JPH08780B2 - 反芻家畜の前胃機能障害及び脂肪酸代謝機能障害の治療剤及び治療方法 - Google Patents

反芻家畜の前胃機能障害及び脂肪酸代謝機能障害の治療剤及び治療方法

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JPH08780B2
JPH08780B2 JP5253874A JP25387493A JPH08780B2 JP H08780 B2 JPH08780 B2 JP H08780B2 JP 5253874 A JP5253874 A JP 5253874A JP 25387493 A JP25387493 A JP 25387493A JP H08780 B2 JPH08780 B2 JP H08780B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反芻家畜の前胃機能障
害及び脂肪酸代謝機能障害の治療剤及び治療方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、反芻家畜、特に乳牛や肉牛の生産
効率を上げるために、高泌乳能力牛、高肥育効率牛の改
良や、集約的飼養技術の改善が急速に進められている。
しかし、これに伴い、以下のような問題が生じている。
【0003】乳牛、肉牛の妊娠末期には、胎仔の急速な
体重増加がみられる。そのため、例えば乳牛では、泌乳
期中の全身、特に乳房の過労働の休息と胎仔の発育のた
めに、分娩前2ヶ月間に乾乳期を設けている。この期間
は、過肥、瘠痩を防ぎ、次期泌乳生産を高めるため、良
質乾牧草を主体に給与する飼育方法が推奨されている。
【0004】しかし、わが国の気候風土では良質乾牧草
の生産が十分ではない。そのため、乾乳期間中に品質不
良の乾牧草が給与された場合には、乾物摂取量の不足や
必要栄養量の不足を来し、分娩後の泌乳開始の時期に第
一胃容積の減少、第一胃機能の低下がみられるようにな
る。
【0005】一方、不良乾牧草の栄養補足を目的に濃厚
飼料やサイレージを給与すると過肥状態となり、体内諸
臓器、特に肝臓に脂肪が沈着する。かかる脂肪肝におい
ては、グリコーゲン量が減少し、脂肪酸の酸化が不完全
となり、ケトン体の生成が亢進する。
【0006】また、多頭数飼育管理の省力化の観点から
採用されているフリーストール飼育方式では、十分な乾
乳期が設けられずに、肥満状態で分娩を迎えることにな
る。
【0007】上記いずれの場合においても、分娩後の泌
乳の初期に濃厚飼料が給与されることによって、前胃機
構における第一胃の内容液のpHの低下または微生物叢
の不均衡による異常発酵を起こし、前胃機能障害や脂肪
酸代謝機能障害によるアシドーシス(第一胃内酸過剰
症)、前胃弛緩、前胃弛緩に伴う食欲廃絶、第一胃鼓脹
症、第四胃変位、代謝病としてのケトーシス(生体内ケ
トン体増加、ケトン血症、ケトン尿症)等の疾病を来す
ことになる。
【0008】以上の症状の中で、例えば食欲廃絶や第一
胃鼓脹症等に対しては、従来、複合消化酵素製剤や塩酸
メトクロプラミド、シリコン樹脂製剤等による治療で対
処してきたが、十分な治療効果をあげることができなか
った。
【0009】また、ケトーシスの薬物療法としては、通
常、(a)糖及び糖源物質の静脈注射(例えば、20〜
25%ブドウ糖溶液500〜1000ml、キシリトー
ル500〜1000ml)(b)有機酸塩類の投与(例
えば、プロピレングリコール200〜300mlの内
服、プロピオン酸ナトリウム100〜500gの内服、
5%プロピオン酸ナトリウム溶液100〜500mlの
静脈注射)、(c)ステロイドホルモンの筋肉注射(例
えば、デキサメサゾン10〜20mg、フルメタゾン
1.25〜2.5mg)、(d)36〜48時間間隔で
のインスリン150〜200単位の皮下注射、(e)強
肝剤及びビタミン剤の投与等が実施されてきた。
