JP4065418B2 - 差込みコネクタのための固定装置 - Google Patents

Description

本発明は、差込みコネクタを支持体内に固定するための装置、特にアングルエレメントによって差込みコネクタ本体をＵ字形の支持体に固定するための装置であって、このアングルエレメント内に差込みコネクタ本体が保持部によって保持されており、この保持部内にピン状の固定エレメントが配置されている形式のものに関する。

この形式の保持装置は、保持枠内に保持されている差込みコネクタ接点挿入部を支持ケーシングに結合するために必要となる。

ドイツ連邦共和国特許実用新案第２９９０８４９０号明細書には、種々異なるタイプの差込みコネクタのための保持システムが示されている。この保持システムでは、側方部分が、異なる長さを有していてよい第１の独立体に固定可能になっており、この独立体は、摺動可能な堅固な保持体によってベースプレートに係止可能になっている。

差込みコネクタのためのさらに別の保持システムが公知である。この保持システムでは、差込みコネクタを保持するベースプレートが、ねじによって接点挿入部−保持体で保持されるが、固定のためには常に工具が必要となる。
ドイツ連邦共和国特許実用新案第２９９０８４９０号明細書

そこで本発明の課題は、冒頭に述べた形式の固定装置をさらに改良して、差込みコネクタを用いてケーブルコネクタを配電盤キャビネット（エンクロージャ）内に取り付けるために、簡単に取付け及び取外しができかつ安価に製造できる、工具なしの固定手段によって、差込みコネクタ本体を支持ケーシング内にできるだけ簡単かつ迅速に固定することができるようにすることである。

この課題を解決した本発明の手段によれば、アングルエレメントの角隅範囲にはスリットが設けられており、このスリット内に保持部が挿入可能になっており、スリットの下方には保持部の固定エレメントに対して軸方向に支柱が設けられており、この場合に支柱がスリットの下側縁部に対して離隔されて配置されており、支柱が長手方向に貫通する開口を有しており、この開口内にクランプエレメントが挿入可能になっており、この場合にクランプエレメントが長手方向孔を有しており、差込みコネクタ本体の方向へクランプエレメントを押し込む際に、ピン状の固定エレメントの端部がこの長手方向孔内に係合するようになっており、クランプエレメントに係止手段が設けられていて、この係止手段がクランプエレメントの仮組付け位置及び終端位置を可能にする。

本発明によって得られる利点は、特に後に対応コネクタプラグを差し込みたい差込みコネクタ本体を、まず工具を用いることなく支持体内に挿入可能になっており、この支持体が、いわゆるカバーレール、例えば配電盤キャビネット内に取り付けられるようになっていることにある。この場合、それぞれの組付け部分がシステム内に紛失不能に保持されていることが特に有利である。

差込みコネクタ本体の両方の固定側部には、ねじを備えた金属保持部が設けられおり、この金属保持部は、それぞれアングルエレメント内に押し込まれ、この場合に、堅固な結合を生ぜしめる係止装置が形成されている。

このために、金属保持部は、まず２つの一体成形部の間に形成されたスリットを通ってアングルエレメントの角隅範囲内に押し込まれ、この場合、同時にねじ端部が、スリットの下方に配置されている支柱に設けられた貫通開口内に突入する。

次いで、支柱内に摺動可能なクランプエレメントは、ねじ端部の方向へ摺動されて係止され、これによりアングルエレメントが差込みコネクタ本体に堅固に結合される。

クランプエレメントは有利には係止手段によって支柱内に保持され、これにより、２つの係止位置、すなわち、ａ）細長く形成されたクランプエレメントが支柱内の下側の位置に仮係止されており、この場合に、クランプエレメント本体の一部がまだアングルエレメントの下方に突出している仮組付け位置と、ｂ）クランプエレメントがねじ端部を介して摺動されて係止されていて、アングルエレメントの下側部分と同一平面をなしている位置とが設けられている。

有利には、ねじの代わりに安価に製造可能な固定手段、例えばピン又はボルトを金属保持部に挿入することもでき、この場合、紛失の危険のない組付けが行われる。

これにより、両一体成形部の間のスリットに、有利にはクランプ舌片が設けられており、このクランプ舌片が金属保持部を、常にこのクランプ舌片に向かい合う一体成形部に対して押圧する場合には、金属保持部における異なる薄板厚さの所定の許容誤差範囲を利用することができる。

