JP4062713B2 - ポジ型感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の感放射線性酸形成剤を含有するポジ型感放射線性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、特にKRFエキシマレーザー等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線、X線などを含む各種の放射線を用いる微細加工に有用なレジストとして好適なポジ型感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、リソグラフィーにおける加工サイズの微細化が進んでおり、近年では、0.23μm以下の微細加工を再現性よく行なうことの可能な技術が必要とされている。そのため、微細加工に用いられるレジストにおいても0.23μm以下のパターンを精度よく形成することが必要であるが、従来の可視光線(波長800〜400nm)または近紫外線(波長400〜300nm)を用いる方法では、0.5μm以下の微細パターンを高精度に形成することは極めて困難である。そこで、より短波長(波長300nm以下)の放射線の利用が鋭意検討されている。
【0003】
このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザー(波長193nm)等に代表される遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線を挙げることができる。これらのうち特にエキシマレーザーを使用するリソグラフィーはその高出力、高効率特性等の理由から、特に注目されている。このため、リソグラフィーに用いられるレジストに関しても、エキシマレーザーにより、0.23μm以下の微細パターンを高感度かつ高解像度で再現性よく形成できることが必要とされている。
KRFエキシマレーザー等の遠紫外線に適したレジストとしては、放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を生成する感放射線性酸発生剤を使用し、その酸の触媒作用によりレジストの感度を向上させた「化学増幅型レジスト」が提案されている。
【0004】
このような化学増幅型レジストとしては、例えば、特開昭59−45439号公報に、t−ブチル基あるいはt−ブトキシカルボニル基で保護された樹脂と感放射線性酸発生剤との組合せが、また特開昭60−52845号公報に、シリル基で保護された樹脂と感放射線性酸発生剤との組合せが、それぞれ開示されている。またその他にも、アセタール基を含有する樹脂と感放射線性酸発生剤とを含有するレジスト(特開平2−25850号公報)等、化学増幅型レジストに関しては多くの報告がなされている。
とくに、アセタール基を含有する樹脂を用いたレジストは、近年デバイス製造に用いられている窒化ケイ素や窒化チタンなどの塩基性の基板上でも矩形のパターンが得易いことから注目を集めている(例えばProc.SPIE Vol. 3049,p314参照)。
【0005】
しかしながら、デバイスの設計寸法がサブハーフミクロン以下になると、このアセタール基を含む樹脂と、従来の感放射線性酸形成剤の組み合わせでは、諸々の理由により、実用に耐えるプロセスマージンを確保することが困難となってきた。すなわち、トリフェニルスルフォニウムトリフレートやビス(tーブチルヨードニウム)10ーカンファースルホネート等のオニウム塩や、2,6−ジニトロベンジルスルホネート、トリス(メタンスルフォニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステルを酸形成剤として用いると、248nmのKrFエキシマレーザー光の吸収が大きすぎるため、アスペクト比の高い微細パターンではレジスト深部まで十分な放射光が到達せず、結果として順テーパーの形状の悪い加工しか行うことができない。また特開平5ー249682号公報に記載されている置換アリールスルフォニル)ジアゾメタンのような、アリール骨格を含むジアゾメタン型の酸形成剤も248nmでの吸収が大きいため不適当である。特開平5ー249682号公報には、例えばビス(シクロヘキシルスルフォニル)ジアゾメタンのような、248nmの吸収の小さい、アルキル置換のジアゾメタン系酸形成剤の記載もあるが、これらの化合物は一般に昇華性が高く、レジストに使用するとデバイス製造ラインを汚染する恐れがある。さらにアルキル置換のジアゾメタン系酸形成剤は、樹脂との相互作用が小さく、また相溶性も低い。このような酸形成剤を用いると、現像後のレジストパターン側面の凸凹が大きく、線幅制御に支障を来たす傾向がある。詳細な機構は解明されていないが、相溶性が低いために、酸発生剤は酸発生剤同士、樹脂は樹脂同士でドメインを形成する傾向を生じ、レジスト膜中で酸発生剤の濃度が高い部分と低い部分を生じることが原因であると推察される。従って、既知のアルキル置換のジアゾメタン系酸形成剤を用いると結果としてレジストに用いた際に微細加工に必要な線幅制御の精度を保つことができないという欠点を有する。
【0006】
一方、Nー(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプトー5ーエンー2,3ージカルボキシイミドスルホンイミドなどスルホンイミド系の酸形成剤は、248nmのKrFエキシマレーザー光の透過率の比較的高いものもあるが、化学増幅型レジストに酸拡散制御剤として一般に添加されている塩基の存在下で分解し易く、品質設計が難しいという欠点を有する。このような状況から、KRF光に高い透過率を有するのみならず、昇華性が小さく、微量の塩基の存在下でも安定で、かつ高解像度、高感度で精度良く線幅を制御できる感放射線性樹脂組成物の開発が強く求められてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術における前記状況に鑑み、各種放射線、特にKRFエキシマレーザーなどの遠紫外線に対して高い透過率を有し、高感度(低露光エネルギー量)で効率良く酸を発生でき、精度良く線幅を制御でき、かつ昇華性が小さく、優れた解像性能およびパターン形状をもたらしうる保存安定性に優れた微細加工に好適なポジ型の感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明のその他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、本発明の前記目的は、
