JP4064611B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置に係わるもので、特に高密度、高集積化に適した不揮発性半導体記憶装置のセル周辺制御系回路及びメモリセルアレイ内の選択ゲートの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、不揮発性メモリにおいて、セルの微細化に伴ってセル面積の縮小を図るために、STI(Shallow Trench Isolation)構造の素子分離領域のトレンチ溝側面に電荷蓄積層が形成されたセル構造が採用され始めている。このセル構造における電荷蓄積層は、素子分離領域すなわちトレンチ溝と自己整合的に形成され、自己整合STI構造となっている。この自己整合STI構造を有するメモリセルからなる不揮発性半導体記憶装置において、セル周辺制御系回路を構成するトランジスタのゲートをメモリセルの電荷蓄積層と同一の導電層で形成する場合、セル周辺制御系回路におけるトランジスタは、電荷蓄積層を引き出して上層配線とコンタクトを介して電気的に接続する必要がある。このような半導体装置の従来例を以下に説明する。
【0003】
図18は、第1の従来技術による半導体装置の断面図を示している。図18に示すように、半導体基板11上に第1の絶縁膜12が形成され、この第1の絶縁膜12上に第1の導電層13が形成される。この第1の導電層13上に第2の導電層18が形成される。次に、素子分離溝15が形成され、この素子分離溝15が絶縁膜により埋め込まれる。この絶縁膜を第2の導電層18の表面が露出するまで平坦化又はパターニングすることにより、素子分離領域16が形成される。次に、全面に第2の絶縁膜20が形成され、この第2の絶縁膜20上に第3の導電層21が形成される。この第3の導電層21及び第2の絶縁膜20がパターニングされ、セル周辺制御系回路領域における第2の導電層18の表面が露出される。次に、全面に第3の絶縁膜22が形成される。次に、セル周辺制御系回路領域においては、第3の絶縁膜22が選択的にエッチングされ、第2の導電層18に接続するコンタクト23が形成される。
【0004】
しかし、第1の従来技術では、コンタクト23形成のためのエッチングの際に、エッチングの制御が困難であるため、エッチングオーバーしてコンタクト23が第2導電層18を突き抜ける場合がある。つまり、第1の従来技術のように、素子領域10上にコンタクト23が形成されると、第1の絶縁膜12が耐圧劣化又は破壊し、素子領域10にダメージが生じるという問題があった。
【0005】
図19は、第2の従来技術による半導体装置の断面図を示している。図19に示すように、第1の従来技術と同様の方法で、素子分離領域16が形成される。次に、全面に第2の絶縁膜20が形成された後、セル周辺制御系回路領域における第2の絶縁膜20が除去される。次に、全面に第3の導電層21が形成され、セル周辺制御系回路領域における第2の導電層18と第3の導電層21が電気的に導通される。次に、第3の導電層21及び第2の絶縁膜20が自己整合的にパターニングされ、ゲート加工が行われる。次に、全面に第3の絶縁膜22が形成される。次に、セル周辺制御系回路領域においては、第3の絶縁膜22が選択的にエッチングされ、第3の導電層21に接続するコンタクト23が形成される。
【0006】
従って、メモリセル領域は電荷蓄積層(第1、第2の導電層13、18)上に第2の絶縁膜20を介して制御ゲート用導電層(第3の導電層21)が形成されているのに対し、セル周辺制御系回路を構成するトランジスタは電荷蓄積層(第1、第2の導電層13、18)上に制御ゲート用導電層(第3の導電層21)が直接形成されている。
【0007】
しかし、第2の従来技術におけるゲート加工において、工程数を削減するために、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時に加工しようとすると、セル周辺制御系回路領域において第2の絶縁膜20がない分だけエッチングが進行し、半導体基板11がエッチングされてしまう。従って、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時にゲート加工することが困難であった。加えて、素子領域10上にコンタクト23が形成されるため、素子領域10上の導電層にダメージが生じるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来技術による半導体装置では、コンタクトの形成時に素子領域にダメージが生じるという問題やセル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時にゲート加工することが困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、コンタクトの形成における素子領域内のダメージを回避するとともに、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時にゲート加工することが可能な半導体装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために以下に示す手段を用いている。
