JP4066024B2 - テンションリング、及びテンションリングの取り付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の屋根架構に備えられるテンションリング、及びテンションリングの取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、屋根架構には、特許文献1に示すように、束材により吊り下げられテンションリング本体を備える構成が用いられている。該テンションリング本体の外周と屋根架構の外周縁を連結するように複数の緊張材を配置し、テンションリング本体に外方向の引張力を作用させる場合には、テンションリング本体の剛性を高めることを目的として、その内方に複数の補剛部材が設置される場合が多い。該補剛部材は、あらかじめ張力を導入することにより、常時状態においてテンションリング本体に外方への過剰な引張力が作用するとこれに抵抗してテンションリング本体の変形を防止するといった、テンションリング本体の補剛機能を有するものである。
このような補剛部材を備えたテンションリングの取り付け方法は、屋根架構に設置されたテンションリング本体の内方に補剛部材を配置し、該補剛部材に張力を導入した状態で、テンションリング本体の外周面に設置されている複数の引張材に張力を導入するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−201713号公報(図3参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなテンションリングの取り付け方法では、引張材に張力を導入する段階で補剛部材に圧縮力が生じやすい。このように取り付け時のみにかかわらず、いずれかの外乱等により該補剛部材に圧縮力が作用すると、弛みや座屈が発生して期待している機能を果たせいない場合が多い。また、補剛部材の弛みや座屈は、構造物自身の美観をも損なうこととなる。
そこで、補剛部材に圧縮力を作用させないことを目的に、引張材に張力を導入する段階で生じる圧縮力をあらかじめ推定し、これに見合う張力量を引張材に張力を導入以前の補剛部材に導入する方法が検討されている。しかし、このような方法では、補剛部材に導入する張力が過大な量となるため、補剛部材が備えられているテンションリング本体の剛性を高める必要が生じ、不経済になりやすい。一方、引張材への張力の導入後に、補剛部材に張力を導入する方法をとると、補剛部材への圧縮力が増大しているため、ターンバックル等を用いるような簡略な張力導入方法では、補剛部材に張力を導入することができない。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、補剛部材に圧縮力が生じることなく、経済的に設計の可能なテンションリング及びテンションリングの取り付け方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のテンションリングは、構造物の屋根架構に備えられるテンションリングであって、前記屋根架構の下方に配置される環状のテンションリング本体と、該テンションリング本体を、前記屋根架構に支持する剛体よりなる複数の束材と、テンションリング本体の外周面より放射状に延在し、前記屋根架構の外周縁に連結する複数の引張材と、前記テンションリング本体の内方に複数設置され、該テンションリング本体の剛性を確保するための補剛部材により構成され、該補剛部材と前記テンションリング本体とを連結する連結部材には、補剛部材に圧縮力が作用した際に、圧縮力を逃がす圧縮力開放機構を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2記載のテンションリングは、前記連結部材に備えられる圧縮力開放機構には、前記補剛部材の端部を嵌合する固定孔が用いられており、該固定孔が、補剛部材の延在する方向に伸びる長孔に形成されることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載のテンションリングの取り付け方法は、構造物の屋根架構に備えられるテンションリングの取り付け方法であって、複数の束材を介して、テンションリング本体を屋根架構に支持するとともに、テンションリング本体と屋根架構の両者を複数の仮支柱で支持しながら屋根架構を構造物の所定位置に建て込む第1の工程と、テンションリング本体の内周面の所定位置に備えられた連結部材に、複数の補剛部材を設置し、該補剛部材に所定量の張力を導入した後、前記テンションリング本体のみを仮支柱より開放し、テンションリング本体の外周面に一端が固定された複数の引張材の他端を屋根架構の外周縁に固定し、該引張材に所定量の張力を導入する第2の工程と、さらに、前記補剛部材に所定量の張力を導入した後、屋根架構を支持する前記仮支柱を撤去する第3の工程により構成されることを特徴とするテンションリングの取り付け方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のテンションリング、及びテンションリングの取り付け方法を、図1から図6に示す。