JPH11313820A - 骨粗鬆症診断装置及び骨粗鬆症診断方法 - Google Patents

骨粗鬆症診断装置及び骨粗鬆症診断方法

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JPH11313820A
JPH11313820A JP10124989A JP12498998A JPH11313820A JP H11313820 A JPH11313820 A JP H11313820A JP 10124989 A JP10124989 A JP 10124989A JP 12498998 A JP12498998 A JP 12498998A JP H11313820 A JPH11313820 A JP H11313820A
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JP
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bone
ultrasonic
equation
echo
real
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Application number
JP10124989A
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English (en)
Inventor
Yuichi Nakamori
勇一 中森
Tetsuya Ishii
徹哉 石井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP10124989A priority Critical patent/JPH11313820A/ja
Publication of JPH11313820A publication Critical patent/JPH11313820A/ja
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  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易型で、診断精度を上げると共に、骨形状
の精密測定をせずに、正確な骨の反射率を求める。 【解決手段】 開示される骨粗鬆症診断装置は、セル6
1〜664からなる超音波トランスデューサユニットと、
セル6nから超音波パルスを送信して骨及びステンレス
球それぞれからのエコーをセル6mによって受信して検
出した64×64個のエコー信号Smn(t)をフーリエ
変換して得た64×64個のエコー信号S mn(ω)に関
する方程式を成立させる骨及びステンレス球それぞれに
ついての実数値λ及びそれに対応する関数φ(ω)を算
出し、それらに基づいて骨の反射率を求めるパルス発生
器81〜864,増幅器101〜1064,波形整形器111
〜1164,A/D変換器121〜1264,CPU15と
を備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、骨粗鬆症診断装
置及び骨粗鬆症診断方法に係り、詳しくは、超音波パル
スを被験者の骨に向けて送信し、骨からのエコーを検知
して、骨粗鬆症を診断する超音波反射式の骨粗鬆症診断
装置及び骨粗鬆症診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高齢化社会の到来に伴って、骨粗
鬆症(osteoporosis)と呼ばれる骨の疾患が問題となっ
ている。これは、骨からカルシウムが抜け出してスカス
カになり、少しのショックでも折れ易くなる病気であ
り、高齢者をいわゆる寝たきりにさせる原因の一つにも
なっている。この骨粗鬆症を簡易に診断する装置とし
て、最近、超音波を利用するものが普及してきている。
この出願人は、特願平8−339834号に開示されて
いるように、単一の超音波トランスデューサを用いて、
表面が平らな骨組織に向けて超音波パルスを繰り返し送
信し、骨組織から戻ってくるエコーを受信し、受信した
エコーのうち、垂直反射のエコーであるとみなすことの
できる最大エコーを抽出し、抽出した最大エコーに基づ
いて、反射係数や音響インピーダンス等を算出し、これ
らの算出値に基づいて骨粗鬆症を診断する超音波反射式
の診断装置を提案した。また、この出願人は、複数の超
音波トランスデューサを用いて上記診断装置と同様な処
理をするものについて、特願平8−34100号に開示
された診断装置を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の特願平8−339834号に開示された骨粗鬆症診
断装置においては、超音波トランスデューサから送信さ
れた超音波パルスが被験者の骨に垂直に入射するよう
に、超音波トランスデューサの向きを調整しなければな
らないが、例えば、頸骨など平坦な骨であっても、皮膚
下の骨に超音波パルスを垂直に入射させることは人間の
感覚ではほとんど不可能である。そこで、レベルメータ
の画面に表示された波形を見ながら反射波のエコー強度
が最大となるように超音波トランスデューサの向きを変
更させるのであるが、その操作は容易でなく、熟練を要
するし、しかも再現性に欠けるという問題があった。ま
た、上記した従来の骨粗鬆症診断装置においては、表示
器に最大骨エコーレベルや音響インピーダンスの数値、
あるいは最大骨エコー波形等の波形しか画面表示されな
いので、骨粗鬆症の進行状況を診断するためには、例え
ば、被検者の音響インピーダンスがその年齢層の音響イ
ンピーダンスの平均値とどの程度の差があるかを求めな
ければならず手間がかかると共に、具体的な症状を把握
することができないという問題があった。さらに、上記
した従来の特願平8−34100号に開示された骨粗鬆
症診断装置においては、骨形状の精密な測定を必要とし
ていたため、実現が困難であるという欠点があった。
【0004】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、簡単な操作で、高い信頼性を得ることができる
と共に、骨形状の精密な測定をせずに、骨の正確な反射
率を求めることができる骨粗鬆症診断装置及び骨粗鬆症
診断方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明に係る骨粗鬆症診断装置は、2
次元的に任意に配置され、超音波パルスを被験者の生体
内部に送信すると共に、測定部位である骨からのエコー
を受信するためのN個(Nは2以上の自然数)の超音波
変換要素からなる超音波トランスデューサユニットと、
上記N個の超音波変換要素のうち、第n番目(n=1,
2,……,N)の超音波変換要素から所定周波数範囲内
の超音波パルスを送信させ、それに基づく上記骨からの
エコーを第m番目(m=1,2,……,N)の超音波変
換要素によって受信させる処理を上記N個の超音波変換
要素について行うことにより上記N個の超音波変換要素
から出力される(N×N)個のエコー信号Smn(t)を
検出するエコー信号検出手段と、上記(N×N)個のエ
コー信号Smn(t)を(N×N)個のエコー信号S
mn(ω)にフーリエ変換するフーリエ変換手段と、上記
(N×N)個のエコー信号Smn(ω)に関する式(1)
の方程式を成立させる実数値λのうち、絶対値の大きい
方から数えて、単数又は複数の実数値λを求めると共
に、上記単数又は複数の実数値λに対応する単数又は複
数の関数φ(ω)を算出する算出手段とを備え、上記エ
コー信号検出手段は、反射率が既知であって、上記超音
波トランスデューサユニットからの距離が上記超音波ト
ランスデューサユニットから上記骨までの距離と略等し
い位置に載置された物体に対して、上記N個の超音波変
換要素のうち、第n番目(n=1,2,……,N)の超
音波変換要素から所定周波数範囲内の超音波パルスを送
信させ、それに基づく上記物体からのエコーを第m番目
(m=1,2,……,N)の超音波変換要素によって受
信させる処理を上記N個の超音波変換要素について行う
ことにより上記N個の超音波変換要素から出力される
(N×N)個のエコー信号Smn(t)を検出し、上記フ
ーリエ変換手段は、上記物体についての(N×N)個の
エコー信号Smn(t)を(N×N)個のエコー信号Smn
(ω)にフーリエ変換し、上記算出手段は、上記物体に
ついての(N×N)個のエコー信号Smn(ω)に関する
式(12)の方程式を成立させる実数値λのうち、絶対
値の大きい方から数えて、単数又は複数の実数値λを求
め、上記骨についての単数又は複数の実数値λ及び上記
物体についての単数又は複数の実数値λに基づいて上記
骨の反射率を求めることを特徴としている。
【0006】
【数12】 式(12)において、φ* m(ω)はφm(ω)の複素共
役、φn(ω)は規格化されている。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の骨
粗鬆症診断装置に係り、上記物体についての単数又は複
数の実数値λは、上記超音波トランスデューサユニット
から上記骨までの距離に対応して所定間隔毎に、上記エ
コー信号検出手段、上記フーリエ変換手段及び上記算出
手段により予め求められてテーブルに記憶されており、
上記算出手段は、上記テーブルから上記超音波トランス
デューサユニットから当該骨までの距離に対応した上記
物体についての単数又は複数の実数値λを読み出し、読
み出された上記物体についての単数又は複数の実数値λ
及び上記骨についての単数又は複数の実数値λに基づい
て上記骨の反射率を求めることを特徴としている。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の骨粗鬆症診断装置に係り、上記物体は、剛性が高
く、その反射率が1.0と見なせるステンレス板やステ
ンレス球であることを特徴としている。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
いずれか1に記載の骨粗鬆症診断装置に係り、上記算出