(A)式(1)
【化4】
[式(1)において、R1およびR2は1価の有機基であり、相互に同一でも異なっていてもよい。但しR1およびR2の少なくとも一方はアルコール性水酸基を有する。]
で表される感放射線性酸形成剤と
(B)酸解離性保護基を持つアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性保護基が解離したときにアルカリ可溶性となる樹脂、
とを含むことを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物、
によって達成される。
【0009】
本発明によると、前記目的は、好ましくは、
(A)上記式(1)で表される感放射線性酸形成剤と、
(C)式(2)
【0010】
【化5】
[式(2)において、R3は水素原子またはメチル基を示す。]
で表される繰り返し単位と式(3)
【0011】
【化6】
[式(3)において、R4は水素原子またはメチル基を示し、R5は水素原子またはメチル基を示し、R6は炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を示しそしてR7は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基または炭素数5〜8の環状のアルキル基を示す。]
で表される繰り返し単位を必須単位として含有する樹脂、
とを含有することを特徴とするポジ型の感放射線性樹脂組成物、
によって達成される。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
感放射線性酸形成剤(A)
本発明に先立ち、発明者らは既知の各種酸形成剤について改良の方向を模索した。すなわちオニウム塩やスルホン酸エステルにおいては、各種置換基の導入による透明性の向上等を試み、またスルホンイミド系では塩基に対する安定性の向上を、そしてジアゾスルホン系については解像性の向上と昇華性の抑制方法を探索した。その結果、ジアゾスルホン系について、極性や水素結合性の高い置換基や結合を導入すると、フェノール性樹脂を主体とするバインダーとの相互作用が高まり、昇華性を実用的に全く問題の無いレベルまで抑制できることを見いだした。さらに様々な極性基や水素結合性基を導入したジアゾスルホン系酸形成剤を合成し、評価を継続したところ、特にエステル結合またはアルコール性水酸基を有するジアゾスルホン系酸形成剤を用いると、特異的に解像性能が伸び、かつレジスト膜側面の凸凹を抑制することを見いだし、本発明に到達した。
【0014】
以下、感放射線性酸形成剤(A)(以下酸形成剤(A)ということがある)について説明する。
本発明の感放射線性樹脂組成物に用いられる酸形成剤(A)は前記式(1)で表される。
式(1)において、R1およびR2は1価の有機基であり、相互に同一でも異なっていてもよい。但しR1およびR2の少なくとも一方はアルコール性水酸基を有する。
【0015】
R1、R2のいずれか一方がアルコール性水酸基を有する1価の有機基であれば、他方は、エステル結合またはアルコール性水酸基を含まない有機基でもよい。エステル結合またはアルコール性水酸基を含まない1価の有機基としては、非環式炭化水素基や単環状アルキル基などを好ましいものとして挙げることができる。
【0016】
R1およびR2の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基等の炭素数3〜12の分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環状アルキル基;または、下記式(a)で表される環を少なくとも2個以上有する基、
【0017】
【化7】
[式(a)において、Raは水素原子またはメチル基を示しそしてnは0〜3の数を示す。]
が挙げられる。
【0018】
R1およびR2のエステル結合を有する有機基(以下、「エステル結合有機基」という)としては、前記した1価の有機基の少なくとも1つの水素原子が、下記式(b)
【0019】
【化8】
[式(b)において、Rbは直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示す。]で表されるエステル結合を有する基で置換された基が挙げられる。
【0020】
Rbの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基としては、前記したものが挙げられる。
エステル結合を有する有機基の具体例としては、下記式(c)
【0021】
【化9】
[式(c)において、ncは2〜5の数を示し、Rbの定義は式(b)に同じである。Rncは水素原子、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を示し、複数個存在するRncは同一でも異なっていてもよい。]
で表される基および
下記式(d)
【0022】
【化10】
[式(d)において、ndは0〜3の数を示し、Rd1は水素原子またはメチル基を示し、Rd2は式(b)で示したRbと同一の基を示す。]
で表される基を挙げることができる。
【0023】
また、R1およびR2のアルコール性水酸基を有する有機基としては、前記した1価の有機基の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシル基で置換された基、前記した単環状アルキル基の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシメチル基(−CH2OH)で置換された基、前記式(a)で表される基の少なくとも1つの水素原子がヒドロキシメチル基(−CH2OH)で置換された基等を挙げられる。
