JP4065097B2 - 転炉製鋼法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱C精錬後のスラグの熱間での再利用を図るための転炉製鋼法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来での転炉における溶銑の精錬は、転炉へ高炉溶銑を装入し、生石灰を主体とするフラックス投入と、酸素吹錬により溶銑を脱P・脱Cし、鋼を溶製する方法が一般的であった。
その後、多工程にわたる精錬機能を転炉に集約して行い、溶銑のもつエネルギーロスを大幅に低減すると共に、転炉前後工程の固定費(設備費、労務費)の大幅な軽減を可能とする方法が、例えば特開平4−72007号公報に開示されている。
【0003】
該発明は、第一工程として溶銑を転炉に装入し、第二工程としてフラックス添加と酸素吹き込みを行って脱Si・脱P精錬を施し、所定のP含有量まで低減させ、第三工程として前記転炉を傾動して第二工程で生成したスラグを排出し、その後第四工程として同一転炉にてフラックス添加と酸素吹錬により、所定のC含有量まで脱Cを行い、第五工程として第四工程で生成したスラグを該転炉内に残したまま出鋼して再び第一工程へ戻り、前記第五工程までを繰り返し実施するもので、場合によっては、第四工程で生成したスラグを第一工程に戻さず、第五工程において出鋼した後、スラグを全量排出する方法である。
【0004】
また、特開平8−199218号公報には、上底吹き転炉型精錬装置を用いて、前チャージで生成したスラグを排出することなく受銑する工程(工程1)、溶銑の脱燐精錬工程(工程2)、排滓工程(工程3)、脱C工程(工程4)、出鋼工程(工程5)を連続して実施する転炉製鋼法において、工程5の後、スラグを炉内に残留させた状態で炉を直立させ、工程4と同一もしくは、他の上吹きランスから窒素、Ar、CO、CO2 の1種もしくは、2種以上を混合せしめたガスを吹き付けた後、工程1を実施する脱C滓をリサイクルする転炉製鋼法が記載されている。
【0005】
さらに、特開平4−72007号公報に開示されている技術は、溶銑の装入、脱P・脱S精錬、排滓、脱C精錬、出鋼、脱Cスラグを残したまま次チャージの溶銑装入、という工程を連続して行う溶鋼製造法である。
【0006】
一方、特開平5−25527号公報には連鋳滓および/または造塊滓と酸化鉄、さらに必要に応じて転炉滓とを含む脱燐剤を溶銑に添加し、所要の酸化力を有する溶滓を生成させ、該溶滓と溶銑とを撹拌することを特徴とする溶銑の脱燐方法が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平4−72007号公報による方法では、同一転炉を用いて脱P、脱C工程を続けて行うプロセスで実施するので、脱P工程から脱C工程へ移る際のエネルギーロスを少なくすることができ、また固定費(設備費、労務費)の大幅な軽減を可能にすることができる。
【0008】
ところが、第三工程でのスラグ排出量が少ないと、第二工程でスラグ中に除去したPが第四工程で再び溶鋼中に戻ってくるため、第四工程にて再び脱Pする必要が生じ、生石灰等のフラックス量を増加させねばならずコスト増につながる。しかも、この第四工程でP濃度が高くなったスラグが第二工程で再び使用されるため、第二工程での脱P負過が増加しコスト増になる。このように第三工程でのスラグ排出量が少ないと、脱Pを行うための負過の増大を避けることができず、コストアップに繋がるという問題が生ずる。
【0009】
また、特開平8−199218では、スラグを冷却することにより、溶銑装入時の突沸を防止しているが、転炉を直立させた状態でAr,CO,CO2 を冷却ガスとして用いているので、表面のスラグが過冷却になり次の脱P処理時に該スラグが溶けるまでに時間を要し、そのため処理時間の延長につながる。こため脱P反応効率が悪化する。
【0010】
さらに、特開平4−72007号公報に開示されている方法では、溶銑の移し変えに伴う熱ロスは発生しないが、脱Cスラグは(T・Fe)が高いため溶融状態で次チャージの溶銑を装入すると、溶銑中のCと急激に反応し溶銑とスラグが炉外に噴出する、いわゆる突沸が起こるという問題がある。これを回避するために、溶銑装入前に、石灰石やスクラップを冷材としてスラグに添加し、転炉を数回傾動させるという手法がとられているが、添加した冷却材がスラグ中で冷却に長時間を要するため生産性を著しく阻害するという問題があった。
