JP3209880B2 - 超音波探触子及びこれを備えた超音波診断装置 - Google Patents

超音波探触子及びこれを備えた超音波診断装置

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JP3209880B2 JP11094495A JP11094495A JP3209880B2 JP 3209880 B2 JP3209880 B2 JP 3209880B2 JP 11094495 A JP11094495 A JP 11094495A JP 11094495 A JP11094495 A JP 11094495A JP 3209880 B2 JP3209880 B2 JP 3209880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体組織の音響特性の術
中計測方法及び術中計測用超音波探触子、特に手術中に
患者の臓器等の生体組織の音速分布または減衰定数分布
を高精度かつ空間的に高分解能で計測可能とした術中計
測用超音波探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波診断装置は、超音波探触子
を体外または体表面に設置して、体内に超音波を入射さ
せて、体内の音響的性質の異なる各生体組織の境界から
の反射エコーを受信してその反射強度分布を映像化する
ことによって、無侵襲、非観血的に診断を行う装置とし
て普及している。さらに、近年では超音波診断装置の超
音波探触子を手術中の患者の臓器に直接接触させて、臓
器内の超音波画像を観測する事によって手術の精度向上
に役立てたり、診断の精度を向上させる、術中超音波診
断も普及してきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の超音波診断装置にあっては、生体組織の解剖
学的な構造を定性的に反映させた音響画像を表示させる
ことは可能であるが、生体組織の弾性的性質を直接に定
量的に反映した物理量である音速や減衰定数を精度良く
測定することは不可能であった。特に、特定の臓器の音
速や減衰定数を計測しようとしても、超音波伝搬経路内
に存在する皮膚や脂肪、その他の複数の生体組織を介し
ての間接的な計測となるために、伝搬経路中に存在する
目的外の複数の生体組織の影響を受けた曖昧さを含んだ
計測しかできず、また各生体組織の伝搬経路長も未知変
数となっているので音速や減衰定数の高精度な定量的測
定は不可能であった。
【0004】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は、特定の臓器内の音速や分布や減衰定数
分布を高精度に計測可能な、術中計測用の超音波探触子
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明に係る生体組織の音響特性の術中計
測方法及び術中計測用超音波探触子は、以下の特徴を有
する。
【0006】(1)被測定物を挟持してその寸法を測定
する距離計測器の1対の測定チップ部に超音波振動子が
配設された超音波探触子であって、前記距離計測器の向
かい合う1対の計測チップ部の一方に、超音波振動子又
は超音波振動子配列型の超音波探触子が装着され、前記
計測チップ部の他方には反射体が装着された超音波探触
子と、前記超音波探触子に電気的に接続された送受信機
と、前記送受信機に電気的に接続されたコンピュータ
と、を有し、前記コンピュータは、前記超音波探触子の
前記超音波振動子から送波された超音波が被測定物中を
伝搬して該被測定物中の各部で散乱し、これにより得ら
れた後方散乱波の時系列信号を同一の前記超音波探触子
で受波し、更に前記後方散乱波の時系列信号の散乱波形
を加工して、該被測定物中の指定された関心領域に対応
する部分のみを抽出した信号の周波数スペクトラム・デ
ータを求め、前記超音波探触子の前記超音波振動子から
送波された超音波が、被測定物中を伝搬して、前記超音
波振動子と正対する前記反射体で反射され再び前記超音
波振動子に到達するまでの超音波伝搬時間と、前記距離
計測器を用いて計測した被測定物の厚さと、から該被測
定物の音速を計算し、前記超音波振動子から送波された
超音波が、被測定物中を伝搬して、前記超音波振動子と
正対する前記反射体で反射され再び前記超音波振動子に
到達した時の受信波形のピーク振幅値と、前記距離計測
器を用いて計測した被測定物の厚さと、から該被測定物
の減衰定数を計算し、前記周波数スペクトラム・データ
と、前記音速データと、前記減衰定数データと、を用い
て後方散乱係数又は後方散乱断面積を計測する生体組織
の術中計測用超音波探触子を備えた超音波診断装置であ
る。
【0007】(2)被測定物を挟持してその寸法を測定
する距離計測器の1対の測定チップ部に超音波振動子が
配設された超音波探触子であって、前記距離計測器の向
かい合う1対の計測チップ部の一方に、超音波振動子1
次元配列型の超音波探触子が装着され、前記計測チップ
部の他方には反射体が装着された1次元配列超音波探触
子と、前記超音波探触子に電気的に接続された送受波機
と、前記送受波機に電気的に接続されたコンピュータ
と、を有し、前記コンピュータは、前記超音波探触子の
前記1次元配列型超音波探触子の指定された任意の超音
波振動子又は超音波振動子群から送波された超音波が、
被測定物中を伝搬して該被測定物中の各部で散乱し、こ
れによって得られた後方散乱波の時系列信号を同一の前
記超音波探触子又は超音波振動子群で受波し、更に前記
後方散乱波の時系列信号の散乱波波形を加工して、該被
測定物中の指定された関心領域に対応する部分のみを抽
出した信号の周波数スペクトラム・データを求め、前記
1次元配列型超音波探触子の指定された任意の一つの超
音波振動子又は1群の超音波振動子群から送波された超
音波が、被測定物中を伝搬して、前記超音波振動子又は
超音波振動子群と正対する前記反射体で反射され再び前
記超音波振動子又は超音波振動子群に到達するまでの超
音波伝搬時間と、前記距離計測器を用いて計測した被測
定物の厚さと、から該被測定物の音速を計測し、前記超
音波振動子又は超音波振動子群を逐次一つ又は1群ずつ
切り替えることによって、前記被測定物の音速分布を計
測し、前記1次元配列型超音波探触子の指定された任意
の一つの超音波振動子又は1群の超音波振動子群から送
波された超音波が、被測定物中を伝搬して、前記超音波
振動子又は超音波振動子群と正対する前記反射体で反射
され再び前記超音波振動子又は超音波振動子群に到達し
た時の受信波形のピーク振幅値と、前記距離計測器を用
いて計測した被測定物の厚さと、から該被測定物の減衰
定数を計測し、前記超音波振動子又は超音波振動子群を
それぞれ逐次一つ又は1群ずつ切り替えることによっ
て、前記被測定物の減衰定数分布を計測し、前記周波数
スペクトラム・データと、前記音速分布と、前記減衰定
数分布と、を用いて、前記被測定物の後方散乱係数分布
または後方散乱断面積を計測する生体組織の術中計測用
超音波探触子を備えた超音波診断装置である。
【0008】(3)被測定物を挟持してその寸法を測定
する距離計測器の1対の測定チップ部に超音波振動子が
配設された超音波探触子であって、前記距離計測器の向
かい合う1対の計測チップ部の一方に、超音波振動子2
次元配列型の超音波探触子が装着され、前記計測チップ
部の他方には反射体が装着された2次元配列型超音波探
触子と、前記超音波探触子に電気的に接続された送受信
機と、前記送受信機に電気的に接続されたコンピュータ
と、を有し、前記コンピュータは、前記2次元配列型超
音波探触子の指定された任意の超音波振動子又は超音波