【0024】
感放射線性酸形成剤(A)の配合量は、酸解離性保護基含有樹脂またはアルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、通常、0.001〜50重量部、好ましくは0.01〜30重量部、特に好ましくは0.1〜25重量部である。感放射線性酸形成剤(A)の配合量が0.001重量部未満では、感度および解像度が低下する傾向があり、また50重量部を超えると、レジストの塗布性や耐熱性の劣化を来しやすくなる傾向がある。
【0025】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、前記感放射線性酸形成剤(A)以外の感放射線性酸発生剤を配合することができる。
かかる感放射線性酸発生剤としては、例えば、▲1▼オニウム塩化合物、▲2▼ハロゲン含有化合物、▲3▼スルホン酸エステル化合物、▲4▼キノンジアジド化合物、▲5▼スルホンイミド化合物、▲6▼ジアゾメタン化合物等を挙げることができる。
これらの感放射線性酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0026】
感放射線性酸発生剤の配合量は、各感放射線性酸発生剤の種類に応じて適宜選定されるが、酸解離性保護基含有樹脂またはアルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、好ましくは20重量部以下、特に好ましくは15重量部以下である。感放射線性酸発生剤の配合量が20重量部を超えると、樹脂組成物を塗布する際に塗布むらが生じたり、現像時にスカム等を発生するおそれがある。
【0027】
酸解離性基含有樹脂(B)
本発明において使用される酸解離性保護基を持つアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂であって、該酸解離性保護基が解離したときにアルカリ可溶性となる樹脂(以下、「酸解離性基含有樹脂」という。)は、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の1種以上の酸性官能基を含有するアルカリ可溶性樹脂、例えば後述する式(4)〜(7)で表される繰返し単位を有するアルカリ可溶性樹脂中のフェノール性水酸基やカルボキシル基の如き酸性官能基の水素原子を、酸の存在下で解離することができる1種以上の酸解離性基で保護した、それ自体としてはアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂である。ここで言う「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、酸解離性基含有樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに酸解離性基含有樹脂のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
【0028】
【化11】
[式(4)において、R8は水素原子またはメチル基を表し、R9はハロゲン原子または炭素数1〜6の1価の有機基を表しそしてnは3以下の自然数を示す。]
【0029】
【化12】
[式(5)において、R10は水素原子またはメチル基を示す。]
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
[式(7)において、R11〜R15は相互に同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素数1から4のアルキル基を示す。]
【0032】
酸解離性基含有樹脂における前記酸解離性保護基としては、例えば、置換メチル基、1−置換エチル基、1-置換プロピル基、1−分岐アルキル基、シリル基、ゲルミル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、環式酸解離性基等を挙げることができる。
【0033】
前記置換メチル基としては、例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、エトキシメチル基、エチルチオメチル基、メトキシエトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルチオメチル基、フェナシル基、ブロモフェナシル基、メトキシフェナシル基、メチルチオフェナシル基、α−メチルフェナシル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ブロモベンジル基、ニトロベンジル基、メトキシベンジル基、メチルチオベンジル基、エトキシベンジル基、エチルチオベンジル基、ピペロニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロポキシカルボニルメチル基、イソプロポキシカルボニルメチル基、n−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。
【0034】
また、前記1−置換エチル基としては、例えば、1−メトキシエチル基、1−メチルチオエチル基、1,1−ジメトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エチルチオエチル基、1,1−ジエトキシエチル基、1−フェノキシエチル基、1−フェニルチオエチル基、1,1−ジフェノキシエチル基、1−ベンジルオキシエチル基、1−ベンジルチオエチル基、1−シクロプロピルエチル基、1−フェニルエチル基、1,1−ジフェニルエチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、1−n−プロポキシカルボニルエチル基、1−イソプロポキシカルボニルエチル基、1−n−ブトキシカルボニルエチル基、1−t−ブトキシカルボニルエチル基等を挙げることができる。
【0035】
