JP4063909B2 - ペル(3,6−アンヒドロ)シクロデキストリンの置換誘導体、その調製方法、およびイオン分離するための該誘導体の使用 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シクロデキストリンの置換誘導体に関し、より詳細にはイオンと選択的に複合するためのシクロデキストリンの置換誘導体に関する。
より詳細には、本発明は、その特性を変性するための、特にイオンの複合への選択性を有するペル(3,6−アンヒドロ)シクロデキストリンの化学変性に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
シクロデキストリン類またはシクロマルトオリゴ糖類は、α−(1,4)−結合グルコース単位の結合により形成される天然由来の化合物である。
これらの化合物が疎水性分子と包接複合体を形成可能であり、その結果として水性媒体中に疎水性分子を溶解可能とすることは、多くの研究から示されている。たとえば、文献:D. Duchene,”Pharmaceutical application of cyclodextrins”中の”Cyclodextrins and their industrial uses”, pp213-257, Editions de Sante, 1987に記載されているように、特に薬学分野において上記現象を利用することが多く提案されている。
【0003】
シクロデキストリン類の複合体の形態での薬学的組成物が、日本およびイタリアで販売されており、近年フランスでも販売されている。フランスでは、シクロデキストリンへの包接複合体の形態で販売されている最初の活性物質は、ピロキシカムであり、これは、”BREXIN(R)”の商品名で”Pierre Fabre Medicament”社から販売されている抗炎症剤である。前記シクロデキストリン類の非常に多くの変性誘導体の中でも、空隙部自体が折り返しとなっているため、包含する有機分子の包含量はないかまたは非常に限定されるものである。このようなタイプの化合物は、ペル(3,6−アンヒドロ)シクロデキストリン類である。
【0004】
ペルアンヒドロシクロデキストリン類の合成は、1991年の文献(文献:Gadelle A. and Defaye J., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., (1991), 30, 78-79;Ashton P. R., Ellwoood P., Staton I. and Stoddart J. F. Angew. Chem. Int. ed. Engl., (1991), 30, 80-81)に開示されており、これらの誘導体は水および有機溶媒の双方に溶解度を有することが例示されている。これに次ぐ研究(Yamamura H. and Fujita K. Chem. Pharm. Bull., (1991) 39, 2505-2508; Yamamura H., Ezuka T., Kawase Y., Kawai M., Butsugan Y. and Fujita. K., J. Chem. Soc. Chem. Com., (1993) 636-637; Yamamura H., Nagaoka H., Kawai M. and Butsugan Y., Tetrahedron Lett. (1995) 36, 1093-1094)もまた、これらのペルヒドロ誘導体が無視できない選択性でイオンと複合することが可能であることを示している。文献:Ashton et al in J. Org. Chem., 60, 1995, pp3898-3903は、2位がメチル基で置換されたペルアンヒドロデキストリン誘導体の合成を開示している。
しかしながら、該化学変性は、ペルアンヒドロシクロデキストリンの複合または選択性を最高に活用するために行ったものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
本発明は、新規なペルアンヒドロシクロデキストリン誘導体に関し、ここで、化学変性は、該誘導体が複合可能であるイオンに対して選択性を変性するために行われたものである。
本発明によれば、該変性は、分子に存在するヒドロキシル基、および炭素C2の立体配置に関し、L−マンノースタイプの誘導体に変換可能である。
【0006】
本発明によれば、ペル(3,6−アンヒドロ)シクロデキストリン置換誘導体は、式:
【0007】
【化15】
【0008】
または
【0009】
【化16】
【0010】
(式中、R1は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、式:
【0011】
【化17】
【0012】
