JP4064487B2 - 家畜用予防剤及び治療剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反芻家畜の第一胃機能障害予防、治療剤及び予防、治療方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、反芻家畜、特に乳牛及び肉牛の生産性を向上させるために、高泌乳能力牛や高肥育効率牛の育種改良及び集約的飼養技術の導入がなされている。このため以下のような問題が起こっている。
乳牛、肉牛の妊娠末期には、胎児の急速な体重増加が認められる。このために特に、乳牛では乳房の過労働の休息と胎児の発育のため、分娩前2カ月間は乾乳期としている。この時期は、肥満の予防と泌乳量を増大させるために良質のチモシー、オーチャードグラス、アルファルファ等の粗飼料を主体に飼養されている。
【0003】
しかしながら、日本の気候風土では良質の粗飼料の生産が不十分であり、乾乳期に品質不良の粗飼料が給与されることが多く、分娩後の泌乳開始の時期に乾物摂取量の不足や必要栄養量の不足による一胃容積の減少、第一胃機能の低下が認められる。また、品質不良の粗飼料の栄養補足のために濃厚飼料やサイレージを給与すると過肥状態になり肝臓等の臓器に脂肪が沈着する。特に肝臓に脂肪が沈着した場合は脂肪肝になり、グリコーゲンが減少し、脂肪酸の酸化が正常になされなくなり、多量のケトン体が生成される。さらに、多頭飼育の場合に、フリーストール方式で飼育されると、十分な乾乳期を設けることができず、肥満状態で分娩を迎える。
上記の場合、分娩後の泌乳の初期に濃厚飼料が給与されることにより第一胃の内容液のpHの低下、または、プロトゾア数の減少、グラム陽性菌の増加及びグラム陰生菌の減少等により第一胃内微生物叢のバランスが崩れることによる異常発酵が生じる。この結果、第一胃機能障害になり、脂肪酸代謝障害によるアシドーシス、前胃弛緩、食滞、第一胃鼓張症、第四胃変位及びケトーシス等の疾病が生じる。
【0004】
従来、食滞や第一胃鼓張症に対しては、複合消化酵素製剤、塩酸メトクロプラミド及びシリコン樹脂製剤等による治療で対応してきたが十分な治療効果が得られていないのが現状である。また、ケトーシスに対しては、ブドウ糖溶液やキシリトール溶液のような糖類の静脈注射、プロピレングリコールやプロピオン酸ナトリウム等の有機酸塩類の投与、デキサメサゾンやフルメタゾンのようなステロイドホルモンの筋肉注射、インスリンの皮下注射、強肝剤の投与及びビタミン類の投与による治療がなされてきた。これについても、十分な治療効果がなされていないのが現状である。
また、肉牛肥育では、ルーメンアシドーシス由来の慢性蹄葉炎を防ぐためにイネワラ、牧草等の併用給与が必須であり、これによる肥育月齢の延長の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の方法では効果的に治療することができなかった反芻家畜の第一胃機能障害の予防、治療剤及び予防治療方法を供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、反芻家畜の第一胃機能障害の予防、治療剤及び予防治療方法を提供する観点から鋭意研究を行った結果、ポリフェノール化合物に第一胃機能障害の予防、治療方法を見い出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明はポリフェノール化合物を有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害の予防、治療剤及びこれらの化合物を用いた反芻家畜の第一胃機能障害の予防、治療方法を供することにある。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のポリフェノール化合物とは(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレートを指す。本発明の反芻家畜の第一胃機能障害の予防、治療の目的には、これらのポリフェノール化合物を単独、または2種以上の混合物として用いることができる。単独で用いる場合、(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン又は(−)−エピガロカテキンガレートが好ましく、さらに好ましくは、(−)−エピガロカテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート又は(−)−ガロカテキンガレートであり、最も好ましくは、(−)−エピガロカテキンガレートである。