また、前記1−分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基等を挙げることができる。
また、前記1−置換プロピル基としては、1ーメトキシプロピル基、1ーエトキシプロピル基等を挙げることができる。
また、前記シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、トリ−t−ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
【0036】
また、前記ゲルミル基としては、例えば、トリメチルゲルミル基、エチルジメチルゲルミル基、メチルジエチルゲルミル基、トリエチルゲルミル基、イソプロピルジメチルゲルミル基、メチルジイソプロピルゲルミル基、トリイソプロピルゲルミル基、t−ブチルジメチルゲルミル基、メチルジ−t−ブチルゲルミル基、トリ−t−ブチルゲルミル基、フェニルジメチルゲルミル基、メチルジフェニルゲルミル基、トリフェニルゲルミル基等を挙げることができる。
また、前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0037】
前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、p−トルエンスルホニル基、メシル基等を挙げることができる。
【0038】
さらに、前記環式酸解離性基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、4−メトキシシクロヘキシル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロチオフラニル基、3−ブロモテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロピラニル基、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル基、3−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド基等を挙げることができる。
【0039】
これらの酸解離性基のうち、t−ブチル基、1ーメトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1ーエトキシプロピル基、1ープロポキシエチル基、トリメチルシリル基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、等が好ましい。
【0040】
酸解離性基含有樹脂中における酸解離性保護基の導入率(酸解離性基含有樹脂中の酸性官能基と酸解離性保護基との合計数に対する酸解離性保護基の数の割合)は、酸解離性保護基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の種類により一概には規定できないが、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは15〜100%である。
また、酸解離性基含有樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは1,000〜500,000、さらに好ましくは3,000〜200,000である。酸解離性基含有樹脂は、例えば、予め製造したアルカリ可溶性樹脂に1種以上の酸解離性保護基を導入することによって製造することができ、また酸解離性保護基を有する1種以上の単量体の(共)重合、酸解離性保護基を有する1種以上の重縮合成分の(共)重縮合等によって製造することができる。
【0041】
本発明における酸解離性基含有樹脂としては、特にポリ(ヒドロキシスチレン)中の水酸基の水素原子の一部を前記酸解離性保護基で置換した樹脂、ヒドロキシスチレンおよび/またはヒドロキシ−α−メチルスチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体中の水酸基の水素原子および/またはカルボキシル基の水素原子の一部あるいは全部を前記酸解離性保護基で置換した樹脂等が好ましい。特に好ましい樹脂としては、後述するアセタール含有樹脂(C)を挙げることができる。
【0042】
酸解離性基含有樹脂は、またアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性を制御する性質を有し、酸の存在下で解離して、該アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性を制御する効果を低下もしくは消失するか、または該アルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解性を促進する作用を有するものである。
本発明において、酸解離性基含有樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、これらの樹脂はフェノール性低分子やアルカリ溶解性制御剤、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基に酸の存在下で解離しうる1種以上の置換基を導入した化合物等とともに用いることもできる。
【0043】
アセタール含有樹脂(C)
以下、本発明においてアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性樹脂として用いられるアセタール含有樹脂(C)について説明する。
アセタール含有樹脂(C)は、式(2)で表される繰り返し単位と式(3)で表される繰り返し単位を必須単位として含有する樹脂、
【0044】
【化15】
[式(2)において、R3は水素原子またはメチル基を表わす。]
【0045】
【化16】
[式(3)において、R4およびR5は水素原子またはメチル基を表わし、R6は炭素数1〜4の直鎖または分岐状のアルキル基を表しそしてR7は炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数5〜8の環状のアルキル基を表わす。]