【0011】
本発明の第1の視点による半導体装置は、半導体基板に周辺回路領域とセル領域とが設けられた半導体装置であって、前記周辺回路領域は、前記半導体基板内に形成された第1の素子領域と、前記半導体基板内に形成され、前記第1の素子領域を電気的に分離し、その一部に前記第1の素子領域側に開口する第1の溝が設けられた第1の素子分離領域と、前記第1の素子領域上に第1の絶縁膜を介して形成された第1の導電層と、第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分は前記第1の導電層上に形成され、前記第2の部分は前記第1の部分から前記第1の溝へ延在して前記第1の溝の底面上に形成され、前記第1及び第2の部分は前記第1の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第2の導電層と、前記第2の導電層の前記第1の部分上に第2の絶縁膜を介して形成された第3の導電層と、前記第2の導電層の前記第2の部分に接続された第1のコンタクトとを具備し、前記セル領域は、前記半導体基板内に形成された第2の素子領域と、前記半導体基板内に形成され、前記第2の素子領域を電気的に分離する第2の素子分離領域と、前記第2の素子領域上に第3の絶縁膜を介して形成され、前記第1の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第4の導電層と、前記第4の導電層上に形成され、前記第2の導電層と同一の工程で同じ膜として形成され、前記第2の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第5の導電層と、前記第5の導電層及び前記第2の素子分離領域上に第4の絶縁膜を介して形成され、前記第3の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第6の導電層とを具備し、前記第1及び第2の導電層はゲート電極であり、前記第4及び第5の導電層は浮遊ゲート電極であり、前記第6の導電層は制御ゲート電極である。
【0012】
本発明の第2の視点による半導体装置は、半導体基板に周辺回路領域とセル領域とが設けられた半導体装置であって、前記周辺回路領域は、前記半導体基板内に形成された第1の素子領域と、前記半導体基板内に形成され、前記第1の素子領域を電気的に分離し、その一部に前記第1の素子領域側に開口する溝が設けられた第1の素子分離領域と、前記第1の素子領域上に第1の絶縁膜を介して形成された第1の導電層と、第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分は前記第1の導電層上に形成され、前記第2の部分は前記第1の部分から前記溝へ延在して前記溝の底面上に形成され、前記第1及び第2の部分は前記第1の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第2の導電層と、前記第2の導電層の前記第1の部分上に形成された第3の導電層と、前記第2の導電層の前記第2の部分に接続されたコンタクトとを具備し、前記セル領域は、前記半導体基板内に形成された第2の素子領域と、前記半導体基板内に形成され、前記第2の素子領域を電気的に分離する第2の素子分離領域と、前記第2の素子領域上に第2の絶縁膜を介して形成され、前記第1の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第4の導電層と、前記第4の導電層上に形成され、前記第2の導電層と同一の工程で同じ膜として形成され、前記第2の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第5の導電層と、前記第5の導電層及び前記第2の素子分離領域上に形成され、前記第3の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第6の導電層とを具備する。
【0013】
本発明の第3の視点による半導体装置は、半導体基板に周辺回路領域とセル領域とが設けられた半導体装置であって、前記周辺回路領域は、前記半導体基板内に形成された第1の素子領域と、前記半導体基板内に形成され、前記第1の素子領域を電気的に分離し、その一部に前記第1の素子領域側に開口する溝が設けられた第1の素子分離領域と、第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分は第1の絶縁膜を介して前記第1の素子領域上に形成され、前記第2の部分は前記第1の部分から前記溝へ延在して前記溝の底面上に形成され、前記第1及び第2の部分は前記第1の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第1の導電層と、前記第1の導電層の前記第1の部分上に形成された第2の導電層と、前記第1の導電層の前記第2の部分に接続されたコンタクトとを具備し、前記セル領域は、前記半導体基板内に形成された第2の素子領域と、前記半導体基板内に形成され、前記第2の素子領域を電気的に分離する第2の素子分離領域と、前記第2の素子領域上に第2の絶縁膜を介して形成され、前記第1の導電層と同一の工程で同じ膜として形成され、前記第2の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第3の導電層と、前記第3の導電層及び前記第2の素子分離領域上に形成され、前記第2の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第4の導電層とを具備する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、例えばフラッシュメモリに適用される半導体装置の例を示している。
