら測定する必要がなく、空間的分解能が高く、特に、生体等の音響インピーダンス測定に適した、音響インピーダンス測定方法と装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の音響インピーダンス測定方法は、超音波伝送路の一端から一定周波数帯域の超音波パルスを伝搬させ、超音波伝送路の他端に接続され且つ被測定物と密着されたλ/4整合層を介して被測定物に超音波パルスを印加し、超音波伝送路とλ/4整合層との界面から反射される超音波パルスエコーを超音波伝送路の一端に伝搬させ、超音波パルスエコーの特定周波数成分から被測定物の音響インピーダンスを求める測定方法であって、λ/4整合層は、超音波伝送路と径が同一で、超音波パルス周波数帯域内の特定周波数において1/4波長の長さを有し、且つ被測定物、超音波伝送路及びλ/4整合層の特性音響インピーダンスをそれぞれ、Z W 、Z C 及びZ S としたときに、Z S =(Z W ・Z C ) 1/2 となる特性音響インピーダンスを有する物質から成り、超音波伝送路と被測定物とをインピーダンス整合させていることを特徴とする。
本発明の上記構成において、好ましくは、超音波伝送路の単一モード伝搬領域の周波数帯域を利用することによって、超音波伝送路に一定周波数帯域の超音波パルスを伝搬させることができる。
本発明の上記構成において、好ましくは、超音波伝送路の多モード伝搬領域の周波数を利用することによって、超音波伝送路に一定周波数帯域の超音波パルスを伝搬させることができる。
前記構成において、λ/4整合層は、被測定物が水の場合に超音波パルス周波数帯域内の特定周波数で整合する形状と特性音響インピーダンスを有することが好ましい。超音波伝送路とλ/4整合層の断面積は、好ましくは、必要とする空間分解能に応じて小さくする。また、測定した被測定物からのエコーの周波数成分を、空気を被測定物として求めたエコーの周波数成分で規格化するようにし得る。
【0007】
この構成によれば、一定周波数帯域の超音波を用いることで、複素反射率と被測定物の音響インピーダンスとの関係が単純になり、超音波パルスを用いることで、特定モードの超音波パルスのエコーのみを時間軸上で容易に分離して測定でき、被測定物の音響インピーダンスを精度良く求めることができる。
また、超音波伝送路に一定周波数帯域の超音波パルスを伝搬させる方法において、超音波伝送路の単一モード伝搬領域の周波数帯域を利用する場合には、必要なモードのパルスエコーのみを時間軸上で容易に分離して測定でき、被測定物の音響インピーダンスを精度良く求めることができる。
さらに、超音波伝送路に一定周波数帯域の超音波パルスを伝搬させる方法において、超音波伝送路の多モード伝搬領域の周波数帯域を利用する場合には、モードによる伝搬遅延時間が異なることを利用して必要なモードのパルスエコーのみを時間軸上で容易に分離して測定でき、被測定物の音響インピーダンスを精度良く求めることができる。
また、λ/4整合層は、被測定物が水の場合に整合する特性音響インピーダンスを有している。水に近い音響インピーダンスを有する被測定物の反射は、水の特性音響インピーダンスからのずれに高感度であり、また、水の正確な特性音響インピーダンスは既知である。従って、水に近い音響インピーダンスを有する被測定物の音響インピーダンスを精度良く測定できる。特に、生体は水に近い音響インピーダンスを有しており、従って、生体の音響インピーダンスを精度良く測定することが可能になる。
また、λ/4整合層を被測定物に密着するから、断面積内の音響インピーダンスのみを測定することができる。さらに、超音波伝送路とλ/4整合層の断面積は、必要とする空間分解能に応じて小さくし、周波数を選択して所定のモードの超音波パルスを伝搬させることで、必要とする空間分解能で音響インピーダンスを測定することができる。
例えば、医用では、超音波の空間分解能が組織映像の限界であるが、この方法によれば、超音波の波長に関わらず被測定物と密着するλ/4整合層の断面積による空間分解能で音響インピーダンスを測定することが可能となる。
また、測定した被測定物からのエコーの周波数成分を、空気を被測定物として求めたエコーの周波数成分で規格化するから、簡便に測定系の校正をすることができる。
【0008】
本発明の音響インピーダンス測定方法では、上記の超音波伝送路を複数束ねて用い、各々の伝送路を伝搬する各々の超音波エコーから各々の音響インピーダンスを求め、被測定物の音響インピーダンス分布像を測定することができる。
この構成によれば、医用等で必要とされる生体の音響インピーダンス分布像を得ることができる。