【0011】
CaO分を含む冷却材を使用した場合、冷却材中のCaO分の一部は未滓化のまま脱P処理スラグに残留し、該スラグの路盤材等への利用を阻害していた。そこで該スラグの活用を図るためには、当該スラグを路盤材へ適用するための処理期間(エージング期間)を設けなければならず、そのための期間を必要とするので、設備・労力・時間等コストアップに繋がるという欠点があった。
また、スクラップについても比較的大きい(100mm以上)形状のものを冷却材として用いた場合、スラグから冷却材への熱移動に長時間(5分以上)を要するため、生産性を低下する問題があった。
【0012】
一方、特開平5−25527号公報では連鋳滓および/または造塊滓さらに必要に応じて転炉滓とを含む脱P剤を溶銑に添加しているが、これらのスラグは融点1500℃以上と高く、また密な構造を有していることから、脱P処理時の炉内温度では溶解が不完全となる問題がある。溶解が不完全となった場合は、スラグは脱P剤としての機能を果たさないばかりでなく、脱Pのばらつき増大、熱ロスの原因となりコストの大幅悪化につながる。
【0013】
本発明は、溶銑装入時に残留させて置いたスラグが、突沸を起こすことなく安全に脱C滓をリサイクルすることにより、少ない生石灰原単位で、かつ生産性の高い転炉製鋼法を実現するための転炉における脱C滓の冷却方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した従来方法における問題点を解決するためになされたものであって、その要旨とするところは、下記手段にある。
(1) 転炉に溶銑、または溶銑とスクラップを主原料として装入する第一工程、脱Si・脱Pを行う第二工程、生成したスラグを排滓する第三工程、その後脱C吹錬を行う第四工程、脱C精錬後スラグを残して出鋼する第五工程、その後第一工程に戻り、第二工程の脱Si・脱Pでは第五工程で残したスラグをリサイクル使用し、前記五工程までを繰り返し実施するに際し、前記第五工程で脱C精錬し、出鋼した後に、酸化鉄を多量に含有する冷却材として、鉄鉱石、焼結鉱、製鉄ダスト炉内の脱Cスラグと混合して滓化させることを特徴とする転炉製鋼法。
【0015】
(2) 前記冷却材として用いる冷却材量は、第五工程で残置する脱C精錬後スラグ量に対して30〜150%である(1)記載の転炉製鋼法。
【0016】
) 前記第二工程において、炉内に残したスラグに加えて使用する副原料として連続鋳造滓及び/又は造塊滓及び/又は転炉滓を使用する(1)または(2)に記載の転炉製鋼法。
) 前記第二工程において、脱Si・脱P処理終点温度が1300℃〜1350℃である(1)ないし()のいずれかに記載の転炉製鋼法。
) 前記第四工程において、脱C吹錬時の脱C滓中のAl23濃度が2〜5%である(1)ないし()のいずれかに記載の転炉製鋼法。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、脱C滓の冷却について種々の検討を行った結果、冷却材として用いられる材料が、第二工程での脱P時に障害にならず、かつ脱Pのために有用な効果を発揮できれば、冷却と脱Pのための効能を兼ね備えた効果を得ることができることに気付き、そのための冷却材として有用な作用を有する酸化鉄を多量含有する材料の使用に着目した。
【0018】
単に脱C滓の冷却のみに冷却に着目するならば、転炉で用いられる副原料中、石灰石やスクラップを用いることもできるが、前記課題として取り挙げたように、添加したスラグ中での冷却材の未滓化の問題(第二工程での時間が冷却材中のCaOを溶解するのに必要とする時間に満たない場合)や、スクラップの形状が比較的大きい場合には生産性の低下の問題が生じる。
【0019】
一方、脱P反応を効率よく行うためには、スラグ中の酸化鉄濃度を高く制御するのが望ましい。脱Si・脱P期においてはメタル中にCが多く存在するため、スラグ中の酸化鉄は還元されやすく、スラグ中の酸化鉄濃度を高く制御するのは困難である。しかし、一度CaO−FeO,CaO−Fe23 系融体を形成すると酸化鉄は還元されにくくなり、スラグ中の酸化鉄濃度を高く制御することに役立つ。
【0020】
CaO−FeO,CaO−Fe23 系融体の形成促進には、滓化しているCaOと酸化鉄の接触機会を増やすことが有効であると考えられ、滓化しているCaOを多く含むスラグを多量の酸化鉄を含有する材料(少なくとも酸化鉄の割合が50%以上が望ましい)で冷却するのが望ましいとの知見を得るに至った。