【0022】
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置におけるセル及びセル周辺制御系回路の平面図を示している。図2は、図1の2−2線に沿った半導体装置の断面図を示している。
【0023】
図2に示すように、セル周辺制御系回路領域における半導体装置は、半導体基板11の素子領域10を分離する素子分離領域16が形成され、素子領域10に第1の絶縁膜12を介して第1の導電層13が形成されている。この第1の導電層13上から素子分離領域16内まで延在して第2の導電層18が形成されており、この第2の導電層18の表面は素子分離領域16の表面と同一平面を有している。以下、素子分離領域16内の第2の導電層18は延在部分19と称す。また、延在部分19の表面は露出して、第2の導電層18上に第2の絶縁膜20を介して第3の導電層21が形成され、延在部分19にコンタクト23が接続されている。
【0024】
セル領域における半導体装置は、素子領域10に第1の絶縁膜12を介して第1の導電層13が形成され、この第1の導電層13上に第2の導電層18が形成されている。この第2の導電層18の表面は素子分離領域16の表面と同一平面を有している。また、第2の導電層18及び素子分離領域16上に第2の絶縁膜20を介して第3の導電層21が形成されている。
【0025】
尚、セル周辺制御系回路領域において、第1、第2の導電層13、18からなる積層導電層はトランジスタのゲート及び抵抗素子として機能する。一方、セル領域において、第1、第2の導電層13、18は電荷蓄積層(浮遊ゲート)として機能し、第3の導電層21は制御ゲートとして機能する。
【0026】
図3乃至図7は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程の断面図を示している。以下、第1の実施形態に係るセル及びセル周辺制御系回路領の構造の形成方法について説明する。
【0027】
まず、図3に示すように、例えば導電型シリコン基板又は導電型ウェルからなる半導体基板11上にトンネル電流が流れ得る薄いトンネル酸化膜(以下、第1の絶縁膜と称す)12を介して第1の導電層13が形成され、この第1の導電層13上にマスク材14が形成される。次に、マスク材14、第1の導電層13、第1の絶縁膜12及び半導体基板11が選択的に除去され、素子分離溝15が形成される。その後、素子分離溝15及び第1の導電層13の側壁表面が酸化される。
【0028】
次に、図4に示すように、全面に素子分離用絶縁膜(例えば二酸化シリコン材)が堆積される。次に、ドライエッチングによるエッチバック又は化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polish)による表面研磨によって、マスク材14の表面が露出するまで素子分離用絶縁膜が平坦化され、素子分離領域16が形成される。その後、マスク材14が剥離され、第1の導電層13の表面が露出される。
【0029】
次に、図5に示すように、全面にレジスト膜(図示せず)が形成されてパターニングされる。このパターニングされたレジスト膜をマスクとして、ウェット又はドライエッチングにより、素子領域10に接する素子分離領域16の一部が除去され、素子分離領域16に溝17が形成される。ここで、溝17の底面は第1の絶縁膜12の表面より上に位置する必要があり、図5に示すように、溝17の底面は第1の導電層13の表面と同一平面上にあることが望ましい。
【0030】
次に、図6に示すように、全面に第2の導電層18が堆積される。次に、ドライエッチングによるエッチバック又は化学機械研磨による表面研磨によって、素子分離領域16の表面が露出するまで第2の導電層18が平坦化され、第2の導電層18が分離される。これにより、溝17に第2の導電層18からなる延在部分19が形成される。
【0031】
次に、図7に示すように、全面に第2の絶縁膜20が形成され、この第2の絶縁膜20上に第3の導電層21が形成される。この第3の導電層21上にレジスト膜(図示せず)が形成されてパターニングされる。このパターニングされたレジスト膜をマスクとして、第3の導電層21及び第2の絶縁膜20が選択的に除去され、ゲート加工が行われる。これにより、第2の導電層18からなる延在部分19の表面が露出される。次に、全面に第3の絶縁膜22が形成された後、延在部分19の表面が露出するコンタクトホールが形成される。このコンタクトホールが導電層により埋め込まれ、素子分離領域16上の延在部分19に接続するコンタクト23が形成される。
【0032】