【0009】
また、本発明の音響インピーダンス測定装置は、一定の電気パルスを発生する電気信号源と、電気信号源からの電気パルスを超音波パルスに変換し且つ超音波パルスエコーを電気パルスに変換する超音波振動子と、超音波振動子を一端に有し且つ他端にλ/4整合層を有する超音波伝送線路と、超音波パルスエコーをフーリエ変換し、フーリエスペクトルから被測定物の音響インピーダンスを計算する信号処理部とからなり、λ/4整合層は、超音波伝送路と径が同一で、超音波パルス周波数帯域内の特定周波数において1/4波長の長さを有し、且つ、被測定物、超音波伝送路及びλ/4整合層の特性音響インピーダンスをそれぞれ、Z W 、Z C 及びZ S としたときに、Z S =(Z W ・Z C ) 1/2 となる特性音響インピーダンスを有する物質から成り、超音波伝送路と被測定物とがインピーダンス整合していることを特徴とする。超音波伝送路は好ましくは、石英ファイバーから成る。λ/4整合層は、前記被測定物としての水と上記超音波伝送路とがインピーダンス整合している。この特性音響インピーダンスを有する物質は、エポキシ樹脂であれば好ましい。そして、信号処理部は、空気を被測定物としたときのフーリエスペクトルで規格化することを特徴とする。
【0010】
この装置は、λ/4整合層のインピーダンス整合条件を満たす周波数を含む周波数帯域を有する超音波パルスを、電気信号源からの電気パルスを超音波振動子に印加することによって発生させ、超音波パルスを超音波伝送路に伝搬させ、λ/4整合層を介して被測定物に超音波パルスを印加する。超音波伝送路とλ/4整合層との界面で発生した超音波エコーパルスを超音波伝送路に伝搬させて超音波振動子に入力し、超音波信号を電気信号に変換する。信号処理部により、目的とするエコー信号を取り出してフーリエ変換し、空気を被測定物としたときのスペクトルで規格化する。
従って、本発明の装置によれば、一定周波数帯域の超音波パルスを用いることで、複素反射率と被測定物の音響インピーダンスとの関係が単純になり、また、超音波パルスを用いることで、所定のモードの超音波パルスエコーのみを時間軸上で分離して測定でき、被測定物の音響インピーダンスを精度良く求めることができる。
また、λ/4整合層は、被測定物が水の場合に整合する特性音響インピーダンスを有しているので、水に近い音響インピーダンスを有する被測定物の反射は、水の特性音響インピーダンスからのずれに高感度であり、また、水の正確な特性音響インピーダンスは既知である。従って、水に近い音響インピーダンスを有する被測定物の音響インピーダンスを精度良く測定することができる。生体は水に近い音響インピーダンスを有しており、従って、生体の音響インピーダンスを精度良く測定し得る。また、λ/4整合層を被測定物に密着するから、断面積内の音響インピーダンスのみを測定することが可能になる。
上記超音波伝送路とλ/4整合層の断面積は、必要とする空間分解能に応じて小さくし、周波数を選択して所定の超音波パルスを伝搬させることで、必要とする空間分解能で音響インピーダンスを測定することができる。
また、測定した被測定物からのエコーのスペクトルを、空気を被測定物として求めたエコーのスペクトルで規格化するから、簡便に測定系の校正をすることができる。
さらに、本発明の音響インピーダンス測定装置によれば、超音波振動子とλ/4整合層を備えた超音波伝送路を複数本束ねて備えることにより、各々の伝送路を伝搬する各々の超音波パルスエコーから各々の音響インピーダンスを測定し、被測定物の音響インピーダンス像を測定することを特徴とする。この構成によれば、従来難しかった、音響インピーダンス画像を得ることができ、特に、医用に用いれば有用である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
入射波となる所定の周波数fの信号源に、その一端が接続される分布定数線路の他端に、分布定数線路の特性インピーダンスと異なるインピーダンスZL を接続すると反射波が生じる。
この反射波を測定することにより、未知のインピーダンスZL (ここでZL は複素インピーダンスとなる。)を求めることができる。すなわち、分布定数線路の特性インピーダンスをZ0 としたときに、反射係数Γd は、
Γd =(ZL −Z0 )/(ZL +Z0 )となる。
この反射係数Γd を測定すると、未知のインピーダンスZL が、
ZL =Z0 (1+Γd )/(1−Γd )として求まる。
