JP4065666B2

JP4065666B2 - 高耐クレータ性高強度焼結体

Info

Publication number: JP4065666B2
Application number: JP2000598460A
Authority: JP
Inventors: 暁久木野; 朋弘深谷; 順一白石; 哲男中井
Original assignee: Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Current assignee: Sumitomo Electric Hardmetal Corp
Priority date: 1999-02-12
Filing date: 2000-02-10
Publication date: 2008-03-26
Anticipated expiration: 2020-02-10
Also published as: DE60044870D1; CA2361717A1; EP1184354B1; KR20010102070A; CN1240641C; ZA200106286B; CN1340039A; EP1184354A1; KR100614177B1; EP1184354A4; CA2361717C; US6635593B1; WO2000047537A1

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高耐クレータ性高強度焼結体に関するものである。特に、耐摩耗性および耐欠損性が改良された切削工具用の高圧相型窒化硼素基焼結体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
立方晶窒化硼素（以下、cBNという）に代表される高圧相型硼素は、ダイヤモンドに次ぐ高硬度物質であり、cBN基焼結体は種々の切削工具、耐摩耗部品、耐衝撃部品などに使用されている。
【０００３】
この種の焼結体では硬度と強度の両立が難しく、この両立を目的とした技術として、例えば特公昭62-25630号公報、特公昭62-25631号公報、特開平5-186272号公報に記載のものが挙げられる。これらの公報に記載の焼結体は、耐欠損性に優れ、焼入鋼の断続切削で優れた性能を示すとあるが、その切削条件は切削速度Ｖが100m／min程度である。
【０００４】
上記の焼結体でも切削速度Vが150m／min以上の焼入鋼における高速断続切削のように刃先の温度が高温になり、かつ衝撃が大きい用途では、クレーター摩耗の発達、クレータ部の亀裂の発生がみられ、短寿命で欠損に至る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の主目的は、焼入鋼高速断続切削のように、刃先温度が高温となり衝撃が大きい条件でも、耐クレーター性に優れ、長寿命を発揮する焼結体を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の高耐クレータ性高強度焼結体は、高圧相型窒化硼素と結合材とを含む高耐クレータ性高強度焼結体である。焼結体において、高圧相型窒化硼素は50体積％〜78体積％含まれ、残部が結合相からなる。この結合相はTiの窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、Alの窒化物、硼化物、酸化物、Wの炭化物、硼化物、Coの窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、Niの炭化物、硼化物から選択された少なくとも1種もしくは相互固溶体からなる。また、この結合相は焼結体組織中で連続している。そして、焼結体中に化合物として存在するAl、W、Co、Niの金属成分の重量が焼結体中で3％〜20％である。これらの化合物は、結合相を構成する。なお、本発明焼結体に不可避不純物が含まれても良いことは言うまでもない。
【０００７】
本発明は、高圧相型窒化硼素が 50 体積％〜 78 体積％と残部が結合相からなり、
前記結合相は Ti の窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、 Al の窒化物、硼化物、酸化物、 W の炭化物、硼化物、 Co の窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、 Ni の炭化物および硼化物から選択された少なくとも１種もしくは相互固溶体からなり、
前記結合相は焼結体組織中で連続し、
焼結体中に化合物として存在する Al 、 W 、 Co および Ni の金属成分の合計重量が焼結体に対して 3 重量％〜 20 重量％であり、
焼結体中に化合物として存在する W 、 Co 、 Ni の金属成分の重量が焼結体中で 1 重量％〜 10 重量％であり、 W 、 Co 、 Ni の重量の比「 W ／（ W ＋ Co ＋ Ni ）」が 0.2 以上 0.6 以下で、かつ「 Co ／（ Co ＋ Ni ）」が 0.6 以上 0.95 以下の範囲であり、 W 、 Co および Ni のそれぞれが必須成分であることを特徴とする高耐クレーター性高強度焼結体を提供する。
【０００８】
焼入鋼の高速断続切削のように、刃先温度が高温となり、クレーター摩耗の発達、クレーター部の亀裂発生から欠損に至る用途では、高温により結合相の強度が低下し、刃先への衝撃のために、結合相に発生する微細な亀裂や、高圧相型窒化硼素と結合相の界面に生じる微細な亀裂等が生じ、この亀裂が衝撃により成長、進展して刃先が欠損に至ると考えられる。
【０００９】
高圧相型窒化硼素の量は、焼結体に対して50体積％〜78体積％、例えば６０〜７５体積％、特に６３〜７２体積％である。50％より少ないと焼結体の硬度が低下し、高圧相型窒化硼素基焼結体の特徴が弱くなり、短寿命となる。78％以上では結合相の量が少なくなり、高圧相型窒化硼素と結合相の結合強度が弱く、焼結体の強度が低下する。
【００１０】