手段は、上記(N×N)個のエコー信号Smn(ω)から
作成される(N×N)の複素対称行列であり、式(1
3)で表される散乱行列S(ω)から、式(14)で表
される(2N×2N)の実対称行列S'(ω)を求め、
上記実対称行列S'(ω)の固有値問題を処理して固有
値及びそれに対する固有ベクトルを求め、上記固有値の
うち、絶対値の大きい方から数えて、単数又は複数の固
有値を上記単数又は複数の実数値λとすると共に、上記
単数又は複数の固有値に対する単数又は複数の固有ベク
トルを上記単数又は複数の実数値λに対応する単数又は
複数の関数φ(ω)とすることを特徴としている。
【0010】
【数13】
【0011】式(13)において、S(ω,m,n)は、
第n番目の超音波変換要素(n=1,2,……,N)か
ら超音波パルスを送信した時の骨又は物体からのエコー
を第m番目の超音波変換要素(m=1,2,……,N)
が受信するときの時間の関数たるエコー信号Smn(t)
に対応している。
【0012】
【数14】
【0013】式(14)において、Re(S(ω))は
散乱行列S(ω)の実部、Im(S(ω))は散乱行列
S(ω)の虚部である。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれか1に記載の骨粗鬆症診断装置に係り、上記所定
周波数範囲に対応する角周波数範囲及び上記N個の超音
波変換要素について、上記単数又は複数の実数値λに対
応する単数又は複数の関数φ(ω)から音場の関数φ
(ω,x,y,z)を求め、上記音場の関数φ(ω,
x,y,z)を逆フーリエ変換して得られた関数φ
(t,x,y,z)に対応した電気パルス信号を上記N
個の超音波変換要素に印加したと想定した場合のt=0
での音場の関数φ'p(x,y,z)を求め、上記音場の
関数φ'p(x,y,z)及び上記単数又は複数の実数値
λに基づいて上記骨及び上記物体を画像化する画像化処
理手段を備えてなることを特徴としている。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
いずれか1に記載の骨粗鬆症診断装置に係り、上記骨又
は物体からの1次反射波信号のみを抽出するためのゲー
ト関数g(t)と、上記エコー信号Smn(t)とを乗算
するゲート処理手段を備えてなることを特徴としてい
る。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項6記載の骨
粗鬆症診断装置に係り、上記ゲート関数g(t)は、上
記エコー信号Smn(t)のうち、上記1次反射波信号と
推定される部分で振幅が略1で、その他の部分で振幅が
略0の矩形窓を示す関数、又は式(15)で示される正
規関数であることを特徴としている。
【0017】
【数15】
【0018】式(15)において、t0はエコー信号S
mn(t)が最大振幅になる時間、τは350μsecであ
る。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の
いずれか1に記載の骨粗鬆症診断装置に係り、上記エコ
ー信号検出手段は、上記所定周波数範囲内において、上
記超音波変換要素から送信された超音波パルスが上記骨
又は物体まで伝搬される最長時間をTとした場合の(1
/8T)より十分小さい周波数間隔で上記超音波パルス
の周波数を変更して上記(N×N)個のエコー信号Smn
(t)を検出することを特徴としている。
【0020】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の
いずれか1に記載の骨粗鬆症診断装置に係り、測定部位
となる上記骨は、腰椎、上腕骨、脛骨、踵骨又は大腿骨
頸部であることを特徴としている。
【0021】請求項10記載の発明に係る骨粗鬆症診断
方法は、2次元的に任意に配置され、超音波パルスを被
験者の生体内部に送信すると共に、測定部位である骨か
らのエコーを受信するためのN個(Nは2以上の自然
数)の超音波変換要素からなる超音波トランスデューサ
ユニットを備え、上記N個の超音波変換要素のうち、第
n番目(n=1,2,……,N)の超音波変換要素から
所定周波数範囲内の超音波パルスを対象物に対して送信
させ、それに基づく上記対象物からのエコーを第m番目
(m=1,2,……,N)の超音波変換要素によって受
信させる処理を上記N個の超音波変換要素について行う
ことにより上記N個の超音波変換要素から出力される
(N×N)個のエコー信号Smn(t)を検出し、上記
(N×N)個のエコー信号Smn(t)をフーリエ変換し
て得られた(N×N)個のエコー信号S mn(ω)に関す
る式(16)の方程式を成立させる実数値λのうち、絶
対値の大きい方から数えて、単数又は複数の実数値λを
求めると共に、上記単数又は複数の実数値λに対応する
単数又は複数の関数φ(ω)を算出する処理を、上記骨
及び、反射率が既知であって、上記超音波トランスデュ
ーサユニットからの距離が上記超音波トランスデューサ
ユニットから上記骨までの距離と略等しい位置に載置さ
れた物体に対して行う第1の処理と、上記骨についての
単数又は複数の実数値λ及び上記物体についての単数又
は複数の実数値λに基づいて上記骨の反射率を求める第
2の処理とからなることを特徴としている。
【0022】
【数16】
【0023】式(16)において、φ* m(ω)はφ
m(ω)の複素共役、φn(ω)は規格化されている。
【0024】請求項11記載の発明は、請求項10記載
の骨粗鬆症診断方法に係り、上記第1の処理では、上記
(N×N)個のエコー信号Smn(ω)から作成される
(N×N)の複素対称行列であり、式(17)で表され
る散乱行列S(ω)から、式(18)で表される(2N
×2N)の実対称行列S'(ω)を求め、上記実対称行
列S'(ω)の固有値問題を処理して固有値及びそれに
対する固有ベクトルを求め、上記固有値のうち、絶対値
の大きい方から数えて、単数又は複数の固有値を上記骨
及び上記物体についての単数又は複数の実数値λとする
と共に、上記単数又は複数の固有値に対する単数又は複
数の固有ベクトルを上記骨及び上記物体についての単数
又は複数の実数値λに対応する単数又は複数の関数φ
(ω)とすることを特徴としている。
【0025】
【数17】
【0026】式(17)において、S(ω,m,n)は、
第n番目の超音波変換要素(n=1,2,……,N)か
ら超音波パルスを送信した時の骨又は物体からのエコー
を第m番目の超音波変換要素(m=1,2,……,N)
が受信するときの時間の関数たるエコー信号Smn(t)
に対応している。
【0027】
【数18】
【0028】式(18)において、Re(S(ω))は
散乱行列S(ω)の実部、Im(S(ω))は散乱行列
S(ω)の虚部である。
【0029】請求項12記載の発明に係る骨粗鬆症診断
方法は、2次元的に任意に配置され、超音波パルスを被
験者の生体内部に送信すると共に、測定部位である骨か
らのエコーを受信するためのN個(Nは2以上の自然
数)の超音波変換要素からなる超音波トランスデューサ
ユニットを備え、上記N個の超音波変換要素のうち、第
n番目(n=1,2,……,N)の超音波変換要素から
所定周波数範囲内の超音波パルスを、反射率が既知であ
って、上記超音波トランスデューサユニットからの距離
を所定間隔毎に変更して載置された物体に対して送信さ
せ、それに基づく上記物体からのエコーを第m番目(m
=1,2,……,N)の超音波変換要素によって受信さ
せる処理を上記N個の超音波変換要素について行うこと
により上記N個の超音波変換要素から出力される上記所
定間隔毎の(N×N)個のエコー信号Smn(t)を検出
し、上記所定間隔毎の(N×N)個のエコー信号S
mn(t)をフーリエ変換して得られた所定間隔毎の(N
×N)個のエコー信号Smn(ω)に関する式(19)の
方程式を成立させる実数値λのうち、絶対値の大きい方
から数えて、単数又は複数の実数値λを上記所定間隔毎
に求めてテーブルに記憶する第1の処理と、上記N個の
超音波変換要素のうち、第n番目(n=1,2,……,
N)の超音波変換要素から所定周波数範囲内の超音波パ
ルスを上記骨に対して送信させ、それに基づく上記骨か
らのエコーを第m番目(m=1,2,……,N)の超音
波変換要素によって受信させる処理を上記N個の超音波
変換要素について行うことにより上記N個の超音波変換
要素から出力される(N×N)個のエコー信号S
mn(t)を検出し、上記(N×N)個のエコー信号Smn
(t)をフーリエ変換して得られた(N×N)個のエコ
ー信号Smn(ω)に関する式(19)の方程式を成立さ
せる実数値λのうち、絶対値の大きい方から数えて、単
数又は複数の実数値λを求めると共に、上記単数又は複
数の実数値λに対応する単数又は複数の関数φ(ω)を
算出する第2の処理と、上記テーブルから上記超音波ト
ランスデューサユニットから当該骨までの距離に対応し
た上記物体についての単数又は複数の実数値λを読み出
し、読み出された上記物体についての単数又は複数の実
数値λ及び上記骨についての単数又は複数の実数値λに
基づいて上記骨の反射率を求める第3の処理とからなる
ことを特徴としている。
【0030】
【数19】
【0031】式(19)において、φ* m(ω)はφ
m(ω)の複素共役、φn(ω)は規格化されている。
【0032】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の骨粗鬆症診断方法に係り、上記第1の処理では、上記
所定間隔毎に、上記(N×N)個のエコー信号S
mn(ω)から作成される上記(N×N)の複素対称行列
であり、式(20)で表される散乱行列S(ω)から、
式(21)で表される上記(2N×2N)の実対称行列
S'(ω)を求め、上記実対称行列S'(ω)の固有値問
題を処理して固有値を求め、上記固有値のうち、絶対値
の大きい方から数えて、単数又は複数の固有値を上記物
体についての単数又は複数の実数値λとし、上記第2の
処理では、上記(N×N)個のエコー信号Smn(ω)か
ら作成される(N×N)の複素対称行列であり、式(2