また、分布定数線路と、分布定数線路の特性インピーダンスZ0 と異なる特性インピーダンスZM を有する負荷を接続したときに、反射波が生じる。この反射波が生じないように、すなわち整合を取るために、分布定数線路と、負荷の間に1/4波長の分布定数線路を整合回路として挿入することが知られている。ここで、1/4波長の分布定数線路の特性インピーダンスをZS とすると、
ZS =(Z0 ・ZM )1/2 が整合条件となる。
【0012】
図1は、本発明に係る実施の形態による音響インピーダンス測定方法の原理を説明する等価回路である。この等価回路回路は、上述の分布定数線路と同様に取り扱うことができる。
図に示すように、本発明の音響インピーダンス測定方法は、被測定物9と超音波伝送線路7との間に、おおよそ超音波伝送線路7の直径と同一なλ/4整合層8を介して被測定物9と直接接触するように配置されている。
また、超音波伝送線路7の一端に、超音波振動子5が接続され、電気パルス4を入力すると超音波が発生し、超音波伝送線路7を伝播する超音波パルス6となる。
【0013】
未知の被測定物の音響インピーダンスZL が超音波伝送線路の特性音響インピーダンスZC と異なるときに、超音波パルス6は、被測定物9により反射されて、超音波パルスエコー10が発生する。
この超音波パルスエコー10は、超音波パルス6と逆に超音波伝送線路7を伝搬し再び超音波振動子5により電気パルスに変換される。この電気パルスを、以下エコー信号11と呼ぶ。このエコー信号11は、時間領域の信号であり、高速フーリエ変換(FFT)によるフーリエ変換器12により、周波数領域の振幅と位相に変換されたフーリエスペクトル13として取り出される。
このエコー信号11のフーリエスペクトル13により、上述の分布定数線路の反射波によるインピーダンス測定とのアナロジーにより、被測定物の複素音響インピーダンスを知ることができる。
【0014】
ここで、未知の被測定物が、例えば水の特性音響インピーダンスZW に近い生体のような被測定物の測定をする場合について説明する。
超音波伝送線路7の特性音響インピーダンスZC と、水の特性音響インピーダンスZW との整合をとるためには、超音波の周波数におけるλ/4の厚さの整合層8を超音波伝送線路7と水の間に挿入すればよい。この場合、λ/4整合層の特性音響インピーダンスZS は、上述の分布定数線路と同様に、
ZS =(ZC ・ZW )1/2 となる。
このようにすれば、超音波パルスは、被測定物9が水である場合に完全に吸収され、反射波は生じない。水と音響インピーダンスの異なる被測定物9からは、反射波が生じる。この反射波の波形は、水の特性音響インピーダンスからのずれに高感度であるので、水の特性音響インピーダンスに近い生体の測定に適している。
この反射波のフーリエ変換された周波数領域の振幅と位相を得ることで、未知の被測定物9の複素音響インピーダンス(以下、単に音響インピーダンスと呼ぶ)を高精度で測定できる。
さらに、このλ/4整合層8の直径を、超音波伝送線路7の直径とほぼ同じにしているので、λ/4整合層8が密着している部分のみの音響インピーダンスを反映した反射波が得られる。
さらに、本発明の音響インピーダンス測定方法においては、超音波をパルスとして用いるので、所定のモードの超音波パルスエコーのみを送信超音波パルスや不要なモードから時間軸上で容易に分離することができる。
このように、本発明の方法によれば、従来方法のようにマッチング液の厚さを変えるようなことを行わないで、被測定物にただ直接接触するだけで、超音波伝送線路の直径に応じた、所望の空間的分解能で音響インピーダンスの測定ができる。
【0015】
次に、本発明の音響インピーダンスの測定原理をさらに詳しく説明する。
図1に示すように、超音波伝送線路から見たλ/4整合層8を含めた負荷側の入力インピーダンスをZinL と置くと、図2のような超音波伝送線路に置き換えることができる。ここで、ZinL は、分布定数線路の定義を用いて式(1)で表される。
【数1】
ここで、βはλ/4整合層8の伝搬定数(=2π/λ)、lはλ/4の整合層8の厚さである。超音波伝送線路7とZinL との接続点で起こる反射の反射係数ΓL は、式(2)で表される。
【数2】
【0016】
電気パルスとしては、インパルス、サインバースト波パルス、連続波を変調したパルス波などを用いることができる。
【0017】
図3は、音響インピーダンスが未知の被測定物への超音波の伝送の模式図である。図3(a)において、超音波伝送線路7に超音波振動子5により、例えばインパルスが印加されたとすると、超音波は超音波伝送線路7とλ/4整合層8の接続面で被測定物9の音響インピーダンスを反映して反射され、再び超音波伝送線路7を伝搬して超音波振動子5に戻ってくる。