である。
【0046】
R6の炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
R7の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
R7の炭素数5〜8の環状のアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0047】
アセタール含有樹脂中におけるアセタール基の導入率(アセタール基含有樹脂中のフェノール性水酸基とアセタール基との合計数に対するアセタール基の数の割合)は、アセタール基や該基が導入されるアルカリ可溶性樹脂の構造により一概には規定できないが、好ましくは5〜90%、さらに好ましくは10〜80%である。
【0048】
また、アセタール基含有樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは1,000〜500,000、さらに好ましくは3,000〜200,000である。
アセタール基含有樹脂は、例えば、予め製造したアルカリ可溶性樹脂に1種以上のアセタール基を導入することによって製造することができ、またアセタール基を有する1種以上の単量体の(共)重合、アセタール基を有する1種以上の重縮合成分の(共)重縮合等によって製造することができる。
【0049】
本発明におけるアセタール基含有樹脂としては、特にポリ(ヒドロキシスチレン)中の水酸基の水素原子の一部を前記アセタール基で置換した樹脂(一般式(8))、ヒドロキシスチレンおよび/またはヒドロキシ−α−メチルスチレンを(メタ)アクリル酸誘導体や他のスチレン誘導体と共重合した樹脂中の水酸基の水素原子の一部をアセタール基で置換した樹脂(一般式(9))等が好ましい。
【0050】
【化17】
[式(8)において、R16、R17およびR18は水素原子またはメチル基を示し、R19は炭素数1〜4の直鎖または分岐状のアルキル基を示しそしてR20は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基または炭素数5〜8の環状のアルキル基を示し、m、nは次の関係を満たす数を示す。
0.10≦m/m+n≦0.95,0.05≦n/m+n≦0.90]
【0051】
【化18】
[式(9)において、R21〜R25は水素原子またはメチル基を示し、R26は炭素数1〜4の直鎖または分岐状のアルキル基を示し、R27は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基または炭素数5〜8の環状のアルキル基を示し、R28は水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖または分岐状のアルコキシル基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルメチルオキシ基を示し、そしてR29は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基または炭素数5〜8の環状のアルキル基を示し、ここで、p、q、r、sは次の(i)〜(iii)を満足する関係を有する。
【0052】
さらに、アセタール基含有樹脂は、必要に応じて架橋構造を有した繰返し単位をさらに含有した樹脂を使用することができる。ここで架橋構造を有した繰返し単位としては、ポリヒドロキシスチレンとジビニルエーテル等とを反応させて得られる下記式(10)で表される基またはジ(メタ)アクリル単量体を共重合して得られる下記式(11)で表される基を有する繰返し単位が好ましい。
【0053】
【化19】
[ここで、R30、R31、R33およびR35は同一もしくは異なり、水素原子またはメチル基を示し、R32およびR34は同一もしくは異なり、メチル基またはエチル基を示し、そしてXは2価の有機基を示す。]
【0054】
【化20】
[ここで、R36およびR37は同一もしくは異なり、水素原子またはメチル基を示し、そしてYは2価の有機基を示す。]
【0055】
上記、アセタール基含有樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、これらの樹脂は、他の樹脂や、フェノール性低分子、アルカリ溶解性制御剤例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基等とともに用いることもできる。
【0056】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の配合割合は、レジストの所望の特性に応じて変わるが、好ましい配合割合は、以下のとおりである。
先ず、本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物において、感放射線性酸形成剤(A)の配合量は、酸解離性基含有樹脂またはアルカリ可溶性樹脂100重量部当たり、通常、0.001〜50重量部、好ましくは0.01〜30重量部、特に好ましくは0.1〜25重量部である。感放射線性酸形成剤(A)の配合量が0.001重量部未満では、感度および解像度が低下する傾向があり、また50重量部を超えると、レジストの塗布性や耐熱性の劣化を来しやすくなる傾向がある。
【0057】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、酸拡散制御剤、界面活性剤、増感剤等の各種添加剤を配合することができる。
前記酸拡散制御剤は、露光によって感放射線性酸形成剤から生成された酸のレジスト被膜中での拡散現象を制御し、未露光領域での好ましくない化学反応を抑制する目的で、樹脂組成物に配合される成分である。かかる酸拡散制御剤を使用することにより、パターンの形状やマスク寸法に対する寸法忠実度等をさらに改良することができる。
酸拡散制御剤としては、例えば、レジストパターンの形成工程における露光後あるいは加熱後においても塩基性を保持しうる窒素化合物が好ましい。
【0058】