振動子群から送波された超音波が、被測定物中を伝搬し
て該被測定物中の各部で散乱し、これによって得られた
後方散乱波の時系列信号を同一の前記超音波振動子又は
超音波振動子群で受波し、更に前記後方散乱波の時系列
信号の散乱波波形を加工して、該被測定物中の指定され
た関心領域に対応する部分のみを抽出した信号の周波数
スペクトラム・データを求め、前記2次元配列型超音波
探触子の指定された任意の一つの超音波振動子又は1群
の超音波振動子群から送波された超音波が、被測定物中
を伝搬して、超音波振動子又は超音波振動子群に到達す
るまでの超音波伝搬時間と、前記距離計測器で計測した
被測定物の厚さと、から該被測定物の音速を計測し、前
記超音波振動子又は超音波振動子群をそれぞれ逐次一つ
又は1群ずつ切り替えることによって、前記被測定物の
組織の2次元的な音速分布画像を生成し、前記2次元配
列型超音波探触子の指定された任意の一つの超音波振動
子又は1群の超音波振動子群から送波された超音波が、
被測定物中を伝搬して、超音波振動子又は超音波振動子
群に到達する時の受信波形のピーク振幅値と、前記距離
計測器で計測した被測定物の厚さと、から該被測定物の
減衰定数を計測し、前記超音波振動子又は超音波振動子
群をそれぞれ逐次一つ又は1群ずつ切り替えることによ
って、前記被測定物の組織の2次元的な減衰定数分布画
像を生成し、前記周波数スペクトラム・データと、前記
2次元的な音速分布画像と、前記2次元的な減衰定数分
布画像と、を用いて前記被測定物の2次元の後方散乱係
数画像又は後方散乱断面積画像を得る生体組織の術中計
測用超音波探触子を備えた超音波診断装置である。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】()送信用及び受信用の2個の超音波探
触子、又は1個の送受信兼用の超音波探触子と超音波反
射体を、それぞれ腹腔鏡下手術時のトラカールに挿入可
能な外径の2本の円筒状軸体の先端部近傍に互いに対向
可能に装着し、2本の円筒状軸体の先端部近傍に設けら
れた送信用超音波探触子の送面と受信用超音波探触子
の受波面、または送受信兼用超音波探触子の送受波面と
超音波反射体の反射面が正確に対向するように前記2本
の軸体の他端が位置決め装置に装着され、開腹手術を必
要とせず、腹腔鏡下手術中に生体組織の音響データを計
測する術中超音波探触子である。
【0022】
【0023】
【作用】以上のように構成された本発明に係る生体組織
の音響特性の術中超音波計測用超音波探触子を備えた超
音波診断装置及び術中計測用超音波探触子において、従
来はノギスの正対する距離計測用チップ部に1対の単体
の超音波振動子を配設した術中計測用の超音波探触子が
提案されてきた。
【0024】この超音波探触子は、手術中に目的の臓器
等の生体組織に、ノギスの正対する距離測定用チップに
設けられた1対又は配列形の単体の超音波振動子を直接
に当接して音速を計測するために開発された物である。
このため、送信用超音波振動子と受信用超音波振動子の
間隔が正確に測定可能であるとともに、送信用超音波振
動子と受信用超音波振動子の間の超音波伝搬経路上に目
的外の複数の生体組織が存在すること無く目的の生体組
織の音速を高精度に測定できると言う長所がある。
【0025】また、ノギスは既に手術中に臓器などの寸
法測定を行うために、一般に使用されているので、ノギ
スを利用したこの超音波探触子の構造は外科医にも違和
感無く容易に受け入れられる構造である。
【0026】しかしながら、この術中計測用超音波探触
子も、距離計測用チップ部には単体の超音波振動子のみ
が設けられているだけであったので、目的の生体組織上
の特定の点の音速を高精度に計測する目的には適してい
たが、手術中の短時間の間に目的とする臓器の音速分布
や減衰定数分布を高精度に測定することは不可能であっ
た。
【0027】そこで、手術中の短時間の間に目的とする
臓器の音速分布や減衰定数分布を高精度に測定すること
を目的として、ノギスやマイクロメータ等の距離計測器
の測定チップ部に超音波振動子を配設した術中計測用超
音波探触子において、距離計測器の向かい合う2つの計
測チップ部に、各々の配列方向が等しくなるように二つ
の1次元または、2次元の配列型の超音波探触子を装着
する術中計測用超音波探触子を発明した。
【0028】また、安価な術中超音波探触子を実現で
き、手術中の短時間の間に目的とする臓器の後方散乱係
数データまたは後方散乱断面積データも高精度に計測す
ることを目的として、ノギスやマイクロメータ等の距離
計測器の測定チップ部に超音波振動子を配設した術中計
測用超音波探触子において、距離計測器の向かい合う2
つの計測チップ部の一方に単体、1次元または、2次元
の配列型の超音波探触子を装着し、他方の計測チップ部
に反射体を装着した術中計測用超音波探触子を発明し
た。
【0029】さらに、送信用および受信用の2個の超音
波探触子または1個の送受信兼用の超音波探触子と超音
波反射体をそれぞれ腹腔鏡下手術時のトラカールに挿入
可能な外径の細い2本の円筒状軸体の先端部近傍に互い
に対向して設置可能なように装着し、2本の細い円筒状
軸体の先端部近傍に設けられた送信用超音波探触子の送
波面と受信用超音波探触子の受波面、または送受信兼用
超音波探触子の送受波面と超音波反射体の反射面が正確
に対向するように容易に位置決め可能なように、前記2
本の軸体をマニピュレータに装着して、開腹手術を必要
とせず、腹腔鏡下手術中に容易にかつ高精度に生体組織
の音響データを計測可能とする術中超音波探触子を発明
した。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を示す。
【0031】実施例1.図1は、本発明の一実施例を示
した単一超音波振動子を用いた術中計測用超音波探触子
の構成図である。
【0032】図1に示すように、ディジタル表示方式ノ
ギス1(以下「ノギス1」と略す)には、ディジタル式
距離計測部2が設けられている。また、ノギス1の向か
い合う1対の距離計測チップの一方には送信用超音波振
動子3が配設され、他方には、受信用超音波振動子5が
配設されている。更に、送信用超音波振動子3の背面側
には、背板4が当接されている。この背板4は、送信用
超音波振動子3を支えるとともに送信用超音波振動子3
の背面側からの不要反射波を吸収する機能を有してい
る。また、受信用超音波振動子5の背面側には、背板6
が当接されている。この背板6は、受信用超音波振動子
5を支えるとともに受信用超音波振動子5の背面側から
の不要反射波を吸収する機能を有している。
【0033】ディジタル式距離計測部2は、A/D変換
器15に接続されており、A/D変換器15の出力はI
/Oバス・ライン18を介してコンピュータ16に接続
されている。これによって、送信用超音波振動子3と受
信用超音波振動子5の間に挟んだ被測定物である臓器の
厚さをコンピュータに入力できる。
【0034】また、送信用超音波振動子3は送信側信号
ケーブルを介して送信用パルサ12と接続されている。
送信用パルサ12は、トリガ発生器13に接続されてお
り、このトリガ発生器13はI/Oバス・ラインを介し
てコンピュータ16に接続されている。従って、送信パ
ルサ12はコンピュータ16によって指定されたタイミ
ングで、送信用超音波振動子3をドライブする。
【0035】一方、受信用超音波振動子5は受信側信号
ケーブルを介して受信器8と接続されている。受信器8
はA/D変換器9に接続されており、このA/D変換器
9はI/Oバス・ラインを介してコンピュータ16に接
続されている。従って、受信器8はコンピュータ16に
よって指定された受信用超音波振動子3の受信波形を受