本発明は、テンションリング本体の内周面の所定位置に一体的に設けられており、補剛部材を連結する連結部材に圧縮力解放機構を備えることにより、常時状態でテンションリング本体の補剛に最適な張力が導入されている補剛部材に対して、過剰な圧縮力が作用した際にも、圧縮力解放機構を介して圧縮力を逃がすことができるため、過剰な張力を導入することなく補剛部材の座屈を防止できるものである。
【0010】
図1(a)に示すように、構造物1は、外周架構2と屋根架構3とを備えている。外周架構2は、平板型立体トラス構造を垂直に立設することにより構成されており、長さ方向で中間部から一端側にむかって離間間隔が段階的に拡幅するように2体が対をなして向かい合うように配置されている。ここで、平板型立体トラス構造は、図2(a)に示すように、鋼管よりなる弦材4及び斜材5を、球体状のハブ6を介して連結したもので、多目的ドームやアリーナの屋根架構等に広く用いられているものである。
【0011】
一方、前記屋根架構3も外周架構2と同様の平板型立体トラス構造により構成されており、図2(b)に示すように、平板型立体トラス構造を水平に配置した上で、複数の上弦材本体7aが水平方向に連接されることにより形成された上弦材7、これと同様に複数の下弦材本体8aが水平方向に連接されることにより形成された下弦材8が、それぞれ上方に湾曲した形状を有している。
【0012】
このような屋根架構3には、図1(a)に示すように、テンションリング9が備えられている。該テンションリング9は、テンションリング本体10、複数の束材12、複数の引張材13、及び複数の補剛部材14を備えている。前記テンションリング本体10は、図1(b)に示すように、前記屋根架構3の下方に配置されており、剛体よりなる前記束材12を介して屋根架構3の下弦材8に支持されている。
このとき、図3に示すように、前記束材12は、前記テンションリング本体10の上端に一体的に設置されている束材取付け金具11に一端を固定されている。また、前記引張材13は、一端を該テンションリング本体10の内方に備えられた引張材保持部材10aに固定手段を介して固定されて、外周面より突出して延材し、他端を前記屋根架構3の外周縁近傍に固定されている。
これら引張材13は、図4(a)に示すように、テンションリング本体10に設けられた4箇所の引張作用領域C1各々より、複数が放射状に延在するように配置されており、引張作用領域C1の配置位置や数量、及び引張材13の本数は、テンションリング本体10に均等な外方への張力を付与することができるとともに、所定の張力量を確保できれば何れを用いても良い。
【0013】
上述する構成のテンションリング9は、前記引張材13に適切な張力を導入することにより、前記束材12を介して前記屋根架構3に上方への反力を付与することができることから、屋根架構3の部材応力を低減することができるため、鉛直荷重が作用することにより生じやすい屋根架構3の変形を抑制することができるものである。これにより、自重や雪荷重等の鉛直荷重に対して前記屋根架構3は、変形の生じにくい安全な構造を構築することができるものである。
【0014】
ところで、図4(a)に示すように、上述するテンションリング9には、前記テンションリング本体10の内方に、テンションリング本体10を補剛する補剛部材14が設置されている。本実施の形態において、該補剛部材14は、テンションリング本体10の内周面に所定の離間間隔をもって設けられた、5箇所の連結部材15を介して平面視で星形を形成するように複数が連結されている。
これら連結部材15は、図4(b)に示すように、前記テンションリング本体10の内周面より水平方向に突出するように、等間隔で一体的に設けられており、該連結部材15に備えられた固定孔16に前記補剛部材14の端部が連結されている。該連結部材15に連結された補剛部材14には、ターンバックル17が備えられて、該ターンバックル17により所定量の張力が導入されている。したがって、例えば降雪等の外的要因により、テンションリング本体10に過剰な外方への引張力が生じると、前記補剛部材14が抵抗してテンションリング本体10の変形を抑制するものである。