(式中、R2は、O、S、およびNから選択された1以上のヘテロ原子を有してもよい、飽和または不飽和で、脂肪族または芳香族、炭化水素基であり、R3は、水素原子またはO、S、およびNから選択された1以上のヘテロ原子を有してもよい、飽和または不飽和で、脂肪族または芳香族、炭化水素基であり、および、Mは1価のカチオンまたは金属を示し、nは6、7、または8であり、ただしR1の少なくとも1つはOH基ではなく、R1はメトキシ基ではない)で表わされるもののうちの1つの基を示す)
で表わされる。
【0013】
該誘導体中、R2およびR3として使用可能な脂肪族または芳香族、炭化水素基は、異なったタイプのものでもよい。これらは、ある炭素原子が1以上のO、S、およびN等のヘテロ原子で置換されてもよく、1以上のエチレンまたはアセチレン不飽和を有していてもよい。さらに、炭化水素基は、異なった置換基、特に官能基またはハロゲン基を有してもよく、芳香族炭化水素基は、任意にたとえば1から20の炭素原子を有するアルキル基で置換されてもよい、フェニル基、トシル基からなるものであってもよい。
【0014】
本発明の第1実施態様によれば、全てのR1が、OCOR2(R2は炭素数が1から20の、直鎖または分岐のアルキル基を示す)またはOR2(R2は炭素数が2から20の、直鎖または分岐のアルキル基を示す)を示す。
本発明の第2実施態様によれば、置換誘導体は、I、Cl、Br、またはF等のハロゲン原子、OSO2R2、N3、またはOM基(Mは上記と同様の意味を示す)からなるR1の少なくとも1つを有している。
【0015】
本発明の該第2実施態様に相当する誘導体は、中間体であり、より詳細には他の置換基を供給するのに使用可能であり、酸素原子によって、シクロデキストリンのマルトースまたはグルコース環に結合するものではない。
より優位には、R1は式:OSO2R2で表わされ、R2は、CF3または式:
【0016】
【化18】
【0017】
で表わされる。本発明によるシクロデキストリン誘導体は、種々の方法で調製可能である。
シクロデキストリン誘導体が、式(I)または(II)(式中、R1の少なくとも1つが、OR2またはOCOR2で表わされ、R2は上記と同様の意味を有し、他のR1はOHを示し、nは6、7、または8である)で表わされる場合、式:
【0018】
【化19】
【0019】
または
【0020】
【化20】
【0021】
(式中、nは6、7、または8である)
で表わされるペルアンヒドロシクロデキストリンを、式:R2X、R2COX、または(R2CO)2O(式中、R2は上記と同様の意味を有し、Xはハロゲン原子を表わす)と反応させることからなる。
該反応を行うために、シクロデキストリンのOH基を1以上変性するのに必要な化学量論的な量に相当する試薬R2X、R2COX、または(R2CO)2Oを使用する。
R1の少なくとも1つが、ハロゲン原子、または、式:
【0022】
【化21】
【0023】
(式中、R2、R3、およびMは、上記と同じ意味を有する)
で表わされる基を示し、nは6、7、または8である、シクロデキストリン誘導体を調製したい場合には、以下の工程を行うことが可能である。
1)式:
【0024】
【化22】
【0025】
または
【0026】
【化23】
【0027】
(式中、nは6、7、または8である)
で表わされるペルアンヒドロシクロデキストリンを、OH基をOM基(Mはアルカリ金属を示す)に変えるべく、水素化アルカリ金属と反応させる工程と、
2)工程1)で得られた変性ペルアンヒドロシクロデキストリンを、式:ClSO2R2(式中、R2は上記と同様の意味を有する)で表わされるクロリドと反応させて、少なくとも1つのR1が、式:OSO2R2で表わされる基である、式(I)または(II)で表わされる誘導体を調製する工程と、
3)R1がOSO2R2とは異なるべきである場合には、工程2)で得られた誘導体を、OSO2R2を所望のR1基に変えるための1以上の適当な試薬と反応させる工程。
【0028】
該方法では、まず、ペル(3,6−アンヒドロ)シクロデキストリンが水素化アルカリ金属の作用によってアルコラートに変換され、次いで、該アルコラートが式:OSO2R2の基を有する誘導体に変換され、次いで所望のR1基により該基を置換するために、1以上の適当な試薬を用いて、1以上の工程で反応が行われる。 R1がN3を示す場合、N3Mと上記2)で定めた化合物とを反応させることが可能である。このようにして得られたアジドとして知られる化合物は、アンモニアの存在中で処理するまたは接触水素化を行うことによって、R1がNH2を示す生成物を調製可能である。
【0029】
R1がNR2R3を示す生成物は、上記2)で定めた化合物を化合物:NHR2R3と反応させることによって調製される。
R1がハロゲン原子、Xを示す場合、上記2)で定めた化合物をX-と反応させることが可能である。
このようにして得られた化合物(R1=X)は、HS-またはR2S-と反応させて、R1がSHまたはSR2の化合物とすることが可能である。
【0030】