0)で表される散乱行列S(ω)から、式(21)で表
される(2N×2N)の実対称行列S'(ω)を求め、
上記実対称行列S'(ω)の固有値問題を処理して固有
値及びそれに対する固有ベクトルを求め、上記固有値の
うち、絶対値の大きい方から数えて、単数又は複数の固
有値を上記骨についての単数又は複数の実数値λとする
と共に、上記単数又は複数の固有値に対する単数又は複
数の固有ベクトルを上記骨についての単数又は複数の実
数値λに対応する単数又は複数の関数φ(ω)とするこ
とを特徴としている。
【0033】
【数20】
【0034】式(20)において、S(ω,m,n)は、
第n番目の超音波変換要素(n=1,2,……,N)か
ら超音波パルスを送信した時の骨又は物体からのエコー
を第m番目の超音波変換要素(m=1,2,……,N)
が受信するときの時間の関数たるエコー信号Smn(t)
に対応している。
【0035】
【数21】
【0036】式(21)において、Re(S(ω))は
散乱行列S(ω)の実部、Im(S(ω))は散乱行列
S(ω)の虚部である。
【0037】請求項14記載の発明は、請求項10乃至
13のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断方法に係り、上
記物体は、剛性が高く、その反射率が1.0と見なせる
ステンレス板やステンレス球であることを特徴としてい
る。
【0038】請求項15記載の発明は、請求項10乃至
14のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断方法に係り、上
記所定周波数範囲に対応する角周波数範囲及び上記N個
の超音波変換要素について、上記単数又は複数の実数値
λに対応する単数又は複数の関数φ(ω)から音場の関
数φ(ω,x,y,z)を求め、上記音場の関数φ
(ω,x,y,z)を逆フーリエ変換して得られた関数
φ(t,x,y,z)に対応した電気パルス信号を上記
N個の超音波変換要素に印加したと想定した場合のt=
0での音場の関数φ'p(x,y,z)を求め、上記音場
の関数φ'p(x,y,z)及び上記単数又は複数の実数
値λに基づいて上記骨及び上記物体を画像化する画像化
処理手段を備えてなることを特徴としている。
【0039】請求項16記載の発明は、請求項10乃至
15のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断方法に係り、上
記骨及び上記物体からの1次反射波信号のみを抽出する
ためのゲート関数g(t)と、上記エコー信号S
mn(t)とを乗算するゲート処理手段を備えてなること
を特徴としている。
【0040】請求項17記載の発明は、請求項16記載
の骨粗鬆症診断方法に係り、上記ゲート関数g(t)
は、上記エコー信号Smn(t)のうち、上記1次反射波
信号と推定される部分で振幅が略1で、その他の部分で
振幅が略0の矩形窓を示す関数、又は式(22)で示さ
れる正規関数であることを特徴とする。
【0041】
【数22】
【0042】式(22)において、t0はエコー信号S
mn(t)が最大振幅になる時間、τは350μsecであ
る。
【0043】請求項18記載の発明は、請求項10乃至
17のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断方法に係り、上
記エコー信号検出手段は、上記所定周波数範囲内におい
て、上記超音波変換要素から送信された超音波パルスが
上記骨又は上記物体まで伝搬される最長時間をTとした
場合の(1/8T)より十分小さい周波数間隔で上記超
音波パルスの周波数を変更して周波数毎の上記(N×
N)個のエコー信号Smn(t)を検出することを特徴と
している。
【0044】請求項19記載の発明は、請求項10乃至
18のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断方法に係り、測
定部位となる上記骨は、腰椎、上腕骨、脛骨、踵骨又は
大腿骨頸部であることを特徴としている。
【0045】
【作用】この発明の構成によれば、簡単な操作である
が、高い信頼性を得ることができる。また、骨形状の精
密な測定をせずに、骨の正確な反射率を測定することが
できる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用い
て具体的に行う。図1は、この発明の一実施例である骨
粗鬆症診断装置の電気的構成を示すブロック図、図2
は、同装置の外観図、図3は、同装置の使用状態を示す
模式図である。この例の骨粗鬆症診断装置は、図1〜図
3に示すように、電気パルス信号を超音波パルスに変換
し、その超音波パルスを被験者の所定の測定部位に送信
すると共に、測定部位からのエコーを受信して電気信号
である受信信号に変換するためのプローブ1と、このプ
ローブ1に上記電気パルス信号を供給すると共に、プロ
ーブ1からの上記受信信号を取り込んで、後述するデジ
タル解析処理を行って骨粗鬆症の診断を行う装置本体2
と、プローブ1と装置本体2とを接続するケーブル3と
から概略構成されている。
【0047】プローブ1は、電気パルス信号が所定の周
期で入力される度に、これに応答して、図3に示すよう
に、測定部位である被験者の、例えば、踵骨等の骨Mb
(皮質骨Mb1、海綿骨Mb2)に向けて超音波パルスA
iを送信すると共に、骨から戻ってくるエコー(以下、
骨エコーという)Aeを受信して受信信号に変換する超
音波トランスデューサユニット4と、超音波トランスデ
ューサユニット4の送受信面4aに固着された超音波遅
延スペーサ5とから概略構成されている。超音波トラン
スデューサユニット4は、図4に示すように、超音波変
換要素(エレメント)である超音波トランスデューサセ
ル(以下、単にセルという)61〜664が、支持円板7
上に、約4.5mmのピッチで、縦に8個、横に8個、合
計64個配列されて構成されている。各セル61〜664
は、チタンジルコン酸鉛(PZT)等からなる約1mm角
の厚み振動型圧電素子の両面に電極層が形成されて構成
されている。超音波遅延スペーサ5は、ポリエチレンバ
ルク等からなり、送信残響等の影響を除去すると共に、
支持円板7と同様、セル61〜664の共通の支持体とし
て機能する。
【0048】図1において、装置本体2は、パルス発生
器81〜864と、整合回路91〜964と、増幅器101
1064と、波形整形器111〜1164と、A/D変換器
121〜1264と、ROM13と、RAM14と、CP
U(中央処理装置)15と、ディスプレイ16とから構
成されている。パルス発生器81〜864は、それぞれ周
波数範囲0.54〜1.62MHzの電気パルス信号を所
定の周期(例えば、1msec)で360Hzずつステップさ
せながら繰り返し生成する。整合回路91〜964は、ケ
ーブル3を介して、セル61〜664と1対1に接続さ
れ、パルス発生器81〜864からの電気パルス信号をセ
ル61〜664に供給すると共に、セル61〜664からの受
信信号を増幅器101〜1064に供給する。整合回路91
〜964は、セル61〜664と装置本体2との間で、エネ
ルギの損失なしに信号の授受がなされるように、インピ
ーダンスの整合を行う。増幅器101〜1064は、整合
回路91〜964を介して供給される受信信号を所定の増
幅度で増幅した後、波形整形器111〜1164に供給す
る。波形整形器111〜1164は、LC構成のバンドパ
スフィルタからなり、増幅器101〜1064によって増
幅された受信信号を線形に波形整形した後、A/D変換
器121〜1264に供給する。A/D変換器121〜12
64は、図示せぬサンプルホールド回路、高速サンプリン
グメモリ等を備え、CPU15のサンプリング開始要求
に従って、供給される波形整形器111〜1164の出力
信号(波形整形されたアナログの受信信号)を所定の周
波数(例えば、12MHz)でサンプリングしてデジタル
のエコー信号に変換し、これにより、デジタル化された
エコー信号を一旦高速サンプリングメモリに格納した
後、CPU15に供給する。
【0049】ROM13は、CPU15に骨粗鬆症の診
断を実行させるための処理プログラムを格納する。この
処理プログラムは、エコー信号検出処理サブプログラム
と、ゲート処理サブプログラムと、フーリエ変換処理サ
ブプログラムと、固有値問題処理サブプログラムと、画
像化処理サブプログラムとを有してている。なお、各種
処理の内容については、後述する動作説明において詳述
する。RAM14は、CPU15の作業領域が設定され
るワーキングエリアと、各種データを一時記憶するデー
タエリアやテーブルを有し、例えば、デジタルのエコー
信号等もデータエリア内に一時記憶される。CPU15
は、ROM13に格納されている上述の処理プログラム
をRAM14を用いて実行することにより、パルス発生
器81〜864、A/D変換器121〜1264等の装置各部
の制御、周波数毎の64×64個のエコー信号の検出処
理、ゲート処理、フーリエ変換処理、固有値問題処理、
骨の形状の3次元画像化処理等を行う。ディスプレイ1
6は、CRTディスプレイ又は液晶ディスプレイ等から
なり、CPU15の制御により、算出された骨Mbの音
響インピーダンスの表示や骨Mbの形状の3次元画像表
示等が行われる。なお、装置本体2には、図示しない
が、電源スイッチ、被験者の体内の骨の形状の測定開始
を指示する測定開始スイッチ、右測定の終了を指示する
測定療終了スイッチ等の各種スイッチや、各種の測定条
件を設定するためのボタン等が設けられている。
【0050】次に、図1、図3及び図5を参照して、こ
の例の動作(処理の流れ)について説明する。まず、平
面性は良くないが、超音波パルスAiの波長と較べるな
ら曲率半径が充分に大きい骨Mbを測定部位として選
ぶ。好適な測定部位としては、例えば、腰椎、上腕骨、
脛骨、踵骨又は大腿骨頸部を挙げることができる。測定
部位が決定され、装置に電源が投入されると、CPU1
5は、装置各部のプリセット、カウンタや各種レジス
タ、各種フラグの初期設定を行った後、測定開始スイッ