このような窒素化合物の具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピロリドン、ピペリジン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、チアベンダゾール、ピリジン、2−メチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、2−ベンジルピリジン、ニコチン酸アミド、ジベンゾイルチアミン、四酪酸リボフラミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。
【0059】
これらの酸拡散制御剤のうち、特に、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、2ーベンジルピリジン、4ベンジルピリジン、ベンズイミダゾール、2ーフェニルベンズイミダゾール、4−フェニルピリジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ニコチン酸アミド等が好ましい。
【0060】
前記酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
酸拡散制御剤の配合量は、その種類、感放射線性酸形成剤の種類等に応じて変わるが、樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部当り、通常、10重量部以下、好ましくは5重量部以下である。酸拡散制御剤の配合量が10重量部を超えると、感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。
【0061】
前記界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す。このような界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系あるいは両性のいずれでも使用することができる。好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類等のほか、以下商品名で、KP(信越化学工業製)、ポリフロー(共栄社油脂化学工業製)、エフトップ(トーケムプロダクツ製)、メガファック(大日本インキ化学工業製)、フロラード(住友スリーエム製)、アサヒガード、サーフロン(旭硝子製)等の各シリーズを挙げることができる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0062】
界面活性剤の配合量は、樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部当たり、界面活性剤の有効成分として、通常、2重量部以下である。
前記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを感放射線性酸形成剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。好ましい増感剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等である。
【0063】
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。増感剤の配合量は、樹脂組成物中の全樹脂成分100重量部当たり、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
また、染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
さらに、他の添加剤としては、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤、形状改良剤等、具体的には4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等を挙げることができる。
【0064】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、その使用に際して、固形分濃度が例えば5〜50重量%となるように溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
前記溶剤としては、例えば、エーテル類、エステル類、エーテルエステル類、ケトン類、ケトンエステル類、アミド類、アミドエステル類、ラクタム類、ラクトン類、(ハロゲン化)炭化水素類等を挙げることができる。より具体的には、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、酢酸エステル類、ヒドロキシ酢酸エステル類、乳酸エステル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、アルコキシ酢酸エステル類、(非)環式ケトン類、アセト酢酸エステル類、ピルビン酸エステル類、プロピオン酸エステル類、N,N−ジアルキルホルムアミド類、N,N−ジアルキルアセトアミド類、N−アルキルピロリドン類、γ−ラクトン類、(ハロゲン化)脂肪族炭化水素類、(ハロゲン化)芳香族炭化水素類等を挙げることができる。
【0065】
このような溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプロピオネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を挙げることができる。
これらの溶剤のうち、2−ヒドロキシプロピオン酸エステル類、3−アルコキシプロピオン酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等が好ましい。
【0066】
前記溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに前記溶剤には、必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶剤を1種以上添加することもできる。