すなわち、従来から冷却材としては一般にスクラップまたは未滓化のCaOを含有する副原料が使用されていたが、これに代えて酸化鉄を多量に含有する鉄鉱石、焼結鉱、製鉄ダスト等(以下これらを代表して単に鉄鉱石と呼ぶ)を用いるならば、未滓化の問題を懸念する必要がなく、かつ脱P時に有効な酸化鉄を予め含有させて置くことができ、優れた効用を持たせることができるとの結論に到達した。
【0021】
ここで、製鉄ダストとは、転炉集塵ダストや連鋳スケール,ミルスケール等の製鉄所内で発生するダスト類の内、主成分に酸化鉄を含むものを意味し、形状は粉体または50mm以下のブリケット状のものである。
【0022】
脱C滓を脱P処理に熱間で再利用する場合に、溶銑装入時の突沸現象やスラグフォーミングを抑制するためには、スラグの冷却または脱酸を行う必要があることは知られていた。
しかして、前記したように従来、スラグの冷却には石灰石やスクラップの冷却材が使用されてきたが、大量生産を指向している現在の転炉操業においては、生産性を高めるために短時間でスラグの冷却を行う必要がある。このため突沸現象やスラグフォーミングを完全に回避できる冷却条件下では、スラグが過冷却となり脱P反応効率が悪化する難点があった。
【0023】
本発明においては、脱C滓を脱P処理に熱間で再利用する場合の冷却材として、従来使用されていなかった酸化鉄分を多量に含有する鉄鉱石を冷却材として用いるものである。
鉄鉱石をスラグ冷却過程であらかじめ脱C滓と混合し、滓化して置くことにより、脱P効率向上に有利なCaO−FeO,CaO−Fe23 系融体の速やかな生成が起こると考えられ、脱P反応効率悪化を招いていた従来の課題を容易に解決できる。
【0024】
また、脱C滓と冷却材の混合の際に、上吹きまたは底吹きにより撹拌を行うことは一層効果的である。
さらに、未滓化CaO分を含まないため、脱P時のスラグ中に残存する未滓化CaOの原因とならない。また、鉄鉱石は一般的にその大きさは、50mm以下の小さな形状を有しているため短時間(2分以内)でスラグ冷却が可能であり、生産性を阻害することはない。
【0025】
このようにCaO−FeO,CaO−Fe23 系融体による脱P反応向上、脱Pスラグへの未滓化石灰の残存防止、短時間でのスラグ冷却実現の課題を同時に解決できる冷却材は、酸化鉄を多量に含有する鉄鉱石のみである。
【0026】
鉄鉱石を例にとると残置する脱C精錬後スラグ量に対して用いる冷却材の量は、30〜150%(対スラグ)であることが必要である。
この量が30%未満で有ると冷却材としての効果か薄れ、スラグを固化できず溶融状態のままで、次工程での溶銑の装入を受けると溶銑中のCと急激に反応し、突沸現象が起こり溶銑およびスラグが炉外に噴出する。
また、この量が150%を超えるとスラグが過冷却状態となり、第二工程ではスラグの一部が溶融せず、脱P反応の効率が低下する。
【0027】
さらに、本発明においては、冷却固化された連鋳滓、造塊滓、転炉滓(普通銑スラグ、脱C滓)等のスラグの有効利用も可能となる。これらのスラグは、従来より脱P剤として有用な組成を有していることは知られていたが、融点が脱P処理時の炉内温度に比べて高く、緻密な構造を有していることから滓化性が悪く、スラグ相が固液共存で反応が進む通常の脱Si・脱P処理では完全な滓化に至らない場合が多く発生する。完全に滓化しない場合はスラグが脱P剤として機能しないばかりでなく、溶融スラグ量がばらつくことによる脱Pのばらつき増大、反応に寄与しない固相スラグを加熱することによる熱ロスの原因となるため、従来大量使用は困難であった。
【0028】
本願発明者らは脱P処理時の転炉内環境における冷却固化された連鋳滓、造塊滓、転炉滓等の滓化挙動に注目し、その場観察実験を行った。その結果、冷却固化された連鋳滓、造塊滓、転炉滓等の滓化は、周りのスラグ相の状態の影響を強く受け、周りのスラグが完全に液相になっている場合には短時間で完全滓化状態が得られることが判明した。
【0029】
一方、本発明においては、炉内残置した脱C滓の冷却過程であらかじめ脱C滓と鉄鉱石と混合し滓化しておくことを特徴としているため、脱C滓の組成が変化し融点が低下することが期待できる。そこで本法により冷却固化したスラグと従来法である石灰石やスクラップにより冷却固化したスラグについて、脱Si・脱P処理時の炉内温度における状態を確認するためその場観察実験行った。その結果、本法により冷却固化した脱C滓は1250℃程度で完全に液相になったのに対し、従来法の場合脱P処理温度である1350℃においても完全な液相は得られなかった。