チが押下されるのを待つ。ここで、操作者は、図3に示
すように、被験者の測定部位である骨Mbを覆う軟組織
Maの表面(皮膚の表面X)に、超音波ゲルGを塗り、
超音波ゲルGを介してプローブ1の先端を皮膚の表面X
に当て、かつ、超音波トランスデューサユニット4の送
受信面4aを骨Mbに向けた状態でプローブ1を手で支
持し、測定開始スイッチをオンとする。測定開始スイッ
チがオンとされると、CPU15は、図5に示す処理手
順に従って各種処理を実行する。
【0051】ステップSP1では、CPU15は、エコ
ー信号検出処理サブプログラムの制御により、骨Mbか
らのエコー信号Smn(t)を検出する処理を実行する。
CPU15は、1個のセル6からの超音波パルスAiの
送信及び64個のセルによる骨エコーAeの受信を、超
音波パルスAiの周波数をステップさせながら64個の
セル6全てについて繰り返す制御を行う。すなわち、第
n番目のセル6 n(n=1,2,……,N;N=64)
から周波数範囲0.54〜1.62MHzの超音波パルス
Aiを所定の周期(例えば、1msec)で360Hzずつス
テップさせながら繰り返し送出することにより、全ての
セル61〜664によって、その骨エコーAeが各周波数
毎に受信され、各増幅器101〜1064、波形整形器1
1〜1164及びA/D変換器121〜1264に入力さ
れ、CPU15に取り込まれる。このようにして、第n
番目のセル6nから超音波パルスAiを送信し、このと
きの骨Mbからの骨エコーAeを第m番目のセル6
m(m=1,2,……,N;N=64)が受信するとき
の時間tの関数たるエコー信号Smn(t)を検出するこ
とが第1番目のセル61から第64番目のセル664につ
いて行われる。なお、周波数変化のステップを360Hz
に設定した理由については、後述する。
【0052】ステップSP2では、CPU15は、ゲー
ト処理サブプログラムの制御により、得られたエコー信
号Smn(t)をゲートにかける処理を実行する。すなわ
ち、CPU15は、セル6の最初の残響や骨エコーAe
の骨Mbとセル6との間の多重反射等に関するノイズを
除去し、骨Mbからの1次反射波信号のみを抽出するた
めに、得られたエコー信号Smn(t)をゲートにかけ
る。具体的には、エコー信号Smn(t)において最大振
幅となるところを骨Mbからの1次反射波信号と推定
し、それのみを抽出するためのゲート関数g(t)と、
エコー信号Smn(t)とを乗算してエコー信号S
gmn(t)を算出する。ゲート関数g(t)としては、
上記1次反射波信号と推定される部分で振幅が略1で、
その他の部分で振幅が略0の矩形窓を示す関数や、式
(23)で示される正規関数が考えられる。
【0053】
【数23】
【0054】式(23)において、t0はエコー信号S
mn(t)が最大振幅になる時間、τは350μsecであ
る。
【0055】ステップSP3では、CPU15は、フー
リエ変換処理サブプログラムの制御により、ゲート処理
により得られたエコー信号Sgmn(t)をエコー信号S
gmn(ω)にフーリエ変換した後、N×Nの複素対称行
列である散乱行列S(ω)を作成する処理を実行する。
散乱行列S(ω)は、式(24)で表される。式(2
4)において、S(ω,m,n)は、第n番目のセル6n
(n=1,2,……,N;N=64)から超音波パルス
Aiを送信した時の骨Mbからの骨エコーAeを第m番
目のセル6m(m=1,2,……,N;N=64)が受
信するときの時間tの関数たるエコー信号Smn(t)に
対応している。
【0056】
【数24】
【0057】ステップSP4では、CPU15は、固有
値問題処理サブプログラムの制御により、散乱行列S
(ω)から式(25)に示す(2N×2N)の実対称行
列S'(ω)を求め、この実対称行列S'(ω)の固有値
問題を処理して、固有値及び固有ベクトルを求める処理
を実行する。以下、固有値問題処理について、図6を参
照して説明する。
【0058】
【数25】
【0059】式(25)において、Re(S(ω))は
散乱行列S(ω)の実部、Im(S(ω))は散乱行列
S(ω)の虚部である。
【0060】いま、図6に示すように、反射体Πを囲む
閉曲面上に観測面Γ0を設ける。この観測面Γ0には無数
のセルが配置されており、反射体Πへ向かって任意の波
動(超音波パルス)を送信できるようになっている。い
ま、t<0で、観測面Γ0から波動が送信され、t=−
0で、反射体Πの表面Γrに沿った波面を形成したとす
る。反射体Πの垂直反射率λは、角周波数ωによらず一
定(実数)であるとし、反射体Πと観測面Γ0との間の
媒質Ω内では波動の減衰がないものとすると、媒質Ω内
では、式(26)に示す関係式が成立する。
【0061】
【数26】
【0062】式(26)において、φinは反射体Πに向
かう超音波パルス(入射波)の波動関数、φSCは反射体
Πから戻ってくるエコー(散乱波)の波動関数、xは観
測面Γ0上の位置座標である。
【0063】式(26)の両辺に、exp(−jωt)
(jは虚数単位、以下同様)を掛けて、時間(t=−∞
〜∞)で積分すると、
【0064】
【数27】
【0065】
【数28】
【0066】式(28)において、*はそれが付されて
いない関数の複素共役を意味している。以下同様であ
る。次に、式(27)及び式(28)から式(29)を
得る。
【0067】
【数29】
【0068】また、一般的に、散乱波と入射波との間に
は、式(30)に示すような関係式も成立する。
【0069】
【数30】
【0070】式(30)において、σ(ω,x,x’)
は、位置座標x’上の波源(セル)から送信された波動
(超音波パルス)が、反射体Πの表面Γrで散乱され
て、位置座標x上に作る音場であり、散乱パラメータと
称される。式(29)及び式(30)から、式(31)
が導かれる。
【0071】
【数31】
【0072】次に、式(31)を離散化処理するため、
観測面Γ0を小さなメッシュΔi,Δ j(i=1,2,
…,N;j=1,2,…,N)に分割する。ここで、メ
ッシュΔi,Δjは微小セルのそれぞれの広がり(面積)
に相当する。メッシュΔi,Δj内では、入射波φin及び
散乱波φscの変化が無視できるとすると、式(31)
は、式(32)の形で表される。
【0073】
【数32】
【0074】式(32)の両辺に√Δi(i=1,2,
…,N)を掛けて変形すると、式(33)が得られる。
【0075】
【数33】
【0076】式(33)は、式(34)〜式(36)を
用いて、式(37)と表される。
【0077】
【数34】
【0078】
【数35】
【0079】
【数36】
【0080】
【数37】
【0081】これらの式において、S(ω,i,j)は、
離散化された散乱パラメータであり、第j番目のメッシ
ュΔjから送信された波動(超音波パルス)が、反射体
Πの表面Γrで散乱され、第i番目のメッシュΔiがその
散乱波を受信するときのエコー信信号を意味している。
また、ΨSC(ω,i)は、N個の全てのメッシュ(セ
ル)から送信された単位波動(超音波パルス)が、反射
体Πの表面Γrで散乱され、第i番目のメッシュ(セ
ル)がその散乱波を受信するときのエコー信号を意味し
ている。
【0082】式(37)を行列形式で表現すると、式
(38)〜式(40)となる。
【0083】
【数38】
【0084】
【数39】
【0085】
【数40】
【0086】式(38)に示す散乱行列S(ω)は、式
(24)に示す散乱行列S(ω)と同様、N×Nの複素
対称行列であり、測定により得られるものである。式
(40)を実部と虚部とに分けて表現すると、式(4
1)及び式(42)が得られる。
【0087】
【数41】
【0088】
【数42】
【0089】式(42)の両辺に−1を掛け、それと式
(41)とをまとめて行列形式で表現すると、式(4
3)が得られ、式(43)は、式(44)と表現でき
る。
【0090】
【数43】
【0091】
【数44】
【0092】ここで、散乱行列S(ω)はN×Nの複素
対称行列であるから、式(43)及び式(44)は、
(2N×2N)の実対称行列S'(ω)の固有値問題を
処理すること、すなわち、実対称行列S'(ω)の固有
値及びそれに対する固有ベクトルを決定することによ
り、反射体Πの垂直反射率λが固有値として求められ、
反射体Πに向かう超音波パルス(入射波)の波動関数が
固有ベクトルとして求められることを示している。した
がって、λは、常に実数である。
【0093】
【数45】
【0094】
【数46】
【0095】
【数47】
【0096】したがって、実対称行列S'(ω)の固有
値は、N個(N=64)の正の固有値λp(p=1,
2,…,N)と、N個の負の固有値−λp(p=1,
2,…,N)とが存在する。この場合、各固有値λの添
字pは、固有値の絶対値が大きい順に付すものとする。
【0097】以上の説明は、図6に示す反射体Πを囲む
閉曲面上に観測面Γ0を設け、この観測面Γ0に無数のセ
ルを配置して反射体Πへ向かって任意の波動を送信する
場合についてのものであり、図3に示すように、骨Mb
に対向する位置に設けられた複数のセルから骨Mbへ向
かって超音波パルスを送信する場合とは実際上は異なる
が、基本的な考え方は応用できる。
【0098】ところで、実際には、セルの周波数特性等
のため、固有値λは、骨Mbの反射率に比例したものと
して得られると共に、角周波数ωの関数である。そこ
で、この例では、反射率が既知の物体(以下、標準物体
と呼ぶ)について上記したステップSP1〜SP4の処
理を予め行い、固有値及びそれに対する固有ベクトルを
算出しておき、得られた固有値及び既知の反射率に基づ
いて、骨Mbの反射率を求めることにする。すなわち、
骨Mbの反射率をRとし、骨Mbの固有値λを角周波数
の関数としてλ(ω)とすると、骨Mbの反射率Rは、
骨Mbの固有値λ(ω)と各角周波数ωにおいて比例関
係にあるので、式(48)で表される。式(48)にお
いて、A(ω)は角周波数依存の比例定数である。
【0099】
【数48】R=A(ω)λ(ω) ……(48)
【0100】一方、骨Mbの反射率Rを算出するための
基準とする標準物体の反射率をR0とし、標準物体の固