上記第1の実施形態によれば、セル周辺制御系回路領域におけるトランジスタのゲートは、メモリセル領域における電荷蓄積層の一部となる第2の導電層18で形成され、この第2の導電層18は素子領域10から素子分離領域16上まで延在され、この延在部分19にコンタクト22が接続されている。従って、コンタクトホールは素子分離領域16上に形成されるため、コンタクトホール形成時のエッチングによって素子領域10にダメージが生じるという問題を回避できる。
【0033】
また、メモリセル領域及びセル周辺制御系回路領域におけるゲート加工される領域は、第1、第2の導電層13、18上に第2の絶縁膜20を介して第3の導電層21が形成されており、同一の積層構造となっている。従って、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時にゲート加工することが可能となる。
【0034】
なお、上記第1の実施形態において、セル周辺制御系回路領域における第2の絶縁膜20は形成されていなくてもよい。
【0035】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、例えば、自己整合STIを用いたメモリセル以外のDRAM又はSRAM等のメモリ、各種ロジック半導体チップのトランジスタに適用される半導体装置を示している。
【0036】
図8は、第2の実施形態に係る半導体装置におけるセル及びセル周辺制御系回路の断面図を示している。
【0037】
図8に示すように、セル周辺制御系回路領域における半導体装置は、半導体基板11の素子領域10を分離する素子分離領域16が形成され、素子領域10に絶縁膜12を介して第1の導電層13が形成されている。この第1の導電層13上から素子分離領域16内まで延在して第2の導電層18が形成されており、この第2の導電層18の表面は素子分離領域16の表面と同一平面を有している。以下、素子分離領域16内の第2の導電層18は延在部分19と称す。また、延在部分19の表面は露出して、第2の導電層18上に第3の導電層21が形成され、延在部分19にコンタクト23が接続されている。
【0038】
セル領域における半導体装置は、素子領域10に絶縁膜12を介して第1の導電層13が形成され、この第1の導電層13上に第2の導電層18が形成されている。この第2の導電層18の表面は素子分離領域16の表面と同一平面を有している。また、第2の導電層18及び素子分離領域16上に第3の導電層21が形成されている。
【0039】
尚、セル周辺制御系回路領域において、第1、第2の導電層13、18からなる積層導電層はトランジスタのゲート及び抵抗素子として機能する。一方、セル領域において、第1、第2の導電層13、18はトランジスタのゲートとして機能する。
【0040】
上記第2の実施形態において、第1の導電層13と第2の導電層18は同一の材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。異なる材料で形成されている場合、第1の導電層13は例えば導電性多結晶シリコンからなり、第2、第3の導電層18、21は通常は導電性多結晶シリコンであるが、例えばメタルシリサイド(例えばWSi(タングステンシリサイド))からなる場合もあり得る。
【0041】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、コンタクト23の形成における素子領域10内のダメージを回避するとともに、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時にゲート加工することが可能である。
【0042】
尚、第2の実施形態は、図9に示すように、素子分離領域16内に第2の導電層18からなる抵抗素子25が形成されていてもよい。この場合、上記第2の実施形態における効果が得られるだけでなく、拡散層からなる抵抗素子よりも抵抗値の設定の自由度が高く、温度特性による抵抗値のばらつきを回避できる。
【0043】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、延在部分の溝を形成した後に導電層が埋め込まれている方法に特徴があり、さらに電荷蓄積層が1層構造となっている。
【0044】
図10は、第3の実施形態に係る半導体装置におけるセル及びセル周辺制御系回路の断面図を示している。
【0045】
図10に示すように、セル周辺制御系回路領域における半導体装置は、半導体基板11の素子領域10を分離する素子分離領域16が形成され、素子領域10から素子分離領域16内まで延在して第1の導電層32が形成されている。この第1の導電層32の表面は素子分離領域16の表面と同一平面を有している。以下、素子分離領域16内の第1の導電層32は延在部分19と称す。また、第1の導電層32と素子領域10との間には絶縁膜12が介在する。また、延在部分19の表面は露出して、第1の導電層32上に第2の導電層33が形成され、延在部分19にコンタクト23が接続されている。
【0046】
セル領域における半導体装置は、素子領域10に絶縁膜12を介して第1の導電層32が形成されている。この第1の導電層32の表面は素子分離領域16の表面と同一平面を有している。また、第1の導電層32及び素子分離領域16上に第2の導電層33が形成されている。