【0030】
本法では脱P処理開始直後から炉内のスラグは液相単相となり、脱P剤として新たに転炉炉内に装入したスラグの表面は全て低融点の液相スラグで覆われる。融点が高く、緻密な構造を有しているため滓化性が悪いスラグであっても、固相表面で低融点の液層スラグへの化学的溶解が活発に起こり、完全な滓化が得やすいため脱P剤として大量使用が可能である。
【0031】
溶銑脱P処理終点温度については1300℃以上1350℃以下の範囲に制御することが望ましい。前記のように脱C滓と鉄鉱石と混合し滓化したスラグの融点は1250℃程度であり、確実に溶融スラグを存在させるためには1300℃以上の温度が必要である。一方、脱P反応効率の観点からは、1350℃以上の温度になるとスラグ中酸化鉄の還元が起こりスラグの酸化力が低下するため、スラグからの復Pが起こる。このため1350℃以下の温度が必要である。
【0032】
脱P処理の後の脱C処理時のスラグ中Al23 濃度についてもある範囲内であることが望ましい。Al23 はスラグの融点降下剤としての機能があり、スラグ中未滓化石灰割合の低減に効果がある。その効果は(%Al23 )=2%以上の条件においては未滓化CaO割合=2%以下でほぼ一定となるため、CaO量を削減するためには(%Al23 )=2%以上であることが望ましい。一方、Al23 は溶融スラグにおいて粘性を上昇させる性質もあるため、濃度が高いとスロッピングの原因となる。スロッピングの発生頻度は(%Al23 )=5%以上で顕著となるため、(%Al23 )=5%以下が望ましい。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
実施例として330t転炉を用い、脱C滓を20〜40kg/t炉内に残置し、鉄鉱石を15〜20kg/t投入し、スラグ冷却を行ったもの(本発明)と、比較のため従来でのスクラップ冷却を行ったもの(スラグの冷却条件はほぼ同一とした)について、次回の転炉での溶製のために溶銑を装入し、副原料として冷却固化した連続鋳造滓及び造塊滓及び転炉滓を合計10〜30kg/t投入し、脱Si・脱P処理終点温度1300〜1350℃として脱P処理を実施し、生成したスラグを排出した後の脱C吹錬においては脱C滓中のAl23 濃度を2〜5%とした場合における例を図1と図2に示した。
【0034】
スラグの冷却に要した時間(冷却材投入からスラグ固化確認までの時間)は、鉄鉱石によるスラグ冷却が平均1.5分であったのに対し、スクラップによるスラグ冷却では平均5.3分であった。
【0035】
図1はスラグの塩基度とT・Feの関係を示したもので、図2はスラグの塩基度と脱P処理後のP濃度の関係を示したものである。図から明らかななように本発明によるものは、従来法に比しT・Feが高目になっており、また、脱P処理後のP濃度は低目になっている。
【0036】
スラグ中のT・Feはスラグ中の酸化鉄濃度に比例する。本発明を用いると、スラグ中の酸化鉄濃度を高く制御することが可能であり、このため脱P反応を効率よく行うことが可能となることが判る。
【0037】
(実施例2)
実施例として330t転炉を用い、脱C滓を20〜40kg/t炉内に残置し、鉄鉱石を15〜20kg/t投入し、スラグを冷却固化した場合(本発明例)と、脱C滓を20〜40kg/t炉内に残置し、石灰石を15〜20kg/t投入し、スラグを冷却固化した場合(比較例)について、次回の転炉での溶製のために溶銑を装入し、副原料として冷却固化した連続鋳造滓及び造塊滓及び転炉滓を合計10〜30kg/t投入し、脱Si・脱P処理終点温度1300〜1350℃として脱P処理を行い、生成したスラグを排出した後の脱C吹錬においては脱C滓中のAl23 濃度を2〜5%とした場合における、脱P処理後スラグ中の冷却固化した連続鋳造滓及び造塊滓及び転炉滓の残存状況を調査した例を図3に示した。
【0038】
本法の場合、脱Si・脱P期のスラグは均一で転炉滓の粒は回収されなかった。一方、従来法の場合、脱Si・脱P期のスラグから転炉滓の粒が回収された。このことから、本法によると脱Si・脱P期における冷却固化されたスラグの滓化性が向上することが判る。
【0039】
(実施例3)