【0010】さらに、従来の肉牛肥育経営では、ルーメ
ンアシドーシス由来の慢性蹄葉炎の予防のためにイネワ
ラ、乾牧草の併用給与が不可欠であるため、肥育月令の
長期化が避けられないという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の治療方法では得ることのできなかったケトーシス
等に対する効果的な治療剤及び治療方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ケトーシス
等の前胃機能障害や脂肪酸代謝機能障害に対して、酪酸
菌(Clostridium butyricum)が
有効であることを見いだした。
【0013】酪酸菌(Clostridium but
yricum)は、偏性嫌気菌で芽胞を形成するグラム
陽性の桿菌である。芽胞の形成により、耐熱性、耐酸性
をもち、生菌としての安定性に富んでいる。
【0014】本発明の実施例で用いている、酪酸菌の一
菌株であるクロストリジウム・ブチリカム・ミヤイリ
(Clostridium butyricum MI
YAIRI)の特徴は、動物の腸内に棲息する固有の有
用菌(ビフィズス菌、乳酸菌)等の増殖を促し、一方、
腸内有害菌との拮抗作用を有することである。これは、
反芻家畜の強度に嫌気的である第一胃内で、嫌気菌であ
る同菌が栄養型になり、同菌が産生する炭水化物(デン
プン、繊維)の消化酵素による単糖類、オリゴ糖の生成
やタンパク質分解酵素による有効物質の生成によって腸
内固有の有用菌(乳酸菌等)の増殖を促す一方、同菌に
よる酪酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸の産生が、有
害な大腸菌等の発育を抑制するためである。また、同菌
は、ビタミンやアミラーゼ等の消化酵素等も産生する。
【0015】ヒトの臨床においても、腸管系病原菌との
拮抗作用や乳酸菌群の発育作用が報告されており、長期
間の投与による安全性も確かめられている。また、培養
における培地の栄養要求量も少なく、安価に製造するこ
とができる等の多くの利点を有する。
【0016】したがって、化学療法時の抗生物質起因性
下痢あるいは便秘等の便通異常や、術後の消化機能異常
の正常化をもたらす生菌製剤として広く用いられてい
る。また、ヒトや家畜の整腸剤、ヒトのアトピー性皮膚
炎治療補助剤としても広く用いられている。
【0017】本発明者は、ケトーシス等の前胃機能障
害、脂肪酸代謝機能障害に対しては従来使用されていな
かった酪酸菌(Clostridium butyri
cum)を上記障害の治療用に用いたところ、きわめて
有効であることを見いだしたものである。
【0018】本発明で用いることのできる酪酸菌として
は、例えば、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託
されている酪酸菌(クロストリジウム・ブチリカム:C
lostridium butyricum)が挙げら
れ、微生物受託番号は、微工研条寄第2789号(BP
−2789)、微工研菌寄第11868号(P−118
68)、同第11869号(P−11869)、同第1
1870号(P−11870)等である。
【0019】投与量は、反芻動物の体重1kgあたり1
日0.05g以上である。好ましくは、体重1kgあた
り1日0.10g程度である。投与は、1日に1度、ま
たは上記投与量を2回に分割して行う。症状の程度によ
っては、隔日や数日おきに投与してもよい。
【0020】投与に際しては、酪酸菌(Clostri
dium butyricum)を温湯に懸濁させて経
口投与する方法や、製品(細粒)を飼料に混ぜて経口投
与する方法等がとられる。また、酪酸菌製剤を投与する
方法と前記のような従来の療法の併用も非常に有効であ
る。併用できる従来からの療法としては、例えば、ケト