結合相は、Tiの窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、Alの窒化物、硼化物、酸化物、Wの炭化物、硼化物、Coの窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、Niの炭化物、硼化物から選択された少なくとも1種もしくは相互固溶体からなる。結合相は焼結体組織中で連続している。
【００１１】
このような組成の結合相は、高温で厳しい衝撃が負荷される用途で強度が高いことに加え、高圧相型窒化硼素との結合力が高く、焼結体の強度が高い。高温で衝撃が負荷された際に、結合相は、微細な亀裂の発生が少なく、また亀裂も進展しにくいと考えられる。結合相が連続していることにより、高圧相型窒化硼素と結合相の結合力、高圧相型窒化硼素を保持する力はさらに高くなる。
【００１２】
焼結体中に化合物として存在するAl、W、CoおよびNiの金属成分の合計量は焼結体に対して、3重量％〜20重量％、例えば５〜１５重量％、特に５〜１２重量％である。これらAl、W、Co，Niの化合物は、焼結体を製造する焼結工程で結合材中に含まれる金属成分が高圧相型窒化硼素と反応して生成するか、もしくは結合材にもともと含まれるものである。これら化合物には、高圧相型窒化硼素と結合相の界面の強度を向上させる効果や、結合相の強度を向上させる効果がある。
【００１３】
これら化合物のAl、W、Co、Ni金属成分の量が、3重量％より少なくなると上記の効果が少なく、焼結体の強度が低下する。しかし、20重量％以上となると、焼結体の耐熱性が低下し、好ましくない。
【００１４】
焼結体中に化合物として存在するAl金属成分の重量は、焼結体に対して2重量％〜10重量％、例えば４〜８重量％であることが好ましい。Alは特に高圧相型窒化硼素との反応性が高く、結合強度向上の効果が高い。Alは特に酸化されやすい元素であるため、焼結体中にAl₂O₃の生成が観察されることがある。
【００１５】
焼結体中に化合物として存在するW、CoおよびNiの金属成分の合計量が焼結体に対して1重量％〜10重量％、例えば５〜７重量％であることが好ましい。W，CoおよびNiは高圧相型窒化硼素やその他の物質と反応し、結合強度を向上するとともに、Tiの窒化物、炭化物、炭窒化物に固溶し、結合相を強化すると考えられる。
【００１６】
W、Co、Niの重量の比「W／（W＋Co＋Ni）」が0．2以上0．6以下、例えば０．２〜０．４で、および／または「Co／（Co＋Ni）」が0.6以上0.95以下、例えば０．７５〜０．９５の範囲であることが好ましい。W、Co、Niの重量の比により、焼結体中に生成するW、Co、Niの化合物が変化し、その強度や耐熱性が変化すると推定される。W、Co、Niの量が図1に斜線で示された範囲内にある場合に、焼結体のの強度および耐熱性が、より優れている。
【００１７】
W、Co、Ni、WC等は、混合、粉砕工程において超硬合金製ボール等から混入してくるものを含む。従って、混合、粉砕の時間と上記金属等の混入量とは比例するので、その混入量を予め予測する。目標量に不足する上記金属の量を、粉末を用いて添加することによって、本発明の焼結体を得ることができる。
【００１８】
高圧相型窒化硼素が被覆材、特に無機物質で覆われていてよい。この被覆材がTiの窒化物、硼化物、Alの窒化物、硼化物から選択される少なくとも1種もしくは相互固溶体からなることが好ましい。被覆の膜厚は、1nm〜５00nm、例えば10nm〜100nmであってよい。被覆を形成するには、化学気相合成法（CVD）、物理気相合成法（PVD）、無電解めっきなどを利用することができる。被覆材は高圧相型窒化硼素と結合相の結合力を高める効果があると考えられる。
【００１９】
高圧相型窒化硼素粒子を少なくとも100個以上含有しているどの領域においても、高圧相型窒化硼素粒子同士が直接接触している高圧相型窒化硼素粒子の数の比率が0.1％〜20％、例えば０．２〜１０％であるような組織を焼結体が有することが好ましい。
【００２０】
焼結体は、超高圧装置を用いて、結合材粉末とｃＢＮ粉末を混合し、圧力３〜１０ＧＰａ、温度７００〜２０００℃で１０〜１２０分加圧して焼結して得られる。
【００２１】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【００２２】
参考例
表１に記載のTiの炭化物や窒化物、炭窒化物の粉末とAl粉末を混合し、これを真空炉中で1000℃で30分間保持した。これをボールミルにより粉砕し、結合材粉末を得た。
結合材粉末をXRD（X-ray diffraction）により調べたところ、Tiの炭化物や窒化物、Ti₂AlN、TiAl₃、TiAlが検出された。また、結合材粉末の組成は、仕込み粉末の組成と同様であった。
この結合材に、平均粒径4.3μｍのcBN粉末とW粉末、WC粉末、Co粉末、Ni粉末を種々の配合比で混合し、真空炉中で1000℃に20分間保持し、脱ガスした。さらに、この粉末を圧力4.5GPa、1400℃、３０分間の条件で焼結した。
【００２３】
このようにして得られた焼結体をXRD（X-ray diffraction）で調べ、検出された化合物を表1に示す。さらに原子発光分析で、化合物として存在しているAl、W、Co、Niの金属成分の焼結体中での重量％の測定結果と、cBNの焼結体中での体積％を表１に示す。これら焼結体の組織を観察すると、結合相が連続していた。本明細書において、「結合相が連続する」とは、ｃＢＮ粒子が結合相によって保持されていることを意味する。言い換えると、結合相を、弗硝酸を用いて酸が蒸発しない密閉容器中で除去すると、焼結体の元の形状が保てなくなることを意味する。
【００２４】
次に、この焼結体から工具（ISO型番：SNGN160408）を形成し、下記の条件にて焼入鋼高速断続切削における欠損までの工具寿命を調べた。その結果を表１に示す。
【００２５】
被削材：浸炭焼入鋼 SCM415、HRC61
φ120×280L、被削材の軸方向に6本のV溝があり
切削条件：切削速度：V＝205m／min、切込み：d＝0.295mm
送り：f＝0.115mm／rev、DRY
【００２６】
【表１】