実施例として330t転炉を用い、脱C滓を20〜40kg/t炉内に残置し、鉄鉱石を15〜20kg/t投入し、スラグを冷却固化し、脱Si・脱P処理時に冷却固化した連続鋳造滓及び造塊滓及び転炉滓を合計10〜30kg/t投入して脱Si・脱P処理を行い、生成したスラグを排出した後の脱C吹錬においては脱C滓中のAl23 濃度を2〜5%とした場合の、脱Si・脱Pスラグ中のP25 濃度の温度依存性を測定した例を図4に示した。
【0040】
スラグ中のP25 は脱Pが効率的に行われた場合に高い値となり、本実施例ではある温度範囲で脱Si・脱Pスラグ中のP25 は最大値5〜7%でばらつきも少なく安定していた。
【0041】
図4より温度について1300〜1350℃が脱P効率が高く、操業最適条件であることが判る。
【0042】
(実施例4)
実施例として330t転炉を用い、脱C滓を20〜40kg/t炉内に残置し、鉄鉱石を15〜20kg/t投入し、スラグを冷却固化し、脱Si・脱P処理時に冷却固化した連続鋳造滓及び造塊滓及び転炉滓を合計10〜30kg/t投入した場合の、脱Si・脱P処理に続く脱C処理における未滓化石灰割合とスロッピング発生頻度の脱C処理時のスラグ中Al23 濃度依存性を測定した例を図5に示した。
【0043】
未滓化石灰は低いほど石灰の利用効率が高くコスト上有利である。本試験条件ではAl23 が2%より高ければ未滓化石灰割合のばらつきの上限は2%以下でほぼ一定であった。
【0044】
図5よりAl23 濃度については、未滓化石灰割合から2%以上が、スロッピング発生頻度から5%以下が最適であることが判る。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、脱C滓の熱間再使用時の冷却材として鉄鉱石等を用いることにより、スラグ冷却時間を短縮すると共に、副原料としての生石灰の節減ができ、スクラップや石灰等を冷却材として用いた通常操業以上の脱P効率を得ることが期待できる。
【0046】
また、脱Pスラグ中の未滓化石灰の問題が解決できるので、生産性を阻害することなくスラグの再利用を図ることができる。
さらに冷却固化されたスラグについても、完全な滓化状態が得やすくなるため脱P剤として大量使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグの塩基度とT・Feの関係を示した図
【図2】スラグの塩基度と脱P処理後のP濃度の関係を示した図
【図3】冷却固化された連続鋳造滓/造塊滓/転炉滓の脱Si脱P処理における滓化状況を示した図
【図4】脱Si脱P処理後スラグ中の(%P25 )の温度依存性を示した図
【図5】脱C処理後スラグ中の未滓化石灰割合とスロッピング発生状況の(%Al23 )依存性を示した図

Claims (5)

  1. 転炉に溶銑、または溶銑とスクラップを主原料として装入する第一工程、脱Si・脱Pを行う第二工程、生成したスラグを排滓する第三工程、その後脱C吹錬を行う第四工程、脱C精錬後スラグを残して出鋼する第五工程、その後第一工程に戻り、第二工程の脱Si・脱Pでは第五工程で残したスラグをリサイクル使用し、前記五工程までを繰り返し実施するに際し、前記第五工程で脱C精錬し、出鋼した後に、酸化鉄を多量に含有する冷却材として、鉄鉱石、焼結鉱、製鉄ダストを炉内の脱Cスラグと混合して滓化させることを特徴とする転炉製鋼法。
  2. 前記冷却材として用いる冷却材量は、第五工程で残置する脱C精錬後スラグ量に対して30〜150%であることを特徴とする請求項1記載の転炉製鋼法。
  3. 前記第二工程において、炉内に残したスラグに加えて使用する副原料として連続鋳造滓及び/又は造塊滓及び/又は転炉滓を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の転炉製鋼法。
  4. 前記第二工程において、脱Si・脱P処理終点温度が1300℃〜1350℃であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の転炉製鋼法。
  5. 前記第四工程において、脱C吹錬時の脱C滓中のAl23濃度が2〜5%であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の転炉製鋼法。
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