【0008】
本発明に用いるポリフェノール化合物は、植物より抽出したもの、または化学合成品でも良く、特にその製造方法は限定されない。特に植物より抽出する場合は、原料確保やポリフェノール化合物の含有量からツバキ科植物が好ましく、ツバキ科植物の中でも特に茶が好ましく、緑茶が最も好ましい。
本発明に用いるポリフェノール化合物の投与量は、ポリフェノール化合物として、1日当たり1〜10mg/体重Kgが好ましく、さらに好ましくは、2〜8mg/体重Kg、最も好ましくは、4〜6mg/体重Kgである。1mg/体重Kgの投与量以下だと期待される効果が得られず、また10mg/体重Kgの以上投与しても投与量に見合った効果が得られないため、不経済である。
【0009】
本発明に用いるポリフェノール化合物の投与期間は、第一胃機能障害の予防の目的のためには、1カ月間のうち連続、隔日または数日おきに1〜25日間が好ましく、さらに好ましくは3〜20日間であり、最も好ましくは5〜18日間である。これらの最適投与日数1日以下だと期待される効果が得られず、また25日以上投与しても効果的でない。さらに分娩予定月に上述の投与を行うと特に効果的である。
また、第一胃機能障害治療の目的には、発症後、連続、隔日または数日おきに1〜25日間が好ましく、さらに好ましくは3〜20日間であり、最も好ましくは5〜18日間である。投与日数が1日以下だと期待される効果が得られず、また25日以上投与しても効果的でない。投与は、1日に1度、または上記投与量を2回に分割して行う。
【0010】
本発明に用いるポリフェノール化合物の投与形態は、第一胃機能障害予防及び治療のどちらの目的にも特に限定されないが、好ましくは、飼料に混合して経口投与する、または水・温水に溶解して経口投与する方法である。また、従来の第一胃代謝障害の治療に用いられる薬物剤と併用しても問題はない。
本発明における第一胃機能障害とは、乳牛飼育及び肉牛肥育における生産性向上のための濃厚飼料多給、良質粗飼料の給与不足に起因して、第一胃の内容液のpHの低下、または第一胃内微生物叢のバランス(プロトゾア数の減少、グラム陽性菌の増加及びグラム陰生菌の減少等)が崩れることによる異常発酵が生じ、その結果、反芻能力が低下することを指す。さらに、本発明における第一胃機能障害の病状としては、脂肪酸代謝障害によるアシドーシス、前胃弛緩、食滞、第一胃鼓張症、第四胃変位及びケトーシス等の疾病を呈する。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、実施例のみに特に限定される物ではない。
【0011】
【実施例】
実施例1
ルーメン・フィステルを装着した乳牛30頭(平均体重720Kg)を通常 の飼料で飼育した区を無添加区、通常の飼料にポリフェノール化合物を含む製剤(テアペクス B、太陽化学(株)製、ポリフェノール化合物含有率20%以上)を1日当たり15gを1カ月のうち1日間添加して飼育した区を試験区1、通常の飼料にポリフェノール化合物を含む製剤(テアペクス B、太陽化学(株)製、ポリフェノール化合物含有率20%以上)を1日当たり15gを1カ月のうち3日間添加して飼育した区を試験区2、通常の飼料にポリフェノール化合物(テアペクス B、太陽化学(株)製、ポリフェノール化合物含有率20%以上)を1日当たり15gを1カ月のうち7日間添加して飼育した区を試験区3、通常の飼料に(−)−エピガロカテキンガレートを1日当たり15gを1カ月のうち3日間添加して飼育した区を試験区4、通常の飼料に(−)−エピガロカテキンガレートを1日当たり15gを1カ月のうち7日間添加して飼育した区を試験区5とし、5頭ずつのグループに分け、2カ月間飼育した。飼育直前、飼育開始1カ月後及び飼育開始2カ月後にルーメン内容物を採取し、ルーメン内総プロトゾアの数、細菌数を調べた。その結果をルーメン内プロトゾアの数を表1に、細菌数を表2に、それぞれ示した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
表1に示したように、ポリフェノール化合物を投与することにより、ルーメン内のプロトゾアの数が増加し、特に(−)−エピガロカテキンガレートを投与した乳牛での著しい増加が認められた。また、表2に示したように、ポリフェノール化合物を投与することにより、グラム陽性菌の菌数が減少し、グラム陰性菌の菌数が増加し、特に(−)−エピガロカテキンガレートを投与した場合、顕著であった。
これらのことから、ルーメン内の微生物叢が改善され、これにより乳牛の消化性、栄養成分利用特性が改善され、第一胃機能障害が発生することなく、予防できた。
【0015】
実施例2