【0067】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前述のようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成したのち、加熱処理(以下、「PB」という。)を行い、次いで所定のマスクパターンを介して該レジスト被膜に露光する。その際に使用することができる放射線は、水銀灯の輝線スペクトル(波長254nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等の遠紫外線が好ましいが、感放射線性酸形成剤の種類に応じて、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線等を使用することもできる。また、放射線量等の露光条件は、樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
露光後、レジストのみかけの感度を向上させるために、加熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが好ましい。その加熱条件は、樹脂組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
その後、アルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成させる。
【0068】
アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アンモニア水、アルキルアミン類、アルカノールアミン類、複素環式アミン類、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の1種以上を、通常、1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。特に好ましいアルカリ現像液は、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類の水溶液である。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
なお、このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を使用する場合には、一般に、現像後、水洗する。
【0069】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0070】
ポジ型感放射線性樹脂組成物の調製
表1(但し、部は重量に基づく。)に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのテフロン製メンブレンフィルターでろ過して、各組成物溶液を調製した。
次いで、各組成物溶液を、シリコンウエハー上に回転塗布したのち、表2に示す温度と時間にてPBを行って、膜厚0.7μmのレジスト被膜を形成した。このレジスト被膜に、(株)ニコン製KrFエキシマレーザー照射装置(商品名NSR−2005 EX8A)を用い、波長248nmのエキシマレーザーを、マスクパターンを介し露光量を変えて露光した。また、一部の実施例は、KrFエキシマレーザーに替えて、簡易型の電子線直描装置(50KeV)を用いて電子線を照射した。放射線照射後、表2に示す温度と時間にてPEBを行った。次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液として用い、23℃で60秒間現像したのち、水で30秒間洗浄し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成させた。 各実施例および比較例の評価結果を、表3(ポジ型感放射線性樹脂組成物)に示す。
ここで、各レジストの評価は、下記の要領で実施した。
【0071】
非昇華性
レジストを回転塗布した直径4インチのシリコン基板10枚と、別の直径4インチの新品シリコン基板1枚を準備し、レジストPB(100℃、90秒)時に、新品基板の研磨面が、レジストを回転塗布した基板のレジスト塗布面と2mm間隔で向かい合わせになるように設置する。レジスト10枚を連続でPBし、新品基板の研磨面に昇華物による曇りが目視で確認できるものを「不可」、研磨面の昇華物による曇りが目視で認められなければ「良」とした。
【0072】
感度
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光量を変えて露光したのち、直ちに露光後ベークを行い、次いでアルカリ現像したのち、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.25μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
【0073】
解像度
最適露光量で露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を解像度とした。
パターン形状
シリコンウエハー上に形成した線幅0.25μmの1L1Sの方形状断面の下辺の寸法La と上辺の寸法Lb とを、走査型電子顕微鏡を用いて測定して、
0.85≦Lb /La ≦1
を満足し、かつ基板付近にパターンのえぐれやパターン上層部の庇のないものを、パターン形状が「良」であるとし、これらの条件の少なくとも1つを満たさないものを、パターン形状が「不可」であるとした。
【0074】
膜面荒れ
設計線幅0.26μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)のラインパターンを走査型電子顕微鏡にて観察し、図1に示すように、該ラインパターンの横側面に沿って生じた凹凸の最も著しい箇所における線幅と設計線幅0.26μmとの差ΔCDを測定して、下記基準で評価した。図1において、(イ)はレジストパターンの平面図、(ロ)はレジストパターンの側面図であり、凹凸は実際より誇張されている。