【0047】
尚、セル周辺制御系回路領域において、第1の導電層32はトランジスタのゲート及び抵抗素子として機能する。一方、セル領域において、第1の導電層32はトランジスタのゲートとして機能する。
【0048】
図11乃至図15は、第3の実施形態に係る半導体装置の製造工程の断面図を示している。以下、第3の実施形態に係るセル及びセル周辺制御系回路の構造の形成方法について説明する。
【0049】
まず、図11に示すように、半導体基板11上に犠牲酸化膜31が形成され、この犠牲酸化膜31上にマスク材14が形成される。次に、マスク材14、犠牲酸化膜31及び半導体基板11が選択的に除去され、素子分離溝15が形成される。
【0050】
次に、図12に示すように、全面に素子分離用絶縁膜が堆積される。次に、ドライエッチングによるエッチバック又は化学機械研磨による表面研磨によって、マスク材14の表面が露出するまで素子分離用絶縁膜が平坦化され、素子分離領域16が形成される。
【0051】
次に、図13に示すように、全面にレジスト膜(図示せず)が形成されてパターニングされる。このパターニングされたレジスト膜をマスクとして、ウェット又はドライエッチングにより、素子領域10に接する素子分離領域16の一部が除去され、素子分離領域16に溝17が形成される。ここで、溝17の底面は犠牲酸化膜31の表面より上に位置している。
【0052】
次に、図14に示すように、マスク材14が剥離された後、犠牲酸化膜31も剥離される。その後、半導体基板11上に新たにゲート酸化膜12が形成される。このゲート酸化膜12は、例えば、熱酸化膜や化学気相堆積膜(CVD(Chemical Vapor Deposition)膜)である。
【0053】
次に、図15に示すように、全面に第1の導電層32が形成される。次に、ドライエッチングによるエッチバック又は化学機械研磨による表面研磨によって、素子分離領域16の表面が露出するまで第1の導電層32が平坦化され、第1の導電層32からなる延在部分19が形成される。次に、全面に第2の導電層33が形成される。この第2の導電層33上にレジスト膜(図示せず)が形成されてパターニングされる。このパターニングされたレジスト膜をマスクとして、第2の導電層33が選択的に除去され、ゲート加工が行われる。これにより、第1の導電層32からなる延在部分19の表面が露出される。次に、全面に層間絶縁膜22が形成された後、延在部分19の表面を露出するコンタクトホールが形成される。このコンタクトホールが導電層により埋め込まれ、素子分離領域16上の延在部分19に接続するコンタクト23が形成される。
【0054】
上記第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、コンタクト23の形成における素子領域10内のダメージを回避するとともに、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時にゲート加工することが可能である。
【0055】
さらに、犠牲酸化膜31を用いて素子分離溝14や延在部分19の溝17が形成された後、犠牲酸化膜31を除去してゲート酸化膜12が新たに形成されている。従って、ゲート酸化膜12の製造途中に受ける種々のダメージが少なくなり、ゲート酸化膜12の性能の劣化を抑えることができるため、素子の性能を向上することができる。
【0056】
[第4の実施形態]
第4の実施形態は、第1の実施形態における浮遊ゲート構造を持つ半導体装置の構造を、メモリセル選択トランジスタを持つ構造の半導体装置に適用した例である。ここで、メモリセル選択トランジスタのゲート配線をメモリセルの電荷蓄積層と同一の導電層で形成する場合、メモリセルの電荷蓄積層は浮遊ゲートとして機能するが、メモリセル選択トランジスタのゲート配線となる電荷蓄積層は上層配線とコンタクトを介して電気的に接続する必要がある。なお、第1の実施形態と同様の構造については説明を省略し、異なる構造についてのみ説明する。
【0057】
図16は、第4の実施形態に係る半導体装置におけるセル及びセル周辺制御系回路の平面図を示している。図17は、図16の17−17線に沿った半導体装置の断面図を示している。
【0058】
図16、図17に示すように、メモリセル選択トランジスタのゲート配線をメモリセルの電荷蓄積層と同一の導電層で形成する場合、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを分離している素子分離領域16に、メモリセルの第2の導電層18を素子分離領域16まで延在させ、この延在部分19にコンタクト23を接続させている。
【0059】
上記第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、コンタクト23の形成における素子領域10内のダメージを回避するとともに、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時にゲート加工することが可能である。
【0060】
さらに、素子分離領域16上でコンタクト23がとれるため、高密度で高集積が可能な選択ゲートを含む不揮発性メモリセル構造を実現することができる。