ーシス治療の場合、プロピレングリコール製剤やカラメ
ル含有製剤の静脈内注射等が挙げられ、この中でも特に
プロピレングリコール製剤との併用が効果的である。
【0021】以下に、酪酸菌(Clostridium
butyricum MIYAIRI 588)(生
命工学工業技術研究所における微生物受託番号:微工研
条寄第2789号)の投与による、前胃機能障害、脂肪
酸代謝機能障害の改善例を示す。
【0022】
【実施例】実施例1 実施例1は、前胃弛緩症に伴う食欲廃絶の治療例であ
る。 対照例:平成3年1月23日出生のホルスタイン種雌牛
が、平成5年4月8日に初産分娩後、5月16日より食
欲廃絶し、乳量が15kg/日に低下したので往診要請
を受け、5月17日に初診したところ、第1胃運動の極
度の微弱を認め、塩酸メトクロプラミド製剤20mlを
静脈内に注射するとともに、複合消化酵素製剤200g
を経口投与した。翌朝食思が認められ、配合飼料3k
g、乾牧草1kgを採食した。往診にて前日と同様の処
置を行なった。3日目に軟便を排泄した。6日目に通常
便の排泄の経過を辿ったが、8日目になお第1胃の運動
が微弱で、乳量16kg/日の程度の回復であった。
【0023】投与例:平成3年1月3日出生のホルスタ
イン種雌牛が、平成5年3月15日に初産分娩後、3月
20日より食欲廃絶し、乳量が12kg/日に低下し
た。3月21日午前の初診時に、酪酸菌(Clostr
idium butyricum MIYAIRI)を
1g中に40mg含有する製剤(以下、「CBM製剤」
の略号を用いる。)50gを温湯に懸濁して経口投与し
たところ、夕刻に食思を示し、配合飼料2kg、デント
コーン・サイレージ6kg、乾牧草2kgを採食、反芻
するようになった。3月22日より配合飼料にCBM製
剤25kgを混合投与したところ、配合飼料4kg、デ
ントコーン・サイレージ8kg、乾牧草2kgを採食し
た。夕刻の飼料給与時より農家に、配合飼料にCBM製
剤25gを混合して給与することを指示したところ、配
合飼料6kg、デントコーン・サイレージ12kg、乾
牧草3kgを採食した。以降10日間、CBM製剤25
gを配合飼料に混合し、1日2回投与した。その間、投
与開始5日目で乳量26kgに戻り、CBM製剤投与中
止後も食欲、乳量に異常を認めず、往診依頼もなかっ
た。
【0024】実施例2 実施例2は、第1胃鼓脹症の治癒例である。 対照例:平成2年9月18日出生のホルスタイン種雌牛
が、平成5年1月22日に初産分娩し、5月24日朝よ
り食欲廃絶し、同日10時頃より左腹部の膨張があると
の往診依頼を受け、12時に初診し、第1胃鼓脹症と診
断した。直ちに穿胃してガスの排出を行なうと共に、シ
リコン樹脂製剤40ml、複合消化酵素製剤200gを
経口投与した。その結果、症状の改善を認めたが、6月
26日、28日に再発した。配合飼料の給与をやめ、イ
ネ科乾牧草のみを給与したため乳量は8kg/日で推移
した。
【0025】投与例:平成2年9月9日出生のホルスタ
イン種雌牛が、平成5年4月13日に初産分娩した後、
6月20日には乳量38kg/日に達したので、配合飼
料を16kg/日、デントコーン・サイレージを20k
g/日、乾牧草を4kg/日給与した。6月23日朝よ
り食欲廃絶し、左腹部の膨張がみられた。往診依頼を受
け、9時30分に初診した。第一胃鼓脹症と診断し、穿
胃してガス排出をした。シリコン樹脂製剤40mlの初
期措置を実施し、他の農家の往診に回った後、11時3
0分、2次処置としてCBM製剤50gを温湯に懸濁し
て経口投与した。夕刻に再診して患畜を診たところ、鼓
脹もなく、食思を示したため、配合飼料2kgの他、乾
牧草を自由摂取させた。翌7月1日に再診したところ、
異状を認めず、CBM製剤50gのみを温湯に懸濁して
経口投与し、配合飼料8kgを与え、乾牧草を自由摂取
させた。7月2日よりCBM製剤25gを配合飼料に混