信することができる。
【0036】実施例2.図2は、本発明の一実施例を示
したアレー型超音波振動子を用いた術中計測用超音波探
触子の構成図である。
【0037】図2に示すように、ディジタル表示方式ノ
ギス1(以下「ノギス1」と略す)には、ディジタル式
距離計測部2が設けられている。また、ノギス1の向か
い合う1対の距離計測チップの一方には送信用超音波振
動子アレー23が配設され、他方には、受信用超音波振
動子アレー25が配設されている。更に、送信用超音波
振動子アレー23の背面側には背板24が当接されてい
る。この背板24は、送信用超音波振動子23を支える
とともに送信用超音波振動子23の背面側からの不要反
射波を吸収する機能を有している。また、受信用超音波
振動子アレー25の背面側には、背板26が当接されて
いる。この背板26は、受信用超音波振動子アレー25
を支えるとともに受信用超音波振動子アレー25の背面
側からの不要反射波を吸収する機能を有している。
【0038】ここで、送信用超音波振動子アレー23お
よび受信用超音波振動子アレー25の具体的構造例を図
3に示す。図3(a)、(b)及び図4(a)、(b)
には、代表的な2種類の1次元リニア・振動子アレーの
例が示されている。尚、1次元リニア・振動子アレーに
よって1次元配列型超音波探触子が形成される。
【0039】図3は、例えば超音波振動子として、PZ
T等のような圧電セラミック振動子を使用した場合の構
造である。背板の上に配設した振動子を短冊状に分割す
ることで振動子アレーを形成し、振動子の表面には音響
整合層または保護膜を設ける。
【0040】一方、図4は、例えば超音波振動子とし
て、PVDF等のような高分子圧電膜を使用した場合の
構造であって、1枚のシート状の高分子圧電膜の上下面
に短冊状の電極を印刷、スパッタ、蒸着などの工程を用
いて形成したアレー電極パターンを有する振動子を背板
上に配設したものであり、高分子圧電膜自体は分割され
ていない。さらに、高分子圧電膜振動子の表面には、高
分子圧電膜そのものと電極を外部環境から保護するため
の保護膜が設けられている。
【0041】尚、超音波振動子アレーとしてPZTおよ
びPVDFを例示したが、上記の例に限らず、水晶振動
子、チタン酸鉛振動子、P(VDF+TrFE)の共重
合体等すべての圧電性を有する振動子を用いた種々の構
造の振動子アレーを用いることができる。
【0042】更に、図2に示すように、ディジタル式距
離計測部2は、A/D変換器15に接続されており、A
/D変換器15の出力はI/Oバス・ライン18を介し
てコンピュータ16に接続されている。これによって、
送信用超音波振動子アレー23と受信用超音波振動子ア
レー25の間に挟んだ被測定物である臓器の厚さをコン
ピュータ16に入力できる。
【0043】また、送信用超音波振動子アレー23は、
送信側信号ケーブル群20を介して送信用スイッチ・ユ
ニット11に接続されている。送信用スイッチ・ユニッ
ト11は送信用チャネル・セレクタ14および送信用パ
ルサ12に接続されている。送信用チャネル・セレクタ
14はI/Oバス・ライン18を介してコンピュータ1
6に接続されているので、送信用チャネル・セレクタ1
4、送信用スイッチ・ユニット11を用いて、コンピュ
ータ16の指令によって、送信用超音波振動子アレー2
3の中の特定の超音波振動子だけを選択して、送信用パ
ルサ12と接続できる。更に、送信用パルサ12はトリ
ガ発生器13に接続されており、このトリガ発生器13
はI/Oバス・ライン18を介してコンピュータ16に
接続されている。従って、送信パルサ12はコンピュー
タ16によって指定されたタイミングで、送信用超音波
振動子アレー23の中の指定された超音波振動子をドラ
イブすることができる。
【0044】一方、受信用超音波振動子アレー25は、
受信側信号ケーブル群19を介して受信用スイッチ・ユ
ニット7に接続されている。受信用スイッチ・ユニット
7は受信用チャネル・セレクタ10および受信器8に接
続されている。受信用チャネル・セレクタ10はI/O
バス・ライン18を介してコンピュータ16に接続され
ているので、受信用チャネル・セレクタ10、受信用ス
イッチ・ユニット7を用いて、コンピュータ16の指令
によって、受信用超音波振動子アレー25の中の特定の
超音波振動子だけを選択して、受信器8と接続できる。
受信器8はA/D変換器9に接続されており、このA/
D変換器9はI/Oバス・ライン18を介してコンピュ
ータ16に接続されている。従って、受信器8はコンピ
ュータ16によって指定された、受信用超音波振動子ア
レー23の中の特定の超音波振動子の受信波形を受信す
ることができる。
【0045】尚、ノギス1は、被測定物である臓器の原
形を維持するように挟む。これにより、臓器は損傷する
ことなく、また臓器の病巣部位を変形させることなく、
良好な超音波診断を行うことができる。
【0046】本実施例の術中計測用超音波探触子を用い
た生体組織の音響特性の術中超音波計測用超音波探触子
を備えた超音波診断装置について説明する。まず、図5
は、実施例2による臓器内音速分布像表示のフロー・チ
ャートである。
【0047】ディジタル表示方式ノギス1の向かい合う
1対の距離計測チップに各々の配列方向が等しくなるよ
うに装着された2つの1次元配列型超音波探触子のうち
の一方の送信用の1次元配列型超音波探触子の中から任
意の一つの超音波振動子または超音波振動子群を選択す
る。また、送信用の超音波振動子または超音波振動子群
と正対した位置に配設された受信用の超音波振動子また
は超音波振動子群を選択する(S101)。次に、図1
のトリガ発生器13から測定開始のためのトリガ信号を
発生される(S102)。図1のディジタル式距離計測
部2によって、被測定物である臓器の厚さ(d)を測定
し、この臓器の厚さ(d)のデータはコンピュータ16
に送られる(S103)。次に、上記選択した送信用の
超音波振動子または超音波振動子群と、受信用の超音波
振動子または超音波振動子群とを励起させる(S10
4)。受信用の超音波振動子等から送られる受信パルス
の立ち上げ時間(t)を受信器8等を介してコンピュー
タ16に送る(S105)。ここで、受信パルスの立ち
上げ時間(t)は、送信用の超音波振動子または超音波
振動子群から送波された超音波が受信用の超音波振動子
又は超音波振動子群に受信されるまでの超音波伝搬時間
である。
【0048】次に、コンピュータ16において、その送
受信用の超音波振動子又は超音波振動子群の対で得られ
た受信パルスの立ち上げ時間(t)と、臓器の厚さ
(d)とから組織の音速Vが計算される(S106)。
順次送信用の超音波振動子または超音波振動子群、受信
用の超音波振動子または超音波振動子群を切り替えて、
上記ステップ101(S101)からステップ106
(S106)を繰り返し、使用した対が最後のものかど
うか判定(S107)する。そして、最後ではない場
合、更に新たな送受信用の超音波振動子又は超音波振動
子群を選択して上記同様に組織の音速を測定する。一
方、最後の場合には、臓器の音速分布を超音波診断装置
のモニタ(図2に示す)に表示する(S108)。
【0049】従って、使用する送波用超音波振動子等と
受波用超音波振動子等を切り替えることによって、被測
定物である臓器等の生体組織の音速分布を高速に計測可
能とすることができる。
【0050】また、図6は、本実施例による臓器内減衰
定数分布像表示のフロー・チャートである。
【0051】ディジタル表示方式ノギス1の向かい合う
1対の距離計測チップに各々の配列方向が等しくなるよ
うに装着された2つの1次元配列型超音波探触子のうち