対照例:平成6年1月20日出生のホルスタイン種雌牛が、平成8年4月5日に初産分娩後、5月10日より食欲廃絶し、乳量が14Kg/日に低下したので往診要請を受け、5月11日に初診を行ったところ、第一胃運動の極度の微弱を認め、塩酸メトクロプラミド製剤200gを経口投与した(体重732Kg)。翌朝食思が認められ、配合飼料3Kg、乾牧草1Kgを採食した。往診にて前日と同様の処置を行った。3日目に軟便を排泄した。6日目に通常便の排泄の経過を辿ったが、8日目になお第一胃の運動が微弱で、乳量16Kg/日の程度の回復であった。
【0016】
投与例:平成6年1月23日出生のホルスタイン種雌牛が、平成8年4月9日に初産分娩後、5月15日より食欲廃絶し、乳量が11Kg/日に低下した(体重711Kg)。5月16日午前の初診時に、ポリフェノール化合物を含む製剤(テアペクス B、太陽化学(株)製、ポリフェノール化合物含有率20%以上)15gを温湯に溶かして経口投与したところ、夕刻に食思を示し、配合飼料2Kg、デントコーン・サイレージ6Kg、乾牧草2Kgを採食、反芻するようになった。5月17日より配合飼料にテアペクス B、15gを混合投与したところ、配合飼料4Kg、デントコーン・サイレージ8Kg、乾牧草2Kgを採食した。夕刻の飼料給与時には、配合飼料6Kg、デントコーン・サイレージ12Kg、乾牧草3Kgを採食した。以降7日間、テアペクス B、15gを朝の飼料給与時に配合飼料に混合し、1日2回投与した。その間投与開始3日目で乳量26Kgに戻り、テアペクス B投与中止後も食欲、乳量に異常を認めず、往診依頼もなかった。
【0017】
実施例3
対照例:平成6年1月6日出生のホルスタイン種雌牛が、平成8年5月3日に初産分娩後、5月5日朝より食欲廃絶し、同日9時頃より左腹部の膨張があるとの往診依頼を受け、11時に初診し、第一胃鼓脹症と診断した(体重723Kg)。直ちに穿胃してガスの排出を行うと共に、シリコン樹脂製剤40ml、複合酵素製剤200gを経口投与した。その結果、症状の改善を認めたが、6月6日、8日に再発した。配合飼料の給与をやめ、イネ科乾牧草のみを給与したため乳量は6Kg/日で推移した。
【0018】
投与例:平成6年1月12日出生のホルスタイン種雌牛が、平成8年5月14日に初産分娩後、7月12日には乳量39Kg/日に達したので、配合飼料16Kg/日、デントコーン・サイレージ20Kg/日、乾牧草4Kg/日給与した。7月15日朝より食欲廃絶し、左腹部の膨張が認められた(体重715Kg)。往診依頼を受け、同日10時35分に初診した。第一胃鼓脹症と診断し、穿胃してガスを排出した。シリコン樹脂製剤40ml及びテアペクス B15gを温湯に溶かしたものを経口投与した。夕刻に再診したところ、鼓脹もなく、食思を示したため、配合飼料2Kgの他、乾牧草を自由摂取させた。翌7月16日に再診したところ、異常を認めず、テアペクス B15gを温湯に溶かして経口投与し、配合飼料8Kgを与え、乾牧草を自由摂取させた。7月2日よりテアペクスB15gを配合飼料に混合し、1日1回7日間継続投与することを農家に指示した。その結果、異常を認めず完治とした。飼料給与量、摂取量、乳量も発病前と同様に回復した。
【0019】
実施例4
対照例:平成5年12月27日出生のホルスタイン種雌牛が、平成8年4月29日に初産分娩後、5月25日に食欲不振、横臥苦痛を示すとの往診要請を受け、初診し、第四胃捻転と診断した(体重710Kg)。直ちに開腹し、第四胃切開手術を実施したが、5月27日になっても食欲が回復せず、排便がなかった。乾燥酵母製剤300gを1日2回、10日間投与した。投与4日目より下痢便を排出した。硫酸ベルベリン製剤50mlの静脈注射を4日間併用して通常便に戻ったが、食欲、乳量に著しい改善を認めないまま転帰した。
【0020】
投与例1:平成5年12月19日出生のホルスタイン種雌牛が、平成8年4月23日に初産分娩後、4月30日から食欲不振を示した(平均体重732Kg)。往診依頼を受け、5月1日に初診し、塩酸メトクロプラミド製剤20mlを静脈注射するとともに、複合酵素製剤200gを経口投与した。夕刻、食思を認めたが、配合飼料を少量のみ摂取し、下痢便を排泄した。左助骨下部を打診したところ金属音が認められ、第四胃左方変位と診断した。
5月2日午前に開腹手術を実施した。午後、硫酸ベルベリン製剤50ml、パンテチン50mlを静脈内注射した。併用してテアペクス B15gを温湯に溶かして経口投与した。翌5月3日よりテアペクス B15gを配合飼料に混合し、1日1回投与した。5月5日より血液便を認めず、5月9日に通常便となり、治療完了した。
【0021】