有値を角周波数の関数としてλ0(ω)とすると、標準
物体の反射率R0は、骨Mbの反射率Rと同様、固有値
λ0(ω)と各角周波数ωにおいて比例関係にあるの
で、式(49)で表される。
【0101】
【数49】R0=A(ω)λ0(ω) ……(49)
【0102】したがって、式(48)及び式(49)よ
り、式(50)が得られ、骨Mbの反射率Rを求めるこ
とができる。
【0103】
【数50】
【0104】これにより、骨Mbの音響インピーダンス
Zbは、式(51)に骨Mbの反射率Rを代入して得ら
れる。式(51)において、Zaは、軟組織Maの既知
の音響インピーダンスである。
【0105】
【数51】
【0106】標準物体としては、例えば、剛性が高く、
反射率R0が1.0と見なせるステンレス板やステンレ
ス球を用いる。この実施例では、超音波トランスデュー
サユニット4から骨Mbまでの距離を70mmと仮定して
いるが、被験者によって超音波トランスデューサユニッ
ト4から骨Mbまでの距離が異なるので、標準物体の固
有値λ0(ω)を測定する際にも、超音波トランスデュ
ーサユニット4から標準物体までの距離を50〜70mm
の範囲で1mm間隔で移動させて測定する。右距離につい
ては、例えば、ステップSP1の処理において、トラン
スデューサユニット4から送信された超音波パルスのエ
コー信号Smn(t)の到達時間に基づいて算出する。そ
して、その測定された各角周波数毎及び各距離毎の固有
値λ0(ω)を、テーブルとして、RAM14の所定の
領域に記憶しておく。また、ステップSP1の処理にお
いて、超音波トランスデューサユニット4から当該被験
者の骨Mbまでの距離をエコー信号Smn(t)の到達時
間に基づいて算出し、RAM14の所定の領域に記憶し
ておく。これにより、ステップSP4の処理では、RA
M14の所定の領域から超音波トランスデューサユニッ
ト4から当該被験者の骨Mbまでの距離を読み出すと共
に、上記テーブルを参照して、当該被験者の骨Mbの反
射率Rを求めることができる。
【0107】ステップSP5では、CPU15は、正の
固有値λpに対する固有ベクトルをφ'p(ω)とし、負
の固有値(−λp)に対する固有ベクトルをφ''p(ω)
とした場合の固有ベクトルφp(ω)を式(52)によ
り求める。
【0108】
【数52】 φp(ω)=φ'p(ω)+jφ''p(ω) ……(52)
【0109】したがって、式(43)及び式(46)
は、まとめて式(53)で表される。
【0110】
【数53】
【0111】この場合、固有ベクトルφ'p(ω)及び
φ''p(ω)は、それぞれ式(54)及び式(55)で
表される。
【0112】
【数54】
【0113】
【数55】
【0114】式(54)及び式(55)において、φ'
np(ω)及びφ''np(ω)(n=1,2,……,N;N
=64)は、それぞれ第n番目のセルから送信された超
音波パルスによる散乱波の第p番目の固有値λnpに対す
る固有ベクトルであることを意味している。
【0115】ステップSP6では、CPU15は、画像
化処理サブプログラムの制御により、ディスプレイ16
の画面に、骨Mbの形状を3次元画像(図3参照)とし
て表示する処理を実行する。この処理では、まず、第p
番目の固有値λpに対する固有ベクトルφp(ω)から音
場の関数φp(ω,x,y,z)を求める処理を全ての
角周波数及び全てのセル61〜664について行う。次
に、得られた音場の関数φp(ω,x,y,z)を逆フ
ーリエ変換して得られた関数φp(t,x,y,z)に
対応した電気パルス信号を各セル61〜664に印加した
と想定した場合のt=0での音場の関数φ' p(x,y,
z)を求める。これにより、音場の関数φ'p(x,y,
z)は、骨Mbの表面に沿った波面を形成するので、そ
の波面を骨Mbの表面と対応させ、固有値λpを式(5
0)に代入して骨Mbの反射率Rを求めることにより、
画像化する。この場合、反射率Rが異なる領域があれ
ば、反射率R毎に画像化される。
【0116】まず、前提として、固有値λの符号は既知
であるとし、例えば、第n番目のセル6nから送信され
た超音波パルスによる散乱波の第p番目の固有値λnp
当該符号をとるものとする。多くの場合、骨Mbの音響
インピーダンスは軟組織Maのそれより大きいので、こ
のように仮定できる。また、固有値λnpに対する固有ベ
クトルφnp(ω)は規格化されている、すなわち、固有
ベクトルφnp(ω)の大きさは1であるとする。ここ
で、固有ベクトルφnp(ω)の大きさが1であるとは、
固有ベクトルφnp(ω)が式(56)を満足することを
意味している。
【0117】
【数56】
【0118】固有ベクトルφnp(ω)は、上記したステ
ップSP4の処理において角周波数ω毎に求められてい
るが、図7(a)に示すように、1つの角周波数ωにお
いて、向きが180゜異なるものも存在し、かつ、対応
する固有値λnpは、固有値(−λnp)とペアをなし、固
有値(−λnp)に対する固有ベクトルは固有値λnpに対
する固有ベクトルと位相が90゜回転したものに対応す
る。すなわち、絶対値が|λnp|である固有値(±
λnp)に対する固有ベクトルは、同一の角周波数ωにつ
いて4個存在する。したがって、固有値λnpに対する固
有ベクトルφnp(ω)を角周波数の変化に従って追跡す
る場合、隣接する固有ベクトルのなす角θが45゜より
大きいと、固有ベクトルを正しく追跡できなくなってし
まう。図7(b)の例では、固有値λnpに対する角周波
数ω0の固有ベクトルに隣接する角周波数(ω+Δω)
の固有ベクトルを追跡する際、θが45゜より大きい
と、誤って固有値(−λnp)に対する角周波数(ω0
Δω)の固有ベクトルを選択してしまう。これにより、
誤った画像をディスプレイ16に表示してしまうことに
なる。
【0119】そこで、上記したステップSP1のエコー
信号検出処理において、超音波パルスAiを360Hzず
つステップさせながら送信すると共に、このステップS
P6の画像化処理において、固有ベクトルφnp(ω)の
符号を統一させる。まず、周波数変化のステップを36
0Hzに設定した理由について説明する。上記のように、
隣接する固有ベクトルのなす角θ、すなわち、角周波数
間隔Δωとセルから送信された超音波パルスが骨Mbま
で伝搬される最長時間Tとの積(ΔωT)が(π/4)
より小さくなければならない。すなわち、
【0120】
【数57】ΔωT≦π/4 ……(57)
【0121】角周波数ωは2πfと表させるから、式
(57)は式(58)となる。
【0122】
【数58】Δf≦1/8T ……(58)
【0123】この例において、超音波トランスデューサ
ユニット4から骨Mbまでの距離を70mmとすると、最
長伝搬時間Tは46.6μsecとなるので、式(58)
よりΔfは約2.68kHz以下であれば良い。そこで、
この例では、余裕をみて、周波数変化のステップを36
0Hzに設定したのである。
【0124】次に、固有ベクトルφnp(ω)の符号を統
一させる処理について説明する。固有ベクトルφ
np(ω)を算出すべき角周波数範囲内(最小角周波数ω
0〜最大角周波数ω(Q-1))において、最小角周波数ω0
からq番目の角周波数をωq(q=0,1,……,(Q
−1))とすると、qが1以上の時は、次のアルゴリズ
ムに従って、順次固有ベクトルφnp(ωq)を決定す
る。
【0125】
【数59】
【0126】以上の処理により、固有ベクトルφ
np(ω)の符号が統一され、その向きが固有ベクトルφ
np(ω0)から固有ベクトルφnp(ωQ-1)まで連続的に
変化するものになる。
【0127】次に、式(60)に基づいて、第p番目
(p=1,2,……,N)の固有値λ pに対する固有ベ
クトルφp(ω)から音場の関数φp(ω,x,y,z)
を求める処理を全ての角周波数(ω0〜ωQ-1)及び全て
のセル6n(n=1,2,……,N;N=64)につい
て行う。
【0128】
【数60】
【0129】式(60)において、Gn(ω,x,y,
z,xn,yn,zn)は、その中心座標が座標(xn,y
n,zn)である第n番目のセル6nに角周波数ω及び振
幅1の電気パルス信号を印加した場合にセル6nから送
信される超音波パルスにより座標(x,y,z)に形成
される複素音場の関数である。この実施例においては、
セル6nが点音源とみなせるので、関数Gn(ω,x,
y,z,xn,yn,zn)は、式(61)で表される。
【0130】
【数61】
【0131】式(61)において、APは周波数依存の
比例定数、k=ω/c、cは媒体中の音速であり、既知
とする。例えば、軟組織Maの場合、水と同じ1500
m/secとして良い。また、rは、式(62)で表され
る。
【0132】
【数62】
【0133】次に、得られた音場の関数φp(ω,x,
y,z)を逆フーリエ変換して得られた関数φp(t,
x,y,z)に対応した電気パルス信号を各セル61
64に印加したと想定した場合のt=0での音場の関数
φ'p(x,y,z)を求める。これにより、音場の関数
φ'p(x,y,z)は、骨Mbの表面に沿った波面を形
成するので、その波面を骨Mbの表面と対応させ、固有
値λpを式(50)に代入して骨Mbの反射率Rを求め
ることにより、画像化した後、CPU15は、一連の処
理を終了する。この場合、反射率Rが異なる領域があれ
ば、反射率R毎に画像化する。また、全ての音場の関数
φ'p(x,y,z)について画像化するのではなく、音
場の大きさが所定の大きさ以上の場所についてだけ濃淡
をつけ、それと共に、固有値λ pを式(50)に代入し
て求めた骨Mbの反射率Rの位置情報をその濃淡に関連
付けても良い。さらに、ステップSP4の処理で得られ
た骨Mbの音響インピーダンスZbもディスプレイ16
に表示するようにしても良い。
【0134】ここで、図8に示すように、骨Mbの代わ
りにダミーとして、音響インピーダンスが骨Mbの音響
インピーダンスZbに近い直径40.0mmのベークライ
ト製の球体(反射率;約0.6、密度;1.5g/cm3
音速;4000m/sec)を(2.0,5.0,90.
