JP4064706B2 - 広告表示具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、厚紙を主材料とし、外面が湾曲した立体的な構造をなす広告表示具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、小売店の店頭では、商品の販売を促進するため、商品の外観等を大きく印刷した広告板を吊り下げることがある。このような広告板としては、通常、輸送時に嵩張らず、製造にコストがあまりかからない積層構造の厚紙等、平面的なものが用いられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような広告板では、商品のイメージをリアルに表現することができず、消費者への訴求力が弱いという問題があり、よりインパクトの強い広告表示が求められている。
【０００４】
そこで、この発明は、扁平な折畳状態から立体構造に簡単に組み立てられ、製造も容易な厚紙を主材料とする広告表示具を提供しようとするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は、周壁をなすように連設され、両側の折曲部で折り畳まれる一対の外面板の内側に、この外面板より幅が狭く、各折曲部から対向する折曲部の手前へ延びる一対の摺合板を重なり合うように設け、一方の摺合板に、外面板との連接側へ延びる横溝部の終端から縦溝部が屈曲した鉤形穴を形成し、他方の摺合板に、両外面板を湾曲させたとき鉤形穴の縦溝部に一致する縦長穴を形成し、鉤形穴と縦長穴にビスを貫通させて抜け止めした広告表示具を提供する。
【０００６】
このような広告表示具では、外面板の両側の折曲部を内側に押し込むと、摺合板の重なりが深くなって、ビスが鉤形穴の横溝部沿いにスライドし、その終端に達したビスを、一致した鉤形穴の縦溝部と縦長穴沿いにスライドさせると、外面板が湾曲した立体的な形状に保持される。
【０００７】
また、上記広告表示具において、一対の外面板及び摺合板を先広がりの形状とし、摺合板の先端側に鉤形穴及び縦長穴を設け、組立時に両外面板から成る周壁が円錐状をなすようにすると、包装紙に包まれた花束等のイメージをリアルに表現することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態として、切花の販売促進に使用するため、包まれた花束を模式化して表現した広告表示具について、添付図面に基づいて説明する。
【０００９】
図１に示すように、この広告表示具は、包装紙を表す一対の本体Ａと、花を表す装飾板Ｂとから構成される。各本体Ａは、扇状に先広がりとなった外面板１の一側縁に、同じく先広がりで外面板１より幅が狭い摺合板２を罫線を介して連設し、外面板１の他側縁に罫線を介して継代片３を連設したものとされている。
【００１０】
そして、一方の本体Ａの摺合板２には、外面板１との連接側へ延びる横溝部４の終端から縦溝部５が屈曲した鉤形穴６が形成され、他方の本体Ａの摺合板２には、縦溝部５に対応する縦長穴７が形成されている。
【００１１】
また、各本体Ａには、外面板１の下縁に凸レンズ形の底片８が罫線を介して連設され、その一方に差込片９が、他方に切込１０が設けられているほか、外面板１から摺合板２又は継代片３を切り込んで、紐穴を有する吊下片１１がそれぞれ形成されている。
【００１２】
また、装飾板Ｂは、花が印刷された突出部１２に、摺合板２より幅が狭い貼付部１３を連設したものとされ、貼付部１３には、他方の本体Ａの摺合板２と同様に、鉤形穴６の縦溝部５に対応する縦長穴７が形成されている。
【００１３】
上記のような部材からこの広告表示具を組み立てるには、図２に示すように、縦長穴７を有する本体Ａの摺合板２に装飾板Ｂの貼付部１３を貼り付け、各本体Ａの外面板１から摺合板２及び継代片３を、それぞれ罫線に沿って内側へ折り曲げる。
【００１４】
そして、各本体Ａの継代片３を、それぞれ相手側の摺合板２の外面板１との連接側部分に貼着し、吊下片１１同士を貼り合わせ、図３及び図４に示すように、プラスチックのビス１４を鉤形穴６の横溝部４と縦長穴７に貫通させて、そのフランジにより抜け止めする。
【００１５】
この状態では、ビス１４が横溝部４の始端側に位置し、各本体Ａの外面板１がほぼ平坦となって、広告表示具は、外面板１の両側の折曲部Ｃで扁平に折り畳まれた状態となっている。
【００１６】
一方、店頭でこの広告表示具を使用する際には、図５及び図６に示すように、外面板１の両側の折曲部Ｃを内側に押し込むことにより、両外面板１から成る周壁が円錐状をなすように各外面板１を湾曲させる。
【００１７】
これにより、摺合板２の重なりが深くなって、ビス１４が鉤形穴６の横溝部４に沿って終端側へスライドし、ビス１４が横溝部４の終端に達したとき、鉤形穴６の縦溝部５と縦長穴７とが一致する。
【００１８】
この状態で、ビス１４を鉤形穴６の縦溝部５と縦長穴７に沿って奥側へスライドさせると、外面板１が湾曲した立体的な形状に保持される。なお、このとき、底片８を重ね合わせて、差込片９を切込１０に差し込む。
【００１９】
このように、上記広告表示具を立体構造に組み立てた状態では、包装紙に包まれた花束のイメージがリアルに表現されるので、消費者の購買意欲をそそることができ、販売促進効果が期待できる。
【００２０】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る広告表示具は、厚紙を折り曲げて簡単に製造でき、周壁をなす外面板の両側の折曲部を内側に押し込み、ビスをスライドさせてロックするだけで、外面板が湾曲した立体的な形状に保持されて、扁平な折畳状態から迅速に組み立てることができ、消費者への高い訴求効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施形態に係る広告表示具の各部材のブランクを示す図
【図２】同上の製造時の一過程を示す斜視図
【図３】同上の扁平な折畳状態を示す斜視図
【図４】同上の縦断正面図
【図５】同上の立体構造への組立状態を示す斜視図
【図６】同上の縦断正面図
【符号の説明】
Ａ 本体
Ｂ 装飾板
Ｃ 折曲部
１ 外面板
２ 摺合板
３ 継代片
４ 横溝部
５ 縦溝部
６ 鉤形穴
７ 縦長穴
１４ ビス

Claims (2)

1. 周壁をなすように連設され、両側の折曲部Ｃで折り畳まれる一対の外面板１の内側に、この外面板１より幅が狭く、各折曲部Ｃから対向する折曲部Ｃの手前へ延びる一対の摺合板２を重なり合うように設け、一方の摺合板２に、外面板１との連接側へ延びる横溝部４の終端から縦溝部５が屈曲した鉤形穴６を形成し、他方の摺合板２に、両外面板１を湾曲させたとき鉤形穴６の縦溝部５に一致する縦長穴７を形成し、鉤形穴６と縦長穴７にビス１４を貫通させて抜け止めした広告表示具。
2. 前記一対の外面板１及び摺合板２を先広がりの形状とし、摺合板２の先端側に鉤形穴６及び縦長穴７を設け、組立時に両外面板１から成る周壁が円錐状をなすようにしたことを特徴とする請求項１に記載の広告表示具。

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