投与例2:平成元年5月19日出生のホルスタイン種雌牛が、平成8年8月23日に5産目を分娩し、起立不能との申し出を受け、午後往診した(体重713Kg)。第一胃運動が微弱であり、ポリグルコン酸カルシウム製剤500mlを静脈内注射した。8月24日になっても症状が好転せず、再びポリグルコン酸カルシウム製剤500mlを静脈内注射した。8月25日に自力寝返りが可能となり、食思を示した。再びポリグルコン酸カルシウム製剤500mlを静脈注射した。8月26日に食欲廃絶がみられた。第一胃運動は認められたものの左助骨下部の打診では金属音が認められた。尿中のケトン体の上昇が認められ、軽度の第四胃左方変位と診断した。プロピレングリコール製剤500ml、パンテチン製剤50mlを静脈注射した。8月27日にプロピレングリコール製剤50mlを静脈注射した他、テアペクス B15gを温湯に溶かして経口投与した。8月27日から8月31日までテアペクス B15gを配合飼料に混合して1日1回投与した。その結果、食欲及び乳量の回復が認められ、開腹手術の必要がなく、治療が完了した。
【0022】
投与例3:昭和62年2月7日出生のホルスタイン種雌牛が、平成8年8月11日に7産目を分娩した。分娩直後より起立不能との申し出を受け、往診した(体重716Kg)。血中Ca3.0mg/dl以下、P2.9mg/dlとの検査結果より乳熱による起立不能症と診断した。ポリグルコン酸カルシウム製剤500ml、DL−メチオニン・ビタミン複合剤500mlの静脈内注射を3日間継続して行った。その結果、皮膚温が冷寒(体温38.0℃)であり、第一胃運動が微弱であり、食欲不振が続いた。5日目に尿中ケトン体が強陽性となり、左助骨中・下部の打診で金属音が認められた。ケトーシスを伴う第四胃左方変位と診断した。テアペクス B15gを温湯に溶かし経口投与したところ、翌日より食思を認めた。以後、テアペクス B15gを配合飼料に混合し、1日1回投与した。投与開始当日より反芻が認められ、7日間の投与で治療完了した。開腹手術を行う必要なく、治療が完了した。
【0023】
実施例5
反芻家畜の乾乳期(分娩前2カ月間)の飼養管理の失宜、つまり不良乾牧草の給与による乾物摂取量の不足や必要栄養量の不足は、第一胃の容量の減少及び第一胃の機能の低下をきたし、また、濃厚飼料、デントコーンサイレージの給与やフリーストール飼養方式での乾乳期の短期化による過肥状態において、特に脂肪肝でのグリコーゲンの低下や脂肪酸の酸化不完全は、ケトン体の生成を促進させる。
分娩後血中ケトン体が著しく高い乳牛5頭(体重723Kg)について、テアペクス B15gを1日1回、7日〜14日間、配合飼料に混合して投与した。そして表3の血液検査結果が得られた。
【0024】
【表3】
【0025】
表3に示したように、本発明品を投与することにより、血中ケトン体の低下が認められた。このことから、第一胃機能低下に起因するケトーシス等の疾病が予防された。
以上、実施例1〜5より明らかなように、本発明から反芻家畜の第一胃機能障害の予防及び治療ができることが明らかとなった。
【0026】
本発明の実施形態ならびに目的生成物を挙げれば以下の通りである。
(1)(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレートからなるポリフェノール化合物より選ばれる1種または2種以上の化合物を有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害予防剤。
(2)(−)−エピガロカテキンガレートを有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害予防剤。
(3)(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレートからなるポリフェノール化合物より選ばれる1種または2種以上の化合物を有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害治療剤。
(4)(−)−エピガロカテキンガレートを有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害治療剤。
【0027】
(5)(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレートからなるポリフェノール化合物より選ばれる1種または2種以上の化合物を有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害予防方法。
(6)(−)−エピガロカテキンガレートを用いることを特徴とする反芻家畜の第一胃機能障害予防方法。