【0061】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが可能である。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、コンタクトの形成における素子領域内のダメージを回避するとともに、セル領域とセル周辺制御系回路領域とを同時にゲート加工することが可能な半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置を示す平面図。
【図2】図1の2−2線に沿った第1の実施形態に係わる半導体装置を示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図4】図3に続く、本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図5】図4に続く、本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図6】図5に続く、本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図7】図6に続く、本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係わる半導体装置を示す断面図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係わる他の半導体装置を示す断面図。
【図10】本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置を示す断面図。
【図11】本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図12】図11に続く、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図13】図12に続く、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図14】図13に続く、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図15】図14に続く、本発明の第3の実施形態に係わる半導体装置の製造工程を示す断面図。
【図16】本発明の第4の実施形態に係わる半導体装置を示す平面図。
【図17】図16の17−17線に沿った第4の実施形態に係わる半導体装置を示す断面図。
【図18】第1の従来技術による半導体装置を示す断面図。
【図19】第2の従来技術による半導体装置を示す断面図。
【符号の説明】
11…半導体基板、
12…第1の絶縁膜(ゲート絶縁膜)、
13、32…第1の導電層、
14…マスク材、
15…素子分離溝、
16…素子分離領域、
17…溝、
18、33…第2の導電層、
19…延在部分、
20…第2の絶縁膜、
21…第3の導電層、
22…第3の絶縁膜、
23…コンタクト、
25…抵抗素子、
31…犠牲酸化膜。
Claims (5)
- 半導体基板に周辺回路領域とセル領域とが設けられた半導体装置であって、
前記周辺回路領域は、
前記半導体基板内に形成された第1の素子領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第1の素子領域を電気的に分離し、その一部に前記第1の素子領域側に開口する第1の溝が設けられた第1の素子分離領域と、
前記第1の素子領域上に第1の絶縁膜を介して形成された第1の導電層と、
第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分は前記第1の導電層上に形成され、前記第2の部分は前記第1の部分から前記第1の溝へ延在して前記第1の溝の底面上に形成され、前記第1及び第2の部分は前記第1の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第2の導電層と、
前記第2の導電層の前記第1の部分上に第2の絶縁膜を介して形成された第3の導電層と、
前記第2の導電層の前記第2の部分に接続された第1のコンタクトと
を具備し、
前記セル領域は、
前記半導体基板内に形成された第2の素子領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第2の素子領域を電気的に分離する第2の素子分離領域と、
前記第2の素子領域上に第3の絶縁膜を介して形成され、前記第1の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第4の導電層と、
前記第4の導電層上に形成され、前記第2の導電層と同一の工程で同じ膜として形成され、前記第2の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第5の導電層と、
前記第5の導電層及び前記第2の素子分離領域上に第4の絶縁膜を介して形成され、前記第3の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第6の導電層と
を具備し、
前記第1及び第2の導電層はゲート電極であり、