なお、前記ターンバックル17は、一般に用いられているものと同様で、トルクレンチを回転することにより張力導入を行えるものである。
【0015】
本実施の形態において、前記テンションリング本体10には、先にも述べたように、内周面に5箇所の連結部材15が配置され、該連結部材15を介して平面視で星形を形成するように5本の補剛部材14が配置されている。これは、図4(a)に示すように、前記テンションリング本体10に引張力が作用する可能性の高い部位、つまり4箇所の引張作用領域C1の領域内各々に連結部材15を配置するとともに、この4箇所を利用しつつ、テンションリング本体10全体に均等な大きさの引張力を中心点O方向に生じさせることを目的に、さらに、連結部材15を1箇所追加して5カ所とし、前記5本の補剛部材14を平面視で星形に配置したものである。
【0016】
しかし、前記連結部材15の配置位置や数量、及び補剛部材14の配置や本数はこれにこだわるものではなく、少なくとも前記テンションリング本体10に過剰な外方への引張力が作用する可能性の高い部位、つまり引張作用領域C1の領域内各々に連結部材15を配置し、かつこれら連結部材15を利用して、テンションリング本体10全体に均等な大きさの引張力を、テンションリング本体10の中心点O方向に生じさせることができる構成であれば、何れを用いても良い。なお、前記連結部材15と前述した束材取付け金具11は、図4(b)に示すように、前記テンションリング本体10において、同一断面の外周上に配置している。
【0017】
また、前記連結部材15に備えられている固定孔16は、図4(b)に示すように、連結している補剛部材14の延在方向に伸びる長孔に形成されている。このような構成は、常時状態では、補剛部材14の端部が、連結部材15の先端部に最も近い固定孔の一端16aに連結されているが、外的要因により前記テンションリング本体10に変形を生じさせるような過剰な外力が生じて、補剛部材14に圧縮力が作用すると、補剛部材14の端部が、連結部材15の取合い部に最も近い固定孔の他端16bに移動し、図5に示すように、補剛部材14に作用する圧縮力を開放するものである。このように、連結部材15の固定孔16を、連結する補剛部材14の延在方向に伸びる長孔に形成する構成は、圧縮力解放機構として機能するものである。なお、前記連結部材15に備えられる圧縮力解放機構は、上述するものに限るものではなく、補剛部材14に作用する圧縮力を開放することの可能な構成であれば、何れを用いても良い。
【0018】
このようなテンションリング9を屋根架構3に取り付ける際の取り付け方法を図6を参照して以下に詳述する。
第1の工程では、構造物1を構成する外周架構2を構築するとともに、平板状立体トラス構造の屋根架構3を地組する。なお、本実施の形態において、前記外周架構2は、屋根架構3と同様の平板状立体トラス構造に構築しているが、必ずしもこれにこだわるものではなく、前記屋根架構3を支持できる構成を有していれば、何れを用いても良い。
次に、前記屋根架構3に対して、その下方でテンションリング本体10を位置決めし、テンションリング本体10が屋根架構3に支持するように、屋根架構3の下弦材8と、テンションリング本体10の上端に備えられた束材取り付け部材11とを複数の束材12を介して連結する。この後、図6(a)に示すように、前記屋根架構3及びテンションリング本体10を仮支柱18、18aで支持した状態で、前記外周架構2の上部に建て込む。
なお、前記屋根架構3及び前記テンションリング本体10の両者を支持する位置には前記仮支柱18、テンションリング本体10の内方中央部で屋根架構3のみを支持する位置には仮支柱18aが配置されている。
【0019】
第2の工程では、図6(b)に示すように、前記テンションリング本体10の内方にあらかじめ設置されている連結部材15を介して、複数の補剛部材14を適切な位置に配置し、補剛部材14の端部を前記固定孔の一端16aに嵌合する。この後、前記ターンバックル17を用いて、複数の補剛部材14に対して同時一斉に所定量の張力を導入する。
次いで、図6(c)に示すように、前記テンションリング本体10のみを仮支柱18より開放した上で、前記テンションリング本体10の外周面に備えられた複数の引張作用領域C1各々の近傍に、複数の引張材13の一端を固定手段を介して固定し、該引張材13が、引張作用領域C1を中心に放射状に延在するように、他端を前記屋根架構3の外周縁に固定手段を介して固定する。
次に、図示しない油圧ジャッキを用いてこれら複数の引張材13に対して、同時一斉に所定量の張力を導入する工程を段階的な張力量をもって複数回繰り返す。なお、前記油圧ジャッキは、張力管理を自動制御するものである。