【００２７】
表１から明らかなように、Al、W、Co、Niの金属成分の含有量が３％未満の試料No.1-8および20％超の試料No.1-9は欠損寿命が非常に短い。
【００２８】
実施例１
Tiの窒化物粉末８０重量％とAl粉末１０重量％、WC−Co共晶粉末６重量％、Co粉末２重量％、Ni粉末２重量％を混合し、これを真空炉中において1020℃で32分間保持した。これをボールミルにより粉砕し、結合材粉末を得た。この結合材に、平均粒径3.9μｍのcBN粉末を表2に記載の体積％になるように種々の配合比で混合し、真空炉中で980℃に21分間保持し、脱ガスした。さらに、この粉末を圧力4.8GPa、1380℃、１５分間の条件で焼結した。
【００２９】
これらの焼結体で、焼結体中のAlの重量は2％〜10％であった。焼結体中でWとCo、Niの合計の重量％は1％〜10％であった。また、WとW，Co，Niの重量比「W／（W＋Co＋Ni）」は0.2以上0.6以下であり、CoとCo，Niの重量比「Co／（Co＋Ni）」は0.6以上0.95以下であった。
次に、この焼結体を工具（lSO型番：CNMA160412）にし、下記の条件で焼入鋼高速断続切削での欠損までの工具寿命を調べた。その結果を表２に示す。
【００３０】
被削材：浸炭焼入鋼 SCr420、HRC60
φ110×290L、被削材の軸方向に4本のU溝があり
切削条件：切削速度：V＝195m／min、切込み：d＝0.198mm
送り：f＝0.106mm／rev、DRY
【００３１】
【表２】