の一方の送信用の1次元配列型超音波探触子の中から任
意の一つの超音波振動子または超音波振動子群を選択す
る。また、送信用の超音波振動子または超音波振動子群
と正対した位置に配設された受信用の超音波振動子また
は超音波振動子群を選択する(S201)。次に、図1
のトリガ発生器13から測定開始のためのトリガ信号を
発生される(S202)。図1のディジタル式距離計測
部2によって、被測定物である臓器の厚さ(d)を測定
し、この臓器の厚さ(d)のデータはコンピュータ16
に送られる(S203)。次に、上記選択した送信用の
超音波振動子または超音波振動子群と、受信用の超音波
振動子または超音波振動子群とを励起させる(S20
4)。受信用の超音波振動子等から送られるパルス波形
pt(t)を受信器8等を介してコンピュータ16に送る
(S205)。ここで、パルス波形pt(t)とは、送信用
の超音波振動子又は超音波振動子群から放射された超音
波が、被測定物である生体組織中を伝搬して、送信用の
超音波振動子等と正対した位置に存在する受信用の超音
波振動子又は超音波振動子群に到達した時の受信波形の
ピーク振幅値をいう。
【0052】次に、参照用受信超音波パルス波形pref
(t)をコンピュータ16に読み込ませる(S206)。
尚、参照用受信超音波パルス波形pref(t)は、予め正常
な臓器等の参照用受信超音波パルス波形を用いて測定さ
れた波形である。
【0053】次で、パルス波形pt(t)を高速フーリエ変
換(FFT)を行いPt(ω)を求め(S207)、また
参照用受信超音波パルス波形pref(t)も高速フーリエ変
換を行いPref(ω)を求める(S208)。そして、P
t(ω)とPref(ω)を用いて、減速定数α(f) を求める
(S209)。順次送信用の超音波振動子または超音波
振動子群、受信用の超音波振動子または超音波振動子群
を切り替えて、上記ステップ201(S201)からス
テップ209(S209)を繰り返し、使用した対が最
後のものかどうか判定(S210)する。そして、最後
ではない場合、更に新たな送受信用の超音波振動子又は
超音波振動子群を選択して上記同様に組織の減速定数を
求める。一方、最後の場合には、臓器の減速定数分布を
超音波診断装置のモニタ(図2に示す)に表示する(S
211)。
【0054】尚、上記フローでは、超音波放射時毎に事
前に臓器の厚みを測定しているが、臓器全体の超音波測
定時に一度厚みを測定するのみでもよい。
【0055】図7には、上記音速測定の際の各部のタイ
ミング・チャートの一例が示されている。
【0056】実施例3.図8及び図9には、本発明の他
の実施例で使用する2次元振動子アレーの代表的例が示
されている。
【0057】本実施例は、ディジタル表示方式ノギス1
の向かい合う1対の距離計測用チップに装着する送信用
および受信用の超音波振動子アレーとして、2次元配列
型超音波探触子を用いる以外は、全く実施例2と同様で
ある。
【0058】但し、2次元配列超音波探触子を用いるこ
とで、検査対象としている臓器の音速または減衰定数の
2次元的な分布を高速でかつ、高精度に計測できるよう
になる。つまり、臓器の音速画像および減衰定数画像と
いう、これまで可能性は指摘されながらも実現されてい
なかった新しい超音波診断画像を表示することができ
る。
【0059】図8には、2次元配列型超音波探触子の構
成図の一例が示されいてる。図8(a)には、2次元配
列型超音波探触子の振動子電極パターンが示されてお
り、また図8(b)、(c)に示すように、背板上に配
設した圧電セラミックスや高分子圧電膜を使用した超音
波振動子を2次元的に分割したもので、音響的クロスト
ークによる画像への悪影響を回避するという点では、最
も優れた構造である。一方、図9の構成では、振動子自
体は分割せずに1枚の振動子の上下面に、互いに方向が
直交するように短冊状の電極を印刷、スパッタまたは蒸
着等によって形成した。図9(a)に示す使用するGN
D側電極Gmと、図9(d)に示すHOT側電極Hnと
の組み合わせをコンピュータの指令によって変化させる
ことで、振動子内のアクティブな領域をスキャンニング
できる。本構成の場合の、選択されたGND側電極およ
びHOT側電極と振動子内のアクティブ領域の関係を図
10に示す。図9の構成の2次元配列型超音波探触子
は、図8に示す2次元配列型超音波探触子の構成に比
べ、音響的クロストークの悪影響を受け易いが、振動子
からのリード線の引き出しが容易で製作コストを小さく
できる。
【0060】実施例4.図11は、本発明の一実施例を
示した単一の超音波振動子と反射体を用いた術中計測用
超音波探触子の構成図である。
【0061】図11に示すように、ディジタル表示方式
ノギス31(以下「ノギス31」と略す)には、ディジ
タル式距離計測部2が設けられている。ノギス31の向
かい合う1対の距離計測チップの一端には、送信・受信
兼用超音波振動子33(以下「超音波振動子33」と略
す)が配設され、他方には、超音波反射体35が配設さ
れいている。この超音波反射体35は、超音波振動子3
3から送信されて検査対象となる生体組織または臓器内
を伝搬してきた超音波を反射させる機能を有している。
更に、超音波振動子33の背面側には、背板34が当接
され、この背板34は、超音波振動子33を支えるとと
もに超音波振動子33の背面側からの不要反射波を吸収
する機能を有している。
【0062】ここで、超音波振動子33としては、PZ
TおよびPVDFあるいは、水晶振動子、チタン酸鉛振
動子、P(VDF+TrFE)の共重合体等すべての圧
電性を有する振動子を用いることができる。
【0063】ディジタル式距離計測部2は、A/D変換
器15に接続されており、A/D変換器15の出力はI
/Oバス・ライン18を介してコンピュータ16に接続
されている。これによって、超音波振動子33と超音波
反射体35の間に挟んだ被測定物である臓器の厚さをコ
ンピュータに入力できる。
【0064】超音波振動子33は、信号ケーブルを介し
て送信用パルサ12と接続されている。送信用パルサ1
2はトリガ発生器313に接続されており、このトリガ
発生器13はI/Oバス・ライン18を介してコンピュ
ータ16に接続されている。従って、送信パルサ12は
コンピュータ16によって指定されたタイミングで、超
音波振動子33をドライブすることができる。
【0065】また、超音波振動子33は、受信信号ケー
ブルを介して受信器8とも接続されている。受信器8は
A/D変換器9に接続されており、このA/D変換器9
はI/Oバス・ライン18を介してコンピュータ16に
接続されている。従って、受信器8は超音波振動子33
で送信されて、検査対象となっている生体組織内を伝搬
して超音波反射体35で反射されて、再び生体組織内を
伝搬して、超音波振動子33に到達した受信波形を受信
することができる。
【0066】本実施例の術中計測用超音波探触子は、こ
のような構成を有するので、超音波振動子33から放射
されて、被測定物である生体組織中を伝搬して、前記超
音波振動子と正対した位置に存在する超音波反射体35
で反射され再び生体組織中を伝搬して超音波振動子33
に到達するまでの超音波伝搬時間と、距離計測部2を用
いて計測した被測定物である生体組織の厚さと、から該
被測定物の生体組織の音速を高速に計測可能とすること
ができる。
【0067】また、超音波振動子33から放射されて、
被測定物である生体組織中を伝搬して、超音波振動子3
3と正対した位置に存在する超音波反射体35で反射さ
れ、再び生体組織内を伝搬して超音波振動子33に到達
した時の受信波形のピーク振幅値と、ディジタル式距離
計測部2を用いて計測した被測定物である生体組織の厚