アングルエレメントを備えた差込みコネクタ本体は、次いで支持体内に挿入され、この場合に、有利にはアングルエレメントの側部に一体成形された突出したピンが、支持体の側方部分に設けられた対応する切欠き内に摺動かつ係止可能になっている。

この場合、切欠きの１つは水平に構成されており、摺動後に差込みコネクタ本体の保持と旋回とを可能にするので、この差込みコネクタ本体を、有利には接続される電気的導線を差込むために好都合な位置へ旋回させることができる。

その他の切欠きが差込みコネクタ本体に対する水平方向に対してわずかな傾斜をもって構成されており、これらの切欠き内には第２のアングルエレメントの側部のピンが、差込みコネクタ本体を水平方向へ沈下させる際に挿入される。

簡単な係止機構によって、アングルエレメントの１つに設けられたラッチ突起が、支持体に設けられたラッチ機構の係止突起に係合することによって、差込みコネクタと支持体とは解離可能に保持される。

次に本発明の実施例を図示の実施例につき詳しく説明する。

図１は、２つのアングルエレメント２０と１つの支持体５０とを備えた差込みコネクタ本体１０の解体図を示している。この差込みコネクタ本体１０の外側にはアングル状の導電性の保持部１２が配置されており、この保持部１２には、保護接地接続部１６のための少なくとも１つのねじ継手が設けられている。さらに、保持部１２の角範囲には固定エレメント１４が設けられおり、この固定エレメント１４は紛失不能なクランプねじ、ピン又はボルトとして形成することができる。

この実施例で設けられているクランプねじは遊びを有しているが、しかし紛失不能に保持部１２に保持されている。

差込みコネクタ本体１０の両側にはアングルエレメント２０が設けられており、これらのアングルエレメント２０はそれぞれ保持部１２に被せ嵌め可能になっている。

さらにアングルエレメント２０には外側方向を向いたピン２６が設けられており、このピン２６は、支持体５０の側方部分５４に設けられた係止切欠き５６，５８内に挿入可能になっている。

支持体５０には、エンクロージャ若しくは配電盤キャビネット（Schaltschrank）又はこれに類するものにおいて保持するために、「カバーレール」（Hutschiene）で使用するための係止保持部５２が設けられている。

この図面からは、まずピン２６によって係止切欠き５６内に嵌め込まれた差込みコネク本体１０が、この差込みコネクタ本体に保持された個々の電気的な接続部を快適に配線することができる程度まで旋回させることができるようになっているという本発明の構造体の別の利点も明らかである。次いで、差込みコネクタ本体１０は、他の両側方部分５４の間に水平方向に旋回せしめられ、係止切欠き５８内に嵌め込まれる。

差込みコネクタ本体とアングルエレメントとが組み合わせられたものが、アングルエレメント２０のいずれか一方に設けられたラッチ突起２８によって、支持体５０のラッチ機構に一体成形された係止突起５１で係止される。

図２には、アングルエレメント２０の角範囲の１つが詳細図で示されており、この場合、軸方向に、貫通する開口３２を備えた支柱３０内にはクランプエレメント４０が配置されている。この図面に示した位置は、仮組付けされたアングルエレメントの位置に対応している。

横断面図で見ると四角形に成形された細長いクランプエレメント４０は内側に延びる長手方向孔４２を有しており、向かい合った２つの外面には半円形の溝４８が設けられており、これらの溝４８にはそれぞれ、クランプエレメントを係止するための支柱３０の内壁に設けられた半円形の隆起部３８が係合する。

さらに、クランプエレメント４０の、摺動方向に向いた端部には角隅の一体成形部４４が設けられている。この角隅の一体成形部４４は、四角形のクランプエレメントの他の部分に対して、２つの側壁より成る１つの角隅を越え出て、延長された形で構成されている。

長手方向孔４２はクランプエレメント４０を通って延びているので、角隅の一体成形部４４の内側は、１／４円筒よりも全体として幾らか多い円筒状の壁面を有している。

クランプエレメント４０の上方の、アングルエレメント２０の角隅範囲には２つの角隅面にわたる一方の、若しくは第１の一体成形部２１が配置されており、この一体成形部２１の、クランプエレメント４０に向いている側は、支柱３０の壁部に対して突出部２５を有している。