【0018】
図3(b)は、このときのインパルス応答を表す図である。図において、δ(t)は入力インパルス、h(t)は、λ/4整合層8を含む超音波伝送線路7でのインパルス応答、γL (t)は未知の被測定物9の反射係数のインパルス応答、yL (t)は受信信号のインパルス応答である。yL (t)は、δ(t)、h(t)、γL (t)の畳み込み演算(convolution)として、式(3)で表される。さらに式(3)をフーリエ変換すると、式(4)が得られる。
【数3】
【数4】
【0019】
また、本発明の音響インピーダンス測定方法では、被測定物として、特性音響インピーダンスが0に近似できる空気を測定することによって、簡便に校正することができ、測定精度を上げることができることを、上記のインパルス応答を用いて説明する。空気を接続したときの超音波の伝送とインパルス応答は、図3(b)において、yL (t)を、yair (t)とし、γL (t)をγair (t)に置き換えればよい。従って、yair (t)は式(5)で、また、yair (t)のフーリエ変換Yair (f)は、式(6)で表される。
【数5】
【数6】
従って、yL (t)のフーリエ変換YL (f)を、yair (t)のフーリエ変換でYair (f)で規格化すると、式(7)が得られる。
【数7】
これから、未知の被測定物9のときのエコー信号11のフーリエ変換であるYair (f)を、被測定物9が空気のときのエコー信号11のフーリエ変換であるYair (f)により規格化することにより、超音波伝送路のH(f)に関係なく、周波数領域の規格化反射係数Γ=ΓL /Γair となることが分かる。空気の場合は完全反射であるから、Γair =−1であり、簡便に規格化できる。
【0020】
次に、規格化反射係数Γから、未知の被測定物の音響インピーダンスの導出法を説明する。
規格化反射係数Γは、上記式(2)を用いると、下記式(8)となり、未知の被測定物9の反射係数ΓL の複素表示を、ΓL =ΓL(re) +jΓL(im) とし、被測定物9が空気であるときの反射係数の複素表示を、
Γair =Γair(re) +jΓair(im) とすると、次式(9)となる。
【数8】
【数9】
この式(9)を有理化し、式(1)及びΓair =−1を代入すると式(10)が得られる。
【数10】
式(10)を未知の被測定物9の音響インピーダンスZL について解くことができる。すなわち、ZL =(a+jb)/(c+jd)とおくと、a,b,c,dは、それぞれ式(11)、式(12)、式(13)、式(14)で表される。
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
この式は、λ/4整合層8の整合条件であるλ/4という条件は含んでいないので、整合層8の厚さlの如何に関わらず適用できる。
【0021】
ここで、式(11)〜式(14)中の、RとSは、未知の被測定物9のフーリエ変換YL (f)と、被測定物が空気のときのフーリエ変換であるYair (f)の測定とにより求まり、ZC 、ZS 、β、lが既知であるので、未知の被測定物9の音響インピーダンスZL が求められる。
また、整合層8が完全に整合条件であるλ/4である場合には、sin(βl)と、cos(βl)がそれぞれ、1と0になるので、次式(15)で未知の被測定物9の音響インピーダンスZL が求まる。
【数15】
この場合には、規格化反射係数Γが測定できれば、直ちに未知の被測定物9音響インピーダンスZL が求まる。
これにより、本発明の音響インピーダンス測定方法では、被測定物として、特性音響インピーダンスが0に近似できる空気を測定することによって、被測定物の音響インピーダンスZL 以外の部分で生じる影響を取り除き、測定精度を上げることができる。
【0022】
また、測定周波数に適合するように、λ/4整合層8を設計し、製作するが、正確にλ/4でない場合には、音響インピーダンスの導出の際に誤差が生じる。従って、反射係数を求めた時のλ/4整合層8の正確な厚さを無視して単にλ/4とすると、求める音響インピーダンスに誤差が生じてしまう。
【0023】
λ/4整合層8の厚さが、どの周波数で、λ/4になっているのかは、以下のようにして調べることができる。