(7)投与量が、反芻家畜のポリフェノール化合物として、1日当たり1〜10mg/体重Kgである前記(5)または(6)記載の反芻家畜の第一胃機能障害予防方法。
(8)投与量が、反芻家畜のポリフェノール化合物として、1日当たり2〜8mg/体重Kgである前記(5)または(6)記載の反芻家畜の第一胃機能障害予防方法。
(9)投与量が、反芻家畜のポリフェノール化合物として、1日当たり4〜6mg/体重Kgである前記(5)または(6)記載の反芻家畜の第一胃機能障害予防方法。
【0028】
(10)投与期間が、1カ月間のうち連続、隔日または数日おきに1〜25日間である前記(5)〜(9)いずれか記載の反芻家畜の第一胃機能障害予防方法。
(11)投与期間が、1カ月間のうち連続、隔日または数日おきに3〜20日間である前記(5)〜(9)いずれか記載の反芻家畜の第一胃機能障害予防方法。
(12)投与期間が、1カ月間のうち連続、隔日または数日おきに5〜18日間である前記(5)〜(9)いずれか記載の反芻家畜の第一胃機能障害予防方法。
(13)(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレートからなるポリフェノール化合物より選ばれる1種または2種以上の化合物を用いることを特徴とする反芻家畜の第一胃機能障害治療方法。
(14)(−)−エピガロカテキンガレートを用いることを特徴とする反芻家畜の第一胃機能障害治療方法。
【0029】
(15)投与量が、反芻家畜のポリフェノール化合物として、1日当たり2〜8mg/体重Kgである前記(13)または(14)記載の反芻家畜の第一胃機能障害治療方法。
(16)投与量が、反芻家畜のポリフェノール化合物として、1日当たり4〜6mg/体重Kgである前記(13)または(14)記載の反芻家畜の第一胃機能障害治療方法。
(17)投与期間が、発症後、1カ月間のうち連続、隔日または数日おきに1〜25日間である前記(13)〜(16)いずれか記載の反芻家畜の第一胃機能障害治療方法。
(18)投与期間が、発症後、1カ月間のうち連続、隔日または数日おきに3〜20日間である前記(13)〜(16)いずれか記載の反芻家畜の第一胃機能障害治療方法。
(19)投与期間が、発症後、1カ月間のうち連続、隔日または数日おきに5〜18日間である前記(13)〜(16)いずれか記載の反芻家畜の第一胃機能障害治療方法。
【0030】
【発明の効果】
ポリフェノール化合物の投与により、乳牛の分娩後に多発する前胃弛緩症、第一胃鼓脹症、第四胃変位、食欲廃絶、ケトーシス等の前胃機能障害あるいは脂肪酸代謝障害に対して著しい改善効果がある。さらに、その効果は、従来の治療剤との併用によって著しい効果が認められた。
また、乾乳期飼養管理の失宜によって、前胃機能の正常な働きが失われ、揮発性脂肪酸代謝が異常になった牛に、ポリフェノール化合物を投与することにより、第一胃内浸透圧、第一胃内容物のpH、第一胃内微生物叢が正常化し、前胃弛緩症、第一胃鼓脹症、第四胃変位、食欲廃絶、代謝病としてのケトーシス症に対して著しい改善が認められた。
従来の方法では、治療の手段として開腹手術を行い、乳牛の耐用年数を縮めているが、本発明の実施例に示されたように開腹手術を必要とせず、内科的処置によって治療が可能になり、乳牛の耐用年数が延長され、酪農経営の経済的圧迫を著しく改善する効果がある。
Claims (4)
- (+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレートからなるポリフェノール化合物より選ばれる1種または2種以上の化合物を有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害予防剤。
- (+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−ガロカテキンガレート、(−)−エピカテキン、(−)−エピカテキンガレート、(−)−エピガロカテキン、(−)−エピガロカテキンガレートからなるポリフェノール化合物より選ばれる1種または2種以上の化合物を有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害治療剤。
- (−)−エピガロカテキンガレートを有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害予防剤
- (−)−エピガロカテキンガレートを有効成分とする反芻家畜の第一胃機能障害治療剤。
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