【００３２】
表２から明らかなように、cBNの含有量が少ないNo.2-1および同量が多いNo.2-9は、いずれも欠損寿命が非常に短い。
【００３３】
実施例２
表３に記載のTiの窒化物粉末とAl粉末を混合し、これを真空炉中にて976℃で34分間保持した。これをボールミルにより粉砕し、結合材粉末を得た。結合材粉末の組成は、仕込み粉末と同様であった。
この結合材に、平均粒径2.8μｍのcBN粉末とWC−Co共晶粉末、Co粉末、Ni粉末をcBN体積％が焼結体中で60％となるように種々の配合比で混合し、真空炉中にて962℃で26分間保持し、脱ガスした。さらに、この粉末を圧力4.7GPa、1420℃、１０分間の条件で焼結した。
【００３４】
原子発光分析で、化合物として存在しているAlの金属成分の焼結体中での重量％の測定結果を表3に示す。なお、Ａｌ、Ｗ、Ｃｏ、Ｎｉの金属成分の重量は焼結体中で３％〜２０％であった。
焼結体中でWとCo、Niの合計の重量％は1％〜10％であった。また、WとW、Co、Niの重量比「W／（W＋Co＋Ni）」は0.2以上0.6以下であり、CoとCo，Niの重量比「Co／（Co＋Ni）」は0.6以上0.95以下であった。
【００３５】
次に、この焼結体を工具（ISO型番：TNMA120408）にし、下記の条件にて焼入鋼高速断続切削での欠損までの工具寿命を調べた。その結果を表３に記載する。
【００３６】
被削材：浸炭焼入鋼 SNCM420、HRC59
φ115×315L、被削材の軸方向に8本のV溝があり
切削条件：切削速度：V＝212m／min、切込み：d＝0.235mm
送り：f＝0．123mm／rev、DRY
【００３７】
【表３】

【００３８】
表3から明らかなように、Alの重量％が２〜１０重量％の範囲にある場合に欠損寿命がより長い。
【００３９】
実施例３
Tiの窒化物の粉末８０重量％とAl粉末２０重量％を混合し、これを真空炉中で1012℃で30分間保持した。これをボールミルにより粉砕し、結合材粉末を得た。結合材粉末をXRD（X-ray diffraction）により調べたところ、Tiの炭化物や窒化物、Ti₂AlN、TiAl₃、TiAlが検出された。
焼結体中のcBNの含有量が６２体積％となるように、結合材に、平均粒径4.6μｍのcBN粉末とWやWC粉末、Co粉末、Ni粉末を種々の配合比で混合し、真空炉中で987℃に29分間保持し、脱ガスした。さらに、この粉末を圧力4.6GPa、1390℃、３０分間の条件で焼結した。
【００４０】
原子発光分析で、化合物として存在しているW、Co、Niの金属成分の焼結体中での重量％（各元素とその合計）の測定結果と、WとW，Co，Niの重量比「W／（W＋Co＋Ni）」、CoとCo、Niの重量比「Co／（Co＋Ni）」を表4に示す。
焼結体中でAlの重量％は2％〜10％であった。なお、Ａｌ、Ｗ、Ｃｏ、Ｎｉの金属成分の重量は焼結体中で３％〜２０％であった。
【００４１】
次に、この焼結体を工具（lSO型番：SNGN160408）にし、下記の条件にて焼入鋼高速断続切削における欠損までの工具寿命を調べた。その結果を表４に示す。
【００４２】
被削材：浸炭焼入鋼 SCM415、HRC61
φ95×185L、被削材の軸方向に4本のV溝があり
切削条件：切削速度：V＝194m／min、切込み：d＝0.268mm
送り：f＝0.097mm／rev、DRY
【００４３】
【表４】