【0020】
第3の工程では、前記テンションリング本体10の内方中央部で屋根架構3のみを支持する仮支柱18aをジャッキダウンすることで、さらに引張材13への張力を増加させる。この後、第2の工程で張力が減じた前記補剛部材14や、その後の工程あるいは外乱により張力の減少が予想される補剛部材14に再度張力を導入した上で、図6(d)に示すように、前記屋根架構3を支持している仮支柱18aを撤去する。
【0021】
上述する構成によれば、テンションリング本体10に補剛部材14を設置するための前記連結部材15には、圧縮力解放機構が備えられることから、補剛部材14は圧縮力が作用することを考慮せず、テンションリング本体10の補剛に最適な張力量のみを考慮すればよいため、補剛部材14及びテンションリング本体10の両者に対して経済的な設計を実施することが可能となる。
【0022】
また、前記連結部材15の圧縮力解放機構には、前記補剛部材14の端部を連結する固定孔16が用いられており、該固定孔16が長孔に形成されたことから、常時状態において補剛部材14の端部を、連結部材15の先端部に最も近い固定孔の一端16aに嵌合させておくことにより、外的要因により前記テンションリング本体10に変形を生じさせるような過剰な外力が生じて、補剛部材14に圧縮力が作用した場合には、補剛部材14の端部が連結部材15の取り合い部に最も近い固定孔の他端16bに移動することにより、補剛部材14に作用する圧縮力を開放でき、簡略な構成で補剛部材14の弛みや座屈を防止することが可能となる。
【0023】
また、前記テンションリング9の取り付け方法によれば、前記テンションリング本体10への補剛部材14の設置について、屋根架構3が仮支柱18aに支持された状態で、テンションリング本体10の内方に補剛部材14を設置して張力を導入し、屋根架構3に取り付けられたテンションリング本体10の引張材13に必要量の張力を導入した後に、さらに補剛部材14に所定量の張力を導入し、この後、屋根架構3を支持する仮支柱18aを撤去することから、従来の工法のような引張材13への張力時に補剛部材14を座屈させることがないため、補剛部材14に期待されるテンションリング本体10の補剛機能を効率的に発揮させることが可能となる。
このように、施工段階において前記補剛部材14に座屈が生じることを考慮する必要がないため、補剛部材14に特別な部材を用いる必要が無く、その形状もスレンダーで軽快感を有するものを適用でき、コストを大幅に削減できるとともに、美観に配慮することが可能となる。
また、前記補剛部材14を設置した後、仮支柱18を撤去すればよいため、工程に影響を与えることがないとともに、前記補剛部材14への張力の導入後に、屋根架構3を支持する仮支柱18aを撤去することから、前記補剛部材14への張力の導入が前記ターンバックル17により実施できるため、新たな動力を必要としないため施工性が良く、工費削減、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載のテンションリングによれば、構造物の屋根架構に備えられるテンションリングであって、前記屋根架構の下方に配置される環状のテンションリング本体と、該テンションリング本体を、前記屋根架構に支持する剛体よりなる複数の束材と、テンションリング本体の外周面より放射状に延在し、前記屋根架構の外周縁に連結する複数の引張材と、前記テンションリング本体の内方に複数設置され、該テンションリング本体の剛性を確保するための補剛部材により構成され、該補剛部材と前記テンションリング本体とを連結する連結部材には、補剛部材に圧縮力が作用した際に、圧縮力を逃がす圧縮力開放機構を備えることから、補剛部材は圧縮力が作用することを考慮せず、テンションリング本体の補剛に最適な張力量のみを考慮すればよいため、補剛部材及びテンションリング本体の両者に対して経済的な設計を実施することが可能となる。
【0025】
請求項2記載のテンションリングによれば、前記連結部材に備えられる圧縮力開放機構には、前記補剛部材の端部を嵌合する固定孔が用いられており、該固定孔が、補剛部材の延在する方向に伸びる長孔に形成されることから、常時状態において補剛部材の端部を、連結部材の先端部に最も近い固定孔の一端に嵌合させておくことにより、外的要因により前記テンションリング本体に変形を生じさせるような過剰な外力が生じて、補剛部材に圧縮力が作用した場合には、補剛部材の端部が連結部材の取り合い部に最も近い固定孔の他端に移動することにより、補剛部材に作用する圧縮力を開放でき、簡略な構成で補剛部材の弛みや座屈を防止することが可能となる。