さと、から該測定対象の生体組織の減衰定数を高速に計
測可能とすることができる。
【0068】実施例5.図12は、本発明の一実施例を
示したアレー型の超音波振動子と反射体を用いた術中計
測用超音波探触子の構成図である。
【0069】図12に示すように、ディジタル表示方式
ノギス41(以下「ノギス41」と略す)には、ディジ
タル式距離計測部2が設けられている。ノギス41の向
かい合う1対の距離計測チップの一方には、送受信兼用
の超音波振動子アレー43が配設され、他方には、超音
波反射体45が配設されている。この超音波反射体45
は、超音波振動子アレー43から送信されて検査対象と
なる生体組織または臓器内を伝搬してきた超音波を反射
させる機能を有している。そして、超音波振動子アレー
43の背面側には、背板44が当接され、この背板44
は、超音波振動子アレー43を支えるとともに超音波振
動子アレー43の背面側からの不要反射波を吸収する機
能を有している。
【0070】ここで、超音波振動子アレー43の具体的
構造例は、上述した図3及び図4に示す代表的な2種類
の1次元リニア・振動子アレー等であるので、説明を省
略する。
【0071】また、ディジタル式距離計測部2は、A/
D変換器15に接続されており、A/D変換器15の出
力はI/Oバス・ライン18を介してコンピュータ16
に接続されている。これによって超音波振動子アレー4
3と超音波反射体45の間に挟んだ被測定物である臓器
の厚さをコンピュータ16に入力できる。
【0072】また、超音波振動子アレー43は、信号ケ
ーブル群40を介してスイッチ・ユニット42に接続さ
れている。スイッチ・ユニット42はチャネル・セレク
タ54および送信用パルサ52に接続されている。チャ
ネル・セレクタ54はI/Oバス・ライン18を介して
コンピュータ16に接続されているので、チャネル・セ
レクタ54、スイッチ・ユニット42を用いて、コンピ
ュータ16の指令によって、超音波振動子アレー43の
中の特定の超音波振動子だけを選択して、送信用パルサ
52と接続できる。送信用パルサ52はトリガ発生器1
3に接続されており、このトリガ発生器13はI/Oバ
ス・ライン18を介してコンピュータ16に接続されて
いる。従って、送信用パルサ52はコンピュータ16に
よって指定されたタイミングで、超音波振動子アレー4
3の中の指定された超音波振動子ををドライブすること
ができる。
【0073】また、超音波振動子アレー43は、信号ケ
ーブル群40およびスイッチ・ユニット42を介して受
信器48にも接続されている。チャネル・セレクタ54
はI/Oバス・ライン18を介してコンピュータ16に
接続されているので、チャネル・セレクタ54、スイッ
チ・ユニット42を用いて、コンピュータ16の指令に
よって、超音波振動子アレー43の中の特定の超音波振
動子だけを選択して、受信器48と接続できる。受信器
48はA/D変換器49に接続されており、このA/D
変換器49はI/Oバス・ライン18を介してコンピュ
ータ16に接続されている。従って、受信器48はコン
ピュータ16によって指定された、超音波振動子アレー
43の中の特定の超音波振動子の受信波形を受信するこ
とができる。
【0074】本発明の術中計測用超音波探触子を用いた
生体組織の音響特性の術中超音波計測用超音波探触子を
備えた超音波診断装置について説明する。まず図13
は、本実施例による臓器内音速分布像表示のフロー・チ
ャートである。
【0075】ディジタル表示方式ノギス41の向かい合
う1対の距離計測チップの一方に装着された送受信用の
1次元配列型超音波探触子、即ち送受信用の超音波振動
子アレー43の中から任意の一つの超音波振動子または
超音波振動子群を選択する(S301)。次に、図12
のトリガ発生器13から測定開始のためのトリガ信号を
発生される(S302)。図11のディジタル式距離計
測部2によって、被測定物である臓器の厚さ(d)を測
定し、この臓器の厚さ(d)のデータはコンピュータ1
6に送られる(S303)。次に、上記選択した送受信
用の超音波振動子または超音波振動子群を励起させる
(S304)。超音波振動子等から送られる受信パルス
の立ち上げ時間(t)を受信器48等を介してコンピュ
ータ16に送る(S305)。ここで、受信パルスの立
ち上げ時間(t)とは、超音波振動子アレー43の指定
された任意の一つの超音波振動子又は超音波振動子群か
ら送波された超音波が、被測定物中を伝搬して、超音波
振動子又は超音波振動子群と正対する反射体45で反射
され再び超音波振動子又は超音波振動子群に到達するま
での超音波伝搬時間をいう。
【0076】次に、コンピュータ16において、その超
音波振動子又は超音波振動子群で得られた受信パルスの
立ち上げ時間(t)と、臓器の厚さ(d)とから組織の
音速Vが計算される(S306)。尚、超音波の反射を
測定しているので、V=2d/(t−τ)となる。更
に、順次超音波振動子アレー43の超音波振動子または
超音波振動子群を切り替えて、上記ステップ301(S
301)からステップ306(S306)を繰り返し、
使用した超音波振動子等が最後のものかどうか判定(S
307)する。そして、最後ではない場合、更に新たな
超音波振動子アレー43の超音波振動子又は超音波振動
子群を選択して上記同様に組織の音速を測定する。一
方、最後の場合には、臓器の音速分布を超音波診断装置
のモニタ(図12に示す)に表示する(S308)。
【0077】従って、本実施例は、実施例2に比べ安価
に、使用する超音波振動子アレーの超音波振動子等を切
り替えることによって、被測定物である臓器等の生体組
織の音速分布を高速に計測可能とすることができる。
【0078】また、図14は、本実施例による臓器内減
衰定数分布像表示のフロー・チャートである。
【0079】図12のディジタル式距離計測部2によっ
て、被測定物である臓器の厚さ(d)を測定し、この臓
器の厚さ(d)のデータはコンピュータ16に送られる
(S401)。次に、ディジタル表示方式ノギス41の
向かい合う1対の距離計測チップの一方に装着された1
次元配列型超音波探触子、即ち送受信用の超音波振動子
アレー43の中から任意の一つの超音波振動子または超
音波振動子群を選択する(S402)。次に、図12の
トリガ発生器13から測定開始のためのトリガ信号を発
生される(S403)。次に、上記選択した送受信用の
超音波振動子または超音波振動子群を励起させる(S4
04)。受信用の超音波振動子等から送られるパルス波
形pt(t)を受信器48等を介してコンピュータ16に送
る(S405)。ここで、パルス波形pt(t)は、超音波
振動子アレー43の指定された任意の一つの超音波振動
子又は超音波振動子群から送波された超音波が、被測定
物中を伝搬して、超音波振動子又は超音波振動子群と正
対する反射体45で反射され再び超音波振動子又は超音
波振動子群に到達した時の受信波形のピーク振幅値であ
る。
【0080】次に、参照用受信超音波パルス波形pref
(t)をコンピュータ16に読み込ませる(S406)。
尚、参照用受信超音波パルス波形pref(t)は、予め正常
な臓器等の参照用受信超音波パルス波形を用いて測定さ
れた波形である。
【0081】次で、パルス波形pt(t)を高速フーリエ変
換(FFT)を行いPt(ω)を求め(S407)、また
参照用受信超音波パルス波形pref(t)も高速フーリエ変
換を行いPref(ω)を求める(S408)。そして、P
t(ω)とPref(ω)を用いて、減速定数α(f) を求める
(S409)。順次超音波振動子アレー43の超音波振
動子または超音波振動子群を切り替えて、上記ステップ
401(S401)からステップ409(S409)を