0)が中心座標となるように、媒体としての水(密度;
1.0g/cm3、音速;1500m/sec)の中に配置すると
共に、64個のセル61〜664を4.5mmのピッチで原
点(0,0,0)を中心に配置して、64個のセル61
〜664による超音波パルスAiの送信及び骨エコーAe
の受信を行い、ゲート処理において上記矩形窓を示す関
数をゲート関数g(t)に用いた場合の最大固有値λ1
に対応した音場の画像の一例を図9及び図10に示す。
図9は、x軸の座標が2mである場合のyz面における
音場の画像の一例であり、図10は、z軸の座標が70
mmである場合のyz面における音場の画像の一例であ
る。図9及び図10から直径40mmの球体が検出されて
いるのがわかる。また、図11に、セル61〜664から
送信される超音波パルスAiの周波数を0.54〜1.
62MHzの間で変化させた場合に算出される、ダミー
(反射率;0.6)の最大固有値λ1(曲線a)、標準
物体としてステンレス板を用いた場合のステンレス板の
最大固有値λ1(曲線b)並びにそれに基づき算出され
たダミーの反射率R(曲線c)及び、標準物体としてス
テンレス球を用いた場合のステンレス球の最大固有値λ
1(曲線d)並びにそれに基づき算出されたダミーの反
射率R(曲線e)のそれぞれの値の変化の一例を示す。
図11からは、曲線e、すなわち、標準物体としてステ
ンレス球を用いた場合の方が、曲線c、すなわち、標準
物体としてステンレス板を用いた場合に比べて、全ての
周波数範囲に亙って実際の反射率0.6が略正確に検出
されていることがわかる。これは、標準物体としてステ
ンレス板を用いた場合には、位相が2π異なる方向にも
波面が形成されてしまうグレーティングローブの影響が
大きいが、標準物体としてステンレス球を用いた場合に
はその影響を低減できるからである。
【0135】このように、この例の構成によれば、セル
の数を増やせば、原理的には、任意の形状の骨を測定部
位としてすることができる。また、従来のような骨形状
の測定が不要となると共に、アルゴリズムが従来に比べ
てすっきりしているので、信号処理が著しく迅速に処理
できる。さらに、従来のように、セル61〜664から骨
Mbへ送信する超音波パルスAiの角度を測定者が調整
することなく、単にプローブ1を被験者の皮膚に接触さ
せるだけでよいので、大変使い勝手が良く、測定信頼性
も向上する。加えて、反射率毎に画像化できるので、反
射率の分布が表示でき、骨Mbの音響インピーダンスZ
bの分布を表示でき、骨粗鬆症の診断が容易にできる。
また、反射率Zb毎に画像化できるので、臓器毎の画像
が表示でき、骨粗鬆症以外の診断にも適用できる。これ
は、従来では、反射エネルギ(反射率×大きさ)の表示
であったが、この構成では、反射率そのものを表示でき
るので、従来ノイズの中に埋もれてしまったような微小
な「しこり」でも表示されるからである。
【0136】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られる
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述
の実施例においては、ステップSP1のエコー信号検出
処理において、1つのセル6から周波数範囲0.54〜
1.62MHzの超音波パルスAiを360Hzずつステッ
プさせながら繰り返し送信する例を示したが、これに限
定されず、同一周波数の超音波パルスAiを各セル6か
ら順次送信する処理を周波数範囲0.54〜1.62MH
zについて360Hzずつステップさせながら繰り返すよ
うにしても良い。また、上述の実施例においては、ステ
ップSP6の画像化処理において、N個全ての固有値λ
pについて音場の関数φ'p(x,y,z)を求める例を
示したが、これに限定されず、画像化に有効なN個より
少ない個数の固有値λpについて音場の関数φ'p(x,
y,z)を求めるようにしても良い。この場合には、演
算処理時間がその分短縮できる。さらに、上述の実施例
においては、ステップSP3のフーリエ変換処理におい
て、ゲート処理により得られたエコー信号Sgmn(t)
をフーリエ変換した後、散乱行列S(ω)を作成する例
を示したが、これに限定されず、散乱行列S(ω)を作
成後それをフーリエ変換してももちろん良い。さらに、
上述の実施例においては、反射率を求めるのに、標準物
体についても、ステップSP1〜SP4の処理を行い、
固有値及びそれに対する固有ベクトルを算出し、得られ
た固有値で対応する固有値λを除算して比例定数を得る
例を示したが、これに限定されない。要するに、エコー
信号Sgmn(ω)に関する実対称行列S'(ω)の固有値
問題を処理して得られた固有値λに比例する量を反射率
の絶対値とすれば良い。また、上述の実施例において
は、反射率を求めるのに、ステップSP4の固有値問題
処理において、実対称行列S'(ω)の固有値問題を処
理して、固有値及び固有ベクトルを求める例を示した
が、これに限定されない。要するに、式(63)を満足
する十分絶対値が大きなN個以下の実数値λ及びφ
(ω)を求め、実数値λに比例する量を反射率の絶対値
とすれば良い。
【0137】
【数63】
【0138】式(63)において、Smn(ω)は散乱行
列S(ω)の成分、φn(ω)は第n番目のセルから骨
Mbに向かって送信される超音波パルス、φ* m(ω)は
φm(ω)の複素共役、φn(ω)は規格化されている。
さらに、上述の実施例においては、パルス発生器8を6
4個設けた例を示したが、これに限定されず、1個のみ
設けると共に、切替器を設け、CPU15の制御によ
り、その出力を順次整合回路91〜964を介してセル61
〜664に供給するようにしても良い。また、セル6は、
厚み振動型に限らず、撓み振動型でも良い。セル6の個
数も64個に限定されるものではなく、必要に応じて、
増減できる。さらに、図4に示すように所定のピッチで
セル6を配列する必要はなく、任意で良い。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、簡単な操作で、高い信頼性が得られ、また、平
面性の悪い骨も測定部位となり得ると共に、超音波トラ
ンスデューサの向きも問題とならない。つまり、骨表面
の平坦性や形状によらずに、骨の反射率を測定できるの
で、大変使い勝手が良く、測定信頼性も向上する。ま
た、請求項2及び14記載の発明の構成によれば、骨の
反射率を測定する基準として反射率が既知のステンレス
板やステンレス球を用いているので、広い周波数範囲に
亙って実際の反射率を正確に検出することができる。さ
らに、請求項5及び15記載の発明の構成によれば、骨
の形状が画像化されるので、骨形状の精密測定をせず
に、直ちに具体的な症状を把握することができる。ま
た、請求項6,7,16及び17記載の発明の構成によ
れば、超音波変換要素の最初の残響や骨と超音波変換要
素との間の多重反射等に関するノイズが除去され、骨か
らの1次反射波信号のみが抽出されるので、一段と精確
な測定が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である骨粗鬆症診断装置の
電気的構成を示すブロック図である。
【図2】同診断装置の外観図である。
【図3】同診断装置の使用状態を示す模式図である。
【図4】同診断装置で使用される超音波トランスデュー
サユニットの構成を示す斜視図である。
【図5】同診断装置の動作処理手順を示すフローチャー
トである。
【図6】同診断装置の動作処理の1つである固有値問題
処理を説明するための概念図である。
【図7】同診断装置の動作処理の1つである画像化処理
を説明するための図である。
【図8】64個のセルとダミーとの位置関係を説明する
ための図である。
【図9】画像化処理によって画像化されたダミーの画像
の一例を示す図である。
【図10】画像化処理によって画像化されたダミーの画
像の一例を示す図である。
【図11】64個のセルから送信される超音波パルスの
周波数変化に対する、ダミーの最大固有値、標準物体と
してステンレス板を用いた場合のその最大固有値並びに
それに基づき算出されたダミーの反射率、及び、標準物
体としてステンレス球を用いた場合のその最大固有値並
びにそれに基づき算出されたダミーの反射率のそれの変
化の一例を示す図である。
【符号の説明】
Ai 超音波パルス Ae 骨エコー Ma 軟組織 Mb 骨 Mb1 皮質骨 Mb2 界面骨 4 超音波トランスデューサユニット 61〜664 セル(超音波変換要素) 81〜864 パルス発生器(エコー信号検出手段) 101〜1064 増幅器(エコー信号検出手段) 111〜1164 波形整形器(エコー信号検出手段) 121〜1264 A/D変換器(エコー信号検出手段) 13 ROM 14 RAM 15 CPU(エコー信号検出手段、ゲート処理
手段、フーリエ変換手段、算出手段、画像化処理手段) 16 ディスプレイ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元的に任意に配置され、超音波パル
    スを被験者の生体内部に送信すると共に、測定部位であ
    る骨からのエコーを受信するためのN個(Nは2以上の
    自然数)の超音波変換要素からなる超音波トランスデュ
    ーサユニットと、 前記N個の超音波変換要素のうち、第n番目(n=1,
    2,……,N)の超音波変換要素から所定周波数範囲内
    の超音波パルスを送信させ、それに基づく前記骨からの
    エコーを第m番目(m=1,2,……,N)の超音波変