【0026】
請求項3記載のテンションリングの取り付け方法は、構造物の屋根架構に備えられるテンションリングの取り付け方法であって、複数の束材を介して、テンションリング本体を屋根架構に支持するとともに、テンションリング本体と屋根架構の両者を複数の仮支柱で支持しながら屋根架構を構造物の所定位置に建て込む第1の工程と、テンションリング本体の内周面の所定位置に備えられた連結部材に、複数の補剛部材を設置し、該補剛部材に所定量の張力を導入した後、前記テンションリング本体のみを仮支柱より開放し、テンションリング本体の外周面に一端が固定された複数の引張材の他端を屋根架構の外周縁に固定し、該引張材に所定量の張力を導入する第2の工程と、さらに、前記補剛部材に所定量の張力を導入した後、屋根架構を支持する前記仮支柱を撤去する第3の工程により構成される。
これにより、従来の工法のような引張材への張力時に補剛部材を座屈させることがないため、補剛部材に期待されるテンションリング本体の補剛機能を効率的に発揮させることが可能となる。
このように、施工段階において前記補剛部材に座屈が生じることを考慮する必要がないため、補剛部材に特別な部材を用いる必要が無く、その形状もスレンダーで軽快感を有するものを適用でき、コストを大幅に削減できるとともに、美観に配慮することが可能となる。
また、前記補剛部材を設置した後、仮支柱を撤去すればよいため、工程に影響を与えることがないとともに、前記補剛部材への張力の導入が前記ターンバックルにより実施できるため、新たな動力を必要としないため施工性が良く、工費削減、工期短縮に大きく寄与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るテンションリングが備えられた屋根架構の概略を示す図である。
【図2】 本発明に係るテンションリングが備えられた屋根架構、及び外周架構の詳細を示す図である。
【図3】 本発明に係るテンションリングの詳細(その1)を示す図である。
【図4】 本発明に係るテンションリングの詳細(その2)を示す図である。
【図5】 本発明に係る補剛部材に圧縮力が生じた際の補剛部材の挙動を示す図である。
【図6】 本発明に係るテンションリングの構築方法を示す図である。
【符号の説明】
1 構造物
2 外周架構
3 屋根架構
4 弦材
5 斜材
6 ハブ
7 上弦材
7a 上弦材本体
8 下弦材
8a 下弦材本体
9 テンションリング
10 テンションリング本体
11 束材取り付け部材
12 束材
13 引張材
14 補剛部材
15 連結部材
16 固定孔
17 ターンバックル
18 仮支柱
Claims (3)
- 構造物の屋根架構に備えられるテンションリングであって、
前記屋根架構の下方に配置される環状のテンションリング本体と、
該テンションリング本体を、前記屋根架構に支持する剛体よりなる複数の束材と、
テンションリング本体の外周面より放射状に延在し、前記屋根架構の外周縁に連結する複数の引張材と、
前記テンションリング本体の内方に複数設置され、該テンションリング本体の剛性を確保するための補剛部材により構成され、
該補剛部材と前記テンションリング本体とを連結する連結部材には、補剛部材に圧縮力が作用した際に、圧縮力を逃がす圧縮力開放機構を備えることを特徴とするテンションリング。 - 請求項1に記載のテンションリングにおいて、
前記連結部材に備えられる圧縮力開放機構には、前記補剛部材の端部を嵌合する固定孔が用いられており、該固定孔が、補剛部材の延在する方向に伸びる長孔に形成されることを特徴とするテンションリング。 - 構造物の屋根架構に備えられるテンションリングの取り付け方法であって、
複数の束材を介して、テンションリング本体を屋根架構に支持するとともに、テンションリング本体と屋根架構の両者を複数の仮支柱で支持しながら屋根架構を構造物の所定位置に建て込む第1の工程と、
テンションリング本体の内周面の所定位置に備えられた連結部材に、複数の補剛部材を設置し、該補剛部材に所定量の張力を導入した後、前記テンションリング本体のみを仮支柱より開放し、テンションリング本体の外周面に一端が固定された複数の引張材の他端を屋根架構の外周縁に固定し、該引張材に所定量の張力を導入する第2の工程と、
さらに、前記補剛部材に所定量の張力を導入した後、屋根架構を支持する前記仮支柱を撤去する第3の工程により構成されることを特徴とするテンションリングの取り付け方法。
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