超音波振動子5に、電気パルスを送り、所定のモードの超音波エコースペクトルの各周波数において、被測定物9が例えば水としたときのエコー信号11のスペクトルの振幅を、被測定物9が空気のときのエコー信号11のスペクトルの振幅で規格化し、この規格化振幅が最小となる周波数を整合周波数として求めることができる。これにより、実際に製作したλ/4整合層8の最適周波数を求めることができる。
【0024】
次に、本発明の音響インピーダンス測定装置の実施の形態を示す。
図4は、本発明に係る実施の形態による音響インピーダンス測定装置の構成を示すブロック図である。
音響インピーダンス測定装置1において、超音波振動子5に、電気信号源2及び送信部3からの電気パルス4が印加されて、超音波パルス6は、超音波伝送線路7、λ/4整合層8を介して被測定物9へ印加される。ここで、λ/4整合層8の直径は、おおよそ超音波伝送線路7と同じ直径を有している。
被測定物9の表面で反射した超音波パルスエコー10は、超音波伝送線路7を逆に伝搬し、超音波振動子5により電気パルス、すなわちエコー信号11に変換され、図4において点線で囲まれた信号処理部20へ入力される。
ここで、超音波振動子5は、Pb(Ti,Zr)O3 のような二成分系圧電セラミックで、例えばPZT(米国バーニトロン社の商品名)を使用できる。
【0025】
信号処理部20は、エコー信号11の受信部14と、A/D変換器15と、メモリ16と、ワークステーションなどのコンピュータ17によって構成される。受信部14の出力信号は、A/D変換器15によりデジタル信号へ変換される。A/D変換器15と、メモリ16は、インターフェイス18を介して制御され、コンピュータ17にデータが取り込まれ、フーリエ変換等の信号処理を行う。また、電気信号源2からは、同期用信号19が、受信部14へ19a、A/D変換器15へ19b、メモリ16へ19cとして出力され、エコー信号11が正確にデジタル信号へ変換されるように制御する。
【0026】
図5は、音響インピーダンス測定装置1の動作を示すタイムチャートである。図において、横軸は時間軸tであり、縦軸は信号強度である。
(a)は、同期信号波形であり、
(b)は、励起されるパルス超音波の波形であり、
(c)は、未知の被測定物からのエコー信号11であり、
(d)は、被測定物が空気のときのエコー信号11である。
信号処理部20のコンピュータ17により、エコー信号11を所定の時間幅(窓)で切り出し、高速フーリエ変換(FFT)のアルゴリズムによりフーリエ変換する。このフーリエスペクトルを得る手段は、コンピュータ17によらない専用のICやFFT装置でも良い。
さらに、フーリエ変換されたエコー信号11の周波数領域の振幅と位相の測定により、被測定物9の音響インピーダンスを求める。この周波数領域の振幅と位相の測定により、被測定物9の音響インピーダンスを求める手段は、コンピュータ17に限らず、専用のICなどでもよい。
【0027】
また、超音波伝送線路7としては、単位長さ当たりの遅延時間を大きく取れるポアソン比の小さい材料(アルミニウム0.35、スチール0.29、石英0.19程度)で、伝搬損失の小さい媒質が好ましい。最近の光ファイバー技術の進歩により、均質で高精度の径を持った石英の円柱棒である光ファイバーを容易に作ることが出来るようになったので、超音波伝送線路7としては石英ファイバーが好適である。石英ファイバーを伝わる音波には、分散特性があることが知られており、理論的には無限にモードが存在する。縦(Longitudinal)モードは、歪み(Flexural)モードやねじれ(Torsional)モードに比べて、振幅が十分に大きいので、縦モードが支配的である。
【0028】
また、λ/4整合層8の直径をおおよそ、超音波伝送線路7の直径と同一にして、λ/4整合層8を被測定物9に直接接触することにより、λ/4整合層8の被測定物9に接触する面積に相当する領域の音響インピーダンスを測定することができる。例えば、直径が10μmと100μmの石英ファイバーを使用すれば、おおよそ直径が10μmと、100μmの範囲の測定が行えることになる。これにより、超音波の波長に関わらず微小領域の音響インピーダンスの測定が可能となる。
【0029】
次に、上記構成の実施の形態の音響インピーダンス測定装置に用いる石英ファイバーのモードについて説明する。
図6は、本発明の音響インピーダンス測定装置に用いる石英ファイバーのモードの分散特性を示す図である。
図において、直径が125μmの石英ファイバー中における縦モードの周波数と遅延時間の関係を示している。図の横軸は周波数で、縦軸は遅延時間である。図より、L(0,1)モード(実線で示す)については、20MHz以下の周波数帯域で遅延時間が比較的安定しており、この帯域において伝搬速度の変化が少ないことが分かる。また、L(0,2)(点線で示す)とL(0,3)(一点鎖線で示す)モードは20MHz以下の周波数帯域において遅延時間が無限大となり、伝搬できないことがわかる。すなわち、20MHz以下の周波数帯域を使用すれば、単一モードでの使用ができる。