    換要素によって受信させる処理を前記N個の超音波変換
    要素について行うことにより前記N個の超音波変換要素
    から出力される(N×N)個のエコー信号Smn(t)を
    検出するエコー信号検出手段と、 前記(N×N)個のエコー信号Smn(t)を(N×N)
    個のエコー信号Smn(ω)にフーリエ変換するフーリエ
    変換手段と、 前記(N×N)個のエコー信号Smn(ω)に関する式
    (1)の方程式を成立させる実数値λのうち、絶対値の
    大きい方から数えて、単数又は複数の実数値λを求める
    と共に、前記単数又は複数の実数値λに対応する単数又
    は複数の関数φ(ω)を算出する算出手段とを備え、 前記エコー信号検出手段は、反射率が既知であって、前
    記超音波トランスデューサユニットからの距離が前記超
    音波トランスデューサユニットから前記骨までの距離と
    略等しい位置に載置された物体に対して、前記N個の超
    音波変換要素のうち、第n番目(n=1,2,……,
    N)の超音波変換要素から所定周波数範囲内の超音波パ
    ルスを送信させ、それに基づく前記物体からのエコーを
    第m番目(m=1,2,……,N)の超音波変換要素に
    よって受信させる処理を前記N個の超音波変換要素につ
    いて行うことにより前記N個の超音波変換要素から出力
    される(N×N)個のエコー信号Smn(t)を検出し、 前記フーリエ変換手段は、前記物体についての(N×
    N)個のエコー信号Smn(t)を(N×N)個のエコー
    信号Smn(ω)にフーリエ変換し、前記算出手段は、前
    記物体についての(N×N)個のエコー信号Smn(ω)
    に関する式(1)の方程式を成立させる実数値λのう
    ち、絶対値の大きい方から数えて、単数又は複数の実数
    値λを求め、前記骨についての単数又は複数の実数値λ
    及び前記物体についての単数又は複数の実数値λに基づ
    いて前記骨の反射率を求めることを特徴とする骨粗鬆症
    診断装置。 【数1】 式(1)において、φ* m(ω)はφm(ω)の複素共
    役、φn(ω)は規格化されている。
  2. 【請求項2】 前記物体についての単数又は複数の実数
    値λは、前記超音波トランスデューサユニットから前記
    骨までの距離に対応して所定間隔毎に、前記エコー信号
    検出手段、前記フーリエ変換手段及び前記算出手段によ
    り予め求められてテーブルに記憶されており、前記算出
    手段は、前記テーブルから前記超音波トランスデューサ
    ユニットから当該骨までの距離に対応した前記物体につ
    いての単数又は複数の実数値λを読み出し、読み出され
    た前記物体についての単数又は複数の実数値λ及び前記
    骨についての単数又は複数の実数値λに基づいて前記骨
    の反射率を求めることを特徴とする請求項1記載の骨粗
    鬆症診断装置。
  3. 【請求項3】 前記物体は、剛性が高く、その反射率が
    1.0と見なせるステンレス板やステンレス球であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の骨粗鬆症診断装
    置。
  4. 【請求項4】 前記算出手段は、前記(N×N)個のエ
    コー信号Smn(ω)から作成される(N×N)の複素対
    称行列であり、式(2)で表される散乱行列S(ω)か
    ら、式(3)で表される(2N×2N)の実対称行列
    S'(ω)を求め、前記実対称行列S'(ω)の固有値問
    題を処理して固有値及びそれに対する固有ベクトルを求
    め、前記固有値のうち、絶対値の大きい方から数えて、
    単数又は複数の固有値を前記単数又は複数の実数値λと
    すると共に、前記単数又は複数の固有値に対する単数又
    は複数の固有ベクトルを前記単数又は複数の実数値λに
    対応する単数又は複数の関数φ(ω)とすることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の骨粗鬆症診
    断装置。 【数2】 式(2)において、S(ω,m,n)は、第n番目の超音
    波変換要素(n=1,2,……,N)から超音波パルス
    を送信した時の骨又は物体からのエコーを第m番目の超
    音波変換要素(m=1,2,……,N)が受信するとき
    の時間の関数たるエコー信号Smn(t)に対応してい
    る。 【数3】 式(3)において、Re(S(ω))は散乱行列S
    (ω)の実部、Im(S(ω))は散乱行列S(ω)の
    虚部である。
  5. 【請求項5】 前記所定周波数範囲に対応する角周波数
    範囲及び前記N個の超音波変換要素について、前記単数
    又は複数の実数値λに対応する単数又は複数の関数φ
    (ω)から音場の関数φ(ω,x,y,z)を求め、前
    記音場の関数φ(ω,x,y,z)を逆フーリエ変換し
    て得られた関数φ(t,x,y,z)に対応した電気パ
    ルス信号を前記N個の超音波変換要素に印加したと想定
    した場合のt=0での音場の関数φ'p(x,y,z)を
    求め、前記音場の関数φ'p(x,y,z)及び前記単数
    又は複数の実数値λに基づいて前記骨及び前記物体を画
    像化する画像化処理手段を備えてなることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断装
    置。
  6. 【請求項6】 前記骨又は物体からの1次反射波信号の
    みを抽出するためのゲート関数g(t)と、前記エコー
    信号Smn(t)とを乗算するゲート処理手段を備えてな
    ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載
    の骨粗鬆症診断装置。
  7. 【請求項7】 前記ゲート関数g(t)は、前記エコー
    信号Smn(t)のうち、前記1次反射波信号と推定され
    る部分で振幅が略1で、その他の部分で振幅が略0の矩
    形窓を示す関数、又は式(4)で示される正規関数であ
    ることを特徴とする請求項6記載の骨粗鬆症診断装置。 【数4】 式(4)において、t0はエコー信号Smn(t)が最大
    振幅になる時間、τは350μsecである。
  8. 【請求項8】 前記エコー信号検出手段は、所定周波数
    範囲内において、前記超音波変換要素から送信された超
    音波パルスが前記骨又は物体まで伝搬される最長時間を
    Tとした場合の(1/8T)より十分小さい周波数間隔
    で前記超音波パルスの周波数を変更して前記(N×N)
    個のエコー信号Smn(t)を検出することを特徴とする
    請求項1乃至7のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断装
    置。
  9. 【請求項9】 測定部位となる前記骨は、腰椎、上腕
    骨、脛骨、踵骨又は大腿骨頸部であることを特徴とする
    請求項1乃至8のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断装
    置。
  10. 【請求項10】 2次元的に任意に配置され、超音波パ
    ルスを被験者の生体内部に送信すると共に、測定部位で
    ある骨からのエコーを受信するためのN個(Nは2以上
    の自然数)の超音波変換要素からなる超音波トランスデ
    ューサユニットを備え、 前記N個の超音波変換要素のうち、第n番目(n=1,
    2,……,N)の超音波変換要素から所定周波数範囲内
    の超音波パルスを対象物に対して送信させ、それに基づ
    く前記対象物からのエコーを第m番目(m=1,2,…
    …,N)の超音波変換要素によって受信させる処理を前
    記N個の超音波変換要素について行うことにより前記N
    個の超音波変換要素から出力される(N×N)個のエコ
    ー信号S mn(t)を検出し、前記(N×N)個のエコー
    信号Smn(t)をフーリエ変換して得られた(N×N)
    個のエコー信号Smn(ω)に関する式(5)の方程式を
    成立させる実数値λのうち、絶対値の大きい方から数え
    て、単数又は複数の実数値λを求めると共に、 前記単数又は複数の実数値λに対応する単数又は複数の
    関数φ(ω)を算出する処理を、前記骨及び、反射率が
    既知であって、前記超音波トランスデューサユニットか
    らの距離が前記超音波トランスデューサユニットから前
    記骨までの距離と略等しい位置に載置された物体に対し
    て行う第1の処理と、 前記骨についての単数又は複数の実数値λ及び前記物体
    についての単数又は複数の実数値λに基づいて前記骨の
    反射率を求める第2の処理とからなることを特徴とする
    骨粗鬆症診断方法。 【数5】 式(5)において、φ* m(ω)はφm(ω)の複素共
    役、φn(ω)は規格化されている。
  11. 【請求項11】 前記第1の処理では、前記(N×N)
    個のエコー信号Smn(ω)から作成される(N×N)の
    複素対称行列であり、式(6)で表される散乱行列S
    (ω)から、式(7)で表される(2N×2N)の実対
    称行列S'(ω)を求め、前記実対称行列S'(ω)の固