繰り返し、使用した超音波振動子等が最後のものかどう
か判定(S410)する。そして、最後ではない場合、
更に新たな超音波振動子又は超音波振動子群を選択して
上記同様に組織の減速定数を求める。一方、最後の場合
には、臓器の減速定数分布を超音波診断装置のモニタ
(図12に示す)に表示する(S411)。
【0082】従って、本実施例によれば、実施例2に示
した生体組織の音響特性の術中超音波計測用超音波探触
子を備えた超音波診断装置に比べ、安価に前記生体組織
の音速分布及び減衰定数分布を高速に計測可能とするこ
とができる。
【0083】図15には、上記音響測定の際の各部のタ
イミング・チャートの一例が示されている。
【0084】実施例6.本実施例は、ディジタル表示方
式ノギスの向かい合う1対の距離計測用チップの一方に
装着する超音波振動子アレーとして、2次元配列型超音
波探触子を用いる以外は、全く実施例5と同様である。
図8及び図9には、本発明の他の実施例で使用する2次
元振動子アレーの代表的例が示されているが、上述した
ので、ここでは省略する。
【0085】但し、2次元配列超音波探触子を用いるこ
とで、検査対象としている臓器の音速または減衰定数の
2次元的な分布を高速でかつ、高精度に計測できるよう
になる。つまり、臓器の音速画像および減衰定数画像と
いう、これまで可能性は指摘されながらも実現されてい
なかった新しい超音波診断画像を表示することができ
る。
【0086】実施例7.ここでは、図12に示した実施
例5及び実施例6と同じシステムを用いて、検査対象と
する生体組織中の超音波に対する散乱係数または後方散
乱断面積の分布を高速に計測可能とする実施例を、図1
6及び図17のフロー・チャートおよび図18のタイミ
ングチャートを用いて説明する。尚、図16と図17
は、及びによって連続しているフロー・チャートで
ある。
【0087】図12に示す術中用超音波探触子におい
て、まず、図12のディジタル式距離計測部2によっ
て、被測定物である臓器の厚さ(d)を測定し、この臓
器の厚さ(d)のデータはコンピュータ16に送られる
(S501)。予め設定されている散乱係数データ測定
の対象とする深さ及び測定窓の長さを入力する(S50
2、S503)。次に、ディジタル表示方式ノギス41
の向かい合う1対の距離計測チップの一方に装着された
1次元配列型超音波探触子、即ち送受信用の超音波振動
子アレー43の中から任意の一つの超音波振動子または
超音波振動子群を選択する(S504)。次に、図12
のトリガ発生器13から測定開始のためのトリガ信号を
発生される(S505)。次に、上記選択した送受信用
の超音波振動子または超音波振動子群を励起させる(S
506)。超音波反射体45の反射面から受信超音波パ
ルスの立ち上げ時間(t)を受信器48等を介してコン
ピュータ16に送る(S507)。次に、コンピュータ
16において、その超音波振動子又は超音波振動子群で
得られた受信パルスの立ち上げ時間(t)と、臓器の厚
さ(d)とから組織の音速Vが計算される(S50
8)。
【0088】更に、超音波反射体45の反射面から受信
超音波パルス波形pt(t)を受信器48等を介してコンピ
ュータ16に送る(S509)。ここで、1次元または
2次元配列型超音波探触子の指定された任意の超音波振
動子または超音波振動子群から放射されて測定対象とし
ている生体組織中を伝搬して該生体組織中の各部で散乱
された後方散乱波の時系列信号を同一の前記超音波探触
子で採取する。また、参照用受信超音波パルス波形pre
f(t)をコンピュータ16に読み込ませる(S510)。
【0089】次で、パルス波形pt(t)を高速フーリエ変
換(FFT)を行いPt(ω)を求め(S511)、また
参照用受信超音波パルス波形pref(t)も高速フーリエ変
換を行いPref(ω)を求める(S512)。そして、P
t(ω)とPref(ω)を用いて、減速定数α(f) を求める
(S513)。
【0090】更に、散乱データ取り込み用ゲートの立ち
上がり時間(tg)及び散乱データ取り込み用ゲートの
幅(tw)を計算する(S514、S515)。次に、
ゲート範囲内の散乱波形s(t) を抽出する(S51
6)。なお、散乱波形s(t) は、コンピュータおよび散
乱波データ計測用サンプルゲート信号によって指定され
た関心領域(診断対象領域)に対応する部分のみを抽出
した信号である。次いで、散乱波形s(t) を高速フーリ
エ変換を行い、周波数スペクトラム・データS(ω)を
求める(S517)。更に、探触子の特性の影響や生体
組織中の減衰特定の影響を除去して散乱特性データを得
る(S518、S519)。順次超音波振動子アレー4
3の超音波振動子または超音波振動子群をそれぞれ切り
替えて、上記ステップ501(S501)からステップ
519(S519)を繰り返し、使用した超音波振動子
等が最後のものかどうか判定(S520)する。そし
て、最後ではない場合、更に新たな超音波振動子又は超
音波振動子群を選択して上記同様に組織の減速定数を求
める。一方、最後の場合には、臓器の後方散乱係数画像
又は後方散乱断面積画像を超音波診断装置のモニタ(図
12に示す)に表示する(S521)。
【0091】従って、使用する超音波振動子等を切り替
えることによって、生体組織の後方散乱係数分布(また
は後方散乱係数画像)または後方散乱断面積分布(また
は後方散乱断面積画像)を高速に計測可能とすることが
できる。
【0092】図18には、本実施例を実現するための、
各部のタイミング・チャートが示されている。
【0093】なお、上記では超音波探触子として、超音
波振動子が1次元または2次元に配列された超音波探触
子を使用したが、図11に示すように単体の超音波振動
子を用いて、手術中に特定の部位の後方散乱係数または
後方散乱断面積を高速に計測する方法も本発明の範囲に
入ることはいうまでもない。
【0094】実施例8.図19および図20には、本発
明の他の術中計測用超音波探触子の構成図を示されてい
る。図19に示す術中用超音波探触子は、1次元又は2
次元配列型の送信用および受信用の2個の超音波探触子
63、65が、それぞれ腹腔鏡下手術時のトラカールに
挿入可能な外径の細い2本の円筒状軸体の先端部近傍に
互いに対向して設置可能なように装着されている。ま
た、2本の細い円筒状軸体の先端部近傍に設けられた送
信用超音波探触子63の送波面と受信用超音波探触子6
5の受波面が正確に対向するように容易に位置決め可能
なように、2本の軸体をプローブ位置決め機構60、例
えばマニピュレータに装着する。ここで、プローブ位置
決め機構60は、プローブ位置検出及びコントロール装
置61によって所望の位置決めが成される。尚、その他
の機構は、図2に示す実施例2に説明したので、ここで
は省略する。
【0095】図20に示す術中用超音波探触子は、1次
元又は2次元配列型の送受信用の超音波振動子73と超
音波反射体75が、それぞれ腹腔鏡下手術時のトラカー
ルに挿入可能な外径の細い2本の円筒状軸体の先端部近
傍に互いに対向して設置可能なように装着されている。
また、2本の細い円筒状軸体の先端部近傍に設けられた
送受信用超音波振動子73の送波面と超音波反射体75
の反射面とが正確に対向するように容易に位置決め可能
なように、2本の軸体をプローブ位置決め機構60、例
えばマニピュレータに装着する。ここで、プローブ位置
決め機構60は、プローブ位置検出及びコントロール装
置61によって所望の位置決めが成される。尚、その他
の機構は、図12に示す実施例5に説明したので、ここ
では省略する。
【0096】以上の構成によれば、図19及び図20の
術中超音波探触子は、上述したいずれの術中計測方法も