【0030】
次に、本発明の音響インピーダンス測定装置及び音響インピーダンス測定方法による音響インピーダンス測定の実施例について説明する。
超音波伝送線路7として、直径が1.6mmの石英ファイバーにおけるL(0,2)モードを使用した。λ/4整合層8は、石英ファイバーと、水の間に挿入する材料として、エポキシ樹脂(Stycast 2651MM)を用いた。ここで、エポキシ樹脂の特性音響インピーダンスZS は、
ZS =(ZW ・ZC )1/2 である。
ここで、ZW は水の特性音響インピーダンスであり、ZC は超音波伝送線路の特性音響インピーダンスである。
5MHzの測定に使用した直径が1.6mmの石英ファイバーと、λ/4整合層8と、水の特性音響インピーダンス、寸法、音速を以下に示す。
石英ファイバーの特性音響インピーダンスZC と、λ/4整合層8の特性音響インピーダンスZS と、水の特性音響インピーダンスZW とはそれぞれ、19.1×106 Ns/m3 、4.432×106 Ns/m3 、1.5×106 Ns/m3 である。また、λ/4整合層8の厚さは193×10-6mで、λ/4整合層8における音速vs は3060m/sである。
【0031】
超音波振動子5としてのPZTに電気パルスを印加し、被測定物9が空気のときのエコースペクトルで、被測定物9が水のときのエコースペクトルを規格化し、一番整合している周波数を求めた。
図7は、被測定物が水のエコー信号を、被測定物が空気のエコー信号によりスペクトルで規格化した周波数特性を示す図である。図において、横軸が周波数で、縦軸は被測定物9が水のときのエコー信号11のスペクトルを、被測定物9が空気のときのエコー信号11のスペクトルで規格化した振幅を示している。
図において、5.1MHz〜5.2MHz付近が、最も振幅が低下していることがわかり、この付近で、λ/4整合層8が最も整合していることがわかる。
このように、λ/4整合層8にあった最適周波数が求められた場合に、この最適周波数においてのフーリエ変換のみを行うことで、被測定物9の正確な音響インピーダンスを求めることができる。この場合には、信号処理部20の構成を簡略化することができる。
【0032】
次に音響インピーダンスの測定に関する実施例を示す。
図8から図11は、被測定物が4%の食塩水の音響インピーダンスに関するデータを示す。
図8は4%食塩水からのエコー信号を示す図である。横軸は時間で、縦軸は任意目盛りの振幅である。70μsから90μsの領域の信号が、エコー信号11である。なお、A/D変換器15によるサンプリングは、十分に信号を再生できるように、エコー信号の中心周波数の6倍に当たる30MHzで行い、10ビットでA/D変換した。
【0033】
次に、得られたデジタル信号のFFTを行い、フーリエスペクトルを得る。切り出しには、所定の窓関数を使用した。
図9は、4%食塩水からのフーリエスペクトルを示す図である。横軸は周波数で、縦軸は振幅を示している。この4%食塩水のフーリエスペクトルを、被測定物9が空気のときのフーリエスペクトルで規格化したデータが、被測定物9の4%食塩水の規格化反射係数Γとなる。
【0034】
図10は4%食塩水のインピーダンス特性の実部を示す図であり、図11は4%食塩水のインピーダンス特性の虚部を示す図である。横軸は周波数で、縦軸は音響インピーダンス(Ns/m3 )である。1/4波長の整合層8が、最も整合している周波数である5.1から5.2MHzにおける音響インピーダンスは、ZL =1.57×106 Ns/m3 であることがわかる。
【0035】
図12は、水、2%食塩水、4%食塩水の音響インピーダンスの測定値を示す図である。横軸は食塩水の濃度(%)で、縦軸が音響インピーダンスである。図において、実測値を×印で示し、理論値を実線で示している。
音響インピーダンスは、水で1.57×106 Ns/m3 、2%食塩水で1.54×106 Ns/m3 、4%食塩水で1.57×106 Ns/m3 であることがわかる。
実験により得られた音響インピーダンスと理論値の間にオフセットがあるものの、密度の増加に対応した音響インピーダンス変化が得られている。
【0036】