第１の一体成形部２１の壁面２１′は斜め若しくは円錐形に構成されており、大きい方の直径がクランプエレメント４０の方に向けられている。

同じくこの図面から判るように、一方の、若しくは第１の一体成形部の上方には、スリット２３によって隔離されたほぼ１／４円を有する、他方の、若しくは第２の一体成形部２２が設けられており、この一体成形部２２の壁面２２′は同様に円錐状に構成されているが、この場合、大きい方の円錐直径が外方向に（この場合には上方に）向けられている。

スリット２３内にはクランプ舌片２４が配置されている。このクランプ舌片２４は、第１の一体成形部２１から出発して、アングルエレメント２０の内壁に沿って第２の一体成形部２２の方へ、この一体成形部２２には接触することなしに延びている。

前記クランプ舌片２４は、アングルエレメント２０内への挿入時に異なる材料厚さによって保持部１２を堅固に保持し、特に最終組付け状態において差込みコネクタ本体の滑脱や振動を防止するために設けられている。

図３に示した角隅範囲の別の詳細図には、どのように差込みコネクタ本体１０のための保持部１２が両一体成形部２１，２２の間のスリット２３内に押し込まれるのかが示されている。

この場合、保持部若しくはこの保持部内に保持された固定エレメント１４の簡単な挿入行程のために、支柱３０の壁部には長手方向切欠き３４（図５参照）が設けられており、これにより、まず、固定エレメントの、保持部の下方に突出した端部１５が、保持部１２がそれぞれのスリット２３内に進入した状態まで、側方から支柱内に挿入可能になっている。

この場合、クランプエレメント４０の長手方向孔４２は、固定エレメント１４の端部の下方に直接に配置されている。

図３に続いて図４には、どのようにクランプエレメント４０が保持部１２の方向へ既に摺動されているのかが示されている。この場合、固定エレメント１４は長手方向孔４２内に係合し、隆起部３８がクランプエレメント４０の溝４８内に係合することによって、差込みコネクタ本体１０はアングルエレメント２０に最終的に確保されている。

組付け位置においてアングルエレメント２０から突出しているクランプエレメント４０の押込みは、手によって行われるか、又はアングルエレメント２０を備えた差込みコネクタ本体１０を平坦な取付け台に押圧し、これにより、角隅範囲に設けられているまだ外側へ突出しているクランプエレメント４０が、図３に示した下方の仮組付け位置から上方の終端位置へ摺動されることによって行われる。終端位置では、クランプエレメント４０の段面４６は、第１の一体成形部２１の突出した部分２５に当接し、この場合にクランプエレメント４０の押し込まれた端部はアングルエレメントと同一平面をなす。

しかしながら、遅くとも差込みコネクタ本体若しくはアングルエレメント２０のピン２６が係止切欠き５６内で係止された時には、クランプエレメント４０は、側方部分５４の内側に配置された一体成形部５５（図１参照）によって支柱３０内の終端位置に固定されている。係止切欠き５８内へのアングルエレメント２０の旋回挿入中に、クランプエレメント４０は必然的に一体成形部５５の方へ押し込まれて係止される。

図５は、差込みコネクタ本体の保持部１２が既に嵌め込まれ、係止された状態のアングルエレメント２０の角隅範囲の斜視図を示している。

保持部からは、クランプねじとして形成された固定エレメント１４のねじヘッドが突出しており、この固定エレメント１４の、ねじ山区分を有する下側の端部１５（この図では見えない）は、既にクランプエレメント４０の長手方向孔４２内に進入しており、これによって固定されている。保持部１２は、既に部分的にしか見えないクランプ舌片２４によって、第２の（上側の）一体成形部２２の下側縁部に当接していることが図から明らかである。

同様に、支柱３０に設けられた長手方向切欠き３４の機能性も明らかであり、アングルエレメント内に嵌め込まれた差込みコネクタ本体は、ねじ結合の場合のように上方から挿入されているのではなく、アングルエレメント２０の角隅範囲に設けられた、第１の一体成形部２１と第２の一体成形部２２との間のスリット２３内に、単純に側方から嵌込み可能になっており、この場合、クランプエレメント４０が支柱３０内の終端位置に摺動されていてこの終端位置に係止されるまで、クランプ舌片２４によって固定される。