合し、1日2回4日間継続投与することを農家に指示し
た。その結果、異状を認めず治癒と判断した。飼料給与
量、摂取量、乳量も発病前と同様に回復した。
【0026】実施例3 実施例3は、ケトーシスを伴う第4胃変位、捻転の治癒
例である。 対照例:平成2年9月5日出生のホルスタイン種雌牛
が、平成5年2月25日に初産分娩し、3月2日に食欲
不振、横臥苦痛を示すとの往診要請を受け、初診し、第
四胃捻転と診断した。直ちに開腹し、第4胃切開手術を
実施するが、3月4日に到るも食欲廃絶し、排糞がなか
った。乾燥酵母製剤300gの1日2回投与を10日間
継続した。投与4日目より下痢便を排出した。硫酸ベル
ベリン製剤50mlの静脈注射を4日間併用して通常便
に戻ったが、食欲、乳量に著しい改善を認めないまま転
帰した。
【0027】投与例1:平成2年10月2日出生のホル
スタイン種雌牛が、平成5年2月10日に初産分娩し、
2月22日より食欲不振を示した。往診要請を受け、2
3日に初診し、塩酸メトクロプラミド製剤20mlを静
脈内注射するとともに、複合消化酵素製剤200gを経
口投与した。夕刻、食思を認めたが、配合飼料を少量の
み摂取し、下痢便を排泄した。左肋骨下部を打診したと
ころ金属音が認められ、第四胃左方変位と診断した。
【0028】2月24日午前に開腹手術を実施した。午
後、硫酸ベルベリン製剤50ml、パンテチン製剤50
mlを静脈内注射した。2月25日、食欲は認められた
が、混血下痢便を排泄したため、再び硫酸ベルベリン製
剤50ml、パンテチン50mlを静脈内注射した。併
せてCBM製剤50gを温湯に懸濁して経口投与した。
翌26日よりCBM製剤25gを配合飼料に混合し、1
日2回給与することを農家に指示した。28日より血液
便を認めず、3月4日に通常便となり、転帰と認めた。
【0029】投与例2:昭和61年2月25日出生のホ
ルスタイン種雌牛が、平成5年5月21日に5産目を分
娩し、起立不能との稟告を受け、午後往診した。第一胃
運動が微弱であり、ポリグルコン酸カルシウム製剤50
0mlを静脈内注射した。5月22日になっても症状が
好転せず、再びポリグルコン酸カルシウム製剤500m
lを静脈内注射した。23日に自力寝返りが可能とな
り、食思を示した。再びポリグルコン酸カルシウム製剤
500mlを静脈注射した。24日に食欲廃絶がみられ
た。第1胃運動は認められたものの左肋骨下部の打診で
は金属音が認められた。尿中のケトン体の上昇が認めら
れ、軽度の第四胃左方変位と診断した。プロピレングリ
コール製剤500ml、パンテチン製剤50mlを静脈
注射した。25日にプロピレングリコール製剤500m
l、パンテチン製剤50mlを静脈注射した他、CBM
製剤50gを温湯に懸濁して経口投与した。26日から
6月2日までCBM製剤25gを配合飼料に混合して1
日2回投与しただけで食欲及び乳量の回復がみられ、開
腹手術に到らずに治癒と認めた。
【0030】投与例3:昭和58年12月28日出生の
ホルスタイン種雌牛が、平成5年6月22日に7産目を
分娩した。分娩直後より起立不能のため往診した。血中
Ca3.1mg/dl以下、P2.9mg/dlとの検
査結果より乳熱による起立不能症と診断した。ポリグル
コン酸カルシウム製剤500ml、DLメチオニン・ビ
タミン複合剤500mlの静脈内注射を3日間継続して
行なった。その結果、皮膚温が冷寒(体温38.0℃)
であり、第一胃運動が微弱であり、食欲不振が続いた。
5日目に尿中ケトン体が強陽性となり、左肋骨中・下部
の打診で金属音が認められた。ケトーシスを伴う第四胃
左方変位と診断した。CBM製剤50gを温湯に懸濁
し、経口投与したところ、2日目より食思を認めた。以
後、CBM製剤25gを配合飼料に混合し、1日2回投
与することを農家に指示した。当日より反芻を認め、7
日間の投与で転帰した。開腹手術をしないで治癒と判断
した。