R1がハロゲンを示す化合物は、R1 2LiCu(R1は炭化水素基を示す)と反応させて、R1が炭化水素基である最終化合物を調製可能である。同様にして、R1がハロゲンを示す化合物は、CN-と反応させて、R1がCNである最終化合物を調製可能である。R1がCNを示す化合物は、処理加水分解(managed hydrolysis)してR1がCONH2である化合物を調製可能である。R1がCNを示す化合物は、完全加水分解してR1がCOOHである化合物を調製可能である。R1がCOOHを示す化合物は、エステル化してR1がCOOR2である化合物を調製可能である。R1がCOOHを示す化合物は、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)の存在下、NHR2R3と反応させて、R1がCONR 2 R 3 である化合物を調製可能である。
【0031】
式(I)または(II)(式中、R1の少なくとも1つは水素原子である)の誘導体を調製するためには、式(III)または(IV)のペルアンヒドロシクロデキストリンを、たとえばAlLiH4を用いて還元することにより、OH基をHに変換可能である。
式(I)または(II)(式中、R1の少なくとも1つはOMである)の誘導体を調製するためには、式(III)または(IV)のペルアンヒドロシクロデキストリンを、水素化金属、HMと反応させることが可能である。
【0032】
本発明によるシクロデキストリン誘導体は多くの優位点を有している。特に、シクロデキストリンが過置換される場合、たとえば全てのR1がOH基とはことなる場合、該誘導体は、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランなどの有機溶媒に良好な溶解度を示す。該溶解度は、イオン分離用に興味深いものであり、なぜならば、当業者には良く知られた液体−液体交換法による分離が可能となるからである。
さらに、1以上の特別な化学基を導入する可能性があるため、種々のイオンに対して複合剤として製造することが可能となる。これはまた、基本材料として使用可能な3つの天然シクロデキストリンが異なった空隙直径を有し、これによって、分離されるべきイオンサイズに関して、補足選択性が得られることになる。
【0033】
本発明による式(III)または(IV)の生成物は、常法、たとえばGadelle A. らおよびAshton P. R. らによる前記文献に記載の方法にしたがって調製可能である。
本発明はまた、水溶液中に存在するイオンの分離方法に関し、該方法は、本発明によるシクロデキストリン誘導体を該溶液と接触させて、前記イオンを複合させ、次いでシクロデキストリン複合体の形態で溶液からイオンを分離することからなる。
【0034】
上記接触を行うためには、シクロデキストリン誘導体は、クロロホルムなどの、水溶液に混和しない有機溶媒に溶解されてもよい。
このように分離可能なイオンは特に、アルカリ金属イオン、アクチニド、ランタニド、および鉛、水銀、コバルト、またはストロンチウムなどのある種の汚染金属である。
本発明の他の特徴および優位点は、図1〜3とともに以下の具体的な実施例から明らかとなるであろう。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0035】
【実施例】
実施例1:ヘキサキス(3,6−アンヒドロ−2−0−アセチル)−シクロマルトヘキサオースの合成
該誘導体は、式(I)において、全てのR1がOCOCH3であり、nが6である化合物である。200mg(0.23ミリモル)のヘキサキス(3,6−アンヒドロ)−シクロマルトヘキサオースを2mLのピリジンおよび2mLの無水酢酸に溶解し、70℃で10時間加熱する。該反応は、NMR−分析サンプル(200MHz)で照査し、反応の終わりに、溶媒を除去し、残さを水に溶解してろ過する。該生成物を”μ−Bondapack C18”カラムクロマトグラフィを用いて、メタノール−水(50:50)混合物で溶出して精製し、NMRおよび質量分析から同定する。溶解度は、25℃で、水中、39ミリモル/Lであり、トリクロロメタン中、51ミリモル/Lである。
【0036】
図1(a)は、3ミリモル/Lの濃度の化合物の重水中の部分1H NMR(500MHz、298K)スペクトルを示す。
図1(b)は、10ミリモル/Lの濃度の塩化ナトリウムの存在下、同様の条件下における化合物の部分1H NMRスペクトルを示す。
図1(c)は、10ミリモル/Lの濃度の塩化アンモニウムの存在下、同様の条件下における化合物の重水中の部分1H NMRスペクトルを示す。
図1(d)は、10ミリモル/Lの濃度の塩化カリウムの存在下、同様の条件下における化合物の部分1H NMRスペクトルを示す。
図1(a)、図1(b)、図1(c)、および図1(d)のスペクトルの比較から、特にナトリウムに対して、カリウムの複合選択性があることがわかる。
該選択性は、種々の塩の存在下、観察される化学置換基のバリエーションから推測される。
【0037】
実施例2:モノ−2−トシル−3,6−アンヒドロシクロマルトヘキサオースの合成
該化合物は、式(I)において、1つのR1が式:
【0038】
【化24】
【0039】
で表わされ、他のR1がOHを示し、n=6である化合物である。