    有値問題を処理して固有値及びそれに対する固有ベクト
    ルを求め、前記固有値のうち、絶対値の大きい方から数
    えて、単数又は複数の固有値を前記骨及び前記物体につ
    いての単数又は複数の実数値λとすると共に、 前記単数又は複数の固有値に対する単数又は複数の固有
    ベクトルを前記骨及び前記物体についての単数又は複数
    の実数値λに対応する単数又は複数の関数φ(ω)とす
    ることを特徴とする請求項10記載の骨粗鬆症診断方
    法。 【数6】 式(6)において、S(ω,m,n)は、第n番目の超音
    波変換要素(n=1,2,……,N)から超音波パルス
    を送信した時の骨又は物体からのエコーを第m番目の超
    音波変換要素(m=1,2,……,N)が受信するとき
    の時間の関数たるエコー信号Smn(t)に対応してい
    る。 【数7】 式(7)において、Re(S(ω))は散乱行列S
    (ω)の実部、Im(S(ω))は散乱行列S(ω)の
    虚部である。
  12. 【請求項12】 2次元的に任意に配置され、超音波パ
    ルスを被験者の生体内部に送信すると共に、測定部位で
    ある骨からのエコーを受信するためのN個(Nは2以上
    の自然数)の超音波変換要素からなる超音波トランスデ
    ューサユニットを備え、 前記N個の超音波変換要素のうち、第n番目(n=1,
    2,……,N)の超音波変換要素から所定周波数範囲内
    の超音波パルスを、反射率が既知であって、前記超音波
    トランスデューサユニットからの距離を所定間隔毎に変
    更して載置された物体に対して送信させ、それに基づく
    前記物体からのエコーを第m番目(m=1,2,……,
    N)の超音波変換要素によって受信させる処理を前記N
    個の超音波変換要素について行うことにより前記N個の
    超音波変換要素から出力される前記所定間隔毎の(N×
    N)個のエコー信号Smn(t)を検出し、前記所定間隔
    毎の(N×N)個のエコー信号Smn(t)をフーリエ変
    換して得られた所定間隔毎の(N×N)個のエコー信号
    mn(ω)に関する式(8)の方程式を成立させる実数
    値λのうち、絶対値の大きい方から数えて、単数又は複
    数の実数値λを前記所定間隔毎に求めてテーブルに記憶
    する第1の処理と、 前記N個の超音波変換要素のうち、第n番目(n=1,
    2,……,N)の超音波変換要素から所定周波数範囲内
    の超音波パルスを前記骨に対して送信させ、それに基づ
    く前記骨からのエコーを第m番目(m=1,2,……,
    N)の超音波変換要素によって受信させる処理を前記N
    個の超音波変換要素について行うことにより前記N個の
    超音波変換要素から出力される(N×N)個のエコー信
    号Smn(t)を検出し、前記(N×N)個のエコー信号
    mn(t)をフーリエ変換して得られた(N×N)個の
    エコー信号Smn(ω)に関する式(8)の方程式を成立
    させる実数値λのうち、絶対値の大きい方から数えて、
    単数又は複数の実数値λを求めると共に、前記単数又は
    複数の実数値λに対応する単数又は複数の関数φ(ω)
    を算出する第2の処理と、 前記テーブルから前記超音波トランスデューサユニット
    から当該骨までの距離に対応した前記物体についての単
    数又は複数の実数値λを読み出し、読み出された前記物
    体についての単数又は複数の実数値λ及び前記骨につい
    ての単数又は複数の実数値λに基づいて前記骨の反射率
    を求める第3の処理とからなることを特徴とする骨粗鬆
    症診断方法。 【数8】 式(8)において、φ* m(ω)はφm(ω)の複素共
    役、φn(ω)は規格化されている。
  13. 【請求項13】 前記第1の処理では、前記所定間隔毎
    に、前記(N×N)個のエコー信号Smn(ω)から作成
    される前記(N×N)の複素対称行列であり、式(9)
    で表される散乱行列S(ω)から、式(10)で表され
    る前記(2N×2N)の実対称行列S'(ω)を求め、
    前記実対称行列S'(ω)の固有値問題を処理して固有
    値を求め、前記固有値のうち、絶対値の大きい方から数
    えて、単数又は複数の固有値を前記物体についての単数
    又は複数の実数値λとし、 前記第2の処理では、前記(N×N)個のエコー信号S
    mn(ω)から作成される(N×N)の複素対称行列であ
    り、式(9)で表される散乱行列S(ω)から、式(1
    0)で表される(2N×2N)の実対称行列S'(ω)
    を求め、前記実対称行列S'(ω)の固有値問題を処理
    して固有値及びそれに対する固有ベクトルを求め、前記
    固有値のうち、絶対値の大きい方から数えて、単数又は
    複数の固有値を前記骨についての単数又は複数の実数値
    λとすると共に、前記単数又は複数の固有値に対する単
    数又は複数の固有ベクトルを前記骨についての単数又は
    複数の実数値λに対応する単数又は複数の関数φ(ω)
    とすることを特徴とする請求項12記載の骨粗鬆症診断
    方法。 【数9】 式(9)において、S(ω,m,n)は、第n番目の超音
    波変換要素(n=1,2,……,N)から超音波パルス
    を送信した時の骨又は物体からのエコーを第m番目の超
    音波変換要素(m=1,2,……,N)が受信するとき
    の時間の関数たるエコー信号Smn(t)に対応してい
    る。 【数10】 式(10)において、Re(S(ω))は散乱行列S
    (ω)の実部、Im(S(ω))は散乱行列S(ω)の
    虚部である。
  14. 【請求項14】 前記物体は、剛性が高く、その反射率
    が1.0と見なせるステンレス板やステンレス球である
    ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1に記
    載の骨粗鬆症診断方法。
  15. 【請求項15】 前記所定周波数範囲に対応する角周波
    数範囲及び前記N個の超音波変換要素について、前記単
    数又は複数の実数値λに対応する単数又は複数の関数φ
    (ω)から音場の関数φ(ω,x,y,z)を求め、前
    記音場の関数φ(ω,x,y,z)を逆フーリエ変換し
    て得られた関数φ(t,x,y,z)に対応した電気パ
    ルス信号を前記N個の超音波変換要素に印加したと想定
    した場合のt=0での音場の関数φ'p(x,y,z)を
    求め、前記音場の関数φ'p(x,y,z)及び前記単数
    又は複数の実数値λに基づいて前記骨及び前記物体を画
    像化する画像化処理手段を備えてなることを特徴とする
    請求項10乃至14のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断
    方法。
  16. 【請求項16】 前記骨及び前記物体からの1次反射波
    信号のみを抽出するためのゲート関数g(t)と、前記
    エコー信号Smn(t)とを乗算するゲート処理手段を備
    えてなることを特徴とする請求項10乃至15のいずれ
    か1に記載の骨粗鬆症診断方法。
  17. 【請求項17】 前記ゲート関数g(t)は、前記エコ
    ー信号Smn(t)のうち、前記1次反射波信号と推定さ
    れる部分で振幅が略1で、その他の部分で振幅が略0の
    矩形窓を示す関数、又は式(11)で示される正規関数
    であることを特徴とする請求項16記載の骨粗鬆症診断
    方法。 【数11】 式(11)において、t0はエコー信号Smn(t)が最
    大振幅になる時間、τは350μsecである。
  18. 【請求項18】 前記エコー信号検出手段は、前記所定
    周波数範囲内において、前記超音波変換要素から送信さ
    れた超音波パルスが前記骨又は前記物体まで伝搬される
    最長時間をTとした場合の(1/8T)より十分小さい
    周波数間隔で前記超音波パルスの周波数を変更して周波
    数毎の前記(N×N)個のエコー信号Smn(t)を検出
    することを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1
    に記載の骨粗鬆症診断方法。
  19. 【請求項19】 測定部位となる前記骨は、腰椎、上腕
    骨、脛骨、踵骨又は大腿骨頸部であることを特徴とする
    請求項10乃至18のいずれか1に記載の骨粗鬆症診断
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100448408C (zh) * 2006-12-04 2009-01-07 天津大学 定量测量骨矿密度超声波探头
JP2009153945A (ja) * 2007-12-28 2009-07-16 Furuno Electric Co Ltd 骨厚み測定装置
US7916921B2 (en) 2004-10-19 2011-03-29 Hiroshima University Independent Administrative Agency Osteoporosis diagnosis support device

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