【００４４】
表4に示すように、W＋Co＋Niの合計含有量が１〜１０重量％である場合、重量比「W／（W＋Co＋Ni）」が0.2〜0.6である場合、重量比「Co／（Co＋Ni）」が0.6〜0.95である場合、いずれも欠損寿命がより長い。
【００４５】
実施例４
Tiの窒化物を７５重量％と、Ａｌ粉末１５重量％、ＷＣ粉末３重量％、Ｃｏ粉末５重量％、Ｎｉ粉末２重量％を混合し、これを真空炉中で1000℃で30分間保持した。これをボールミルにより粉砕し、結合材粉末を得た。
この結合材粉末に、表5に記載のTiの窒化物や硼化物、Alの窒化物、硼化物、これらの相互固溶体を被覆した平均粒径4.3μｍのcBN粉末と、焼結体中のcBNの含有量が６３体積％となるように、混合し、真空炉中で1000℃に20分間保持し、脱ガスした。被覆はRFスパッタリングPVD装置を用い、各被覆層の膜厚は10nmから100nmであった。さらに、この粉末を圧力4.5GPa、1400℃の条件で焼結した。
【００４６】
得られた焼結体をAES（Auger Electron Spectroscopy）により分析を行い、cBN粒子同士の接触率を測定した。測定はcBN粒子を少なくとも100個以上含有している任意の領域において、他のcBN粒子と接触している粒子数の比率を算出することで行った。
これらの焼結体で、焼結体中のAlの重量％は2％〜10％であった。また、焼結体中でWとCo、Niの合計の重量％は1％〜10％であった。WとW，Co，Niの重量比「W／（W＋Co＋Ni）」は0.2以上0.6以下であり、CoとCo，Niの重量比「Co／（Co＋Ni）」は0.6以上0.95以下であった。
【００４７】
次に、この焼結体を工具（lSO型番：SNGN160408）にし、下記の条件にて焼入鋼高速断続切削における欠損までの工具寿命を調べた。その結果を表5に記載する。
【００４８】
被削材：浸炭焼入鋼 SCM440、HRC62
φ135×265L、被削材の軸方向に6本のU溝があり
切削条件：切削速度：V＝186m／min、切込み：d＝0.195mm、
送り：f＝0.105mm／rev、DRY
このとき、比較として、被覆せずに作製されている市販の焼結体の結果をあわせて表5に示す。
【００４９】
【表５】

【００５０】
表5に示すように、被覆がなくcBN粒子の接触率が20％を超える市販の焼結体は欠損寿命が短い。
【００５１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明焼結体によれば、切削速度Vが150m／min以上となる焼入鋼高速断続切削のように、刃先温度が高温となり衝撃が大きい条件でも、耐クレーター性に優れ、長寿命を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】強度および耐熱性にすぐれる重量比「W／（W＋Co＋Ni）」と重量比「Co／（Co＋Ni）」との範囲を示したグラフである。

Claims

高圧相型窒化硼素が50体積％〜78体積％と残部が結合相からなり、
前記結合相はTiの窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、Alの窒化物、硼化物、酸化物、Wの炭化物、硼化物、Coの窒化物、炭化物、炭窒化物、硼化物、Niの炭化物および硼化物から選択された少なくとも１種もしくは相互固溶体からなり、
前記結合相は焼結体組織中で連続し、
焼結体中に化合物として存在するAl、W、CoおよびNiの金属成分の合計重量が焼結体に対して3重量％〜20重量％であり、
焼結体中に化合物として存在するW、Co、Niの金属成分の重量が焼結体中で1重量％〜10重量％であり、W、Co、Niの重量の比「W／（W＋Co＋Ni）」が0.2以上0.6以下で、かつ「Co／（Co＋Ni）」が0.6以上0.95以下の範囲であり、 W 、 Co および Ni のそれぞれが必須成分であることを特徴とする高耐クレーター性高強度焼結体。
焼結体中に化合物として存在するAl金属成分の重量が焼結体中で2重量％〜10重量％であることを特徴とする請求項1に記載の高耐クレーター性高強度焼結体。
高圧相型窒化硼素粒子が被覆材で被覆され、
この被覆材がTiの窒化物、硼化物、Alの窒化物、硼化物から選択される少なくとも1種もしくは相互固溶体からなることを特徴とする請求項１または２に記載の高耐クレーター性高強度焼結体。
高圧相型窒化硼素粒子を少なくとも100個以上含有している任意の領域において、
高圧相型窒化硼素粒子同士が直接接触している高圧相型窒化硼素粒子の数の比率が0.1％〜20％である組織からなることを特徴とする請求項１、２または３に記載の高耐クレーター性高強度焼結体。