支持体への固定装置を備えた差込みコネクタ本体の斜視解体図である。 アングルエレメントの角隅範囲の斜視図である。 仮組付けされたクランプエレメントを備えたアングルエレメントの角隅範囲を示す断面図である。 終端位置にあるクランプエレメントを備えたアングルエレメントの角隅範囲を示す断面図である。 終端位置にあるクランプエレメントを備えた角範囲の詳細斜視図である。

符号の説明

１０ 差込みコネクタ本体、 １２ 保持部、 １４ 固定エレメント、 １５ 端部、 １６ 保護接地接続部、 ２０ アングルエレメント、 ２１ 角隅の一体成形部、 ２１′ 壁面、 ２２ 角隅の一体成形部、２２′ ２３ スリット、 ２４ クランプ舌片、 ２６ ピン、 ２８ ラッチ突起、 ３０ 支柱、 ３２ 開口、 ３４ 長手方向切欠き、 ３８ 隆起部、 ４０ クランプエレメント、 ４２ 長手方向孔、 ４４ 角隅の一体成形部、 ４６ 段面、 ４８ 溝、 ５１ 係止突起、 ５２ 係止保持部、 ５４ 側方部分、 ５５ 一体成形部、 ５６ 切欠き、 ５８ 切欠き

Claims (7)

1. 差込みコネクタを支持体内に固定するための装置、特に差込みコネクタ本体（１０）をＵ字形の支持体（５０）に、アングルエレメント（２０）によって固定する装置であって、該アングルエレメント（２０）内に差込みコネクタ本体が保持部（１２）によって保持されており、該保持部内にピン状の固定エレメント（１４）が配置されている形式のものにおいて、前記アングルエレメント（２０）の角隅範囲にスリット（２３）が設けられており、該スリット（２３）内に保持部（１２）が嵌込み可能になっており、スリット（２３）の下方に、保持部（１２）の固定エレメント（１４）に対して軸方向に支柱（３０）が設けられており、該支柱（３０）が、前記スリットの下側縁部から離隔されて配置されており、支柱（３０）が、長手方向に、貫通する開口（３２）を有しており、該開口（３２）内に、クランプエレメント（４０）が押込み可能になっており、該クランプエレメントが、長手方向孔（４２）を有しており、差込みコネクタ本体の方向へのクランプエレメント（４０）の押込み時に、ピン状の固定エレメント（１４）の端部（１５）が、前記長手方向孔（４２）内に係合するようになっており、クランプエレメント（４０）に係止手段が設けられており、該係止手段が、クランプエレメントの仮組付け位置及び終端位置を可能にするようになっており、側方部分（５４）が、スリット（５６，５８）を有しており、該スリット（５６，５８）内で差込みコネクタ本体（１０）が、アングルエレメント（２０）から側方に突出したピン（２６）により旋回可能になっており、ラッチ突起（２８）と係止突起（５１）とによって係止可能に保持されていることを特徴とする、差込みコネクタを固定するための装置。
2. 係止手段が、支柱（３０）の開口（３２）に設けられた半円形の隆起部（３８）によって形成されており、該隆起部（３８）が、クランプエレメント（４０）の離隔された溝（４８）内に係合する、請求項１記載の固定装置。
3. クランプエレメント（４０）が、摺動方向に段状の角隅の一体成形部（４４）を有している、請求項１又は２記載の装置。
4. スリット（２３）が、アングルエレメント（２０）にそれぞれ離隔されて配置された２つの角隅の一体成形部（２１，２２）によって形成されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の固定装置。
5. 一方の一体成形部（２１）に、ばね弾性的なクランプ舌片（２４）が一体成形されており、該クランプ舌片（２４）が、他方の一体成形部（２２）の方に向けられている、請求項４記載の装置。
6. 支柱（３０）の壁部が、長手方向切欠き（３４）を有しており、該長手方向切欠き（３４）を通って、固定エレメント（１４）の端部が、側方から支柱内に嵌込み可能になっている、請求項１から５までのいずれか１項記載の固定装置。
7. 支持体（５０）の側方部分（５４）に、一体成形部（５５）が設けられており、該一体成形部（５５）が、支柱（３０）の内部でクランプエレメント（４０）の終端位置を確保する、請求項１から６までのいずれか１項記載の固定装置。

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