採用できるので、開腹手術を必要とせず、腹腔鏡下手術
中に容易にかつ高精度に生体組織の音速、減衰定数、後
方散乱断面積等の音響データを計測することができる。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る生体組織の
音響特性の術中超音波計測用超音波探触子を備えた超音
波診断装置及び術中計測用超音波探触子によれば、特
に、距離計測器の向かい合う2つの計測チップ部に、各
々の配列方向が等しくなるように装着された2つの1次
元または2次元配列型超音波探触子のうちの一方の送波
用の1次元配列型超音波探触子の中のスキャナ部によっ
て指定された任意の一つの超音波振動子または、超音波
振動子群から放射されて、測定対象としている生体組織
中を伝搬して、送波用の前記超音波振動子と正対した位
置に存在する受波用の超音波振動子に到達するまでの超
音波伝搬時間と、距離測定部を用いて計測した測定対象
としている生体組織の厚さから該測定対象の生体組織の
音速を計測し、スキャナによって使用する送波用超音波
振動子と受波用振動子を切り替えることによって、前記
生体組織の音速分布を高速に計測する事が可能となる。
【0098】また、距離計測器の向かい合う2つの計測
チップ部に、各々の配列方向が等しくなるように装着さ
れた2つの1次元または2次元配列型の超音波探触子の
うちの一方の送波用の1次元または2次元配列型超音波
探触子の中のスキャナ部によって指定された任意の一つ
の超音波振動子または、超音波振動子群から放射され
て、測定対象としている生体組織中を伝搬して、送波用
の前記超音波振動子と正対した位置に存在する受波用の
超音波振動子に到達した時の受信波形のピーク振幅値
と、距離計測部を用いて計測した測定対象としている生
体組織の厚さから該測定対象の生体組織の減衰定数を計
測し、スキャナによって使用する送波用超音波振動子と
受波用振動子をそれぞれ切り替えていくことによって、
前記生体組織の減衰定数分布を高速に計測することが可
能となる。
【0099】また、ノギスやマイクロメータ等の距離計
測器の測定チップ部に超音波振動子を配設した術中計測
用超音波探触子において、距離計測器の向かい合う2つ
の計測チップ部の一方に単体、1次元または、2次元の
配列型の超音波探触子を装着し、他方の計測チップ部に
反射体を装着した術中計測用超音波探触子を発明したこ
とにより、使用する超音波探触子を1個にしたので前記
より安価な術中超音波探触子を実現できる。またこれに
より、手術中の短時間の間に目的とする臓器の後方散乱
係数データまたは後方散乱断面積データを高精度に計測
できるようになる。
【0100】さらに、送信用および受信用の2個の超音
波探触子または1個の送受信兼用の超音波探触子と超音
波反射体をそれぞれ腹腔鏡下手術時のトラカールに挿入
可能な外径の細い2本の円筒状軸体の先端部近傍に互い
に対向して設置可能なように装着し、2本の円筒状軸体
の先端部近傍に設けられた送信用超音波探触子の送波面
と受信用超音波探触子の受波面、または送受信兼用超音
波探触子の送受波面と超音波反射体の反射面が正確に対
向するように容易に位置決め可能なように、前記2本の
軸体をマニピュレータに装着した術中超音波探触子を発
明したことにより、開腹手術を必要とせず、腹腔鏡下手
術中に容易にかつ高精度に生体組織の音響データを計測
できるようになった。
【0101】以上より、本発明によれば、正常な臓器等
と被測定物である臓器との音速や減衰定数を比較するこ
とによって、病巣部位を特定すると共に、その組織の固
さや形状を正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示した単一超音波振動子
を用いた術中計測用超音波探触子の構成図である。
【図2】 本発明の一実施例を示したアレー型超音波振
動子を用いた術中計測用超音波探触子の構成図である。
【図3】 本発明に用いる1次元リニア・振動子アレー
の1次元配列型超音波探触子の一例を示す図である。
【図4】 本発明に用いる1次元リニア・振動子アレー
の1次元配列型超音波探触子の他の例を示す図である。
【図5】 本発明の術中用超音波探触子の実施例2によ
る臓器内音速分布像表示のフロー・チャートである。
【図6】 本発明の術中用超音波探触子の実施例2によ
る臓器内減衰定数分布像表示のフロー・チャートであ
る。
【図7】 本発明の術中用超音波探触子の実施例2にお
ける音速測定の際の各部のタイミング・チャートの一例
を示す図である。
【図8】 本発明に用いる2次元リニア・振動子アレー
の2次元配列型超音波探触子の一例を示す図である。
【図9】 本発明に用いる2次元リニア・振動子アレー
の2次元配列型超音波探触子の他の例を示す図である。
【図10】 図9に示す2次元リニア・振動子アレーの
GND側電極およびHOT側電極と振動子内のアクティ
ブ領域の関係を示す図である。
【図11】 本発明の一実施例を示した単一の超音波振
動子と反射体を用いた術中計測用超音波探触子の構成図
である。
【図12】 本発明の一実施例を示したアレー型の超音
波振動子と反射体を用いた術中計測用超音波探触子の構
成図である。
【図13】 本発明の術中用超音波探触子の実施例5に
よる臓器内音速分布像表示のフロー・チャートである。
【図14】 本発明の術中用超音波探触子の実施例5に
よる臓器内減衰定数分布像表示のフロー・チャートであ
る。
【図15】 本発明の術中用超音波探触子の実施例5に
おける音速測定の際の各部のタイミング・チャートの一
例を示す図である。
【図16】 本発明に生体組織中の超音波に対する散乱
係数または後方散乱断面積の分布を計測する方法を説明
するフロー・チャートである。
【図17】 本発明に生体組織中の超音波に対する散乱
係数または後方散乱断面積の分布を計測する方法を説明
するフロー・チャートである。
【図18】 本発明の術中用超音波探触子の実施例7に
おける音速測定の際の各部のタイミング・チャートの一
例を示す図である。
【図19】 本発明の他の術中計測用超音波探触子の構
成図である。
【図20】 本発明の他の術中計測用超音波探触子の構
成図である。
【符号の説明】
1 ディジタル表示式ノギス、2 ディジタル式距離計
測部、7 受信用スイッチ・ユニット、8 受信器、9
A/D変換器、10 受信用チャネルセレクタ、11
送信用スイッチ・ユニット、12 送信用パルス、1
3 トリガ発生器、14 送信用チャネル・セレクタ、
15 A/D変換器、16 コンピュータ、18 I/
Oバス・ライン、19 受信側信号ケーブル群、20
送信側信号ケーブル群、23 送信用超音波振動子アレ
ー、25 受信用超音波振動子アレー、24、26 背
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−49834(JP,A) 特開 昭60−190853(JP,A) 特開 平4−309335(JP,A) 実開 平5−93409(JP,U) 特表 平1−503199(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物を挟持してその寸法を測定する
    距離計測器の1対の測定チップ部に超音波振動子が配設
    された超音波探触子であって、 前記距離計測器の向かい合う1対の計測チップ部の一方
    に、超音波振動子又は超音波振動子配列型の超音波探触
    子が装着され、前記計測チップ部の他方には反射体が装
    着された超音波探触子と、 前記超音波探触子に電気的に接続された送受信機と、 前記送受信機に電気的に接続されたコンピュータと、を
    有し、 前記コンピュータは、前記超音波探触子の前記超音波振