前記第4及び第5の導電層は浮遊ゲート電極であり、
前記第6の導電層は制御ゲート電極である
ことを特徴とする半導体装置。 - 半導体基板に周辺回路領域とセル領域とが設けられた半導体装置であって、
前記周辺回路領域は、
前記半導体基板内に形成された第1の素子領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第1の素子領域を電気的に分離し、その一部に前記第1の素子領域側に開口する溝が設けられた第1の素子分離領域と、
前記第1の素子領域上に第1の絶縁膜を介して形成された第1の導電層と、
第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分は前記第1の導電層上に形成され、前記第2の部分は前記第1の部分から前記溝へ延在して前記溝の底面上に形成され、前記第1及び第2の部分は前記第1の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第2の導電層と、
前記第2の導電層の前記第1の部分上に形成された第3の導電層と、
前記第2の導電層の前記第2の部分に接続されたコンタクトと
を具備し、
前記セル領域は、
前記半導体基板内に形成された第2の素子領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第2の素子領域を電気的に分離する第2の素子分離領域と、
前記第2の素子領域上に第2の絶縁膜を介して形成され、前記第1の導電層と同一の工 程で同じ膜として形成された第4の導電層と、
前記第4の導電層上に形成され、前記第2の導電層と同一の工程で同じ膜として形成され、前記第2の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第5の導電層と、
前記第5の導電層及び前記第2の素子分離領域上に形成され、前記第3の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第6の導電層と
を具備する
ことを特徴とする半導体装置。 - 半導体基板に周辺回路領域とセル領域とが設けられた半導体装置であって、
前記周辺回路領域は、
前記半導体基板内に形成された第1の素子領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第1の素子領域を電気的に分離し、その一部に前記第1の素子領域側に開口する溝が設けられた第1の素子分離領域と、
第1の部分と第2の部分とを有し、前記第1の部分は第1の絶縁膜を介して前記第1の素子領域上に形成され、前記第2の部分は前記第1の部分から前記溝へ延在して前記溝の底面上に形成され、前記第1及び第2の部分は前記第1の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第1の導電層と、
前記第1の導電層の前記第1の部分上に形成された第2の導電層と、
前記第1の導電層の前記第2の部分に接続されたコンタクトと
を具備し、
前記セル領域は、
前記半導体基板内に形成された第2の素子領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第2の素子領域を電気的に分離する第2の素子分離領域と、
前記第2の素子領域上に第2の絶縁膜を介して形成され、前記第1の導電層と同一の工程で同じ膜として形成され、前記第2の素子分離領域の上面と同一の高さの上面を有する第3の導電層と、
前記第3の導電層及び前記第2の素子分離領域上に形成され、前記第2の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第4の導電層と
を具備する
ことを特徴とする半導体装置。 - 前記周辺回路領域は、
前記第1の素子分離領域内に設けられ、前記第2の導電層と同一の膜で形成された抵抗素子と
をさらに具備することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。 - 前記半導体基板には選択トランジスタ領域がさらに設けられており、
前記選択トランジスタ領域は、
前記半導体基板内に形成された第3の素子領域と、
前記半導体基板内に形成され、前記第3の素子領域を電気的に分離し、底面と上面とを有する第2の溝が設けられた第3の素子分離領域と、
前記第3の素子領域上に第5の絶縁膜を介して形成され、前記第1及び第4の導電層と同一の工程で同じ膜として形成された第7の導電層と、
前記第2及び第5の導電層と同一の工程で同じ膜として形成され、第3の部分と第4の部分とを有し、前記第3の部分は前記第7の導電層上に形成され、前記第4の部分は前記第3の部分から前記第2の溝へ延在して前記第2の溝の前記底面上に形成され、前記第3及び第4の部分は前記第2の溝の前記上面と同一の高さの上面を有する第8の導電層と、
前記第8の導電層の前記第4の部分に接続された第2のコンタクトと
を具備し、
前記第7及び第8の導電層は選択トランジスタのゲート電極である
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
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