ΔCDが0.01μm未満:良
ΔCDが0.01μm以上:不良
【0075】
保存安定性
室温でレジスト溶液を6ヶ月保存し、感度の変化が±5%未満のものを「良」、感度が5%以上変化するものを「不可」とした。
各実施例および比較例で用いた各成分は、下記の通りである。
【0076】
感放射線性酸形成剤(A)
各実施例で用いた酸形成剤(A)は、下記の通りである。
【0077】
【化21】
【0078】
その他の感放射線性酸発生剤
(α−1)トリフェニルスルフォニウムノナフロロブタンスルホネート
(α−2)ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム 10−カンファースルホネート
(α−3)N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2. 1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドスルホンイミ ド
(α−4)ビス(シクロヘキシルスルフォニル)ジアゾメタン
【0079】
酸解離性基含有樹脂
(B−1)ポリ(ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の26モル%がt−ブトキシカルボニル基で置換された樹脂(Mw=9,000)
(B−2) ポリ(ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の25モル%がt−ブトキシカルボニルメチル基で置換された樹脂(Mw=25,000)
(B−3)ポリ(ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の32モル%がt−ブチル基で置換された樹脂(Mw=15,000)
(B−4)ヒドロキシ−α−メチルスチレンとt−ブチルアクリレートとの共重合体(共重合モル比=5:5、Mw=12,000)
(B−5)4−ヒドロキシスチレンとt−ブチルアクリレートとの共重合体 (共重合モル比=65:35、Mw=10,000)
(B−6)4−ヒドロキシスチレンとスチレン、t−ブチルアクリレートとの三元共重合体(共重合モル比=60:20:20、Mw=12,5 00)
【0080】
アセタール基含有樹脂(C)
(C−1)ポリ(ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の34モル%が1−エトキシエチル基で置換された樹脂(Mw=9,0 00)
(C−2)ポリ(ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の15モル%が1−エトキシエチル基で置換され、18モル%が1−エトキシプロピル基で置換された樹脂(Mw=10,000)
(C−3)ポリ(ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の25モル%が1−エトキシエチル基で置換され、8モル%がt−ブトキシカルボニルオキシ基で置換された樹脂(Mw=10,000)
(C−4)ポリ(ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の23モル%が1−エトキシエチル基で置換され、10モル%がt− ブチル基で置換された樹脂(Mw=12,000)
(C−5)4−ヒドロキシスチレン/スチレン共重合体(共重合比9/1)のフェノール性水酸基の25モル%が1−シクロヘキシルオキシエチル基で置換された樹脂(Mw18,000)
(C−6)4−ヒドロキシスチレンとt−ブチルアクリレートとの共重合体 (共重合モル比=90:10、Mw=12,000)のフェノール 性水酸基の25モル%が1−エトキシエチル基で置換された樹脂(Mw18,000)
(C−7)ポリ(ヒドロキシスチレン)(Mw=5000)をp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩触媒存在下でエチルビニルエーテルおよびジエチレングリコールジビニルエーテルと反応させて得られた、ポリ(ヒドロキシスチレン)のフェノール性水酸基の水素原子の24モル%が1−エトキシエチル基で置換され、ジエチレングリコール骨格を有する架橋基で平均6量体にとしたアセタール架橋樹脂(Mw=30,000)
【0081】
アルカリ溶解性制御剤
【0082】
【化22】
【0083】
その他の成分
酸拡散制御剤として、ジメチルドデシルアミン(γ−1) 、トリオクチルアミン(γ−2)、ベンズイミダゾール(γ−3) または2−ベンジルピリジン(γ−4) を用い、
溶剤として、2―ヒドロキシプロピオン酸エチル(δ−1)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(δ−2)を用いた。
【0084】
【実施例】
実施例1〜14、比較例1〜3
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【発明の効果】
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は各種放射線、特にKRFエキシマレーザーなどの遠紫外線に対して高い透過率を有し、高感度(低露光エネルギー量)で効率良く酸を発生でき、かつ昇華性が小さく、優れた解像性能およびパターン形状をもたらしうる保存安定性に優れており、膜面荒れが小さく、線幅制御が容易であり、微細加工に好適な感放射線性樹脂組成物である。
したがって、本発明のポジ形感放射線性樹脂組成物は、特に、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用のレジストとして極めて有用である。
【0089】
【図面の簡単な説明】
【図1】ラインパターンの横側面の膜面荒れの評価法を示す模式図である。
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