【0031】実施例4 実施例4はケトーシスの治療に関するものである。反芻
家畜の乾乳期(分娩前2ヶ月間)の飼養管理の失宜、す
なわち不良乾牧草の給与による乾物摂取量の不足や必要
栄養量の不足は、第一胃の容量の減少及び第一胃の機能
の低下を来し、また、濃厚飼料、デントコーンサイレー
ジの給与やフリーストール飼養方式での乾乳期の短期化
による過肥状態において、特に脂肪肝でのグリコーゲン
の低下や脂肪酸の酸化不完全は、ケトン体の生成亢進を
来す。
【0032】分娩後血中ケトン体が著しく高いウシ4頭
について、偏性嫌気菌であるCBM製剤25gを1日2
回2日間、以後25gを1日1回7〜10日間配合飼料
に混合して給与することによって、次の通りの血液検査
結果を得た。
【表1】
【0033】上記の他、ルーメンアシドーシス由来の慢
性蹄葉炎(chronic laminitis:ロボ
ット病)の治療において効果が認められた。ルーメンア
シドーシスについては、第1胃内におけるD型乳酸の異
常生成が原因とされている。これに関し、酪酸菌(Cl
ostridium butyricum)がD型乳酸
をよく利用して酪酸と酢酸に分解する一方、L型乳酸に
は働かないとの、オデット・ツィリット(Odette
SZYLIT)らの論述がある(Reprod.Nu
tr.Develop.,1988,28(6A),1
455−1464)。この論拠は、ルーメンアシドーシ
スの治療にCBM製剤が有効であることを裏付けるもの
である。
【0034】
【発明の効果】酪酸菌(Clostridium bu
tyricum)の投与によって、乳牛の分娩後に多発
する、前胃弛緩症、第一胃鼓脹症、第四胃変位、食欲廃
絶、ケトーシス等の前胃機能障害あるいは脂肪酸代謝機
能障害に対して著しい改善効果がある。また、その効果
は、従来の治療剤との併用によって著しく増幅される。
【0035】また、乾乳期飼養管理の失宜によって、前
胃機構の正常な働きが失われ、揮発性脂肪酸代謝の異状
を来したウシに、酪酸菌(Clostridium b
utyricum)製剤を投与することにより、第一胃
内浸透圧、第一胃内容物(胃汁)のpH、第一胃内微生
物叢が正常化し、前胃弛緩症、第一胃鼓脹症、第四胃変
位、食欲廃絶、代謝病としてのケトーシス症に対する著
しい改善が認められる。
【0036】さらに、実施例3の投与例1では、内科的
治療だけでは患牛が衰弱することを考慮し、第四胃変位
について開腹手術をしているが、この場合でも、酪酸菌
(Clostridium butyricum)製剤
の投与によって、短時日で術後の血液便から通常便への
回復がみられる。
【0037】従来の方法では、治療に当たり開腹手術を
安易に行う結果、乳牛の耐用年数を極度に縮めている
が、実施例3の投与例2、投与例3のように、開腹手術
をせず、内科的処置のみによって第四胃変位を治療すれ
ば、酪農経営が経済的に圧迫されている状況が、著しく
改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/20 C12R 1:145)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酪酸菌(Clostridium bu
    tyricum)を有効成分とする、反芻家畜の前胃機
    能障害及び脂肪酸代謝機能障害の治療剤。
  2. 【請求項2】 酪酸菌(Clostridium bu
    tyricum)を投与することによる、反芻家畜の前
    胃機能障害及び脂肪酸代謝機能障害の治療方法。
JP5253874A 1993-10-12 1993-10-12 反芻家畜の前胃機能障害及び脂肪酸代謝機能障害の治療剤及び治療方法 Expired - Lifetime JPH08780B2 (ja)

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