次に、本発明の音響インピーダンス測定装置及び音響インピーダンス測定方法の別の実施例を図13に示す。図は、画像用の超音波伝送線路を示す外観図である。図において、超音波伝送線路7を複数本束ねた画像用の超音波伝送線路30を示している。図にZ軸を超音波の伝搬方向として、X−Y平面が画像面を示している。ここで、超音波伝送線路としては、石英ファイバーが使用できる。この配置においては、X方向に平坦となるよう並べた互いに接する石英ファイバーを、Y方向に積み重ねたものである。
【0037】
また、本発明の音響インピーダンス測定装置及び音響インピーダンス測定方法の別の実施例を図14に示す。図は、画像用の超音波伝送線路を示す外観図である。図において、超音波伝送線路7を複数本、束ねた画像用の超音波伝送線路40を示している。図にZ軸を超音波の伝搬方向として、X−Y平面が画像面を示している。ここで、超音波伝送線路7としては、石英ファイバーが使用できる。この配置においては、X方向に平坦となるよう並べた互いに接する石英ファイバーを、Y方向には、石英ファイバー間の間隔が最小となるように細密に積み重ねたものである。
【0038】
図13と図14において、図示しないが、各石英ファイバーの一端には超音波振動子5が接続し、また、他端にはλ/4整合層8が設けられている。
各石英ファイバーに超音波パルスが印加され、各λ/4整合層8に接触する被測定物9からの複数の超音波パルスエコーにより、各接触部の音響インピーダンスを得ることができる。この各音響インピーダンスに応じて輝度や色を変えて2次元表示することにより、被測定物の音響インピーダンスの変化に対応する画像を実時間で得ることができる。
本発明の画像用の超音波伝送線路によれば、従来困難であった、音響インピーダンスの測定による音響インピーダンスの分布像を、高精度で、かつ、高分解能で得ることができる。
また、本発明の画像用の超音波伝送線路によれば、被測定物に整合層を介して直接接触して測定ができるので、特に被測定物が生体であっても音響インピーダンスの分布像を得ることができる。
【0039】
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
【0040】
【発明の効果】
上記説明から理解されるように、本発明によれば、伝送線路と測定試料間の距離を変化させながら測定する必要がなく、空間的分解能が高い、音響インピーダンス測定方法及び装置を提供することができ、特に、医用等の生体音響インピーダンス測定に適用すれば極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】音響インピーダンス測定方法の原理を説明する等価回路である。
【図2】超音波伝送線路の等価回路を示す図である。
【図3】音響インピーダンスが未知の被測定物への超音波伝送の模式図である。
【図4】本発明に係る実施の形態による音響インピーダンス測定装置の構成を示すブロック図である。
【図5】音響インピーダンス測定装置の動作を示すタイムチャートである。
【図6】音響インピーダンス測定装置に用いる石英ファイバーの分散特性を示す図である。
【図7】被測定物が水のエコー信号スペクトルを被測定物が空気のエコー信号によりスペクトルで規格化した振幅スペクトルを示す図である。
【図8】4%食塩水からのエコー信号を示す図である。
【図9】4%食塩水のフーリエスペクトルを示す図である。
【図10】4%食塩水の音響インピーダンス特性の実部を示す図である。
【図11】4%食塩水の音響インピーダンス特性の虚部を示す図である。
【図12】水、2%食塩水、4%食塩水の音響インピーダンスを測定した図である。
【図13】画像用の超音波伝送線路を示す外観図である。
【図14】画像用の超音波伝送線路を示す外観図である。
【図15】従来の超音波測定装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 音響インピーダンス測定装置
2 電気信号源
3 送信部
4 電気パルス
5 超音波振動子
6 超音波パルス
7 超音波伝送線路
8 整合層
9 被測定物
10 超音波パルスエコー
11 エコー信号
12 フーリエ変換器
13 フーリエスペクトル
14 受信部
15 A/D変換器
16 メモリ
17 コンピュータ
18 インターフェイス
19 同期信号
20 信号処理部
30,40 画像用の超音波伝送線路
Claims (13)
- 超音波伝送路の一端から一定周波数帯域の超音波パルスを伝搬させ、この超音波伝送路の他端に接続され且つ被測定物と密着されたλ/4整合層を介して該被測定物に超音波パルスを印加し、上記超音波伝送路と上記λ/4整合層との界面で生じる超音波パルスエコーを上記超音波伝送路の一端に伝搬させ、この超音波パルスエコーの特定周波数成分から上記被測定物の音響インピーダンスを求める測定方法であって、