300mg(0.342ミリモル)の凍結乾燥ヘキサキス(3,6−アンヒドロ)シクロマルトヘキサオースを80mLの無水ジメチルホルムアミド(DMF)に70℃で15分間分散する。該溶液を室温に冷却し、シリンジでとり、油中に分散するNaH、43mgに添加する。該溶液は20分間攪拌すると透明になる。3mLの無水DMFに希釈したトシルクロリド(65.2mg、すなわち0.342ミリモル)を、シリンジを用いて上記溶液に添加する。溶媒を除去し、残さを”μ−Bondapack C18”カラムのHPLCを用いて、水中でメタノールを0−100%と徐々に増やして溶出して精製する。メタノール溶液は、34分の保持時間でサンプルする。生成物は、NMRおよび質量分析から同定する。
図2は、モノ−2−トシル−ヘキサキス(3,6−アンヒドロ)シクロマルトヘキサオースの重水中の1H NMR(500MHz、303K)スペクトルを示す。該スペクトルは1Dおよび2D NMRに帰属し、99%より高い純度を示す。トシル基の芳香族プロトンおよびアノマープロトンのシグナルのデジタル積分から、モノ−置換であることが確認される。
【0040】
実施例3:イオン交換プレートクロマトグラフィを用いる実施例1の化合物によるイオン複合の証明
イオンチャージフィルム上のクロマトグラフプレートを使用すると、評価されるべき種によるこれらのイオンの複合が行われたかが直ちに評価可能となる。本件の場合、種々のカウンターイオンを用いてチャージされた”Polygram Ionex25−SA−Na”プレート(Macherey−Nagel、ref:80613)が用いられた。それぞれ、イオン:
【0041】
【化25】
【0042】
が固定したクロマトグラフプレートが用いられた。
各テストにおいて、プレート上には、イオンに複合する場合に、プレート上に保持されるべき実施例1の化合物が載せられる。シクロデキストリン誘導体のわずかな移動があるため、該プレートを次いで4回水で展開し、次いで、式:
(1−Rf)X100
(式中、Rfは、シクロデキストリン誘導体により被覆された距離:溶媒によって被覆された距離の比を示す)
から計算された複合度を定めた。
得られた結果を図3に示す(ブランクカラム)。
比較の目的で、図3には、非置換誘導体:ヘキサキス(3,6−アンヒドロ)シクロマルトヘキサオースを用いた同条件下で得られた結果(グレーカラム)を示す。
【0043】
このように、アルカリイオンのシリーズでは、該2つの化合物は、カリウムおよびセシウムに対して高い選択性を有する。これらの結果は、NMRから得られた上記データと良い一致を示す。しかしながら、Co2+およびDy3+イオンの複合はあまり大きくない。ある重要な事は、鉛と水銀の複合の比較にあり、顕著な選択性の変更が、テストした2つの誘導体を比較すると、これら2つの金属に関して観察される。この観察結果から、ヒトの汚染除去に適用可能であることが極めて重要である。
以上、本発明による置換誘導体は、多くの適用性があるため、非常に興味深いものである。したがって、適当な置換基を選択することにより、あるイオンが他のイオンに比べて複合選択性を有する可能性があり、これによって、たとえばアクチニドおよびランタニドの分離用、または、ヒトの汚染除去用の医学分野に適用される可能性があることは、興味深いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の誘導体、単独(a)または10ミルモル/LのNaCl(b)、NH4Cl(c)、またはKCl(d)の存在下のプロトンNMRのスペクトルを示す図である。
【図2】 実施例2で調製したシクロデキストリン誘導体のプロトンNMRのスペクトルを示す図である。
【図3】 ペルアンヒドロシクロデキストリンおよび実施例1の誘導体による異なったイオンの複合度(%)を示す図である。
Claims (7)
- 式:
− 式( I )であって、 n は6であり、かつ、全ての R 1 は OCOCH 3 を示すか、
または、
− R1は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、式:
- 式:
- イオンと複合させるために、水溶液を請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシクロデキストリン誘導体と接触させ、シクロデキストリン複合体の形態で溶液からイオンを分離することからなることを特徴とする、水溶液中に存在するイオンの分離方法。
- シクロデキストリン誘導体を、水溶液とは混和しない有機溶媒中に溶解することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- 分離すべきイオンが、アルカリ金属イオン、アクチニド、およびランタニドから選択されることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
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