    動子から送波された超音波が被測定物中を伝搬して該被
    測定物中の各部で散乱し、これにより得られた後方散乱
    波の時系列信号を同一の前記超音波探触子で受波し、更
    に前記後方散乱波の時系列信号の散乱波形を加工して、
    該被測定物中の指定された関心領域に対応する部分のみ
    を抽出した信号の周波数スペクトラム・データを求め、 前記超音波探触子の前記超音波振動子から送波された超
    音波が、被測定物中を伝搬して、前記超音波振動子と正
    対する前記反射体で反射され再び前記超音波振動子に到
    達するまでの超音波伝搬時間と、前記距離計測器を用い
    て計測した被測定物の厚さと、から該被測定物の音速を
    計算し、 前記超音波振動子から送波された超音波が、被測定物中
    を伝搬して、前記超音波振動子と正対する前記反射体で
    反射され再び前記超音波振動子に到達した時の受信波形
    のピーク振幅値と、前記距離計測器を用いて計測した被
    測定物の厚さと、から該被測定物の減衰定数を計算し、 前記周波数スペクトラム・データと、前記音速データ
    と、前記減衰定数データと、を用いて後方散乱係数又は
    後方散乱断面積を計測することを特徴とする生体組織の
    術中計測用超音波探触子を備えた超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 被測定物を挟持してその寸法を測定する
    距離計測器の1対の測定チップ部に超音波振動子が配設
    された超音波探触子であって、 前記距離計測器の向かい合う1対の計測チップ部の一方
    に、超音波振動子1次元配列型の超音波探触子が装着さ
    れ、前記計測チップ部の他方には反射体が装着された1
    次元配列超音波探触子と、 前記超音波探触子に電気的に接続された送受波機と、 前記送受波機に電気的に接続されたコンピュータと、を
    有し、 前記コンピュータは、前記超音波探触子の前記1次元配
    列型超音波探触子の指定された任意の超音波振動子又は
    超音波振動子群から送波された超音波が、被測定物中を
    伝搬して該被測定物中の各部で散乱し、これによって得
    られた後方散乱波の時系列信号を同一の前記超音波探触
    子又は超音波振動子群で受波し、更に前記後方散乱波の
    時系列信号の散乱波波形を加工して、該被測定物中の指
    定された関心領域に対応する部分のみを抽出した信号の
    周波数スペクトラム・データを求め、 前記1次元配列型超音波探触子の指定された任意の一つ
    の超音波振動子又は1群の超音波振動子群から送波され
    た超音波が、被測定物中を伝搬して、前記超音波振動子
    又は超音波振動子群と正対する前記反射体で反射され再
    び前記超音波振動子又は超音波振動子群に到達するまで
    の超音波伝搬時間と、前記距離計測器を用いて計測した
    被測定物の厚さと、から該被測定物の音速を計測し、前
    記超音波振動子又は超音波振動子群を逐次一つ又は1群
    ずつ切り替えることによって、前記被測定物の音速分布
    を計測し、 前記1次元配列型超音波探触子の指定された任意の一つ
    の超音波振動子又は1群の超音波振動子群から送波され
    た超音波が、被測定物中を伝搬して、前記超音波振動子
    又は超音波振動子群と正対する前記反射体で反射され再
    び前記超音波振動子又は超音波振動子群に到達した時の
    受信波形のピーク振幅値と、前記距離計測器を用いて計
    測した被測定物の厚さと、から該被測定物の減衰定数を
    計測し、前記超音波振動子又は超音波振動子群をそれぞ
    れ逐次一つ又は1群ずつ切り替えることによって、前記
    被測定物の減衰定数分布を計測し、 前記周波数スペクトラム・データと、前記音速分布と、
    前記減衰定数分布と、を用いて、前記被測定物の後方散
    乱係数分布または後方散乱断面積を計測することを特徴
    とする生体組織の術中計測用超音波探触子を備えた超音
    波診断装置。
  3. 【請求項3】 被測定物を挟持してその寸法を測定する
    距離計測器の1対の測定チップ部に超音波振動子が配設
    された超音波探触子であって、 前記距離計測器の向かい合う1対の計測チップ部の一方
    に、超音波振動子2次元配列型の超音波探触子が装着さ
    れ、前記計測チップ部の他方には反射体が装着された2
    次元配列型超音波探触子と、 前記超音波探触子に電気的に接続された送受信機と、 前記送受信機に電気的に接続されたコンピュータと、を
    有し、 前記コンピュータは、前記2次元配列型超音波探触子の
    指定された任意の超音波振動子又は超音波振動子群から
    送波された超音波が、被測定物中を伝搬して該被測定物
    中の各部で散乱し、これによって得られた後方散乱波の
    時系列信号を同一の前記超音波振動子又は超音波振動子
    群で受波し、更に前記後方散乱波の時系列信号の散乱波
    波形を加工して、該被測定物中の指定された関心領域に
    対応する部分のみを抽出した信号の周波数スペクトラム
    ・データを求め、 前記2次元配列型超音波探触子の指定された任意の一つ
    の超音波振動子又は1群の超音波振動子群から送波され
    た超音波が、被測定物中を伝搬して、超音波振動子又は
    超音波振動子群に到達するまでの超音波伝搬時間と、前
    記距離計測器で計測した被測定物の厚さと、から該被測
    定物の音速を計測し、前記超音波振動子又は超音波振動
    子群をそれぞれ逐次一つ又は1群ずつ切り替えることに
    よって、前記被測定物の組織の2次元的な音速分布画像
    を生成し、 前記2次元配列型超音波探触子の指定された任意の一つ
    の超音波振動子又は1群の超音波振動子群から送波され
    た超音波が、被測定物中を伝搬して、超音波振動子又は
    超音波振動子群に到達する時の受信波形のピーク振幅値
    と、前記距離計測器で計測した被測定物の厚さと、から
    該被測定物の減衰定数を計測し、前記超音波振動子又は
    超音波振動子群をそれぞれ逐次一つ又は1群ずつ切り替
    えることによって、前記被測定物の組織の2次元的な減
    衰定数分布画像を生成し、 前記周波数スペクトラム・データと、前記2次元的な音
    速分布画像と、前記2次元的な減衰定数分布画像と、を
    用いて前記被測定物の2次元の後方散乱係数画像又は後
    方散乱断面積画像を得ることを特徴とする生体組織の術
    中計測用超音波探触子を備えた超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 送信用及び受信用の2個の超音波探触
    子、又は1個の送受信兼用の超音波探触子と超音波反射
    体を、それぞれ腹腔鏡下手術時のトラカールに挿入可能
    な外径の2本の円筒状軸体の先端部近傍に互いに対向可
    能に装着し、 2本の円筒状軸体の先端部近傍に設けられた送信用超音
    波探触子の送波面と受信用超音波探触子の受波面、また
    は送受信兼用超音波探触子の送受波面と超音波反射体の
    反射面が正確に対向するように前記2本の軸体の他端が
    位置決め装置に装着され、 開腹手術を必要とせず、腹腔鏡下手術中に生体組織の音
    響データを計測することを特徴とする術中超音波探触
    子。
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