上記λ/4整合層は、上記超音波伝送路と径が同一で、上記超音波パルス周波数帯域内の特定周波数において1/4波長の長さを有し、且つ上記被測定物、上記超音波伝送路及び上記λ/4整合層の特性音響インピーダンスをそれぞれ、Z W 、Z C 及びZ S としたときに、Z S =(Z W ・Z C ) 1/2 となる特性音響インピーダンスを有する物質から成り、上記超音波伝送路と上記被測定物とをインピーダンス整合させていることを特徴とする、音響インピーダンス測定方法。 - 前記超音波伝送路の単一モード伝搬領域の周波数帯域を利用して、前記超音波伝送路に一定周波数帯域の超音波パルスを伝搬させることを特徴とする、請求項1に記載の音響インピーダンス測定方法。
- 前記超音波伝送路の多モード伝搬領域の周波数帯域を利用することにより、前記超音波伝送路に一定周波数帯域の超音波パルスを伝搬させることを特徴とする、請求項1に記載の音響インピーダンス測定方法。
- 前記λ/4整合層は、前記超音波パルス周波数帯域内の特定周波数において、前記被測定物が水の場合に整合する形状と特性音響インピーダンスを有することを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の音響インピーダンス測定方法。
- 前記超音波伝送路とλ/4整合層の断面積は、必要とする空間的分解能に応じて小さくすることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の音響インピーダンス測定方法。
- 前記測定した被測定物からのエコーの周波数成分を、空気を被測定物として求めたエコーの周波数成分で規格化することを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の音響インピーダンス測定方法。
- 前記超音波振動子とλ/4整合層とを備えた超音波伝送路を複数本束ねて用い、各々の上記伝送路を伝搬する各々の前記超音波パルスエコーから各々の音響インピーダンスを求め、前記被測定物の音響インピーダンス分布像を測定することを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の音響インピーダンス測定方法。
- 一定の電気パルスを発生する電気信号源と、この電気信号源からの電気パルスを超音波パルスに変換し且つ超音波パルスエコーを電気パルスに変換する超音波振動子と、この超音波振動子を一端に有し且つ他端にλ/4整合層を有する超音波伝送線路と、上記超音波パルスエコーをフーリエ変換し、このフーリエスペクトルから被測定物の音響インピーダンスを計算する信号処理部とからなり、
上記λ/4整合層は、上記超音波伝送路と径が同一で、上記超音波パルス周波数帯域内の特定周波数において1/4波長の長さを有し、且つ、被測定物、上記超音波伝送路及び上記λ/4整合層の特性音響インピーダンスをそれぞれ、ZW、ZC及びZSとしたときに、ZS=(ZW・ZC)1/2となる特性音響インピーダンスを有する物質から成り、上記超音波伝送路と上記被測定物とがインピーダンス整合していることを特徴とする、音響インピーダンス測定装置。 - 前記超音波伝送路は石英ファイバーから成ることを特徴とする、請求項8に記載の音響インピーダンス測定装置。
- 前記λ/4整合層は、前記被測定物としての水と上記超音波伝送路とがインピーダンス整合していることを特徴とする、請求項8または9に記載の音響インピーダンス測定装置。
- 前記λ/4整合層の特性音響インピーダンスを有する物質は、エポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項10に記載の音響インピーダンス測定装置。
- 前記信号処理部は、前記被測定物のフーリエスペクトルを空気を被測定物としたときの前記フーリエスペクトルで規格化することを特徴とする、請求項8〜11の何れかに記載の音響インピーダンス測定装置。
- 前記超音波振動子とλ/4整合層を備えた超音波伝送路を複数本束ねて備え、各々の上記伝送路を伝搬する各々の前記超音波パルスエコーから各々の音響インピーダンスを測定し、前記被測定物の音響インピーダンス分布像を測定することを特徴とする、請求項8〜12の何れかに記載の音響インピーダンス測定装置。
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